平成30年6月20日教育長記者会見における質疑応答

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ページ番号1006244  更新日 平成31年2月20日

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平成30年6月20日(水曜日)
県庁10階  教育委員室

発表事項:

  • 「岩手県教職員働き方改革プラン」策定について
  • 「岩手県における部活動の在り方に関する方針」策定について

質疑事項:

  • 近畿地方での地震を踏まえた学校施設のブロック塀に係る点検方法等について
  • 学習支援を行う公営塾に対する所感について
  • 岩手県立大学開学20周年を迎え、高大連携に期待することについて

質疑応答

教育企画室
ただいまから、教育長記者会見を始めます。
本日は、教育長からの発表があります。

教育長
発表事項の前に一言申し上げます。
一昨日の大阪府北部を震源とする地震についてですが、教育委員会を代表して今回の地震で亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。また、被害に遭われた全ての皆様に心からお見舞いを申し上げます。
それでは発表事項に入らせていただきますが、本日は2つの事項について発表します。
1つ目は岩手県教職員働き方改革プランの策定についてと、2つ目は岩手県における部活動の在り方に関する方針の策定について発表します。
まず、「岩手県教職員働き方改革プラン」についてですが、教育委員会においてはこれまで、文部科学省が昨年12月に公表した緊急対策や、県立学校及び市町村立学校に勤務する教職員の勤務実態等を踏まえ、教職員の負担軽減に向けた具体的な検討を行ってきたところでありますが、昨日、「岩手県教職員働き方改革プラン」を策定しましたのでお知らせします。
この策定にあたりましては、小学校、中学校、県立学校、PTA、職員団体及び市町村教委等により構成する策定・推進会議を本年4月に立ち上げてこれまで検討を重ねてきたところです。
このプランにおきましは、教職員の負担軽減、教職員の健康確保等を大きな柱とした上で、本年度から2020年度までの3カ年度を対象期間として、緊急的かつ重点的に対策を講じることとしたものであります。
このプランは、第一に、教職員が感じる業務への充実感や、健康面の安心感を向上させることを目指すものが一つでありますし、第二に、県立学校における80時間以上の長時間勤務者の削減割合を目標として定めたものです。
具体的取組は、2つの取組の柱に基づいて、平成30年度の新規予算事業など22項目で構成しています。今後、このプランを踏まえて、各県立学校に対して主体的取組を促すとともに、市町村立学校に対しても、市町村教育委員会を通じて、重点的な取組をされるよう働きかけていきたいと考えています。
2点目の部活動の在り方に関する方針について説明します。
ただいま説明しました岩手県教職員働き方改革プランの策定と併せて、岩手県における部活動の在り方に関する方針を策定し、昨日、各県立学校、各市町村教委及び関係団体に通知したところです。
この策定にあたりましても、働き方改革プランと同様に、中学校、高等学校、PTA、職員団体及び市町村教育委員会等により構成する策定会議において検討を重ねてきたところです。
策定の趣旨は、希望郷いわて国体・いわて大会のレガシーを継承し、生涯にわたるスポーツ・文化芸術に親しむ環境づくりを目指し、部活動指導の充実と教職員の負担軽減など本来的な部活動の適正な在り方を図るものです。
部活動の教育的意義につきましては、極めて大きいところであり、学校教育活動の一環として重要な役割を果たしていますが、一方では適切な休養を伴わない行き過ぎた部活動が行われれば、生徒、教職員ともに様々な無理や弊害を生むことが様々な方面から指摘されております。
この本方針におきましては、3月に国から示されたガイドラインを踏まえて、中学校では週あたり2日以上の休養日を設けること、1日の活動時間は長くとも平日2時間程度、休業日は3時間程度とすること、また、高等学校では週1日以上の休養日を徹底しながら、年間平均で週当たり2日以上の休養日の設定に努めること、1日の部活動時間は、学校の特色及び種目等を考慮し、各学校において適切に設定することと示したところです。
その他、生徒数の減少等や本県が直面している課題を踏まえた今後の部活動の在り方について検討していく必要がある旨、取組内容を明らかにしたものであります。
今後におきましては、この方針に基づき、市町村教育委員会、学校、関係者などと連携を図りながら、教職員の負担軽減とよりよいスポーツ・文化芸術活動を推進していきたいと考えています。

教育企画室
ここからは、幹事社の進行によりまして進めて参ります。よろしくお願いします。

幹事社
それでは、教育長からの発表事項について質問がありましたらお願いします。

記者
教職員働き方改革プランについてですが、プランを発表して実施することで期待することを伺います。

教育長
文部科学省の全国的な調査の中で、小学校、中学校の教職員の超過勤務時間が極めて多く、長時間労働が常態化していることが明らかにされたところです。教育は正に人なりで、教育は教職員によって行われているということでもあり、教職員の適正な健康管理や労働環境の中で仕事をしていくことが教育の充実に繋がるという基本的な考え方を持っています。昨今、学校に対する期待や、様々な問題が顕著になっており、学校組織をあげた対応等が求められています。そのような中で教職員の勤務負担軽減は避けては通れないと考えており、学習指導要領の改定など教育改革も進んでいきますので、この問題にしっかりと取り組むことにより本県の教育の充実を目指し、最終的には岩手の子ども達にしっかりとした教育ができるような環境を作っていくためにプランを策定したところです。

記者  
基本的には2018年度当初予算での長時間勤務対策事業をまとめたものと解釈してよろしいか伺います。

教育長
平成30年度におきましては、特に教職員の働き方改革プランや部活動の在り方に関するビジョンの策定について力を入れて取り組むことについて県議会2月定例会の教育長演述でも述べたところです。
中教審からの緊急提言や、文部科学省の緊急対策などを踏まえて、本年度に重点的に取り組むという姿勢を表明したところですが、具体的な予算という形でも明らかにしていかないと言葉だけになることになりますので、予算上の措置も講じておりますし、併せて県教委と関係者等とこれまで様々議論を重ねたうえで本プランに反映させたということです。

記者
岩手県教職員働き方改革プランは各学校に発出されたのか伺います。

教育長
県教委から県立学校に昨日通知したところです。市町村立学校に対しては市町村教育委員会を通じて各学校に趣旨を浸透していただくよう昨日要請したところです。
 
記者
部活動の在り方に関する方針についてですが、活動時間の基準は国のガイドラインを踏襲したものと思いますが、今まで基準よりも長時間活動してきたことにより、急にガイドラインに合わせることが厳しいという部活動への対応はどうするのか伺います。

教育長
部活動の在り方に関する方針は、県教委として方針を示して、各学校における部活動の実施に活かしてほしいという趣旨で策定したものであり、その実現のためには各学校での関係者等の合意形成というのは極めて大事だと思います。部活動の在り方に関しては、多くの学校関係者が何とかしたいという共通の理解があるのではないかと思いますが、具体的な推進の方向ということについては様々悩んでいることもあるということで、その道標にしたいと考えています。部活動の在り方に関する方針を基本に可能なものは取り入れて、部活動や学校の教育活動が円滑に、そして継続性のある充実した教育活動が展開されるように進めていきたいと考えています。
今回の策定に関しては、これまで市町村教委との意見交換や県立学校長会議等の場でも機会を捉えて発信してきていますので、プランの策定を踏まえて理解の浸透を図っていきたいと考えています。

記者
部活動の在り方に関する方針は学校の実態に合わせるということで、場合によっては学校に丸投げになることが懸念されますが、基準を示して終わりということにならないか伺います。

教育長
中学校の部活動の休養日については、本年2月に各市町村に基準を県教委として示して、その浸透状況を調査しました。今回より一段緩い基準の調査でしたが、その結果、中学校、高校も含めた全ての学校で休養日の設定はされているとのことでしたが、今後ともその実態のフォローをしていきたいと思います。今回のプランにつきましても浸透状況をしっかりと把握しながら、できない所についてはどういう課題があるかなどについて意見交換などを行いながら浸透を図りたいと考えています。プランを策定して終わりではなくて、まずはスタート台に立ったというようにご理解いただきたいと思います。

記者
地域の少年団など地域団体との連携も欠かせないと思いますが、その点についてはどのように取り組んでいくか伺います。

教育長
今回の方針の策定にあたりましては、競技団体にも検討に加わっていただいております。ただし、少年団などの競技団体はたくさんありますので、それは学校と保護者の皆さんを含めて理解をいただくのが大事だと思います。よく指摘されるのが部活動の終了後にそのままスポーツ少年団活動になるということで、実態が一体的なものであり、それに対する負担感だとか、やり過ぎというような指摘もされているところでもあります。今回の方針の中では部活動に引き続くものは一体的な活動と捉え、この基準を踏まえて適切に対応されるように要請をしておりますので、実態をしっかりと把握していきたいと思いますし、広くご理解をいただくように県教委としてもしっかりと取り組んでいきたいと思います。

幹事社 
それでは、発表事項以外で質問がありましたらお願いします。

記者
大阪北部地震を踏まえ、岩手県のブロック塀がある学校について県教委が昨日通知しましたが、学校関連施設も含めて地震に対応するための施設のチェックというのはどうあるべきと思うか伺います。

教育長
これまでブロック塀による被害ということで特に印象に残っているのは、昭和53年だと思いますが、宮城県沖地震で仙台市を中心に多くのブロック塀が倒壊して、多くの方々が亡くなられたということをたくさんの人が身近に経験しているのではないかと思います。今、教職員を含めて若い人達にとっては記憶がない方々もいますし、今回大阪でも学校に設置しているブロック塀が倒壊し、小学校4年生の女子児童が亡くなられたということで、問題意識を強く持たなければならないと思います。
県立学校の緊急点検については各学校に指示したところであり、現在調査をしているところですが、ブロック塀の数自体が限定的であり、宮城県沖地震以後に建築されたもので、法令にも適合していると聞いていますが、実態はどうなのかということを含めて丁寧に対応していく必要があると思います。
県内にも確認されている活断層がありますので、いつかは必ず大地震が起こるということを今回の地震の経験から再認識しなければならないと思います。
 
記者
ブロック塀の調査結果は発表されるのか伺います。

教育長
取材していただければ確認ができたものについては説明させていただきます。

記者
昨年、葛巻町が公営の塾を開設しまして、一戸町では町として学習支援を行っていたり、西和賀町では来月から公営の英語に特化した塾を開く動きが出ていますが、塾がない山間地域や過疎地域における市町村単位での学習支援の動きについて教育長の考えを伺います。

教育長
民間の学習塾がある所と、無いという所との格差があるということについてはその通りですが、学校教育を所管している県教委としては、塾があることを前提にした教育を推進するというのは違うのではないかと思いますし、基本的には学校教育の中で学びたいという子どもに対して学校と家庭、地域との連携のもとしっかりサポートしていくことが大事だと思います。
一方で、生徒数が減少してきている中で、これからの未来を築いていくのは今の子ども達でありますので、人間性をより育んでいく一つとして学習塾を市町村が主体的に取り組み、子ども達をサポートしていくという動きについては肯定的に捉えても良いではないかと思います。
県立学校再編等とも関わる中で、そういう取組を市町村が主体となり行っているという事に感謝しつつ、これは市町村での主体的な取組だと認識しているところです。

記者
県立学校のブロック塀が限定的であるということについて、宮城県沖地震後に設置されたもので、法令にも適合しているという理解でよろしいか伺います。

教育長
確認しているのは県立学校1校です。昨日、文部科学省から小中学校の緊急点検の実施について通知がありましたので、本日にも各市町村教育委員会に小中学校の点検について県教委として要請していきたいと考えています。

記者
文部科学省から県教委に通知があったことにより市町村教育委員会に点検を促すように通知するということでよろしいでしょうか。
 
教育長
一昨日の地震を受けて政府から文部科学省に対して全国的に取り組むよう指示がされたという報道がありましたが、国の動きに合わせて県としても一体的に動くことが大事ですので、それを受けて通知するということです。

記者
文部科学省からの通知を受けて市町村教育委員会に要請するのは本日でよろしいでしょうか。

教育長
ブロック塀のみの対応だけではなく、通学路の確認など県として国の通知に加えて補完するものはないかなど検討しているところですので、それを踏まえて今日中に通知したいと考えています。

記者
昨日、市町村の各学校で調査を実施したようですが、その調査は県とは関りはあるのでしょうか。

教育長
報道もされていましたが、各市町村で独自に調査したようであり、望ましいことだと受け止めています。県教委としての市町村立学校の点検については、本日通知します。

記者
各市町村教育委員会に要請する内容は、法令に適合していないブロック塀があるかどうかということか伺います。
 
教育長
具体的な要請内容については担当課で検討しているところでありますが、法令に適合しているかどうかはもちろんのことですが、法令に適合していても現状はどうなっているかなど、目視等を含めてできる限りの点検をしてほしいと思います。

記者
報道もされていましたが昨日までの対応の状況で、県教委としては昨日までには県立学校に対して通知を出したという理解でよろしいでしょうか。

教育長
その通りです。県立学校は県教委が設置していますので昨日、通知したところです。市町村教育委員会には国の通知を受けて本日通知するところです。

記者 
問題意識を強く持たなければならないということですが、具体的にはどのようなことに問題意識を強く持たなければならないとお考えでしょうか。

教育長
岩手県には多くの断層が確認されているということもあり、特に今回の地震では何人かの方々が亡くなられており、その中でも小学校4年生の女子児童が学校側で設置した違法性の高い構造物の倒壊により亡くなったということについてはあってはならないことだと思います。できる限り岩手県でそのようなことが起こらないようにしっかり取り組んでいくことが大事であり、自然災害はいつ発生するか分かりませんので、様々な機会を捉えて地震や風水害等を含めて防災に対する意識というのは高めていくことが大事だと考えています。

記者 
市町村教育委員会での結果を踏まえて、全県的に危険な個所を県教委が取りまとめるような方針はあるのか伺います。

教育長
方針をどうするかについては検討しているところです。国でも通知を出したところですが、今後、国の調査の有無などを見極めながら実態の把握をする必要があると思います。

記者 
ブロック塀の緊急点検についてですが、点検の内容は目視によるものとされていますが、誰が目視して安全性を点検するのか伺います。

教育長
県立学校に構造物を整備する場合は本庁で工事を実施していますので、目視や設計書等の書類を確認するなど技術的な確認も大事だと思います。市町村についても教育委員会で施工した場合や、学校で設置した場合もあると思いますので、点検について市町村教育委員会から学校にしっかりと指示してもらうように要請していきたいと思います。

記者 
技術的な確認が大事ということですが、業者の方や専門的な方が安全性をチェックするということは各市町村に任せることになるのでしょうか。

教育長
基本的には学校の設置者の責任において実施することになると思います。

記者 
昨日、県立大学の20周年記念式典が行われました。20周年の節目ということで、現在の在学生のうち約6割が本県出身者ということで、本県における高等教育を担ってきた20年の歩みを振り返って、どういう役割をこれまで果たしてきたと考えるか伺います。
また、高大連携も含めた教育改革や大学入試改革もこれから始まってきますが、どのようなことを期待するのか併せて伺います。

教育長
県立大学の開学当時、岩手には地元に大学が少なく、大学への進学率が厳しい状況の中で、県として大学を設置したことに対して、県教委としても非常に有難いという思いがあったのではないかと思います。開学以降も、特に岩手県内でも様々な分野で活躍している多くの人材を輩出しているところでもありますし、総合政策学部や看護学部、短期大学を含めて、専門人材を育成しているということについても、今後も有為な人材を岩手県に定着できるように育んでほしいと思います。
これまで、卒業生が1万2千人位でありますが、県内の各界で活躍している多くの方々がいますので、その方々の今後の活躍もまた期待したいと思います。

教育企画室
以上をもちまして本日の記者会見を終了します。

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