平成29年11月21日教育長記者会見における質疑応答

Xでポスト
フェイスブックでシェア
ラインでシェア

ページ番号1020107  更新日 令和1年5月8日

印刷大きな文字で印刷

平成29年11月21日(火曜日)
県庁10階  教育委員室

発表事項:

  • 防災教育の講演等に関する教育長の台湾訪問について  

質問事項:

  • 県立高校の元生徒に係る訴訟の判決について

質疑応答

教育長
11月7日から10日の4日間において、教育長として防災教育の講演等を行いに台湾へ訪問してきましたので、御説明します。
今年3月に、台北在日経済文化代表処教育部から、東日本大震災以降の教育現場の状況や防災教育について、台湾の大学、高校等で講演をして欲しいという要請があり、花蓮県にある国立東華大学や私立四維高級中学などへ訪問し、講演を行いました。台湾においても1999年に大地震が起こっていることから、学校教育を通じて防災教育に力を入れており、岩手で起きた未曾有の災害の経験を、台湾の教育の中でも参考にさせて欲しいということでした。
講演では、まずインバウンド効果により、岩手を訪れる外国人旅行客の方は台湾の方が一番多いということや、歴史的にも新渡戸稲造や後藤新平が総督府で勤務した時期があり、台湾と岩手には人的なつながりが古くからあること、岩手の四季や食、世界遺産等の文化財など、岩手についても紹介しました。  
そして、東日本大震災津波関係の話をしましたが、大震災発生直後に子どもたちが学校の敷地にいる状態で、津波が多くの学校を直撃しており、間一髪というような状況もあったが、児童生徒、教職員の機転の利いた行動で、学校内で亡くなった子どもがいなかったことについて話しました。亡くなった子どもがいなかった理由は、それぞれの子どもたちと地域とのつながりが深く、津波てんでんこなど過去の津波の歴史を地域でしっかりと伝承していることにより、地域と一体となった行動ができていたことによるものだと思います。また、発災直後に各学校が避難場所となりましたが、そうした状況の中で岩手の子どもたちが地域の方々を支えたということもありました。そうしたことを踏まえ、「いわての復興教育」として、未来にこの津波の歴史をしっかりとつなぐことが大切であり、学校教育の中で取り組んでいると話してきたところです。

教育企画室
ここからは幹事社の進行によりまして進めて参ります。よろしくお願いします。

幹事社
只今の発表事項について、各社から質問があればよろしくお願いします。

記者
台湾で講演を行った際に感じた学生の印象などについて、教育長の所感をお伺いしたい。

教育長
それぞれ大学生、高校生と接しましたが、質疑応答を日本語で行うなど、日本に対する興味関心が極めて高い子どもが多いと感じました。それから、教育部の人々についても、岩手の防災教育についての話をして欲しいという要請とともに、未来に向けて、台湾と岩手の人的交流を一層深めていきたいという強い気持ちも感じましたので、教育をひとつの拠り所としながら、教育旅行など様々なつながりで台湾と岩手の関係が深くなって欲しいと思います。

記者
大学生や高校生と質疑応答を行われたということでしたが、どのような質問がありましたか。

教育長
様々な質問がありましたが、特に印象的だったのは、津波の被害を受けた学校について発災前後の写真を見せたところ、学校の敷地にいた子どもたちが亡くならなかった理由は何かと質問があったことです。まさにその時の海の状況等を見ながら、子どもたちや教職員が、親や地域から言い伝えられていたことを肌で感じ、機転の利いた行動がとれたということもありますし、津波石など過去の津波の歴史を表す石碑等もその要因であると話しました。
また、その他にも岩手自体に対する質問もあり、様々な質疑応答を行いました。

記者
岩手に対する質問で興味深いものはありましたか。

教育長
岩手の自然など、アピールしたいことは何かという質問がありました。台湾は全体的に温暖な気候ですので、雪に慣れ親しんでいるということやスキーの話をした際に興味深そうにしていると感じました。 
また、台湾の方々が岩手県を訪れる際には、気候の良い時期も良いが、冬は冬で様々な楽しみがあるということをお話しました。

記者
台湾と岩手の人的交流を深めようという強い気持ちを感じたということですが、交流を通して台湾の政府の方などから実際に発言があったということですか。

教育長
台湾の教育部の黄副参事からは、防災教育や復興教育の話を是非話して欲しいということとともに、これからの時代を担っていく子供たちが、日本や岩手に興味を持つことで、双方向の人的交流をしていきたいという話もありました。また、その他にも行政院東部総合服務センターの方々など、訪問した様々な場所でそうした話がありました。
花巻空港のチャーター便もありますので、今後、台湾と岩手の人的交流がより深まっていけば良いと思います。

記者
台湾訪問をきっかけに岩手の教育に取り入れたいと思ったことがあればお伺いしたい。

教育長
台湾では1993年9月21日に起きた大地震について、未来にしっかりと伝えていきたい特別な日としており、学校教育の中で様々な防災教育に取り組んでいると感じました。実際の地震を想定した避難訓練の映像なども見せていただきましたが、参加者が真剣に取り組んでおり、台湾の教育現場の実情等を見て、様々な自然災害が想定される中で地域に合った避難訓練を行うことなど、なお一層、力を入れていく必要があると感じました。

幹事社
その他、記者クラブからの代表質問はありませんので、各社から質問がありましたらお願いします。

記者
県立学校の教諭の訴訟に係る判決が出ましたが、県に対して慰謝料20万円の支払いが命じられたことについて、どのように受け止めているかお伺いしたい。

教育長
平成20年に当時高校2年生だった生徒が、教諭から体罰や暴言を受け、PTSDを罹患したということで、民事訴訟が提起されていたものです。この民事訴訟が提起されたのが、一昨年の9月であり、県教委として改めて当時の状況を当該教諭や学校から丁寧に話を聞いた上で対応を図ろうとしていた最中に、突然訴訟が提起されたため、法廷の中でお互いの主張をしてきたという経緯があります。今回の判決の中で、当該生徒が県外での練習試合に無断で欠席したということに対して、教諭が強く叱責をしたということについては、県や当該教諭も認めていたところであり、それに関して慰謝料が10万円、弁護士費用が10万円の支払を命じられました。
一方で、それ以外の当該生徒に対する暴力行為、PTSDに罹患した原因については、判決では否定されており、概ね県側の主張が認められたと受け止めていますが、一部について責任を求められたということは、重く受け止めつつ、今後の学校教育の中で活かしていきたいと思います。
また、以前に当該生徒や保護者の方から告訴が行われましたが、不起訴処分になっており、それらも含めて、県側が裁判の中で主張したことが全体的には認められたということで一定の安堵感を感じています。
しかし、当該生徒や保護者の方の心情を考慮すれば、裁判に訴えざるを得なかったことは、県教委としても非常に残念であり、訴訟を提起するような事実があったことはしっかりと重く受け止めなければならないと思います。
 
教育企画室
以上をもちまして本日の記者会見を終了します。

このページに関するお問い合わせ

岩手県教育委員会事務局 教育企画室 企画担当
〒020-8570 岩手県盛岡市内丸10-1
電話番号:019-629-6106 ファクス番号:019-629-6119
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。