「いわて幸せ作戦会議(in宮古)」(令和5年5月12日)
日時
令和5年5月12日(金曜日)14時30分から15時50分まで
場所
宮古地区合同庁舎 3階 大会議室
出席者
・参加者(敬称略)
金澤 辰則(一般社団法人KEEN ALLIANCE 代表理事)
齊藤 由美子(岩手県北自動車株式会社 うみねこ丸ガイド)
髙橋 奈々美(パティスリーフィエルテ 代表)
間瀬 慶蔵(株式会社尾半ホールディングス 代表取締役)
・県側
達増 拓也 知事
植野 歩未 沿岸広域振興局副局長
小野 博 政策企画部長
開会
小野部長
ただ今から、県政懇談会「いわて幸せ作戦会議in宮古」を開催いたします。
皆様には、大変御多忙のところ御出席をいただきまして、本当にありがとうございます。
今日は、「新しい三陸の創造に向けて-地域で動き出す新たな取組-」を懇談のテーマといたしまして、宮古地区でお仕事や地域活動など様々な分野で地域の復興に向けて取り組まれている方々にお集まりをいただいております。
私は、本日の進行役を務めさせていただきます、県の政策企画部長の小野と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
知事あいさつ
小野部長
それでは開会に当たりまして、達増知事から御挨拶申し上げます。
達増知事
皆さんこんにちは。
県政懇談会「いわて幸せ作戦会議in宮古」ということで、県政懇談会というのは昔からありますが「いわて幸せ作戦会議」と銘打っておりますのは、今の「いわて県民計画」、2019年からスタートしていますが、「東日本大震災津波の経験に基づき、引き続き復興に取り組みながら、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわて」というのを基本目標にしておりまして、そこからこの幸せ作戦会議と銘打っているところです。
今日はこの宮古地域で、東日本大震災津波からの復旧復興を進めながら、また復興事業の成果を生かしながら、さらに未来に進んでいこうというところで、色々な困難、主要漁種不漁問題やコロナがあり、そして資材などの物価高騰問題もあるわけですけれども、この直面する困難を乗り越えながら、それは復興もそうでしたけれど、ひいてはふるさとを守るということにもなるわけで、ふるさとを守りながら困難を乗り越えて、その先の、岩手沿岸の真ん中、宮古地域をどのようにしていくかというようなことを直接お話を伺って、この地で活躍する皆さんの御意見を参考にしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
出席者紹介
小野部長
それでは、この後の進め方につきまして簡単に御説明申し上げます。
まず、私の方からお一人ずつ御出席の皆様のお名前を御紹介いたしますので、続けて1分程度で自己紹介をいただければと存じます。その後、本日のテーマに沿ってお話をいただきますが、お一人ずつお話が終わった都度、知事がコメントをするというような形で区切りながら進めて参りたいと思います。そして、最後に自由懇談の時間も設けたいと思っておりますので、その際には、お話足りなかった部分や他の方々のお話を聞いての感想等も含めて、いろいろ懇談をいただければと思っております。よろしくお願いいたします。
それでは、本日出席の皆様を御紹介いたします。始めに、一般社団法人KEEN ALLIANCE(キーン アライアンス)の代表理事、金澤辰則さんです。
金澤 辰則
はい。御紹介にあずかりました、岩泉町で活動しております一般社団法人KEEN ALLIANCEの金澤と申します。私自身は岩泉町生まれ、岩泉町育ちです。36歳です。主に岩泉町の移住定住の促進事業を行っておりまして、町の案内ですとか、あとは住居の案内、仕事などのコーディネートをしております。また岩泉町をフィールドにした大学生のインターンシップなども行っております。岩泉町と外をつなげるということを軸にして活動しております。
また、仕事というわけではございませんが、町内の商店街でイベントの開催ですとか、ご当地グルメの岩泉の炭鉱ホルモン鍋の普及活動をしていたり、あとは私自身漁師の家の生まれなので少し漁業をやっていたりとか、あとは3年前からちょっと趣味が講じてですね、コーヒー豆の焙煎をして、今ちょっと町内の飲食店で少し卸させていただいたりとかしております。
いろいろとやっているわけなんですけども、やっぱり自分の役割が何かこうあるっていうのはすごくありがたいなと思って、そこをモチベーションにして活動しております。本日はよろしくお願いします。
小野部長
どうもありがとうございました。続きまして、岩手県北自動車株式会社「うみねこ丸」ガイド、齊藤由美子さんです。
齊藤 由美子
齊藤です。よろしくお願いいたします。
宮古市が建造した新しい遊覧船「宮古うみねこ丸」のガイドとして、昨年度6月から勤めております。船内では浄土ヶ浜を中心にした景勝地のほか、三陸ジオサイト観光施設の紹介、宮古港海戦についてなど多岐にわたって案内しております。縁あって25年ぶりに同じ会社にお世話になっておりますけれども、それまでは営業、製造、事務職と勤めまして、久しぶりにこのような職種についております。一度なくなった遊覧船が、また新しい形で復活ということで「うみねこ丸」は多くの方に御利用いただいており、人気がある遊覧船です。以前の(観光船)「陸中丸」運航時には、景観などに特化した案内であったと伺っておりますが、宮古市三陸の観光振興につながるような案内を心がけております。就航してまだ1年経っておりませんが、日々自分にできることは何かを考え、邁進している最中でございます。不慣れなことも多く、手探り状態ではございますが、今日は皆様のお話を伺えるのを楽しみにして参りました。本日はよろしくお願いいたします。
小野部長
齊藤さん、ありがとうございました。齊藤さんのお話を伺っただけで、浄土ヶ浜の風景が浮かんでくるような思いでございます。
続きまして、パティスリーフィエルテ代表の髙橋奈々美さんです。お願いいたします。
髙橋 奈々美
パティスリーフィエルテの髙橋奈々美と申します。岩手県の田野畑村出身です。小学校の頃にパティシエになりたいと心に決めまして、いつかは必ず田野畑村でお菓子屋さんをやると志してきました。高校時代は(岩手県立岩泉高等学校)田野畑校の最後の卒業生で、生徒会長をさせていただきました。新潟県の長岡市にある製菓の専門学校を卒業いたしまして、東京のホテルや個人店などで修業をいたしました。そこから、結婚と出産を機に田野畑村へUターンしまして、夢だったお菓子屋を開業いたしました。地域の拠点になるお菓子屋さんになりたいと思っています。よろしくお願いいたします。
小野部長
ありがとうございました。続きまして、株式会社尾半ホールディングス代表取締役の間瀬慶蔵さんです。お願いいたします。
間瀬 慶蔵
はい。こんにちは。山田町でスーパー2店舗のほかに、ガソリンスタンドと飲食店と、フィットネスクラブと水産加工をやっております。雫石にも会社がありまして、そこで醤油を作っております。今日はよろしくお願いします。
震災があって、弊社山田に会社があったんですけども、すべての事業所が全壊してしまいましたけれども、県や国の、そして山田の支援もあって何とかすべての事業を復活させて、今それ以上にさせていただいております。本当に感謝しております、ありがとうございます。
私は年齢が45歳なんですけども、仕事のほかに商工会青年部っていうところでいろいろな活動をしておりまして、45歳で卒業なんです。なので、こないだ卒業だったんですけども、卒業させてくれませんで、花束も何ももらわずに、「そう(卒業)でしたね」っていうことで賛助として残ることにしております。青年部活動では山田の花火大会とか、はしご酒大会とか、そういうようなことをやって山田を盛り上げております。
先日ゴールデンウィークありましたけれども、すごい人がいっぱい来まして、うちの山田の町中にあるスーパーは去年の10%アップの客数の入りで非常に混雑しました。やっとコロナも落ち着いてきたかなというふうに思っております。これからが楽しみだなといったところです。今日は、よろしくお願いします。
小野部長
ありがとうございました。県からは、達増知事、沿岸広域振興局の植野副局長が出席でございます。よろしくお願いいたします。
また、本日は宮古選挙区選出の県議会議員の皆様にお越しいただいておりますので御紹介申し上げます。始めに、伊藤勢至議員です。
伊藤 勢至議員
こんにちは。よろしくお願いします。
小野部長
続きまして、城内よしひこ議員です。
城内 よしひこ議員
こんにちは。よろしくお願いします。
小野部長
そして、佐々木宣和議員でございます。
佐々木 宣和議員
はい。よろしくお願いします。
懇談
<テーマ>
新しい三陸の創造に向けて-地域で動き出す新たな取組-
小野部長
本日は、よろしくお願いいたします。
それでは、皆様のお手元にお菓子と飲み物を準備しておりますので、お召し上がりいただきながら懇談を進めてもらえればと存じます。
まず始めに、沿岸広域振興局の植野副局長から、本日のお菓子と懇談のテーマについて御紹介していただきます。それでは、是非召し上がりながら聞いていただければと思います。
植野副局長
それでは御説明申し上げますが、今一度食べながら是非お聞きいただければと思います。よろしくお願いいたします。
本日のお菓子として御準備させていただきましたのは、「よしはま農園のイチゴのムース」でございます。これは本日の出席者、髙橋奈々美さんの洋菓子店パティスリーフィエルテで販売されている商品でございます。田野畑村の山地(やまち)酪農ヨーグルトと、宮古市花輪地区の「よしはま農園」のイチゴ「紅ほっぺ」を贅沢に使用した2種類のムースでございます。「紅ほっぺ」は甘みがとても濃く、ヨーグルトの優しくも爽やかな味と絶妙なバランスを生み出しております。トッピングされているイチゴの豊潤な香りとともに、しっかりとした旨み、甘み、酸味が感じられ、口当たりが滑らかなスイーツとなっており、濃厚なのにさっぱりと楽しめるスイーツとなっているということでございます。
本日は、髙橋様からタルトも一緒に御持参いただきましたので、こちらの方も御賞味いただければと思います。よろしくお願いいたします。
それから、本日の県政懇談会のテーマについて御説明させていただきます。本日のテーマは、「復興」、「若者・女性」となっております。これは、三陸のより良い復興「ビルド・バック・ベター」の実現に向けまして、幅広い分野・世代の皆様の取組課題等について意見交換しようとするものでございます。具体的な宮古管内のテーマにつきましては、先ほども御説明がありましたが、「新しい三陸の創造に向けて-地域で動き出す新たな取組-」とさせていただいております。宮古・下閉伊地域は、皆さん御存知のように、畜産や果樹・園芸などの農業、林業、水産業がそれぞれ活発な地域でございます。それから、最近では宮古盛岡横断道路や三陸沿岸道路が全面開通いたしまして、内陸部や県外との交通アクセスが格段に向上したことによりまして、観光や物流の面からも大きなメリットとして期待されているところでございます。そして今年度からは、新型コロナ感染症もだんだん落ち着いてきまして、宮古港には外航クルーズ船の寄港が相次いでいるところでございます。一方で、少子高齢化や人口減少、水産業における主要魚種の水揚げの急激な減少、各業種における担い手の不足など、宮古地域も他の地域と同様に、将来に向けて大きな課題に直面しているように思います。このような中で復興の先を見据えた動き、新たな拠点づくりや移住定住の促進、起業、なりわいを起こすほうの起業でございますが、そうした動きが宮古管内でもだんだんと出てきております。このような新しい取組に焦点を当てまして、今後の発展にはどのようなことがヒントになるのか皆で考える機会になればと、テーマを「新しい三陸の創造に向けて-地域で動き出す新たな取組-」とさせていただいた次第でございます。
今回出席いただいた皆さんは、宮古地域でそれぞれの分野で新しい三陸の創造に取り組まれている方々でございます。このような取組に焦点を当てて意見交換をし、今後の県政に生かしていきたいと考えておりますので、本日はどうぞよろしくお願いいたします。以上でございます。
小野部長
はい。ありがとうございました。後ほど、お話の中で髙橋さんからお菓子について御説明いただこうと思ったんですけれども、食べてなくなってしまうかもしれませんので、もしよろしければ、このタイミングで御説明いただければと思います。お願いいたします。
髙橋 奈々美
よろしくお願いします。
私自身が、田野畑村には結構お土産品が少ないなっていうふうに思っておりまして、それで盛岡市にある「よろず支援拠点」さんっていうところと協力させていただきまして、私自身がマツタケや山菜を採りに山に入るんですけれども、そちらを生かして何かお菓子を作るのはどうかというふうにおっしゃっていただきまして、そこで開発したのがこちらの山地酪農のチーズと、あとは自分で採ってきたマツタケを使ったタルトになっておりまして、甘くてしょっぱい、ちょっと甘じょっぱいようなキッシュみたいなタルトにいたしました。タルトは、お菓子屋さんっていうイメージがありますので、パイ生地ではなくて、あえてタルトの方を使わせていただきました。
岩手県の銘菓になるように頑張りたいと思っております。是非アドバイス等あれば、よろしくお願いいたします。
小野部長
はい。ありがとうございました。
それでは、懇談の方に進ませていただきます。ここからは、本日のテーマ「新しい三陸の創造に向けて-地域で動き出す新たな取組-」に沿って、現在の取組課題、今後の方向、御自身の抱負、県への期待なども含めてお話をいただければと思います。先ほど御挨拶いただきました順で、まず金澤さんの方からお一人5分程度でお話しいただければと思います。よろしくお願いいたします。
金澤 辰則
改めまして、金澤です。よろしくお願いします。
今話題の髙橋さんの作っていただいたお菓子なんですけど、私はちょっと食べずにお家に帰って娘と食べたいなと思ってました。隣の村ですので、お店にも伺いたいと思いますけども、あえて食べないということをちょっと分かっていただければと思います。
本題に入りまして、先ほどの自己紹介の中で私自身の仕事活動として、外と岩泉町をつなげることをしていると申し上げましたが、活動をしていく上で外の人ばっかり優遇していては問題もありますし、かといって地域の思い、地域の考えだけを一方的に押し付けても、それはそれでトラブルを生むということで、そこのバランス感覚というのがすごく大事だなと心に置きながら活動しております。
岩泉町、紛れもない田舎です。田舎なんですけども、私自身はすごくその田舎に可能性を感じています。一個、例を出させていただきますと、よく近所の知り合いのおばあちゃんが、「凍み大根(しみだいこん)」って皆さん御存知ですかね。自分の畑で(大根を)作って、それを切って干して、それをお裾分けで「うちで食べきれないから」って言ってわけてもらったりするんですけども。これって結構あるある話だと思うんですけども、例えばその近所のおばあちゃんが作ったのって言い替えれば、すごく強引な解釈をすればトレーサビリティできてるよなと思ってます。自分が見えるところで自分が知ってる人が作っている、トレーサビリティできてるよなって、「凍み大根」はエネルギーを一切使わないで寒風で作ってるって、これ製造のゼロコストだよなって、製造するエネルギーこそ全然かかってないよなって思います。あとは多くなって食べきれないからってお裾分けしてもらうんですけども、これってよく食料の廃棄の問題ですとかあるんですけども、それをシェアしていくっていうことが達成できてるなって、すごく乱暴な解釈かとは思うんですけども、これは世の中が目指そうって言っている動きっていうのを、田舎ではすごく普通に当たり前のようにできてるんだろうなと思ってます。ただ、それが生活になじみ過ぎていて、まず普通過ぎて特別感がないところではあるんですけども、外から見ると「すごいことやってるよな、羨ましいよ」なんて言われたりはします。ただ、これを地元っていうにはちょっと恥ずかしいな、自分が作っておしょすいな(恥ずかしいな)なんて出したりはするんですけども、それを自分がすごいだろうって威張らないでやってること、その自然さがすごく大事なんだろうなと思っておりますし、そういう点に価値を感じてくれる人に来ていただいて、そういう人とつながってもらえたら地域としても生きがいですとか、やりがいですとか、そういうのに結びついていくんだろうなと思っております。
ここからは、私なりの解釈ではあるんですけども、どういう人が地方移住に合ってるのかなって考えたときに、人間誰しも相性というか、そういうのがございますので、全員が全員その田舎で暮らすっていうのがいいかっていうと、それはそれで違うかなと思っています。3年くらい前に東京から岩泉町に移住しまして農業やってる人の言葉で、すごく自分の中で心を打たれた言葉がありまして、「すごく田舎の暮らしって春夏秋冬の四季ですとか、天候に自分の暮らしがすごい左右されるよな、ただそれを楽しめれば面白いよね」っていうのを言われた時に、すごくこれいい言葉でちょっといろんなとこで使わせていただきますって感じで今回も使わせてもらうんですけども、例えば先ほど山菜とかマツタケの話が出たんですけども、それが出たらもう自然と皆さん山に行ったりとか、あと今日とかだと天気もいいので結構各地で田植えをやってたりとか、あとは雨の日だと仕事しないで休みますとかもありますし、私は海の方の生まれと言ったんですけど、サケとかアワビが獲れると地域全体がすごく活気が出るなというのをすごく肌感覚で感じることがあります。天候とかといいますと誰のせいにもならないので、まず予定通りにいかないことが多くて、それ自体がその地域全体に影響を及ぼしたりしてしまうことがあるんですけども、すごく言葉を前向きに捉えるとそこの不確実性というのを楽しめる人はすごく田舎で楽しんでいけるのかなと。逆にそこにストレスを感じてしまうと窮屈な思いだったりとか、深くストレスを感じて大変な思いをするのかなと思っています。地方移住を進めていきますとどうしても仕事ですとか、収入の話とかと直結してきます。当然そこは大事な部分ではあるんですけども、自然が豊かな場所で暮らすっていうこと、イコールそこから受ける影響っていうのも多くあると思ってますので、そこを伝えた上で移住の参考にしていただけたらなと思っております。
まとまりのないことをつらつらとお話させていただいたんですけども、最後に自身の活動の宣伝になってしまうかと思うんですけども、移住促進をする上で双方のミスマッチっていうのは、なるべくならば防いでいきたいなと考えております。私自身の仕事の中で、数日間の移住体験というのを勧めています。内容としては非常にシンプルで、就労体験、興味ある仕事を体験していただいたりとか、あとは地域住民とか先輩の移住者との交流という本当にシンプルなものではあるんですけども、そこがすごく効果があるなと思って続けております。それを体験した上で、やっぱり岩泉ちょっと合わないなと思ったら、残念ではあるんですけど別な進路を選んでいただくのもいいですし、それでもやっぱり田舎ではあるけども岩泉だと楽しめそうだって感じたら、来ていただけたらこちらも精一杯フォローさせていただきます。もろもろの移住促進事業をやっていく中で、どうしても私と地域自体も信頼関係を結んでいかなければならないなと、そこがすごく地域の協力がなければ私の仕事はできないと思っております。今後も、私自身はこの地に根を張って生きていくとは思いますので、地域への敬意や感謝を忘れずに活動していきたいと思います。
以上となります。ありがとうございました。
小野部長
ありがとうございました。それでは、知事の方からお願いいたします。
達増知事
やはり移住定住のためには、現地と来る人のつなぎ役の部分が非常に大事なので、コーディネーターの仕事は非常に貴重な、大事な仕事だと思います。一つ、住む場所は岩手県全体として若い人向きの安い家賃の住宅があまりないという問題があるんですけれども、空き家を活用したりしているのでしょうか。
金澤 辰則
住居の問題は、知事がおっしゃられたように民間のアパートが少なかったりですとか、空き家に関してもあることはあっても、すぐ住めるような状況ではないというのが何年も課題であったんですけども、町の役場にいろいろ交渉して許可をもらいまして、廃校になった学校の教員住宅を、移住者向けに貸してもらえないかっていうのを、3年ぐらいかかりました、貸してもらえるまでにも。やっぱりどうしても文科省の補助が入ってたりとか、ちょっと制度的に難しい部分もあったんですけども、学校の教員住宅を借りるということで、4名くらい移住者が住むことができております。
達増知事
そうですね、そのくらいの住宅がちょうどいいですよね。大きい空き家一つで、若い人を一人とか二人とかではちょっと大き過ぎたりもするでしょうから、グッドアイデアだったと思います。
そして、自然の豊かさについては、岩泉は地球上のいろんな場所と比べてもかなりいい方だと思いますし、「凍み大根」の例を挙げられましたが、SDGsそのもので、持続してきたし、これからも可能なそういう食文化にして生活パターンだと思いますので、そういった良さを評価するような人たちがどんどん来て進んでいくといいと思います。ありがとうございました。
小野部長
ありがとうございました。それでは続きまして、齊藤さんの方からお願いいたします。
齊藤 由美子
はい、齊藤です。よろしくお願いいたします。
この前のゴールデンウィークも含めまして、観光シーズン期は多くの方に(「うみねこ丸」に)御乗船していただいております。現在は、乗り場が「出崎ふ頭」と以前から変わらず「浄土ヶ浜桟橋」からとの2か所ありまして、以前の「陸中丸」は定員400名の船で一度にたくさんのお客様に御利用いただくことが可能だったようなんですが、現在の「うみねこ丸」は定員80名の船ですので、大型連休など、繁忙期にはすぐ定員となり、(乗船を)お断りしている現状もございます。
それに引き換え、冬季は利用客が少ないので夏季に比べると閑散としております。この課題は遊覧船に限ったことではなく、宮古地区全体の問題であるのかなと思っておりまして、内陸には温泉地やスキー場など、寒い時にも楽しめるコンテンツがありますが、宮古市をはじめとする沿岸地域には冬ならではというコンテンツが不足していると感じております。世界3大漁場である三陸沖も最近は不漁が続いてはおりますが、サケやタラ、毛ガニなど冬の食材は豊富で、宮古市や観光団体による食のイベントも開催されておりまして、この「うみねこ丸」も「毛ガニまつり」の時には、会場がある「出崎ふ頭」から「浄土ヶ浜(桟橋)」までの無料シャトル運行も行いました。お客様には大変魅力的だったようで、イベント会場のにぎわいとともに船も満員となりまして、やはり無料の力はすごいなと実感いたしました。
他にはイベントとタイアップした取組といたしまして、タラ汁やワカメの味噌汁のお振る舞い、割引券の配布なども行いましたが、目に見える効果までは至りませんでした。やはり集客のための課題は山積みでして、イベント会場から周辺観光施設への波及効果に繋がる新たな取組、挑戦が必要かと感じております。
今後の方向性につきましては、コロナ5類移行により3年間続いたコロナ規制が解除となり、観光需要が増加することが予想されます。また、花巻空港と台湾を結ぶ定期便も5月10日から運航されておりますので、インバウンドのお客様にも期待を寄せております。実際多くの方にいらしていただいておりますが、それに対応する語学力が個人的に乏しく、それなりに大変なこともございますが、いらしたお客様には是非、船からの絶景やウミネコへの餌付けのアトラクションも大いに楽しんでいただきたいと思っておりました。
岩手県は独自の旅行支援を行ってくださいまして、期間中は県民割を御利用するお客様も数多くいらっしゃいました。観光客誘致には、民間企業だけではなく官民一体となった取組が必要だと感じております。
運航に当たり、私自身印象的だったことがございまして、(「うみねこ丸」は)震災から12年目を迎えたその日(3月11日)も運航いたしておりましたが、以前の「陸中丸」は、震災後のその日(3月11日)は運航したことがないとのことでしたので、皆様、どんな面持ちで御乗船されるんだろうとこちらも構えておりました。実際、運航乗船されたお客様は、皆様笑顔で楽しんでおられまして、2時(14時)46分に汽笛を鳴らしたときには厳粛な雰囲気だったものの、その後もまた笑顔で楽しんでおられたのを見て、改めてこの「うみねこ丸」は周りを笑顔にさせる魅力をもった船なんだなと思いましたし、またこちらもそれに倣って楽しく御案内した方が良いのかもしれないなと改めて気づくことができました。
そんな「宮古うみねこ丸」も、7月17日で1周年を迎えます。宮古市、三陸にとって必要な観光コンテンツであると認識しておりますので、今後、市のイベントも含め魅力を最大限にお伝えし、皆様を笑顔にできるように精一杯努めて参りたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
小野部長
ありがとうございました。齊藤さんには、知事の後ろに貼ってありますポスターの右上に「うみねこ丸」のポスターもございますけども、右側の方にも登場していただいておりまして、ありがとうございます。
寒い時のコンテンツ、海上から周辺への波及、インバウンドへの対応といったことなど課題も伺いました。それでは、知事の方からお願いいたします。
達増知事
市民の皆さんの期待、そして様々努力と工夫、それから岩手県北自動車株式会社の経営の力、それらを合わせてこの観光遊覧船が復活したのは、本当に良かったと思います。(「うみねこ丸」は「陸中丸」に比べ)コンパクトになりましたけれど、いろいろバリアフリーになっていたりとか、最先端の設備になっていていいんじゃないかなと思います。
お客さんも増えてきているということで、新型コロナについては、第6、7、8波のオミクロン株の流行の時の(感染者数の)数字よりも低い数字になっていますので、ゴールデンウィークで比較しても去年よりも低い感染水準でいますので、そういう時に5月8日の5類移行を迎えることができて、タイミングがよかったんだと思います。5類になって病院や高齢者施設など、そのリスクの高い人が大勢いるようなところの感染対策というのはあるんですけれども、普通の人が普通に活動する場合については、かなり普通にやれるようになっていますので、今からいよいよ回復挽回の時期にきているなと思っています。「シルバー・ウィスパー」が来た時に歓迎式に出ましたけれども、そういうクルーズ船もたくさん来るようになりますし、花巻空港台湾便も復活し、海から空からプラス陸路、それぞれいろいろ便利になった移動手段で、宮古を始め岩手沿岸の方に来てもらえばなと県でも展開をして参ります。
「ニューヨーク・タイムズ」が、盛岡市を(2023年に行くべき52か所の)2番目に選んだということで、観光庁が「これはチャンスだから、是非国が補助するのでインバウンド復活事業をやってくれ」というそういう話の持ちかけもあったので、県の補正予算も組んで盛岡市に人を呼びつつ、盛岡市からさらに岩手県内沿岸の方にも人が来るための様々なイベントや宣伝を、県の方でもやっていきます。昨日、「ニューヨーク・タイムズ」の記事を書いたクレイグ・モドさんがまた盛岡市に来ていて会ったんですけれども、その(記事を)書いた本人自身がもうリピーターになって何度も盛岡市に来ていて、そういうタイプの旅行を推奨していますので、盛岡市に来て、盛岡市に泊まりながら盛岡市以外のところに行くとか、泊まるところも盛岡市以外のところに泊まりながらという、盛岡市を中心としつつ、盛岡市以外のところにも広く観光の効果が行き渡るようにしていきたいと思います。
宮古中心に岩手沿岸は、昔から国立公園になっていて風光明媚ということでは全国有数で、食べ物もおいしいですし、そこに震災の学習、研修そういったこともできる場として、ニーズは震災前よりも高くなっていくと思いますので、県としても是非そういうふうにしていきたいと思います。三陸鉄道も活用しながらやっていきたいと思います。ありがとうございました。
小野部長
はい。ありがとうございました。続きまして、髙橋さんの方からお願いいたします。
髙橋 奈々美
まず、本日はお菓子を使っていただきましてありがとうございました。是非お口に合いましたら、お店でゆっくりできるようになっておりますので、日頃の疲れを癒しにいらっしゃってください。
私の今考えている課題といたしましては、先ほどもお話があったと思うんですけれども、人口の減少に伴ってやはり空き土地や空き家が目立ってきていることではないかなというふうに思っておりました。そのためには、人を呼ぶため集めるための拠点が必要なのではないかというふうに考えておりまして、まずは自分自身が空き家を有効活用することで、空き土地と空き家の解消ができるのではというふうに考えました。また、お店づくりを村の方ですとか、あと地域おこし協力隊の方などに手伝っていただくことによって、村の人と村外から来てくださっている地域おこし(協力隊)の方の交流ができる拠点づくりを現在しているところです。
また、方向といたしましては、パティスリーフィエルテ自身が拠点になって移住者と村をつなぐという役割をしたいと考えております。検討の段階ではあるのですが、地域おこし協力隊の受入先となりまして、来ていただく協力隊の方がいらっしゃれば、うちはレンタルキッチンもございますので、そちらの方でランチの営業をしていただいたりですとか、村のものや、岩手県の食材や素材、とてもいいものがたくさんあるので、そちらを使用していただいて、まずは地域おこしを全力でしてから、それから他の事業者の方とも提携したり協力したりして、岩手県全体を盛り上げたいというふうに考えております。
また、期待といたしましては、三陸道(三陸沿岸道路)が通ったことで交通量が増えて、観光などで足を運んでくださっている方が増えているのではないかなというふうに思っております。また、道の駅ができ始めているので、私のような小さなお菓子屋としてはイベントの出店先ですとか、卸先が増えることはすごくありがたいというふうに思っておりますので、道の駅さんとも何か協力できないかなというふうに考えております。
また、抱負といたしましては、コロナウイルスも落ち着きましてイベントが増えてきたことによって、事業者の方と関わる機会が増えまして、久慈市の地域おこし協力隊の方や、宮古市や普代村、岩泉町の協力隊の方と話す機会がございまして、その際に、やはり一人一人岩手を盛り上げたいという意識がとても高くて、もっとより良いものにしたいと意気込んでくださっていたので、すごく素敵だなというふうに感じました。私は、すごい小さな個人事業主で、本当に微力でしか力になれないかもしれないんですが、岩手県を良くしたいっていうふうに考える皆様一人一人と、力を合わせて盛り上げたいというふうに考えております。また、イベント出店することによって様々な情報の交換ができまして、たくさんの事業者の方と接することでつながりを生かして、その地域の活性化につなげたいというふうに思っております。
具体的には、近隣の市町村にもメリットのあるイベントの企画をしたいというふうに考えてまして、例えば商店街で使える商品券を何円以上でプレゼントするなど、ちょっとまだ意見としてはかなり甘いかもしれないんですけれども、自分の村だけではなく近隣の市町村なども楽しくなるような継続的なイベントを企画していきたいというふうに考えております。また、同じ気持ちで企画をされてる方がいらっしゃれば全力で協力したいと思っておりますので、何かお声をかけていただけたら嬉しいと思っております。以上です。ありがとうございます。
小野部長
ありがとうございます。お店を一つの拠点として、地域おこし協力隊の皆さん、あるいは他の近隣の市町村の事業者の皆さんともつながりを深めていきたいといったお話をいただきました。ありがとうございました。それでは知事の方からお願いいたします。
達増知事
地域おこしはやはり拠点が非常に重要なので、このパティスリー(フィエルテ)、お菓子屋さんがその拠点となるというのは非常にいいアイデアだと思います。
このマツタケ、チーズのタルトは大変おいしかったですし、ゴージャスな感じがしますので、ビールやワインに合うということですけれども、アフタヌーンティーとかいろんな演出にも使えるものじゃないかなと思いました。おかずのしょっぱさと、おやつ的な甘さは、ドラマ「あまちゃん」でも「まめぶ(久慈地域の郷土料理)」が、おかずなのかおやつなのかとか言われてましたけれども、その微妙な感じがまたいいんだと思います。イチゴの方も非常に美味しくて、この白いところ(ムース)がまた非常に美味しかったんですが、山地酪農のミルクを使っているということで、やはり素材の良さプラス仕上げの良さなんだと思います。
「黄金の國、いわて。」というキャッチフレーズを震災前に作ったんですけれども、ともすれば清く貧しく美しくという感じの岩手イメージ、宮沢賢治さんに象徴されるような、それはそれで岩手の良さでもあるんですけど、同時に沿岸に行けばアワビとかウニとかそういうものがふんだんに獲れるし食べれるという、そういう岩手の持つゴージャスな部分というのを、特に首都圏の人たちや海外の人にアピールしなければと思って、この「黄金の國、いわて。」というスローガンを使っているんですけれども、やはりそういうことが大事なんじゃないかなと改めて思いました。道路が便利になりましたので、人口が多い盛岡市からも行きやすくなっていると思いますし、あとは近隣の市町村との連携ということをおっしゃられましたが、この岩手沿岸の中での行き来も非常にしやすくなっています。
(クルーズ船)「シルバー・ウィスパー」が来た日も、そのあと午後は久慈市に行っていろいろやっていたんですけれども、1時間ぐらいで宮古市から久慈市に行けてしまうというのは革命的なことだと感じました。頻繁に行ったり来たりとかできますし、同じ一日の中で時間を有効に活用しながらの行き来もできるので、そうやって岩手沿岸の中でも行き来を盛んにして経済を上げていくことを、県でも支援していきたいと思います。ありがとうございました。
小野部長
ありがとうございました。それでは間瀬さんの方からお願いいたします。
間瀬 慶蔵
はい。よろしくお願いします。山田町なんですけども、今人口が本当に減ってまして震災前と比べると5千人ほど減っています。5千人減ると、震災前の大体4分の3、4分の1も減っています。もう毎年(人口が前年度の)98%なんですね、毎年2%ずつ減っているんですよ。0.98を5回掛けると大体90%になって、10回掛けると大体80%ぐらいになると。そうなるとですね、私たちの商売もなかなかやっていけなくなるので、人を増やすっていうのは難しいとは思うんですけども、どうやったらこう、人を呼べるかっていうのを常に考えてまして、何とか山田に人を呼びたいなというふうに考えております。
今度、道の駅の指定管理を受けまして今準備を進めているところです。宣和さん(佐々木宣和議員)から先ほど半月で16万人北三陸で(人が)来たと。
佐々木 宣和議員
20日間でした。20日間で16万人でした。
間瀬 慶蔵
20日間。それでも1日8千人ということで、それを聞いてドキドキしたんですよね。
山田の(新しい)道の駅は、久慈、北三陸よりも人が来るっていう三国(国土交通省三陸国道事務所)さんの見立てであって、駐車場も北三陸より多くてトイレの数も多いんですね。なので、本当にちょっともう2か月切ったのでドキドキしてるところです。道の駅の名前が「おいすた」っていうことで、山田と言ったらカキ、オイスターなんですけども、山田と言ったらカキってずっと続けて宣伝していくことで、カキと言ったら山田にしたいなと、山田と言ったらカキじゃなくて、カキと言ったら山田にしたいなということで今いろいろ準備しております。新しい道の駅の生産者っていいますか、産直で取引する方々大体70者ぐらい申し込みがありまして、そういった方々とやっていきます。どこにでもあるような道の駅にしたくなくて、うちの道の駅に来ないと買えないような商品開発を今進めておりまして、山田のカキを使った商品開発であったりだとか、あとはうちの「山田の醤油」を使ったのをいろいろ商品開発しております。大体今40アイテムくらいやってて、もう自分でも訳がわかんなくなってまして、あと山田といったら「オランダ島」っていうのがあるんですけれども、オランダつながりで長崎の「出島」が江戸時代にはオランダと交易が許されてた唯一のところなんですけども、鎖国時代に山田の湾にオランダ船が来たということで、オランダつながりで長崎の7代続くカステラ屋さんとコラボして、カステラも作ってもらうことにもなっておりますし、あとは山田は大豆を結構作っておりまして、その大豆を去年収穫したやつはもう手配しちゃって、それを八幡平の「ふうせつ花」っていう豆腐屋さんがあるんですけども、そこに頼んで豆腐にしてもらって売ったりとか、様々あるんですけども、あとキャラクターがあって、「オイッスさん」っていうんですけれども、山田町のゆるキャラに応募があったんですけれども落選してしまったキャラクターがすごいシュールで面白いやつがあるんですけども、それをデザインした方に頼んで勝手に使わせてもらってるんですけども、「オイッスさん」を5体準備しておいて、それをかぶってSNSにアップしてくれたら、何かこうプレゼントするみたいなそんなことも考えております。カキなんですよ。カキのキャラクターなんですけども、スポっとかぶるだけなので、すごい身軽っていうか。なので期待しておいてもらいたいなということです。
あとは、「山田北インター(チェンジ)」が、今ハーフインター(標準的な4方向のアクセスではなく、2方向にしかアクセスできないインターチェンジ)なんですけども、それが今度フルインター化になるというふうに聞いてまして、それに合わせて豊間根(地区)にうちもスーパーがあるんですけども、今改装をする計画を立てております。極力早くして欲しいなっていう要望があります。
あとは、何とか町に人を呼びたいなっていうことでいろいろやってるんですけども、震災の被害を受けたところって低地部がまだ未利用地がたくさんあるじゃないですか。山田もそうですし、そういったところの活用で一昨年から国のハンズオン支援(土地活用ハンズオン支援事業)で、山田といろいろやったんですよ。ちゃんと山田町が一枚岩になってなくて、しっかり取り組めなかったってのが反省なんですけども。いずれ何とか、その低地部を何とかしたいなっていう思いで今やっております。以上です。ありがとうございました。
小野部長
はい。ありがとうございました。間瀬さんの方から、どうやって人を呼び込むかといったことで様々奮闘されている姿、その中でも長崎県や八幡平市の他の事業者さんとの連携といった点も含めて様々な工夫をされていることのお話をいただきました。知事の方からお願いいたします。
達増知事
やはり道の駅への期待が高いわけで、道の駅は起爆剤になり得るんだと思います。駐車場があってトイレもあって、とにかく車で来て寄りやすいということがあり、他のところ(道の駅)の例もいろいろ目玉になるような出店があったり、もともとその地域で定評のある食を提供することに加えて、やはり何か新しいものを開発すると、田野畑村の道の駅でもお菓子など新しいものを開発しているように、そういう新しいものを開発して出すという場としても非常にいいので、地域の力を結集しやすいというところもあるんだと思います。地の利を得てるということに加えて、人の輪を形成しやすいのが道の駅だと思うので、是非そこがうまくいくように、県の方でも様々支援や応援をしていきたいと思います。
山田といえばカキ小屋もあり、カキで勝負というのは、やはり山田湾の昔からのカキの養殖のイメージもあるのでいいんだろうと思います。岩手県は、他にカキやいろいろ養殖をしているところもありますが、目玉にしようというのは山田は他とかぶらないので、そういう感じで地域のブランド戦略をそれぞれの個性を個別に出していけると、また非常にいいと思います。
そして沿岸の中でも行き来が便利になっていますので、道の駅を一つのシンボルにしながら、まず沿岸の中での人の行き来を増やし、そして県内内陸との行き来、そして県外からも人が来るという流れを作っていきたいと思います。頑張りましょう。ありがとうございます。
小野部長
はい。ありがとうございました。皆様から一通りテーマに沿ってお話を伺いしました。まだ時間がございますので、先ほど言い足りなかった点、あるいは懇談全体を通じての御感想、あるいはその他にこの際といったことでお話いただきたい点も含めて、ここから御自由に御発言をいただければと思います。いかがでしょうか。はい、お願いいたします。
間瀬 慶蔵
すいません。(お菓子)非常に美味しくいただきましてありがとうございます。
髙橋 奈々美
ありがとうございます。
間瀬 慶蔵
ちなみに、コーヒーは金澤さんのやつですか。
金澤 辰則
残念ながら違います。
間瀬 慶蔵
違いますか。(お菓子)とても美味しかったです。ありがとうございました。
小野部長
ありがとうございます。他に皆様からいかがでしょうか。せっかくですから、今様々取り組んでいただいていることについて、例えば数年後にはこういった感じになってるといいなということや、将来の姿でも結構ですし、あるいはちょっとこういったところが苦労してるんだよなといったところでも結構かと思います。他の方のお話を聞いて「自分はこんなことができるかもしれない」といったコラボの話でも結構でございます。何でも結構でございますので、お願いいたします。いかがでしょうか。
はい。それでは、髙橋さんの方からお願いいたします。
髙橋 奈々美
ありがとうございました。私自身が、そのお店を起業する際に一番悩んだのが資金の面で、すごく悩んだんですけれども、その時に岩手県の「いわて希望応援ファンド(地域活性化支援事業)」っていう補助金を使わせていただいたんですけれども、こういった補助金がたくさんあると、やはり資金がない私からすると、すごくいろいろなことにチャレンジできるすごくいいきっかけだなっていうふうに思うので、もし今後も補助金等あれば、是非いろいろ頑張りたいと思っておりますので、是非よろしくお願いします。
小野部長
ありがとうございます。岩手県では、やはりお話の通りスタートアップ、ここが重要と考えておりまして、特に若いこれから頑張るぞという皆さんを応援できるような、そういった資金の面もそうですし、あとは伴走型で様々な開業準備のところや、あるいは開業してからどういうふうにやっていくかのつながりの面も含めて課題が多いといったこともありますので、商工労働観光関係で伴走支援といったところも含めて、スタートアップをしっかりして本格的な起業、事業化につなげていけるように応援する取組を進めております。是非、何かございましたらまたお話をいただければ、御支援して参りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
達増知事
今年度は、特に若者女性枠のスタートアップ支援を別枠で作ることにして、ますます利用しやすくしています。今朝の新聞では、岩手銀行さんもそういう企業に寄り添いながら生み育てるためのファンド会社を独自に作るということで、そういうのが岩手の中に広まるようにしていきたいと思います。
小野部長
ありがとうございます。その他いかがでしょうか。
金澤さんは、取り組まれている中で先ほどは空き家調査の関係のお話もございましたし、あるいは外から来た方と地域の方のバランスといいますか、そこがなかなか重要とのお話もいただきました。何か御苦労や工夫している点、気を使っている点、あるいはうまくいった点とか何かございましたらいかがでしょうか。
金澤 辰則
はい。ちょっと言葉を選ばずにお話させていただきますと、やはり地方から大多数の方が都市部に行っている中で、逆に都市部から岩泉みたいな地方に来る方って、良くも悪くも変わり者が多いなというような印象を受けてます。やっぱりそういう人たちが都会の常識で岩泉で暮らしてしまうと、やっぱり大なり小なりトラブルってのは結構起こってしまいまして、いろいろ私も苦労したなと。例えばごみ捨ての問題とか、その方は東京で暮らしていた時の暮らしていたルールのまま燃えるごみを出した時に、「3週間も自分の(ごみが)回収されない、ちゃんとやってるのに回収されない」と夜の9時くらいに、向こうもお酒を飲んだ感じでちょっと半泣きで電話かかってきた時があります。そういう時は、もう私その方の家に行って「ちょっとごみ袋失礼しますよ」って(ごみ袋を)開けて、「これは燃えるごみ、ペットボトルは燃えるごみじゃありません」っていう感じで、目の前で仕分けをして「だから、(ごみが回収されないからといって)あなたは嫌われてないんですよ」って、「だからこのルールでやってくださいね」っていうのをやったのがこれ私の移住トラブルの鉄板ネタとして使わせていただいてるんですけども。やっぱり私自身がずっと岩泉に住んでいるので、自分自身も多分岩泉町の常識に染まっているとは思うんですけども、他所から来た人は当然それまでの常識がある中で対話をして、理解し合えるって言うとあれですが、お互いが納得できる形まで落としていくっていうのは、ひたすら話すしかないんだろうなと思ってます。私自身が結構話が好きだとか、別にずっと一方的に話を聞くのもあんまり苦にならない性格も幸いして、結構な長話になったりもするんですけども、そういうことをひたすらお話をして、中にはその移住者に対して不満を持っている地元の方とかもいるので、その方に対してもやっぱり話を聞いて、具体的に「みんなが誰々のこと悪く言ってるって」、そのみんなって誰なのっていうのをちょっと切り崩していくと、いやみんなっていうのは実は一人しかいないんじゃないですかみたいな感じになってしまうので、やっぱりひたすら話をお互い双方の、片方だけによらずひたすら話を聞くっていうのが割と地味ではあるんですけども、大変ではあるんですけども、大事なところかなと思って、そんなので回答になってるかあれですけども、以上となります。
小野部長
ありがとうございます。
達増知事
地方自治、地方行政界隈で、この相談支援という分野が一種のブームになっているところがあって、それは逆に言うと行政はいろいろルールを決めて、それで強制的に何かさせる、こうしてもらうとかという解決の仕方、そしてあとはお金で解決するみたいな補助金や支援金で解決するというようなものに加えて、この相談によって解決するというのがあるんですが、そのウエイトがどんどん高くなり、またひとり親子育て支援などみたいに、お金さえあれば解決するわけじゃなく、どういうふうに赤ちゃんを育てるか、また並行してどういうふうに就職するかみたいなのを、相談に乗って一緒に考えないと問題が解決しないという、問題が複雑化してるから相談支援という要素をどんどん入れていかないと問題が解決しないということが増えていて、岩手県の場合は東日本大震災津波からの復興の過程でもこの相談支援というのが非常に重要だったという経験をしているんですが、まさにそういう相談をしないと解決しないし、逆に相談支援さえすれば追加的な予算とかがなくても問題が解決するということが、特に移住定住、人口減少対策の分野では大きいんだなと今改めて思って、それを積極的にやってるというのは非常に素晴らしいので、是非その調子でやっていただきたいなと思いました。ありがとうございます。
小野部長
はい。ありがとうございます。
いかがでしょうか、齊藤さん。例えば「うみねこ丸」に乗られて交流人口と言いますか、お客様に岩手のおもてなしといったことでいつも心がけていらっしゃる点、お客様と接する際とか、あるいはその結果良かったなというところ、次に繋がるところなど何でも結構でございますので、お願いいたします。
齊藤 由美子
やっぱりリピーターが多いというか、「震災前に来たんですよ」とか「小さい頃来たんですよ」っていう若者も、よく声をかけていただくんですけれども、そこで私、案内の一環として心掛けているのは必ず歌を歌う。この辺りにまつわる歌「喜びも悲しみも幾歳月」がほとんどなんですけれども、他にも歌ってもいいんですけれどもちょっと時間が足りなくて「もう1回聞きたかった」「別なの歌って欲しかった」って終わってからお客様に言われるんですけれども、「もっと早く言ってくださればもっと歌ったんです。また来てくださいね」っていうことでお話をさせていただいております。
体験型の船ということで、窓が2階はないんですよ。1階の前の方にしか今窓がなくて、19トンの船なんですけれども、もう本当に冬なんかは寒いんですけれども、雨などが降っても皆さん「大丈夫、大丈夫」って言って、もう絶対雨が当たってるんですけれども、エターナルグリーンの浄土ヶ浜の色ですけれども、このカッパを無料で配布しておりまして、これでまた楽しんでもらう、私も一緒にお客様と一緒に雨に打たれ風に吹かれ御案内させていただいております。
ちょっと話が大分それるんですけれども、今回のテーマを見た時に、私最初に浮かんだのが「あ、若者!」というキーワードが浮かびまして、このお話をいただいたく数日前にちょうど長男と話をしまして、長男も船の上で働いているんですね、今度新しくできた重茂漁協の定置(網)漁船の「第三根滝丸」で3年働いておりまして、「うみねこ丸」と同じ19トンの船なんですけども、向こうは3億4千万円の船でございます。「うみねこ丸」は2億2千万円の船でちょっと負けたと思っているんですけれども、でもやっぱりそれ以上に思うところは、3年働いて仕事をほぼ任せてもらっているっていうことで、うれしく思うと同時にやはりこれからを担う若者に先頭に立って引っ張っていってもらうっていうのは、すごく頼もしく理想的であるなと思いました。私も、宮古生まれ宮古育ちなんですけれども、それで浄土ヶ浜や蛸の浜はよく泳ぎに行っていたんですが、子供の頃からよく見ていたので、特別な観光地とは思っていなかったんですね、むしろ宮古は何もないところだなと思っていたんですが、それでもこれからの子供たち、若者は発想も豊かでありますし、独自の視点でどんどん盛り上げていってくれるだろうと期待しておりまして、私はその土台になろうと仕事の一環で歴史の積み重なったジオパークを御案内しているので、県内外からいらしたお客様はもちろんですけれども、地元の子供たちにも自分が住んでいる三陸地域に少しでも興味を持ってもらって、将来自分が何かしてみたいと思うきっかけとなれるように今後も頑張っていきたいと思いました。
随分私的な話になりまして、失礼いたしました。ありがとうございます。
小野部長
ありがとうございます。将来の三陸を担う若い人達に伝えたいといった思いをありがとうございます。
間瀬さん、先ほど商工会青年部の方で卒業できなかったというお話でしたが、おそらく間瀬さんのリーダーシップなんじゃないかなと思うんですが、今若者といったお話が出ましたが、ビジネスにつなげる、あるいはつながりを広げていくといったところで、若い人たちを率いていくには様々御苦労もあると思いますし、また楽しさもあると思うのですが、山田町を盛り上げていこうという間瀬さんの中で、そういった若い人たちをうまく盛り上げていく工夫とかそういったものがありましたらお話をいただければと思います。
間瀬 慶蔵
工夫は特にないんですけども、13年間青年部の活動をやって、部長もやらせてもらったんですけども、やっぱり主体的にやるかどうかで得るものも違うっていいますか、ただ青年部員だけの人もいるんですけども、「せっかく参加してるんだったら本気でやろうよ」っていう、そういう姿を見せることがいいのかなというふうに思います。それで共感してもらって、ついてくるっていうか、そういう姿を見せるっていうところがいいかなと思ってます。
小野部長
しゃべるのではなくて、身をもって示すんだっていうことなんですかね。
間瀬 慶蔵
一番大変だったのは、「はしご酒」を震災の後の3年後ぐらいですかね、まだ道路もできてないし街灯もなくて、飲食店もプレハブで「はしご酒」をやったんですけども、「はしご酒」をやりたいっていうお願いを各お店に行くんですね。(お願いに行く店舗が)14店舗あったんですけども、1日で14店舗をはしごしたんですよ、自分で。もうほとんど覚えてないですけども、一杯ずつ飲んでいって「何とかお願いします」とかって、そういったところを見せるところが良かったのかなというふうに思います。
小野部長
まさに身をもってということ、ありがとうございました。
知事所感
小野部長
そろそろ、お時間が近づいておりますけれどいかがでしょうか。皆様から、最後にもう一言はよろしいでしょうか。それでは、最後になりますが知事の方からお願いいたします。
達増知事
はい。クレイグ・モドさんが、盛岡市を評価する基準の一つが若い人たちが活躍しているということで、今日お話を伺った中身、またお話をしてくださった皆さんは若者として活躍をしていて、それがやはり地域の力になり魅力になるというところが大きいと思いますので、是非この調子で頑張っていただきたいと思います。
そして、これはドラマ「あまちゃん」の教訓ですけれども、主人公は高校生、あるいは高校を卒業してすぐくらいの若い人たちですが、それを支える親世代とか祖父母世代とかも上手く力を合わせて、若い人の活躍を、ある時は背中を押して、(物理的に)背中を押してそのまま海に飛び込ませたりすることもあるわけですけれども、ある時は若い人が「そこまでやるの」みたいな感じで後押しをすることも含めて、上の世代がちゃんとそれができるようにし、そして若い世代が自由な主体性でやりたいことを自分の中から出して、それをやっていくというのがうまく軌道に乗れば、その地域が持続的に発展するということだと思いますので、県としてもそういう形が地域の中で、また岩手全体としてもできるようにしていかなきゃと改めて思いましたので、よろしくお願いしたいと思います。
今日は、本当にありがとうございました。
閉会
小野部長
皆様、本日はお忙しいところ貴重なお話をいただきまして本当にありがとうございました。お話の中での様々な御意見も含め、人口減少対策、それからインバウンド対策、スタートアップ支援、次世代支援など、今日頂戴いたしました御意見やお話については、しっかり持ち帰って県庁内でも共有して対策や政策につなげて参りたいと思います。
改めて、本当にありがとうございました。これをもちまして、県政懇談会を終了させていただきます。
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