平成30年3月28日教育長記者会見における質疑応答

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ページ番号1020104  更新日 令和1年5月8日

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平成30年3月28日(水曜日)
県庁10階  教育委員室

発表事項:

  • なし 

質問事項:

  • 入学者確保に向けた県外からの生徒の受入れや各自治体等の動きに対する受け止めについて
  • 今年度を振り返っての所感及び来年度の抱負について
  • 震災の記憶を後世に伝えていくための取組について

質疑応答

教育企画室
ただいまから、教育長記者会見を始めます。
本日は、教育長からの発表はありませんので記者クラブからの質問をお願いします。

幹事社
記者クラブからの代表質問はありませんので、各社から質問がありましたらお願いします。

記者
県立高等学校における生徒の多様な受入れのあり方に関する検討会議が今年度初めて開催され、一定の条件が整えば県外からの入学者の受入れを認めるという方向でまとまっており、また雫石高校での将来ビジョン策定委員会や沼宮内高校の入学者支援など、入学者確保に向けた取組は各地に広がっています。県教委として、こうした動きをどのように捉えているかお伺いしたい。

教育長
県立高校のあり方については、「新たな県立高等学校再編計画」を平成28年3月に策定しており、それに基づいて学校再編等の取組を進めてきたところです。各市町村において、生徒数が減少してきていることや地方創生に積極的に取り組んでいくという観点から、地元の高校を様々な形で支援していくという動きがあり、これからの地域の未来を担うのは、まさに子どもたちですので、その子どもたちを地域で育てていくという動きがあることは非常にありがたいことであると受け止めています。
県立高校の設置者として、小規模となっている高校でも、できる限りの教育を保障していくことは極めて大事な視点であると考えています。子どもたちがどんどん減ってきている中で、これまで県立高校では、県内の子どもたちの入学機会を確保することを最優先とし、県外からの生徒の受入れについては、原則として一家転住を条件に入学を許可してきました。一方で、地方創生の観点から、子どもたちが地域で生活することが地域の活性化につながるのではないか、岩手県として人口減少が進んできている中で、積極的に県外からの生徒の受入れをする必要があるのではないかという意見もありました。また、岩手県人口ビジョン等を踏まえ、地方創生やふるさと振興をどのように図っていくかという観点から、教育の現場でも積極的に対応する必要があるのではないかという意見もありました。併せて学区のあり方についても、全県一区にすべきじゃないかという意見がある一方で、それぞれの地域で子どもたちが高校進学を機に地元へ定着するよう学区を存置すべきだという意見もあり、一定の方向性を見出すために検討会議を設置し、議論をお願いしてきたところです。そうした中で、県外からの生徒の受入れについては、相対的には門戸を広げるべきだという御意見が大勢を占めていると認識していますが、検討会議の結論を得るためには、今しばらく時間がかかりますので、新年度となってからも改めて検討会議を開催し、7月頃を目途に一定の方向性を報告していただくこととしています。県教委としては、検討会議からいただいた御意見を踏まえつつ、方向付けを図って参りたいと思います。
また、各市町村において、部活動や進学の支援として、生徒たちへ様々な形で支援をしていただいていますが、これからは学校の中だけで教育が完結するのではなく、学校と地域が共同で取り組んでいくという視点を一層広めていく必要があると思いますので、そうした各市町村で行われている生徒への支援の取組を十分踏まえながら、高校教育のあり方を引き続き検討していきたいと思います。雫石町の将来ビジョン策定委員会については、地元の意向として一定のビジョンを示しているものと認識していますが、実現に向けては、様々な課題を乗り越えることが必要であり、教育のあり方についても多面的な検討が必要だと思いますので、地域の声を踏まえながら、具体的な相談がある場合には、県教委として積極的に意見交換をしていきたいと思います。

記者
今年度を振り返っての所感と来年度の抱負をお伺いしたい。

教育長
今年度を振り返ってみると、一昨年の希望郷いわて国体、希望郷いわて大会が大きな盛り上がりの中で県民の皆様の御協力もあり、大成功に終了することができたという勢いを、スポーツの振興はもとより文化の振興や、復興を成し遂げるための大きな力として復興の先にある未来の県政の発展にもつなげていくためにスタートした年度でした。本心としては、国体の感激にまだまだ浸りたいという思いがありましたが、その先につなげていかなければならないということで、文化スポーツ部が設置されたことを機に、県教委として、これまで以上に学校教育に力を入れて取り組んできました。そうした中で岩手の子どもたちがスポーツや文化活動、勉強等で一生懸命頑張っており、それを支える教職員も一生懸命頑張ったということで本当に良い1年だったと思います。
また、学校の教職員の働き方改革が、全国的にも教育課題として大きくクローズアップされ、文部科学省の予算でも教職員の働き方改革に関する具体的な数字が示されたところであり、本県においても長時間労働の実態があるということで看過できない状況であることから、総合的に取り組んでいく必要を強く認識した1年でした。そうしたことから、2月議会定例会で可決いただいた平成30年度当初予算に、県立学校でのタイムカードの導入、部活動指導員や事務的な補助を行う非常勤職員の配置、小学校での35人学級の拡大などを盛り込み、総合的な対策に踏み出したところです。
さらには、次期総合計画の策定と併せて、仮称ですが「岩手県教育振興計画」の策定に向けて取り組むとともに、復興の関係ではハード面の整備が着実に推進してきている一方で、心のケアなど様々な課題も出てきていることから「いわての復興教育」プログラムの改訂に取り組むこととしています。
来年度に取り組むべき課題が明らかになってきていますので、しっかりと取り組んでいきたいと考えています。

記者
取り組むべき課題が明らかになったということですが、どのような課題か具体的にお伺いしたい。また、その課題に対してどのように取り組んでいくのかお伺いしたい。

教育長
次期総合計画と岩手県教育振興計画の話をしましたが、中長期的なビジョンをしっかりと作っていくことや、その実現に向けて着実に推進していくことが大事だと思っています。高校再編の課題もありますが、復興で育んだ力や全国とのつながりの力、伝統文化というような歴史的な力、コミュニティの力など、この岩手には様々な力があると思いますので、そうした力を学校教育の中にも活用させていただき、岩手だからこそできる教育や、やるべき教育という視点を十分念頭に置きながら、着実に推進していきたいと思います。
また、教職員の働き方改革については、教職員の多忙化の解消ということもありますが、働き方改革の実現によって、学校教育がより一層充実することにつながりますので、まさに教育は人なりということで、できる限りの努力をしていきたいと思います。
それから、復興を進めていく中で、これまで行ってきた様々な実践の蓄積等もありますので、「いわての復興教育」プログラムの見直しを行い、子どもたちの生きる力というものを岩手の教育の中でしっかり身につけさせたいと思います。
さらに、文化スポーツの分野では、年々素晴らしい成績を残していますので、学校教育の中で文化スポーツ振興を引き続き進めていきたいと思います。

記者
大槌町役場の解体が話題となっており、震災の記憶を伝えていくためにどのようにすべきか改めて問われているのではないかと思います。子どもたちに震災の記憶を伝えていくためにどのようにすべきか教育長のお考えをお伺いしたい。

教育長
大震災発生直後に、子どもたちや教職員、地域の皆さんが機転の利いた行動をとったことで、間一髪という状況はあったものの学校管理下で亡くなった子どもはおらず、子どもたちの命が助かったということがありました。また、多くの学校が避難所になったという状況の中で、子どもたちが活躍し、地域の方々を支える力になったということもありました。将来的にも様々な自然災害が想定される中で、そうした過去の津波に関する経験や地域とのつながりを、学校教育の中で未来にしっかりと伝えていくことが必要であると考えており、「いわての復興教育」プログラムや副読本を活用した総合的な学習など、様々な取組を行ってきていますので、そうした取組を今後、体系的に再構築して一層推進していきたいと思います。
復興教育や防災教育という視点も勿論大切ですが、子どもたちに地域の生活者として生き抜いていく力を身につけさせることも重要であり、岩手の中にしっかりと定着させていきたいと思います。

教育企画室
以上をもちまして本日の記者会見を終了します。

このページに関するお問い合わせ

岩手県教育委員会事務局 教育企画室 企画担当
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