平成30年9月19日教育長記者会見における質疑応答

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ページ番号1006246  更新日 平成31年2月20日

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平成30年9月19日(水曜日)
県庁10階  教育委員室

発表事項:

  • 学校体育、学校文化関係の全国大会等の結果について

質疑事項:

  •  県央部の高3バレーボール部員自殺事案について
  •   教職員の懲戒処分について

質疑応答

教育企画室
ただいまから、教育長記者会見を始めます。
本日は、教育長からの発表があります。

教育長
全国総合体育大会と全国高等学校総合文化祭の結果について報告します。
まず、全国総合体育大会ですが、猛暑のなか本県の高校生は本当に良く頑張ったと思います。
その中で、カヌー競技では、男子スプリント・カナディアンシングル200mで不来方高校の吉田俊吾選手が昨年の「えひめ国体」に続いて優勝しました。その他の入賞数については、11競技26種目となっており、詳細については配布資料をご覧いただきたいと思います。
昨年度と比して優勝数と入賞数がともに減少しているところですが、今年は東海地方での開催ということで、猛暑のなか本当によく頑張ってもらったと思います。今後の活躍に期待したいと思います。
また、全国高等学校総合文化祭ですが、郷土芸能部門で花巻農業高校の鹿踊り部が文部科学大臣賞という最高賞を受賞し、その後、8月25日と26日に国立劇場で開催された全国高総文祭の優秀校東京公演に初出演しました。演技も堂々と披露し、観客からも喝采を浴びたということで、日頃の成果を十分に発揮してもらったと思います。
それ以外の活躍についても報道各局の皆さんには、新聞やテレビ等を通じて高校生の活躍を広く県民の皆さんに発信していただきましてありがとうございました。報道を通じて生徒達の大きな力にもなったのではないか思います。
今月末には第73回国民体育大会福井国体が開催されますが、その予選会である東北総合体育大会では、高校生が昨年に比して予選を突破する競技が多かったということで、第71回希望郷いわて国体・岩手大会のレガシーを継承するという意味も含めて、高校生にも頑張ってほしいと思います。
報道の皆さんには、選手達の躍動する姿や頑張っている姿を、様々な機会を捉えて報道をよろしくお願いしたいと思います。

教育企画室
ここからは、幹事社の進行によりまして進めて参ります。よろしくお願いします。
   
幹事社 
それでは、質問がありましたらお願いします。

記者
高校3年生のバレーボール部員の自殺の件で、第三者委員会を設置する方向とのことですが、委員の人選についてはどうなっているでしょうか。

教育長
高校生の自死事案ですが、7月3日に亡くなったということで、これまで学校における調査や保護者のご意向等も踏まえ教育委員会としても調査を行い、その調査結果を保護者にお伝えしてきたところです。保護者からのご質問にもお答えしてきたところですが、両親が全体像について納得するような形になっていないということで、第三者委員会の設置について要請を受けたものであります。県教委では、関係者からの聞き取りや保護者からの情報なども含め調査をしましたが、具体的な自死に至る学校側の関わりを特定することができなかったということで、県教委として第三者委員会を設置する方向としたところです。 
いじめ問題に関する第三者委員会については常設の調査委員会として設置していますが、それ以外の重大事案に対する第三者委員会は本県では設置していませんので、現在、設置に向けて設置要綱等の策定や人選について検討を進めているところです。できるだけ早い時期に第三者委員会を立ち上げる方向であり、その場での調査審議をお願いしたいと考えています。

記者
第三者委員会の設置はいつ頃を目途にしているのか伺います。

教育長
具体的な設置日について今段階で申し上げることはできませんが人選については第三者委員会ですので、公正・公平な調査審議を客観的に行うことと、専門的な知見から意見交換をしていただきながら調査をしていただきたいと考えております。人選について保護者からの要請もありますが、それを踏まえつつも、客観的に公正・公平な人選をしたうえで、第一回目の会議開催日を決定したいと思います。

記者 
保護者からも要請があると聞きましたが、保護者からこの方を第三者委員会のメンバーにしてほしいという具体的な名前を受けているのか伺います。

教育長
具体的な名前は受けておりませんが、公正・公平な人選をしてほしいということや、学校側と関わりの無いような方を委員に人選するようにという要望はあります。保護者の意向を踏まえつつも、第三者委員会としての公正・公平な調査審議をいただけるような人選について職能団体などを通じながらお願いしていきたいと考えています。
 
記者
遺族から行き過ぎた指導があったのではないかというような意見が出されていますが、それに対して県立学校を管理監督する教育長として、どのように受け止めているか伺います。

教育長
保護者からはそのような話を受けておりますし、報道の中でも行き過ぎた指導があったのではないかという指摘があったことは承知しています。県教委としても関係する生徒や指導者、教育関係者を含めて様々な聞き取りを行い調査したところですし、保護者側からの情報もいただいています。保護者からの情報では行き過ぎた指導について話がありましたが、関係者からの聞き取りの中では体罰はなかったと確認しています。一方で、指導の在り方として強い口調での指導はあったということですが、これは様々な受け止め方があり、本人も岩手選抜に選ばれるような将来性が期待されている生徒でしたので、力を伸ばそうという観点から競技の場などでプレーに対する指導等が行われたということは聞いています。ただ、その指導と生徒の自死を結びつけるという判断は難しかったため、第三者委員会での審議をお願いすることが適当だと判断したところです。

記者
自殺の原因が部活動を苦にしたものということで、教育長として何らかの管理責任は感じるべきと考えますがいかがでしょうか。

教育長
個人情報でもあり情報源を明らかにすることはできませんが、バレーボールに対する将来的な不安を感じていたということを7月3日以前に学校側としてもその思いを受け止めることができなかったということについては極めて残念なことだったと思っています。部活動は、教育活動の一環として行われており教育的効果は極めて高いと認識しています。一方で、部活動は生徒や保護者の理解のもとに行われる自主的・自発的な活動であり、期待の大きかった生徒自身が進むべき道とのギャップについて周りの人たちに相談ができなかったということに対しては、今後できる限りの努力をしていかなければならないと思っています。

記者
部活動は自主的活動ということで生徒の自己責任ということでしょうか。

教育長
そういうことではなく、生徒が部活動を続けていくことに対する希望を持っていなかったということを学校側が感じとることができなかったのではないかということもありますし、仮に部活動が直接的な原因だとすれば、部活動は自由に参加することがあって良いと思いますし、無理することで大きな弊害を生むことにもなりますので、そういう意味で自主的・自発的な活動であると申し上げたところです。

記者
遺族側から10年前に当該教員が同じような厳しい指導で裁判を起こしていることについて、昨年の11月に一審判決が下され、一部に不法行為が認められたということですが、それ以降も指導を継続させたことについて学校や教育委員会の責任があるのではないかということも訴えていると思い
ますが、それについてはどのような考えか伺います。

教育長
係争中の事案につきましては、審理がなされているということですので具体的な言及は控えたいと思いますが、一部の行為について県として受け入れるという判断をしたところです。そういうことがあったからこそ疑念を持たれないような指導について校長を通じながら本人を指導していましたし、本人も自覚を持ちながら指導をしていたということです。今後、原因がどこにあるのかということを第三者委員会もそうですが、様々な機会を通じながら検証されていくと思いますので、その状況をしっかりと見極めていかなければならないと思います。
   
記者
遺族側から第三者委員会での人選について推薦枠を設けてほしいという要請をしていると聞きましたが、それについての考えを伺います。

教育長
先ほど申し上げたところですが、ご遺族の意向を受け止めつつも、第三者委員会として公平・公正な審議ができる方を教育委員会としてしっかりと検討しながら人選をしていきたいと思います。

記者
第三者委員会では事実解明のみを審議するのでしょうか。それとも今後の再発防止策なども審議するのか伺います。

教育長
第三者委員会は裁判の場ではありませんので、専門医や臨床心理の方などの専門分野の方々にも参画していただきたいと考えています。自死事案と学校側との指導の関わりについては当然ながら調査審議をお願いしますが、その先には命を守るというようなことも含めた再発防止についても審議をいただきたいと思います。

記者
体罰はなかったが、強い口調での指導はあったということですが、パワーハラスメントのようなものについては確認されているのか伺います。

教育長
強い口調での指導がパワーハラスメントに当たるかどうかということや、教育的指導の中で許容される範囲なのか、それとも逸脱したものなのか等を含めて、専門家の皆様からのご意見をいただきながら審議をいただくことが必要ではないかと思います。
第三者委員会での審議を具体的にどのようにしていくかについては、委員会設置後に委員さんの役割なども含め合意形成をしていくことになると思いますので、その中で調査していくことになると思います。

記者
教育委員会としてはいつ頃までに第三者委員会から報告を受けたいと考えているか伺います。
   
教育長
具体的にどういう調査が行われるか等によっても異なりますので、現段階において期限を決めるのは難しいと考えています。一方で、事実に基づいてしっかりとした検討をお願いしたいと考えていますので、そういうことを踏まえながら決めていただくことになると思います。

記者
教育委員会の調査結果を保護者に報告したところ納得されなかったということですが、どのような調査結果であったか伺います。

教育長
県教委からは生徒等を含む学校の関係者からの聞き取り調査の結果を報告したところです。それに対する評価もできる限り報告したかったのですが、調査の中で自死に直結するようなことを見出すことはできませんでした。聞き取り調査をする対象者については、事前に保護者とも協議したうえで行いましたので、一定程度ご理解をいただいた部分はあるかと思いますが、自死の直接的な要因については県教委が判断できない部分がありましたので、それに対する疑義を感じられたのではないかと思います。

記者
保護者にはいつ報告されたのでしょうか。

教育長
8月25日です。

記者
報告した際に遺族から第三者委員会を設置してほしいという依頼があったのでしょうか。

教育長
依頼された時期は定かではないのですが、保護者と面談した際に意向が示されました。

記者
学校と教育委員会、それに対して保護者との認識が食い違っていると思いますが、その点については教育委員会としてどう受け止めているか伺います。

教育長
保護者と学校側の認識のズレというのもあろうかとは思いますし、県教委の調査の中で結果的に保護者の思いと同じ方向にいかなかったという部分もあると思いますので、教育委員会としては第三者委員会の調査が必要だと判断したところです。

記者
中学校で勤務されていた方の停職処分が昨日発表になりまして、統計では今年になってから7件目の処分であり、昨年は22件、一昨年は27件と伺いました。数字的には少なく推移していると感じますが、教育長はどのように受け止めているか伺います。

教育長
教職員の不祥事については、教育長に就任してから様々な事案がありましたが、教職員の不祥事をできる限り無くしたいという思いで取組を行ってきました。まだ年度途中ですので、件数だけでは比較できない部分もありますし、量定の違いもありますので一概に比較はできませんが、できる限り不祥事を起こさないような環境を粘り強く作っていかなければならないと思います。
教職員の多くが児童生徒の未来を切り拓いていくという強い使命感の下に一生懸命頑張っている中で、不祥事を起こすことによって教育の信頼を失ってしまうということは残念なことです。教育にとって一番大事なのは教育に対する信頼だと思いますし、教育の中で特に大事にしたいのは、子ども達の命を守るということを土台にしつつ、様々な能力を育んでいくということにまい進していくためにも不祥事の防止には不断に取り組んでいかなければならないと思います。不祥事が発生していることに対しては教育長として改めてお詫びを申し上げながら再発防止に向けて様々な方策を講じていきたいということと、また、教職員の共感も得ていきたいと思います。

記者
教育長が就任してから不祥事防止に向けて強く取り組んできたことがあれば伺います。

教育長
不祥事に関して一昨年度は27件発生し、様々な事案がありました。その中で、県教委として処分をするということだけではなく、処分後の事後指導を行うことや、所属長によるコンプライアンス宣言、コンプライアンスマニュアルの改訂などを行いましたし、教育長の姿勢を明らかにするということで私自身の給料月額の一部の自主返納ということもしました。教育を推進していく中で根底に置くべきことは、教育に対する県民の皆様の信頼を得ることだと思いますので、そういうことを念頭におきながら教育長としての職を務めさせていただいているところです。

記者
命を守るというところに強い主眼を置いてきたということでしたが、改めて今回の自死事案に対する教育長のコメントを伺います。

教育長
自死の未遂も含めて、その原因を特定するのは難しい部分がありますが、子ども達が学校生活を送るなかで、悩みというのは個人によって違うと思います。命の尊厳ということは何よりも優先すべきであり、一人ひとりに寄り添った教育を行うことにより、子ども達の動きに対する適切な指導を積み重ねていくことや、未来は一人ひとりの子ども達にありますので、一つのことに失敗しても、それを糧にしながら挑戦して人間性を育みながらこれからの社会を創っていくような人に成長してほしいと思っています。

記者
未来のある高校生が命を絶ってしまったということについて、教育長として感じていることについて伺います。

教育長
将来性についてはどの子どもにもあるわけですので、そのような中で特にも生徒が自ら命を絶ってしまったということについては痛恨の極みであります。こういうことが二度と繰り返されることのないような環境を作っていかなければならないと思います。

教育企画室
以上をもちまして本日の記者会見を終了します。

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