「いわて幸せ作戦会議in盛岡」(令和2年2月10日 盛岡地区)

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ページ番号1028186  更新日 令和2年3月24日

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日時
令和2年2月10日(月曜日)10時30分から11時50分まで

場所
岩手県公会堂 2階 21号会議室

出席者

  • 参加者(敬称略)
    松岡 あゆみ(一般社団法人ふたば 代表理事)
    安保 星奈(株式会社タカヤ 戦略広報室)
    杣    友介(弓工房 杣)
    古澤 洋将(炎重工株式会社 代表取締役)
    小山田 絢子(小山田果樹園)
  • 県側
    知事、盛岡広域振興局長、秘書広報室長

開会

高橋室長
 
おはようございます。ただいまから県政懇談会「いわて幸せ作戦会議in盛岡」を開催いたします。
 皆様には御多忙のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 今日は、「若者・女性が地域を拓く」を懇談テーマとし、この盛岡地区で様々な分野にわたって地域の活性化に向けて御活躍いただいている方々にお集まりいただいております。
 私は、進行役を務めます県の秘書広報室長の高橋と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

知事あいさつ

写真:懇談会の様子1

高橋室長
 
それでは、開会に当たりまして知事から挨拶申し上げます。

達増知事
 
おはようございます。県政懇談会「いわて幸せ作戦会議」ということで、お忙しい中御参加いただき、ありがとうございます。
 県政懇談会のタイトル、「いわて幸せ作戦会議in盛岡」としたのは、今年度の4月から始まっておりますけれども、岩手県の新しい総合計画、いわて県民計画(2019~2028)の中で基本目標を、東日本大震災津波の経験に基づき、引き続き、復興に取り組みながら、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわてとしていまして、幸福関連指標といういろんな統計数字を見ながら、県民、そして岩手に関わる全ての人の幸福度を高めようということで県政を進めるために、各界、各地域、各分野で活躍している皆さんの話を知事が直接聞いて役立てようということでやっております。
 今日のテーマは、「若者・女性が地域を拓く」ということで、若者、女性の皆さんに集まっていただいているわけですけれども、世界的に若者、女性というのは活躍しておりまして、それはともすれば若者も女性も、経済的に社会的に弱者という枠にはめられたり、あるいは、はまったりすることもあるのですけれども、でもその正反対、経済、社会を新しい方向に引っ張っていく、そして経済、社会をより良いものにしていくために若者、女性にこそできることがあるというところもありますので、県としてもこの若者、女性活躍支援といいながら、若者、女性に岩手の未来を切り拓いてもらおうということをやっているわけです。
 ちなみに、ここ岩手県公会堂のこの旧大食堂のホールは、10年程前にこういうふうに壁紙を貼り替えたりして改装しまして、10年ちょっと前まではかなりぼろぼろだったのですけれども、リーマンショックの景気対策、経済対策で、国の方針、それは麻生内閣から鳩山内閣にかけて政権交代を挟んで続いたのですけれども、地方の公共施設の維持修繕などに特別に国のほうから補助金のようなものが出て、それでやることができたものです。その前には維持管理が難しいので、いっそ取り壊そうかという議論もあり、いやいや、もったいない、岩手県公会堂は取り壊さないで使っていきましょうという議論が、そうですね、15年くらい前ですかね、あったのですけれども、ある程度直していろんなことに使えるようになりました。典型的なのは、結婚式の披露パーティーにここの部屋が使われたりするようになって、少子化対策、人口減少対策にも役に立つような活用がなされているというところがあります。公会堂はまだ直さなければならないところ、直したほうがいいところあちこちにあるので、油断はならないのですけれども、昔からある県の施設を有効に活用しながら未来にも役に立つようにしていきたいと思います。今日はどうぞよろしくお願いいたします。
 盛岡選挙区、そして滝沢選挙区の県議会議員の皆さんに来ていただいています。ありがとうございます。

高橋室長
 それでは、この後の進め方についてですが、まず私から御出席の皆様方を御紹介いたします。その後お一人ずつ自己紹介をお願いいたします。次に、今日のテーマに沿ってお話をいただきながら、お二人からのお話に続いて知事がコメントするような形でお話を進めていきたいと思います。
 そして、終わりには自由懇談の時間を設けておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、お手元の座席表に従って、御出席の皆さんを御紹介いたします。
 一般社団法人ふたば代表理事、松岡あゆみさんです。

松岡 あゆみ
 よろしくお願いいたします。

高橋室長
 株式会社タカヤ戦略広報室、安保星奈さんです。

安保 星奈
 よろしくお願いします。

高橋室長
 弓工房杣、杣友介さんです。

杣 友介
 よろしくお願いします。

高橋室長
 炎重工株式会社代表取締役、古澤洋将さんです。

古澤 洋将
 よろしくお願いします。

高橋室長
 小山田果樹園、小山田絢子さんです。

小山田 絢子
 よろしくお願いします。

高橋室長
 県からは達増知事、盛岡広域振興局の石田局長でございます。
 また、県議会議員の皆様にお越しいただいておりますので、御紹介いたします。
 盛岡選挙区選出の上原康樹議員です。

上原康樹県議
 よろしくお願いいたします。

高橋室長
 髙橋但馬議員です。

髙橋但馬県議
 よろしくお願いいたします。

高橋室長
 軽石義則議員です。

軽石義則県議
 よろしくお願いします。

高橋室長
 滝沢選挙区の武田哲議員です。

武田哲県議
 よろしくお願いします。

高橋室長
 どうぞよろしくお願いします。
 皆様のお手元にお菓子と飲物を準備しております。どうぞ召し上がりながら御懇談いただければと思います。
 今日のお菓子の紹介をしていただきます。

石田局長
 盛岡広域振興局の石田です。皆さん、今日は本当にありがとうございます。皆さんのところにお配りしておりますお菓子ですが、盛岡れあチーズケーキというお菓子でございます。これは、昨年の3月、つなぎ温泉観光協会の名物料理開発コンテストの決定戦におきまして、歴代入賞作品の中から選ばれたものです。つなぎ温泉の旅館、ホテルでは訪れるお客さんに何かつなぎ温泉の名物となるお菓子、お料理を食べてもらいたいということで、コンテストを開催したということを伺っております。
 この盛岡れあチーズケーキですが、盛岡市は全国トップクラスの豆腐の消費量となっておりまして、材料にお豆腐、そして底の部分には南部せんべいが使われております。甘さは控えめ、そして豆腐のほのかな風味と南部せんべいの香ばしさが特徴となっております。昨年10月に盛岡市で盛岡シティマラソンが開催されましたけれども、ランナーの皆様にもお振る舞いして大変好評であったということを聞いております。このお菓子ですが、観光協会のほか、つなぎ温泉の4つの旅館でも販売されております。当面3月までの期間限定ですけれども、好評であれば今後名物お土産として検討していきたいということだそうです。どうぞ皆さん御賞味いただければと思います。

達増知事
 豆腐の香りがしますね、口当たりはチーズケーキ、そして底の南部せんべいはごまの香りがまたいいですね。
 

懇談

写真:懇談会の様子2

高橋室長
 それでは、懇談に入らせていただきます。
 まずは、お一人2分ぐらいで自己紹介をお願いいたします。お話しいただく順番は、松岡さんから順にお願いします。
 それでは、松岡さん、お願いします。

松岡 あゆみ
 皆さん、おはようございます。一般社団法人ふたばの松岡と申します。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
 私どもの法人は、岩手県さんと盛岡市さんのほうから委託と補助を受けまして、子どもの学習支援のほうを実施している団体となります。盛岡広域5町、矢巾町、紫波町、岩手町、雫石町、葛巻町で毎週1回程度小学生から高校生を対象とした学習支援を実施しております。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

高橋室長
 よろしくお願いします。
 それでは、安保星奈さんお願いします。

安保 星奈
 昨年より株式会社タカヤの戦略広報室で働いている安保星奈です。よろしくお願いします。
 まず、私の紹介をさせていただきます。第13回若年者ものづくり競技大会のグラフィックデザイン職種で金賞をいただき、昨年の8月にロシアのカザンで開催された技能五輪国際大会に出場いたしました。現在は、株式会社タカヤの戦略広報室というところで広報の活動や、SDGs、ロゴを製作したりする仕事をしております。よろしくお願いいたします。

高橋室長
 よろしくお願いします。
 それでは、杣さんお願いします。

杣 友介
 弓工房杣の杣友介と申します。主に弓道の弓の製造、販売、修理を行っています。開業したのが昨年の11月で、まだ3か月しかやっていないです。今25歳でして、高校を卒業した後、家が神社をやっていまして、京都で1年間神主の資格取得の学校に行って、その後に京都の弓師のところに弟子入りして5年間修行して昨年帰ってきました。正直、自分の生計を立てることに精いっぱいで、余り大きなことは考えられないのですけれども、等身大でいろいろお話しさせていただこうかと思います。よろしくお願いします。

高橋室長
 よろしくお願いします。
 それでは、古澤さんお願いします。

古澤 洋将
 おはようございます。炎重工株式会社の古澤と申します。今日はどうぞよろしくお願いいたします。
 弊社では、生体群制御という水の中にいる魚の群れを自由にコントロールするシステムと、船舶ロボットという水面を自由に自律移動できるロボットの製品開発を行っています。将来的には、水中と水上の2つの技術を組み合わせ、水産養殖の完全自動化を目指して活動を行っているベンチャー企業です。
 私の前職は、ロボットスーツHALという歩けない人を歩かせる医療用ロボットの開発をやっておりました。ただ、つくばにいたときに東日本大震災があったので、震災復興を志してUターンして2016年に会社を創立しています。弊社で実際にやっている開発の状況については、後ほど詳しくお話ししたいと思います。今日はどうぞよろしくお願いいたします。

高橋室長
 よろしくお願いします。
 それでは、小山田さんお願いします。

小山田 絢子
 滝沢市から参りました小山田果樹園の小山田絢子と申します。我が家はリンゴ農家でして、私は主人の実家がリンゴ農家をやっていて、そこに5年前に嫁に来ました。実は神奈川県出身でして、東京の中学に通っていたときの修学旅行が岩手県を含む北東北でして、そのときに花巻だったり、盛岡を訪れてわんこそばを食べ、岩手に対してすごくいいイメージだけが残っていました。それ以降、関わりはなかったのですが、大学に編入学で来ることになりました。今度は住んでみて、とてもいいまち、いい県で、ここに暮らしたいなと思っていたのですが、就職で関東に戻ってしまい、種苗会社で種の研究開発をしていました。御縁があって結婚を機に岩手に5年前に再び来ました。
 今は主人も私も別の仕事をしていて、義理の両親を中心に、おじいちゃん、おばあちゃんも一緒にリンゴを作っているのですけれども、休みの日などはそれを手伝いながら、なかなか中にいる人たちは滝沢の良さ、岩手の良さというのを発信してないなと外から来た身としては思っていて、そこを外部の人に知ってほしいと思って、日々細々と活動しています。今日はそんなお話が出来ればいいなと思います。よろしくお願いします。

高橋室長
 よろしくお願いします。
 皆さん、ありがとうございました。
 自己紹介をいただいたところで、ここからは今日のテーマの「若者・女性が地域を拓く」ということで、現在の取組や課題、今後の方向、御自身の抱負、県への期待なども含めてお話を伺います。先ほどの順番で、また松岡さんから、今度はお一人5分程度でお話をお願いします。
 お二人ずつお話をいただいて、知事からのコメントするようにして進めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 では、松岡さんお願いします。

松岡 あゆみ
 各町の教育委員会さんと福祉課さんなどの関係機関と連携をしながら、子どもたちに周知をして学習支援を実施しております。学習支援といいますと、無料の塾のようなイメージを皆さん持たれると思うのですが、私どもの法人がやっているものは決してそうではなくて、県内の大学生が有償サポーターとして参加をしてくれているので、大学生が子どもたちにとって身近なロールモデルとなりいろいろな人と関わりながら、社会に出ると様々な価値観や選択肢、いろんな人がいるよということを子どもたちに知ってほしいなという思いから、たくさんコミュニケーションをとることをすごく大事に活動しています。ですので、勉強を教えるというよりも一緒に考えて、いろいろなことを将来に向けて一緒に考えていこうというところをメインに実施しているというような状況です。親御さんや先生以外の大人と触れ合う機会が少ない子どもたちが多いので、社会には様々な価値観があり様々な人がいるということ、みんな違って当たり前ということに触れてほしいのです。特別企画として大学の見学&交流を実施したり、各町の子どもたちを集め、合宿なども開催しております。
 学習支援のほかに、もう一つやっているところがありまして、それはアウトリーチ、訪問活動です。小学生のいる御家庭に毎週訪問をし、基本的な生活習慣を幼少期から身につけようというところで、一緒にお皿洗いをしたり、洗濯をしたり、あとは料理を一緒につくったりしています。保護者の方と子どもたちが関わる時間が少ない家庭が多いので、親子一緒に遊ぶ機会を設けることも大切にしております。
 子どもたちと関わっていて、人の温かさに触れることが少ない子どもが多いのかなと自分では感じているので、「こうやって人に関わってもらうとうれしいな」とか、「今度は自分がほかにそういうことをしてあげようかな」とか、そういうふうなサイクルが出来てくればいいなと思っています。実際に関わっている子どもたちの中には、自分も大学生になってこの場に帰ってきて子どもたちに勉強を教えたりとか、話を聞いてあげたいというふうに言ってくれている子どもたちもいるので、そういうふうなつながりができてくればうれしいなと思って活動をしております。
 あとは課題として、活動を支えてくれる方々がすごく不足しているというところで今ちょっと困っています。地域に子どもたちに温かく寄り添ってくださる方がいらっしゃると、もっと活動が広がっていいのかなと思っております。子どもたちの背景に何があるのかというところをしっかりと見て、関わってくれる方々とつながっていければいいなと思いながら活動しております。

高橋室長
 ありがとうございました。
 続いて、安保さんお願いします。

安保 星奈
 先ほど申し上げましたように、私は学生最後の年にタカヤより内定をいただきました。その後、若年者ものづくり競技大会に出場して金賞をいただきました。その結果、タカヤ入社後に技能五輪国際大会に出場することになりました。今タカヤで働いているのですけれども、技能五輪国際大会に出場するというのが決まってからは、様々なプレ大会にも出場することになり、例えばアラブ首長国連邦のアブダビや、オーストラリアで開催されたプレ大会に出場しました。オーストラリアの大会の時は、既にタカヤでの業務が始まっておりましたが、会社全体で大会出場をサポートしていただき、業務の合間にトレーニングを続けて出場いたしました。
 その中で、多くの方にどうして岩手で就職?、関東に行けるのに?ということを言われました。私自身も岩手に就職するということに対して特に執着を持っていたわけではなく、正直、関東も視野に入れていました。しかし、最初にタカヤの人に「こういう会社があります」と紹介されたときに、女性が働きやすい会社、会社の取組に惹かれました。もしそのときにタカヤの人がそういう説明をしてくれていなかったら、もしかしたら関東に行っていたかもしれないと思います。それほどタカヤに惹かれたので、岩手に就職したというところはありました。やはり私の周りでも関東に就職する方はたくさんいます。
 今、私は会社でSDGsの活動をしています。最近話題だと思います。その中で、海洋プラごみを削減するために、会社の中でレジ袋を使わないようにシェアできるエコバッグを用意し、会社の玄関にタカヤのシェアバッグツリーを立てました。今話題の海洋プラスチック問題をなくそうという活動に取り組んでおります。でも今、岩手で問題になっている人口の社会減だったり、自然減がすごく多いと耳にします。そういう面は私の周りも多かったので、これから何とかしていく必要があると個人的には思っているところです。
 私自身も今回こういう懇談会に呼んでいただいて、知事と意見交換をする場をいただいたからこそ、改めて若者流出の問題に興味を持てたと思います。また、この懇談会の後はどうなっていくというか、知事からのフィードバックをいただけるのか?というところも個人的に大変興味があります。そして多くの若者がこの問題に対して、興味を持てるような活動が今後増えていけばいいのかなと思っております。

高橋室長
 ありがとうございました。
 それでは、知事お願いします。

達増知事
 そうですね、東京都知事は忙し過ぎて、こういう若者との対話とかというのはそんなにやれないですから、岩手だからこういうことができるということがありますよ。
 そして、松岡さんですけれども、子どもの学習支援、またアウトリーチ、訪問活動もやってくださっているということで、大変これはありがたいです。困窮家庭、昔の昭和の貧乏というのと今の貧困というのはやっぱり質が違っていて、昔は貧乏だけれども、困っていなかったみたいな、地域での助け合いとか、あと進学に余りお金がかからなかったとか、今は進学であったりとか、教育全般とか、お金がすごくかかり過ぎて、ある程度の収入があっても困るくらいなことがありますし、あとは地域の助け合いというのが昔ほどなくなってきて、世の中複雑であるがゆえになかなか近所づき合いの中でのサポートというのが通用しない、ある程度専門性とかがないとサポートできないような現代社会ということもあるのでしょうね。ですから、学生ボランティアさんに活躍してもらって、サポートするというのはものすごく大事なのだと思います。
 子どもの選択肢が狭いというのは本当に残念なことで、選択肢については昔と比べるとどんどん広がっているはずなのですけれども、それが狭くなってしまっているというのは本当に気の毒なことなので、家庭と学校の往復以外の世界を体験、経験させてあげるというのはすごく大事なことですね。
 岩手県も昨年度だから2年前になりますかね、子どもの貧困調査というのをやって、改めて困っている人たちがどう困っているか、その実態を改めて調査、分析したところですけれども、制度で、あるいは県の予算というか、そういうお金の面で解決するようなところはそうやっていきたいですけれども、サポートというのはそういう制度やお金だけで解決できない問題があって、やっぱりサポートというのは必要だと思うので、よろしくお願いしたいと思います。
 そして、安保さんですけれども、株式会社タカヤはいい人を採用したなと思って、さすが株式会社タカヤだと思いますけれども、歴史がある会社で、岩手で非常に活躍、貢献している会社で、また時代の変化に合わせて今大きく変身してきているところもあって、東日本大震災津波ということに対しても積極的に沿岸に生コンの工場を独自に建てたりとか、岩手が直面している課題とか、時代が直面している課題に積極的に向き合って、それを解決することでビジネスとして成功していこうという路線なので、そういう中でデザインの力とか、そういうデザインで培われたいろんな感覚は役に立つと思います。国際経験というのも役に立つと思いますし、そしてSDGs、あれも国連が主導して、国連が呼びかけてこんなに普及浸透している事業というのは今までなかったことで、ついに国連もやったなと思っているのですけれども、それが地方や企業、あるいは一個人でも取り組めるというところがSDGsのいいところで、それはまた都会だけ、首都だけがいいわけではないということにもつながっていくので、いいと思います。
 ちょうどおとといの土曜日、テレビで「翔んで埼玉」という映画をやっていて、録画して昨日見たのですけれども、ああいう東京が最高、東京こそ全て、より都会的になっていくことがイコール人間の偉さみたいな、それを極端にまでやるとあんなこっけいで愚かなことになるのだという、そういう映画だと思うのです。同じ関東でも埼玉とか、千葉とかをすごく変に描いていたのですけれども、そういうことがいかに愚かかということをあの映画は訴えていて、関東の中での東京に対する周辺にこそ人間らしい生活とか、世界に通用する考え方とか行動様式があるのだという、それはましてや関東以外の日本のほうにこそ、そういうところはあると。
 昨日、紫波町の彦部公民館まつりという文化祭があって、そこでお芝居を見たりとかいろいろやってきたのですけれども、彦部の昔のことを描いたお芝居で、焼き物というのが紫波町内になかった時代で、農家の人たちは焼き物なんか使えないと。焼き物を使えるのは、日詰の町のお金持ちだけだみたいな、明治時代のことなので、そういうやりとりがあるのですけれども、うっかりすると岩手の中にもまた都会と田舎という構造があって、ちゃんと岩手の中でも田舎の良さというのに意識的に目を向けないと、岩手の中の都会だけでやっていると、また愚かなことになってしまうなということを昨日自覚したのですが、自然と一体になるとか、より人間らしいとか、そういうのは都会より田舎のほうにあるので、そういうのも仕事に生かしたり、生活の基盤にしたりしていくと、それを岩手全体でやっていきたいなと思います。

高橋室長
 それでは、杣さんよろしくお願いします。

杣 友介
 弓をつくっているのですけれども、全国津々浦々弓道をされている方々がいて、いろんなところで需要はあるのですけれども、自分が弓を通してふるさと振興、地域に何かしら貢献できないかなと思ったときに、地元のものを使って弓をつくることかなと思いまして、弓は木材と竹を組み合わせてつくるのですけれども、竹自体は全部岩手県内でとらせてもらっています。マダケという種類のタケノコではないほうの竹を使うのですけれども、それの北限が平泉となっていまして、平泉に行ったり、水沢に行ったり、大船渡とか、陸前高田に行って竹をとらせてもらって、岩手県内の竹を使わせてもらっています。
 木材のほうは、本来はハゼノキという暖かいところの木を使ってつくります。僕がつくる弓の産地としては、日本の9割の生産量が九州なので、九州でほとんどつくられていて、あと京都、神奈川など、本当に全国にぽつぽつとあるのです。木材に関しては、岩手では手に入らないので、九州から買っているのですけれども、それ以外の部分に関しては、木材でもいろんな種類があるので、弓に使える木材で県内で手に入るものがないかなと思って、去年何本か丸太で手には入ったのですけれども、これから木材のほうでも、何か弓に生かせるものを県内で探していけたらなと思います。弓は、産地ごとに特徴があって、それぞれ産地で、九州産の弓、京都産の弓、東京でつくられた弓というふうに分かれているので、いずれは岩手でしか、岩手のもので、岩手でしかつくれないようなものをつくっていけたらなというふうに思っています。それを通して、弓道というのは生涯スポーツと言われていて、何歳からでも始められますし、それこそ80歳、90歳になっても続けていけるものなので、そういった意味で弓道を岩手に、地域のほうに広げて、皆さんと地域と僕も歩んでいけたらなというふうに思っています。
 ちょっと話は変わって、個人的なお話になるのですけれども、僕は結局6年間京都にいまして、去年帰ってきて、実家のほうに戻ってきて岩手に住み始めたわけなのですけれども、正直友達が誰もいないというか、僕の同期の若い子たちはみんな外に出ていってしまって、仙台とか、東京とか、遠くは九州なのですけれども、行ってしまって、誰もいない。たまに会ったときにちょっとお話しすると、できれば帰ってきたい、帰ってきたいけれどもというふうにお話ししていて、何かしら県でも考えていかないといけないと思うのですけれども、若い子たちが帰ってきて、そこで暮らしていきたいなというふうな地域づくりをしていかないといけないのではないかなと最近思っています。

高橋室長
 ありがとうございました。
 では、古澤さんお願いします。

古澤 洋将
 弊社が現在取り組んでいる活動は、先程冒頭申し上げた水産事業の中で、船舶ロボットと生体群制御の2つがあります。船舶ロボットは、大船渡市さんの協力の下、おととしから綾里漁港で開発を始めました。去年の夏に製品として完成し、開発段階からおつき合いのあった会社さんへプレ販売を行っております。今年の春先に、正式に販売を開始する予定です。
 もう一つ、生体群制御は、なかなか聞き慣れない言葉ですが、これは私がつくった技術の名前で商標出願もしております。基本原理は、水槽などの内側に電極を並べ、そこから微弱な電気を発生させて、魚にとって痛いのではなく、何か刺激を感じるという、触られている感覚を再現することによって、魚の群れを自由に動かす技術です。会社を設立する前の2015年から総務省の異能vationという助成金を使って開発を始めました。この技術を製品化するために会社を設立しました。現在では、弊社の中に10トンの淡水の大型水槽を設置し、さらに海水試験室をつくり、1トンから3トンぐらいの小さな水槽を約10基置いております。
 淡水の大型水槽では、世界の養殖生産高第2位のティラピアという魚を1,000尾飼育して誘導の試験を行っております。海水試験室では、岩手県の水産会社などから、ウニやエビ、イワシなどを預かり、様々な魚で誘導ができないかということの評価を行っております。
 例えばウニでは、磯焼け問題があります。ウニが大繁殖してしまい、海藻を食べ尽くして岩だらけになってしまう。もしもこの技術を使ってウニの集まる場所をコントロールできたら、ウニのいない場所をつくることで、海藻が生える場所をつくることができるようになる可能性があります。ほかの魚でも、水揚げをするときに1か所に集めて、一気に水揚げできる可能性があります。
 さらに、魚の大きさによって電気刺激の感じ方が違うことが分かっています。これをうまく使うと、大きい魚と小さい魚のうち、大きい魚だけを動かしたり、小さい魚だけを動かしたりできるようになります。そうしますと、水揚げしたい大きい魚だけを自動的に集めたりできるようになります。さらに、養殖の現場では小さい魚がなかなか餌を食べないという問題があります。そこで、大きい魚と小さい魚を分けてあげて、小さい魚には小さい魚に適した餌を与えることによって、均等に育てるということも可能になります。そのような形で水産現場に貢献できるよう、生体群制御の技術開発に取り組んでおります。
 生体群制御も去年展示会に出店してから、いろいろと引き合いがありまして、弊社にお越しいただき、現場の実演を見て、新しい技術開発や製品化の話を今まさに行っています。
 弊社はいろいろ水産の技術をやっておりますが、私は岩手県という場所が結構気に入っています。というのは、屋外や1次産業を自動化するというテーマで技術開発しようとすると、東京の会社や、都会の環境というのは、恐らく人工的な環境しかない場所なので、自然環境に接するような部分の技術開発を取り組むのは難しいと考えております。例えば自動車メーカーさんでも、実際の自動車開発というのは、研究所の中だけでなく、フィールドテストという冬の寒い時期も車のテストをして、それから製品を世に出しています。同じように、岩手県も夏は暑く冬は寒く、自然環境が豊か、森もあれば海も川も湖も全部ありますので、こういう環境で製品を鍛えて市場に出すのが一番いいのではないかなと思い、私はUターンで戻ってきました。

高橋室長
 ありがとうございました。
 それでは、知事お願いいたします。

達増知事
 杣さんは、弓の生産を岩手でということで、大変ありがたいことであります。去年工芸EXPO、伝統的工芸品の全国大会を滝沢のアピオでやったのですけれども、全国から伝統的工芸品の職人たちが来て、その中に弓もあったのです。行きましたか。

杣 友介
 行かせてもらいました。

達増知事
 たくさん人が集まって見たり触ったりしていて、一つは弓道をやっている人が岩手は結構いるのだろうなと、あとはやっぱり工芸品としての、製品としての弓というものに興味がある人たちもいっぱい来ていたのではないかなと思って、弓というのは伝統的工芸品産業としてもありなのだなと思いました。岩手県は、国体やインターハイでも弓道で優勝したり、強いですからね。そういう弓道の普及もあるし、非常にいいのではないかなと思います。
 木が九州と京都と神奈川県。神奈川県の木を使うというのは鎌倉があるからですかね。何となく武士が使うものをその辺で材料を調達してみたいな、平安時代に遡ると平泉周辺もそういう武士の道具類の生産は盛んだったらしいので。

杣 友介
 南部藩にもお抱えの弓屋さんがいたと。

達増知事
 それはそうですね、南部藩も10万、20万石の大藩だからたくさん弓が必要になるから、そういう歴史と伝統もあるのでしょうから、いいのではないかと思います。大いに期待しますし、県としても弓産業の振興ということはちゃんと見ていきましょう。
 そして、古澤さんの炎重工、炎というのはこれ大河ドラマ「炎立つ」の炎からとっているのですか。

古澤 洋将
 はい、高橋克彦さんの「炎立つ」からとっています。

達増知事
 ですよね。「炎」と書いて「ほむら」と読むというのは、それ以外には余りないので、目立つし、いいと思います。

古澤 洋将
 ありがとうございます。

達増知事
 非常にいい分野で成功していて、養殖というのは岩手県でもサケが来なくなった、サンマがとれないとかという状況で、中長期的には養殖のほうに水産業をシフトしていって、より安定的に魚がとれる養殖というのを発展させていかなければというふうに、そういう将来が見えてきていると思います。
 一方、担い手の不足などもあって、少人数で手広く養殖ができるようにというときに先端技術の活用というのが不可欠だし、これがあると養殖も将来性が非常に高いということで、大変ありがたい分野だと思います。もう既にいろんな企業から引き合いが来ているということで、岩手県も負けないで是非こういう技術をそれぞれの生産の場で活用できるようにしていきたいですね。
 生体群制御というのは、ゴジラ映画の怪獣総進撃ですね、60年代につくられたゴジラ映画に出てきた、10体ぐらいの怪獣が小笠原諸島にある怪獣ランドというところに怪獣が集められて、ゴジラやモスラやラドンが、それぞれの怪獣が嫌う何かが出て、そこから外に出ないようになっているという設定で、正にそういう仕組みだなと思って、怪獣総進撃の怪獣ランドと同じだなと思ったのですが、害になるほどの刺激ではなく、何となくそっちには行きたくないぐらいなものを催させて、外に出さないように誘導するというのは、それを世界で初めて開発したというのはすごいことで、将来は怪獣ランドにも使えるのではないかという感じがしますけれども、まずは岩手の水産業に大いに生かしていきたいと思います。

高橋室長
 それでは、お待たせしました、小山田さんお願いいたします。

小山田 絢子
 うちは滝沢市でリンゴをメインに果樹園をしております。広さは約3町歩ぐらいで、ほぼ家族経営でやっています。今中心になっているのは義理の両親と80代になるおじいちゃんとおばあちゃんでして、忙しい時期には、おばあちゃんの妹たち70代の人たちが手伝いに来てくれたりしています。
 私がお嫁に来て思ったのは、私と主人が将来継ぐつもりでいるのですけれども、そのときに手伝ってくれる人はいるのだろうかという課題がまずあります。それは、私が住んでいる地域は果樹園がすごく多いのですけれども、皆さんどこの家族もそういう課題があります。私は外から来て、こんなところにこんなにたくさんのフキノトウがある!だとか、5歳の子が田んぼのあぜ道でヨモギをぷちぷちとったりする姿に、来た当初はすごく感動して、自分が育った環境にはそういうところがなかったので、何ていい場所なんだろうと思い、それらをSNSで発信し始めたら、地元の東京や神奈川に住んでいる人たちから羨ましい、行ってみたいという声をたくさんもらい、私がいいなと思っている感覚というのはやっぱり間違っていなかったなと、これをもっとここに住んでいる人たちにも知ってほしいと思っていました。そう思っているときにたまたま地域で自分たちの集落を良くしよう、みんなで仲良くしようみたいな話し合いを持っている人たちがいて、その人たちと知り合うことができて、私もそこの仲間に入れていただいて、いろいろ滝沢を盛り上げようという感じで仲間たちと動き始めました。
 そこで、去年になるのですけれども、これは女性グループなのですけれども、「akari」というグループをつくって活動を始めました。これは、農業に携わっている人、農業に携わっていないけれども、農業や食を通して農業に関心がある女性たちが中心となって、いろんな活動をしていきたいねという思いで始めたグループです。義理の祖母が地域でみそ作りを毎年やっていたのですが、後継者がいない。仲間もみんな年もとったし、体力もなくなってきたからやめようかみたいな話になっているのですが、私はこれは絶対やめてほしくないと思っていて、けれども一人でそれを継がせてくださいということもなかなか難しく、そういったときに仲間が一緒にみそ作りをおばあちゃんたちに教えてもらおうよと言ってくれて、みんなでみそ作りを始めました。あとは広大な畑にブルーベリーが生っているけど、採りきれず困っている農家さんのところへ行って、みんなで採らせてもらう収穫体験だったり、あとは地域のおばあちゃんたちに食の匠の方がいらっしゃるので、花まんじゅうづくりを教えてもらったり、そのときはうちでとれた小豆をたいて、花まんじゅうの中身のあんこを作ってみようとか、一人ではなかなかチャレンジできないことを仲間たちと細々ですが、始めています。地域の人たちが何やってんだと言うのではなくて、結構おもしろがって受け入れてくれていて、それはありがたいなと思っています。これからもっとこういう活動を通して滝沢の魅力だったり、岩手の魅力を県内、県外、世界に発信できたらなと思って活動しています。
 このような活動を始めるに当たって、滝沢市の役所の方とかも仲間に加わってくださったりすることもあったりして、そうすると格好いい大人の背中を子どもたちに見せたいよねという思いで働いてくださっている方とかもたくさんいることに最近気づいて、なかなかいいまちだなと思っています。
 私は、この間から滝沢市がやっているアマタースタディというのに参加し始めたのですけれども、滝沢市に関わる方だったら、誰でも無料で参加できるというもので「テクノロジーで世の課題を解決!」だとか、「地域の普通をダイヤモンドに!」というテーマで、私は「地域の普通をダイヤモンドに!」というコースに参加しています。これは滝沢に眠っているダイヤモンドの原石を探して、受講者たちが企画から実際にツアーをつくるまでをやっていく勉強会なのですけれども、こういうのを市とか県とかでやってくださっていて、本当にやりたいなと思ったことをバックアップしてくれたりとか、応援してくださる方が周りにたくさんいるので、そういうところを上手に使ってという言い方も変かもしれませんが、協力を得ながら活動していきたいなと思っています。
 行く行くは果樹園の手伝いをして、後継者問題のほかにも様々な問題が地域には上がってきているので、いないから、出来ないから、やめてしまうというのではなくて、そこでどうしたらその問題解決できるのだろうというのを話し合いだったり、いろんな考えを聞けたりする仲間や場が地域にあればいいなと思っています。

高橋室長
 ありがとうございました。
 では、知事お願いします。

達増知事
 小山田さんは、小山田果樹園ということで、滝沢は岩手を代表するリンゴの産地なので、非常にありがたいです。
 そして、家族や親戚でやっていくという昔ながらのやり方はいつまでも続かないのでありましょうから、都会の人たちをうまく巻き込んで、そういうブルーベリーの収穫体験とか、リンゴをとるのはそう簡単ではないのですけれども、都会の人でも何度か来ればかなり上手にできるようになるのではないかとも思いますし、いろんなところから来てもらってやってもらうという手がやはりあるのだと思います。
 そして、地元の良さというのは発信しないと広まらないというのはそのとおりだと思います。いろんな情報を得る手段として、テレビというのはまだ大きい割合を占めていて、基本的に東京の情報を拡散するのがテレビのかなりを占めていて、東京に新しいこういうお店が出来ましたとかというのを全国津々浦々まで流すというすごく無駄なこともやっているのではないかなと思うのですけれども、逆に地方の情報というのはそう簡単にテレビに映らないですので、ほかのいろんなやり方で情報を伝えていけばいいのだと思います。そして、来てくれる人たちに伝わればいいので、1億人に伝えなければということでもないのでしょうから、伝えたい人にまず伝えて、それが自然な形で広がって、受入れにちょうどいいぐらいの規模で人が来てくれたりするようなことであればできるし、まずはそういったところをインターネットも発達しているので、そういうことが今できるような世の中になっているのだと思います。
 杣さんが、同級生が岩手町に余り残っていないという話をして、そういう若い人がいない問題というのは共通するところもあると思うのですけれども、交通、通信は便利になっていますから、何かのときに来てもらうとか、東京を中心に首都圏に出ていっている岩手県人については、毎年、岩手わかすフェスという東京で岩手に関わるイベントが毎年1月、2月に行われているので、そういうのを活用するといいかもしれません。ドラマ「あまちゃん」でも描かれていたのですけれども、昔は岩手から東京に出るか出ないかが人生の分かれ道、出た人はそう簡単に戻ってこないし、出ない人は一生東京に行かないで地元にいるというようなこともあったが、だんだん交通が便利になって行ったり来たりできるようになり、人によっては岩手と東京を両方基盤というか、地盤というか、両方で仕事や生活を展開する人も、そういうことも可能になってきていますから、いろんなやり方を工夫していくといいと思います。

高橋室長
 「若者・女性が地域を拓く」ということで、皆さんのほうから一通りお話を伺ったところですけれども、結構テンポよくお話しいただいたので、時間がたっぷりあります。
 第2ラウンドができるかなというぐらいですけれども、ここからは先ほどお話ししたとおり自由懇談ということで、先ほど言い足りなかったことですとか、あるいは今日の懇談全体を通してのお話、あるいは、懇談テーマにかかわらない御意見でも結構です。ここからは自由に手を挙げて御発言いただければと思います。いかがでしょうか。

安保 星奈
 ちょっとお聞きしたいことがあります。先ほど杣さんもおっしゃっていたと思いますが、岩手に帰ってきても岩手の人がいないという現状があります。私自身は岩手が東京みたいになってほしいわけではないです。それがなぜなら、岩手には安心感があるから。私は出張で東京によく行ったりしますが、そのときも「東京は住むところではない」と言うと変なのですが、やはり住むなら岩手がいいなと思ったりします。その理由は、やはり安心感があるからだと思っています。それでもやはり高校を卒業してからも、大学を卒業してからも、東京に行く人はたくさんいます。自分も考えてはみたのですが、知事はどうして東京に若者たちが出ていってしまうと思いますか?

達増知事
 1回目の東京オリンピックが行われた1960年代、日本全体が高度成長の時代、特に東京で建設の仕事を中心に仕事が増えて、当時は岩手県から年に2万人ぐらい、行く人、帰る人の差引きで2万人ぐらい出ていっていて、以来岩手県にとっては、就職イコール上京みたいなイメージが残ってしまっているのだと思います。それは親の世代、さらにその親の世代から引き継がれてしまっている。働く場の条件としては、岩手は希望をすれば職を求める人の数よりも人を求める会社の求人の数のほうが多い時代に入っていて、それは日本全国人手不足、少子化で人手不足になっているから、職を選ばなければどこかには必ず就職できるようにはなっているのです。県南のほうには半導体や自動車の世界有数の工場もあり、そこがどんどん求人している状態でもありますが、それでもそこに思うように人が集まらない状況です。岩手全体で、高校を卒業して地元に就職する割合が69%、10年くらい前は60%そこそこだったから増えてはいるのですが、北陸のほうでは90%ぐらい地元に就職するので、やっぱり東京方面に引っ張られる力というのは今でも強いのです。それは、いろいろ条件を比べて考えに考えてそう決めているというより、まず就職イコール上京というイメージがあって、就職活動においても、首都圏のほうが企業情報が出るのが早いですから、そっちの採用の動きが先で、岩手県内の企業、会社も東京方面のオールジャパンの企業の求人の様子を見ながら今年は何人採用しようとか、県のどの辺から採用しようかを後から決めたりするところもあるので、岩手の企業には早め早めに、むしろ東京方面の企業よりも先に地元の人への働きかけをやってくださいと働きかけていますし、若い人たち向けには、岩手が今いかに就職がしやすく、就職した後も働きがいがあって生活環境もいいかというのを、去年の今頃「いわてWalker」という雑誌を作って出しまして、のんさんこと能年玲奈さんが表紙だったのですけれども、今年は綾野剛さんを表紙にして「いわてダ・ヴィンチ」という雑誌を2月14日に発行します。決め手はイメージを変えてもらうことで、就職イコール上京なのではなくて、まずは地元から就職を検討するように岩手ファーストでいきましょうという働きかけをどんどん強くしていきたいと思います。

安保 星奈
 ありがとうございます。それに伴ってなのですけれども、私が中学校のときは体験できるというのがあったのです。

達増知事
 会社で。

安保 星奈
 そうです、職業体験というのがあったのですけれども。

石田局長
 インターンシップみたいなのかな。

安保星奈
 そうですね、それは中学校のときまではあったのですけれども、それがぴたりと高校のときで終わってしまったのです。でも正直、私の場合は高校のときに将来を決めたというか、こういう仕事がしたいなというのがあったので、高校のときに職業体験があってもいいのかなとは今の話を聞いてちょっと思いました。

達増知事
 そうですね、それはちょっと教育委員会に考えてもらいましょう。

高橋室長
 ほかにはいかがでしょうか。

古澤 洋将
 最近のニュースで気になっているのは、もうすぐ小学校からプログラミング教育が始まるということです。プログラミング教育の義務化というのは、ものすごく大事でいいことだなと個人的には思っています。今まではコンピューターを使う側だったのに、今度はコンピューターを使って何かを作る側に回ることができます。子どもたちは、そこから新しい視野が広がったりとか、これまで思いつかなかったことができるようになるので、すごくいいことだと思っています。
 その一方で、私がエンジニアとして社会人生活を送ってきて、ソフトウェア開発というのは少し残酷な面があると感じています。というのは、ものすごくできる人は本当にすさまじいということです。ソフトウェアは基本的に人間が手でキーボードをたたいて作るものなので、自由な反面、エンジニアの生産性はものすごく差があります。エンジニアとして生産性の高い人たちは、いつからプログラムをやっているかというと、私が話を聞く限り6歳とか7歳とか10歳に行かないころから親にコンピューターを買い与えられて、それでのめり込んでずっとやっているような人たちです。彼らが大人になって、グーグルみたいな有名なソフトウェア会社に入ったり、ソフトウェア会社を起業したりという、それが現実です。
 私から提案したいのは、底上げも大事なのですけれども、数%もいないものすごく秀でた子どもたちをどうにか支援してほしいということです。彼らは、ものすごく集中してのめり込んでしまうところがあるので、家でやっていると、親に怒られることがままあります。例えば、大学あれば好きな人たちが集まるサークルに入って、そこに入り浸って技術を競い合う場があります。ただ、小学校や中学校だとそれをやるのが難しいので、例えば子供たちが図書館に集まって、ソフトウェアのことをものすごく集中してできるような、寺子屋みたいなものをつくっていただけると、もしかしたらすごいエンジニアや会社が岩手から生まれるのではないかな、というふうに感じております。

達増知事
 アイーナでやっているメイカームーブメントのファブテラス、あそこでソフトウェアもやってしまうようにするといいかもしれないですね。アイーナの中で部屋を確保するのは簡単にできるだろうから、ファブテラスはそういう技術へのショーウインドウとしてはいいのですけれども、レーザーカッターと3Dプリンターの体験だけだとちょっともったいないので、関連していろんなソフトウェアとかにも広げるのも手ですね。
 スポーツの分野でオリンピックに出るような人や、大リーグで活躍する人などが岩手でもどんどん出てきていますが、一方、部活が厳し過ぎて中学生活が大変だという話もあり、それで去年から県と県教育委員会が連携し、中学生の部活動プラス校外活動調査をスポーツと文化を対象に今やっているのです。目指すところは、学校でのクラブ活動ぐらいがちょうどいい人たちはそれを充実させ、それ以上の学校でできないスノーボードやスポーツクライミングのような特殊な分野、特に全国大会、さらに世界を目指せるような人たちは校外でそういうことをしなければならないですからね、それは器楽演奏なんかでもクラシック音楽の世界に入っていこうという人たちは、中学生ぐらいから東京のほうに通ってお稽古する人とかもいるので、多分ソフトウェア、プログラム分野にもそういう児童生徒はいるのだと思います。だから、学校のクラブ活動でできればいいけれども、ただ指導者の問題とかもあるので、学校の外にそういうのがあって、そこでばちばちやるほうがいいという場合には学校の外にそういうのを育てていきたいですね。そこはスポーツ、文化に加え、あるいは今の学校の仕組みだと文化の中に入るかもしれませんが、そういうプログラミングというものを入れて考えるようにしていきましょう。

高橋室長
 松岡さん、ふだん学習支援に取り組んでいて、関連して思うところはありますか。

松岡 あゆみ
 そうですね、不登校の子たちの中で、勉強のほうに気持ちを向けることができない子たちがいます。しかし、ゲームとかパソコンは好きという子たちが多いので、そういう子たちが得意分野をもっと伸ばして、そっちで自信をつけたり、技術・スキルを身につけてほしいなと思います。プログラミング体験などを行っているところとも連携していければと思っています。

高橋室長
 ほかにはいかがでしょうか。
 杣さん、同級生が岩手に戻ってくるようになるため、何かほかの方のお話を聞いていて見えてきましたか。

杣 友介
 まだちょっとイメージが湧かないです。

高橋室長
 小山田さんは、結婚を機にこちらですけれども、大学はこちら。

小山田 絢子
 岩手です。私も岩手で学生生活を過ごして、岩手で就職も考えたけれども、やっぱり関東のほうに戻ってしまった身なので…。何で戻ったのかというと給料面とか、そういうところもありますし、自分がやりたかったことが研究だったので、分野としては狭いというか、なかなか岩手で見付けられなかったというのがありました。
 でも、どうですかね、滝沢市の人とかと話をすると人口流出というのは避けられないけれども、流出するならいい人材を輩出しようみたいなマインドに変えていって、「君すごいね、どこ出身?」、「岩手県です」と、「ああ、岩手県すごいじゃん!」と、そういうふうな考え方をして、どうしても岩手にとどまってほしい、岩手につなぎ止めるのではなくて、東京に行ってこい、世界を見てこいみたいなバックアップ、後押しを岩手県がしてくれて、それで出ていった人たちが岩手の良さだったり、岩手で育ったからこそこういうスキルが身につきましたとか、こういう考えでここに来ました、というのがあってもいいのではないかなという考え方に私も共感しています。

高橋室長
 ありがとうございます。

達増知事
 地方創生、人口減少対策の裏技を滝沢市の人は考えているというところで、滝沢市から、あるいは岩手県から出るならそこで大きく成功してほしいという、そういう発想ですよね。
 岩手町も戦前宝塚ですごいスターになった女優さん、広島で被爆をされてしまった人ですけれども、そういう全国的に活躍した人はいて、最近だと航空自衛隊から自衛隊のトップにまでなった人がたしか岩手町出身で、ちょうどいわて国体・いわて大会のときにブルーインパルスに来てもらいやすくなったみたいな話がありましたよね。

高橋室長
 古澤さん、滝沢に戻ってきたんですよね。

古澤 洋将
 はい、生まれも育ちも滝沢、大学だけ外に出て、また戻ってきました。

達増知事
 そういう広いフィールドを使っての1次産業関係の先端技術の研究開発には岩手は非常に向いていますよね。

古澤 洋将
 そうですね、基本的に許可さえもらえればどこでも使えますし、自然環境が豊かというのが非常にありがたいです。会社としては、受託開発もやっておりまして、自動車メーカーさんの案件から、ドローンや陸上ロボットの案件ですとか、ほかにも何社かロボットの製品化にも携わっていまして、やはりそれは全て屋外の製品ばかりです。いろんな方の話や状況を伺いますと、自然環境に特化した弊社のような開発会社は極めて少ないというコメントいただいております。

達増知事
 北海道に次いで人口密度が低い、県の中では一番人口密度が低い県で、また北海道と違って地続きで、そういうところに東京からもひょいと来ることができるというのは岩手の強みですよね。

古澤 洋将
 そうですね、北海道ですと大体飛行機で移動しますけれども、盛岡は新幹線で2時間しかかからないので、東京の方からすると名古屋、大阪とほとんど変わらないというコメントをよくいただいております。

高橋室長
 間もなく予定の時間になりますけれども、最後にこれだけはということがあれば是非お願いします。いいですか、皆さん。

古澤 洋将
 生体群制御について、最後に展望をお話ししたいと思います。この技術で、水の中の魚を動かせるということは分かっています。そこで、最終的には船を使わない漁業をやりたいと考えています。例えば、湖にいる魚を岸へ集める。自然の中にいる魚のうち、大きいものだけを集めることができれば、恐らく養殖の概念は変わるのではないかなと思っています。同じように、湾内にいる魚を港へ集めることができれば、船もいけすも要らない漁業が生まれると思います。さらに、岩手県沿岸は、リアス海岸があるため、岸壁あたりは波が高かったり、場所によっては水深が浅くて船が近づけないところもたくさんあります。そういうところにも生体群制御を導入できれば、船で行く必要がなく、漁場の魚も港に運べるのではないかなと考えています。将来的には、是非とも岩手県でやりたいなと思っていますので御協力をお願いします。

達増知事
 ウニを操ることができれば本当にいいですよね。

高橋室長
 それでは、皆様ありがとうございました。
 

知事所感

高橋室長
 それでは、最後に知事からお願いします。

達増知事
 それぞれすばらしい活動、すばらしい仕事をされていて、岩手県としても大変助かりますので、この調子で進んでいってほしいと思いますし、また今日は分野の違う人たちのお話をそれぞれ聞くことができたのもいろいろ役に立つのではないかと思います。若者、女性は異業種のネットワークということを聞きますので、私も含めて今日のメンバーでまた会うということができるかは今は全然白紙状態ではあるのですけれども、今日で終わりと思わずに、何かあれば県のほうにどんどん言ってきてほしいですし、また今日の縁を大切にし、これからの未来にそれぞれ向かっていければと思いますので、頑張りましょう。ありがとうございました。

閉会

高橋室長
 それでは、皆様今日は大変ありがとうございました。
 以上をもちまして、県政懇談会「いわて幸せ作戦会議in盛岡」を終了いたします。お疲れさまでした。

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