平成30年12月26日教育長記者会見における質疑応答

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ページ番号1017212  更新日 平成31年2月28日

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平成30年12月26日(水曜日)
県庁10階  教育委員室

発表事項:

  • 県立高等学校生徒の自死事案に係る第三者委員会の委員の決定並びに第1回委員会の開催について

質疑事項:

  •  県立高等学校生徒の自死事案に係る第三者委員会の人選等について
  •  今年1年を振り返っての所感について
  •  高校再編における後期計画の策定に向けた地域検討会議について

質疑応答

教育企画室
ただいまから、教育長記者会見を始めます。
本日は、教育長からの発表があります。

教育長
県立高等学校生徒の自死事案に関する第三者委員会の委員の決定と第1回目の委員会の開催について発表させていただきます。
この第三者委員会につきましては、これまで定例記者会見の場等におきまして開催について質問をいただいてきており、できる限り早期に年内を目途に開催したいとお答えしてきたところです。
これまでの間、委員の推薦を各職能団体等に依頼して人選を進めてきましたが、今般、それぞれの団体からの推薦を踏まえて委員を決定しました。第1回委員会につきましては、委員選任及び全委員が出席可能な日程の調整に時間を要したことや委員さん方の御都合等により1月6日(日曜)に開催したいと考えています。
推薦要請につきましては12月上旬を目途に人選を依頼してきたところですが、御遺族からの要請があった職歴等も十分に検討をしていただき推薦をいただいたということで一定の時間を要したこともありましたが、教育分野2名、法律分野2名、医療分野1名、心理分野1名の計6名の委員を選任しました。
また、6名のうち県外の方3名、県内の方3名の構成となっています。1月6日(日曜)午前10時30分から県庁において開催する予定としていますが、第1回委員会におきましては、委員長の互選や事案の概要説明、調査の進め方も含めた今後の委員会のスケジュール等について御協議いただくことになると考えております。
いずれ、今後開催する委員会を通じて、本事案の発生した背景や事実経過等について、中立かつ公正な調査、検証等をお願いしたいと考えております。

教育企画室
ここからは、幹事社の進行によりまして進めて参ります。よろしくお願いします。

幹事社
発表事項について質問がありましたらお願いします。

記者
12月県議会で2018年度内に8回の委員会を開催する予算計上をしていますが、年度内の開催の計画に変更はないのか伺います。

教育長
第三者委員会は一月当たり2回程度ということで12月開催を前提に8回の開催回数として予算計上したところです。委員会にはできる限り速やかな調査をお願いしたいとは考えていますが、年度内で調査が終わるかどうかについては、これまでの先例等からも丁寧な調査が必要だと思います。会議運営をどのようにしていくかも含めて委員会の中で様々な議論を重ねていただく必要があると思っていますので、県教委としては設置主体として適切な対応をさせていただきたいと考えています。

記者
御遺族側からの要望を職能団体に伝えたうえで推薦をいただいたと思いますが、具体的にどのような要望があったのか伺います。

教育長
委員会の設置要綱は10月31日の教育委員会臨時会で決定したところですが、その前に御遺族には委員会の設置要綱案をお示しさせていただきました。第三者委員会の設置については御遺族から要望があり、県教委としてもできる限り尊重したいということで案をお示ししたところですが、御遺族側の認識と学校側との認識等について大きな隔たりがあることや県教委としても原因究明は難しい状況であったため委員会を設置したところです。御遺族から要望のありました遺族推薦枠を設けることは困難であるということはありましたが、会議の公開、非公開のあり方や教育委員会のこれまでの対応等についても調査内容に含めることなど、できる限り御遺族の要望に応えてきたという経緯があります。また、職能団体に委員の推薦について要請する段階でも御遺族から具体的な人物について要望もありましたが同様の理由からお応えすることはできないというやり取り等もありましたが、全体的には認識の違いはあるということを踏まえつつも、可能な限りの対応をしてきたと思います。

記者
職能団体からの推薦で6名の方々が出そろったのはいつでしょうか。

教育長
職能団体からの推薦はいただきましたが、ご本人から承諾を得る必要があったため、最終的に決定したのは今週です。

記者
委員の方々は職能団体から最初に推薦された方でしょうか。

教育長
そのとおりです。公平・公正というのは教育委員会側も慎重に対応する必要があると思いますので、こちらの意思等をできる限り反映させないようにすることが必要であると思いますので、職能団体に要請して推薦いただいた方を決定したところです。

記者
最初に職能団体から示された方が変更になったということは無いか伺います。

教育長
ありません。

記者
6名について決定する前に遺族に紹介されたのか伺います。

教育長
選考のプロセスについては、御遺族には職能団体に属性等について要請していることをお伝えし、決定した段階で連絡することにしていましたので、御遺族には決定してからお知らせしたところです。

記者
現時点で御遺族は6名の方について承知しているということでしょうか。

教育長
昨日連絡をしていますので知っています。

記者
第三者委員会によるアンケートの実施があると思いますがいつ頃になるのでしょうか。

教育長
教育委員会は会議の設置や委員会に必要な環境を整えていくというサポート等を行いますが、具体的な手法等については第三者委員会の性格上、県教委が主体的に行うことは適切ではないと思います。従いまして、委員会の中で会議の運営や調査の手法等について第三者委員会で主体的に方向付けをしていただき、それを実現させていくための環境を整えていくことが県教委としてとるべき姿勢ではないかと思います。

記者
年度内の8回という開催回数に変更はないか伺います。

教育長
今年度は残すところ3ヵ月であり、各委員の方の都合もありますので、目安として委員会の開催は1ヵ月2回程度としていますが、増えることや減ることもあると思いますので、しっかりと調査が継続していくように調整等をしていきたいと考えています。

記者
目安が1ヵ月に2回程度であれば、開催は年度内6回と考えてよいか伺います。

教育長
第一回目の委員会の中で開催予定等を決定していただき、それを尊重して教育委員会として準備していくことだと思いますので、回数については今の時点では限定できないと考えています。

記者
教育分野の方はどのような方面の方か伺います。

教育長
宮城教育大学の神谷先生はスポーツ教育の分野であり、岩手大学の栗林先生についてもスポーツ系の分野と把握しています。部活動の関わりも議論されていますので2人ともスポーツ教育関係となりますが、教育者を育成している方々ですので教育学全般に精通していると思います。

記者
職能団体に推薦を出されたとのことですが、具体的にどこの団体になるのか伺います。

教育長
団体につきましては、それぞれの団体に意向を確認しておりませんので公表は控えさせていただきます。

記者
第三者委員会の委員長は誰になるのか伺います。

教育長
設置要綱では委員長は互選となっていますので、第三者委員会での決定となります。

記者
御遺族は委員会について中立・公平性という意味で県外の方を委員にという意向があったと思いますが、結果として県内の方が半数を占めているようですが、果たして中立性を保てるのかどうか伺います。

教育長
御遺族からそのようなお話もありましたし、会議開催を重ねていく中で中立性・公平性を確保しながら、その利便性ということ等も考えた場合に、全て県外の方にお願いするというのは難しいという考えから、半数を県内の方にお願いしたという経緯があります。
あくまでも勤務地ではなく、個人としてのこれまでの経験や知見を有した方々です。

記者
岩手大学の教授を選ばれていますが、県バレーボール協会の会長も岩手大学の教授ですので、岩手大学からというのは利害関係の意味から大丈夫でしょうか。

教育長
所属がどこかというよりも、職能団体等からは今回の事案が大きな反響を呼んでいること等を踏まえて、客観的な分析ができる方をご推薦いただいたと思っています。

記者
昨日、ご遺族に委員の決定について連絡をされたとのことですが、現時点で御遺族から人選についての不満等はないのか伺います。

教育長
御遺族にご了解をいただくのはなかなか難しい状況と思いますし、委員の人選に時間を要したことや委員会の開催が遅れたということに対するご不満はあるようです。

記者
当初予定していた年内開催ができなかったことに対する所感を伺います。

教育長
お子さんを亡くされたという保護者やご家族の方の想いを推し量ると心が痛みますし、理解しなければならないと思います。県教委として学校等の調査を含めてできる限りの対応をさせていただきましたが、その中で第三者委員会の設置について御遺族から要望がありました。できる限り早期に対応したいという考えは記者会見でもお伝えした通りですが、これまで人選等を含めて御遺族からも要望等をいただいていましたので、その是非等についての検討や、また、職能団体への要請が11月になったということもあり12月に開催できなかったということについては申し訳なく思いますが、先ほど申し上げたような不測の時間を要したこと等がありましたので、その点については皆様方にご理解をいただきたいと思います。

記者
顧問の男性を遺族側が刑事告訴して警察も受理をしていますが、そのことに対する所感を伺います。

教育長
それについては注視していくということしかできないと思いますし、県教委が関わりを持つということは不適切であると思います。第三者委員会がスタートしますので、客観的な情報や学校関係者からの情報等も入ってくると思いますので、そういうことも含めて注視する必要があると思います。

記者
昨年、八幡平市の高校で部活動の顧問の先生が生徒に対して暴力があり、県が和解するという形で問題が表面化しており、今回も部活動の中で指導に対してこのような事案を招いていますが、県教育委員会としていじめ問題については取り組んでいると思いますが、部活動内での問題に対してこれまでどのような指導の徹底をしてきたのか伺います。

教育長
本日発表した事案については、原因が何か等を含めて調査していただかないと判断が難しい事案ということで第三者委員会を設置していますので、八幡平市の高校での体罰事案とは異なり、しっかりと調査をしていただき対応していくことが大事であると考えています。
八幡平市での事案ですが、当該教員の確認等を含めて事実関係について明白に体罰によるものでありましたので、訴訟が提起された中で裁判所から和解案が提示され、それを全面的に受けることが適切であると判断し、12月議会定例会に議案として和解案を提出して議決をいただいたところです。子ども達にはそれぞれ個性がありますので、部活動に限らず教育活動全般について人権を尊重しつつ、適切な指導をしていくことが大事であると思います。指導を超えた暴力・暴言というのはあってはならないと思いますし、その指導を徹底していきたいと思います。

記者
岩手大学は職能団体に含まれているということで良いか伺います。

教育長
大学は職能団体には含まれませんので、職能団体等と申し上げたところです。

記者
いくつの職能団体から推薦があったのでしょうか。

教育長
3つの団体と大学です。

記者
遺族の要望については県教委として全て要望を満たしたと認識されているのか伺います。

教育長
御遺族から様々な要望がありまして、県教委として対応が可能なものについてはできる限りお応えしたいということで、第三者委員会の設置要綱の制定から対応してきましたが、内容について御遺族側が全てについて納得しているかということについては異論があると思います。

記者
人選の面で御遺族の了解を得ることは難しいとのことですが、そのような状況で委員会をスタートしても新たな溝や溝が深まるというようなことも懸念されますがいかがでしょうか。

教育長
原因がはっきりと判明している事案に対して調査をしていただく場合と、お互いの認識が違う中で委員会を設置することへの対応というものは必ずしも同一ではないと思います。関係者双方にとって公平・公正という姿勢が大事ではないかという認識を持っていますし、委員会の中で具体的な調査等についてしっかりと対応していただくことが良いのではないかと思います。

記者
仙台市内で開かれた会見で御遺族から2点の要望があり、委員に暴力根絶宣言を推進していこうとする競技団体と指導死でお子さんを亡くした遺族の方を入れて欲しいという要望でしたが、県教委では、それは受け入れられないということなのでしょうか。

教育長
これまでお答えしたとおりの考え方で対応したものでありますので、ご了解いただきたいと思います。

記者
客観的に見ても、この2点は公平性を損なうものとは考えにくいと思いますがいかがでしょうか。

教育長
我々はそういう認識は持っていませんが、職能団体に要請する際に、御遺族から要望のありました指導死等に造詣の深い方などということもお伝えしているところです。

記者
遺族側から直接の推薦は、公平・公正な人選の妨げになるというお考えから受けるわけにはいかないということもあると思いますが、今回選ばれた6人について、これまでの経歴等で指導死やいじめ事案への経験があるのか伺います。

教育長
具体的にそれぞれの団体が適任者としてご判断いただき推薦いただきましたので、それを尊重したということですが、教育委員会として適切な会議運営という観点から、関係者の皆さんからのお話や御遺族側からのご意見や要望等も情報提供していくことはあると思います。いずれ委員会でどのような対応が必要かということを含めてご議論頂くことだと思います。

記者
第三者委員会の人選に関して県教委では経歴等について全く調査していないということでしょうか。

教育長
経歴等につきましては十分把握しておりますが、県教委として職能団体から推薦いただいた方を尊重するという姿勢で対応したところです。

記者
今回の調査の内容については、当該の委員の方々で決めていただくということでよろしいでしょうか。

教育長
基本的にはそのような姿勢で対応していくことが大事だと思います。

記者
遺族からは裁判で係争中であった顧問を継続して指導させたという県教委側の姿勢に問題もあると言われていますが、その辺りの調査というのも委員会で行われるのでしょうか。

教育長
係争中の一審では県側の主張のほとんどが認められたところですが、一部について生徒が無断で欠席したということに対する叱責が過度のものであったということで20万円の賠償命令が出されました。県教委としては賠償命令をしっかりと受け止めつつ、当該教員にも学校を通じながら指導した経緯があります。学校での校務分掌については校長の権限となりますが、学校では教員の全般的な指導状況を踏まえて指導を継続させることが適当であるということで対応してきたものですが、その内容については県教委としても承知していたものです。
県議会でも、処分等をしなかったのはどうかという話はありましたが、これは一事不再理の法理に基づいて同一の事案に対する処分はできないこととされておりますし、係争中の事案でもありますので、判決が出た時点で適切に対応すべきと考えています。

記者
委員会の設置要綱の中で、当該事案への対応の妥当性についても考察するということが書いていますが、継続的に指導させたということについても調査するということでしょうか。

教育長
御遺族からはそれらも含めての調査というような要望もございましたので、要綱の中に調査対象として取り入れた部分ですが、その調査に係る項目等について委員会で決定していくことになると思います。

記者
確認ですが、当初の計画で12月を含めて8回ということで、年度内に結果をまとめるという考えでしょうか。

教育長
考えということを含めて、私から申し上げることは適切ではないというように思います。これまでの第三者委員会の状況を含めて、事案も違いますから一概に言えないのですけれども、一桁の回数で関係者からの聞き取りや報告書のとりまとめなど事実関係を解明しながら行うというのは物理的に難しいと思います。年度を越えるということも視野に入れて予算措置等を含めて準備をしていく必要があると思います。

記者
1月6日に初会合が開かれますが、改めて第三者委員会にどのようなことを求めて期待するのか伺います。

教育長
御遺族側からも公平・公正な調査を求められていますので、専門的な知見を持った皆さんにしっかりとした調査・分析をしていただくことを期待したいと思います。

記者
初会合ですが基本的に非公開ということですけれども、会合終了後に委員長さんなどから説明いただけるのか伺います。

教育長
それを含めて委員会の中で話し合いをすることになると思いますが、会議開催前の頭撮りにつきましては、報道の皆さんも関心があると思いますので配慮させていただきたいと考えています。

記者
人選に関して御遺族の要望に対して応えた部分はないということでよろしいでしょうか。

教育長
具体的な人物について要望いただきましたが、それには応えていません。御遺族から指導死等の造詣が深い人ということなども要望がありましたので、そのような属性については推薦をいただいた団体にお伝えしたところです。

幹事社
発表事項以外で質問がありましたら、発言をお願いします。

記者
年内最後の記者会見ということで、今年を振り返っての所感をお願いします。

教育長
教育委員会では学校教育や生涯学習など幅広い分野を所管していますが、特に学校教育については極めてウェイトの重い仕事だと思っています。その中で岩手の子ども達の勉強はもちろんですが、スポーツ・文化活動等を含めて地域との関わりの中で目を輝かせて頑張っている姿を今年も見ることができたと感じています。そのようなことが実現できているのは、各学校で子ども達をサポートしている教職員や地域の皆さんの支えがあってこそというように思っています。特に高校生のスポーツ・文化活動について申し上げますと、全国高総体カヌー競技での吉田選手のインターハイや国体での優勝ということもありましたし、全国高校総合文化祭では花巻農業高校の鹿踊り部が最優秀賞を受賞したということもありました。また、全日本合唱コンクール全国大会で不来方高校と盛岡第四高校がダブルで金賞を受賞したということもあり、岩手では今までなかった快挙だと思っています。
復興の関係では陸前高田市立気仙小学校が12月14日に完成し、被災校の改築が全て終わったということで、復興の先にある未来に向かって新たな歩みにしていくというような明るい話題もありました。
学校教育では現在、新学習指導要領への移行期間となっていますが、2020年度からの本格実施に向けて各学校でも対応しているところですが、円滑な移行に向けて、その準備に取り組んできたと感じています。
一方で、本日質問のありました高校生の自死事案など、本当に心の痛む事案も発生したということで様々な動きがあった一年だったと思います。今年も残すところあと少しですので、できる限りの対応をしながら新年につなげていきたいと思います。

記者
県立高校の再編に係る各地域での検討会議が始まっておりますが、少子化の影響で学級減とか統廃合が避けられない状況もあると思いますが、一方で地域からの要望等もあり、今後どのように地域の意見を踏まえた計画づくりに取り組んで行くのか伺います。

教育長
学級減や学校の統廃合の関係については、新たな再編計画を策定し、平成32年度までの前期プログラムに取り組んでいますが、それぞれの地域の状況や生徒の入学の状況等も丁寧に見ながら、最新の状況を踏まえたうえで適切な判断をしていくということを新たな再編計画の中に位置付けています。前期計画についても計画通り実施したものや計画の実施を延期したものもありますが、そこには教育に対する各地域からの大きな期待がありますし、子ども達自身の進路や保護者の皆さんの想い等を含めて、丁寧に対応することが大事であるということを踏まえ、そのような対応をしてきたところです。現在、地域検討会議での地域との話し合いを今月からスタートしますが、後期計画の策定にあたりましても、地域の皆さんからの声や教育の質の保証ということ等も含めて丁寧に対応していくことが大事であると思っています。また、首長さん方との話し合いの場もありますので、事情等をしっかり情報提供したうえで、新たな動きや学科のあり方等も含め、しっかりと地域の皆様の声も踏まえながらできる限りの対応をしていくことが大事であると思います。

教育企画室
以上をもちまして本日の記者会見を終了します。

 

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