令和5年1月20日知事会見記録

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開催日時

令和5年1月20日10時00分から10時43分まで

会見記録

広聴広報課
 ただいまから記者会見を行います。本日は知事からの発表はございません。

幹事社
 本日は記者クラブを代表して幹事社質問の用意はありませんので、各社から質問があればお願いいたします。

記者
 まず初めに、新型コロナウイルスについてお伺いします。
 岸田首相が本日(1月20日)、感染法(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)上の位置づけを5類へ移行するように方針を決定する見込みとなっています。この判断について、知事の所感を伺えればと思います。
 そして、この引下げによって、医療費の公的負担の問題も出てくると思うのですが、その移行に伴って政府へ求めたい対応ということで、こちらのほうも伺えればと思います。

知事
 この前の全国知事会のオンライン会議でも述べたところでありますけれども、今、起きている第8波の経験からしても、抗原検査などの検査を必要とする人が必要なときにやれるように、その部分への公的な支援も大事だと思いますし、そして、感染した人が適切に医療にかかることが必要であれば医療にかかり、また自宅療養などをするに当たっても、保健所などとすぐに連絡がついて、何かあればすぐ病院に行けるような体制など、医療と、そして保健所関係等の保健の部分もやはり公的に支援されるべきだと思います。
 医療費が今のように無償であるということで、疑わしいときに積極的にお医者さんにかかったりとかできるし、また、悪化したときにお金がかかるような治療であっても受けることができるということが、やはり今は大事なのだと思います。
 一方、この春の時点での見直しが、今、検討されているということのようです。もちろん第8波に至るまで、新型コロナウイルスの流行は、波の形を取って波が繰り返されるような形で来ましたので、岩手においてほぼゼロが毎日続くような期間もあり、全国的にも感染が非常に少ない状態が長く続いた時期もあります。でも、ほぼゼロだとか、日本全体でも感染者が非常に少ないからといって、それがその後ずっと続くとは限りませんので、よほどコロナウイルスの流行の波がもう来ないだろうというような見通しがあるのであれば、私がさっき言ったような公的支援、公費で支えるということが不要になってくるのかもしれないのですけれども、そうでないのであれば、やはり公的支援は必要だと思います。

記者
 ありがとうございます。この引下げによって、例えば、屋内でのマスクの着用は不要であるとか、そういった議論もされているようなのですけれども、感染がまた拡大してしまうことへの懸念というのも何かあったりするのでしょうか。

知事
 マスク着用については、カナダの空港で、日本語で言うと「マスク着用は自由です。ただし、着用を推奨します。」というような表示がありまして、マスク不要という表現は、全ての人がつけるべきでないみたいな、何か強制的なニュアンスも伴うので、政府なり専門家なりが、こういうシチュエーションであればマスクをつけなくてもいいと判断する場合には、マスク着用は自由という言い方をすればいいのだと思います。
 そういう中で、例えば、疲れがたまっていて抵抗力が弱っている人がつけようという判断もあり得るわけですし、そういう一人ひとりが、今日の自分のコンディションとか、近々お年寄りとか、ハイリスクの人に会う予定があるとか、そういった個別事情を基にそれぞれが着用を判断できるような言い方がいいのだと思います。

記者
 ありがとうございます。コロナについて最後に、引下げに伴って県が対応を取るかと思うのですけれども、どういった対応を取っていくのか。例えば、(岩手県新型コロナウイルス感染症対策の基本的)対処方針の見直しであるとか、様々考えられるのですが、県の対応のほうを教えていただければと思います。

知事
 今は、医療体制について、病床使用料は30%を切るような状況になっているのですけれども、実質的な医療ひっ迫具合については、病院によってはかなりきつい状態になっていますし、今現在、コロナ対策を全体として緩められる状況にはないと思っています。
 一方、感染者数そのものは、岩手県において少なくなってきましたので、去年(2022年)の終わり頃に県民の皆さんに発したメッセージに、更に追加して警戒の度合いを高めるというようなことは、今必要ではないと思っているのですけれども、ただ逆にいろいろ緩めていいというメッセージを出す状況ではないと考えておりまして、まずはそういう今の目の前のコロナ流行の状況について対応していくことが県に求められていることかと思います。

記者
 ありがとうございます。最後にもう一つ、毎回の会見で(質問して)恐縮なのですけれども、県民の関心事でありますので、次期知事選についての知事御自身の進退の判断、現在の検討状況を教えていただければと思います。

知事
 その件については、発表事項はありません。

記者
 重ねてになるのですけれども、コロナの5類移行について、率直に知事は、是非という意味で言えば、今はどのようなお考えかというのをお伺いできますでしょうか。

知事
 まず、5類移行という言葉の使い方なのですけれども、完全に5類にするということを主張している人はほとんどいなくて、2類相当の現状にかかっている様々な制限を一部緩めるという議論をしているのだと思います。
 ですから、何をどこまで緩められるかという具体的な議論が求められているのだと思うのですけれども、政府でも第7波から第8波に関しては、感染者数の数字よりも病院のひっ迫具合というものを基準に、何か強い行動制限を求めたりとかいうことを決めていこうとしています。岩手としても、やはり病院のひっ迫具合というものが、様々(な行動制限を)緩めていいのかどうかということの基準になると思っているわけですけれども、決して緩めていい状況にはなっていません。そういう意味では、今現在、年末からの場面場面に応じた基本的感染対策の徹底ということは続けてくださいということを申し上げたいと思いますし、そういう中で感染したかどうかをチェックできる検査体制というのは、引き続き充実させ、公的な支援もしていきますし、かかった方が自宅療養するにせよ、お医者さんにかかるにせよ、基本的に無料で、公的支援の下で、安心して療養できるようにしていくということは、今続けていかなければならないと考えています。

記者
 重ねてなのですけれども、先日、盛岡市がニューヨーク・タイムズの「2023年に行くべき52か所」の旅行先に選ばれて話題となっていますし、海外からの注目度も非常に高まっていると思います。その5類移行が実現すれば、県内へのインバウンド誘客にも大きな追い風になる可能性もあると思うのですけれども、その辺りについてはどうお考えでしょうか。

知事
 17日、某民放の午後のワイドショーと記憶しますけれども、ニューヨーク・タイムズの記事を読んで盛岡に来たというアメリカ人2人へのインタビューがテレビで放映されているのをネットの動画で見たのですが、お二人ともマスクをしていらして、やはり行った先の感染対策に合わせて、そうやって感染対策をするということを観光客の皆さんにもやってもらえるといいなと思います。盛岡に来ようという人たちは、やはりニューヨーク・タイムズで紹介されたような盛岡の生活感覚ですよね、コーヒーショップがいいとか、あと日常生活の中にわんこそばもあればジャズ喫茶もあるみたいな、そして主なスポットを見て歩くことができるというような、そういう日常の生活というものが良く、そして観光客がそれを共有できるところに盛岡の良さがあるというのを読んで来る人ですので、アメリカではマスクしていないよみたいな感じで、盛岡に来て大暴れというような人はあまり来ないのではないかなと思っています。

記者
 私もニューヨーク・タイムズの記事の件で伺います。今年(2023年)行くべき52か所のうちの2番目に盛岡が選ばれたということです。記事の中では、大抵見過ごされるまちというような表現もありましたけれども、盛岡出身の達増知事としてこのことをどのように思ったか、また、今後、県としてインバウンドにどのように力を入れていきたいか、その辺りお願いします。

知事
 まず、日本は、結構地方がいい具合に発展していて、それがあんまり知られていないというところが共通してあると思います。岩手の宣伝下手ということがよく言われるのですけれども、では幸福度ランキング1位常連の福井県について、日本の人たちがみんなよく知っているかというとそうでもないと思いますし、逆に魅力度ランキングで最下位を争っている栃木県や茨城県(については)、国民体育大会があったので、最近その両県に行ったばかりなのですけれども、非常に魅力的なものがいっぱいあって、いいところだなと思いました。
 ただ、そういうのが日本国内で知られていない、東京中心の情報の偏りというのが、日本はかなりあると思います。海外の人たちにも日本の地方の良さがあまり知られていないということが、まず前提としてあると思います。
 日本の地方というのは意外にいいところだという中でも、盛岡市というところは、江戸時代から城下町として栄えました。20万石の盛岡藩は、たしか300諸公とか300近くある藩の中で、上から22番目と記憶していますけれども、22番目ぐらいの大きさなのです。もともと10万石だったのが、無理して20万石になったという話もあるのですが、10万石だったとしても40位から50位の間に入るのです。10万石から20万石になって、財政的にはきつくなったのですが、それはロシアが北海道近海に来るようになった北方警備をやるために20万石に格上げされたというところがあり、20万石級の外交、防衛とかを藩がやるようになったので、そういう人の出入りとか情報の集積とかは、やっぱり全国有数のものが江戸時代からあったということが言えます。それが明治、大正、昭和と先人の皆さんによって守られ、時代、時代の新しいものが付け加えられ、そして今に至っているということです。
 その土地の普通の生活を一緒に体験しながら、その中で今まで見たこともない、食べたこともない珍しい体験ができるというのが、盛岡の魅力とニューヨーク・タイムズで報じられましたが、そういう場所というのは、旅行好きな人、特に海外旅行好きな人たちにとっては、昔から憧れの的なのです。
 私がシンガポール大使館で働いていた頃に、シンガポールの新聞がインドネシアのブキティンギというまちがすごくいいぞという、やっぱりそこの人たちの普通の生活の中に入り込みながら、とても珍しい体験ができるということで、スマトラ島の真ん中辺りにある古いまちブキティンギに、私もやっぱり新聞で紹介されているから、そこに行ってみたら、非常にいいところだったので気に入ったということがあります。
 そういうところで、盛岡市がニューヨーク・タイムズで紹介されたのは、起こるべくして起こったことだと思っていますが、それでどんどん更に盛岡の良さが知れ渡り、実際来る人が増えていけばいいなと思います。

記者
 多くの外国人が訪れることもあると思います。外国人は、新幹線が乗り放題という切符も購入可能という状況ということで、岩手にも多くの方が来ると思いますけれども、この機をチャンスと捉えて何かやりたいことはございますでしょうか。

知事
 盛岡市民の皆さんがふだんやっていることを、より磨きをかけていくということが大事なのだと思います。コーヒーショップのクオリティーを高めていくとか、おそば屋さんやジャズ喫茶のクオリティーを高めていくということで、それは観光対策というよりも、普通にまちづくりとして、あるいはまちの中の生活として、普通の向上心を持ってやっていけば、その積み重ねで大変いいまちになっているし、更に良くなっていくということが望まれるのだと思います。
 盛岡市当局も様々改めて、最近作った盛岡を宣伝するような資料をSNSで発信するとかやっていますし、県としても岩手全体の観光政策とか、いろいろある中で、盛岡という観光地の活用や、更なるプロモーションということを考えていきたいと思います。

記者
 インバウンドにも期待ということですけれども、今、いわて花巻空港では、台北便、上海便は運休されているという状況です。今後の見通しですとか、いつまでにといったようなことがあればお聞かせください。

知事
 台湾からの直行便は、ざっくり(言えば)まず沖縄に来て、そして最近仙台まで来ていますので、そろそろ次は花巻かなという、そういう感じになっているのだと思います。現在、便が廃止されているわけではなく、休止されているということで、この休止を解除すればいつでも復活しますので、航空会社やその関係方面とも調整しながら、速やかに便が復活して、台湾との人の行き来もより自由に便利にやれるようになればと思います。

記者
 今、休止となっているということですが、どのような部分で休止となっている、ネックになっている部分、またはいつ頃までにとかというめどがもしあれば聞かせてください。

知事
 経営判断で総合的に判断した結果、今のようになっているということだと思いますが、コロナウイルスの流行が直接の理由でありましょうから、基本的な感染対策を行うことで、経済活動や社会活動が一定程度できるという状況がより確かなものになっていけば、航空路線の復活ということもあるのだと思います。

記者
 話題が変わります。昨日(1月19日)発表されました芥川賞の件でした。震災をテーマとした仙台市の書店員の佐藤(厚志)さんの作品、「荒地(あれち)の家族」が受賞しました。震災から時間がたち、風化も叫ばれる中で、こういった作品が受賞することについての所感をいただければと思います。

知事
 震災を見詰めることで、文学的に深みのある作品を生み出すことができるということだと思います。近年、岩手県関係の方々で芥川賞を取ったり、候補になったりした人たちの作品も、やはり震災を見詰めるというところから生まれてきていますので、10年たち、さらに11年、12年、13年と月日は流れていくのですが、振り返り、また、今現在の状況など向き合えば、東日本大震災津波から文学的に引き出せるものというのはまだまだあると思いますので、文学関係の皆さんには、そういった作品をどんどん生み出してくださることを期待します。

記者
 ありがとうございます。そして、私からもう一件、別の話題になります。警察庁が方針を出しました電動キックボードの件です。7月にも一部条件つきで免許なしで乗れるということになりますが、それについての知事の所感と、あと岩手において規制緩和による期待や課題、あと必要となるであろう対応があればお聞かせください。

知事
 交通安全については、まず、警察でしっかり取り組んでいるところでありますので、国全体として、そしてそれぞれの警察本部の下で、まずそういう新しいルールでやっていこうということなのだと思いますので、そういう中で交通の安全がしっかり守られることを期待したいと思います。
 住民の自主的活動としての交通安全運動というところは、地域づくりで知事部局も取り組んでいるところでありますけれども、警察本部と連携しながら、そういった住民の皆さんの自主的活動を通じても、安全が図られることを期待します。

記者
 ありがとうございます。電動キックボードですけれども、知事御自身は乗ってみたいとか、そういうお気持ちというのはありますか。

知事
 私は乗ったことはなく、乗りたいと思ったことは、今まではなかったです。

記者
 私からは3つ伺いたいのですけれども、1つ目は、先週、県で制作した「ゴールデンゴッド」のアニメが放映され始めました。知事の感想と、今後もっと見てもらうためにPR(ピーアール)があればお願いします。

知事
 岩手出身、岩手ゆかりの声優の方々が参加してくれて、非常にありがたい本格的な作品になっていると思います。ツイッターで紹介されているツイートへの反応も結構多いなと思っておりまして、楽しみながら岩手の物産や岩手の見どころなど、岩手について知ってもらうことを期待します。

記者
 2点目なのですけれども、先日、(日本)維新の(会)馬場代表がいらっしゃったと思います。知事からはどんな話をしたのか、まず教えてください。

知事
 県の要望・提言書を差し上げて、岩手が直面している政策的な課題を説明して、コロナ対策、物価高対策、そして東日本大震災津波からの復興、ILC(アイエルシー:国際リニアコライダー)、あとはローカルJR(ジェイアール)赤字路線部分問題など、そういったことを紹介しました。
 その中でも、ILC(国際リニアコライダー)については、馬場代表が議員連盟にも参加しているということで、改めて強い関心を示されて、そして岩手にとってもですけれども、日本全体にとって非常に大事な研究施設になるだろうから、頑張っていこうというような話で盛り上がりました。

記者
 関連してなのですけれども、知事との懇談の後の記者会見で、知事の印象について馬場代表は、大変御活躍されているですとか、リスペクトしているというふうな感想を語っていました。知事は、この言葉を受けてどんな感想を持ったか教えてください。

知事
 維新の会も大阪維新の会とか維新の党とか、いろんな名前になりながら発展してきているのですけれども、10年以上国政政党としても歴史がありますので、その間には、岩手県から復興関係の要望、説明に行ったりとか、様々働きかけたこともあり、また維新の側から復興状況の視察に来られたり、そういったやり取りも重ねてきていますので、そういう中で一定の信頼関係のようなものができてきているのかなと思います。

記者
 もう一つなのですけれども、国政のほうでは立憲と維新の共闘が続いています。このことに関しては、知事はどういうふうにお考えですか。

知事
 これは昔から言っていることなのですけれども、どんな政治、行政であれ、当局者が気がつかないでいる問題点とか、改めなければならない、変えなければならない部分というのはあるでありましょうし、また、今やっていることよりも更に良い政策というものを考え出すことは常にできるわけで、そういう現状批判や、今よりもより良い政策というものを提案する役割というのは、これは国であれ、県であれ、どんな共同体にも必要な役割分担なのだと思います。それが政治の世界では、ざっくり与党と野党という関係であるわけですが、裁判でいうと検察と弁護の両方があって初めて裁判が成り立つように、与党と野党の両方があって初めて民主主義が成り立ちます。これは当たり前で、一党独裁だったら、それは民主主義ではないわけで、野党が存在しない国は民主主義国ではないということですから。
 ところが、日本では野党が弱い時代が長く続き、また近年、更に弱くなっているようなところも指摘されているわけでありまして、複数の野党が協力することでより強くなって、現状批判やより良い政策の提案ができるようになってくるというのは、日本のために大変良いことなので、頑張ってほしいと思います。

記者
 あと最後に、先日の知事講話のお話の件でちょっとお伺いしたいのですけれども、先ほどおっしゃっていたような、日本では与党が偉くて、野党が偉くないとか、地方が中央より劣っているというステレオタイプがあるけれども、そういったステレオタイプにとらわれないで、そんなことはないというようなことを強調しながら職員の皆さんにメッセージを送っていたと思うのですけれども、その思いと真意というか、教えてください。

知事
 岩手150年の歴史を振り返って、そこから私が最近学んだのは、日本全体で共有されている地方のイメージ以上に、地方の実態というのは、かなり良くやってきているし、その成果も上がってきていて、だから大谷翔平君のような存在が活躍しているのだということなのです。裏を返すと、日本全体として地方を低く見る、そういう見方が蔓延していて、それは大変良くないなと思うわけです。
 さっき(の質問に)も、言わばニューヨーク・タイムズによって盛岡の良さが発見されて広められた(回答した)わけですが、それは、日本の中でもっと昔からきちんと知られて、何だ、そんなの当たり前、常識だよというようになっているべきだったのに、そうなっていないという問題があるわけです。日本に住む人たちは、昔から感受性が強いので、様々影響を受けやすいということもあるのかもしれません。
 いずれにせよ、地方より中央のほうが偉い、東京こそが偉い、東京から見えるもの、東京での判断が正しいみたいな感覚が、ステレオタイプ、固定観念として我々にもあるのではないかと。それをなくしていかないと、地方の良さを生かした地方の発展ということはできませんので、それをちゃんとやっていきましょうということがメインです。
 関連して、それは岩手県の中においても、県の中の中央と地方との関係で中央が偉いということは全然ないので、むしろ現場に近いところのほうが重要という、そういう見方もできるので、県組織の中、県職員の働き方の中でも、地方で働くより中央で働くほうが偉いとか、また、そもそも役割分担の問題なので、上司が部下より偉いということではないということです。同じ社会人として、また同じ県職員として、対等な者として、役割分担して仕事をしているわけですから、そういう基本的な敬意というものは、ポストに関係なく、お互い持った上で仕事をしなければならず、ですから、東京目線の偏見を捨てましょうということと、職場において上司だから偉いという偏見を捨てましょうというのは、相通ずることなので、関連づけてその辺を話したところです。

記者
 私からは、また話題が替わりまして、一関と奥州と平泉にまたがる束稲(たばしね)山麓のエリアが日本農業遺産に認定されました。3回目の挑戦ということで、世界農業遺産の選考対象からは漏れましたけれども、日本の農業遺産ということで登録されたということについて、知事の所感をお伺いいたします。

知事
 これも地方の良さが認められたということかもしれません。
 平泉の世界遺産登録のときも説明の仕方という点で苦労しました。束稲山麓の日本農業遺産認定においても、やはり説明の仕方のところで工夫を重ねて今回の認定という結果に至ったと思いますので、最初から価値はあったけれども、説明の仕方を工夫することでそれが認められたということだと思います。
 何事につけ、地方の良さというのをうまく知ってもらう工夫というのが大事だなと改めて思いますし、また束稲山麓、古い歴史、文化、そして今も生活や産業の大事な拠点になっている、守ってきたものを更に守りながら、活用できるところを活用していきたいと思います。

記者
 ありがとうございます。今回は、そういう自然豊かな景観とか、農作物が豊富だということもさることながら、災害のリスクを分散型にして農業に取り組んでいるというところも評価の対象となりましたが、その点については知事としてはいかがでしょう。

知事
 そういう災害対策、防災の重要性ということが広く共有され、束稲山麓に関してもそういうところに着目してもらえたということ、そこは非常にいいことだと思います。

記者
 今月、電気代の請求が高く、恐らく驚かれた県民の方は多いのではないかなと思います。その点について、知事は、どういった御所見をお持ちでしょうか。

知事
 ロシア、ウクライナ戦争で、世界的にエネルギーの供給に不足が出て物価が上がり、世界的にエネルギーが高くなっているということだと思います。そこに円安も絡んで、戦争前からのコロナ回復景気、欧米中心にあったというところも重なって、いずれにせよ日本の外、円安は日本の理由ですけれども、電力を生産する人たちとか、また電力を消費する側に何か問題があって、そういう値上がりがあるわけではないのです。けれども、結果としてそういう状況が起きていますので、国でも電力値上げを補うような支援をするということになっていますが、ほかの物価上昇とも相まって生活を圧迫する効果というのはありますし、また様々な生産の現場、これは第1次産業もそうですし、ものづくり産業、サービス業もそうですし、どういうふうに影響が出てきているかというのを県としても把握しながら、それぞれ生活の支援であったり、産業の支援であったり、そういうことをきめ細かに対応していきたいと思います。

記者
 ありがとうございます。岩手県内、盛岡でも来週とかは最低気温がかなり低くなるという、そういった北国特有の生活様式なので、一過性のものではなく、電気を暖房に使うという人はまず多いと思います。
 そういった中で、例えば、住宅のそういった寒さ対策というのでしょうか、そういったところへの支援というのが長い目で見ても必要になるのではないかなと思うのですけれども、既に取り組まれている自治体もあるとは思いますが、その点について何か考えていることはございますでしょうか。

知事
 断熱住宅など環境に優しい住宅については、県でもそれを支援する事業が、今も幾つかありますけれども、更に強化していきたいと思います。
 温暖化対策、気候変動対策という意味で、これは中長期的にじっくり取り組んでいかなければならないと思いますし、それが、今、目の前にあるエネルギー物価高でありますとか、また急に襲ってくる寒波といったことへの対策にもなりますので、県としても取り組んでいきたいと思います。

広聴広報課
 以上をもちまして、記者会見を終わります。

次回記者会見

次の定例記者会見は1月26日(木曜日)の予定です。

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政策企画部 広聴広報課 報道担当
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