平成25年10月24日教育長記者会見における質疑応答

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ページ番号1020162  更新日 令和1年5月8日

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平成25年10月24日(木曜日)
県庁10階  教育委員室

発表事項:

  • なし

質問事項:

  • いじめ防止対策について
  • 新しい高校入試制度について
  • 国体について
  • 全国学力・学習状況調査について
  • 職員の逮捕事案について
  • 三陸ジオパークについて
  • 橋野高炉跡の世界遺産登録推薦について

質疑応答

教育企画室
ただいまから、教育長記者会見を始めます。

本日は、教育長からの発表はありませんので記者クラブからの質問をお願いします。

幹事社
記者クラブからの代表質問はありませんので、各社から質問がありましたらお願いします。

記者
先日の決算特別委員会の中で、いじめ防止対策推進法ができるのに伴い、基本方針を策定する方針だというお話がありました。これについて、スケジュール感とどのような内容になるのかについてお聞かせ願います。

教育長
議会の場で担当課長が申し上げたとおり、近々国の説明会がありますので、その内容をよく聞きたいということと、もう一つ、実は8月に県独自でも、岩手大学、岩手県立大学の専門家、県警の方々の協議会を作って、そこで議論を始めていますので、国の説明会を受けて、せっかく専門家の方々のご意見を伺う場を作っているので、そこで併せて議論をしていただきながら、本県にとって最も効果的な方針を作っていきたいと考えています。議会でも課長がお話したとおり、年度内の早い時期に、と申していますので、それに沿って進めていきたいと思います。

記者
2016年度からの新しい高校入試制度について周知が足りないのではないかという指摘がありましたが、更なる周知方法について、どのように考えていらっしゃいますか。

教育長
もともと新入試は、中1から調査票を使うということもありましたので実施を1年遅らせています。去年の6年生全員パンフレットを配布していますが、まだ足りないのではないかというご指摘も頂いたので、各中学校にお願いして、まず中学校で説明してもらいます。それから、これから進路の三者面談が始まりますので、その中で、それぞれのお子さんと、保護者の方々一人ひとりに伝えることを中学校にお願いしています。高等学校の方は、これから高校入試の説明会がありますので、そこに来ていただいた方に説明します。それで結果的には一人ひとりに伝わると思っていますが、更に、今の6年生の方々は、新入試の2年目になりますので、新たにパンフレットを作成してお配りするという取組を、昨年、今年と2年間続けてやっていきたいと思います。いずれ新たな制度に変わるので、分からないで過ごしていたということがないように、色々な、中学校、小学校、市町村教委と一緒になって、周知に取り組んでいきたいと思います。最終的に一人ひとりにお伝えすることが大事だと思っています。

記者
国体について、東京国体で23位という結果で、目標の30位台を大きく上回る結果となりましたが、これに対する所感と今後の強化策についてお聞かせ願います。

教育長
何よりも、活躍していただいた選手の方々と、それを見守っていただく指導した方々、それをサポートした方々の力だと思っています。徐々にではありますが、強化策が実ってきたのかな、と感じています。ただ、やはり、いわて国体の目標8位以内となりますと、今の点数を倍増させなければいけないということがあります。ハードルは高いと思いますので、今までやってきたチーム岩手として、選手、競技団体、サポートする者が一体となって取り組んでいくという体制を更に強化していきたいと思っていますし、財政環境は厳しいですが、できるだけ予算の確保も図っていきたいと考えています。

記者
全国学力テストの公表の在り方を巡って、これまでどおり学校ごとに判断をゆだねるのか、教育委員会も公表できるようにするのか、文部科学省でも意見が割れていますが、これに関する所見をお聞かせ願います。

教育長
全国学調の参加は基本的には任意です。だから、今まではそれを前提として、それぞれの学校や市町村が参加していたと思いますが、公表する、しない、となると、それを前提として参加を募る必要があると思います。どうしても公表されるのであれば参加したくないという学校もあるかもしれません。そこは尊重しなければいけないと思います。

ただ、全国学調でやっている意味というのは、1つ1つの学校の課題、一人ひとりの子どもたちの課題を明らかにして、それに対して学校と市町村教委、県教委が何をやっていくかが何よりも大事だと思います。公表云々だけがクローズアップされるのではなく、全国学調をやって、結果が出て、それを使って子どもたちの学力保障をしっかりやっていく、というプロセスを回していくことがすごく大事だと思っていますので、そこをしっかりやっていくということだと思います。その中で、公表云々ということは結果ですので、それは、それぞれの学校なり市町村教委なりが、的確に判断されればいいのだと思います。県全体の結果というのはもう公表されています。

それから、まず、公表する、しないということが大事なのではなく、結果に基づいて一つひとつ地道に各学校が取り組んでいくことが大事なので、それをやった上で、全国学調というのはこういうものですよということをご家庭、地域に良く説明した上で、それぞれ公表する、しないということを、それぞれの自治体が責任を持って地域にご説明できるようにするべきだと思っています。既に学校毎の判断では公表できますが、市町村毎に判断できるようになるということですから、それを受けて市町村、あるいは自治体が判断されるべきものだと思います。

記者
今、文部科学省の有識者会議で、来月の会議にも市町村教育委員会が公表できるようにする案を出したいということですが、会議に対して期待はありますか。

教育長
公表、非公表の議論だけでなく、全国学調をそれぞれの学校でどう活用して子どもたちの学力保障につなげるか、ということを全国レベルでぜひ議論してほしいです。色々な取り組みをそれぞれの県とか学校でやっていると思いますので、例えばベストプラクティスを調べてベンチマーキングできるよう公表していくとか、色々やり方はあると思いますので、ぜひとも全国学調のよりよい活用の仕方の方の議論をしていただきたいと思っています。

記者
紫波町の中学校の教職員が窃盗の疑いで逮捕、送検され、その後処分保留で釈放されるというケースがありましたが、どう県が対応するかお聞かせください。

教育長
逮捕事案について、私どもが伺っている範囲では、本人は否認しているということで、そこはよく調査しなければいけないのが1つと、もう1つは、現実に学校から現金が無くなっていたという、学校での現金の管理の在り方についてと、実は、問題は2つあると思います。

逮捕事案については、司法の判断、検察の判断を待たなければいけません。一方で、私ども学校を所管するものとしては、現金管理の在り方として、今まで学校の取ってきたのが適切だったのか、という問題があります。よく調査して、あるべき姿を議論して、問題があるとすれば是正していかなければいけません。

客観的事実が明らかでないので、処分が決定されていません。本人も認めていないようですし、事実関係が不確かな中では処分行為は行えません。

もう1つの問題である学校の現金管理の在り方としては、改める方策については、継続的に調査を進めたいと思います。

記者
現金管理について、調査をして必要なら是正、というのは、町教委に任せるだけでなく、県教委としても調査に関わっていくということでしょうか。

教育長
一義的には学校管理しているのは市町村教委ですから、市町村教委が調査されるのだと思いますが、やはり学校の現金管理の在り方として、課題があったということであれば、全県下で共有しなければならない話です。そういう意味で、県教委が直接乗り出してという趣旨ではなく、紫波町での問題だけではなく、全県下で共通して起こりうる問題として、県全体の問題として対応するべきものがあれば、一緒にやっていきたいという意味です。

記者
岩手での冬季国体の開催について、議会でも可決したということですが、改めて冬季国体の招致について抱負をお聞かせください。

教育長
この間、関係競技団体の会長さんがお見えになってお話いただいたのは、これで県内の競技団体が総力を挙げて取り組む体制ができます、ということでした。初めての完全国体ということになりますので、岩手の国体に関わる競技団体が皆で同じ思いで、総力を挙げてやれるということは1つの大きな意味があると思います。

もともと北国岩手としては、三ヶ田さんという本県唯一の金メダリストもいらっしゃいますし、冬季競技に寄せる思いというのが昔からあります。まだ申請していませんから確定していませんので、是非とも、県内の競技団体が一体として取り組める体制になれば本当にいいなと思います。

申請は、さきの教育委員会議で教育委員会としての方針は決定していますので、あとは議会の議決もいただきましたし、三者連名の申請となりますので、県体育協会も恐らく議決は済んでいますので、あとは知事の方に決裁という形でご判断いただき、これで三者が揃うので、速やかにやりたいと思います。もう国や日本体育協会と調整していると思いますので、その調整結果に基づいて、速やかにやりたいと思います。

記者
学力テストについて、公表することが、必ずしも学校の序列化とか生徒達の過激な競争とか、懸念される事態に結びつかないということですか。

教育長
公表するとすれば、在り方をしっかりご説明しなければならないと思います。例えば、平均点が良くても色々な課題があるかもしれません。「平均点が良くても、分布が2こぶになっている」とか、「高いところは学校ではなく塾が貢献しているのではないか」という議論とか、平均点だけの議論というのは実は危険なので、公表するとすればしっかり説明することで、地域なりご家庭なりに理解いただけるのではないかと思います。

記者
先日、三陸ジオパークが認定され、市町村が主体となってやる話ではありますが、学校教育の中でも、防災教育とともに、地域性のある教育を息長く続けていくべきではないかという議論もあるようですが、ジオパークに関連しての教育についてどう考えていますか。

教育長
ご承知のとおり、全県を挙げて岩手の復興教育に取り組んでいますが、その中で1つの大きな課題として、地域を知ろうというのがあります。全体としてはジオパークですが、1つひとつの構成要素が地域の宝物です。三陸沿岸の古生代の地質を中心とした非常に全国的に優れた地層など、色々な取り組みの中で、地域の魅力や岩手のもつポテンシャルを子どもたちに知ってもらう努力は必要だと思いますので、それぞれの地域で教育が行われるよう、私どもとしても取り組んでいきたいと思います。

ジオパーク教育として取り組むかどうかは議論があるところですが、今後どう学校と一緒に取り組んでいくかは、少し検討はさせていただきたいと思っています。復興教育も、ジオパーク教育も、何々教育も、となると学校も忙しいので、うまく取り込んで、地元の優れたところを子どもたちに分かってもらえるよう工夫していきたいと思います。

記者
先日、特別支援学校の事務で、懲戒処分がありましたが、3年にわたりやるべきことを放置していたことについての受け止めと、属人的なものなのか、組織として再発防止ができるよう取り組めるものなのか、という観点からお話ください。

教育長
結果として実害がないのが幸いでしたが、放置すると県民の方々、子どもたちに大変な負担をおかけする可能性がある事案ですので、非常に遺憾に思っています。

当該職場でも、当該職員に対する支援をきめ細かくやっていたようなのですが、結果的には防げなかったということですので、非常に申し訳なく思っています。職場からの報告によると、本人と色々なコミュニケーションを行って、色々改善に向かって努力されているということですので、職場一体となって見守りながら支援を続けたいと思っています。

いずれ、あってはならないことですので、こういったことが二度と起こらないよう、色々な意味で、会議等を通じて徹底を図っていきたいと思っています。

記者
釜石の橋野高炉跡の世界遺産への登録推薦決定について、平泉の時とは違う課題があるかと思いますが、今後の課題と現状をどのようにとらえているか、また、こういうことに取り組みたい、ということについてお話ください。

教育長
まずは、推薦書を確実に作って、登録に向けて全力を挙げるのが私どもの最大の役割です。平泉はご案内のとおり構成資産が本県だけでしたが、今回は複数の県にまたがり、九州、山口をメインに静岡、本県と日本全国に広範に散らばっているので、世界のイコモスの専門家の方に保存状態も含めて見ていただくのですが、ストーリー性をきちんと描かなければならないものです。どうして離れているのかということまで含めて、近代化に果たした釜石の遺跡を含めたストーリーを作っていかなければならないと思います。幸い登録になった後には、観光というお話もありましたが、釜石が単体としてあるのではなく、静岡、九州、山口と一体となってストーリー性を持ってここにあるんだ、ということを訴えていかないといけないと思います。まずは、地元釜石市、県の関係部局と一体となって、関係県と一緒になって登録に全力を挙げ、保全、活用について取り組んでいきたいです。

推薦決定については、素直にうれしいと思います。官房長官も記者会見で、特に釜石が構成資産に含まれていることに言及されて、震災津波からの復興の大きな力になるだろうと仰っていましたが、釜石、本県にとって1つの大きな力になると思います。

記者
学力テストについて、市町村教委が公表することについての是非について、どのようにお考えですか。文科省の調査があったかと思いますが、県教委はどのようにご回答されましたか。

教育長
基本的には、県の立場として、公表はまかりならんとか公表するべきだとか言うのはちょっと違うのではないかと思います。というのも、それぞれ市町村の状況は色々と違うので。文科省が今後、公表を是か非かと議論した上で、市町村が自由に判断して公表することを前提として、来年度以降試験を実施するとすれば、それに参加するかどうかというのは、市町村の判断があると思います。うちの市町村はこういう理由で、公表するのは適切でないと思うので、参加しない、という選択肢もあるのでしょうから、それぞれ説明責任を負わざるを得ない立場なので、基本的に当事者である市町村のお考えを聴いた上で、色々ご判断いただきたい、ということを申し上げたいと思っています。

記者
台風の被害が出ていますが、学校の登下校の判断基準は学校に委ねられており、それぞれ休校のところや午前授業のところ等様々でしたが、県教委として一定の指針を作るようなお考えはありませんか。

教育長
判断が分かれたのはその通りで、あの日盛岡は午前授業だったので、下校の時間が台風接近の時間に近かったという事情もあります。それぞれ学校の置かれている状況や市町村の状況が異なりますので、一律に、明確な基準を示すのはなかなか難しいと思います。

ただ今回、大きな教訓だと思っているのは、どこでも災害が起こり得るということです。この間、松川が氾濫しました。たまたま休日で子どもたちにあまり影響がありませんでしたが、校庭が浸水しました。ああいった時にどう子どもたちを守るべきか、というのは、それぞれ1つひとつの学校毎に違う可能性があるので、今、防災教育の一環として、担当指導主事が全部の学校を訪問しつつあります。その時に、1つひとつの学校の防災上の課題は何かということを聞いて、一緒に防災対策を作っていくということをやり始めています。ですから、もともと基本的なことはお示ししていますが、県教委として一律にもっと詳細な基準を示すということは難しいので、むしろ県教委としては1つひとつの学校が置かれている状況について一緒に考えて、学校に何が必要かということを、必要に応じて岩手大学等の専門家の方々にも入っていただき、各学校の想定される危険は何か、こういうふうに対応して子どもたちを守りましょう、ということを、詳細に作っていくという取組を始めています。

記者
学力テストの公表については、県教委として、市町村教委に判断を委ねるということですか。

教育長
制度的に、県として公表しろとか公表するなというのは違うと思います。国において、市町村レベルでも公表を前提として学力テストを実施されるとすれば、それに参加するかしないかも自由なので、それを前提とした上でどうされるか、市町村で判断が行われるべきだと思います。それに対して、県の立場として、公表するのは適切でないとか、公表しろ、と助言するのも違うと思います。

あくまでも全国学調の目的は、子どもたち一人ひとりの学力保障のために学校、市町村が何をやるかということですので、やるとすれば、そういうプロセスをしっかり説明した上で、公表していくということだと思います。

国に申し上げたいのは、多くの学校があるところや、1つしか学校がないところなど、市町村によって状況が違うということから、まずは、実際に公表の対象となる市町村の意見を十分に聴いた上で、判断する必要があるということです。

記者
各自治体の判断が違って、県内で混乱したりとか、保護者の学校の選択等に及ぼす影響が大きいように感じますが、県教委としての統一した見解というのは考えられませんか。

教育長
もし、市町村と意見を交換して、市町村の立場として全部統一的な見解で臨もう、という議論がなされれば、県と各市町村で一緒に議論して、全国学調にはこのように対応しましょう、という方針を決めるということは、議論としてはあり得ると思います。そこは、市町村のご意向をしっかり聞いてみないと分かりません。まだ、軽々しく県の立場でやる、やらないということは現段階ではなかなか申し上げられないと思います。

教育企画室
以上をもちまして本日の記者会見を終了します。

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