平成29年5月18日教育長記者会見における質疑応答

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ページ番号1020123  更新日 令和1年5月8日

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平成29年5月18日(木曜日)
県庁10階  教育委員室

発表事項:

  • なし

質問事項:

  • いじめ防止の取組について
  • いじめ防止第三者調査委員会の検討内容について
  • 地域学校連携のこれまでの成果と課題、今後の取組について
  • 図書館における記念誌等の切り取り事件に対する所感について
  • 大学入試共通テスト(仮称)への対応について
  • 韓国への修学旅行の取りやめについて

質疑応答

教育企画室
ただいまから、教育長記者会見を始めます。
本日は、教育長からの発表はありませんので記者クラブからの質問をお願いします。

幹事社 
記者クラブからの代表質問はありませんので、各社から質問がありましたらお願いします。

記者
いじめ防止対策について、本年度から岩手県いじめ問題対策委員会の開催も行われていますが、新年度に入ってからの新しい取組やいじめの早期発見に向けて力を入れる重点事項について、教えてください。

教育長
本県で発生した、いじめを一因とする中学生の自殺事案につきましては、全国的にも御心配をおかけしました。何よりも子どもの命の尊厳という観点から、このような事案は今後発生させないという強い思いを抱いております。
学校関係者をはじめとした地域の皆様、そして子どもたちといった学校を取り巻く多くの皆様のお力をお借りしながら、このような事案が発生しないような環境を作っていくことが大事であると思います。これまで条例の制定や知事と教育委員会委員長との連名でのメッセージの発信、啓発用ポスターの掲示というような取組を行って参りました。
また、各学校において、いじめ防止基本方針をしっかり実施していくことが大事であると考え、いじめ防止基本方針の実施の促進についても取組を行って参りました。
併せて命の尊厳という観点からも、いじめは当事者間の人権に対する意識が薄いということから発生していると考え、人権を尊重するという教育も一層推進していかなければならないと思います。
昨年度は、いじめの積極的な認知、教職員間の情報の共有、迅速な組織対応、これら三点を中心に様々な取組を行って参りましたが、県内の義務教育学校、小中学校、県立学校、ほぼ全ての学校で積極的に対応している状況にあります。
本年度は、自殺予防、関係者への情報提供、児童生徒による取組を新たに行っていくこととしており、県立学校長会議や教育長会議、総合教育会議等、様々な機会において、教育関係者の間で情報共有をしています。また、総合教育センターにおける様々な研修講座で、いじめ防止に関する講座の充実を図り、このような痛ましい事案を発生させないことはもとより、いじめは常に起こり得るという前提において、学校組織として早期発見早期対応に取り組む環境作りをしていきたいと思います。

記者 
自殺予防や児童生徒による取組とは、具体的にどのような取組ですか。

教育長
自殺予防というのは、いじめを一因とした自殺事案が発生することを防ぐということも勿論のことですが、いじめと関わりのない自傷行為等も含めた自殺事案が毎年発生している現状に対し、原因を調査するだけではなく、命を大切にする教育をしっかりと行っていきたいと思います。
また、いじめの撲滅を目指すことは、本県のこれまでの経緯等を踏まえると、どうしてもいじめから目を背けてしまうという過去の教訓がありますので、いじめは常に起こり得るものであるという前提で、組織的な風土の醸成やいじめは悪いことであると子どもたちの共感を生むことについて、教科活動等を通じて取り組んで参ります。
児童生徒の取組についてですが、児童会活動や生徒会活動を通じて、子どもたちがいじめを無くそうと共通の目標を持って啓発用のポスターを作ったり、子どもたち同士で話し合いをすることが大切であると思います。また、日常の登下校の中で年長の子どもが後輩の子どもの面倒を見るといった人間関係の中から、望ましい関係性が育まれていくものだと思います。
そうした児童生徒が主体的になっていじめ防止に取り組んでいくことが極めて重要ですし、そうした児童生徒の主体的な取組を促進するよう市町村教委と取り組んで参りたいと思います。

記者
今年度に入り、いじめ問題対策委員会が3回開催されていますが、どういった内容が話し合われているのでしょうか。

教育長
県立学校で発生したいじめ事案について、話し合いが行われています。
いじめの対象となった生徒は既に高校を卒業しており、いじめた生徒からも謝罪等が行われていて、いじめ自体も止んでいるという状況にありましたが、いじめの認知に係る学校及び県教委の対応に対し、保護者の方に納得いただけませんでした。これまで幾度となく話し合いの場を設けてきましたが、なかなか保護者の方からの理解が得られず、話が平行線という状況にありましたので、第三者委員会の方にしっかりといじめの発生に至った経緯、その後の対応について、第三者的な見地から検証していただくことが大事だと県教委として判断した結果、いじめ問題対策委員会に諮問を行い、検討いただいているものです。

記者 
地域学校連携について、今年度から新しく指導主事の方が配置されました。岩手型コミュニティスクールもありますが、これまでの地域学校連携の取組と成果、課題、それらを踏まえた今年度からの方向性を教えてください。

教育長
国では、十数年前にコミュニティスクールを地教行法の改正によって制度化しました。本県では、法改正に対応する時点で、どうあるべきかを議論した経緯があります。歴史的に50年を超える教育振興運動において、学校、子どもたち、保護者、地域、行政という五者の連携による自主的な活動として、学校の取組だけではなく地域の活動によって、みんなで学校を支えていこうという運動を展開しています。これは岩手にとって素晴らしい活動だと思います。
また、国の法改正を受け、教育振興運動と併せて、より地域との関係性を深めていくため、岩手型コミュニティスクールをスタートし、10年を超える経過があります。
具体的に何を行ってきたかというと、教育振興運動については、全県で共通のテーマを決めて行ってきており、現在は情報メディアとの上手な付き合い方をテーマに取組を行っています。これまでも、学力向上などの様々な目標を設定して取り組んできており、そういう取組は浸透してきています。
また、地域に対し、学校の取組を積極的に情報発信することが大事であると捉え、何が目標で、結果がどうだったかを、学びフェストという形で地域の皆様に公開していますし、県立学校等を含め、学校評議員制度を全ての学校で取り入れています。そうした中で、地域との関係性は、かなり進んできているという状況です。
さらには、伝統芸能活動などの様々な地域活動への児童生徒の参画も進められてきており、今後、更に展開させ、学校と地域の関係を深めていくことは、地方創生の観点からも、極めて大事であると思います。
このような状況を踏まえ、様々なテーマにおいて、学校と地域との関係性は、教育課程とは別に、人間形成を育んでいく上で、極めて重要な視点であると思っていますので、今後なお、一層発展させて参りたいと思います。

記者
今年度から新しく指導主事の方を配置されていますが、どういった関係で配置されたかお聞かせください。

教育長
これまで学校と地域との関係は、社会教育の一環として行ってきているところですが、教育課程との関わりも深いことから、本年度から生涯学習文化課を改編した生涯学習文化財課に社会教育主事と一緒に教育課程の知見も深い指導主事を併せて配置し、生涯学習や地域との関係性の推進、地域の活性化について、社会教育の観点からも一体的に行うことを目的に新たな体制の整備を行ったところです。
また、市町村教委との情報共有も十分に行いながら、今後一層、学校と地域の関係性を発展させていくために、現在、各市町村教委、関係機関を回り意見交換を行い、土台作りを行っているところです。

記者 
学校と地域の関係性は、人間形成のためにも重要ということですが、いじめ防止のためにも地域の方々の力をお借りすることは大切であるということですか。

教育長
教育は、教職員によって日々行われていますが、課外活動や登下校はスクールガードの方々など、地域によって支えられており、大変ありがたいことですし、地域との関係性は、これからも大切にしていこうと考えています。
地域産業や地域の実情を理解することによって、将来地域を支える人材が育つと思います。また、より広いステージに羽ばたく子どもたちが、変化の激しい時代において、しっかりと生き抜いていく力を養うためには、社会と向き合うような環境を充実させていく必要があると思っています。これらのことを充分に考慮し、いじめ防止の取組について、共通理解を関係者と図りながら進めて参りたいと思います。

記者 
全国各地で図書館にある記念誌の切り取りに関する問題が起こっており、県内においても同様の事例が確認されています。図書館の本は公共の財産であり、本を大切にするという意識が欠けての犯行だと思いますが、所感や注意喚起があればお聞かせください。

教育長
そのような行為をした人たちがどういった動機で行為に至ったのかは、犯人が捕まっていないのでわかりませんが、極めて由々しき問題であると思います。また、このような事案が全国的に見つかっているというのは、特定の個人による行為だけではなく、模倣犯的なところもあるのだろうと思います。
本県においても、全県の図書館の状況をお聞きしましたが、盛岡市及び宮古市の市立図書館において、そのような事案が起きたと聞いています。
図書館は、住民の皆様の共有の施設ですので、備品や書籍等は丁寧に扱っていただくことが極めて大事だと思います。県立図書館ではそういった事案は確認されていませんし、県内での発生件数は限定的ですが、こうした事案が今後起きないように出来る限りの努力をしていく必要があると思います。
また、利用者の皆様に対し、公共のマナーを守ってもらうよう、様々な機会を捉えてお願いをしていくことも大切であると考えています。

記者
記念誌の切り取りが見つかった盛岡市及び宮古市について、どのような対応を取られているか把握されていますか。
また、県教委としても、どのような対応を行うのかお聞かせください。

教育長
盛岡市及び宮古市における具体的な対応は、現在確認できていませんし、県教委としても、現時点では具体的に対策等を講じるという段階にはありませんが、検討課題として関係者間で話し合う機会を作っていきたいと思います。
また、物理的な対策を講じて、利用者の行動を全て把握することは極めて困難ですし、プライバシー保護の問題もありますので、一番大事なことは公共のマナーを守ることについて、利用者の皆様の理解を得ることだと思います。具体的には、館内でのお願いを掲示すること等が考えられますが、関係者と話し合いをしながら、その対策を一緒に考えていきたいと思います。

記者 
先日、大学入試センター試験について、文部科学省から新たな大学入試の方針案が公表されましたが、以前から岩手県としても教育の日のつどいに安西先生をお呼びするなど、高大接続改革に関心を持ってきたところだと思います。これから対応を考えていく段階だと思いますが、新たな方針案を受け、岩手県として高校教育にどのように取り組んでいくのか方向性をお聞かせください。

教育長
文部科学省が基本的な方向性を公表したという段階であり、まだ都道府県に対する具体的な説明がなされたものではありませんが、高校生にとって大学進学は、極めて重要な人生設計に影響のあることですので、しっかりと対応していくことが大事だと思います。
例えば、英語について民間試験を活用するような話がありますが、今後も様々な動きがあると思いますので、文部科学省からの情報を学校現場へ正確に伝えていくことで、生徒たちの進路決定にとって悪影響が出ないように対応して参ります。

記者 
北朝鮮がミサイルを発射したということで朝鮮半島の情勢が緊迫化していますが、県外の一部の学校では、生徒の安全性を欠くということで韓国への修学旅行を中止したという学校もあるようです。県内の学校でも、修学旅行の中止や延期の動きはあるのでしょうか。

教育長
岩手県において、韓国へ修学旅行に行った、又は近々予定しているというような学校はありませんので、具体的な動きになっておりません。

記者
例えば、県教委の方から各学校に対し、韓国への渡航を自粛する通知を出すといった方針はありますか。

教育長
国家間の外交上の問題に端を発している動きだと思いますので、根本が解決されることに期待しています。岩手県において、現時点で具体的な対応は予定していませんが、今後対応を要する事案が生じた場合には検討していきたいと思います。

教育企画室
以上をもちまして本日の記者会見を終了します。

このページに関するお問い合わせ

岩手県教育委員会事務局 教育企画室 企画担当
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