平成30年5月24日教育長記者会見における質疑応答

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ページ番号1006243  更新日 平成31年2月20日

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平成30年5月24日(木曜日)
県庁10階  教育委員室

発表事項:

  • 「新たな県立高等学校再編計画」における遠野・宮古・久慈地区の統合について

質疑事項:

  • 新たな県立高等学校再編計画における全体スケジュール等について
  •  県高校総体開会式に出席した所感について
  •  新潟で発生した小2殺人事件に係る県教委の受け止め及び今後の対応について

質疑応答

教育企画室
ただいまから、教育長記者会見を始めます。
本日は、教育長からの発表があります。

教育長
新たな県立高等学校再編計画における学校統合についての発表をします。
平成28年3月に策定しました「新たな県立高等学校再編計画」の前期計画におきまして、2020年度に3地区の高校の統合を示しているところですが、実際の統合時期等については、地方創生に向けた地域の取組の推移や、平成30年度までの入学者の状況等の検証を行ったうえで検討することとしていました。
今般、平成30年度の各校の入学者数が確定したことにあわせて、地域の取組の推移、入学者の状況等の検証を行い、3地区の統合の取り扱いを、これから申し上げるとおりの方向としたいと思いますので情報提供をさせていただきます。
まず、遠野地区における遠野高校と遠野緑峰高校の統合については、統合時期を延期します。
久慈地区における久慈東高校と久慈工業高校の統合についても、統合時期を延期します。
宮古地区における宮古工業高校と宮古商業高校の統合については、計画通り統合を進めることとしたいと考えています。
遠野、久慈地区については、遠野市、野田村を中心に地元高校への支援を含む地方創生に取り組んできておりまして、遠野緑峰高校、久慈工業高校への入学者数に増加も見られますので、その効果を十分に見極める必要があるため、統合時期を延期するものです。
他方、宮古地区については、地方創生に取り組んできているものの、統合予定校の欠員が大きく、今後、さらに宮古市内の中学校卒業予定者の減少が見込まれること、統合により教育環境をより良くしていきたいという地域の理解も進んできていること等から計画通り統合を進めることとするものです。
統合を延期する地区においても、平成27年度から平成31年度までの各市村のまち・ひと・しごと創生総合戦略の結果等を踏まえた入学者等の状況を見極めることとし、総合戦略の計画期間の終期である平成31年度までの取組期間を受けて、2020年度の入試の状況等を見極めたうえで改めて統合時期等について検討したいと考えています。

教育企画室
ここからは、幹事社の進行によりまして進めて参ります。よろしくお願いします。

幹事社 
それでは、教育長からの発表事項について質問がありましたらお願いします。

記者 
2地区において統合延期となりますが、延期を決定したことへの所感を伺います。

教育長
新たな県立高等学校再編計画ですが、平成28年度から平成32年度までを前期計画としている、10年間の新たな高校再編計画を策定する際に、県内各地で地域検討会議や県民の皆さんとの意見交換をしつつ、多くの皆さんの意見をお伺いして平成27年度末に計画策定に至った経緯があります。
その前段として、前年の12月に計画案となる素案を公表して様々な意見をいただきましたが、これから地方創生に取り組んでいく中で、学校統合についてはその辺の状況を見極めてほしいという意見等がありました。そのような意見を踏まえ、前期計画を策定する中で平成30年度の入学者の状況を見極めたうえで統合時期等を検討するということで計画案を見直したという経緯があります。また、県議会の中での様々な議論や、特に遠野地域、野田地域の地域住民の方々からも様々な意見等を受けていました。その中で、生徒に対する支援などにも積極的に取り組んでいきたいという話もいただきましたが、具体的にその効果がどのように発現していくかということをしっかりと見極める必要があるということで、平成30年度の入学者の確定に伴いこのような方向性にしました。今は地方創生に取り組んでいる期間中でありますので、その状況を見極めて今後の方向性というものをしっかりと定めていきたいと考えています。

記者   
今回2校が延期になることで全体スケジュールはどうなるのか伺います。

教育長
前期計画の中で学校統合は対象校6校ですが、それ以外に学科改編や学級減などを年次計画で取り組んでいく計画にしています。その中で一部の高校については学級減についても今後の状況を見極める必要があり、計画年度の実施を見送ったというものがありますが、そういうことも含めて取り扱いを決めていかなければならないと考えています。現在の計画期間が2020年度までであり、2021年度からの後期計画の策定に向けた検討を始めたところでありまして、今後、県民の皆さんとの意見交換などを行いながら、前期計画で延期したものについては前期計画での課題として取り組むか、後期計画の中に位置づけるかを含めて今後検討していきたいと考えています。

記者
宮古地区の統合ですが、統合時にどちらの校舎を使用するのか、統合時の名称など決まっているものがあればお伺いします。

教育長
現在、両校でワーキンググループを作り具体的な検討を進めており、今後、統合に向けた検討委員会など、統合を目指す新たな組織を作って検討していきたいと考えていますが、基本的に校舎については宮古商業高校を活用することを現段階では考えています。宮古工業高校の校舎やグラウンドについては、校舎制のような形で活用するなど、有効な活用方法を含めて今後、統合検討委員会で検討していきます。
 
記者
ワーキンググループという話がありましたが、メンバーはどのような方々が集まって検討しているのかお伺いします。

教育長
両校の教職員と教育委員会事務局の担当課がワーキンググループで検討しています。

記者
遠野地区は2022年度までは現在の学校で存続するということで良いか伺います。

教育長
2020年度の時点で統合するという計画案にしていましたので、それを延期するということで2020年度は存続するということです。統合については今後の動きなどを十分見極めたうえで方向性を決めていきたいと考えており、統合するという方向になれば一定の期間が必要ですので2021年度については現在の両校体制が継続するということで考えていただいても良いのではないかと思います。

記者
2020年度の入試をすると、入学生が3年生になるまでの2022年度まで存続するとなるのではないでしょうか。

教育長
今まで統合により閉校の措置を行った学校についても、募集を停止して卒業までは学校を残すという方法もありますので、どういう方法が適当なのかを含めて、今後検討していきたいと考えています。

記者
今回延期した2校については2020年度の入試の状況を見極めるということですが、その時の判断基準は今回のように入学者数の状況や地元の支援など同じような判断基準となるのか伺います。

教育長
新たな高校再編計画の中では2つの大きな柱を基本的な考え方として策定しています。
1つ目には教育の質の保証ということがありますし、2つ目には本県の地理的諸条件というものを踏まえた中で学ぶ機会を保障するということで再編計画を策定してきました。
学校については基本的に一番重要なファクターは、子ども達がどれだけ入学してくるかということであり、それにより様々な学校活動が展開されていきますので、入学者の状況というのを基本にしながら、地域での取組結果がどのように入学者の状況に反映されていくかということや、社会状況の変化によって新たなことが出てくる場合もあるかとは思いますが、基本的にはそういうことで検討する必要があると考えています。
 
記者
県全体で子どもが減少している中で生徒数を確保しようとする場合に、地域間で子どものとりあいのような形になる可能性もありますが、県教委としてどう取り扱うのか伺います。

教育長
子ども達や保護者の学校の選択というのが基本になると考えていますが、それぞれの学校が特色のある教育活動を行っていますので、そういうことを含めて子どもや保護者の皆さんが主体的に判断することだと思っています。
ただし、全体的に少子化が進んできているという状況もありますので、多様な生徒の受入れに関しての検討委員会を立ち上げて、県外生徒の受入れや、学区の在り方などについて検討を進めていただいておりますし、地方創生総合戦略でも定住、移住をどのように進めていくかということにも取り組んでいますので、その状況なども見極めながら対応していきたいと思います。
県教委として、それぞれの学校が特徴をPRしていくということも大事だと思いますので、そういうことを含めて適切に判断していただくのが良いと考えています。

記者
宮古地区の統合に関わり、よりよい教育環境を望む声があったということですが、具体的にワーキンググループやヒアリングで統合に向けてどのような期待の声があったのか伺います。

教育長
宮古工業高校と宮古商業高校については、東日本大震災津波の時に宮古工業高校が津波被害を受けたことに伴いまして、生徒が学年により宮古商業高校と宮古水産高校の校舎を使用した経緯があります。そういう中で、両校の生徒間で非常に良い関係を築いた経緯もありますし、現在、両校とも生徒数の欠員が生じている中で、部活動や、社会に出る大事な時期でもありますので、より大きな集団の中で学校教育を行っていくことに対する期待というのが、再編計画を検討する際にも地域の皆さんからの声として相対的にいただいておりましたので、今回の判断に至ったところです。

記者
少数かもしれませんが、統合を懸念している声については、どのようなところに配慮するのか伺います。

教育長
全ての方が賛成することは難しいことですが、これまでの経緯や地元市教委との意見交換、学校の意見等も含めて判断をしたところです。
また、宮古工業高校の多くの生徒が宮古市内から通学している現状もありますが、より近い場所に住んでいる生徒もおり、校舎制という形で活用する場合にいかに有効に活用していくか、移動方法をどう確保するかという点などを丁寧に行っていく必要があると考えています。

記者
校舎制を導入してという事ですが、工業高校の実習設備や校舎としての設備はなかなか移せないと思いますので、統合はするけれど校舎としての機能を使用して、一部授業を展開するような校舎制というのを導入する形での統合という理解でよろしいか伺います。

教育長
これから具体的に検討していきますが、東日本大震災津波の際に全国や世界の皆さんから様々な支援を受けながら実習設備の充実などを図ってきましたので、有効に活用していく必要があると考えています。実習設備を移動するということは不可能ではありませんが、工業高校としての機能は現在の高校で確保されておりますので、それを有効に活用するという点も含めて具体的な検討を今後進めていきたいと考えています。

記者
遠野市と野田村の地元高校への支援というのはどういう支援でしょうか。地方創生の取組みはどのような取組をしているのか伺います。

教育長
学校の魅力作りのため、教職員が一丸となり保護者の皆さんにご協力をいただきながら良い学校にするために一生懸命頑張っています。
そのような中で、両自治体でも積極的に関わっていきたいという話も伺っているところです。
具体的にですが、遠野市では生徒に対する通学費の補助や部活動の支援として遠征費の補助、それから学校紹介を市としても行うなどの広報機能の強化など様々な協力をしていただいています。
また、野田村につきましては、村営の宿泊施設を久慈工業高校の生徒の宿舎として活用できるようにしていることや、通学費の補助など様々な支援をしていただいています。

記者
これからのスケジュールについて改めて確認させていただきたいのですが、統合延期した遠野と久慈の2校ずつに関しては2020年度の入学者数をみて統合について検討するということでよろしいか伺います。
 
教育長
そうです。

記者
2021年度から始まる後期計画については2019年度のうちには案が公表されると思いますが、その時に遠野の2校と久慈の2校の統合の位置づけについてどのようになるのか伺います。

教育長
基本的には前期計画で残された課題について引き続き対応していくということになりますが、後期計画の策定が控えていますので、位置づけについては今後具体的に検討していきたいと考えています。

記者 
高総体総合開会式ですが、高体連では今年度が最後として検討されておりますが、教育長が開会式を見た感想を伺います。

教育長
今年の高総体については70周年の記念大会ということで、開会式には知事も出席し、私も出席させていただきました。そのような中で、選手や応援団を含めて1万5千人を超える関係者が一堂に会して盛大に開催され、天気にも恵まれて非常に良い開会式であったと思います。
また、総合開会式の運営については生徒達が主体となり、当日に向けて準備をして成功裏に終えたということは大きな意義があった総合開会式であったと思います。
応援団の活動や、それぞれの学校で取り組んでいる郷土芸能も披露するなど、文化色も含めた多彩なメニューが組み込まれたことも盛り上がった要因ではなかったかと思います。
総合開会式のあり方については、昨年度に高体連の専門部において検討を開始した中で、高体連としての最終決定ではなく、検討の途中で取材を受けたことで、廃止の方向もあるということが公になったという経緯があったと承知しております。今回の総合開会式の状況を含め、教育的な意義や課題、生徒たちの意見なども丁寧に聞きながら、できる限り合意形成に努めて良い形で今後の方向性が決まれば良いと思います。主体的には高体連が決定するものと考えていますが、教育長として生徒達の思いもありますし、課題もあろうかと思いますので、丁寧な対応をして良い結論を得られるように期待したいと思います。

記者 
新潟県での女児殺害事件を受けて通学路の安全ということが言われていますけれども、この事件に関わる県教委の受け止めと市町村教委に対して安全対策をとるような指示がなされたか伺います。

教育長
事件の解明はこれからでありますが、殺人という可能性が極めて高いという中で、未来のある子どもの命が奪われたことについては、新潟県のことですが非常に心が痛みます。今回の事件は通学路でもあり、民家が多い中での死角になるようなところで起きた事件だと思いますが、子ども達の安全の確保というのは学校はもちろんですが、社会の理解と協力をいただきながら、しっかりと確保することが大事だと思います。県教委においては毎年度、特に新入生などを含めて、初めて学校に行くことでの環境の変化による交通事故や第三者からの被害などから子どもを守るために、各市町教委を通じて安全確保の要請をしているところであり、市町村教委でも各学校と十分な話し合いの下でスクールガード等の地域の皆さんのご協力をいただきながら、できる限りの努力をしていると認識しています。
今回、現実問題として新潟の事件が発生しましたので、不幸な事件を他山の石として、しっかり岩手の教育に生かしていくことが大事だと思っていますので、改めて市町村教育委員会を通じながら、できる限り努力をするように要請していきたいと思います。

記者 
先ほどの高総体の件ですが、各校のバンカラの生徒達が存続を訴えるという意味でアピールをされていますが、生徒達が発する声を間近に見てどのように感じたか伺います。

教育長
その場面は開会式典の終了後でありまして、直接見てはいませんが、テレビを通じて拝見しました。
旧制中学から新制高校となった学校ではバンカラ応援が継承されており、伝統のある活動をしてきている学校が沢山あると認識しています。総合開会式の中でこれまでの練習や取組の成果などを発表する大きな機会ということで継承されてきたということでありまして、それに携わる高校生自身も熱い気持ちもあるのだと感じさせていただきました。そういう声なども含めて、丁寧な意見交換をしたうえで合意形成に努めてほしいと思います。

記者 
先ほど、良い結論とお話しされましたが、良い結論とは具体的にどういうことでしょうか。

教育長
結論までには様々な意見等が出されると思いますが、ここで具体的に申し上げるのは適切ではないと考えますので、議論を含めて今後しっかりと検討してもらいたいと思います。

教育企画室
以上をもちまして本日の記者会見を終了します。

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