「いわて幸せ作戦会議in大船渡」(令和元年6月7日 大船渡地区)

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ページ番号1022695  更新日 令和1年8月21日

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日時
令和元年6月7日(金曜日)10時30分から11時50分まで

場所
大船渡市民文化会館(リアスホール) マルチスペース

出席者

  • 参加者(敬称略)
    佐藤 寛志(特定非営利活動法人三陸ボランティアダイバーズ 理事長)
    木村 聡(特定非営利活動法人SET 職員)
    オリビア リー(大船渡市商工港湾部観光推進室 国際交流員)
    西條 まい子(陸前高田市観光物産協会 職員)
    小宅 優美(住田町教育委員会 教育コーディネーター)
  • 県側
    知事、沿岸広域振興局副局長、秘書広報室長

開会

高橋室長
 
おはようございます。ただいまから県政懇談会「いわて幸せ作戦会議in大船渡」を開催いたします。
 皆様には御多忙のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 今日は、「豊かで活力のある地域を目指して」を懇談テーマとして、この大船渡地域でお仕事や地域活動など、様々な分野で地域の復興、地域の活性化に取り組まれている皆様にお集まりいただいております。
 私は、進行役を務めさせていただきます県の秘書広報室長の高橋と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

知事あいさつ

写真:懇談会の様子1

高橋室長
 それでは、開会に当たりまして知事から挨拶を申し上げます。

達増知事
 皆様、おはようございます。
 県政懇談会「いわて幸せ作戦会議in大船渡」ということで、「いわて幸せ作戦会議」というこのタイトルにしたのは今年度からです。これは県の総合計画、いわて県民計画が今年度から新しい10年間に入っていて、その基本目標に、「東日本大震災の経験に基づき、引き続き復興に取り組みながら、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわて」というのを基本目標に掲げておりまして、お互いに幸福を守り育てるための作戦会議ということで、いわて幸せ作戦会議という名前にしてあります。
 今日お集まりの皆様は、この大船渡エリア、気仙地区でそれぞれの分野、また、それぞれの地域で幸せをつくり出す、そして復興と、また、地域振興に貢献する活動をされているということで、是非それを県全体の政策にも参考にしたいということでお話を伺いたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。

高橋室長
 それでは、この後の進め方についてですけれども、まず私から御出席の皆様方を御紹介いたします。その後、お一人ずつ自己紹介をお願いいたします。その後、本日のテーマに沿ってお話をいただきますが、お二人からのお話に続いて知事がコメントするというような形で進めていきたいというふうに思っております。そして、最後に自由懇談の時間を設けたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日御出席の皆様を御紹介いたします。
 特定非営利活動法人三陸ボランティアダイバーズ理事長、佐藤寛志さんです。どうぞよろしくお願いします。 

佐藤 寛志
 よろしくお願いします。

高橋室長
 特定非営利活動法人SET職員、木村聡さんです。

木村 聡
 よろしくお願いします。

高橋室長
 大船渡市商工港湾部観光推進室国際交流員、オリビア リーさんです。

オリビア リー
 
よろしくお願いいたします。

 高橋室長
 よろしくお願いします。
 陸前高田市観光物産協会職員、西條まい子さんです。

西條 まい子
 よろしくお願いします。

高橋室長
 よろしくお願いします。
 住田町教育委員会教育コーディネーター、小宅優美さんです。

小宅 優美
 よろしくお願いします。

高橋室長
 よろしくお願いします。
 県からは達増知事、沿岸広域振興局の杣副局長です。

杣副局長
 よろしくお願いします。

高橋室長
 それでは、皆様のお手元にお菓子と飲み物を準備しております。どうぞ召し上がりながら懇談いただければと存じます。
 まず、今日のお菓子を紹介いただきます。

杣副局長
 それでは、御紹介申し上げます。本日は2種類のお菓子を御用意いたしました。
 1つ目は、これは大船渡市の老舗菓子店おおうらやさんの銘菓「柿の菓」でございます。干し柿に白餡を詰め、表面に羊羹でコーティングし、その上に上南粉をまぶしたお菓子でございます。どうぞ開けてみてください。先月、大船渡市内で開催されました囲碁の本因坊決定戦七番勝負の第一局で、井山本因坊に挑戦しました河野九段が午後のおやつで召し上がったお菓子でございまして、勝負の結果はこの「柿の菓」を召し上がった河野九段が見事勝利を収めたというエピソードがございます。
 2つ目ですが、大船渡市内の老舗和菓子屋壷屋田耕さんの「ベイクドチーズスティック」でございます。現在は先代からの和菓子屋の技術を受け継いだ2代目が洋菓子などの新しいお菓子づくりにも挑戦していまして、これは人気洋菓子の一つで、濃厚なクリームチーズとほどよい酸味のサワークリームを使ったお菓子でございます。
 最後に、今、皆様のお手元にお配りしておりますお茶でございますが、これは「椿茶」でございます。これは、復興事業により整備された大船渡駅周辺の商業エリアで、三陸の地場産品を使いながら創意工夫した商品の開発販売を行っておりますバンザイ・ファクトリーさんの椿茶でございます。この気仙産のやぶ椿の葉と、九戸村産の甘茶の葉をブレンドした椿茶でございます。

達増知事
 それで甘いんですね。

杣副局長
 はい。ノンカロリー、ノンカフェイン、ノンシュガーでございまして、飲んだ後も自然な甘みが広がるヘルシーなお茶でございます。
 このほか、あと、釜石鉱山の「仙人秘水」も御用意いたしました。
 本日はお菓子などを御賞味いただきながら御懇談いただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

高橋室長
 ありがとうございます。どうぞ、お召し上がりながら進めるということで。

懇談

写真:懇談会の様子2

高橋室長
 それでは、懇談に入らせていただきます。
 最初に、お一人2分程度で自己紹介をお願いいたします。お話しいただく順番は、佐藤さんから順にお願いします。
 それでは、佐藤さん、お願いいたします。

佐藤 寛志
 おはようございます。まず、私の名前なのですが、本名は佐藤寛志と申します。石鳥谷町出身なのですが、この沿岸エリアで活動しておりまして、「くま」としか呼ばれていないので、今日も会ったみんなから佐藤寛志って誰だと言われまして、「くま」と言ったらわかってもらえると。
 うちのNPO法人は、水中のがれきの撤去とか、あとは行方不明者捜索からスタートしまして、震災直後から始まったNPOです。現在も続けて、がれきの調査、また、撤去もしておりますが、それと同時に漁業支援のほうも行っていますし、あとは地域の観光資源になる自然の資源を生かして、例えば気仙川のサケの遡上観察であったり、あとはダイビングポイント、世界三大漁場と呼ばれる場所ですので、私自身、震災があるまで東南アジアや太平洋のど真ん中でダイビングや観光開発の仕事をずっとしておりましたので、震災以後、海が落ち着いてきている中、復活させていく中で観光開発ですね、そっちのほうも今行っておりまして、各漁協、行政と一緒に開発しているところであります。
 今日はよろしくお願いします。

高橋室長
 よろしくお願いします。
 では、木村さんお願いします。

木村 聡
 こんにちは。NPO法人SETの木村聡と申します。出身は東京都の板橋区で、2011年のときには僕は高校3年生になる春休みでした。大学生になったときに東北に一度行ってみたいというふうに思って、たまたまめぐり会ったのが、このNPO法人SETという陸前高田の広田町で活動する団体でした。
 一番最初は、そのプログラムの参加者として行って、これが何でしょうか、面白くて活動にはまっていってしまったというか、自分の中で将来の職業の選択肢として、このSETという場所で、広田町という場所で仕事をしていきたいなと思って、この4月に移住をしました。
 SETは、活動人口を増やしていこうと、人口が減っていくのは仕方がないけれども、この町を好きで、この町のために活動する人を内外に増やしていこうという活動をしていて、地元の方にコミュニケーションを取ったりとか、あるいは、僕がそうだったように主に大学生の子たちを広田町に呼ぶみたいな活動をしています。
 余談なのですが、僕は慶応の大学院に行っていたのですけれども、前野隆司先生という幸福学で第一人者と言われている方のところで研究をしていたので、岩手県が「幸せ」という言葉をキーワードに入れていたのもちょっと知ってはいて、すごく興味があるところです。
 今日はよろしくお願いします。

高橋室長
 よろしくお願いします。
 それでは、オリビアさんお願いします。

オリビア リー
 大船渡市役所観光推進室で国際交流員として働いておりますオリビア リーと申します。アメリカの西海岸にあるワシントン州のシアトルのほうが出身です。
 ずっと海外と日本に興味がありましたので、アメリカの大学で国際関係を勉強して、日本中に派遣される国際交流員の仕事に申し込みましたら、大船渡市の初めての国際交流員として働けるようになりました。こちらに来る前に東北にも来たことがなかったですので、いろいろなことで緊張しておりましたが、実際に来てみればこちらの景色も大変、大変きれいだと思いますし、皆様もとても親切で、私を温かく受け入れていただきましたので、こちらに引っ越すことができてとてもラッキーだと思っております。
 大船渡でどういう活動をしているかといいますと、インバウンドとして、例えば、英語圏の観光客を呼んだり、また、来たときの受け入れの対応もしております。例えば、大船渡の魅力をインターネット上で英語で情報発信したり、また、翻訳と通訳もしておりますし、あとは、例えば、観光に関する英会話とかも行ったりします。
 本日はよろしくお願いいたします。

高橋室長
 よろしくお願いいたします。
 では、西條さんお願いいたしいたします。

西條 まい子
 陸前高田市観光物産協会で働いています西條まい子と申します。今日はよろしくお願いします。
 私は、ずっと東京で仕事をしていましたが、3年前に孫ターンで、戻って3年目になります。ちょうど戻ってすぐにここの観光物産協会で働き始めましたので、仕事も3年たつところです。
 主に活動としては、観光関係全般なのですが、観光案内ですとか、あとは観光情報の発信だったり、イベントの企画運営ですね、あとは市外に出ていって、物産品の販売ですとか、観光客の誘致営業だったり、あとPR活動なんかをしております。中でも一番力を入れてきたのは、陸前高田で交流人口を拡大しようと取り組んでいる団体が幾つかありますが、その皆さんと一緒に、観光経営会議といって、陸前高田全体としてどうやって人を呼んでいくかというのを考えて行動している団体というか、活動があるのですが、その中での活動に特に力を入れてまいりました。
 よろしくお願いします。

高橋室長
 よろしくお願いします。
 それでは、小宅さんお願いいたします。

小宅 優美
 住田町教育委員会の教育コーディネーターの小宅と申します。私も昨年の4月から住田町に移住して今年で2年目の仕事になります。出身は福島県のいわき市というところで、三陸の沿岸沿いですので、岩手には御縁を感じながら生活をしています。
 教育コーディネーターは、住田町で私が初めての役職なのですけれども、主に学校と地域の連携を図る、特に、町内に唯一残っている住田高校との地域の連携を図る仕事を担当しています。小さい学校で、全校生徒が90人しかいないのですけれども、住田高校が何とかというか、高校が地域に残るために何ができるかということを日々模索しながら活動して、今、特に行っているのは、高校生の放課後の居場所づくりということで、高校生がバスを待ったり、あと、勉強をしたりできるようなスペースを運営しているのが今の私の一番の仕事です。今日はよろしくお願いいたします。

高橋室長
 よろしくお願いいたします。
 どうも皆さんありがとうございました。
 それでは、自己紹介をいただいたところで、ここからは今日のテーマ「豊かで活力のある地域を目指して」ということで、現在の取組や課題、今後の方向や御自身の抱負、県への期待なども含めてお話を伺います。
 先ほどの自己紹介の順番で、今度はお一人5分程度でお願いします。お二人からお話をいただいたところで、知事からコメントしていただくという形で進めてまいりますので、よろしくお願いします。
 それでは、佐藤さん、お願いいたします。

佐藤 寛志
 では、よろしくお願いします。まず、私たちの団体でやっております海底清掃等は落ち着いてきてはいるのですけれども、やはり船とか車といった大きいものが多少まだ見つかったりもします。そういう活動もしておりまして、そちらは県のほうといろいろと協力して引き揚げも続けてやっておるところですが、そこに関してはもう同じように進めています。
 今新しくやっているところで観光開発のほうでダイビングですね、岩手県の海というのが非常にすばらしい海です。私自身、世界中を回って潜って仕事で行っておるのですが、世界三大漁場というのは名前に負けないところでして、四季折々、春夏秋冬景色が変わるところで生物も非常に豊富な種類を持っているところなのですが、そこで去年から大船渡ではシャワーやトイレの設備もビーチの近くで直ってきておりまして、ダイバーたちが集まってくるのは震災前ほど回復してはいないのですが、かなり宣伝もできてきていまして、集まるようにはなってきています。国内外から集まるようになってきていまして、現在は関東や関西、沖縄の方まで潜りに来てくれています。今月もモルディブからだったり、タイからだったり、いろんな人が潜りに来るようになっております。
 北里大学の学生たちや、あとは高田高校の学生たちみんな大船渡の海を使って実習をしたりするのですけれども、その魚のデータも取り始めたりして、あと、漁協も協力をしてくれて、どんどん、どんどん進んできておりまして、「大船渡イコールダイバーのまち」というふうに言えるくらいのものになってきています。岩手県内では田野畑と、あとは大船渡が今ダイビングのポイントとしてはあるのですけれども、実質的にダイバーを育てられて、レジャーが産業としてできるのは大船渡だけになっています。そこで発展していく中で、課題はダイバーハウスが、ダイバー用のクラブハウスとか、そういった施設が岩手ではまだ存在しないと。女川町のほうは、私も一緒にやっているのですが、そっちは何とか県の予算を引っ張ってダイバーハウスをつくることができましたし、あと、ほかの地方とかでもそういった施設が整っておりまして、やはり競合するような地域ですね、そういうところに負けないような、そういう設備が必要とされてきているということを思っています。
 あとは、漁業関係のほうともダイバーと密に連携ができてきているのですが、特にウニに関わるですね、藻場再生とウニに関わるところで今協力体制を整えています。まずは、藻場再生事業ですね、そこで近年磯焼けというのが言われておるわけですが、今年は冷水帯が入ったものの、外海に面した一部は昆布や海藻類が戻ってきてはいるのですけれども、ちょっと離れるともう真っ白な状態で、ウニを割っても小さいもので、中身も余り入ってなかったり、色が悪かったりというのがあるのですが、越喜来漁協さんとか、綾里漁協さん、あとは大槌町とか高田のほうとも手を組んでウニの駆除を行っております。ちゃんと県の漁業規則に則ってやっておるわけですが、ウニを駆除して、いなくなったところに今度は海藻の種を移植したりとか、そういう活動をしておりまして、かなり明るいデータですね、これは続ければ将来かなりいい海中林を作れるのではないかというところまで来ておりますので、そういったところの連携をするためのルールであったり、県の漁業調整の規則であったり、そういったものをもうちょっとみんなでまた新しく話し合えればというところまで来ています。なぜかというと、ウニの駆除をするときにただ海の中で割るだけでは、お金をただ捨てているだけのようなことになってしまっていまして、それを中間育成したり、洋野町のようにウニ牧場のような活用をしたいというふうに生産者、漁協もみんな言っておりまして、例えばというか、余り使われなくなっている港とか、そういった中を牧場化させようとかということでダイバーが深いところで漁師が採れないものを持ってくるのですが、雑物といって、養殖棚から落ちた海藻類を今食べて30メートルぐらい深いところには宝の山が眠っているわけです。それを活用できれば、地元の漁協も財政的に厳しいところなのですが、そういったものを活用して資金をもうちょっと集められるようになるのではないかというふうに期待をしておるところで、そういったところを県の皆さんとも調整をして、ウニ牧場の開発、開拓をもうちょっとスムーズにできるように今から進めていければと思っております。
 それに伴って、ボランティアも日本全国、また、海外からも来てもらっているのですが、ウニの駆除であったり、アワビの稚貝の放流であったり、1次産業前のゼロ次産業です。そういったものを手伝ってもらっていますが、ボランツーリズムという形でみんなお金を払って遠くから飛んできてもらって、かつ、その必要なお金を払ってまで一緒に潜ってもらって、そういう自然を育てる活動を一緒にやってくれています。そこが今、観光に結びついてきているのですが、そこをもっと盛り上げるために、「岩手イコールウニ」のイメージをもうちょっと内外に知らしめたいと思っておりまして、例えば、JRの駅とかに「岩手はウニ」だとか、「三陸はウニ」だというのをもっともっとブランド化を推し進めていければ、年間の、1年間通してのウニの水揚げがもっとできるようになったり、本当は海藻が準備ができれば年末商戦に向けてもウニを使うこともできますし、配合飼料を使っても2月、3月でも育てることができるので、ウニですね、本当に眠っている資源として海藻とウニがあるのですけれども、ウニは使えると生産者たちが言っておりますので、そこが今NPOとしてダイバーたちを集めて漁師たちと震災の最初は災害ボランティアから始まったのですが、今度は地域のために未来を目指して海を育てる事業をやっておりまして、そこにボランティア、そして、地元の子供たちも参加してもらったりしておりまして、そういう活動が進んできております。
 そこで、やっぱり問題になってきているのが機材ですね、南の海のダイビングと違って北の海のダイビングというのが、ドライスーツという、ちょっと宇宙服のようなものを着たりするのですが、かなり資金的に10倍ぐらい値段が張ったりするもので、そういったところの助成金であったり、支援金であったり、あとは海のブランド化にするお金とか、そういったものを御教示いただければというふうに思っている次第であります。
 あとは、川のほうも海だけではなくて、これ自体は震災前から開発しておるのですが、北上川の、花巻出身なので、花巻周辺や盛岡のあたりも実はサケの遡上が非常にすばらしい環境で観察できるのです。私自身青森、岩手、宮城の全部沿岸河川から全て調べたのですけれども、今のところ一番見やすいのは気仙川の支流の矢作川ですね、陸前高田市なのです。あれだけすばらしい環境というのは、北日本の中ではもうないのではないかというような場所です。湧き水も豊富ですし、そこが海外に行きますと、アメリカとか、カナダですとサケのツーリズムというのは非常に人気がありますが、高田の市役所さんと進めてきたのですが、まだ余裕が、そこまで手が回らないということだったのですが、今後はそういったものを活用して、もっと皆さんにサケのツーリズムというものも、岩手はサケが有名な場所ですので、そういったものも進めていければと思います。そのためには施設であったり、ルールであったり、そういったものも整備していかなければならないなというふうに思っています。
 さらには、私自身、NPOから派生した地域会社で株式会社あやかぜというものをつくっておりまして、大船渡の海産物を花巻に、金婚亭の隣のりょうり丸というところをつくってやったりしておるのですが、それを来年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて東京のほうにウニであったり、ほかの海産物も皆さんに食べてもらうような、そういう仕組みをつくりたいと思ってやっているところであります。
 私自身としては、将来の目標としてはこっちが落ち着いてきましたら、ウニの磯焼けというのが、実は三陸だけではなく日本全体に広まっています。西日本です。それだけではなく、アラスカやアメリカのほうとか、あと、南米、オーストラリア、ニュージーランド、北ヨーロッパのほうまでウニによる磯焼けというのが起きていまして、それを潜っていろいろと実験をしたり、流通とか、そういったものを開拓していければなというふうに思っております。
 以上です。よろしくお願いします。

高橋室長
 ありがとうございました。
 続いて、木村さん、お願いいたします。

木村 聡
 まず、SETのほうの紹介をできたらと思うのですけれども、開いていただくと、ちょっと字が細かいので、全て説明するわけではないのですけれども、「人口が減るからこそ豊かになる社会づくりを」ということを掲げてやっています。2011年の3月13日には実は設立をしていたのですが、その後2013年にはNPO法人化をし、多分くまさんと文脈は近いと思うのですけれども、震災復興ということからまちづくりの団体のほうに文脈をシフトさせていっています。
 一番最初は、復興させたいという思いでやっていたのですけれども、ちょっと視野を広げてみるとこういうふうに広田町のような人口減少をしていって、過疎になっている町というのは、日本中どこにでもありますと。その根本には人口が減っているということがあって、人口が減るから、では、人を増やそうという施策というのは日本全体で人が減っていく中、その人のパイの取り合いになってしまうのは余り建設的ではないと思っていまして、人が増え過ぎていたと。自然減しているのであれば、その中で豊かなまちづくりはできないだろうか。よく考えてみると、税の仕組みであったりとか、社会の仕組みであったりとか、基本的に人口が増えることを前提につくられているものが多いなと。でも、明日、仮に経済成長は今のままでも、ますます人とのつながりがあれば、それこそ幸せであったり、豊かであったりするよねと、そういうふうな場所を自分たちはまちづくりと、同時にそういう人材育成、人づくりを通して広田町で実践していこうというコンセプトでやっています。
 具体的な活動で言いますと、右のページに書いてあるのですが、右のページの真ん中のほうにチェンジメーカースタディプログラムと書いてあるものがあります。これは大学生が夏休み、春休みに7日間広田町に滞在し、何でもいいからそのチームでやりたいことをやる。正確に言うと、町のためになることをやるというプログラムをやっています。始めた当初は、七、八人の参加でした。でも、今は夏休み、春休みそれぞれ120人とか、そのほかの大学生が自費で8万円の参加費を払って参加してくれています。
 彼らのニーズとしては、この場所で何か挑戦をしてみたいとか、自分が変わってみたいということであって、それで自己投資をしてきてくれます。町の人からすると、自分の町に半年に1回この町に何かできないかということで若い子たちが来てすごく感動して帰っていく。そうすると、すごくまちづくりというのは行政とか、市役所さんとか、あるいは有力者がやるようなことだったのが身近になっていく。この町で大学生がどうやら変化しているらしいということは、さすがに8年活動して広田町の方が気付いてくださっている。そこから派生して、チェンジメーカーズカレッジは挑戦するのを4カ月のスパンにする移住留学というプログラムにしていまして、今は第3期目、今は11人の参加者が移住留学してきてくれています。
 上にいきますと、今度は内側の高校生に向けて、中高生がポジティブな理由でキャリアを選択できるように、親が漁師だから仕方なく漁師やっているよとか、大学がないから出るしかないとかではなくて、この町でもっと豊かに暮らせるよねということのキャリア教育プログラムもしていたりします。
 左側は修学旅行民泊というのをしていまして、修学旅行を誘致する活動をしています。修学旅行は楽しかったという人が、僕もそういう記憶あるのですけれども、では、感動したかというとなかなかそうではなかったりするのですが、民泊事業では1泊地元の方のうちに泊まると翌朝には中高生が泣いて帰っていくのです。僕としては、大学生が1週間のプログラムを運営していて、1週間頑張ると大学生が泣いてしまったりするのですけれども、地元のおじちゃん、おばちゃんの手にかかると1泊で泣いていくというのはすごいなと思って見ています。
 その他にもさまざまなプロジェクトがあって、ポイントだと思っているのは広田は特別観光資源があったりとか、特産品がある町ではないのですけれども、一人一人が自分がやりたいことを実現するための自己実現の場所としてこの広田を選んで、人によっては移住をしているということがいろんなまちづくりに反映をできることなのではないかなというふうに思っています。
 これにプラスして、個人的には今、地域交通にすごく興味があります。広田町は車の依存度がとても高いのですけれども、車ではなくて、仮に自転車とか、別の交通手段、モビリティとかに切り替えると、自転車だったら畑のおばあちゃんと交流ができますし、限られた財源の中でどうやったら便利さから豊かさのほうにシフトできるのかというのはすごく自分の興味範囲です。例えば、広田町内でバスで赤字をいっぱい出してしまっているのですけれども、その分は減らしてヒッチハイクの文化醸成をしたりとか、そういうことができないかななんていう話を市役所の方にはちょっと話させてもらったりしています。法律とか、安全面とか、既存事業者の反対とかがあって、それは簡単にはいけていないのですけれども、そんなふうに取り組めたらと思っています。
 もし仮に、何か要望みたいなことで言いますと、僕はすごくいいなと思っているのが陸前高田市のほうで今各町、広田町とか横田町に500万円ずつ予算を上げて、それを町内で考えてくださいという予算の取り方をしているそうです。広田町のコミュニティセンターの会長さんは、僕から言わせるとちょっと保守的な方だったのです、比較的。自転車設置させてくださいというにも、倒れたらどうするのだみたいな感じの方で、保守的だなというふうに思っていたのですが、では、いざ市のほうから、これは500万円使い切ってくださいねというふうに言われると、「聡君」みたいな、「どうやったらこの予算使えると思うか」みたいな感じで相談をしてくれる。これって、何か仕組みを変えると人の価値観とか行動とかを変えられるというか、変化を起こせるというのはすごくいいなと思っていまして、これからは県でも、市でもですけれども、どんどん人口減っていくから、予算はそれこそ縮小していくと思うのですけれども、今まで以上に民営化したりとか、あるいは、コミュニティの力に委ねていくということがとても大事なのではないかなと、その草の根で活動している僕らからとしては思っています。
 済みません、長くなってしまったのですけれども、以上です。ありがとうございます。

高橋室長
 ありがとうございました。
 それでは、知事お願いします。

達増知事
 では、くまさんと呼びましょう、くまさんの活動は、海という自然を生かしながら大勢人が集まってきて、また、ダイビングという活動と漁業も一緒になって、大変いいなと思いながら伺っておりました。
 ウニの駆除というのは大事なことで、今の漁業に関するいろんな法令、規則の中で多分不自由なところがあるのだと思うのですけれども、水産庁も漁業に関してはどんどん規制改革をしていくのだという姿勢になっているし、いろいろ解釈のレベルでやれなかったことがやれるようになるのもあると思いますし、また、法律、政令、規則の類いを変えなければならないのであれば、変えることも、今なら変えやすくなっているのではないかと思うので、そこはいろいろ話を聞いて変えるべきところは変えるようにしましょう。
 ウニを採って集めるのは面白いのでしょうね、お金を払ってやってくださる、非常に有り難いと思います。
 「岩手イコールウニ」というのは、私もそうだと思いますね。ドラマ「あまちゃん」でも、ウニがドラマを代表する生き物として第1話からずっと登場し、オープニングにもウニがぽんぽんはねるようなのも出てきたりして、「いわて幸せ大作戦」という、今、観光キャンペーンのスローガンがあるのですけれども、右手で岩をつくって、左手で手をつくって、「いわて幸せ大作戦」というポーズがあるのですけれども、この「いわて」とやったときに、久慈のあたりではこれをウニだというふうに、ウニのサインとしてこれを記念写真撮るときにみんなでウニポーズとかといって、こうやって写真を撮ったりしているから、「岩手イコールウニ」ということはポーズでやれるなと思いながら話を聞いていました。うにっちというキャラクターもいますからね、わんこきょうだい、うにっち。うにっちに沿岸を代表してもらっていますし、「岩手イコールウニ」というのはどんどんやっていきたいと思います。
 サケツーリズムで矢作川がいいと、やっぱりあの川の水のきれいさがすごいということなのですね。水道水がそのまま流れているというか、水道水というのがああいう清水をまねして水道水というのがあるわけだから、水の原点というような感じのきれいな水の矢作川ですね。これはオール岩手としても、やっぱり矢作川というのは……

杣副局長
 当地域では、気仙川も清流ですけれども、矢作川もとてもきれいな川です。

達増知事
 特別な川として、ちょっとここはいろいろやっていきたいですよね。

杣副局長
 はい。

達増知事
 そして、ダイバーハウスがないとか、あと、ドライスーツが高いとかという問題ですね、女川町にはあるというのは、女川町のやり方を調べてですね、私もそこまで大船渡市がダイビングの場所としてもう確立しつつあるということを余り知りませんでしたので、今日教えてもらったことをもとによりダイビングの場所として確立するようにしていきましょう。

佐藤 寛志
 ありがとうございます。

達増知事
 はい。
 そして、SET、セットの活動は大変すばらしいと思います。かなり人を呼び込む実績があって、学生たちとか、あと、民泊とか、非常に大勢交流人口、関係人口を増やしてくれていて、これは有り難いと思いますね。広田町、広田半島というのが狭く、小さいながらも一つ独立、自立した地域としていろいろそろっているというところもあるのでしょうね。昔は旧町村だったわけなので、ここだけでも自治体として成り立つくらいの要素はあるので、チェンジメーカースタディプログラムなんかもいろんなテーマが多分あるのだと思いますね、漁業とかだけではなく、地域にあるような課題がフルセットであるような地域というところがまたいいのだと思います。
 学びの場としてどんどん発展しているので、岩手全体を学びの場にしたいということを県としては考えていて、日本中から、あるいは外国からでも岩手に来て学んでいってほしいなと。象徴的な話として、西行と松尾芭蕉がそれぞれ和歌の道、俳句の道を完成させるためには岩手に来なければならなかったといって、具体的にはそれぞれ2人とも平泉に来ていたということなのですけれども、岩手に来れば何かが見つかるとか、岩手に来れば人生で必要としていることを学ぶことができるみたいな感じでアピールしていきたいと思っていて、広田町においてはそれを先んじてやってもらっているなという感じがしますので、是非この調子で頑張っていってほしいと思います。

高橋室長
 それでは、次にオリビアさん、お願いいたします。

オリビア リー
 では、まず以前から現在まで取り組んでいることについてですが、初めに情報発信について話したいです。
 こちらで大船渡に引っ越してくる前に、大船渡に引っ越して働くことを知りましたが、そのときは岩手のことは知っていましたが、大船渡は初耳で、まずインターネットで検索してみましたが、そのときはもちろん震災のニュースと写真が多かったのですが、少し調べてみると観光の情報とか、観光地の写真とか、また、英語でも、日本語でも調べてみましたが、そういった魅力的なところについての情報と、そういうような情報が少し少なかったように感じましたので、そういう情報も情報発信するのがとても大事なことだと思います。まず、とてもすばらしい美しいところだと思いますし、いろいろユニークな伝統もあると思いますので、そういう魅力的なところも情報発信していけばきっといろいろな人たちも来たくなると思います。
 また、例えば交通の情報などについてのことも特に安心してもらって、安心してくれるように呼びたいですので、そういった情報発信には力を入れています。特に市役所のツイッターとフェイスブックにもこちらで英語で大船渡の魅力を私の目線から情報発信していますし、英語版のSNS、例えばフェイスブックとインスタグラムでも情報発信し始めました。
 そういうところで、近い町とも、また、近いところに住んでいる国際交流員や県庁で働いている英語圏の方と一緒に情報発信のことでいろいろ協力をしております。もちろんそういうところでインバウンドのことも、例えば、こちらの観光もそうですが、大船渡の人たちと話すといろいろなことが大変、大変魅力的なことだと思いますが、たまにこちらの地元の方とお話しするときは「いや、何もないですよ」と、そういうような答えも出ますので、是非、大船渡の人にも観光についても地元の自慢できるところについても盛り上がってほしいです。なので、例えば、これから観光客も呼びながら大船渡の人たちにも魅力を再発見してほしいです。
 これから取り組んでいきたいことについてですが、例えば、英会話のことですと、例えば、宿泊施設や飲食店など向けに、例えば、ラグビーワールドカップに向けて外国人の方々が来たときにはどういうふうに対応できるかとか、または、例えば、観光客を呼ぶために、例えば、こちらでしかできない体験とかにも力を入れたいと思います。例えば、くまさんのおっしゃったことについても海の魅力を、例えば、東京や京都では絶対にできないことはいろいろこちらでしか、農業体験とか、また、こちらにしかない伝統とかについてもいろいろな魅力があると思いますので、是非そういうところは大船渡も気仙も生かせたらとてもいいことだと思います。

高橋室長
 ありがとうございました。
 では、次に西條さん、お願いいたします。

西條 まい子
 私が取り組んでいる活動、先ほども申し上げましたが、交流人口拡大というところは観光に携わっている、どこの地域の人たちにとっても一番そこを皆さん課題として取り組んでいることだと思うのですけれども、私もこの観光の仕事を始めて3年間ずっとそういう会議の場もあり、取組もある中で、何か戦略だったり、人をたくさん呼ぼう、たくさん呼ばなければいけない、特に、ワールドカップがあって、オリンピックがあって、震災から10年という、本当に注目されるタイミングでこの機を逃してはいけないと思って焦って、さあ、戦略を立てよう、さあ、どういう組織にしよう、どういう座組みでやろうということをやってきましたが、何となくそれがうまくいかなくて、実態がない感じ、それだけがひとり歩きして、そこにどうやってついていっていいか、みんなわからないみたいな状態がずっと続いていたようにも感じています。ないものを見てしまうと、どうしてもそうなってしまって、例えば、海外から人が来てないとか、交通の便利なインフラがないとかとなってしまうので、あるものとか、今もうできているつながりとかというのがあるじゃないかと思ったのです。
 そして、やっぱりそういう交流人口を増やしていこうという中で、何のためにそうしようとしているのだろうとふと振り返ると、やっぱり自分たちの地域が訪れてよしより、住んでよし、その地域が豊かでみんなが幸せに暮らせる場所にするために観光で人を呼んで、お金を呼んで、豊かにしていこうということだから、その先の目的をちょっと忘れてしまっていたなというふうに感じているタイミングです。
 なので、地域の人がどうやったら観光で幸せになるのかなと思ったときに、陸前高田はボランティアだったり、SETさんの活動だったり、修学旅行等での民泊もとても盛んになり、受け入れ家庭さんも増えているような状況で、皆さん「一本松に何万人今年人が来ました」ということより、自分たちが何でもない、何気ないものだと思っているものに喜んだり、感動している人がいることに気づいたり、そういう関係がずっと続く人が1人いるみたいなことが実際は地域の人が喜びを感じていて、生きがいだったり、幸せを実感している部分だなというふうに思いましたし、来る人もそこに喜びを感じて、何度も来てくれる。人に会いに来てくれているなと思います。なので、やはり観光を考えるときに地域の人の意見や力は絶対に必要で、どういうまちにしていきたいかというイメージを持った人たちと一緒に、どういうことが自分たちならできるかとか、どういういい場所があるかとか、住民の皆さんと一緒に考えていきたいです。観光関係者とか、専門家の方たちのは協力は継続して得ていくのですけれども、住民の協力こそ必要だなというふうに感じています。
 今後取り組む予定というか、取り組むことに決めているのですけれども、「りくたかコンテンツらぼ」という活動を始めようと思います。この指とまれ的に、観光を一緒に考えたいと思う住民の方たちに声をかけて、まずその方たちが知っているいいものだったり、いいことだったりをみんなで見に行ってみたり、体験してみたりして、それを外の人にどんなふうにすればもっと楽しく感じてもらえるかとか、そういうこともみんなで話し合ったりしながら観光商品や、体験をつくっていく活動を始めたいと思います。その中で、写真が上手な方とか、手芸が上手な方とか、何かそういう自分の得意なものがあって、それを活かせる場所にもしたいです。住民総参加なおもてなしを高田にあふれさせていたいなと。そして、その人につながる人を増やしていって、その時間を長くする。交流人口というよりも交流時間を増やすイメージというのを持ちながら活動したいです。そのイメージを持つと何となく地域の幸せと観光が離れていかないのかなと思って、そういう取組をしていきたいと思っています。
 以上です。

高橋室長
 ありがとうございました。
 それでは、知事お願いします。

達増知事
 オリビア リーさんにはこの大船渡市のいろんなことを、特にいいところをどんどん英語にしてもらっていて、ありがとうございます。私からも御礼を申し上げます。
 岩手のいいところはたくさんあるのですけれども、英語になっていないことが多いので、これはどんどん英語にしたいと思っているのですけれども、大船渡市においてそういう翻訳をどんどん進めていることすばらしいですし、あとはSNSでの発信ですね、ツイッター、フェイスブックにインスタグラムですね、これはやっぱりやったほうがいいと思うので、それをどんどんやってもらって、ありがたいです。
 そうですね、岩手県庁にも国際交流員の人いますけれども、あと国際交流員から正職員になった和山アマンダさんもいますけれども、岩手県内で自治体の中で英語での発信に取り組んでいる人が増えてきているので、そういう人たちとのつながりを生かしていくとまたいいと思います。
 そして、オリビア リーさんも地元の人にいいところを聞いても何もないというふうに言われるという話をしましたが、これは西條まい子さん、最後のところで「りくたかコンテンツらぼ」ですか、やはり意識して地元のいいところというのを言葉にしていく作業が必要で、地元の住民の人たちは何となくいいなと思って、でも余り意識しないでいいところを受けとめているのでしょうけれども、そこをやはり言葉にして共有し、また発信するということが必要だと思います。
 いわて県民計画基本目標の「お互いに幸福を守り育てる」というところで、「守り育てる」という言葉を使ったのは、ともすれば幸福というのはどこか離れたところにあって、今住んでいる場所を離れて取りに行かなければならないというイメージがあると思うのです。青い鳥の童話のように青い鳥を捕まえれば幸福になると。青い鳥というのは、どこか離れたところ、遠くにいるはずだ、それを探しに行こうといって、住んでいたところを離れるということがあるわけですけれども、青い鳥は自分のうちにいましたよというのがあの話の最後のところで、やはり幸福はまず今既に持っている幸福というのがあるはずで、まず命があるということ自体、もうそれは幸福ですし、そして家族がいるとか、友達がいるとか、自然が美しいところに住んでいる。食べ物がおいしいとか、そういう幸福をまず意識して守って、育てようとしていくと、そして、そこから今までできなかったことができるようになるという、これ、SETで言っていますよね、「やりたい」が「できた」に変わる。この、今までできなかったことができるようになるというのが幸福を育む、育てるという部分で、それで幸福度が高まっていくものというふうに我々県のほうでは理解しています。今までできなかったことができるようになれば収入が上がったりとか、社会的にも様々知らなかったことを学ぶことができるとか、より健康になるとか、幸福度を高めていくことができるので、そういう発想が大事なのだと思います。
 陸前高田市は、SETだけでもすごいのですけれども、ほかにもいっぱい学生や修学旅行、学習旅行生徒を招き入れたり、あと民泊をしたりする人たちがいっぱいいて、観光経営会議ということができるくらい、そういう人たちがいっぱいいるということですよね。何か戦略ということで、10年たつからみたいなところにとらわれていると空回りするというのはそのとおりだと思います。やはり、今あるすごいもの、今ある幸福の材料をまず確かめ合うところから始めていけば、それをより高めるにはどうすればいいかみたいな感じでやると手応えのある作戦を練ることができるのだと思います。
 SETも観光経営会議には参加しているのでしょうか。

木村 聡
 うちの修学旅行の民泊事業部長が行っています。

達増知事
 陸前高田市は、震災前から海水浴で高田松原に来るとか、私も小さい頃よく高田松原に海水浴に来ていましたし、あとはスポーツ合宿で盛岡の強い運動部、クラブは陸前高田で春合宿をするという、そういうのがありましたからね。広田にはもうすぐ県の運動施設を復旧・復興させていきますけれども、陸前高田にはそういうどんどん人に来てもらって、その人たちが幸福になったり、強くなったりという、そういう場であったという歴史もあるので、岩手のそういうところを代表する地域として是非発展していってほしいと思いますし、そうですね、それが陸前高田市だけではなくて、大船渡と住田町も含めてそういう場なのだと思います。
 「みちのくGOLD浪漫」という日本遺産に昔金が採れたということでこの気仙地区が岩手初の日本遺産に選ばれましたし、歴史を遡るといろんなすごいところがある地域ですので、頑張っていただきたいと思います。

高橋室長
 それでは、お待たせいたしました。小宅さん、お願いいたします。

小宅 優美
 先ほども申し上げたとおり、私は今、教育コーディネーターとして、住田高校と地域の連携を模索するというところが一番大きな仕事で担当しています。また、住田高校は、全校生徒が90人で、そのうちの3割が住田町から、そのうち3割が大船渡から、残りが陸前高田からで、残り1割が釜石とか、それから遠野とか、近隣の市町から来ているのですけれども、私が来て、去年初めて岩手県の住民になって仕事が始まって一番驚いたことなのですけれども、釜石から来る子たちは1時間半ぐらいかけて住田高校に通っているわけなのですね、電車とバスを乗り継いで。大船渡のほうも越喜来のほうから来る子たちなんかはそれぐらいの時間をかけて住田まで来ているわけなのですけれども、その子たちがどういうふうなモチベーションとか、どういう理由で住田高校を選ぶかというと、余り積極的な理由で選んでいる子がいないなというのが私の実感でありまして、というのは、皆さん多分肌身で分かるかなと、肌感覚で感じられる方は分かるかなと思うのですけれども、大船渡高校に行けなかったから住田高校を選んだとか、あと、住田高校に来ると給食費が無料だったり、それからバスの通学費が結構高く補助されるのですけれども、そういう金銭的な援助が高校から、町から受けられるから高校を選んだという子が結構多い高校です。なので、仕方なく住高に来てしまったとか、自分は成績が良くないから住高に来るしかなかったという言い方を自分でする子供たちがすごく多いということにまず去年衝撃を受けて仕事をしていました。
 そういう状況を受けて、今活動している柱が大きく3つあるのですけれども、まず1つは、そういう子供たちが本当に私が接すると、とても素直ないい子たちだなと思いますし、自分で卑下すれば卑下するほど自分の能力をどんどん、どんどん下げていってしまっているなというのがとても残念でならないのですけれども、そういう地域とか、大人からのレッテルとか、ラベリングを塗りかえる作業を一つ仕事の柱に置いています。そうなるためには、実際に子供たちが変わらなければいけないだろうとも思いますので、子供たちが多様な生き方をポジティブに選択していけるような環境というものをつくっていきたいなということで、放課後の時間、私は子供たちと接することが多いのですけれども、そこに社会人を招いて気仙の言葉で「かたらっせん」という、語り合おうという会を開いて、本当にお菓子とジュースを置いて、社会人と一緒に会話をするというような時間を設けたりとか、それから、大学生の姿を身近に感じることがほとんどないと思いますので、気仙の子供たちは。大学生を夏休みとか冬休みに呼んで一緒に交流する時間をつくったりということで、生徒が多様な生き方をポジティブに選んでいけるような環境づくりとか、自己肯定感を高めていける環境づくりというものをもう一つの柱にしてやっています。
 地域から高校がどう見られているのかということも去年1年間で自分で探ってきたところだったのですけれども、気仙でいえば、大学に行くなら進学校に、大船渡高校に行こうとか、それから、手に職をつけたければ大船渡東高校に行こうというような、そういう、ある程度のコース分けができてしまっていて、住田高校の選択もなされるという状況なのですけれども、そういう学校の捉え方というものを地域の大人も含めて変えていくようなことができないかということを今考えていました。これはSETの皆さんともお仕事で一緒にしながら議論しているところなのですけれども、住高の子たちは結構福祉関係の仕事とか、保育士になる子たちが多い学校です。

達増知事
 ありがたいですね。

小宅 優美
 はい。そういう子たちがいるという、ボランティアの経験を通じて福祉関係の仕事に就きたいとか、保育士になりたいという子が多い高校なのですけれども、なので、そういう福祉系の人材を育てられる高校というような見方を地域からしてもらうとか、小規模校ですので、かなり先生方からも手厚いサポート受けられるのですけれども、そういうことを欲しい、そういう子のニーズに応えられる高校として地域の方々から捉え直して、捉え返していただけるような環境づくりとか、情報発信というものをしていきたいなというふうなところが仕事の柱です。
 そのための地域との議論の場というものもつくっていきたいなと、どんな子供を育てたいのかということを住田町だけでなく、気仙の皆さんと一緒になったりとか、岩手県全体でどんな子供を育てていきたいのかということを議論する場づくりを地道にやっていくことでいろいろ環境が変わるかなというふうに考えながら仕事をしていると、こういう状況でやっています。
 この場で一つお伝えしたいなと考えていたことなのですけれども、私は福島県出身で、何で住田を選んだかというところなのですけれども、教育コーディネーターという職業が住田町で募集されるということがわかったから住田を選びました。住田に来る前は大学院で研究をしていまして、研究者を目指していたのですけれども、もっと現場に近いところで働きたいという思いがあって、研究テーマと近い教育コーディネーターのような職業を探していたのですけれども、ぴったり合う職業で募集している地域というのはほとんどなくて、住田町とたまたまつながりがあったので、住田を選んだのですけれども、こういうコーディネーターの役割はとても求められているなと感じますし、必要になってくるのではないかなと考えています。なので、コーディネーターを増やす体制づくりというものを住田だけでなく、県内全域でやって進めていただければとても現場も助かるなというふうに考えています。
 日本各地の大学生とか、大学院の中にはコーディネーターのような職業を目指して勉強している子もたくさんいると思いますので、そこら辺でうまく需要と供給が合うといいなというふうに考えているところです。
 ありがとうございます。

高橋室長
 ありがとうございました。
 では、知事お願いします。

達増知事
 小宅さんには非常にいい仕事、有り難い仕事をしていただいてありがとうございます。住田高校、自己肯定感を持ってもらうというのは大事で、住田というところは、私は岩手大学教育学部の附属中学校に行っていたのですけれども、1970年代、学習旅行で住田に行っていまして、住田式農業とその頃言われて、いろいろ稲作だ、園芸だ、あと、畜産、ブロイラーとか、そういうのを組み合わせてやる住田式農業というのが評判になっていて、農業体験しながらというのが当時ありましたし、また、住田というのは森林、林業については、これはもう日本一と言えるので、坂本龍一さんも時々来たりしていた住田町ですからね。そういう全国有数、日本一を名乗れるようなところもあるので、そういうところに生まれ育ち、また、そこで学ぶというのは本当に自己肯定感につながるようにしてほしいなと思います。
 生徒の数がどんどん減り続けている高校は岩手県に幾つかあるのですけれども、それぞれそれをバネにして、改めて地域の中での存在意義を突き詰めて、いろいろ新たなミッションとか、こういうところでこういう人材を育てるのだとか、あと、特色ある活動などを始めたりして、それで下げ止まったりとか、あるいは、県外からも高校生を受け入れるなんていうふうにしているところもあるので、是非そういうのは成功するように持っていってもらえればいいのではないかなというふうに思います。
 保育士さんとか福祉関係の仕事、そういう人材というのは岩手にとっても、また、全国的にも必要とされている人材ですからね、そういう人材を育てるということもすごくいいことだと思いますし、気仙地区、釜石のほうも含めて高校の役割分担みたいなことがあるのだと思うのですけれども、決して学力だけで決まっているわけではなく、そういう将来の方向性とか、あとは高校所在地のそれぞれの良さによって分かれていくというふうにできればいいと思います。

高橋室長
 皆様から一通りテーマに沿ってお話しをいただいたところです。今日は全然出身の違う5人の方にお集まりいただいたのですけれども、日頃のお考えですとか、実際に取り組まれていること、非常に近くて、私も非常に興味深くお話を伺いました。

達増知事
 そういえば、シアトルは私は何回か行ったことあるのですけれども……

オリビア リー
 そうですか。

達増知事
 ワシントン大学に留学していた友達のところを訪ねていって、一緒にオリンピック国立公園、ナショナルパークありますよね。

オリビア リー
 はい。

達増知事
 寒いところの自然から暖かいところの自然まで一度にたくさんの自然を見ることができるという、あそこはすごいいいなと思いました。

オリビア リー
 ありがとうございます。私もとても好きです。

達増知事
 岩手県もあれに似ているところがあって、寒いところの自然から暖かいところの自然まで全部一通りそろっている岩手県ですから、あんなふうに人が大勢来ればいいなと思いましたね。

オリビア リー
 そうですね。私もそう思います。

高橋室長
 まだ予定の時間には若干余裕がありますので、先ほど言い足りなかったことですとか、あるいは、懇談全体を通しての感想等でも構いません。ここからは自由に御発言いただければと思います。
 それでは、くまさん。

佐藤 寛志
 全然言い足りなくてですね、うちでやっている活動の一つで三陸シーウォールフィルムフェスティバルという名前で3年ぐらいやっているのですが、防潮堤で景色が見えなくなってきまして、やっぱり海が見たいという人が多かったのですが、今は全く見えない。どうしてもふさぎ込んでしまう人が多いということで、できてしまったものはもうそれを命を守るものとして受け入れしかないということですが、それにできれば命を吹き込んでしまおうということで、大船渡の海が復活してきているものの映像であったり、イラストを描いてもらったものを3年間映し出してはいるのですけれども、まだルールとか、その法整備というのが進んでいなくて、どうやって誰に許可をとって、どう安全管理をしてやっていけばいいのかというのができていないのです。世界的に見ても、多分アメリカのほうでそういう防潮堤にあったり、あとは噴水に映したりというのはあるのですけれども、これだけの資産というか、防潮堤ですね、どこまでも続くスクリーンというのを持っていますので、そういったものをプロジェクターを借りるのでも結構大変なのですけれども、そういったものが毎年皆さんお盆なり何なり帰ってくるときにたくさんの人に見てもらえるようなものがあったりすれば心の復興にもつながるのではないかということで、今やっております。そこも毎回合同庁舎に行ったり、許可をどうやってとればいいのとか、みんなで今までやったことがないことなので、それをみんなで考えながら進めているところなので、もうちょっと形を整えていければというふうに思っております。
 それに伴ってなのですが、水中写真、私も写真家として活動もするのですが、大阪の海遊館があるのですが、そこで10年ほど水中映像祭というのがありまして、そこで岩手の復活していく水中映像を毎年上映させてもらっていました。それをきっかけに関西の方もたくさんこっちに来られるようになったので、できれば盛岡とか、内陸のほう、もしくは東京のほうとかでもそういった岩手の映像を見せられるようなイベントとか、例えば、高田のほうでもすばらしい写真を撮られる方も多いでしょうし、そういった映像祭とか、イベントというのもできれば開催したいなというふうに思っております。
 あとは、博物館とか、こっちのスーパーマーケットとかでは、私の水中写真で展示とかはしているのですけれども、いろんなところからハイエンドアマチュアの方とか、プロの方とかを呼んで、そういう水中写真コンテストですね、そういったものをやって、是非、知事に知事賞とか、そういったものをいただけるようになればみんなモチベーションが上がるかなというふうに思っておるところです。
 皆さんいろいろしゃべりたいと思うのですけれども、さっきのウニの話で、もうウニいいよと思うかもしれないのですけれども、ウニの殻についても私の実家が花巻でリンゴもやっておりまして、そこに毎年軽トラックでウニの殻を運んで、ウニ殻を与えて糖度が上がるかという実験をしたりしておるのですが、高田もりんご100年の歴史、米崎りんご100年ですね、歴史がありますので、そういったところと連携してウニの殻ですね、産廃にしかならないものという扱いに今はなっているので、生産者たちも本当にその後どうしようと困っています。お金を払って処理するのもあれだし、海に捨てるのも今不法投棄になってしまうので、駄目なのですが、青森とかほかの県では肥料として使ったりもしていますので、そこも道筋をうまくつけられれば非常に助かるなということで、地元の人たちからの声が出ています。
 あとは、行ったり来たりで済みませんが、地元で、大船渡で今、まちもり大学といって一般の学生から大人まで出る大学というものをつくってやっているのですが、そこで話が出るのが防潮堤、映すだけではなくて、ボルダリングとか何かそういうスポーツに使うのは難しいのでしょうかということを毎回テーマに上がったりしますので、そこも安全管理面やらいろいろあると思うのですが、もしスポーツやら何かいろんなイベントに活用できるのであればそういうルールづくりとか、そういったものを欲しいなというふうに思っております。
 あとは、人材育成ということで、世界レベルのダイビングのインストラクターとかガイドというのを育てるために、今は若い子はもう10代から20代、30代、40代までの人たちを私が修業したアジアのほうに連れていってインターンをさせたりして、こっちに帰ってこさせてこっちのダイビングを発展させようとしたりしておるのですが、そういったところで何かうまい提携先というか、育てる方法ですね、私一人だとどうしてもうまくできないところもあるので、そういったところもどこか提携先とかそういうのがあればと思います。
 なぜなら、私自身、実はタイのほうでも修業しておったのですが、パンガー県というところ、プーケットの近くですね、パンガー県のタクアパという町があるのですが、そこら辺はスマトラ津波のあったところなのですが、私もあそこにおりまして、復興経験がある場所なのですが、10年たったときに人口の増減が実は200%ということで、2倍に増えた場所であります。道も大きくなって、町もどんどん大きくなって、人もどんどん、どんどん世界中から集まってくる場所なのですが、そこから学んだこともたくさんありまして、そこに連れていって、こっちの浜の連中を現実を見させて、こうやって200%になるところもあるのだよということで見させているところもやっています。なので、人材育成ですね、世界に通用する人材をここで育てようと思って、やっておるところなので、そういったものに対してのアドバイスとか、そういったものを教えていただければというふうに思います。

木村 聡
 質問とかでもいいですか。

高橋室長
 はい。

木村 聡
 ありがとうございます。僕ちょっとお三方に伺いたかったのですけれども、小宅さんの話でラベリングを変えていくという話があったじゃないですか。僕も超大事なことだなと思っていて、高校生のラベリングもそうですし、それこそこの町に来ても「何もないべ」みたいに言う方々の町とか自分に対する自己肯定感というのはどうやったら上がっていくのか、すごく興味があるのです。多分幸せにもつながると思うのですけれども、トライしていることでもいいので、実際はどんなこととかを今取り組んでいらっしゃったりするのか伺えたらと思っているのですが、何かあったりしますか。

高橋室長
 いかがですか、はい。

小宅 優美
 まず、私は高校生の自分に対するとか、地域に対する捉え方を変えるというところでは、私自身が住田に住むということが彼らにとっては一種驚きになるというか、住田は結構移住者が多い町なのですけれども、積極的にそういう移住者の皆さんと交流する機会を持って、楽しい町なのだとか、気仙も含めて楽しい町にみんなは生きているんだよとか、こんな大人もいるんだよということをできる限りたくさん紹介して、彼らの意識を変えていこうというふうに考えています。
 最近だととてもプライベートなことで恐縮なのですけれども、私は狩猟免許を最近取得して活動しているのですけれども、おじいちゃんだけがやる猟友会というイメージを私自身も学びながら、それを生徒に伝えてこんなことがあるのだと、ただ山だけの町ではないよということを生徒には伝えるように心がけてやっています。

高橋室長
 西條さんのほうから。

西條 まい子
 そうですね、その地域の人の自己肯定感を上げるという意味では、やっぱりもうとりあえず表に出てもらう。去年やったのは、紙の高田の観光パンフレットを新しくつくるときに地域の人に登場してもらいました。気仙の人たち皆さん共通かもしれないですけれども、表に出るのをすごく嫌がる。でも、本当は出たいんじゃないかな、どうだろうと、その辺のやりとりがすごくとても重要なのですけれどもね、通って何回もアタックしたりとか。今進めているのは、今度はホームページをリニューアルするので、そこはさらにまた一般の住民の方で、お仕事をもう辞められているとか、でも、実はすごくいろんな地域のことを知っている方たちにアタックをして、出てきてもらって、自分の言葉とかで、その高田のことを紹介してもらいたいなと思っています。

高橋室長
 オリビアさん。

オリビア リー
 少し例なのですが、来週英会話を行いますが、そちらで観光案内のことを練習しながら、特に大船渡の好きなことを紹介してもらいたいと思いますが、そちらにも例えば、この辺に住んでいるALT、英語の先生たちに声をかけて、例えば、来てもらって、大船渡に住んでいる参加者たちには外国人にも大船渡の好きなところを紹介してもらいたいと思います。例えば、好きなところが出てこないときには会話を頑張って進めて、例えば、こちらで大船渡のパンフレットも出したりする予定ですので、そうやって少し考えてもらう形にしたいと思います。

高橋室長
 大体予定の時間になってしまうところなのですけれども、最後にどうしてもこれだけはという方いらっしゃいますか。

佐藤 寛志
 済みません、内陸からとか海外から来られる方って、交通機関が気仙地域は一番ネックになっているのですけれども、皆さん何か対策とか考えられていますか。うちのほうだと三陸鉄道で来られたりとか、旅行で潮風トレイルとか歩かれるのですけれども、どうしても坂道が非常に多かったりして、自転車は難しいですし、何か、ゴルフカートとか、そういった実証実験とか、そういうのがあればいいのかなと思ったりもするのですけれども、高田のほうとかはそういうものは考えられていますかね。

木村 聡
 いいですか、ちょっと地域交通は少し興味があるので。来てもらうことに関してはどうなのだろうな、ちょっとインフラの規模が大きすぎて僕ができることではないのですけれども、地域内の交通に関して言えば、自転車を配備すること、あとは、ちょっと実験的ではあるのですけれども、自分たちの自腹で電動キックボードを使ったりしています。これ結構面白くて、僕も移住者の一人ですけれども、車を買いたいとかという欲よりもみんなでシェアで十分なので、余り自分の車を持ちたいという気持ちはないのです。でも、一方で電動キックボード1台あればビューンと町内だったら自由に回って、バスにパコンと折りたたんで乗れるみたいな、何かこれからちょっと今はやりではありますけれども、いろんな交通機関を混ぜ合わせていくというのが大事らしく、バスと車と自転車と電動キックボードと、それこそゴルフカートとかというので、町内の交流をしやすくすると、一度バコンと来てもらえれば、その後それぞれが自由に、町の人と交流できるようになるのかなみたいなのをちょっと考えたり、あとは実験したりしています。

佐藤 寛志
 それと、入ってきたときの入り口ですね、バスで高速バス、夜行バスで来られる方も多いのですけれども、着いたときに別に周りに何もない。カフェの一つもないし、朝御飯も食べる場所もなかったり、出発するときも周りに何もなかったりするので、そういうターミナルというか、そういう場所がもしあればもっと人を呼びやすいのかなというふうにも思ったりします。

高橋室長
 時間ですので、よろしいですか。

知事所感

高橋室長
 最後に、知事からお願いいたします。

達増知事
 今日は情報量も多く、非常に参考になりました。また、それぞれの今やっている活動が大きな可能性を広げる、そういうことを力強く進めていること、大変ありがたいなと思いましたので、これで終わりではなく、このメンバーでまたこういうふうに集まるかどうかはわからないですけれども、これも縁なので、何かあれば県のほうにもどんどん言ってきてほしいですし、また、今日集まってもらったメンバー間のいろんな協力を進めると、またいろんなこともできるのではないかとも思いますし、この調子で頑張っていきましょう。ありがとうございました。

閉会

高橋室長
 
今日はもう時間いっぱいまで貴重なお話をたくさんいただきまして、本当にありがとうございます。
 以上をもちまして、県政懇談会「いわて幸せ作戦会議in大船渡」を終了いたします。

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