「いわて幸せ作戦会議in一戸」(平成31年4月18日 二戸地区)

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ページ番号1020643  更新日 令和1年6月19日

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日時
平成31年4月18日(木曜日)10時40分から12時00分まで

場所
御所野縄文博物館 2階 会議室

出席者

  • 参加者(敬称略)
    小保内 敏文(一般社団法人カシオペア青年会議所 第49代理事長)
    高田 将洋(農業青年クラブ「カシオペア4Hクラブ」 会長)
    清藤 望(北日本通信株式会社 現場技術員)
    佐藤 佑佳(株式会社エフエム岩手九戸支局 パーソナリティ)
    後藤 宗一郎(特定非営利活動法人いちのへ文化・芸術NPO 学芸員)
  • 県側
    知事、県北広域振興局副局長、秘書広報室長

開会

高橋室長
 ただいまから県政懇談会「いわて幸せ作戦会議in一戸」を開催いたします。
 皆様にはお忙しいところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 今日は、「若者が元気を創出するふるさとカシオペア連邦」を懇談テーマとして、この二戸地域で観光や農業、若者交流活動など、様々な分野で地域の活性化に取り組まれている方々にお集まりいただいております。
 私は、進行役を務めます県の秘書広報室の高橋と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

知事あいさつ

写真:懇談会の様子1

高橋室長
 それでは、開会に当たりまして達増知事から挨拶申し上げます。

達増知事
 皆さん、おはようございます。工藤誠議員もどうもありがとうございます。
 県政懇談会「いわて幸せ作戦会議in一戸」ということで、今年度からこの県政懇談会に「いわて幸せ作戦会議」というフレーズを使うようになったのですけれども、これは今年度新たにスタートした県の総合計画、いわて県民計画(2019~2028)の基本目標に、「東日本大震災津波の経験に基づき、引き続き復興に取り組みながら、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわて」というふうにありまして、この基本目標からお互いに幸福を守り育てるということを具体的にどうやっていくのかという一種の作戦会議的にいわて幸せ作戦会議というふうにしたところであります。
 一方、県の観光キャンペーン「いわて幸せ大作戦!!」というものがJR東日本との連携の下に始まっていまして、大きな駅には、あるいはSL銀河の前のところなどに「いわて幸せ大作戦!!」というコピーが張ってあったりもします。この県北地域、カシオペアエリアは、カシオペアという名前に象徴されるように広域連携が昔から進んでいるところでありまして、多様な地域資源があり、高速道路も通って、新幹線も通ってということで、恵まれた条件もあるのですけれども、一方、岩手の中でも人口減少や高齢化が早目に進んでいるというようなところもあり、更に地域資源を生かした地域振興をもう一段飛躍させていくような工夫が必要なところだと思います。
 ちょうど今、二戸市内では「北いわて産業・社会革新ゾーンプロジェクト」キックオフ記念講演会ということで、いわて県民計画(2019~2028)に盛り込まれている北いわて産業・社会革新ゾーンプロジェクトの元ネタになっているプラチナ社会構想というのを提唱し、そのプラチナ社会協議会の会長になっている元東大総長の小宮山宏先生という人に講演会をやってもらっているところでもあり、年度の初めからこの北岩手での地域振興を力強くやっていきたいということで、豪華なメニューの一環として、今日の県政懇談会もありましたので、どうぞよろしくお願いします。


高橋室長
 それでは、この後の進め方についてですけれども、まず私から御出席の皆様方を御紹介いたします。その後にお一人ずつ自己紹介をお願いいたします。その後、本日のテーマに沿ってお話をいただきますが、お二人のお話があった後に知事がコメントするというような形で意見交換を進めていきたいと思います。そして、最後に自由懇談の時間も設けたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、お手元の座席表に沿って、本日御出席の皆様を御紹介いたします。
 一般社団法人カシオペア青年会議所第49代理事長、小保内敏文さんです。

小保内 敏文
 よろしくお願いいたします。

高橋室長
 よろしくお願いします。
 農業青年クラブ、カシオペア4Hクラブ会長、高田将洋さんです。

高田 将洋
 高田です。よろしくお願いします。

高橋室長
 よろしくお願いします。
 北日本通信株式会社現場技術員の清藤望さんです。

清藤 望
 清藤です。よろしくお願いします。

高橋室長
 よろしくお願いします。
 株式会社エフエム岩手九戸支局パーソナリティー、佐藤佑佳さんです。

佐藤 佑佳
 佐藤です。よろしくお願いします。

高橋室長
 よろしくお願いします。
 特定非営利活動法人いちのへ文化・芸術NPO学芸員、後藤宗一郎さんです。

後藤 宗一郎
 後藤と申します。よろしくお願いいたします。

高橋室長
 よろしくお願いします。
 県からは達増知事、県北広域振興局の松本副局長です。
 また、今日は岩手県議会から二戸選挙区選出の工藤誠議員にお越しいただいておりますので、御紹介いたします。
 皆様のお手元にお菓子と飲み物を準備しておりますので、どうぞ召し上がりながらこの後懇談いただければと思います。
 今日のお菓子を紹介いただきます。

松本副局長
 本日御用意いたしましたお菓子は2品ございまして、1品目は奥中山高原 結カフェで昨年4月から販売されております一戸町のイメージキャラクターで、どんぐりの妖精「ごしょどん」と「ごしょたん」を型どった「ごしょどんクッキー」でございます。奥中山高原 結カフェは、平成19年に一戸町のコミュニティービジネス支援事業を活用して開店し、平成20年からは就労継続支援B型の福祉事業所として営業されておられます。茶色のクッキーが「ごしょどん」でココア味、肌色のクッキーが「ごしょどん」の息子「ごしょたん」でプレーン味、緑色は、結カフェオリジナルのどんぐりのキャラクターで抹茶味となっております。原材料に奥中山高原牛乳を使用し、1枚1枚丁寧に焼き上げた無添加で、手づくりのクッキーでございます。
 もう一品が創業55年の一戸町の老舗菓子店の北舘菓子舗さんの「くるみもなか」です。これは、二戸地域ではよく食べられているクルミをもなかにしたお菓子でありまして、先代から作り続けられている伝統の銘菓です。練り上げた白あんの中に粗く刻んだくるみがたっぷり入っており、コシのあるあん、くるみのざっくりとした歯応えが食べ応え十分の一品となっております。

高橋室長
 ありがとうございました。クッキーをいただきます。

達増知事
 「くるみもなか」は、くるみが入っているのですね、これは。グッドアイデア。

後藤 宗一郎
 
このサイズのものは、実はこの博物館にしか置いていないものなのです。これよりもう一回り大きいものが、それこそ盛岡駅ですとか、そういうところに置いてあるのですけれども、御所野用にということで、ちょっと小さ目に、食べやすいサイズに調整させていただいております。

松本局長
 これも博物館様からお気遣いありがとうございます。

後藤 宗一郎
 お手元の懐紙は、こちらのほうで作成させていただきました。

懇談

写真:懇談会の様子2

高橋室長
 それでは、懇談に入らせていただきます。
 最初に、お一人2分程度で自己紹介をお願いいたします。お話しいただく順番は、小保内さんから順にお願いします。
 それでは、小保内さん、お願いいたします。

小保内 敏文
 
昨年、一般社団法人カシオペア青年会議所で理事長を務めさせていただいておりました小保内敏文です。私は、2012年に家業の一般廃棄物収集運搬業を継ぐために東京から生まれ故郷である二戸市へ戻ってまいりました。東京では約10年間、芸能事務所で歌手のマネジャーをしておりました。

達増知事
 あっ、そうですか。

小保内 敏文
 はい。2012年に、戻ってきた年にカシオペア青年会議所に入会し、様々な事業を通しまして地域の皆様に、より郷土愛を育んでいただけるよう活動しております。
 家業の一般廃棄物収集運搬業を継ぐために戻ってきたわけですけれども、帰ってきた際には従業員の平均年齢が50代半ばという非常に苦しい状況でございました。現在は、地域、会社を元気にするのは、年配者の技術の継承、あと知恵の継承を次代を担う若者につなぎまして、かつベテラン社員、若者がともに働きやすい会社環境を整えていくことに努めております。今平均年齢は40代前半まで下がってまいりました。
 本日はよろしくお願いいたします。

高橋室長
 ありがとうございました。
 高田さん、お願いいたします。

高田 将洋
 カシオペア4Hクラブ会長の高田と申します。私は、2012年にUターンして戻ってきまして7年目になります。高校卒業後、プロボクサーになりたくて、大学に行くということで上京しまして、夢を追いかけたのですけれども、けがをして断念しました。その後、フィットネスインストラクターの仕事に縁がありまして、約10名から100名ぐらいの前で常に動きながら、音楽に合わせてしゃべりながら指導するというようなことをやっておりました。ちょうどそうやっていたときに東日本大震災がありまして、親元を離れていたのですけれども、私、長男ということで、何かあったときに近くにいないとやっぱりお互い助け合えないなということで、1年後の2012年に戻ってまいりました。現在は、家業のブロイラーの農場経営を継いでおりまして、それと同時に若手農家の地域活動というのも行っております。
 それから、最近はあいた時間にカーリングにはまっておりまして、詳しくは後々お話ししたいと思うのですけれども、自分も競技者として上を目指すというところ、プラス地域にカーリングというのを浸透させて、皆に楽しんでもらおうというところの普及活動というのも同時に行っております。後半そういったところを詳しくお話しできたらと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

高橋室長
 ありがとうございます。
 それでは、清藤さん、お願いいたします。

清藤 望
 私は、生まれも育ちも軽米町なのですけれども、今は軽米町役場の事業の自主放送かるまいテレビ制作業務をお手伝いさせていただいております。十三、四年ぐらい前になるのですけれども、カシオペアFMでパーソナリティーをしていたときに音源の編集などの経験がありまして、それを知る周囲の方から勧められたこともあり、今の仕事に就いております。
 今の仕事は、イベントとか行事をメインに動画撮影をして、ニュース風に編集をしまして、町内全域に放映するというようなニュース形式の番組と、イベントを1時間以内でダイジェストでお知らせする番組をつくって放送しております。最初のころは、全然チャンネルを合わせてくれる人が少なかったのですけれども、いろんなコーナーを増やして放映している中で、今ちょうど7年目になるのですが、「見ているよ」と言ってくれる人とかが増えたので、ちょっと良かったなと自分では思っています。
 地域活動としては、町内の地区対抗のスポーツ大会に参加したり、あとはバンドを組んで3回ほど地域のイベントに出演させていただいたり、あと市民文士劇にも参加させていただいて、最初の平成25年、去年で4回ほど出演させていただきました。
 よろしくお願いします。

高橋室長
 ありがとうございました。
 それでは、佐藤さん、お願いいたします。

佐藤 佑佳
 エフエム岩手九戸支局でパーソナリティーをしています佐藤佑佳といいます。私は、生まれは実は岩手県ではなくて、兵庫県明石市の生まれなのですけれども、小学校からは二戸市のほうの小学校に通って、高校で不来方高校に進学しました。今の仕事をする前までは、ずっと東京で接客業をしていて、全く情報という部分の仕事には関わってはいないのですが、ちょうど東日本大震災の年に岩手に帰ってきまして、子育てをしながら岩手で一緒に過ごしていたのですが、そのときにエフエム岩手のお仕事に御縁をいただきまして、今のお仕事をして、ちょうど4月で4年目になります。
 私たちの仕事というのは、私は九戸村から委託を受けて、村の情報発信をラジオの電波を通して発信するというお仕事をしています。やっぱりラジオなので、今まで自分で情報を得る際にはどうしても映像とともに情報が入ってくるという社会の中で、音だけで情報を伝えるというところを勉強させてもらいながら、今このお仕事をさせていただいています。
 そして、地域活動としましては、先ほど清藤さんもお話しされていましたとおり、二戸市民文士劇のほうにも、前回の公演合わせて2回ほど出演させていただきました。この活動を通して地域のつながりというのが、私は今九戸村で勤めているのですが、住んでいるところは一戸町なので、ほかの地域とのつながりというのが生まれるいい機会だなと思いながら参加させていただいています。
 あとは、九戸政実武将隊というのがあるのですが、そちらのおもてなし隊員ということ、殺陣はできないのですが、おもてなし隊員という形で、そちらのほうで地域の英雄、九戸政実をPRしようという活動も行っています。こういう御縁をいただいて、今二戸地域以外でも舞台、演劇のお話をいただいて、今度6月にも二戸市民文士劇の仲間と一緒に盛岡で公演する機会もいただいています。
 あとは、カシオペアブランド推進協議会という会がありまして、その会でも広報活動の広報部会に所属して、この地域の宝を発信して伝えていこうという活動を行っています。

高橋室長
 ありがとうございました。
 それでは、後藤さん、お願いいたします。

後藤 宗一郎
 実は僕も出身がここではなく、群馬県高崎市の出身でございまして、高校までは高崎におりました。小さなころから実は宮沢賢治が大好きで、是非、宮沢賢治のいた岩手県で勉強したいと思いまして、実は岩手大学を受けたのですが、落っこちてしまいまして、盛岡大学に進んだといういきさつがございます。盛岡大学で仏像、仏様の研究ですとか、あとはほかにも日本文化論といったのを専攻しておりまして、そちらのほうで南は江刺から北は二戸まで、ちょっとほうぼうをめぐって仏様の身体測定をするというようなことをやっておりました。
 卒業してから、こちら一戸町に縁がございまして、専門外ではあるのですけれども、御所野縄文博物館の学芸員という形でちょっとお世話になっております。今年6年目になるのですけれども、縄文はやはりちょっと門外漢でありまして、毎日が勉強の連続、恥の連続というようなところで、日々勉強させていただいております。
 それで、ここに入ってからは、一番の業務の中核となるのは御所野遺跡の世界遺産登録に向けての作業というのが主な仕事になっておりまして、そちらに関しての事務作業もそうなのですけれども、それ以外にも地域の子どもたちですとか、そうした方々を対象にした体験メニューの構築ですとか、そちらの実施ともどもというのをやっておりまして、そうした対応もしております。
 今日は、専門でありますそうした文化の力、特に東日本大震災以降、文化の力というのが非常に重要になってきておりまして、特に沿岸なんかでも虎舞で地域コミュニティーの結束を図るというような形で、非常に文化の力というのが重要視されております。そうした文化の力、強みというものを生かせるような活動をしていければいいのかなと思いますし、今回の懇談会もそのような形でお話をさせていただければいいかなと思っております。
 今日は、何とぞよろしくお願いいたします。

高橋室長
 よろしくお願いします。
 皆さん、ありがとうございました。それでは、自己紹介をいただいたところで、ここからは今日のテーマ「若者が元気を創出するふるさとカシオペア連邦」に沿って、現在の取組や課題、今後の方向や御自身の抱負、また県への期待なども含めてお話を伺います。先ほどの順番で、小保内さんから、今度はお一人5分程度でお願いいたします。
 お二人からお話をいただいた後に、知事からコメントをいただくという形で進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、初めに小保内さん、お願いいたします。

小保内 敏文
 テーマが「若者が元気を創出するふるさとカシオペア連邦」ということですので、カシオペア青年会議所、どのような活動をして、このテーマに寄り添うような運動をしているのかというのをちょっと御紹介できたらなと思っております。
 昨年、理事長をさせていただいている際に取り組んだ事業を説明させていただきたいなと思うのですけれども、地域に様々な青年団体がございますけれども、それぞれの青年団体は安心して住み続けることができる地域づくりをしたいという志のもと、お互いに活動しているところでありまして、それが共通点だなと思っておりまして、人口減少や事業継承の問題などによりまして会員とかも少なくなってきている中で、各々で取り組んでいくとなかなか大変なことが起こってくるというところで、昨年はカシオペア青年会議所、二戸市商工会青年部、二戸法人会青年部と共催という形で事業を行いました。その事業の例としましては、二戸市総合計画を改めて熟知する研修会というところを開催いたしまして、市の職員の方にお越しいただきまして勉強するという機会を設けました。また、その懇親会の場で、お互いにどのような活動をしているのかということを理解することで協力し合えることがあるのではないかということを模索しまして、本年度もともに歩んでいこうというところで活動しているところでございます。
 また、カシオペア青年会議所の長年続けている継続事業で二戸まつり前夜祭というものがございます。12年前から開催しておりまして、この事業は地域、団体からの補助を受けずに続けている事業でございまして、地域の皆様からの募金、企業様からの協賛金というところで活動している中で、企業様からの協賛金の割合が非常に大きく活動してきたわけですけれども、事業所の閉店だったりとかというところでなかなか難しくなってきている。ただ、二戸まつり前夜祭というのは、打ち上げ花火があったりしますので、子どもたちに対して記憶に残るまちというところで、何としてでも続けたいというところで、しかも補助をいただかないというところがございますので、昨年の取組としまして地域の商店、商売されている事業所などに花火の球の側だけの募金箱をつくりまして、それはそれまでもやってきたことなのですけれども、そこに地域の保育園の児童の皆様に絵を描いていただいたり、張り絵をしていただいたりすることをしまして、そういうことがメディアにも取り上げていただいたことによりまして、協賛金と募金の割合が、大分募金の方が増えてきたと。協賛金が減っていく中で、地域の皆様の御理解の下、事業をしていくためには工夫をして、事業をする意義とか分かっていただけるような取組というのが非常に大事だなと思いまして、昨年は取り組ませていただきました。
 あと、最後に1つ御紹介しようと思うのですけれども、北岩手、アパレルが、非常に製造業の方が強いというところがございますけれども、そのことというのは様々な事業が近年行われておりますけれども、青年が実際は知っているのかというところがありまして、いいものはつくっているけれども、例えばちゃんとスーツの着こなしとかというところも格好よくいったら面白いのではないかと。事業を始めるきっかけといたしまして、私は二戸市の福岡高校出身でございまして、3年間学ランで、中学校も学ランで、東京に行ったときに、ネクタイが結べないことに気付いたのです。でも、そういうことというのは、教えていただかないとなかなかきっかけというものがないので、まず自分たちがそういうことを、もう一度フォーマルな着こなしだったりとかというのを覚えた上で、後々に高校への出前学習とかをやっていきたいなという先を見まして、そのような取組をさせていただいておりました。
 簡単ではございますけれども、以上というところでお願いいたします。

高橋室長
 ありがとうございました。
 それでは、高田さん、お願いいたします。

高田 将洋
 私からまず2つ、ブロイラーについてとカーリングについてお話しさせていただきたいと思います。
 まず、ブロイラーについてなのですけれども、一番最初に申し上げたいのはインフルエンザ対策です。県の職員の皆様には、会うたびに「調子どう」とか、あと「ちょうど今日そういうインフルエンザ対策の会議あるよ」みたいなことを、ちょっとした会話の中でおっしゃっていただいて、すごくそういうふうにサポートしていただいているおかげで私たちが仕事をできているというところがありますので、本当に感謝申し上げたいと思います。
 おかげさまで、二戸市のブロイラー生産量が市町村別で全国1位になることができました。なかなかふだん本当に鳥何万羽見て、管理しているというところに集中しがちなのですけれども、外から1位になったよというのが聞こえてくると、ああ、自分のやっていることがそういうふうな全国に誇れることなのだなというのに気付いて、本当に仕事のやりがいを感じています。やっぱり普通の人からすると、ちょっと鳥くさいですし、ほこりも出るし、生き物を育てるのは誰もやりたくないことだと思うのです。でも、やっぱりそういう産業があるからこそ、この地域が成り立っているというのもありますし、もちろん皆さんがおいしく食べられるというのがありますので、そういったところを自分もやっぱり悩むことはありますけれども、たまに聞こえてくるいいことというのを励みにしながら、そしてあと県の方たちにもすごくサポートしていただいているということを、心強く思いながら仕事をしております。
 やっぱりこれからどんどん、今農場とかも増えておりますけれども、そういう環境に配慮しなければならないというところは課題でもありますし、あと県南では広い地域があって、米とか、すごく育てやすいのですけれども、二戸は中山間地域で、そういうのにはなかなか適さないと言われているところなのですけれども、ブロイラーにとっては涼しくて、山に囲まれているので、公害というのも少ないというところで、そういった特徴を生かしながら、もっとブロイラー産業を発展させていけたら、地域の特色としても更に強みになるのではないかと思っております。
 それから、もう一つの課題が若手農家についてなのですが、やっぱりブランド化というのに個々に取り組んでいて、県の方々にもすごくサポートしていただいているのですが、その反面個人でやるというところがだんだん強くなってきて、地域として何か取り組むということとか、農家が今自分たちの地域をどうしたいかという方になかなか考えが行っていないのかなというところを感じています。そういったところで、地域活動に参加する人たちの数が少なくなってきたりとか、そういうのは別に俺は興味ないから、やっても意味ないからという感じで断られることも多いのですけれども、やっぱり自分たちがこの地域に住んでいる、そこで仕事をしているという中で、いろんな人と関わらなければ生きていけませんし、そういった一つ一つのつながり、自分たちがやっていることのブランドを伝えるという一つのきっかけにもなると思いますので、そういったところも自分の仕事だけではなくて、地域に貢献する、手伝うということがもう少し価値を私自身としても伝えていたらいいなと思っております。
 それから、カーリングについてなのですけれども、昨年11月に初心者向けのイベントを行わせていただきました。ちょっと画像があるのですが、「はじめてカーリングフェス2018」というので、オリンピック選手を招いて初心者向けのイベントを行わせていただきました。子どもたちがすごくたくさんいるのです。午前と午後で定員80名だったのですが、100名近くの方に参加していただいて、すごく盛況に終わることができました。
 これを始めたきっかけというのがありまして、20年前に長野オリンピックの選手が二戸に来て、こういう感じで教えてくれました。ここに私もいて、オリンピック選手のすごさを間近に感じたというのがすごく強いものがあって、たまたまそういう中で市の方たちとかと何かこういうカーリングのイベントをやってみないかみたいな話をいただいたので、ちょっと運命を感じまして、やっぱり自分の当時感じた思いを今の子どもたちにも伝えて、地域盛り上げていけたらなと思って行わせていただきました。
 カーリングのいいところというのは、まず小さい子どもから大人、それからシニアの方まで、誰でもまず1時間とか練習すれば投げられるようになって、試合までできてしまうという取り組みやすさというのがあります。
 そして、更に上を目指そうと思えば、今からでもどんどん、初心者からでもやれるという、ほかの競技と違って意外と歴が浅くても世界では上に行っている選手もたくさんいるので、そういった可能性というところが2つ目にあります。
 そして、カーリングはすごくコミュニケーションが必要なのです。細かい投げ方とか、どのぐらいアイスが滑る、滑らないとか、そういう声かけをお互いしないとなかなか勝てないというところがありまして、コミュニケーションをとる練習、そしてあと人が分かるのですね、その人の性格というのが、チームをやっていると。この人は怒りやすいなとか、失敗したらすぐへらへらするなとか、決まったらすごく乗るタイプだなとか、そういう意味で人の性格というのがすごく分かるので、そういうのを生かして出会いの場として、いろんな相手を知るという場としてすごくいいのかなと考えておりまして、そういったところで婚活ではないですけれども、そういう若者の出会いの場を創出するというところのきっかけにも一つ使えるのではないか……

達増知事
 カーリング選手同士で結婚している有名な実績がありますよね。

高田 将洋
 すごく多いですよね。二戸でもすごく多くて、私自身もちょっといろいろ今お世話になっているところがあるのですけれども。

達増知事
 そうなんだ、いいですね。

高田 将洋
 はい、すごく楽しくやっています。
 あとは、競技としての面と、あとはカーリングのどこでもやれるわけではないという特徴があって、二戸は23年ぐらい前にカーリングがスタートしたのですけれども、そのとき東北に全然やれる場所がなくて、二戸と言えばカーリング、カーリングと言えば二戸みたいな感じで浸透しました。そういったところを二十数年積み重ねてきたので、今はやりに乗ってみんなカーリング、カーリングとなっていますけれども、私たちには二十数年の歴史が、積み重ねたものがありますので、それを生かして、二戸の特徴としてカーリングを観光とか、あと海外から来る選手の誘致とか、インバウンドとかという部分も含めながらやっていけると、地域としてカーリングをやっている人たちのためだけではなくて、地域のためにお金を回すというところにもつながっていくのではないかなと思っておりますので、今後そういった活動も引き続きやっていきたいなと思っております。
 ちょっと長くなりましたが、以上です。ありがとうございます。

高橋室長
 それでは、知事お願いいたします。

達増知事
 小保内さんは、カシオペア青年会議所の理事長として去年の活動のお話をしてくれましたけれども、他の地域の青年団体と連携するというのは、私も一度カシオペアの青年会議所と4つかな、団体共催のシンポジウムのパネルディスカッションに出してもらったことがあり、進んでいるなと思っていました。人口減少とか、事業承継とかで会員が少なくなって、必要に迫られてというところもあるということなのですけれども、ピンチをチャンスに変えるということで、必要に迫られつつ、やはりそういう連携をやることで、ほかでやれないことがやれるようになったりしますから、すごくいいのではないかと思います。
 二戸まつり前夜祭も、やはりピンチをチャンスに変えるような工夫で募金を伸ばすなどというのは、大変いいと思います。
 アパレルも、知る人ぞ知るのアパレル産業なので、それをどう開いていくかということで、県もファッションショーをやったりとかしてみているわけですけれども、高校生とかに直接伝えられるようになっていくと非常にいいと思います。
 そして、高田さんはブロイラーとカーリングということで、ブロイラーは花巻市長さんが言っていましたけれども、花巻市、米が結構とれて、雑穀にも力を入れているけれども、農業生産額全体からすると二戸市のほうが上で、それはやっぱりブロイラーのパワーが二戸市はすごいという話を花巻市長さんがしていたのを聞いたことがありますけれども、県としても都道府県で比べても東日本最大、日本でも3位につけていて、1位、2位を狙えるポジションにいますので、やはり鳥、チキンの岩手というふうにしていきたいと思いますので、頑張りましょう。
 カーリングも、二十数年の歴史、そして自分が子どものころの体験に基づいてこういうことをやるといいのではないかというのは、非常に地に足がついていていいと思います。成功したということで、是非このカーリングをさらに、次世代にも伝えていってほしいと思います。
 婚活効果があるというのは、なるほど、改めて気が付きましたので、これはいいと思いますね。
 去年は平昌オリンピックで、冬のオリンピックがあるごとにカーリングというのは認知度が高まっていき、去年は「そだねー」というのが流行語になりましたけれども、それだけ選手間のコミュニケーションが盛んに行われているから、そういう相づちみたいな言葉が流行語になるというのは、やっぱりカーリングの特徴なのだと思います。次の冬のオリンピックは北京、3年後北京で、中国ではウインタースポーツ人口がものすごく伸びているそうですね。スキーやる人が増えたり、スケートをやる人が増えたり、多分カーリングやる人も増えるのでしょうけれども、カーリングやれる場所というのは世界中、国の中にそんなにないですから、インバウンドで来てもらうというのにもいいと思います。ヨーロッパ、アメリカの人たちも、やりたい人たちいるでしょうし、アジアのほうからもどんどん来てもらうチャンスだと思いますので、県もそういったところも一緒にやっていきたいと思います。

高田 将洋
 ありがとうございます。

高橋室長
 それでは、清藤さん、お願いします。

清藤 望
 私は、仕事をしている中で感じたことをお話しさせていただくのですけれども、町内の中なので、ちょっと規模は小さいのですが、町内の中でも反対側の地区の取組が、反対側の地区では分からないというようなことが撮影をしていて多くあるなと思いました。知っていてもあまり興味がなかったり、中身を知らないので、その会場に行くという選択肢を持たないというか、そういうことが多いなと思いました。撮影で現場に行ってニュースを放送するのですけれども、それを見て次の年に参加したという声とかも聞くので、ニュースとして町内でも流すことはとてもいいことだなと思って、仕事をさせていただいております。
 それから、私の通勤ルートで、小学校の駐車場が見える場所を通るのですけれども、児童の下校が早いときとか、あとは駐車スペースに車がないときは、今日何があったのかと思うのですけれども、結構距離が近くても何をやっているのかというのが分からないので、そういうときにはニュースで取り上げられれば、あのときはこういう行事をやっていたのだというようなところから、地域の人としては親近感を持って見守りにもつながるような感じがして、町内でのそういう小中高校の行事、また地域の小さい行事でも、これからも取り上げていきたいなと思っています。
 それから、告知をする場合などでも、かるまいテレビは二の次にされてしまうので、結構情報が入ってこない時期があったのですけれども、どんなところから注目をするのかというのは人それぞれ違うので、一つの形式ではなくて、いろんな形式で、例えばお知らせ版広報で、テレビ、ラジオというような形で、同じことでもいろんな情報ツールを使って発信することはすごく大切だなと思いました。情報を流していない課は、是非連絡をお願いしますということで、軽米町役場内でも声をかけているところです。
 撮影現場に行って楽しんでいる姿、あとは元気な姿とかを映していると、テレビで見ている側も若さとか元気、明るさをもらえると思うので、そういうものも一緒に発信していきたいなと思っています。
 それから、ニュースのほかに、個人の趣味を取り上げて、自画自賛みたいなコーナーをつくっているのですけれども、出演される方は私なんてとよく言うのですが、その人が好きでやっていることなので、結構立派な作品ができ上がっていたりとか、持っている信念みたいなものや、その人の軌跡みたいなものが感じられるので、撮影をさせていただいていると、毎回この人すごいなと思うのですけれども。普通のニュースでは取り上げられないような人たちのことも取り上げていきたいなと思っています。
 それから、昭和36年の映像をかるまいテレビで流すことがあったのですけれども、36年だと今は恐らく58歳の方がその年に生まれたのだと思うのですが、60代の女性が亡くなった自分の父親の若いころの映像が映っていたとか、あとはしわしわのおばあちゃんが、自分の友達のお母さんが映っていたとか、あとは現在図書館になっているのですけれども、その図書館が役場庁舎だったときの映像が出てきて、50代ぐらいの方にはすごく懐かしい映像だったと思いますが、私たち若い世代の人たちには本当に新鮮な映像ですし、面影があるのですけれども、全然知らない映像というか。その中に、地元の郷土芸能が何種類か披露されていましたが、今は伝承されていない郷土芸能とかもあったりとかして、そういうのを見ていると、ただ撮って保存しておくだけでも良いことだなと思って。現在は今の情報発信と、現在の姿形を未来へ残す映像を撮っていきたいなと思っています。

高橋室長
 ありがとうございました。
 それでは、佐藤さん、お願いします。

佐藤 佑佳
 
私は、九戸村という、本当に町よりも小さく、規模が小さいものの中での情報発信というお仕事で、さらにラジオということで、先ほどもお話ししたように、音声のみというところでどういうふうに情報を伝えていくかということで仕事をしているのですけれども、まず今のお仕事をした上ですごく感じるのが、この岩手、そして特に県北の地域の方というのは、自分の地域のすばらしさというものをあまりすばらしいと感じていないで、当たり前に過ごしているなというのをものすごく感じて、私はやっぱり生まれが違うからなのかもしれないのだけれども、おばあちゃんと一緒に過ごした記憶が私はないので、昔ながら、当たり前にこの地域にある情報というものが私はすごくすばらしいといつも感じていて、全然当たり前のことではなくて、それをもっと自慢してほしいというか、自信を持ってほしいなというのを感じながら、いつも放送の中に取り入れられたらいいなと思いながら伝えています。
 取材をお願いすると、ええ、そんなこと、そんなニュースになるような、番組で取り上げるような話題ではないからと、やっぱりお声をいただくのですが、でもほかの地域からしたら、それは当たり前にないことで、この地域にしかなくて、それをそこまで突き詰めてやっているということは、やっぱり敬意を表することだと思うし、どんどん発信していかないと、ではその次の世代の方はいるのというと、もちろんいないので、その方が御高齢の方であれば、それで終わってしまうというのはものすごくもったいないことだなと感じているので、まず感動が、自分がいいと思ったことというのは、100人が100人いいなと思うとは100%思っていなくて、その中の1割でも2割でも共感してもらえたらいいなと思って、そうするとかたいニュースのような番組だけではなくて、いろんな趣旨の情報を発信していけるのではないかなと思いながら、いろんなことを小さいながらに発掘して伝えていく仕事をしています。
 自分が小さいときの思い出なのですけれども、小学校のときのおにぎりに、友達のおにぎりの具材にみそ大根が入っていたことがあって、それはものすごくこの地域だと当たり前らしいのですが、私の母親は兵庫県生まれなので、みそ大根というものがないのです。食べたことがなくて、私は昆布のおにぎりだったので、いつもそれをこっそり友達と交換して食べていたということがあって、そのぐらい当たり前にあることだけれども、ほかの地域では新鮮に感じるし……

達増知事
 また、うまいですよね。みそ大根のおにぎりは。

佐藤 佑佳
 おいしいです。

達増知事
 
僕も子どものころ、みそ大根のおにぎりが一番好きだった記憶がある。

佐藤 佑佳
 ですよね。すごくうらやましくて、勇気を出して交換したという思い出があって。でも、そういう小さな感動というのが、多分外から見るとあるのではないかなと思って、ちょっと外から目線という部分をプラスに捉えながら、この地域のいいところをたくさん発掘して伝えていけたらいいなと思いながら活動しています。
 今思うことは、この地域でも女性がものすごく元気な地域になってきていると思います。発展していく地域というのは、女性が元気な地域というのはやっぱり元気なのですね。ただ、ぶつかる問題として、子育てですとか、仕事に復職するというところにどうしても壁ができてしまって、先入観で働きにくいと思っている女性も少なからずいるという現状もあって、そういう女性に声を傾ける姿勢というのも出していけたらいいのかなと思って、私たちの番組でも趣味でこういう活動をしています、ママサークルでこんなことをやっていますというのを放送の中でも伝えていって、それを周知してもらう、この地域の中からこの地域でこんなことをやっているというのを発信して、地域がみんな認知したら、それから地域外、二戸地域の広域に広めて、そこから県というような、すぐ1年、2年とかでできるものではなくて、やっぱり時間はかかるとは思うのですが、その時間をかけて周知していけたら、どんどん発展していくのではないかなと思いながら、まず続けることを目標に、伝え続ける活動をしていこうと思っています。

高橋室長
 ありがとうございました。
 それでは、知事、お願いします。

達増知事
 清藤さんと佐藤さんは、それぞれ情報の発信を日々されているということですけれども、共通する話があって、ニュースだけではなくて趣味のことを取り上げるとかいうのは、岩手県は地域の町内会とか、自治会とか、行政区とか、そういうコミュニティーごとに開かれる文化祭というのがすごく盛んなところだと思います。いろんな人に見せられるくらいの趣味を持っている人がいっぱいいて、その豊かさというのはすごいものがあると思っていました。
 同じ軽米町内でも、地域が違うと何やっているか知らないでいたりするとか、また学校で何やっているのかというのも発信していかないと知られないというのは、本当にそのとおりだと思いますし、またすごくいいものがあっても、地元の人が当たり前だと思っていて、あえてそれを発信しようとしないというのもそのとおりだと思います。やはりどんどんいいものを発掘して、そしてお互いそれを情報共有していくというのが大事で、それは人口減少する分、交流人口を増やせばにぎわいは維持されるという話があるのですけれども、まず同じ市町村の中での交流人口を増やす、そこから始めていくのが大事だと思います。うっかりしていると、同じ町内、村内でも、何やっているのかよく分からなくて、イベントなんかも知らないでスルーしたりとかというのはもったいないので、まず同じ町内、村内で交流人口が増えるようにして盛り上げていくと、近隣市町村からも人が来るようになったり、オール岩手や県外、オールジャパンにも発信されたりしていくのだと思います。
 軽米町も九戸村もそれぞれ全国に通用するようなものはいろいろありますので、是非そういうものを発信していってもらえればと思います。

高橋室長
 それでは最後に、後藤さん、大変お待たせいたしました。お願いいたします。

後藤 宗一郎
 よろしくお願いいたします。では、私の方から先ほど自己紹介の中でもありましたように、文化というところからちょっとお話をしたいなと思っております。
 二戸地域、僕もよそ者の目といいますか、他県出身者でありますので、ここに来てからいろいろと連想ゲームではないですけれども、思い浮かべると、いろいろな文化というのがこの二戸地域、カシオペア地域というのはそうした文化が非常に多いなというのがまず第一印象でして、例えば工芸品であれば、当町の鳥越の竹細工ですとか、そうしたものございますし、あとほかの文化とか挙げるとなると、もちろんこの御所野遺跡をはじめとした縄文遺跡が非常にこの地域多いです。さらに、食文化でいいますと軽米町さんの雑穀ですとか、あとは県北地域の「きんかもち」ですか、中にクルミと黒蜜が入ったようなお菓子があるのですけれども、そうした「きんかもち」ですとか、伝統行事で言えばサイトギ、ほかにも座敷わらし、オドデ様といったような、お化け、妖怪の類いですとか、新しい方向で行けばサブカルチャーということで、今「ハイキュー!!」の聖地として、にわかに軽米町が沸いておりますけれども、そうした挙げればいろいろな文化を内包しているなというのがまず第一印象でございます。
 こうしたカシオペア地域には語り得る文化の要素がたくさんありまして、中でも僕が今おります御所野遺跡をはじめとした縄文遺跡群なのですけれども、こうした縄文が今にわかに注目され始めております。東京国立博物館で昨年縄文展が開催されまして、こちらたしか36万人を動員したというふうに聞いております。さらに、その後フランス共和国のパリまで行きまして、パリでも展覧会を行いまして、知事も御覧になられたそうでございますけれども、そちらの方でも展覧会を行っております。さらに、昨年7月19日には、北海道・北東北の縄文遺跡群が世界文化遺産の国内推薦候補に選定されたということがありまして、国内外でにわかに縄文というものが注目を浴びつつあるなという気がいたします。
 つい先日も、若い女性が2人やってきて、展示室内で土偶の写真を撮りながら、「かわいい」なんて言いながら写真をパシャパシャ撮っていらっしゃったのです。こういうのは僕がここに来た6年ぐらい前までは全く見ない光景だったのですけれども、ここ最近はにわかにそうした若い世代がカップルでやってきたりですとか、若いパパママさん世代が遊びにやってきたりですとか、そうしたにわかに縄文がちょっとブームになっているなというのを肌で感じる機会がありました。
 そうしたところもあるのですけれども、御所野遺跡を中心とした縄文文化というものを若い世代に継承していくために、一戸町では教育委員会が「いちのへ御所野縄文学」というカリキュラムを小学校、中学校、高校で実施しております。これが小学校の児童さん、中学校、高校の生徒さんが独自で縄文に関するテーマを決めて、それに関して研究、学んだりするというものになっておりまして、縄文時代はどういうものを食べていたのか、どういうところに住んでいたのかというようなことを、独自に自主的に博物館に来て調べていくという活動をやっております。今日は地元の3年生が来た、明日は6年生が来る、あさっては5年生が来るというような形で、非常にこちらも準備に追われるようなところではあるのですけれども、その中で一戸の小学校の児童さんに将来一戸に戻りたい人というふうに質問をしてみたら、大半の児童が手を挙げたというようなことも聞いたことがございまして、この試みというのもなかなか軌道に乗ってきているのかなというふうな気がいたします。
 こうした語り得る文化というものを、そうしたものの強みを生かすようなことで、地元のカシオペア管内の観光協会さんでは、そうした文化や環境を生かしたツアー、折爪岳の蛍を見に行こうですとか、サイトギを見に行こうというモニターツアー、こちらの博物館でもこの景観、自然を生かした体験学習というものを実施しております。このつり橋の下を流れている川で魚を手づかみでつかまえさせて、石器でさばかせて食べさせたりですとか、実際に博物館の中に生えているキノコ、これを地元の人を呼んで、先生として来ていただいて、これは食べられる、これ食えないよというようなのをやって、実際に土器で煮て食べてみたりですとか、そうした自然、あるいはそうした文化に、地元の文化、伝統知というものに即した体験というものを実施しております。
 課題といたしまして、来場者の反応の大部分が、こんなすばらしいところがあるとは思わなかったというのが異口同音、約8割、85%ですか、8割方の方々が口を揃えて言うのです。やっぱり御所野遺跡、これだけ環境はいいのですけれども、非常にネームバリューがないなというのが、やっぱりそうしたところあるので、もうちょっと効果的なPR活動というのが大事なのだなということで、今博物館のほうでは若いスタッフを中心といたしまして、フェイスブックやツイッター、インスタグラムといった形で、公園の四季折々の風景を上げたりですとか、イベントの告知をしたりですとか、そうしたところをやっております。非常に文化というのを生かすというのはなかなか難しいところではあるのですけれども、こうしたところをカシオペア連邦の関係機関ともっと連携して、盛り上げていけば、地域振興の糸口というのが見つかるものではないのかなというふうにこちらの方では考えております。
 おおよそざっくりとではありますが、このような形になります。

高橋室長
 ありがとうございました。
 では、知事、お願いします。

達増知事
 御所野遺跡で学芸員をされているということで、非常に大事な役割、ありがとうございます。世界遺産になろうとしているわけで、世界遺産クオリティーのこういう文化遺産ですから、学びの場としては非常にすばらしいし、そしていわゆる勉強、教科、科目の勉強とは違う形でも、大人でも癒やしになったりとか、本来の自分を取り戻すとか、そういう効果がすごくあると思いますよね。こんなすばらしいところがあるとは思わなかったというのは、岩手県全体としてそういうところがあって、こんなにいいところだとは知らなかったという、来て初めて分かったとか、何でもっと宣伝しないのだとかという。ただ、宣伝不足というのは、来る前の情報よりも、来て実際に体験した方が良かったということだから、それはいいことであって、来てみたら酷かったとか、期待外れとかだったら情報発信不足という話にはならないので、いかに素材としていいか、クオリティーが高いかというところなので、良ければ良いほど初めて来た人は驚いて、そして驚きというのはちょっとした怒りの方につながる、何で誰も教えてくれなかったのだみたいな、そういう気持ちにもなったりするのですけれども、それは悪くないことだと思います。
 ただ、知らないがゆえにいつまでも来ないでしまうという人たちがいるのはもったいないので、晴れて世界遺産になれば、そのネームバリューというものがバンッとできるでしょうけれども、それはそれとして、やはりいいものはいいということをあらかじめ知らせる工夫は、県としてもやっていきたいと思います。岩手全体がそうなのですが、この御所野遺跡についてもそうしたいと思います。
 一戸町もいいところがいっぱいあるとか、またカシオペアエリアもすごいところがいっぱいあるというのは発信しようと思っていて、去年明治維新150年というのをきっかけに相馬大作というすごい人がいたというのを発信し、それに合わせて縄文遺跡もあり、二戸の金田一のあたりでしたか、伊加古というアテルイ時代のそういう朝廷の蝦夷征伐と戦ったヒーローがいますし、あとは九戸政実公がいて、南部藩の初期の中心は福岡にあったとか、明治維新後の田中舘愛橘さんがいるとか、そういうものはどんどん発信して、知らせていきたいと思います。

高橋室長
 皆様から一通りお話をいただいたところですけれども、まだ予定の時間に余裕があります。先ほど言い足りなかったこととか、あるいは懇談会全体を通しての感想などでも結構です。ここからは自由に発言いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 小保内さん、トップでしたけれども、お話どうぞ。

小保内 敏文
 本日集まっているのがカシオペア連邦のというところではあるのですけれども、カシオペア連邦というのはたしか1991年ぐらいに独立という形で始まったと思うのですけれども、それからこのぐらいの時間がたって、本当に地域に連邦としての認知がどれくらいされているのだろうと。立ち上げた当時は、結構いろいろ県の協力の下、広がってきたところではあると思うのですけれども、今の小学生、中学生とかというところで、どれぐらいの認知があるのだろうかというのが自分の中で疑問に思っているところがありまして、ただこれから北岩手というのはエリアでどんどん戦っていかないと、魅力というものは外に出せないと思いますし、お互い手をとっていかないとまとまりが本当に難しくなってくるだろうなというところを感じているので、一番最初に私のほうで言わせていただいた団体同士の理解とか、お互いを知るというところの原点に一度立ち返ってみたらどうだろうというのが自分の中では思っていまして、是非とも本日お集まりいただいた方とも今後とも密に連絡をとり合いながら、お互いの情報の共有であったり、例えば一戸さんだったら産業まつりがあって、結構にぎわいがありますけれども、例えばその産業まつりを二戸で開催してみたらどうだろうとか、地域同士のおもしろいイベントの交換会というのも一つの、お金が毎年かかるのは一緒なので、その開催場所を変えるだけで、また1つ目線が広がってくるはずだと思って、お金はかけなくてもアイデア一つで戦えるものがたくさんあるのだというのはこの地域でたくさん感じているので、是非とも才能ある皆さんなので、手をとり合ってやっていけたらなというのをお話を聞きながら思いました。

高橋室長
 今日は作戦会議ですので、ほかの方への提案ですとか、いろいろ教えてもらうとか、いろんなことでお話しいただければと思いますが、いかがですか。
 清藤さん、先ほど役場の各課に情報を入れてくださいとお話しされていましたけれども、県のほうにはどうなのですか。

清藤 望
 軽米町の中の情報発信ということなので、その辺は軽米町のほうに言っていただければ、そこで判断されて、こっちにおりてくるような形になります。

達増知事
 今年度から農業普及で軽米が県北の一大司令塔機能を強化していくことになるから、結構県としても軽米の中から発信すべき情報というのはありますよね。

高橋室長
 後藤さん、世界遺産登録に向けて盛り上げていくのに、皆さんと一緒にやってみたいこととかありますか。

後藤 宗一郎
 こうした世界遺産、世界遺産登録に向けてではあるのですけれども、いざ世界遺産になった後、今度はどうするのかということもこれから視野に入れて活動していかなければならないです。そうしたところを見据えますと、やはりほかにも、先ほど言ったとおり、文化の力、様々な文化財ですとか、工芸品といった様々な文化があります。そういうところといかに連携をとっていくか。例えば先ほどおっしゃっていたように、昭和何年でしたっけ。

清藤 望
 36年です。

後藤 宗一郎
 昭和36年のそうした記録が残っているというところ、先ほどお話があったのですけれども、こうした次世代に伝わる記憶、記録というのも持って、保存してとっておくことによって、それらを活用、世界遺産ですとかそうしたものと結びつけながら、活用していけるのではないのかなというふうに考えておりました。
 実は、何か話がどんどんそれていくような気がしてならないのですけれども、実は岩手の民俗学のターニングポイントというのが今から四十八、九年前の岩手国体だったのです。岩手国体のときに、道路を拡張したりですとか、そうした開発がありまして、古い道ですとか、古い家というのがどんどん、どんどんとなくなっていく。これが今から四十八、九年前のことだったのです。そこを境にだんだん、だんだんそれまで受け継がれていたより良い文化ですとか、そうしたものがどんどん消えてなくなっていってしまう。今がもう最後のときなのではないのかなというふうに我々は危惧しているのですけれども、そうしたものを何とかして記憶、記録として残して、次世代へつなげていく。そうしたものがないと地域の活性化、あるいはいかにより良く生きていくかということにつながっていく問題であると思いますので、そうしたものと、あとは日本文化の基層である縄文というのがいかにつなげていけるかというところが、今後世界遺産をより多くの人に、あるいは世界へ発信していくときに、非常に大きな要素、ファクターになるのではないのかなというふうにちょっと思っております。

高橋室長
 ありがとうございます。
 ほかの皆さんはいかがですか。

高田 将洋
 カーリングで外国の方々に来ていただいて、御所野遺跡とか漆とか見てもらうというつながりもあるのかなと。なかなか世界に数ある遺産とか、文化という中でピックアップしてもらうのというのは難しいと思うのですけれども、カーリングができる場所が少ないので、そういうここにしかないところで、目立ちやすいところで来てもらって、そこからその地域に逆に目を向けてもらえる、広げるというのも面白いかなと思っています。
 カーリングというのは、国の第1代表だけが集まる公式戦だけではなくて、第2代表、第3代表、第4代表ぐらいのレベルのチームが集まる世界ツアーというのもありまして、トップ・オブ・ザ・トップの試合は誘致できなくても、その下の選手たちの大会を誘致して、それと一緒に文化を知ってもらうところというのが結構、すき間産業ではないですけれども、ちょっと目が行っていないところなのかなと思ったりもするので、意外とそういうのができれば、競技の普及だけではなくて、その地域全体に対しての、カシアペア地域全体に対しての可能性というのはすごく広がるのではないかなと思っていました。

達増知事
 スポーツツーリズムですよね。

高田 将洋
 そうですね。結構カーリングというのは1週間とか長いスパン滞在して、それで試合を行うみたいな。1回の試合が2時間以上とか長いので、競技の開催期間も長いので、そういったところの空き時間とかも利用して回ってもらえたりすると面白いのかなと思ったりします。

高橋室長
 ほかいかがでしょう。今話を聞いていて思ったことなんかでも結構です。
 小保内さん。

小保内 敏文
 高田さんのお話とか聞きながらだと、海外からの2部の試合とかで人が来たとき、今日本、岩手もそうですけれども、インバウンダーに対しての取組というのはたくさんしているのですけれども、地域の中でも、来てもらってもどうしようというところというのが実際あると思うのです。私、二戸市なのですけれども、二戸市にいる英語がしゃべれる方、中国語がしゃべれる方、ブロイラー、様々な大きな産業のところでは研修生が来たりというところで、それぞれの国の言葉をある程度しゃべれる方というのがいるのです。そういう方々が一つの協会だったりという団体をつくって、そこに行政だったりのバックアップがあって、地域の中で案内ができると非常におもしろいのかなと思っていまして、バイリンガルの方も結構二戸に数いるなと思ったりとか、そういうのも地域の宝だと思ったりするので、そういう財産の使い方というのを是非とも考えていけたらいいのではないかなというのは思いました。

高橋室長
 ありがとうございます。
 佐藤さん、おもてなし隊の活動なんかは、そういった海外からの方にどんなアプローチされていますか。

佐藤 佑佳
 そうですね、隊員の中にアメリカ出身の隊員が今いるのですが、二戸市でALTをやっているアダムという隊員がいるのですが、その隊員が一応フェイスブック等で、SNSで情報発信をする際に、日本語だけではなくて英訳した文面で紹介文を書いたりですとか、そうすることによって海外の方にも、その隊員を通してにはなるのですが、その知人から九戸政実とはと、政実だけではなくて、一緒に戦った人についてですとか、そういうつながり、あとはどういう活動しているのかというところも。なので、そういう伝え方というのは本当に大事だと思います。
 情報を伝えるときにいつも迷うのが、今この情報がとても通りやすいというか、情報化社会でどの情報が正しいのかというのを判断するのって、みんな個々に難しいのではないかなというのをすごく感じていて、やっぱり公式の県であるとか、市であるとか、市町村であれば、やっぱり安心して、正しい情報なのだなと受ける。各一人、個人が発信した情報というものの正確性というか、そういう部分に不信ないし思う部分もあるし、それが逆に間違った情報だったときの拡散のスピードというのもはかり知れないので、そういうところの懸念はものすごくありますし、その間違った情報が逆に海外まで行ってしまうおそれというところも懸念はしていて、そういう正しい情報をみんなで共有できる、誰かに聞かれたときにこの地域の魅力の情報源というのは、みんなが同じ認識であるという必要があるのではないのかなというふうには感じています。

高橋室長
 ありがとうございました。
 ほぼ予定の時間となっておりますが、最後にこれだけはという方、いらっしゃいますか。よろしいですか。ここで締めたいと思います。
 

知事所感

高橋室長
 最後に、知事からお願いいたします。

達増知事
 それぞれ皆さん大変有意義な活動を展開されていて、心強く思います。是非その調子で進んでいっていただきたいと思いますし、県としてこれは参考になるので、全県的にも広めていきたいというところもありましたし、また、カシオペアエリアの中で県としてどういうところに力を入れていかなければならないかという参考にもなりましたので、ありがとうございます。
 情報の正確さというのは大事なポイントで、基本はやっぱり引用元をちゃんとはっきりさせる。誰がそう言ったかとか、誰がそう言っているというような、発言者とかそういうのとセットでないと情報として成り立たないというところは基本なのだと思います。でも、世間の人たちは、ツイッターに書いてあったぐらいの引用で、ぱっと拡散したりするからまずいのですけれども、そうしたところに気を付けていくことが大切なのだと思います。

閉会

高橋室長
 それでは、皆様、本日は貴重なお話をいただき、ありがとうございました。
 以上をもちまして、県政懇談会「いわて幸せ作戦会議in一戸」を終了いたします。

 

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