「がんばろう!岩手」意見交換会(平成26年12月12日 久慈地区高等学校)

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ページ番号1000862  更新日 平成31年2月20日

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日時

平成26年12月12日(金曜日) 10時45分から12時00分

場所

岩手県立久慈東高等学校 視聴覚室

出席者

  • 参加者(敬称略)
    小袖 望(岩手県立久慈東高等学校1年)
    村塚 亮良(岩手県立久慈高等学校2年)
    中家 尚哉(岩手県立久慈高等学校・長内校1年)
    阿部 亜聖(岩手県立種市高等学校1年)
    太内田 拓也(岩手県立大野高等学校2年)
  • 県側
    達増知事
    東大野秘書広報室長
    高橋県北広域振興局長
  • オブザーバー
    船越 芳則(久慈東高等学校長)
  • 司会
    菊池 郁聡(久慈東高等学校・副校長)

開会

菊池副校長

 皆様、こんにちは。ただいまから県政懇談会「がんばろう!岩手」意見交換会を開催いたします。
 本日御出席頂きました生徒の皆さん、また県議会の工藤様には御多忙のところお越しくださいまして、誠にありがとうございます。心から感謝を申し上げます。私は、本日の進行役を務めさせて頂きます岩手県立久慈東高等学校副校長の菊池と申します。どうぞよろしくお願いします。

知事あいさつ

写真:懇談会の様子1


菊池副校長

 それでは、開会にあたりまして、知事から御挨拶をお願いいたします。

達増知事

 皆さん、こんにちは。この12月の忙しい時に集まって頂きまして、ありがとうございます。引率の先生方もありがとうございます。また、久慈東高校においてはここの場所を用意と、また司会進行もやって頂いてありがとうございます。そして、工藤大輔県議にもおいで頂いてありがとうございます。
 県政懇談会「がんばろう!岩手」意見交換会というのは、東日本大震災以降、復旧・復興の最前線で活躍している皆さんに話を伺い、そしてそれを岩手県の復興政策に生かしていこうという趣旨でやっています。いろいろ地域毎、また分野毎に集まってもらって話を聞いているのですけれども、高校生というのは高校の勉強をきちっとやって、そして将来活躍出来る力を身に付けてもらえれば、それでもう復興に大いに貢献してくれているという事なのですけれども、プラスクラブ活動や生徒会活動、また地域活動で勉強のほかにも復興に貢献してくれている岩手の高校生の皆さん、特に沿岸の高校生の皆さんでありまして、この久慈地域でもそうであります。そう言った話も今日伺って、県の復興の施策に役立てていきたいと思いますので、よろしくお願いします。ありがとうございます。

菊池副校長

 ありがとうございました。本日の懇談会の進め方についてでございますが、この後、出席者の御紹介をさせて頂きます。その後、御手元に御菓子がいろいろ用意してございますが、召し上がって頂いて、リラックスして頂いた後に皆さんから自己紹介を頂きます。その後、今後の抱負をお願いし、最後に自由に発言頂くという時間を設けたいと思っております。目の前にいろいろ御菓子ありますが、後ほど簡単に説明をさせて頂きますので、まず本日出席の皆さんの御紹介をいたします。
 それでは、岩手県立久慈東高等学校、小袖望さんです。

小袖望

 よろしくお願いします。

菊池副校長

 岩手県立久慈高等学校、村塚亮良さんです。

村塚亮良

 よろしくお願いします。

菊池副校長

 続いて、岩手県立久慈工業高等学校の山田淳也さんですが、今日出席予定でしたけれども、久慈工業高校がインフルエンザによる学年閉鎖となったために、残念ながら本日は急遽欠席となりました。御了解いただければと思います。
 続きまして、岩手県立種市高等学校、阿部亜聖さん。

阿部亜聖

 今日はどうぞよろしくお願いします。

菊池副校長

 失礼いたしました、順番を間違ってしまいました。岩手県立久慈高等学校長内校、中家尚哉さんです。

中家尚哉

 よろしくお願いします。

菊池副校長

 続いて、岩手県立大野高等学校、太内田拓也さんです。

太内田拓也

 よろしくお願いします。

菊池副校長

 そして、県からは達増知事。

達増知事

 よろしくお願いします。

菊池副校長

 東大野秘書広報室長。

東大野室長

 よろしくお願いします。

菊池副校長

 県北広域振興局、高橋局長。

高橋局長

 よろしくお願いします。

菊池副校長

 県からは以上でございます。
 また、本校からは船越校長も同席いたします。

船越校長

 よろしくお願いします。

菊池副校長

 なお、本日は県議会議員の工藤議員にもお越し頂いております。

工藤県議

 どうぞよろしくお願いします。

菊池副校長

 それでは、これから自己紹介頂きますが、その前に御手元の御菓子、御茶に手を付けて頂いて、リラックスしてから進めていきたいと思います。と言っても、なかなか手をかけにくいと思いますが、まず御茶を開けますか、皆さん。御茶を開けて、コップに注いでください。これからいっぱいしゃべってもらわなければならないので、喉が渇くと思いますので。
 では、今日お配りしている御菓子を簡単に御説明させて頂きます。まず、お皿の上に乗っている黒豆ケーキです。学校のすぐ近くに御店のある竹屋製菓さんというところですが、嵯峨県議さんのところの御菓子でございます。地元の黒豆を使ったケーキという事で、私も好きで食べております。これも開けて、お皿の上に置きましょう。
 では、食べて頂きながら、新聞紙で作ったエコバッグに入っている物を紹介させて頂きます。本校の家庭クラブの生徒達がそのバッグも作りまして、きなこクッキーというのが中には入っております。本校の特産の御菓子と言いますか、家庭クラブで作って地域の方々に食べて頂いているという物でございます。黒豆ケーキも、きなこクッキーもどちらも豆を使っているわけですけれども、久慈地方はヤマセの影響でなかなか農産物が採れないという事から、こういった豆を使った物が継承されているのかなというふうに思います。
 きなこクッキーを1袋見て頂けますか。丸いクッキーですけれども、色が若干それぞれ違うと思います。ちょっと黒っぽいのがあったり、白っぽいのがあったり、これは生産農家さんのきなこによって、このように焼き上がりの色が違うのだそうです。ぜひきなこクッキーも食べながら進めていければと思います。
 小袖さん、まだ緊張していますか。では、私がもう少ししゃべりますか。後ろのポスターですが、真ん中に8枚ありますけれども、南部ダイバーの格好をしている生徒さん、種市高校の山本君です。その左隣が村上弘明さんの後ろに、海女の格好をしている中に本校の生徒、「あまくらぶ」5人も写っております。それから、向かって右側の右端の大きなポスターになります。「花は東北に咲く」というポスターがありますが、これはNHKの「花は咲くプロジェクト」という事で、今年の夏に本校の生徒を使って撮影したものです。下に写っている生徒が本校の3年生の生徒になります。

達増知事

 テレビでもやっていましたよね。

菊池副校長

 そうですね、スライドショーのような形で1分間のスポットでやっていました。本校の生徒、それから私もちらっと写るはめになってしまいまして、御覧頂ければと思います。この久慈地区の生徒達もいろんな場面でこうやって活躍しているなという事を感じております。

懇談

写真:懇談会の様子2

菊池副校長

 それでは、懇談に入らせて頂きたいと思います。
 まず初めに、自己紹介を兼ねまして、御一人3分ぐらいで皆さんが学校や地域で取り組まれている事などを話して頂きたいと思います。2人ずつお話しを頂いて、その後に知事からコメントを頂ければと思います。待っている間、食べながらでも結構ですので、喉を潤しながら進めて頂ければと思います。
 それでは、名簿順で小袖望さん、村塚亮良さん、お願いします。
 まず、小袖さんからお願いします。

小袖望

 久慈東高等学校1年の小袖望です。野田村出身です。野田村のマスコットキャラクター「のんちゃん」の名前をもじり、友達からは「のんちゃん」と呼ばれています。
 学校では生徒会に所属しています。最近では文化祭や生徒総会の運営でエコキャップ活動などを行い、生徒みんなの学校生活がより良いものになるように活動しています。部活動では剣道部に所属し、マネージャーをしています。中学生の時は選手でしたが、高校では選手をサポートする側として取り組んでいます。しかし、剣道部の部員不足もあり、先日行われた新人大会では個人、団体ともに選手として参加しました。
本校は総合学科高校ですので、2年次になると各系列に分かれ、専門的な学習に励んでいます。学習する内容はそれぞれ異なりますが、地域との関わりを重視しています。特に今年は本校の創立10周年という事もあり、記念式典や八戸光星学院との野球の招待試合のほかにも文化祭に力を入れてきました。文化祭では、各系列で様々な工夫をし、2日間で3,500人もの来場者がありました。これには本校3年生5人の構成による「あまくらぶ」のステージも一役買ったと思います。昨年放送された「あまちゃん」でしたが、ドラマが終わった後でも「あまくらぶ」が注目されるたびに私達も頑張ろうという元気をもらっています。
 次に、私が個人的に参加している久慈の高校生ボランティア「ヤンボラ」について紹介します。「ヤマセあきんどまつり」では、商店会の方々と協力し、模擬店の出店や「ヤンボラ」で生徒が企画したビンゴ大会などを実施したり、秋のイベントとしては公民館で巨大迷路を作り、子供達との交流を深めました。また、地域のごみ拾いにも参加しています。この「ヤンボラ」の活動は10年以上に渡り続けられてきたもので、先月これまでの活動が評価され、内閣府主催の社会貢献青少年表彰を受けました。これからも地域の方々と交流するだけでなく、震災を経験した子供達との交流も深めていきたいと思っています。私達高校生の姿を見せる事で、地域に活力や元気を与えられていると思います。この活動を通して元気や勇気をもらったと声をかけられる事が多くなりました。震災以前は特に感じる事は無かったのですが、震災以降、特に高校生になってからは私達の学校生活や日常が地域のたくさんの大人に見られていると実感しています。そして、刺激を与えているのだと感じました。私は、まだ1年生なので、これからもこのボランティアなどを通して高校を卒業するまで活動していきたいと思います。
 以上です。

菊池副校長

 ありがとうございました。
 では、続いて村塚亮良さんお願いします。

村塚亮良

 私は、久慈高等学校2年生で、生徒会長を務めさせて頂いています村塚亮良です。クラブはソフトテニス部に所属しています。ベスト4を目指して頑張っています。
 久慈高等学校では、地域の活動として募金活動、河川敷の清掃活動、また保育園等の行事の補助などを行っています。募金では、全校の3分の2の生徒の人が協力してくれて、また河川敷の清掃活動や保育園の補助などは多くの生徒が積極的に参加して盛り上がっています。しかし、勉強や部活動を熱心に活動している生徒が多く、特に3年生などは受験も控えているために地域貢献のための活動をする時間がなかなか取れない状況にあります。そこで、私達生徒会が1年生を中心に様々な活動をどんどん提案して、地域貢献を出来る学校にしていきたいと思っています。
 また、文化祭では久慈高校を地域の方々により良く知ってもらうために、生徒会でチラシを作って宣伝しました。去年と今年はどちらも2日間で1,000人を超える来場者の方にお越し頂きました。これからはもっと久慈高校の良さを地域の方々に知って頂くために様々な活動を行っていきたいと思います。
 以上です。

菊池副校長

 ありがとうございました。
 知事、お聞きしたい事と感想をお願いいたします。

達増知事

 小袖望さんが高校生の力が地域の元気になるというお話をしましたけれども、本当にその通りだと思います。「あまくらぶ」がその代表格だと思いますけれども。もともと高校生というのは、大人を唸らせるような活動が出来る年代でありまして、そこが中学校と違うところですよね。今日は残念ながら欠席の山田淳也君は高校野球、甲子園まであと一歩のところまで行き、ああいう甲子園野球なんていうのは本当に全国の大人達を唸らせる、そういうものですが、野球に限らずどのスポーツでもそうだし、また合唱、吹奏楽などの文化活動でもそうですし、また既存のそういう今まであるようなそういうクラブ活動の枠を越えた「あまくらぶ」みたいな事とか、あと地域での活動も大人達を唸らせ、地域社会、さらには全国を良くしていくという、そういう力が高校生にはあると思うので、その調子で頑張って欲しいなというふうに思います。
 村塚亮良君のお話の中でも、文化祭を地域の人に来てもらうようにやってたくさん来てもらったというのは本当に良い事だと思います。それから、募金とか河川敷清掃とか、保育園への補助とか、そういう地域への地域貢献を出来るだけやっていこうという姿勢は大事だと思いますので、その調子でやって欲しいと思います。

菊池副校長

 ありがとうございました。
 小袖さんは、前に知事とお会いした事があり、握手した事があるという話を聞いたのですが。

小袖望

 はい、避難所で生活している際に、知事が訪問に来てくださった際に、知事と握手しました。とても元気づけられました。ありがとうございました。

達増知事

 はい、良かった、良かった。

菊池副校長

 知事は記憶には無いかと思いますが、勇気づけられたという事で。

達増知事

 野田村の中にある避難所ですね。野田村は被害が大きかったですからね。一方、「のんちゃん」という野田村のキャラクターは、世の中でご当地キャラとか、ゆるキャラとかがブームになる前から野田村の入り口の所に大きく飾ってあって、今はグッズもたくさん増えて、「のんちゃん」は凄い良いなと思いますね。

小袖望

 ありがとうございます。

菊池副校長

 ありがとうございました。
 続いて、中家尚哉さん、阿部亜聖さん。
 まず、中家さんお願いします。

中家尚哉

 岩手県立久慈高等学校長内校からまいりました中家尚哉です。私は、今年の4月、長内校に入学しました。長内校は昼間部と夜間部のある全校生徒50人の定時制高校です。長内校には小学校や中学校で不登校だった人やアルバイトをして家計を支えたいと思っている人、勉強の苦手な人など様々な生徒がいます。全日制の高校のように3年で卒業する人もいれば、自分のペースに合わせて4年で卒業する人もいます。私が長内校に進学した理由は、少人数で自分のペースに合わせて勉強出来るからです。定時制高校は、働きながら学ぶ学校というイメージがありますが、長内校では就職指導だけではなく進学指導もしてくれます。私は、将来自動車整備士になりたいと思っているので、専門学校に進学し、資格を取りたいと思っています。
 長内校は小さい学校ですが、様々な個性の生徒がそれぞれの目標やペースに合わせて頑張っています。個性豊かな生徒達ですが、みんなフレンドリーで、先輩や先生との交流も多く、私も入学してからとても楽しい生活を送っています。
 以上です。

菊池副校長

 ありがとうございました。
 では、阿部君お願いします。

阿部亜聖

 種市高校海洋開発科1年の阿部亜聖と申します。よろしくお願いします。私は、山田町出身で、青森県階上町に下宿しながら種市高校に通っています。こちらに来て、何にでも頑張りたいという気持ちが湧き、種市高校を今まで以上にもっといろんな人に知ってもらい、盛り上げるために生徒会に所属し、活動しています。
 種市高校は東京大学と協定を結びました。海洋に関する英語の文献を翻訳するオーナー団体を立ち上げたり、東京大学の先生方の講演を聞いたり、連携を進めています。また、この11月には初めての試みである海洋祭を開催しました。ヘルメット式潜水の体験や水中溶接の実演、久慈市の「もぐらんぴあ」と、八戸市水産科学館マリエントに御協力頂いた出張水族館の展示など、種市高校に関する事や海洋に関する事をお伝えする事が出来ました。そのほかにも一般の方を対象としたスキューバダイビングの体験講座や洋野町海洋教育事業「海はともだち」の一環として、町内の小学5、6年生と磯遊びや種市高校の実習船種市丸への乗船体験などを通して地域との関わりを深めています。種市高校では、全校生徒で町内の清掃活動を行うなど、洋野町をより良くするための活動を行っています。種市高校では、私も生徒会の一員として種市高校、洋野町を多くの方々に知って頂き、魅力を伝えていきたいと思っています。
 今日は同世代の皆さんとの意見交換を通して様々な事を吸収したいと思います。よろしくお願いします。

菊池副校長

 ありがとうございました。
 知事からコメントをお願いします。

達増知事

 中家尚哉君は、久慈高等学校長内校という事で定時制の高校、いろんな背景の生徒、またいろんな経験している生徒も集まってくる、そういう学校で、私も岩手県の定時制高校の生徒達の作文コンクールの入賞者の冊子になったのを毎年楽しみに読んでいるのですけれども、やっぱりなかなかほかで得られないような深い考えとか、そして自分をしっかり見詰める強い主体性、自立心みたいなものが感じられる作文が多くて大変良い学びをみんなしているなと思っています。そういう一人一人が成長していくのを出来るだけみんなで共有して、集団としても成長していくとなお良いので、中家君が生徒会の議長としてそういう集団の取りまとめ、いろんな文化祭とか、そういう行事もしっかり取り組んでいるというのは本当に良い事だと思うので、ぜひその調子で頑張って欲しいと思います。
 そして、阿部亜聖君は南部ダイバーという事で、昨日も盛岡の岩手県民会館で岩手県と県の建設業協会の共催で若い人達、それから特に女性の人達に建設業の魅力を伝えるイベントをやったのですけれども、種市高校の海洋開発科の生徒にも来てもらって南部ダイバーの格好をみんなに見てもらったりとか、県全体でもいろんなところでお世話になっている海洋開発科ですね。「あまちゃん」で一気に全国的にも有名になり、阿部君の話にもありましたが、東京大学とも連携して海洋開発というのは岩手県の復興の中でも海洋研究、海洋開発をさらに発展させるというのが復興計画の柱の一つになっていて、大変大事な分野なのですけれども、いろんな新しい取り組みとか、今やっている事のさらに発展的な取り組みとか、そういうのをどんどんやっているという事で大変頼もしく思っています。その調子で頑張ってください。

菊池副校長

 ありがとうございました。
 阿部君も潜る実習とかもやられているのですか。

阿部亜聖

 はい、今は水深3メートルの所で潜行浮上と言って、空気を出して上がったり、下がったり、何かこうやるのですけれども、それの練習をしています。

達増知事

 頭を傾けて空気を抜くというやつ。

阿部亜聖

 一気に抜くと海底まで沈んでしまうので、そんなにガブッとやらないで、一気に下がってしまうので、それが難しいところです。

菊池副校長

 ありがとうございました。
 それでは、太内田拓也さんお願いします。

太内田拓也

 大野高等学校2年の太内田拓也です。現在生徒会長を務めています。サッカー部の部長も務めており、充実した毎日を送っています。
 本校では、地域の方々と交流する機会が多々あります。その一部を紹介させて頂きます。まず、例年久慈平岳という大野高等学校の近くにある山へ行き、里山整備をします。この活動を通して公共の場を整備するという奉仕の心を養うとともに自分達で森を守り、受け継いでいくという責任感を身に付ける事が出来ます。そうして、秋になると久慈平岳に松茸が生える事があります。その松茸を収穫祭で収穫し、さらに地域の方々の御協力を得て調理して頂き、秋の味覚を堪能します。
 ほかにも大野地区では8月18日にナニャドヤラ大会が開催されます。その大会には大野高生がスタッフとして支援したり、踊り子として出場など人々との交流を深めたり、地域に貢献しています。授業でも芸術科目として工芸、書道、音楽があります。その中で、工芸は地域のデザインセンターと言う施設をお借りし、実際に大野木工や工芸製品を作ります。このような体験は、大野ならではの活動であり、誇りに思っています。私は、地域の繋がりがとても大切な事だと思います。繋がりを強くするには挨拶などのコミュニケーションが大切だと思います。本校でも挨拶に力を入れており、廊下ですれ違う先輩や先生方に対しての「お疲れさまです」が頻繁に聞こえてきます。今では、挨拶する事が定着し、誰に対しても笑顔で挨拶するようになりました。これからも挨拶を大野高等学校の伝統として受け継いでいきたいと思います。このように、本校では地域との連携をして活動しています。
 以上です。

菊池副校長

 ありがとうございました。
 知事、お願いします。

達増知事

 大野高校は、スポーツ盛んで、国体でも卓球部の人達に国体に出て活躍してもらっていて、今年も長崎国体で県全体としては順位が去年より落ちてしまったのだけれども、卓球部のおかげでだいぶ下支えしてもらったというところがあります。一人一芸の村というスローガンが大野にはあって、それで工芸に力入れているというのは大変良いと思いますね。
 岩手の沿岸というのは海と山が大変近い、またほとんど山がそのまま海に入っている、海からすぐ山だという、そういう関係にあるのですけれども、海の幸はもちろんなのですけれども、やっぱり山の幸というのも生かしていく事が大事で、良い木材とか、あと松茸もそうですけれども、そういう山の幸をどんどん生かして、人の手を加える事で付加価値の高い商品として売る事も出来るので、そういう活動は大変大事だと思います。また、ナニャドヤラのような独特の文化もありますから、岩手の県北全体の県北振興というのは岩手県全体からも大事な課題なのですけれども、そういう山の資源や山の文化というのが盛り上がっていく事が大変大事なので、大野高校としてもそういう活動をしてもらって大変助かるので、ぜひその調子でよろしくお願いします。

菊池副校長

 ありがとうございました。
 自己紹介頂きました。ここでもう少しお茶を飲んで頂いて、きなこクッキーも開けて食べてみてください。ちょっと袋を開けて頂いて。
 東大野室長から、今の生徒達に何かコメント、感想ございますか。

東大野室長

 実は私も、出は県北ですので、みんながいろいろ地域の事を考えて活動しているというのは非常にうれしい事で、少し前に私は久慈に勤務した事があるのですけれども、その時に感じたのは都市部と違って地域の人と子供達が距離が近いので、みんなもそうだったと思うのですけれども、地域が子供達を育てているというのを非常に強く感じたので、最初に小袖さんがおっしゃっていましたけれども、自分達の事を大人達が見ているというのはその通りだと思って、ただ見ているのではなくて、期待して見ていると思うので、ぜひ期待に応えるような、でも自分のやりたい事を見つけて、自分のやりたい事が出来るような、そんな暮らし方をしてもらいたいなと思いました。

菊池副校長

 ありがとうございます。
 どうですか、きなこクッキーの味はいかがですか。
 阿部君、どうですか。

阿部亜聖

 おいしいです。

菊池副校長

 ありがとうございます。
 知事いかがですか、味のほうは。

達増知事

 きなこは体に良いので、いろんな食べ方でどんどん食べると良いので、一口でぱくっと食べられておいしいので、これはグッドアイデアだと思います。

菊池副校長

 生徒も大きな励みになると思います。ありがとうございます。
 それでは、自己紹介に続きまして、今度は未来に向けてという事で、皆さんが地域の復興を含めて、これからの岩手に望む事、それから自分の夢や将来に向けてという事でお話を頂けたらと思います。大体3分程度でお願い出来ればと思いますので、よろしくお願いします。
 では、これも小袖さんからお願いします。

小袖望

 私の自宅は野田村にありましたが、津波で全壊しました。あの震災では、多くの方が津波で命を失ったり、家を流されたりしました。その事もあり、辛いと簡単に口に出す事は出来ませんでした。学校で行われている防災セミナーなども複雑な心境でした。今でも心に傷を負っている子供達はたくさんいると思います。そんな子供達のケアを出来る体制は震災から数年経った今でも必要だと感じています。
 また、私は震災後、長い間避難所で生活をしていました。海蔵院というお寺です。毎日御風呂に入れない事や、子供が私しかいなかったという事もあり、不安な事もありました。食事や日々の生活においては支援物資を頂き、困らなかったのですが、幼心にわがままは言えないと感じ、我慢する事は多かったです。数カ月間避難所で生活をし、以前住んでいたアパートの大家さんが住宅を建て直してくださり、そのアパートに戻る事が出来ました。
 今野田村では、復興公営住宅を建設していますが、入居の対象になるのはどのような方々なのでしょうか。復興住宅に入りたいけれども、入居条件的に入る事が出来ない方も多くいると思います。私は、現在アパートに住んでいますが、入居は可能でしょうか。今後は復興住宅のさらなる設備と入居条件の緩和を検討して欲しいと思います。早く震災前の当たり前の生活に戻れる事を祈っています。
 私は看護師を志望しています。きっかけは母に勧められた事ですが、震災などの時に看護師の方が被災地で懸命に働いているのを見聞きして感銘を受けました。看護師である私の友人のお母さんは母親を亡くしたにも関わらず、家の事だけでなく、地域のために忙しく働いたと聞きました。私もそれだけの信念を持った看護師になりたいと思っています。また、病院には病気と闘って不安な子供達がたくさんいます。私は、そんな子供達を支える事が出来る優しい看護師になりたいです。ただ、進学にはどうしてもお金が必要になります。私は母子家庭で、親に金銭的な負担は出来ないと考えています。いつまでも人に頼ってばかりではいけないのですが、金銭面でのさらなる支援を希望します。将来は地元で働きたい、地域に貢献したいと考えている高校生が多くいると思います。地域を復興させていくのは自分達の番だと思います。知事には高校生や大学生が地元に戻ってこられるような地域復興や景気雇用対策をお願いします。
 以上です。

菊池副校長

 ありがとうございました。
 では、続いて村塚さんお願いします。

村塚亮良

 すみませんが、知事に会って緊張しているので、メモを見ながら話してもよろしいでしょうか。

達増知事

 どうぞ、僕もいつもそうしているから。

村塚亮良

 これからの岩手に望む事は、観光産業振興です。これからの日本では、人口がどんどん減って、今では地方消滅など、そういう言葉も生まれるようになってきました。これからどんどん人口が減っていくという中で、岩手など地方のほうはさらに人がいなくなると予想されています。そこでは、地域復興どころでなくて、人がいなくて大変だという感じになります。そこで、対策の一つに観光産業振興があると思います。昨年ブームになった「あまちゃん」がその良い例だと思います。2カ月ほど前に知事がテレビに出ていたのを見て、「あまちゃん」に100年先まで乗っかり続けると……

達増知事

 土曜の夜の番組ですね。

村塚亮良

 はい。それを言っていたのを僕は賛成したいと思います。なぜかというと、観光に力を入れる事で他県のほうからどんどん人が来て、そこでまた経済効果がアップして、そうしたら岩手良いな、岩手に住んでみようかなという人がどんどん増えて、人口も増えると思います。そこでまた観光に力を入れて、人が来て、経済効果がアップするという凄い良いサイクルが出来るのではないかなと思っています。
 その観光産業振興の中で、交通整備などは凄い重要な事だと思います。沿岸のほうだと道路が狭い所が多くて、ここから小袖の所に行くのにも道路が凄い狭くて、地元の人ですら通るのをひやひやしているようなので、観光客の方などはもっと大変かなと思います。また、観光とは別になるのですが、道路を広げる事で過疎化が進む中で、高齢者の方が増えてくるので、救急車がすぐ通れるようにするという点でも交通整備は必要だと思います。
 私の夢は、県職員を志望していて、観光産業振興に関わる部署で力を尽くしたいと思っています。
 以上です。

菊池副校長

 ありがとうございました。
 知事からコメント願えますか。

達増知事

 まず、小袖さんの質問で、復興公営住宅に入る資格という事については、基本は震災で家を失った人、それは今応急仮設住宅がそれに準ずるみなし仮設という所に住んでいる人というのが基本なのですけれども、ただ災害公営住宅、復興公営住宅は、まず東日本大震災からの復興のためのものなのですけれども広く各市町村毎の住宅政策の中で作られているというところもありますので、今のところ柔軟化の方向性とか、野田村のほうでは出ていますか。

高橋局長

 野田村のほうでも幾つかの地区に災害公営住宅建っていまして、既に村の災害公営住宅としては10戸弱完成しています。あと久慈工業高校の下の所に山がありますけれども、あそこを削って工事しております。今後宅地にするという事で、全体で74区画、災害公営住宅については54区画にするという事になっています。基本的には災害公営住宅の計画をする際に、避難されたとか、災害に遭った方がどのように思っているか、自分で建て直したりとか、あるいは普通の民間のアパートで良いとか、公営住宅に入るかといったものを希望を聞きながらやっているという事なので、基本的にはそこでどういう意思表示をしたかによると思うので、あとは実際に考え方が変わったとか、そういう事があれば、そこは市町村のほうといろいろ相談しながらという事になるかとは思います。

達増知事

 結構いろいろ決まりが変更したりする事もあるので、野田村であれば野田村役場に時々話を聞いて確認しながら、また希望を伝えていけば良いと思います。
 そして、看護師を目指すという事で、これは岩手にとっても大変大事な職業なので、大変良いと思います。岩手県は東日本大震災が起きる前から医師不足、看護師不足という問題があって、それで医師、看護師にもっと増えてもらおうと、多くの人が医師、看護師になって岩手で働けるようにという事で、それぞれ医学部や看護師学校の定員を増やすとか、あとは奨学金の充実というような事もやっているので、金銭面の支援も日に日に充実させているところですので、これは学校の先生に相談すると良いのかなと、その時その時のいろんな奨学金とか、金銭的支援の最新情報は学校のほうを通じて入手してもらうと良いのではないかと思います。
 東日本大震災を経験して、ますます地域医療というのは大事だなという事を私もですし、県としても痛感しているところなので、今は岩手の医師、看護師不足、地域医療の体制の弱さというのは深刻なのですけれども、だんだん医師、看護師も増えていって、十数年後ぐらいには厚生労働省の基準に達して医師不足とか、地域医療体制の弱さという事が克服出来るような計画で、今岩手の地域医療を充実させていますから、十数年後ぐらいに本当に働きやすく、働いただけいろいろ成果が上がるような体制になっている予定なので、そういう中で活躍してもらうとちょうど良いのではないかなと思います。
 そして、村塚亮良くんは、観光産業振興が大事だと。地方消滅の話にも言及があり、これは小袖望さんも高校生、大学生が地元に戻って来れるようなと、そういう地域づくりをして欲しいという話ありましたが、これは大変大事な話で、岩手県としてもちゃんと岩手で、地元で働いて、そして生活出来るようにしていくという事がこれから復興のその先の大きな課題だと思っています。復興という事自体、ふるさとを消滅させないという事で、津波の被害があってもそこにまた住める、そこで働いて暮らしていけるという、そういうふうにするのが復興なのですけれども、さらに復興の先、また東日本大震災の被害を受けてないような所も消滅しないようにしていくという事をしっかりやっていきます。
 今岩手県は、全体としては、有効求人倍率という働きたい人と、それから働いて欲しい会社側との求人、求職のバランスが1を超えていてというのは、働きたいという希望の人は職種を選ばなければどこかでは働けるというような状態にはなっています。これは、東日本大震災前には岩手全体で0.6とか非常に低い数字で、岩手の中に働く所が無いみたいな感じだったのですけれども、今はもう1を超えている。それは、岩手全体として1を超えていて、久慈地域は……

高橋局長

 最近は切っています。

達増知事

 久慈地域も1を超えていた事もあったけれども、今は切っている。ちょっと岩手の中でも雇用が総体的に弱いところがあるので、そこにはやっぱり県としても力を入れて働ける場所をきちっと確保していきたいと思っています。
 一方、人口減少が進んでいく中で、日本全体として人手不足社会になっていきます、これからは。つまり、人が余って働く場所が無いという時代はもう終わろうとしていて、希望すればどこででも働けるような人手不足社会にだんだんなっていきます。ただ、そういう人手不足社会の中でも給料とか、待遇とかで、この地方のほうが良い、こっちの地方は弱いとか、そういう差の中で岩手が弱くなってはだめだと思っていますので、今県で一つ力を入れているのは県内の企業に、会社に働きかけて非正規よりも正規、正社員として働いてもらうように、また給料も出来るだけ高く払えるようにという事を働きかけています。給料を高く払えるようにするためには、やっぱり働く人1人当たりにそれだけ稼いでもらう必要があるので、そこで大事なのが教育とか、訓練とか、一人一人の力を伸ばす事なのです。一人一人の力が高まればそれだけお金を払ってもらえるような物やサービスを提供出来るようになるので、そういう働く人の能力を高めて、そして収入を確保して、地元で働いて、稼いで暮らしていけるようにという方向で岩手の人口減少問題に対抗していこうというのが基本戦略です。
 観光産業は、その中でも大事な分野で、これも本当に人の能力で観光客に喜んでもらえる度合いというのがだいぶ違ってきますので、観光に関わる人を育てていくという事で、行政としても働きかけが非常に大事な分野です。県職員として観光産業振興に携わりたいという志は、岩手にとって非常にありがたい志なので、ぜひそれを大事にして欲しいと思います。
 「あまちゃん」100年は、これは出来るし、しなければならないと思っていて、夏目漱石の「坊ちゃん」というのが、あれは100年くらい前に書かれた小説なのですけれども、100年たった今でも「坊ちゃん」と言えば愛媛県の松山市が舞台となっているという事は多くの人が知っているというふうに、「あまちゃん」も100年経っても、あの東日本大震災の直後にNHKが放送した歴史的なドラマで、岩手県の久慈が舞台になっていたなというのを100年経っても語り、語られているようにする。「あまちゃん」というのは、普通のNHKの朝ドラとは違っていましたからね。やっぱり東日本大震災というのを受けて、被災地を舞台にし、実際に東日本大震災や、その後の復興の事も描くドラマとして作られた特別なドラマなので、100年後まで語り草にするという事は出来ると思っています、番組としてもおもしろいし。
 NHKの人達の話を聞きますと、当初東北のどこを舞台にするかというのは決まっていなくて、山奥で変わった祭りをやっている所とかというアイデアもあったそうです。だから、大野が舞台になっていたかもしれないのだけれども、監督さん、プロデューサーさん、そして脚本の宮藤官九郎さん達が東北のあちこちを見て歩く中で、久慈が気に入ったのだそうです。それで、三陸鉄道の存在も大きかったと思うし、あとは南部ダイバーの存在も大きかったと思うし、まめぶとか、琥珀とか、ウニ丼とか、そういう存在も大きかったし、海女さんの存在も大きかったし、ある意味そういう久慈地域の地域資源とか、文化とか、また三陸鉄道を何とか経営し、東日本大震災の後もちゃんと直して復旧させたというような、そういう事があったからあの「あまちゃん」というドラマは生まれたというところがありまして、それは我々はもう誇りにして良い事です。だから、そういう「あまちゃん」というドラマには、地元のそういう底力という裏づけがあるので、これは100年後までちゃんと続くなというふうに思っていまして、そういう地域資源や地域の文化、そしてまた地域で働いている人達のいろんな努力というのを、それが観光資源にもなるというところがポイントなので、久慈はもちろん、大野もそうですし、この久慈地域、さらに岩手全体でそういう観光振興をしていきたいと思います。

菊池副校長

 ありがとうございました。
 では、続いて中家さん、阿部さん、お願いします。
 中家さん、お願いします。

中家尚哉

 私が岩手に望む事は、他県の、特に東京より西の人達を対象にした被災地ツアーを企画する事です。私は、復興のためには被害の様子をみんなに伝え続ける事が大切だと思っています。被災地の人達にとっては思い出すのが辛いかもしれません。しかし、復興を進めるためには被害の様子、復興の様子を伝えていく事はとても大切です。
 テレビなどで震災の報道が少なくなっている今、全国の人達に被災地の現状を実際に見てもらう事でしか震災の被害の大きさや復興には時間がかかる事を理解してもらえないと思います。例えば「あまちゃん」のファンで久慈を訪れた人達に向けて、田老のボランティアに参加するなら三陸鉄道の運賃は無料にするなどのサービスはどうでしょうか。そうすればボランティアに興味がない人達もボランティアに参加してくれるかもしれません。また、震災後、津波を想定した避難訓練に力を入れるようになった学校が増えたという話を聞いた事があるので、被災地で避難訓練をする体験ツアーなども興味を持ってくれるかもしれません。
 震災から4年が経ち、小学校6年生だった私は高校生になりました。私の父は、牧場で働いていましたが、震災のせいで牛の餌となる牧草が放射能に汚染されているという風評が出ました。実際その牧草から放射能は検出されませんでした。しかし、風評によって父の会社は経営がさらに悪化し、倒産してしまいました。今は別の会社に就職していますが、津波の被害が無くてもこのような形で震災の影響があるという事を実感しました。私自身、復興に関わるボランティアはした事がなく、自分の身の回りで起こった事しか知りません。きっと県内には私のような高校生はたくさんいると思います。私達高校生が実際に被災地の様子を知る事で、私達が社会人になる時にきっと復興の役に立つと思います。今私が出来る事は少ないかも知れないけれども、被災地の様子を実際に目で見て復興の様子をよく知る事が大切だと思っています。
 以上です。

菊池副校長

 ありがとうございました。
 続いて阿部さん、お願いします。

阿部亜聖

 私が現在望む事は、種市高校の寮の建設です。種市高校には、日本唯一の海洋開発科が設置されています。そのため、県内外から入学を希望する生徒がいます。しかし、下宿先が少ないため、通えないという現状があります。洋野町には下宿が1軒しかありません。そこに入れない人は、私のように町外に下宿を探すか、顧問の先生の家へ下宿させて頂く事になります。町外の下宿ですと電車やバスの便が悪いので、担任の先生や部活動の顧問の先生に送り迎えをして頂く事もあります。そこで、種市高校の近くに寮を作って頂ければ、町外の中学生も下宿の心配をせず受験出来ますし、先生方の負担も減ると思います。私が種市高校を受験する前は、下宿があるかどうか心配で、種市高校に入学出来ないか迷っていたので、寮を作って頂ければ県外から来る生徒さん達も安心して入学を希望する事が出来ると思うのです。
 海洋開発科では潜水以外に土木や測量を学べます。卒業生は潜水会社や建設会社に就職しています。震災で破壊された船着き場の基礎工事やがれきの改修、海洋調査など、震災復興に関わる職業に就く先輩方もいます。また、中部国際空港やレインボーブリッジの建造、海外の現場での活躍など外注巨大プロジェクトの最前線で働き、成果を残しています。このような技術者を増やす事は震災の復興や、安心で快適な環境作りにも貢献する事になります。洋野町周辺の中学生だけではなく、これからは県内外や全国から広く人を集めて技術者を育てていく事が必要だと思います。寮を作って頂いて、共に学ぶ仲間を増やしてもらいたいです。どうぞよろしくお願いします。

菊池副校長

 知事、お願いします。

達増知事

 東日本大震災の災害、震災について学ぶ事が出来る、知る事が出来る、そしてその後の復興についても学ぶ事が出来る、知る事が出来る、そういうツアーは大変大事なので、これは県としてもそれを多くの人がツアーに参加し、また末長くそういう事が続くようにしていきたいと思っています。日本全国の人達に来てもらうというのがあるし、「あまちゃん」ファンの人達に被災地にも足を伸ばしてもらうというのも大事だと思います。
 来年の3月には国連防災会議という5年に1度行われる防災専門の国連の会議が仙台で開かれて、そこには世界中の防災関係の学者さんとか行政の関係の人達が集まり、担当の大臣とか、国によっては総理大臣も国連本部が一時的にニューヨークから仙台に移って来るというくらいの大規模な会議なので、そこに来る人達に岩手の沿岸のほうも見てもらうように今働きかけているところです。私達が経験した東日本大震災、そして私達が今取り組んでいるその後の復興というのは、これは世界の人達に参考になる事でありますので、しっかり伝えていきたいと思いますし、また我々自身も東日本大震災というのは非常に広い所に渡って、また多くの人がいろんな被害に遭って、その全貌を知るというのはなかなか容易ではありません。私自身も未だにいろいろ話を聞いたり、見に行ったりして、その時こうだったのかという新たな発見が今でもたくさんあります。これはこれからもずっとそうでしょう。東日本大震災、そしてその後の復興というのを理解するというのは短時間で終わってしまうような話ではなく、ずっと続けていくだけの大きな対象であり、またそれだけの価値のある、意義のあるものなので、そういう事を世界にも発信すると同時に岩手県内の人達もちゃんとそういうのをより理解を深め、またそれを後世に伝えていくようにしていきたいと思います。
 種市高校の寮ですね、寮の作る、作らないという事は、県の教育委員会で判断をしてやっているのですけれども、今どういう考えかというのはちょっと聞いておきますね、教育委員会としてどういう考え方でいるのかというのは。個人的には、必要ならば作るという事なのだと思うのですけれども、その必要性の度合いというのをどう判断するかなのでしょうが、「あまちゃん」ブームという事もありますが、そもそも海洋開発という事の重要性とか、そういう事も鑑みながら判断されている事だと思いますので、今日聞いた話は持ち帰って検討したいと思います。

菊池副校長

 ありがとうございました。
 では、続いて太内田さん、お願いします。

太内田拓也

 私達の大野地区では、沿岸部に比べて大震災での大きな被害はありませんでした。私は、実際に社会福祉講座に参加し、野田村や田老地区に訪れました。そこで、被害の大きさと復興の進行度を聞いたり、見てきました。テレビで津波の恐ろしさを知りましたが、被災した建物を見ると自分の予想以上に被害が大きい事が分かりました。なので、この事は絶対に忘れない事だと強く思いました。仮設住宅での人々の生活を見て、自分も強く生きなければならないと思い、励みになりました。
 少し前の話だと、国際リニアコライダー計画について話題になりました。国際的に岩手県が活躍する事が期待されると共に、この経済の影響で復興を加速させる事が出来ると思います。先の話になると思いますが、一日でも早い復興を願っています。
 私は直接被災された方々にどう支援して良いかあまり知りません。しかし、直接的な事でなく、募金や物資の支援など間接的な方法でも積極的に取り組みたいと思います。私は、被災地に出来る事は出来るだけ協力したいと思っていますし、被災しながらも強く生きる岩手県民を全国に知ってもらいたいと思います。被災地が復興を成し遂げ、安心して生活できる日々をとても楽しみに思っています。
 以上です。

菊池副校長

 ありがとうございました。
 知事からお願いします。

達増知事

 オール岩手で復興を進めるという事をやっていまして、その中で津波被害を直接受けなかった地域の皆さんは、まず関心を持つという事ですね、そして機会があれば足を運び、復興の様子を直接見たり、また今でも仮設住宅等で暮らしている皆さんの事を見たり、聞いたりする、それは直接行かなくても新聞とかテレビでも報じられていますので、関心を持ってそういうのをフォローしていくという事がまず第一歩だと思います。知る事がまずスタートで、今どうなっているのかというのを知る事が出来れば、ではそこに何をすれば良いのかというのも見えてくるので、まず知る事が第一歩。それは、自分自身や自分達の回りの事もそうで、例えば将来いろいろ職業、進路選択に当たっていく中で、自分は何が出来るのかとか、自分は何が得意なのか、そういう事を知る事が出来れば、では何をやろうという事が見えてくるし、あと地域において何が求められているかとか、あるいは今の時代に求められている事は何か、それを知る事が出来れば、ではそれをやろうという事になってくるし、相手を知り、己を知れば百戦して危うからずという、これは勝負事の世界でよく言われる事なのだけれども、全てにおいて自分の事を理解し、また自分以外のところについても理解をすれば、どうすれば良いかというのが見えてくるので、そういうふうに、そういう問題意識を持っているので、そういう問題意識を持ち続けていれば悪いようにはならないと思いますから、その調子で頑張って欲しいと思います。
 あとは国際リニアコライダーも、これは頑張りますので、楽しみにしていてください。

菊池副校長

 ありがとうございました。
 皆さんからは一通りお話し頂きましたが、本来であればここで自由懇談という事で予定はしておりましたけれども、時間になってしまいました。どうしてもこれだけは知事に聞きたいとか、話したいという方ありますか。
 はい。

阿部亜聖

 先ほどの付け足しのような感じになってしまうのですが、来年入学する生徒と話したのですけれども、青森県三沢市から下宿したいという生徒が何人かおりまして、その生徒とその生徒の親御さんと話したり、やはり不安があったりとか、寮の設置をお願いしたいと思います。あと関東から女性の人が来るような感じなのですけれども、やはりそういう事があるので、家族で移住して来ると、娘さん一人だけでは来させられないという感じなので、安心させていく事が大事だと思います。
 以上です。

達増知事

 良い話を聞きました。

菊池副校長

 それでは、時間がまいりましたので、ここまでにしたいと思います。本日は本当に皆さんありがとうございました。

知事所感

菊池副校長

 それでは、最後に知事からお願いいたします。

達増知事

 今日のこの意見交換会はこれで終わりますけれども、もうこれで終わりではないので、それぞれまたお互い同士いろんなところで会う事があると思うし、また僕ともまた二度ある事は三度あるので、また会うかもしれないし、小袖さん以外もそうなのですけれどもね、また会う事を楽しみにしつつ、あるいは何かあれば僕に手紙でもいいし、あるいは盛岡まで来る機会があれば県庁に来てもらってもいいし、何かあればまたいつでもやりとりしながらお互い頑張っていきましょう。今日はありがとうございました。

閉会

菊池副校長

 皆さん、本日は貴重なお話を頂きまして、ありがとうございました。これをもちまして、県政懇談会「がんばろう!岩手」意見交換会を終了します。

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