「いわて幸せ作戦会議(in久慈)」(令和5年6月9日)
日時
令和5年6月9日(金曜日)13時30分から14時50分まで
場所
久慈地区合同庁舎 6階 大会議室
出席者
・参加者(敬称略)
西村 一章(久慈市地域おこし協力隊)
麦沢 紅美(洋野町地域おこし協力隊)
吉村 雅子(野田村地域おこし協力隊)
谷口 智亮(普代村地域おこし協力隊)
・県側
達増 拓也 知事
坊良 英樹 県北広域振興局長
小野 博 政策企画部長
開会
小野部長
それでは、ただいまから県政懇談会「いわて幸せ作戦会議in久慈」を開催いたします。皆様には、御多忙のところ、御出席をいただきまして誠にありがとうございます。
今日は、「復興のその先へ~新たな取組による地域活性化~」を懇談のテーマといたしまして、久慈地域で食や地域振興など、様々な分野で地域の復興、振興に向けて取り組まれている皆様にお集まりをいただいております。
私は、本日の進行役を務めさせていただきます、県の政策企画部の小野と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
知事あいさつ
小野部長
それでは、開会に当たりまして達増知事から挨拶申し上げます。
達増知事
お忙しいところ、御参加いただきまして誠にありがとうございます。県議会議員の皆様も御出席、誠にありがとうございます。
県政懇談会「いわて幸せ作戦会議in久慈」でありますが、県政懇談会というのは、知事が県内、各地方、各分野の県民の皆さんの意見を直接伺って県政に反映させようということでありますが、「いわて幸せ作戦会議」という名前にしていますのは、今の県の総合計画「いわて県民計画」の基本目標に、「東日本大震災津波の経験に基づき、引き続き復興に取り組みながら、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわて」というようにあるので、この「幸せ作戦会議」という名前にしております。
今日は、この久慈地域で地域おこし協力隊として、それぞれ地域に入っていただき、そして、それぞれの地域、また分野で活躍している皆さんの声を伺い、県政に反映させていこうというものであります。
東日本大震災津波からの復興は、12年が経ちましてかなり進んできているわけですけれども、様々課題は残っています。そこに、主要魚種の不漁問題が影を落とし、さらにコロナの流行や、ウクライナ戦争に起因する燃料高騰、物価高騰も影を落としていますけれども、この復興事業の成果の様々なインフラや、また外の地域との繋がり、ハード(事業)、ソフト(事業)でいろいろなものが新しくできています。プラス、あまちゃんの再放送も順調に放映され、ファンの皆さんも活動を活発にしているところもあります。いろんな好条件を生かしながら、前進していきたいと思いますので、今日はどうぞよろしくお願いいたします。
小野部長
ありがとうございました。
出席者紹介
小野部長
それでは、この後の進め方についてですが、まず私からお一人ずつ、御出席の皆様のお名前を御紹介いたしますので、続けて、それぞれ1分程度の簡単な自己紹介をお願いいたします。その後、本日のテーマに沿ってお話をいただきます。お一人ずつお話をいただいた後、その都度、知事の方からコメントをいただくというような形で、区切りながら進めてまいりたいと思います。そして、最後に自由懇談の時間も設けたいと思っておりますので、ぜひ様々お話を頂戴できればと思います。
また、マスクですけれども、今日はかなり間隔を置いたレイアウトに心がけております。また、窓の方も開けて換気にも留意しておりますので、それぞれ皆様の御判断で外していただいても結構だと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、順番に本日出席の皆様を御紹介いたします。
始めに、久慈市地域おこし協力隊の西村一章さんです。1分程度で自己紹介をお願いします。
西村 一章
久慈市地域おこし協力隊の西村と申します。
私は久慈市出身です。ですので、Uターンで戻ってまいりました。子供が4人、家族6人でということで、地域おこしとして、まず人口を増やしたのが一番貢献したんじゃないかなと思っています。
もともと、親が漁師をしていましたので、ゆくゆくは自分も久慈市の水産業に携わって、漁師としても、また、自分で獲った魚、若しくはそういったものを自分で加工して、何とか商品にして売っていきながら生計を立てていきたいという目標を持ってこちらにおります。引き続き頑張っていきたいと思いますので、本日はよろしくお願いいたします。
小野部長
ありがとうございました。
続きまして、洋野町地域おこし協力隊の麦沢紅美さんです。
麦沢 紅美
はい。洋野町地域おこし協力隊の麦沢紅美と申します。今日はよろしくお願いします。
私のミッションは移住定住推進員です。役場に所属して、普段は空き家バンクに関わる業務を行ったり、あとは移住定住なので、関係人口や交流人口を生み出すべく、イベントを開催したりしております。
私が協力隊になったきっかけなんですけれども、育児休業中に、協力隊のイベントに参加したことがきっかけでした。その時に協力隊の皆さんがすごく楽しそうに活動していて、こんなに楽しい仕事があるんだというのを初めて知りまして、当時公務員をしていたんですけども、そこから思い切って、子供が小学校に上がるタイミングを見計らって協力隊に応募しました。
今日は皆さんからいろいろ勉強させていただければと思います。どうぞよろしくお願いします。
小野部長
ありがとうございました。
続きまして、野田村地域おこし協力隊の吉村雅子さんです。
吉村 雅子
野田村地域おこし協力隊の吉村雅子と申します。よろしくお願いします。
3年前に、神奈川県から夫婦で地域おこし協力隊として、野田村に所属しております。役場の所属になっておりまして、野田村のワイナリーが所有するぶどう畑の生産支援ということで、こちらで頑張っております。
今年で卒業というか、地域おこし協力隊の任期が終わるわけですが、任期後も、野田村にそのまま住んで、自分の畑をやっていくという予定でおります。私自身は神奈川から来ていますが、もともと岩手県の花巻市の出身でして、主人は神奈川の横浜の出身でして、半ば、私が岩手に連れてくるような感じですね。
今日はいろいろお話できればと思いますので、よろしくお願いします。
小野部長
ありがとうございます。
次に、普代村地域おこし協力隊の谷口智亮さんです。
谷口 智亮
皆様はじめまして。普代村の谷口智亮と申します。よろしくお願いいたします。
私は長崎県出身で、アフリカのモザンビークを経由して、普代村にやってきました。なので、地球規模でJターンしたと言えばかっこいいですかね。JICA海外協力隊として、アフリカの方でも活動していたんですけれども、長崎で二ホンミツバチの養蜂を独学でやっておりまして、そういったことを普代村でもやりたいと思って、今、巣箱を設置したりしてやっているんですけども、まだ普代村でミツバチとの出会いはなく、今、生息分布とかそういった生息の調査をしているような段階ではありますが、いずれ普代産の蜂蜜ができるように頑張りたいなと思っているところと、さすがにやっぱりそれだけでは飯は食っていけないというところで、三陸ジオパークの認定ガイドを取ったり、狩猟免許を取って、ジビエの方の活動をしたりとかして、将来的に普代村でも定住できるように生業を作っていきたいなと思って、今活動しております。よろしくお願いします。
小野部長
ありがとうございました。
県からは、達増知事、県北広域振興局の坊良局長でございます。よろしくお願いいたします。
また、本日は、県議会議員の皆様にもお越しいただいておりますので、御紹介申し上げます。久慈選挙区選出の中平均議員でございます。
中平 均議員
よろしくお願いします。
小野部長
次に、岩城元議員です。
岩城 元議員
はい。よろしくお願いします。
小野部長
九戸選挙区選出の工藤大輔議員です。
工藤 大輔議員
はい。よろしくお願いします。
小野部長
どうぞよろしくお願いいたします。
また、少し蒸しておりますので、ぜひ暑い時は上着も脱いでいただいて結構でございますので、ゆっくりとお聞きいただければと思います。
懇談
<テーマ>
復興のその先へ~新たな取組による地域活性化~
小野部長
それから、皆様のお手元にお菓子と飲み物を準備しておりますので、お召し上がりながら懇談を進めていければというふうに思います。
坊良局長の方から、本日のお菓子、それから懇談のテーマについて御紹介いたしますので、よろしくお願いいたします。
坊良局長
はい。それでは私の方から説明をいたします。どうぞ皆さん食べながら聞いていただければと思いますので、どうぞ召し上がりながらですね。
紹介するケーキでありますけれども、野田村のカフェrokka様から提供いただいたものでございます。キャラメルオレンジのチーズケーキということで、既に皆様、この地域で活動されておりますので、「知っているよ」という方もおられるかもしれませんけれども、今日は皆さんにこういったお菓子を紹介させていただきます。カフェrokkaでありますけれども、野田村におきまして障害者福祉サービス事業、こういったようなことを営むNPO法人の「風花」という法人でありますけれども、その法人が開設しております、障がい者就労継続支援事業所が運営しているカフェということでございます。このチーズケーキ、キャラメル独特の甘さと、チーズケーキのすっきりとした味わいの中に、オレンジの爽やかさが加わった、おすすめのスイーツということでございます。どうぞ食べていただければと思います。
障がい者の方の運営で、営業は土日のみの営業となっておりまして、インスタ(グラム)でも結構発信されておりまして、カフェrokkaで検索しますと、結構、若い御夫婦の方、カップルの方、あるいは若者のグループでという感じで、この森の中に佇む施設でありますけれども、そちらの方に行って、集いながら楽しんでいるなというような写真も載っております。資料の方は配布しております一番最後のページであります。県政懇談会の茶菓の紹介ということで、この下の方の写真ですね。こういう施設で様々なスイーツを提供しているわけですけれども、一番最後のページの写真を御覧いただければ、こんな所かなということで、御覧いただけると思います。まだ私の説明がありますから、少し味わいながら、皆さんの発言の時間まではまだ少しタイミングがありますから、どうぞゆっくり味わっていただければと思います。
次に、本日のテーマについて説明いたします。繰り返しになりますけれども、本日のテーマでございます「復興のその先へ」と、サブテーマで、「新たな取組による地域活性化」ということであります。先ほど、知事の方からも話がありました。鮭やイカの不漁でありますし、あとは、今年はホタテの貝毒、これが発生して、貝つきでは出荷できないような状況が続いているということで、この地域の主要な産業の一つである水産業、これも非常に厳しい状況にあります。もっと深刻なのは、この県北地区、地域の人口減少であります。内陸と比較しますと、この減少率というのは、県北の方が高くなっておりまして、人口減少のスピード、これは他の地域よりも早く早く進んでいると。そういったようなことを考えますと、この地域の経済でありますとか、地域の活力、そういったようなものの低下が懸念されております。
一方で、今年度は道の駅いわて北三陸のオープンでありますとか、知事のコメントにもございました、NHKの連ドラ「あまちゃん」の再放送ということで、明るい話題があっていろいろ状況を見ますと、交流人口、いろんな所から、お休みにはこの地域に来ていただいているということで、そういった交流人口の増加なども期待されております。また、将来的には、再生可能エネルギー、洋上風力発電事業といったような新たな地域の産業として期待される取組、こういったようなものも進められているところであります。
こうした中で、本日参加いただきました皆様は地域おこし協力隊として、地域の活性化に向けて、それぞれの分野で取り組んでおられます。これまでに様々なことを経験されてきた皆様の視点から、この県北地域の活性化について、一緒に考える機会になればということで、こういったテーマを設定させていただきました。
どうぞよろしくお願いいたします。
小野部長
それでは、早速懇談に入ります。ここから、今説明がございました、今日のテーマ「復興のその先へ~新たな取組による地域活性化~」、このテーマで、意見交換、懇談を進めてまいります。
それでは早速ですけれども、西村さんの方から5分程度でコメントをお願いいたします。
西村 一章
はい。では私の方から紹介をさせていただきたいと思います。冒頭の自己紹介でも御案内させてもらったとおり、私は水産業に携わるという形で活動をしております。主にミッションとして動いていたのは、一次産業、農業もそうですし、林業も含まれて、やはり水産業も、働く方々が高齢化をしておりますし、担い手となる方々がどんどん減少していると。今まで、例えば漁協の組合員の数が、毎年どれぐらい減っているかっていうのを確認していくと、もう30年後には漁師がいなくなる計算っていう結構厳しい状況だなっていうのを実際感じました。そんな中で、戻ってきて、まず最初に動いたのは、役所の方ではやはり林業水産課ということで、こちらに所属させていただいております。非常に、戻ってきてすぐ漁師になるよりも、やっぱり市役所にいることで、現状、今どうなっているんだ水産業は、課題は何なのだろうか、結構こういったものを非常に客観的に知ることができました。これは私にとっては非常に財産だったなというふうに思っていますし、これを踏まえて、自分はただ、自分の稼ぎで漁師をするだけではなくて、今後入っていく人たちにどういうことをやっていったらいいのかっていうふうに考えさせられました。
そんな中で、資料にもあるとおりですけども、まず最初1年目はいわて水産アカデミー(注:新規漁業就業希望者等を対象とした本県独自の研修機関)という形で、岩手県の主催で行っていただいて、本当にありがとうございます。すごい勉強になります。私と同じメンバーも、現在漁師を続けている人もいますし、中には別のこと、道を選んだ方もいらっしゃいます。非常に楽しく、最初は外から来ていますので、言葉だとか、いろいろ壁はあったみたいですけど、もう定着している方がほとんどです。
また、アカデミーに通いながら、ウニの陸上養殖っていうものを、私の父親もウニ漁をしておりますが、実際ウニが増えすぎてっていうのは、目で見て分かるところです。昆布が全くない岩場があったりというところですので、何とか自分でも、陸上養殖してみたいなと思っていましたので、「もぐらんぴあ」という水族館の館長に了解いただいて、タンクをちょっと貸してもらっていました。結論から申し上げますと、3か月あれば、私のような素人でも身入れさせることはできると。何とか久慈の特産のほうれん草でおいしいウニを作ろうと思ったんですが、残念ながら苦かったっていう。惜しかったな。キャベツであったりとか、昆布、こういったものでできるっていうのが分かりましたので、今後規模を拡大しながらやっていく道筋を立てられたらなと思っておりますし、一方では、先ほど坊良局長さんからもあったように、ホタテの養殖であったり、ワカメの養殖であったり、養殖の部分についても非常に厳しいというのもございました。また、県北の方はどちらかというと、養殖にはあまり踏み込めてない部分もございましたので、自分自身、やはり近隣の市町村に行って、その養殖の方々の仕事、どういうふうに、何時からいて何時まで働いて、商品にするまでどういう工程なのかというのを、いろいろ、知人を、伝手を、若しくは市役所の方々の声を貸していただいて、勉強させていただきました。それぞれ、やっぱり苦労は当然ありますが、やりがいのある仕事ですし、何とかこれを継続していけるようにというところで学ばせていただきました。
それと、冒頭の新しい漁師を増やすためということで、ちょっと今、これは2年前になるんですけども、「くじ漁師ガイドブック」という冊子を作らせていただきました。実際に働いている漁師さん、船に無理やり乗せてもらいながら、実際どういう活動をして、どういう仕事をして、苦労であったり、楽しさであったり、こういったものを事細かく聞かせてもらいました。「年収どれぐらいなの?」「言えねえなあ。」とかですね。そんなことも言いながら、実際新しく漁師になる人たちが、当然お給料もそうですし、どれぐらいの勤務になるのか、休みはあるのか、こういうのをいろいろとまとめた冊子ですので、これを活用しながら、新しくやりたいっていう方がいらっしゃった場合には、ぜひ活用しながら、勧めていきたいというふうに考えております。水産業の加工という部分についても、ぜひ、自分も手本になる方、これは県内だけではなくて、県外にも赴きながら学ばせていただいています。
その一つを今日は御紹介させていただきたいと思います。ウニ、アワビっていうものについては、特定の水産動物であり、ブランド化されているというふうには認識しております。一方で、第3のブランド化ということで、ナマコという、女性の方にあんまり受け入れられないような見た目もあるんですけども、食べれば非常においしいですしということで、久慈市は特に放流、稚ナマコの放流をして育てております。平成28年から進めていますので、直近だと、もう5年、6年経過して、非常に水揚げも安定してきております。そういった中で、乾燥させて海外に何とか売れる道筋を作りたい。獲れる量、資源は増やしたけれども、売れる場所がなければ作っても意味がないっていうふうに捉えていますので、何度か私自身も、市役所の方々と一緒になりながらやっていきたいということで、実際、自分自身でナマコを茹でて、乾燥させて、販路をいろんな所に当たっていく。実際のところ、県内でも、八幡平の海外の方々がよく来るスキー場の総支配人の方にサンプルを持って行って提案したりだとかですね。空港は県内には一つですので、空港にも実際持って行くと、快く、「売れるかどうか分からないけども、置いてみることはタダだよ。」ということで。非常に県内の企業の方々も、非常に前向きというか、どんどんこういう何か新しいことをやるっていうのは、やっていってほしいし、教えてほしいんだっていう声を聞いていましたので、これは内陸と県の海側の沿岸、こういった意味では、やっぱりこの交流っていうのを、もっとどんどん進めていかなきゃいけないんだなというふうに思っておりました。実際、今日物を見てもらった方がいいなと思いまして、ちょっとサンプルを持って来たので、達増知事にも見てもらおうかなと。作るのに、生で茹でた後に、1か月半ぐらいかけて、自然乾燥で干します。本当は乾燥機とかあると、非常によくできるんですけれども。北海道の檜山漁港(ひやまぎょこう)っていうところが、震災の時も、船を久慈市にも提供してくれた地域です。ここが非常に、この乾燥ナマコのブランドに精通されておりまして、実際、昨年も赴いて、作り方、育て方、販路の作り方みたいなところも、隠さず全部教えてくれると。非常に素晴らしい方々ですし、フレンドリーな方でしたので、こういったところを教えてもらいながら、やっていきたいと思います。
早めに言えば良かったのですが、今日お持ちしているもの(乾燥ナマコ)は、中国の知人を通じて、そちらの方に商品を、実はサンプルを持って行ってもらっております。その人たちにはじかれた商品で、よーく見ると、曲がっていたりとか、切り口は、本当は裏のお腹のところを切るんですけど、背中を切っちゃったりとかですね。あとは、裏面のところを見ると、切ったところは白っぽくなっている。この白っぽいのは、なまこの歯らしいんですね。これを取らないと、商品としては価値が無いとか、持って行くことでいろいろ勉強になりました。まずは、現地の方々にいろいろ聞きながら進めていきたいと思いますし、今後、自分自身も、ナマコもそうですし、魚、獲った魚の加工、こういったところも進めていきたいというふうに思っています。それが、漁師一本だけではなくて、例えば他の仕事と組み合わせてっていうような幅が作れれば、今後漁師もやりながら、(他のことも)やりたいっていう人の間口が広がるんではないかなと、自分があまり手本にはならないけれども、そういうところを目標にやっていきたいと思っております。
すいません、長くなりました。
小野部長
ありがとうございます。実際の乾燥ナマコを見せていただきましてありがとうございました。
それでは、知事の方からコメントをお願いいたします。
達増知事
西村さんには、水産アカデミー御利用いただきありがとうございました。また、活気があっていいですね、水産アカデミー。やっぱり作って良かったと思います。
そして、ウニの陸上養殖は、まず、やってみてそれなりに身入りがあったということで良かったと思います。
そして、「くじ漁師ガイドブック」は、これはありがとうございます。やはり、若い人で新規に漁業に参入しようとする人は、収入や勤務時間ですよね。勤務というか、作業というか、いずれ時間がどのくらい取られるっていうのは、普通、職業を選ぶ場合には、基本のデータではあるのですけれども、普通にしているとなかなか分からないことですので、そういう情報をまとめてもらったのはとても良かったと思います。
そして、乾燥ナマコは私も県の仕事で、中国に物産の売込みとか観光キャンペーンで行った時に、中国で何が売られているか、流行っているか見ると、やっぱりナマコは人気がありますね。特に、大連に岩手県は事務所を持っているので大連によく行くんですけど、あそこもナマコを獲ったり、乾かしたり、また、レストランで食べさせたりとかが盛んで、乾燥ナマコを戻して、オイスターソースなどでいただくのは非常においしいもので、かなり高く売られているというのを目撃しました。あとは、大連の町の中を、バスにラッピング広告でナマコの写真がバーンとついていたりとか、あと、これは15年くらい前かな、友諠商店(ゆうぎしょうてん)っていうデパートのちょっと古いタイプの所には、ナマコを粉末にしてカプセルにして、なんか免疫力が高まるとか言って売っているような、薬にして売られているのも見ましたし、需要はすごくあるのだと思います。国内でも、乾燥ナマコを戻して食べるという習慣が広まればいいなと思いますけれども。岩手の沿岸は、結構いいナマコが獲れるし、育てるのにも向いているのだと思うんですよね。大いに期待したいと思います。
ありがとうございます。
小野部長
続きまして、麦沢さんの方からお願いいたします。
麦沢 紅美
はい。よろしくお願いします。
私は、令和4年度から洋野町の地域おこし協力隊のメンバーとともに、「ひろのしおかぜマルシェ」を3回開催しました。お配りした資料を、御覧になりながら聞いていただければと思います。昨年9月と11月に種市海浜公園にて開催しました。また、令和5年の3月には、種市の大通りにあります、スタンド栞の周辺で開催しました。スタンド栞は観光案内所になります。出店者さんを洋野町に所縁のある方に設定しまして、漁師さんや農家さん、町内の事業者さんなど、毎回10組前後の方に出店していただきました。第1回目なんですけれども、人が集まってくれるかすごく不安だったので、目玉を用意しようと、ステージイベントを考えました。演歌歌手の三本木智子さんやひろのシーガールズさん、よさこいのてんつくれんさんなど、ボランティアで出演していただきました。また、第2回目に開催した時は、種市高校の生徒さんがボランティアで来てくれて、受付をやってくれたり、テントを組み立ててくれたりして、ちょっと輪が広がっていきました。おかげさまで、来場者数なんですけれども、海浜公園の会場で延べ300人ほどになり、予想以上にたくさんの方に来場していただいて、本当に有り難かったなと思っています。一番人気は漁師さんのブースで、開始前からすごい人が群がっていて、午前中にはもう売り切れてしまうほど、すごい人気でした。
さて、この「ひろのしおかぜマルシェ」を開催するきっかけですが、町の地域おこし協力隊の事例発表会で、渋谷隊員っていう隊員がいるんですけども、地域の「もったいない」をどうにかしたいという思いを発表したことでした。彼は水産振興事業推進員として活動しており、漁師さんが獲った、市場に出せない魚が捨てられている現状を見て、何か小さいものとか傷がついたものって規格外になってしまうそうで、出荷できないんだそうです。その現状を見て、マルシェを開催して地元の魚を地元で売りたい、そして漁師さんの収入を上げてあげたいという話をしていました。私もちょうどその時に、商店街の活性化が課題だなと考えていて、商店街の店主さんにも一緒に出店してもらえば、顔が見えるし、直接会話ができて、店主さんの人柄が伝わっていいんじゃないかなと思って、渋谷さんと私のお互いの共通の思いが結びついて、一緒にマルシェをしようということになりました。あとは、他にも人が交流する場所も作れるし、一次産業に関わっている方をちょっとでも応援できればなという思いもありました。ただ、商店街の店主さんは、高齢化や店番の都合等もあって、なかなかマルシェの出店は難しいようだったんですけど、これから(出店を)検討していただくためにも、それまでに基盤を作って、町民の皆さんへのマルシェの知名度を上げていければと考えています。お手元に、今年のマルシェのチラシを御用意しています。このチラシは、協力隊の川崎隊員が作ってくれました。すごい、ロゴマークが好評なんです。ぜひ、洋野町に足を運んでいただければなと思います。
ここからはちょっと余談なんですけど、(私は、)出身が洋野町の種市なんですけど、私の子供の頃は、商店街がすごく元気で、魚屋さんのニシンの炭焼きのいい匂いがしたり、あとは、おばあちゃんがたこ焼きを焼いてくれていたり、あと、インスタントラーメンを150円で提供する喫茶店があったりと、小学生が楽しめる場所がたくさんありました。今は、コンビニやスーパーとか、あとドラッグストアなどで買い物するのが主流になって、個人商店を利用する機会が少なくなりました。そこが少し寂しいなと思っていたところ、岩手県立大学との協働研究に応募する機会があったので、一緒に地域課題を解決していけたらいいなと思って応募したところ、採択していただきまして、一緒にマップを作ってみることにしました。それが、この「ダイちゃん商品券取扱店マップ」というマップなんですけども、商店街の個人商店ってなかなか入りづらかったり、入ってもちょっと出づらかったりっていう、移住者のことも考えると、よりハードルが高いのかなと思って。店主さんの顔が見えたら、少しは(お店に)入りやすくなるかな、利用しやすくなるかなと思って作りました。商店街を利用したことのないお客さんにも、お店に足を運ぶきっかけになればと思っています。そこから商店街や地域の活性化に繋がっていくように、今後も活動していきたいなと思っています。
最後ですけども、私の個人の活動で、「(ひろの)エモーション」(注:JR八戸線を通過するレストラン列車「東北エモーション」の乗客におもてなしの気持ちを込めて手を振る活動)などにも参加させていただいておりますので、(お配りした資料を)御覧になっていただければと思います。皆さんの協力があって、いろんなイベントを開催できていることが本当に有り難いなと思って活動しています。以上になります。ありがとうございました。
小野部長
ありがとうございました。
子供の頃の個人商店の思い出といったことで、まさに商店の皆さんの顔が見えるマップということで、非常にいい取組だと考えましたが、知事いかがでございましょうか。
達増知事
麦沢さんはまず、「ひろのしおかぜマルシェ」ですね。種市海浜公園は、ウニまつりがありますよね。すごく大勢人が集まるのを目撃したことがあります。それから、他の隊員さんと一緒に取り組むということの相乗効果、これはグッドアイディアなんだと思います。
そして、この個店のマップですけれども、これはやはり、昔から知っているというところも強みにしつつ、今の時代に合わせた、新たにやってきた人の視点も合わせて、やっている人とか、顔が見えるような紹介の仕方をすることで、ハードルを下げるというのは非常にグッドアイディアだと思います。入ってみたくなるようなマップだと思います。種市の商店街のみならず、広く旧種市町の沿岸に広がる個店のマップを作られたっていうのは、非常に有り難いなと思います。
そして、「ひろのエモーション」で旗を振ったりという活動と、これは、フルートでしょうか。吹かれるんですね。それで吹奏楽部のコーチもするなどしてもらって、非常に有り難いと思います。子ども食堂など、非常に広がりのある活動をされていて、地域おこし協力隊として、まず自分で様々広がりのある活動もして、そして、他の隊員と協力して連携してやるという効果も、非常にあるということ、大変参考になりました。
ありがとうございます。
小野部長
ありがとうございました。
それでは続きまして、吉村さんの方からお願いいたします。
吉村 雅子
野田村の地域おこし協力隊の吉村雅子です。
ミッションとしては、山ぶどう生産支援ということで、先ほども紹介にありましたとおり、「涼海の丘ワイナリー」という野田村のワイナリーが所有する山ぶどう畑の生産支援をしております。ミッションとして、生産支援、そして、栽培技術の習得をして、就農につなげるというところまでがミッションとなっておりました。ですので、さっきのお二方と比べると、黙々と作業をするという時間の方が圧倒的に長い協力隊となっております。
もともと、野田村の出身ではなくて、私、岩手県の花巻市ですけれども、外から来るような感じになりましたので、野田村の雰囲気とか、どういった村なのかっていうのは、正直、ホームページぐらいでしか知ることができなくて、結構不安も大きかったんですよね。被災地っていうことがまず頭にありましたし、結構被害も大きかった村でしたので、どんな所だろうという不安もありましたが、行ってみたら、自分が思い描いていたよりも、明るくて綺麗な村だなというのが第一印象ですね。人口は約4,000人で、県内ですと、人口が少ないランキング3位ということで、ちょっと小さな村ということで、明るくて綺麗で、人が少ないからこそ、人と人のほど良い距離感があるなという印象です。でも、村の方々は結構お話してみると、若い方も御高齢の方も、男女問わず、よそ者を受け入れてくれる寛容さっていうのがみんなあって、この、村の寛容さっていうのがあるなっていうのも感じました。
そんな村で、山ぶどう畑の管理をすることになったんですが、私、岩手に住んでいた頃、小学生の頃なので、もう数十年前になるんですけれども、もともと、山から採って来た山ぶどうで作ったジュースが、子供の頃すごく好きで、父親がわざわざ山に入って採って来た山ぶどうでジュースを作ったっていう思い出があって、山ぶどうって栽培するものなのかなっていう、最初の印象はそうだったんですけれども、山ぶどうの畑なんてあるんだと思って。実際に山ぶどう、野田の山ぶどうをジュースとか加工品ですけれども、飲んでみると、やっぱりすごく甘い、育てた山ぶどうって甘いんですよね。野生で育ったものは酸味とかが結構強くて、お砂糖とか入れて飲むんですけれども、そのままでも十分甘い。あとは、私の思い出の中、子供の頃、山から採って来た山ぶどうと比べると粒も非常に大きい。やっぱり、手をかけた分だけ立派なぶどうになるんだなっていうのがありました。結構、野田の山ぶどうは、手をかけている方だと思っていて、ぶどうの房もつけすぎないように管理したり、防除もきちんとしていますので、大粒で、重量の大きい立派な山ぶどうができていると思います。野田村は山ぶどうの生産量が一位になったこともある、山ぶどうが意外と盛んな地域でして、山ぶどうって結構久慈市の方が有名な感じなんですけれども、実は結構生産量が多いというところです。
ただ、その野田村でも、やはり年々、生産者の高齢化も伴って、だんだん生産者の方が減っていっているっていうのがあって、生産をやめてしまった方の畑を、村のワイナリーの方で、預かって管理をしているという状態です。ワイナリーで管理している所、大体4.6ヘクタールぐらいになるんですけれども、大体、東京ドーム1個分ぐらいの山ぶどう(畑)、そこを管理させていただいているんです。結構面積が広いものですから、一年中何か(作業)しているという感じですね、ぶどう畑で。もちろん暖かくなってくると、入れ代わり立ち代わりずっと草刈しているような感じですし、山ぶどうの蔓は旺盛で、結構伸びるのが早いんですよね。自分の蔓と絡まっていくので、結構お世話が大変です。蔓の管理をしたりしていると、もう慌ただしく収穫時期っていう感じです。
山ぶどうワインも作っているんですけれども、粒は大体8ミリぐらいで、普通の一般的なぶどうと比べると小粒なんですけれども、結構種が大きいので、果汁がちょっとしか取れない、搾汁率がちょっと悪いですが、その分、栄養成分というのは豊富で、栄養があるということは昔から知られていたようで、熊が冬眠する前に食べたりするとか、産前産後の女性に山ぶどうジュースを送ったりしたり、飲んだりしたり、伝え聞いた話ですけれども、昔からそういったことがあるみたいです。そういう栄養成分が、例えば、ポリフェノールが一般のぶどうと比べると8倍だったり、ビタミンCが4倍だったりとか、食物繊維が7倍だったりとか、栄養成分がかなり豊富であると。味も濃くて濃厚、ワインにしたときに、結構独特な風味が出ます。やっぱり濃厚だったりとか、あとは、やはり酸味が、独特の酸味が強いとか、ただ、搾汁率が少ないために、ちょっと価格的には高価になりやすいかもしれないです。ただ、高価になるということなので、山ぶどうの希少価値というか、栄養成分とかそういったものを、「ちょっとワイン高いんじゃないの。」って地元の人が言ったりするんですけれども、こういった栄養成分とかを考えてもらうと、搾汁率とかを考えてもらうと、結構貴重な山ぶどうの果汁なので、その辺をちょっと知っていただけると、もっといい評価がされるのかなと思いながら、今やっております。
今、3年目になりまして、山ぶどうの支援員をきっかけとして、野田村で就農するということを目指してやっているんですけれども、まるきり新規就農という形で、私も主人も、全然畑違いというか、それこそ農業なんて初めてやるという感じなので、いろいろ周りから教えていただきながら、就農計画を立てて、今年からちょっと具体的にやろうという形になっているんですが、山ぶどうの収入ですと、結構就農計画を立てづらいので、一旦はちょっと山ぶどうを計画から外して、地域、久慈地方で盛んなほうれん草と、あとは最近、ブロッコリーやピーマンもちょっと力を入れているみたいなので、その辺もちょっと計画に組み込みながら就農できればなということで、今計画を立てております。任期終了後、自分たちである程度経営が安定してから、山ぶどうの生産の方でお手伝いが何かできればなとは思っております。
まずは、ちょっと技術を磨いて、農業で自立した経営ができるようにする、地域に根付いた作物を中心に生産しようということを目指しています。野田村に来て、地域おこし協力隊として野田村に来て定住するっていうパターンが、まだそういったケースが少ないので、農業をやって定住するという、雛形じゃなくて、農業で定住するっていう、ある程度道筋というか、我々がその道筋を作るというか、野田村で、こういったことで定住できるよっていう道筋を作れるような存在になればなと思っております。どういう形かはまだ定まってないですけれども、今、野田村の近辺で、新規就農という方々が結構増えてきていて、横の繋がりもできているので、そういった横の繋がりで協力して何かできればなというのが、具体的な計画ではないですけれども、考えているところです。新しい道の駅ができるっていうのもありますので、それを利用して、何か野田村ブランドみたいなものが作れればいいなと思っておりますし、あとは、今後来る新規就農者の方とか、地域おこし協力隊の方とかの農業での育成とか、自立のサポートもできればいいなと思っております。以上です。
小野部長
ありがとうございます。
吉村さんは、野田村で農業で定住できる先駆けになりたいということでお話をいただきました。ありがとうございます。
達増知事いかがでしょうか。
達増知事
山ぶどうは、岩手県が都道府県では一番多く生産していて、昔はジュースくらいだったんですけど、その後いろいろな商品化、パンのジャムとか、スイーツのジャムとか、商品化がいろいろ工夫されて、そして、ついにワインに本格的に使われるようになり、大変おいしいワイン、質の高いワインも作られていて、涼海の丘ワイナリーの山ぶどうワインも結構人気がありますよね。早く売り切れたりする時もあり、決して高くはなくて、良心的な値段だと思いますよ。よりワインが高く売れれば、山ぶどうの方も高く売れて、山ぶどうでの収入っていうのがより高まることが、多分求められているのだと思いますね。
野田村で初の就農ということで、村だと人口4,000人ぐらいですか、そういうケースが今まで少ないというか、無いというかだったんだなと思いますが、4,000人くらいの集団というのは、県庁もそのくらいの人数ですし、昔働いていた外務省というのも4,000人ぐらいだったですし、かなり、どこに誰が行って何をしているかが分かるような集団なので、その持ち味を生かせば、いろんな事ができるのだと思うんですよね。ぜひ成功するように、農業っていうのは、土地の関係とか、また生産から販売とか、いろんな法律に基づいているがゆえに、いろんな補助事業とか支援とかがあるけれども、収入がちゃんとあるような計画を立てなきゃいけないということなんですね。それで、山ぶどうだけというわけにはいかないというのは大変かとは思いますけれども、うまく軌道に乗るとそこから自由度が高まっていくと思いますので、成功を期待したいと思います。
ありがとうございます。
小野部長
それでは、最後に谷口さんの方からお願いいたします。
谷口 智亮
私、ここに書いてありますとおり、二ホンミツバチの養蜂を軸に活動をしているんですけれども、やはり、まだ普代村でミツバチが捕獲には至っていないっていうところで、ミツバチがいなくてもできる養蜂の活動というところで、ポッドキャスト配信だったり、講演会、昨年も盛岡の方だったり、陸前高田の方に呼んでいただいて、アイーナの方で環境学習に絡んだミツバチの話などさせていただいて、ミツバチのことを語ることで、そういった活動もたくさんできてきたなと思いますし、今後もそういったことも積極的にしつつ、まだミツバチに普代村で出会えることを期待しつつ、頑張っていきたいなと思っているところです。
普代村に来てから、やはりいろいろな魅力に出会って、そういった中でそういったことを、今後の生業にしていきたいなという思いがある中で、まず一つがですね、三陸ジオパークの認定ガイドも、こちらも昨年試験を受けて無事に合格しまして、認定ガイドになりました。これも、私自身が大学時代、國學院大學で考古学を勉強していた関係もあって、遺跡の発掘の関連で、地層とか地形とよくにらめっこしていたような学生時代だったので、そういったところからも、この三陸の沿岸の地形を見たりするのはとても好きですので、海成段丘でできた断崖絶壁とか、すごいスケールがあって面白い所だなと思って、そういったところも魅力に感じて、そういったことをどんどん外に発信していけるような活動をしていきたいなと思っています。
そして、ジビエに関しても、これは地元の水産会社さん、こちらにも2、3年前に来たカネシメ水産の金子太一さんから、お誘いを受けて、「海だけでなく、これからは山の恵みも得ていかないと」っていうことで誘いを受けて、一緒に狩猟免許を取得して、一緒に山に入ったりして、いろいろ狩猟の腕を、スキルを磨いているところではあるんですけれども。昨日も、熊を一頭仕留めました。そういったこともあって、今後、やはりやっていきたいのはジビエの事業化っていうところで、達増知事もいらっしゃる目の前ですので、ぜひ言わせていただきたいんですけれども、ジビエを事業化するっていうのは、やはり県内ではなかなかまだハードルが高いというふうに言われておりまして、大槌町さんの方で、今、「MOMIJI」さん(注:ジビエ肉専門加工製造会社)、株式会社として運営されていますけれども、そういった形で、もう熊も鹿もたくさん増えてきている、県内全域増えていますので、そういったところを処理、駆除して、処分場に持っていくだけでは、やはりもったいないと思っています。そういったところをビジネスに、山からいただいた恵みを資源にして、新たな産業にできないかというところを模索しておりますので、県としても、ぜひ、バックアップしていただければなというところは要望したいところではあります。
そして、もともと私、JICAの海外協力隊としてモザンビークに行っておりましたが、このOV会(注:岩手県青年海外協力協会)の、岩手県のOV会の方にも、昨年からいろいろ顔を出していた縁もあって、OV会の会長になった権力を振りかざして、北三陸にもグローバルの波は吹き込んでいきたいなって思っているところです。やはり、普代村に来てから、やはり、外国人だったり、そういった国際的な雰囲気っていうのがなかなか無いような所だなというふうな感じもしまして、せっかくこうやって、ICTとかインターネットとか普及した昨今ですので、そういったいろんな形でグローバルっていったことを、日本の田舎でも勉強できるような、そういった時代にはなってきていると思いますので、そういったところを積極的に取り組んでいきたいなと思っているところです。
そして今回、このテーマが「復興のその先へ」というところで、まさにタイムリーな話題にはなってしまいますけれども、先ほどお話したカネシメ水産さんで、新商品を開発しました。鮭を使った魚醤で「鮭醤」という名前で、新しく商品開発をしました。それを、今度クラウドファンディング「Makuake(まくあけ)」というサイトの方で公開することになりまして、7月スタートを目標に、今準備を、私自身もインターネットに強い方ですので、そういったことをサポートして、今お手伝いしているところではあったんですが、先月の5月の末に、このカネシメ水産さんで火事が起きてしまいまして、ニュースにもなりましたので、皆さん御存知かと思いますけれども、工場の作業場を燃やす火事がありまして、その「鮭醤」自体は無事だったので、もうこの「鮭醤」が最後の望みの綱だっていうところで、復興に向けて、そのクラウドファンディングを今頑張って準備しているところですので、そういったところもぜひ公開になった時には、皆さんも御協力いただければなと思っているところです。この「鮭醤」自体は、南部鮭の加工の際に出てくる内臓だったり、頭だったり、ヒレだったり、そういった残渣として出てしまうような部分がもったいないっていうところから始まったものでして、盛岡の浅沼醤油店さんと共同開発で、無添加にこだわって、本当に鮭の香りがすごくする素晴らしい魚醤が出来上がったので、これをぜひ、たくさんの方にお披露目したいなというところで、SDGsとか県産品といった、そういった地域貢献にも繋がるような一品ができましたので、私も地域おこしの立場として、クラウドファンディングをお手伝いしたりしておりますので、今後、プロモーション活動なども積極的にしていきたいと思っておりますので、今後とも、御期待いただければなと思っているところです。
私の活動をもう一つ、普代村の道の駅に、珍しいんですけども、「キャッツアイ」というスナックがありまして、道の駅にスナックって珍しいねってみんなよく言うんですけども、道の駅にスナックがあるんじゃなくて、スナックがあったところが道の駅になったっていう順序がありまして、そういったことでその「キャッツアイ」という場所があって、お昼は何も使ってないっていうこともあったので、僕がお昼営業を担当することになりまして、「コワーキングスナック」という名前で今営業しているところです。コワーキングスナック、コワーキングスペースって、今、日本全国いろんなところにありますけれども、パソコン作業するような、そういったこともできますし、スナックなので、カラオケもあったりとかで、気分転換に1曲歌うとかでもオッケーですので、そういった面白い取組をしつつ、やってみたならば、意外とやはり村の方からの需要もあって、夜お酒飲まないけど、ちょっとカラオケを歌いたいっていうような人だったり、そういった方の需要があって、そこで交流が生まれたり、コーヒーにもこだわっておりまして、今日お菓子を御提供いただいているrokkaさんのコーヒー豆を使わせていただいておりまして、このrokkaさんの豆がすごくおいしいんですよね。利用者さんたちがスペシャリティコーヒーの粒を一個一個拾って選別するという作業をして、スペシャリティコーヒーの中でも選ばれた豆たちを厳選して焙煎してというようなことをやっているので、すごくおいしい豆を提供されているので、そこの豆を使わせてもらって、「キャッツアイ」の営業でもコーヒーを提供しております。そういった、普代村はカフェのようなものもなくて、お昼からコーヒーを飲めるような場所も無かったから、そういったものがあって嬉しいというお声もいただいたり、そういった部分で村の方々への貢献にもなりましたし、普代村の道の駅、一つ大問題を抱えておりまして、土日にご飯を食べるところがない問題があるんですね。レストラン、食堂があるんですけど、土日は営業していないっていうような、そういった問題もあるので、じゃあそこで、キャッツで、夜に出している夜泣きそばのような形で出しているものをお昼に提供はしているんですけども、そうしてみると、やはり、遠くから、この間ですね、「仙台から来たけど、ここは何にも無い。お昼食べる所も無いんだね。」ってぶつぶつ言いながら蕎麦をすすっていただいた方もいらっしゃったり、そういった、今まで無かったものを作り出すっていう部分では、コワーキングスナック、新しい活動として今力を入れているところですし、そういった、今後ですね、地元の物を取り入れた新商品、新しいメニューといったものも、どんどんどんどん出していって、お昼にご飯食べる所無い問題の解決に至るというところで、今、スナック、コワーキングスナックの活動も積極的にしているところです。
こうやって、いろいろやりたいことがたくさんあって、どれから手をつければみたいな状態にはなっているんですけども、まずはとりあえず地に足つけて、プライベートに関しては、私、妻と一緒に移住してきて、こっちで4月に、新しく第一子が誕生しまして、今育児にも勤しんでいるところで、普代村に人口プラス1を何とか貢献できたところで、そういったところを、今、村の皆様にも、子供のこともいろいろ可愛がっていただいたり、ベビーカーとかチャイルドシートもみんな譲っていただいて、本当に初期投資がかからず済みました。そういった部分では、本当に普代村に来て良かったなって思っております。近所の皆さんにもすごく良くしていただいているので、そういった皆様にも御恩がありますので、そういった恩返しができるように、今後残り1年半ぐらいにはなりますけれども、活動していって、活動終了後も普代村に残っていれるような仕事づくりを、今後邁進していきたいなと思っております。以上です。
小野部長
ありがとうございました。グローバルな御経験を踏まえた、自由な広がりのある取組を御紹介いただきましたが、知事いかがでしょうか。
達増知事
やはり人数が少ないと、土日に外食できる所が無かったり、カフェが無いとかあるんでしょうが、どんどんそれを作っているというのはすごい事でありまして、多分、無くていいから無いんじゃなくて、やっぱりあればいいけど、外から来る人の利用を加えて成り立つとか、微妙なところだったので、今までなかったのでしょうけれども、地元の人の利用プラス外から来る人の利用というところで、持続可能になるのではないかなと思います。
そして、「鮭醤」ですね。鮭の魚醤っていうのはグッドアイディアだと思います。漁業もまだまだじゃないかというところで、山のジビエも大事ですが、やっぱり漁業もまだまだ可能性がありますよね。そして、ジビエは岩手にとって、動物がたくさんいますからね。かつ、数をコントロールしなければならない局面にあるので、その活用、利活用というところがやれるようになれば大変いいところです。まだ全頭検査をしなければならないということで、大槌の「MOMIJI」も全頭検査した上で売っているので、かなり手間暇もかかるのですけれども、軌道に乗るような見通しがつけば、それこそ、そういう経営計画があれば、県も支援して、そういうふうにやっているところなので、岩手県の中にジビエを増やしていきたいと思います。
そして、国際的な人の出入り、また発信のようなことは普代村では今まだ、それほど見えてないわけですけれども、ぜひそういうのを増やしてもらいたいと思います。普代村も含めて、岩手の自然とか食べ物とか、あと、郷土芸能とか海外の人にも喜んでもらえるものを、価値あるものがいっぱいあると思いますし、道路が便利になり、三陸沿岸道路(ができる)前にはできなかったようなことが今できるようになっているので、そこも期待したいと思います。
そして、養蜂もできるようになることを期待したいと思います。
海外協力隊OB会会長になる予定ということで、岩手県は長い歴史があり、今でも結構行って帰って来て、コロナでちょっと中断はしているんですけれども、そういう人たちのぜひ力を活かしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
小野部長
ありがとうございました。
皆様からのお話、一巡いたしました。たくさんお話をいただきましたので、残り7分ぐらいになってしまいましたけれども、皆さんの話も聞いて、ここをもう少し話したいなといったところもあろうかと思いますので、ぜひ、そういう方いらっしゃいましたら、お話をいただければ、何か、西村さん、いかがですか。お一人2分程度でお願いします。よろしくお願いいたします。
谷口 智亮
(西村氏へ)水産をディスってしまってすいませんでした。
小野部長
西村さん、どうぞ。
西村 一章
とんでもありません。同じ「りょうし」ですよね、言葉的には。撃つ方と獲る方とね。
谷口 智亮
よろしいですか。
西村 一章
なので、オッケーかなと。
正直、今日達増知事にわざわざここまで来ていただいて、こうやって直接目を合わせながら話せるっていう環境は、非常に有り難いですし、自分の中でも、自分がやってきたことを話せるっていう機会、本当に有り難いと感じています。久慈市だけで言うと、協力隊も、私が入った時は2名だったんですが、今だと10名超える。どちらかというと、市、県外から入ってくる方が非常に増えています。その理由は、自分でやりたいことを考えて、なので途中から、もともとこれでやろうとしたけども、なかなか難しいんで、こっちもやってみたいっていうふうに変化させられる、自分で考えて、自立的にできるっていうのが、今ウケているという事で、数が増えているというふうなところがあります。ただ一方で、そういう人が増えてくると、管理、これは久慈市ができてないわけではなくて、非常に声も掛けていますし、仲間同士で「君、今どういうふうにやってるの?忙しかったら手伝いに行くよ。」みたいなことが、今だいぶ連携ができてきているので、チームワークはできてきているんだなと。ただやっぱり、その新たに成功している人、やはり手本になる方が例えばいらっしゃったりすると、非常に参考になると思うので、そういう意味で、こういった場でも結構だと思いますし、県内、県外も含めて、こういった交流と共有化ができると有り難いなというふうに思っています。
最後一言言いたいことと言えば、やはり、私が今着ている(西村氏着用のポロシャツ)この「久慈琥珀サーモン」、私が別に育てているわけではないんですが、とってもおいしいです。実際、切って食べると、ちょうど今だと3キロぐらいに1匹あたりとなっているので、非常に油も乗っていますし、さっぱり食べられますので、ぜひ久慈に来た時にはですね、新しい道の駅でも、知事も伺ったと思うんですが、あそこでも、西山さんが販売をされているということで、これがどんどん広がっていければなと思いましたので、良かったら達増知事に食べてもらえればなと思っています。
小野部長
ありがとうございました。
いかがでしょうか。どうぞ、局長。
坊良局長
私から1点、色々あるんですけども、時間もないので1点だけですね。麦沢さんの「ひろのしおかぜマルシェ」、毎月最終日曜日に開催しているということで、実は、久慈、野田、普代、毎月最終土曜日に、プチ夜市というものをやっておりまして、三陸鉄道のチケットと合わせて、商品券もセットのチケット、企画切符を販売して、いわゆる電車に乗りながら、野田の夜市で買って物を食べて、また今度は普代に行ってというような感じのものをやっております。そういったようなものの、今度、北バージョンということで、このプチ夜市を、種市の場合は、この「しおかぜマルシェ」みたいなものに繋げていければ、JR八戸線の利用促進とかも、併せて何か考えていければなというふうに思っておりますので、また後でいろいろ御相談したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
小野部長
麦沢さんいかがですか、そういうアイディア。
麦沢 紅美
そうですね。すごく、有り難いです。今、種市駅が無人駅になってしまったので、少しでも利用促進のために、そういったイベントも役場の方で一生懸命考えておりましたので、ぜひ御一緒していただければと思います。ありがとうございます。お願いします。
小野部長
ありがとうございます。
まだ、若干時間ございますけども、いかがですか。よろしいですか。はい、じゃあ谷口さん。目が合ってしまいました。
谷口 智亮
じゃあ、もう特に言いたいことは先ほどたくさん申し上げたので。僕自身も岩手県に来て、初めて子供が生まれて、今育児に勤しんでいるところなんですけれども、普代村に来てやはり感じたのは、育児の環境としてはいいかもしれないんですけど、出産の環境としては、やはりちょっと、久慈病院まで通わなければならなかった。今回は安産だったので特に問題はなかったんですけど、何か問題があったら二戸に送られるというような、そういった状況、先が見えないような出産の環境だったなっていうふうに振り返ると思いました。なので、久慈病院が悪いわけではないんですけれども、やはり県立病院そういった大きな病院で、そういった育児の、出産の環境だったりそういったものが、しっかり安心して産めるような環境がもっと広がればいいなというのは、そこだけですね。他は何も文句は無かったんですが、やはり二戸に行くのかな、どうかなというようなそういった不安も抱えながらの出産だったので、そこは、ぜひとも、医療の部分、ぜひともお考えいただければなというようなことは感じました。以上です。
小野部長
ありがとうございます。
岩手県も人口減少対策で、結婚、出産子育てと周産期医療、これに力をしっかり入れて取り組んでおりますので、引き続き御意見をいただきながら進めてまいりたいと思います。ありがとうございます。
吉村さんよろしいですか。もしもよろしければ、一言どうぞ。
吉村 雅子
少しだけ。就農、任期後ですね、後から来た人のために、農業面での、営農面でのサポートができればと思っていましたが、漁師ガイドブックだとか、そういったものを、なんか参考になりそうだなと思いましたので、ちょっと持ち帰り、考えてみたいなと思いました。ありがとうございます。
小野部長
先ほど、吉村さんから先駆けになりたいというお話をいただいておりました。ぜひ、県の方もですね、はい。
坊良局長
改良普及センターの方から、就農支援は一生懸命やっているんです。改良普及センターの方からの助言とか。
吉村 雅子
はい。通わせていただいておりまして、御協力いただいております。
坊良局長
なるほど、なるほど。しっかり、そこはサポートしていきますので。
吉村 雅子
はい、ありがとうございます。
小野部長
皆様ありがとうございました。
大体時間がやってまいりました。まだいろいろお話いただければと思いますが、今日はこの辺りで、締めさせていただきたいと思います。
知事所感
小野部長
それでは最後に達増知事からお願いいたします。
達増知事
それぞれ、その地域に、また岩手全体にも貢献いただいてありがとうございます。お子さんの御出産は特にそうですけれども、岩手でまず生きているということだけで、非常に大きな貢献をしてくれていますので、さらに、この仕事や取組がうまくいくことを期待したいと思います。
また、地域おこし協力隊のこれから来る人たちのことも考えていていただいて、これは非常に有り難いです。地域おこし協力隊のネットワーキング、繋がりを作って助け合う形を作っていくというのは、県もやらなければいけないと思っていて、そういう事業をいろいろやっていき、どんどんうまくいく方向に発展していくようにしたいと思いますので、よろしくお願いします。
ありがとうございました。
小野部長
ありがとうございました。
閉会
小野部長
今日4人の皆様からいただいた様々なお考え、御意見につきましては、県庁の方に持ち帰りまして、関係の部局の方とも情報共有して、今後の県の施策にしっかり生かしてまいりたいと思います。
皆様、本日は貴重なお時間をいただき、様々お話を頂戴いたしました。本当にありがとうございました。以上をもちまして、本日の県政懇談会を終了いたします。ありがとうございました。
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