JICA海外協力隊:工藤 善則さん(ブラジル派遣)

ページ番号1022696  更新日 令和1年8月23日

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  • 日系社会シニアボランティア(土壌肥料)
  • ブラジル連邦共和国派遣(2018年7月9日から2020年7月8日)

あなたの近況を教えてください

お住まいの国(地域)はどんなところですか。(地理、気候、言語、宗教、食事、文化・風習など)

 サンパウロから西南へ80キロメートルのイビウナという町に住んでいます。山の上の町で急勾配の坂が多いです。標高850メートル年間降雨量1500ミリメートルで盛岡より多く、雨季と乾季があります。気温は平均15~26℃で過ごし易いですが、寒い7月は最低気温が5度位になります。国語はポルトガル語で方言があります。人種のるつぼと言われているだけあって、ブラジル人の顔の典型がありません。歴史の浅い、世界中からの移民による国なので、衣食住から宗教、文化、風習の果てまで母国から持ち込んだものであり全てが雑多で混沌としています。私はイビウナ農協で活動していて、昼食は農協の食堂で現地の食事を頂いていますが、短粒種の米と豆は必ず出ます。デザートの果物は温帯果樹、熱帯果樹と種類が豊富で美味しくて昼食が楽しみの一つです。

あなたの活動(仕事、勉強、取組)について教えてください。

 私の配属先の農協はカット野菜工場を持っていますが、1日3~5トンの野菜残渣が出ます。これと町から出る剪定枝を砕いて混ぜて堆肥を作るのが活動の中心です。現在、堆肥場の基盤を建設中で8月から本格的に堆肥作りが始まります。組合員の多くが堆肥作りをやっていませんので、組合員に供給することにしています。それと手作りの微生物資材の普及があります。葉レタス、玉レタス、パセリについてこの資材の比較試験の結果が良かったので、9月から農家でその資材を使ってみようと計画しています。減農薬になるのと土作りにも効果が出るのを期待しているところです。

印象に残っている出来事はありますか。

 47年前、青年海外協力隊として一緒にケニアに赴任した同期の友人と再会出来たこと。ブラジルに移住した大学の同期生二人と再会できたこと。13年前コロンビアで一緒にJICAボランティアをしていた人と偶然サンパウロの街で会ったこと。可愛い3人の子供のお母さんになっていました。皆、それぞれ異国の地で奮闘、努力されて立派な家族を持ち生活されている姿をみて、嬉しく思いました。

岩手に関することについて教えて下さい。

岩手(日本)を離れて、あらためて感じた岩手(日本)の良いところはありますか。

岩手の良いところは四季の美しさが格別だと思います。メリハリのある季節感がこの国にはありません岩手は街にごみが少なく綺麗です。現地の人はごみをポイポイ捨てるので汚いです。分別用のゴミ箱が並んでいますが分別されていません。酷く貧しそうな人がその中から缶や瓶等を漁って行きます。

岩手について話題になったことや、PRしていただいていることはありますか。

 日系人の方々からよく食事に招待されますが、そんな時に岩手について話が出ます。私と同年代で農業をやっている方が、日本へ旅行に出かけた時に盛岡、宮古、釜石と回って震災の後を見て、その際に食用菊を買ったと言って実物を見せてくれました。日本で私は滝沢市に住んでいるのでチャグチャグ馬っ子の話などを機会があるときにPRしています。

岩手県の皆さんにメッセージをお願いします。

 ブラジルに着いてブラジル岩手県人会長の千田さん(金ヶ崎)を表敬訪問し、その後、私の住むイビウナの町では村松さん(矢巾)に会いました。多くの岩手県出身者が移住し活躍しています。

その他何かありましたら御自由にお書き下さい。

 この国の農業に貢献した人に贈る山本喜誉司賞の歩みという本(日本移民百周年を記念して出版)を読んでいたら1977年、福士勘二郎(岩手県)いちご栽培に貢献して受賞とありました。私の母の従兄弟である。会ったことはないが懐かしいような誇らしいような気持ちになりました。

写真:現地の畑

写真:土壌分析の様子
土壌分析

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