平成25年6月21日教育長記者会見における質疑応答

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ページ番号1020165  更新日 令和1年5月8日

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平成25年6月21日(金曜日)
県庁10階  教育委員室

発表事項:

  • なし

質問事項:

  • 2014年度県立高校再編方針について
  • 鳥海柵跡が史跡指定されたことについて
  • 英語教育の強化について
  • 県立釜石高校野球部の前部長による体罰について
  • スポ少での体罰事案の把握について
  • 4月以降の体罰報告件数について

質疑応答

教育企画室
ただいまから、教育長記者会見を始めます。
本日は、教育長からの発表はありませんので記者クラブからの質問をお願いします。

幹事社
記者クラブからの代表質問はありませんので、各社から質問がありましたらお願いします。

記者
例年夏頃に、来年度の県立高校編制方針について、議会への説明等がありますが、来年度の定員調整の見通しを聞かせてください。

教育長
来年度の高等学校入試の募集定員は、通例、夏頃に示しているところです。今年度もその時期を目標に、各地区の中学校卒業予定者数の見込みや各高校の定員充足状況、進学希望者の見通し等の結果を受けて、例年と同じ時期にお示しできるよう作業を進めているところです。

記者
確か、募集の段階で2年連続定員割れという状況でしたが、定員調整を予定していますか。

教育長
まだ具体的には予定していません。去年は、1学級以上の欠員を生じている学校について個別に定員調整を行ったところですが、基本的には新しい県立高校の整備計画がないので、個別の事情を勘案しながら検討していくことになると思います。

記者
凍結されている県立高校整備計画の策定の見通しについてお聞かせください。

教育長
大震災津波発生以前に、これからの岩手の高校教育のあり方を有識者に議論していただき、その結果に基づいていよいよこれから議論を始めようというところだったのですが、大震災津波が発生し、沿岸の状況が大きく変わったということ、通学手段も変わり、将来の産業動向も不透明になっているということから、策定を凍結しているところです。現在のところ、いつから見直すのかというと、復興の状況をみながら、ということになるのだろうと思いますが、一方で、これからの岩手の子どもたちを、高校教育としてどうやって育てていかなければならないかという課題は常にあるわけですので、基礎的なデータを集めながら、復興の状況をみて着手することになるので、まだ具体的な時期を明示できる段階にはありません。

記者
鳥海柵跡が史跡指定されたことについて、所感をお聞かせください。
また、県として今後の保存・管理をどのようにしていくのかお聞かせください。

教育長
過去からの財産が指定を受けることは、岩手にとっても、全体にとっても、ありがたいと思います。ただ一方で、史跡に指定されて終わりではなく、未来に長く価値を伝え、発信していく責務を我々は負うので、今後とも史跡の保存・管理について、万全の態勢で取り組んでいけるよう、関係する方々と一緒に取組んでいきたいと考えます。

記者
一方で、一関市の横屋酒造精米所などが抹消されています。
震災の影響で、津波により1件抹消されているほか、地震で抹消となったものもあります。国の予算で何とかできなかったのかという見方もあると思いますし、震災の影響による抹消について、所感をお聞かせください。

教育長
苦渋の決断だったと思います。震災により、文化財としての建物が流失もしくは倒壊してしまったというもので、再建するとなると所有者との調整や、費用面等、色々な議論しなければならないということで、残念ながら、今回そういう結論に至ったのだろうと思います。ただ、岩手全体の財産であった施設であるので、非常に残念だと思っています。
一方で、今、大震災津波を受けて各地で色々と埋蔵文化財の調査等が行われています。もちろん復興事業との調整を図りながらやっているのですが、そのことによって、岩手のもっている史跡の価値、歴史を改めて、特に沿岸部を中心に、広く県民の皆さんにお伝えできるというところもあります。
先日、東京でシンポジウム、展示会をやらせていただいたのですが、そうしたことを通じて、岩手のもっている歴史の価値、史跡の価値というのを、全国の方々に訴えていく取組みをこれからもやっていければいいと思います。

記者
先日、新たな成長戦略が閣議決定されたところですが、英語教育の強化について、どのようにお考えですか。

教育長
いわゆる小学校の英語活動については、外国語活動として取り組まれているものです。私も小学校の授業を見せていただきましたが、子どもたちが非常に楽しそうに活動していまして、一つひとつ成果を上げていると思います。
ただ、これをもっと下に下げるとか、小学校について教科化を図るとか、これに対してもっとやるべきだという議論とか、あるいは慎重にするべきだという議論とか、色々な議論があることは承知しています。それらの色々な議論を踏まえて、専門的見地から色々と検討されているところであると承知していますので、私どもとしては、その状況を見守りたいと思います。ただ、せっかく小学校で外国語活動という活動が行われていますので、私ども直接担当する者としては、子どもたちがそういった活動に親しむ環境というものを充実させて、子どもたちの力にしていければいいという考え方です。

記者
教育長の考えるグローバル人材とはどのようなもので、グローバル人材の育成についてどのようなイメージをお持ちですか。

教育長
非常に難しいご質問だと思います。恐らくトータルの人材育成に関わるのだと思います。これからの世の中、国内だけでなく全世界を意識して、子どもたちが生きていかなければならないのだと思います。だからこそ、そういう力が求められているのだと思います。
それとともに、自分の生まれ育った地域をしっかり理解してもらい、そこをベースとしてそういう力を培ってもらうことが大事だと思います。ですからグローバル人材というのは、単に、外国語能力も含めて世界に羽ばたく人材ということに加えて、生まれ育ったそれぞれの市町村の地域をよく知って理解した上で、更に羽ばたいてもらうのが必要だと思います。
それぞれの地域でも、大槌町ではふるさと科、盛岡市では先人教育など、地域を知ろうという取組みを色々行っており、地域でしっかりそういう目を培った上で、外国に目を向けていくという、両方が大事ではないかと思います。

記者
先日、県立釜石高校の野球部前部長が謹慎処分を受けたことについて、今回、生徒指導の中で行われたということですが、どうお考えでしょうか。
また、今後、他の学校を含めての対応を考えていらっしゃるのかお聞かせください。

教育長
御存知のとおり、本年2月に体罰実態調査を行いました。当然、調査を行うとともに、各学校の教職員の方々に対しては体罰の根絶をお願いしたいと訴えていたところですが、そうした中、直後にこういった事案があったことは非常に残念かつ遺憾なことです。
今回、生徒指導に当たっての事案のようでありますが、どういった場合であっても体罰は許されないというのはその通りですので、こういう意識を改めて教職員にお伝えしたいと思います。それから、被害者、子ども、保護者の方々の相談窓口を設けています。教員の意識啓発を図るとともに、情報を入手する仕組みを整えることが大事だと思うので、その両面を進めていきたいと思います。

記者
体罰実態調査の件で、けがをさせたという事案がありましたが、これに関する処罰についてはまだ出されていないようですが、その後の対応の進捗状況をお知らせください。

教育長
1件1件、人事上の処分に当たるか検討しなければいけませんので、それぞれ、1件ごとに、もう一度学校、市町村にお願いして詳細な調査を行っているところです。その調査を受けて具体的な処分を行うことになるもので、今、鋭意作業を進めていますので、それほど遅くない時期に最終的な対応を行いたいと思います。

記者
結果的に処分しないという事案もあるのですか。

教育長
県の処分基準がありますので、どういった事案がその基準に該当するのか調査していますので、結果として、いわゆる人事上の不利益処分、免職、停職、減給、戒告、それ以下の処分といいますと訓告、注意等となりますが、どれに当たるのかというのを1件1件精査しているのと、もう一度事実関係を調査しているので、1件1件調査してみないと最終的にどれに当たるのか確定しないものです。

記者
先日、盛岡市議会で話題になりましたが、スポ少での体罰事案の把握についてお聞きします。
学校の先生ではない方が指導者の場合も多いことから、保護者の心配の声もあるようですが、教育委員会がそこまで把握されているのか、それともそれは難しいのでしょうか。

教育長
学校の活動の中での体罰については、学校で把握していかなければなりません。スポーツ少年団に限らず、学校外での子どもたちのスポーツ活動については、どう把握するのかというのはある面で難しいところがあると思います。
一方、スポーツ少年団については、県の体育協会に加盟されている団体もあります。それぞれの団体を統括されている県全体の組織がありますので、同じスポーツ活動を通じてということになると、県の教育委員会がいいのか、体育協会等の体育関係のルートがいいのか、ということになると思います。今回の体罰事案というのはスポーツの面からいって絶対あってはならないというのは、それぞれの体育関係団体からも指導が出ていますので、それを受けて、それぞれのところでどのような実態があるのかというのは、体育関係団体と私どもとでよく相談していきたいと考えます。

記者
体罰の問題に関連して、教員には、体罰をしてはいけないということを確認していくこととしていますが、社会の目が厳しくなっている一方で、保護者や生徒の中にも、強くなるためには体罰も厭わないとある種の受容する考え方もまだあるかと思いますが、保護者を巻き込んだ体罰についての議論の場を設けることを何か考えていますか。

教育長
基本的に体罰はあってはならない、と考えています。学校教育において体罰はあってはならない、だからこそ、体罰があった場合、処分を伴っているのです。そういったことをよく確認していかねばならないと思います。
教員については、やった場合には報告してきています。やはり、悪かったという意識があるのだと思います。そういうことをより確認していかなければならないですし、受容しているということではないと思いますので、やってはいけないということを、学校を通じて常に訴えていかないといけないと思います。だからこそ、体育関係団体もそういうことをおっしゃっているのはそういう意味もあるのだと思います。改めて議論をするというより、やってはいけないということを徹底していくことだと思います。

記者
体罰の件で、4月以降の報告件数は、今のところ何件あるのですか。
また、釜石高校の件での情報収集ルートは、学校からの報告ですか、それとも保護者からの相談窓口での把握ですか。

教育長
4月以降、釜石高校の件は、学校からの報告によるもので、もう1件、体罰が疑われる事案があり、計2件です。いずれも学校からの報告によるものです。

記者
体罰が疑われる事案というのは、どういった内容ですか。人数、けがの有無は。

教育長
校種としては小学校で、児童を平手で頬を叩いた、という事案です。それについては詳細を調査中です。児童は1人であり、けがはなかったと聞いています。
釜石高校の場合、後で首の痛みを訴えたが数日後消えたとのことで、けがと扱うかどうかは詳細を見てみないと分からないものです。

記者
どうして叩いたのですか。

教育長
今、そういう事案が上がってきたところで、それらの詳細については調査中です。

記者
体罰調査以来、教育長は体罰根絶を散々訴えてきているわけですが、この状況下でもまだこうした事案が上がってきたことについて、教育長の所感と対応をお聞かせください。

教育長
非常に遺憾で残念だと思っていますので、更にそういうことを強く訴えていかないといけないと思います。もう一つはそれぞれの学校を通じて、相談窓口の設置を、直接子どもたちや保護者の方々に伝えていく方策を考えないといけないと思います。

教育企画室
以上をもちまして本日の記者会見を終了します。

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