平成31年1月23日教育長記者会見における質疑応答

Xでポスト
フェイスブックでシェア
ラインでシェア

ページ番号1017231  更新日 平成31年2月28日

印刷大きな文字で印刷

平成31年1月23日(水曜日)
県庁10階  教育委員室

発表事項:

  • 第1回「いわて復興教育」児童生徒実践発表会の開催について

質疑事項:

  •  県立高等学校生徒の自死事案に係る第三者委員会の開催内容等について
  • (仮称)岩手県教育振興計画の策定状況について
  • 部活動指導員の中学校、高等学校への配置について

質疑応答

教育企画室
ただいまから、教育長記者会見を始めます。
本日は、教育長からの発表があります。

教育長
第1回「いわての復興教育」児童生徒実践発表会の開催についてです。県教委では大震災発災以降「いわての復興教育」を推進していますが、取り組み始めて7年になります。これまでの全県的な取組によりまして、各学校での取組が充実してきたことを踏まえ、「いわての復興教育」児童生徒実践発表会を初めて開催することになりました。
日時等につきましては、1月30日水曜日、午後1時から4時まで県民会館大ホールを会場に開催します。この発表会は、特徴的な復興教育の活動をしている各学校の成果を発表することと併せて、参加者相互の交流を深めて、岩手の復興の充実に資すること等を目的に開催するものです。
発表校は、小学校2校、中学校2校、義務教育学校1校、高校1校、特別支援学校2校の計8校を予定しており、小学校2年生から特別支援学校高等部専攻科までの児童生徒約150名が発表することとなっています。船越小学校は、3年生から6年生までの90名の児童が、平成23年度の6年生が作詞した合唱を披露します。浅内小学校は、この3月をもって閉校になりますが、全校児童6名で発表します。
報道各社の皆さんには児童生徒の励みにつながりますので、取材をしていただき、本県独自の教育プログラムである「いわての復興教育」の推進に対するご理解とご協力をよろしくお願いします。

教育企画室
ここからは、幹事社の進行によりまして進めて参ります。よろしくお願いします。

幹事社
発表事項について質問がありましたらお願いします。

記者
実践発表会を通じて児童生徒にどのような成長を期待するのか伺います。

教育長
東日本大震災津波で県民の皆さんが苦しんだという状況の中で、岩手の子ども達も精一杯頑張り、多くの人達から協力をいただきながら繋がりを深めて今に至っています。岩手の子ども達は様々な苦労もしていますが、感謝の気持ちも持ちながら、岩手の未来や自分たちができることは何かということを考え、「いわての復興教育」などを通じながら成長してきていると思います。これからの時代は、情報化やグローバル化などが進み、社会が変容していく中で、子ども達が苦しい時を皆で手を携えながら精一杯頑張ったというようなこれまでの経験を大きな自信にして、未来に向かって様々なことに挑戦してほしいと思います。これからの時代を築いていく子ども達の力に期待したいと思いますし、エールを送りたいと思います。

記者
復興教育を7年間取り組んできた成果をどう捉えているのか伺います。また、新年度に新たな取組等があれば伺います。

教育長
大震災では特に大きく3県が被災しましたが、復興教育を沿岸部に限らず全県的に全ての学校で取り組んでいるのは本県の特徴的な教育であると思います。復興教育は教科活動や特別活動等、全ての教育活動で行うようにプログラムや副読本を作り各学校に浸透を図ってきたところですが、それぞれの学校が主体的に対応してきており、様々な実践の積み重ねがあります。
今年度はこれまでの実践の積み重ねを評価して未来につなげていくため、「いわての復興教育」プログラムの見直しや副読本の改訂をしているところであり、今後さらに学校に浸透させていくことが必要になると思っています。また、地域の皆さんの協力もいただきながら外に出る活動も積極的に行っていますので、「いわての復興教育」を通じて、地域をより身近に感じてもらえるような子ども達の成長にも期待したいと思います。

幹事社
発表事項以外で質問がありましたらお願いします。

記者
県立高等学校生徒の自死事案に係る第三者委員会が19日に開催されましたが、どのような内容であったか伺います。

教育長
第三者委員会の設置に向けては、設置要綱の策定時から御遺族側に案を示し、ご意見をいただきながら委員会の設置を決定し、1月6日に第1回目を開催したところです。第2回目は1月19日に開催しましたが、御遺族側から教育委員会が積極的に関わるということは避けるよう要望等もありましたし、第三者委員会を設置した県教委としても公平・公正な審査をいただくため、第三者委員会の具体的な調査の内容については関与することは避けるべきだと思っています。
第1回目では委員長を互選していただき、第2回目については委員長職務代理者を決定したということを伺っていますし、今後、調査員を委嘱したうえで具体的な調査をするということを伺っていますが、それ以上のことは現段階では把握していません。
また、第3回目が2月3日に予定されていますが、会議の具体的な内容については県教委も関わりませんし、原則的には非公表ですので、第三者委員会の中で今後の具体的な進め方等が話し合われ、今後の調査が進んでいくと思います。

記者
第三者委員会が1回目、2回目と終了しましたが、これまでの推移をどのような思いで見守ってきたのか伺います。

教育長
御遺族側にとってお子さんを亡くされたという痛ましい事案であり、御遺族側からのご意見等についても真摯に受け止めることが大事であると思います。一方で、学校側の調査や県教委が調査をしていく中で判断ができないところもあり、御遺族側からも第三者委員会の設置というようなことを強く要請されましたので、それを踏まえて第三者委員会を設置したという経緯があります。そのようなことから、第三者委員会ではこれまでの様々な事実に基づいて公平・公正な調査をお願いしたいと思いますし、委員の皆さんは各分野の知見を有した専門家ですので、委員会で詳細な調査等をしていただくことに期待したいと思います。

記者
1回目の会合の中で、県教委の調査と学校での調査の報告書を提出するよう求められましたが、これに対してはどのような回答をしたのか伺います。

教育長
第三者委員会から教育委員会で有している資料等で、今回の不来方高校に関わるリストや具体的な内容に係る資料を提出してほしいという依頼がありました。県教委としましても事実関係をしっかり調査していただくことが大事だと考えており、そのためには教育委員会で有する情報を詳らかにしていくことが必須ですので、依頼のありました関係資料については情報提供させていただいているところです。

記者
会議は非公開ということですが、透明性を確保するというところでは難しいと考えますがいかがでしょうか。

教育長
会議が終了した際に委員長さんが取材に応じたと思いますが、具体的な調査が進み、皆さんに説明する機会については、一定の方向性が見えた段階で別途委員会の中で検討していただくものと思いますので、県教委が主導して説明時期等について申し上げることは適切ではないと考えています。

記者
亡くなられた部員の関係者には3年生も多く含まれており、卒業も控えていると思いますが、県教委としてどのように協力していくのか伺います。

教育長
県内に残る生徒や進学等で県外に転出する生徒もいると思いますが、具体的にはこれから調査員も決定することになり、関係者からの聞き取りも行われるのではないかと思います。学校に対しては第三者委員会からの要請に真摯に対応するように指示しているところであり、生徒を含めて対応に協力いただくような段取りをしていく必要があると思います。

記者
聞き取りの対象となる生徒が進学等で県外に転出している場合は、調査員が県外に赴いて聞き取りをするのか伺います。

教育長
聞き取りの方法等については第三者委員会で検討いただくことになると思います。

記者
教育振興計画について先月中間案が出されましたが、現在の作業の状況について伺います。

教育長
今年度は「いわて県民計画」の最終年度であり、その中でも教育の取組むべき方向性について、次期総合計画と併せて「教育振興計画」の策定に昨年度から取り組んできています。「教育振興計画」は教育振興基本対策審議会に基本的な方向性について諮問をしていまして、これまで6回の審議会を開催してきたところです。今月の30日に第7回目の審議会を開催して計画の取りまとめをしていただき、後日、委員長さんから答申をいただくこととしております。年度内に「教育振興計画」を策定し、新年度からのスタートに向けて準備しているところです。

記者
教育振興計画の中には参考として県の総合計画の数値目標が盛り込まれていますが、12月議会でも数値目標のあり方について様々な議論があったと思うのですが、その取扱いはどのようになるのでしょうか。

教育長
国の教育基本法に基づき、地方公共団体が定める教育振興基本計画というものがありますが、本県の場合は、総合計画と教育振興計画を基本法に基づく計画として位置づけたいと考えています。具体的な指標について教育振興計画の中では次期総合計画で定める幸福関連指標を再掲するという形で考えています。これまでの議会で特に異論があったのは、生徒の学力については全国学力調査で全国水準以上の児童生徒の割合を高めるということに対して、過度な競争をあおるのではないかというご指摘をいただいたところです。先般の総合計画審議会では指標の見直しをご説明したところですが、主体的に学習に取り組んでいる児童生徒の割合ということで、全国学力調査の児童生徒に対するアンケート調査を活用しながら意欲を高めていくような指標にしたいと考えています。また、全国水準以上というよりも、課題のある子ども達の水準を高めていくべきではないかというようなご意見もありましたので、参考指標としながら状況を把握していくというようなことで見直し案をお示しさせていただいたところであり、現在、全体的な見直しをしているところです。

記者
1月30日の審議会では、指標の見直しを反映させたものが示されるのでしょうか。

教育長
そう考えています。子ども達の育む能力というのは知・徳・体など様々な力が必要だと思いますが、やはり学力をしっかり育んでいくことは大事であると思います。そのような中で意欲を持ちながら主体的に学んでいく態度というようなことも学力の3要素として岩手の教育の中でしっかりと育んでもらえるような視点で見直しをしているところです。

記者
岩手県では本年度から部活動指導員の配置に取り組んでおり、文部科学省では2021年度までに3万人で1校当たり3人程度の目標を掲げているところですが、教育長としては1校当たり何人くらいの配置にしたいとか部活動指導員について考えていることがあれば伺います。

教育長
国の政府予算では来年度に部活動指導員を全国的に拡大するということで有難いことだと思っています。教職員の働き方改革という観点や子ども達の部活動を将来的に継続させていくために、地域の皆さんの力もお借りしながら一緒に活動していくことが大事であると思います。本県では本年度、県立学校と市町村立学校に導入したところであり、県立学校では概ね予定通り配置して取り組んできたところですが、市町村立学校では予算措置の関係や関係者との合意形成が必要であるという理由等から、配置に至らなかった市町村もあります。昨年の6月に県教委では「教職員働き方改革プラン」と「部活動の在り方に関する方針」を策定しましたが、その策定にあたりましては市町村教委とも情報共有しながら進めましたので、来年度に向けてはこの流れというものを加速させていきたいと思いますし、段階的に発展させていきたいと考えています。

教育企画室
以上をもちまして本日の記者会見を終了します。

 

このページに関するお問い合わせ

岩手県教育委員会事務局 教育企画室 企画担当
〒020-8570 岩手県盛岡市内丸10-1
電話番号:019-629-6106 ファクス番号:019-629-6119
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。