平成29年6月22日教育長記者会見における質疑応答

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ページ番号1020120  更新日 令和1年5月8日

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平成29年6月22日(木曜日)
県庁10階  教育委員室

発表事項:

  • なし

質問事項:

  • 講師逮捕事案を受けての所感及び今後の再発防止対策について
  • 教員の多忙化解消策として「小中学校で夏休みを最短10日間に短縮した事例」に対する所感について

質疑応答

教育企画室
ただいまから、教育長記者会見を始めます。
本日は、教育長からの発表はありませんので記者クラブからの質問をお願いします。

幹事社 
記者クラブからの代表質問はありませんので、各社から質問がありましたらお願いします。

記者 
講師の逮捕事案を受けて伺います。教職員の逮捕事案は今年度1件目ですが、これまでかなり続いているという印象を受けます。教職員の逮捕事案に対する所感と、未然防止対策に係る点検や見直しを実施しているかお聞かせください。
また、過去の逮捕者について、講師や非常勤職員の割合が高い傾向にありますが、何か原因があるとお考えであればお聞かせください。
さらに、講師の方からは、部活動や授業に係る業務の多忙さから、教員採用試験に対する勉強時間が中々確保できず、先行きが見えないことの不安が大きいというような声も聞かれるところです。勉強時間の確保に向けた取組を行っている学校や教員採用試験時の優遇措置などあればお聞かせください。

教育長
まず、今般の逮捕事案に対する所感についてですが、教職員の不祥事事案については、昨年、一昨年と、この2年間に重大な事態が続発したということで、県民の皆様からの教育に対する信頼が大きく揺らいだ年であったと思います。
昨年末に、新たな対策等を含めて、不祥事の防止及び撲滅に向けた取組を打ち出しました。その結果、今般の事案の発生までの間、新たな不祥事事案は発生しておらず、私が教育に携わるようになってから記憶にないというぐらい、不祥事の防止や子どもたち一人ひとりに寄り添った教育をするために信頼を確保していくという意識が、各職場において浸透してきていると感じていました。そうした中で今般の逮捕事案が発生したことは、極めて残念に思います。
また、県民の皆様に対して、改めてお詫び申し上げたいと思います。
当該教員は拘留中であり、接見は一度行うことができましたが、詳しい話を聞くことはできていません。現段階で逮捕容疑については、概ね認めているということですが、今般の事案の発生を改めて重く受け止め、再発防止に向けて取り組んでいかなければならないと考えています。
一方で、教職員全体の士気の低下も招かないよう、諸会議や研修等の機会を通じて、教職員一人ひとりの心に響くような取組を行っていきたいと考えています。
不祥事事案と任用形態との関わりについてですが、これまでの本県の経緯を見ると、本採用の教員、それから講師、常勤、非常勤に関係なく、不祥事事案を起こしており、全ての教職員に対して、教育に携わる責任ややりがいを十分に感じてもらえるような取組を行っていきたいと思います。
しかし、今般の事案が講師によるものであったことや、昨年度も講師が重大な不祥事事案を起こしたということは事実です。本採用の教員と比べて研修の機会は少ないということですが、講師任用の初年度には研修も行っており、何より各学校において管理職との意見交換等を通じながら、心に届くような取組を行っていくことが基本であると考えています。今後もしっかりと地に足をつけた取組を行って参ります。
それから講師に対する教員採用試験に向けた指導ですが、講師は県立学校、市町村立学校とも相当数任用しています。本来であれば正職員として採用することが望ましい姿であると思いますが、児童、生徒数の減少により学校減、学級減が進んできているという状況にありますので、将来的な見通しを持って本採用の教員を任用していく必要があり、どうしても臨時的任用教職員で対応せざるを得ないということも現実としてあります。教員採用試験は、競争試験ですので、講師経験の有無に関わらず、受験機会を公平、公正に確保することが大事であり、講師経験が何年以上あれば採用するというようなことは本来の姿として適さないと思います。
ただ、講師の方々の中には、経験を多く積んできている方も多いため、平成28年度の教員採用試験から教職専門科目を免除する選考を実施しています。
また、学校においても、講師の要請に応じて受験指導を行っています。物理的に勉強する時間が少ないという課題がありますので、それを補完するような取組を行ってきているところであり、今後とも可能な限りの支援を行って参ります。

記者 
今般の事案により児童生徒へ多大な影響が出ると思いますが、子どもたちにとっては常勤、非常勤は関係なく、教壇に立つ者の質が低下していると言われても仕方ないと思います。その点についての所感をお聞かせください。

教育長
教員の質は極めて大事であると思います。「教育は人なり」と言われるように、子どもたちの教育は教員の資質能力によるところが大きく、我々はその重みをしっかりと受け止め、取り組んでいかなければならないと考えており、2月の県議会定例会の演述においても、そうした思いを発信したところです。今般の事案において、コンプライアンスの徹底については、当該講師を含めて分かっていたというところであり、衝動的な行動によるものであったと思います。何故そうした行動を起こしたのか分かりませんが、結果として、一人ひとりにコンプライアンスの徹底という意識が浸透していなかったということであり、批判は真摯に受け止めなければならないと思います。
また、コンプライアンスは勿論ですが、加えて子どもたちにとっては常勤、非常勤の別は関係なく、先生として自分の力を高めてくれる存在ですので、全ての教職員に対して、教育に携わる責任ややりがいを十分に感じてもらえるような取組を行っていきたいと思います。

記者 
今回の事案に関して、人を教える立場の人間として資質に欠ける行動であったと思いますが、メンタルヘルスやストレスチェックなどの取組についてお聞かせください。

教育長
教員に限ったことではありませんが、社会全体で労働者がそれぞれのストレスを抱えながら仕事をしているという実態にあり、ストレスをどのように解消させながら、仕事に前向きに取り組むかが重要な視点であると思います。各学校においては、それぞれの管理職が、教職員一人ひとりの行動に目を配りながら話を聞き、メンタルヘルス対策として専門家の力を借りつつ、必要に応じて受診等も進めている状況にあり、一人ひとりをしっかりと見ていくことが大事であると考えています。なかなか全てを把握することは現実的に困難ですが、出来る限り組織的なサポート体制を構築しながら、教職員の相談に乗り、支えていくことに力を入れて参ります。

記者 
公然わいせつという事案を受けてどのように思われましたか。

教育長
まず、ショックでした。教育者としての基礎的な知識技能ということではなく、教育というのは人間性を高めていくことという観点から、今般の事案は、非常に言葉に言い表せないような教育者としてのレベルの低さを感じました。人間には様々な欲がありますが、その中でも、やって良いことと駄目なことがあり、教職員は公務員の中でも特に倫理観を求められていると思いますので、今後しっかりと指導していかなければならないと感じました。なお、当該教員に対しては、信賞必罰ということで厳正に対応する必要があると考えています。
また一方で、しっかりとやっていただいている多くの教職員がいますので、士気を下げないような取組も同時に必要であると考えています。具体的には、頑張ったことに対しては、感謝したり褒めたりするということも併せて行っていきたいと思います。

記者 
教職員の多忙化の解消に向けた取組として、静岡県のある町が夏休みを10日間に短縮し、授業の機会を増やすという動きがありますが、所感をお聞かせください。

教育長
そうした動きがあることについては初めて知ったが、先駆的な取組として、そうした考え方もあるのではないかと感じました。
一方で、夏休み、冬休みといった長期休暇は、子どもたちにとって様々な経験を積む大事な期間であり、長期休暇を短縮することとのバランスが保たれる必要があると思います。
年間の授業時間については一定の標準があり、その範囲内で各学校の裁量のもと、各学校の事情や各地域の実情に沿って設定しているところであり、現実的な課題も踏まえながら、どう調和させていくのかが重要だと思います。
 
教育企画室
以上をもちまして本日の記者会見を終了します。

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