平成29年9月14日教育長記者会見における質疑応答

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ページ番号1020111  更新日 令和1年5月8日

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平成29年9月14日(木曜日)
県庁10階  教育委員室

発表事項:

  • 学校体育、学校文化関係の全国大会等の結果について

質問事項:

  • 北朝鮮のミサイル発射時の対応に係る今後の方針について
  • 学校における働き方改革に係る緊急提言に対する対応について 
  • 全国学力・学習状況調査の結果に対する所感等について
  • 一関市千厩町と藤沢町の仏像に係る県文化財保護審議会の答申に対する所感について 

質疑応答

教育企画室
ただいまから、教育長記者会見を始めます。
本日は、教育長からの発表があります。

教育長
文化やスポーツの秋ということで、これまで県内の中学生、高校生が学校体育、学校文化関係の全国大会において活躍しており、その結果について御説明いたします。
学校体育関係では、7月から8月にかけて南東北三県を中心に開催された全国高校総合体育大会において、本県選手が多くの競技において活躍しており、県民の皆様にも明るい話題を提供し、大きな喜びを与えてくれたと感じています。
自転車競技では、男子チームスプリントで紫波総合高校が初優勝したほか、男子1000mタイムトライアルで同校の中野慎詞選手が優勝し、チームスプリントに続き2冠を達成しました。
また、登山競技女子団体では、盛岡第一高校が2年ぶり2度目の頂点に輝きました。盛岡第一高校は、3年連続の表彰台と5年連続の入賞の快挙を成し遂げ、素晴らしい成果を上げました。
それから、カヌー競技では、女子カヤックペア200mで不来方高校の菊池夏生・北舘知沙組が全国制覇し、女子総合成績においても、準優勝に輝きました。
4種目の優勝は、昨年の2種目を上回る活躍であり、メダル数においても前回を上回る成果を上げており、このような岩手の子どもたちによる活躍は、希望郷いわて国体・希望郷いわて大会で得た成果をレガシーとして継承している結果であると受け止めています。
いよいよ9月30日から開催される愛顔つなぐえひめ国体においても、高校生は少年の部であるが、一般の部と併せて、本県選手の活躍を期待しています。
学校文化関係では、7月から8月にかけて、文化関係の全国大会が開催され、県内から多くの高校生が参加及び出品を行いました。7月31日から8月4日に開催された第41回全国高校総合文化祭みやぎ総文2017には、本県から17部門に460名余の高校生が参加しました。
その中でも、郷土芸能部門における北上翔南高校の優秀賞・文化庁長官賞、将棋部門における男子団体の岩手高校の準優勝・文化庁長官賞の受賞は、注目される活躍であると思います。特に北上翔南高校は、この結果により、8月26、27日に国立劇場で開催された全国高総文祭優秀校東京公演に5年振り5回目の出場を果たし、伝統ある国立劇場大劇場ステージで躍動的な動きを観客の皆様に披露し、大きな感動を与えてくれたと思います。
また、第17回全国中学校総合文化祭神奈川大会には、滝沢市立一本木中学校の一本木さんさが8月17日に参加し、一本木地区の指導者の皆様より指導を仰ぎ、伝統芸能を継承することへの大きな期待を担って演舞をしました。
それから、10月には全日本吹奏楽コンクール等、引き続き全国大会が開催予定であり、本県の生徒たちによる活躍を期待しています。
今後とも、取材や報道等を通じて取り上げていただくことで、児童生徒のモチベーションも上がることから、報道関係者の皆様には、是非、会場に足を運んでいただき、応援も含めてよろしくお願いしたいと思います。

教育企画室
ここからは幹事社の進行によりまして進めて参ります。よろしくお願いします。

幹事社
只今の発表事項について、各社から質問があればよろしくお願いします。

記者
スポーツや文化活動において、子どもたちが良い成績を収めている要因は何であると考えているかお伺いしたい。

教育長
子どもたち自身の頑張り、それから指導者の技術面の向上や人間形成に向けた高い熱意が良い成績を収めている要因であると思います。それから学校だけに限らず、多くの競技団体等を含め、地域の皆様の御協力や御支援等をいただいて、子どもたちが岩手の代表ということに大きな意義を感じながら、全国の舞台でも頑張るぞという雰囲気で、長年、力を積み重ねてきた結果であると思います。
また、昨年の希望郷いわて国体・希望郷いわて大会を機に、単に練習を長時間行うのではなく、スポーツ医・科学的な指導も浸透してきており、国体のレガシーを継承しているということもあると思います。
そして先ほど申し上げたことのほかに盛岡大学附属高校野球部の春夏通じての甲子園ベスト8という快挙もありましたが、先輩たちが築いてきた土台をしっかり継承していることが要因であり、そうしたことが野球に限らず、スポーツや伝統芸能の分野を発展させる大きな礎になっていると思います。

幹事社
その他、記者クラブからの代表質問はありませんので、各社から質問がありましたらお願いします。

記者
北朝鮮が8月29日の早朝に弾道ミサイルを発射したことで、学校の始業時間を遅らせる対応を取った市町村教委もありましたが、県教委として学校の管理下や登下校中の対応について今後の方針をお伺いしたい。

教育長
北朝鮮の情勢は先が見通せないことであり、日本全体そして世界が混乱させられている状況にあると思います。8月29日午前6時2分にJアラートが発信され、県内のいくつかの学校では、スクールバスの運行安全確認のため、登校時間を1時間から2時間繰り下げる対応を行いましたが、多くの学校では、登校時間よりも前の時間帯であったこともあり、普段どおりの対応であったと承知しています。
8月21日付けで、文部科学省から北朝鮮による弾道ミサイル発射に係る対応について通知があったことから、8月24日付けで市町村教委や県立学校等に対し、文部科学省通知の周知を図ったほか、内閣府が公表している弾道ミサイルが落下する際に取るべき行動等を示した資料や県教委が作成している危機管理マニュアル等により、適切に対応するよう通知しました。
また、9月8日付で、文部科学省から児童生徒に対する安全指導等の対応について通知があったことから、市町村教委や県立学校等に対し、どのように周知していくか検討しているところです。国から示された具体的な内容は、まず学校において、それぞれの実情を踏まえつつ、具体的な対応方策を検討し、危機管理マニュアルや学校安全計画等を見直していくこと、次にJアラート等が発信された際の児童生徒の避難誘導等の安全確保の方策について、全教職員で共通理解を図っておくことなどについてです。これらの通知等に基づき、各学校が適切に対応できるよう、市町村教委や県立学校等に対して必要な助言等を行って参ります。
しかしながら、ミサイルがいつ発射されるか予測がつかないため、子どもたちが登下校中や学校にいる時のほか、在宅している時や下校後に外で遊んでいる時などにおいても、発射情報が発せられた場合には、内閣府が公表している「弾道ミサイル落下時の行動について」により適切な行動をするよう、繰り返し周知して参ります。
対策をすれば安全ということではないため、各学校で教職員間の情報共有を徹底し、緊急時の対応を子どもたちや保護者等へ情報提供していくことが大切だと考えています。
学校の臨時休業についても、9月8日付の文部科学省からの通知において示されており、ミサイルが発射された場合に学校を臨時休業とするか否かの判断は、学校長の判断とされています。県教委としては、児童生徒が安全に登下校できる状況が確認できるまでは、学校を臨時休業することが適当であると考えており、現在、県立学校での対応を検討しています。また、その対応の方向性が決まり次第、市町村教委に対して、情報提供します。
 
記者
中教審が8月末、教員の働き方改革に向けた緊急提言を了承したが、実施を求められた場合、県教委はどのように取り組むのかお聞きしたい。

教育長
教員の多忙化解消や負担軽減という課題については、各職員団体等から長年示されている事項であり、学校に期待される役割、学校で取り組むべき役割が多様化してきたことにより、教育の充実を図っていくためには、教員の勤務時間自体を余裕のある勤務環境に変えていくことが極めて重要であると考えており、関係者等の話し合いの場を設け、対応策を検討し改善を行ってきたところです。そうした中で、県教委として今年2月に部活動の一斉休養日の導入を率先して取り組んでいる状況です。全県で中学校、高校の部活動の一斉休養日を徹底しており、今後とも継続していくことが大事であると思います。
中教審での検討は、勤務時間の短縮に向けた緊急提言ということですが、教員の多忙化の原因は、部活動の負担以外にもいじめ問題や不登校問題、子どもたちの学力定着など、学校で取り組むべきものが多様化してきているためであり、全体的な教員の勤務環境を見直していくことが必要です。そして見直しを行う中でも、県教委が主体となって取り組むべきもの、市町村教委が主体となって取り組むべきもの、国に要請していくべきものがあると思います。教員体制の充実は、国に対して要請しないと中長期的な体制の整備は中々難しく、これまでも繰り返しお願いしてきておりますが、来年の国の予算に関する概算要求の中で、教員体制の充実について自然減以上の充実を行うことが打ち出されていますので、今後はその動きを注視し、要望を重ねて参ります。
今回の緊急提言では、中教審として、教員の働き方改革について早急に取り組むという強い姿勢を示して頂いたと思っており、県教委として速やかに取り組むべきことについては、早急に取り組んでいきたいと思います。
一方で、先ほど申し上げた国に要請していくべきこともありますので、予算措置が必要となる事項については、平成30年度の国の予算編成を注視し、早急に検討していきたいと思います。

記者
部活動の一斉休養日は、県内の全ての中学校、高校で実施されていることでしょうか。
 
教育長
以前に県教委として示していた基準は、それぞれの学校の実情に応じて判断するという内容でしたが、今年2月に示した基準については、岩手県の学校教育の場の全てに浸透させることを目的に協力を強く要請しました。その結果、県立学校は全て統一して実施しており、市町村立学校においても、結果として浸透しています。各市町村の教育長からは、県教委として一定の方向性を示したということで非常に好意的な受け止め方をされており、一定の理解を得ていると思っています。
部活動に係る教員の負担軽減については、一時的な対策に留まることなく、将来に渡って引き続き行っていきたいと思っており、国のガイドラインが今年度中に示されますので、それを踏まえて見直しを行っていきたいと思います。

記者
緊急提言の中では、タイムカードの取組等も示されていましたが、本県ではどのように時間を管理していますか。

教育長
教員の超過勤務命令の制度的な考え方として、修学旅行や緊急時以外には超過勤務命令を出せないという仕組みになっています。そのため、制度自体について教員の勤務環境の改善に向けた検討を行わなければならないと思います。
一方で、勤務時間の現状をしっかりと把握することは極めて大事であると考えています。県内の県立学校では、勤務時間を自己申告により記録し、パソコンで集計する形で把握していますが、勤務時間の把握方法としてタイムカードの導入ということも、方法の一つとして考えられると思います。しかしながら、タイムカードを導入している県は少数ですし、その導入に当たってはコストもかかります。今回の中教審の緊急提言の中では、主体的にタイムカードの導入を取り組んでほしいということですが、それもまた一つの考え方だと思いますので、あり方も含め、全体的な検討をしていきたいと思います。

記者
8月下旬に全国学力・学習状況調査の結果が公表され、課題等が浮き彫りになりましたが、教育長の所感と全国的に問題となっている事前学習の常態化に対する対応についてお伺いしたい。

教育長
全国学力・学習状況調査の目的は順位を競うものではなく、子ども一人ひとりにしっかりとした学力を定着させることが狙いであり、そうした考えのもと調査結果の活用を行うことが大切であると思います。
しかしながら、文部科学省から公表されている各都道府県の結果を並べれば、岩手県がどのような順位であるかわかりますので、あくまで順位を競うものではありませんが、岩手の子どもたちがしっかりと学校教育を通じながら学力を身に着けていることも大事であると考えますので、一定の目安として全国平均以上の学力を、子どもたちが身に着けるよう取り組んでいきたいと思います。
小学校及び中学校の国語については良好な状況にあり、小学校の算数についても中々良好であると思います。また、中学校の数学は全国的に低いという状況ですが、全国の平均値との差は縮まってきており、上昇傾向が見えてきていますので、子どもたちの学力定着に向けて各学校、子どもたち自身、それから家庭において頑張って頂いていると受け止めています。子どもたちの学力向上については、日々の学習活動を通して取り組むことが大切であると考えており、今後も、引き続き取り組んで参ります。
一方で、事前学習ということで全国学力・学習状況調査の前に過去問に取り組むということは、いわゆる一夜漬けであり、本当に力がつくのか疑問があります。また、全国学力・学習状況調査の結果を踏まえて、各学校ごとに、教員が子どもたちに対して足りない部分を把握し、習熟度別授業等を取り入れながら有用な工夫をしていくことが大切だと思います。県教委として各学校の状況を分析し、市町村教委に情報を提供しながら、各学校での自主的な取組を促進していくような環境を作っていきたいと思います。

記者
一関市の仏像2体について、岩手県文化財審議会より、教育長に対して答申がなされましたが、所感をお伺いしたい。

教育長
一関市千厩町と藤沢町にある仏像ですが、これまでの歴史的価値や現存している状況等を含めて、審議会委員に専門的な現地調査等を行っていただき、諮問することが適当であると判断しました。そして先般、開催された岩手県文化財審議会において、県の文化財として指定することが妥当であると答申をいただいています。
私の所感としては、諮問したとおりの答申をいただいたと感じており、然るべき時期に県教委として県の文化財に指定する決定を行いたいと考えています。文化財を県の指定とすることで、将来に渡る保存や地域住民の方々に価値を共有していただくことにつながり、大きな意義があると思います。


教育企画室
以上をもちまして本日の記者会見を終了します。

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