「がんばろう!岩手」意見交換会(平成27年1月13日 盛岡地区)

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ページ番号1000860  更新日 平成31年2月20日

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場所

 盛岡地区合同庁舎 8階 大会議室

出席者

  • 参加者(敬称略)
    大森 友紀子(JAいわて中央花卉生産部会 花束専門部員)
    綱嶋 久子(オガールベース株式会社事業企画部OWLS紫波バレーボールアカデミーヘッドコーチ)
    中村 美穂(一般社団法人子どものエンパワメントいわて 学習支援コーディネーター 文部科学省生涯学習政策局 教育復興支援員)
    山本 早苗(岩手県中小企業団体中央会いわて6次産業化支援センター 企画推進員)
    渡邊 瑠未(八幡平市商工観光課 八幡平市地域おこし協力隊員)
  • 県側
    達増知事、杉原盛岡広域振興局長、東大野秘書広報室長

開会

東大野室長

 皆さん、こんにちは。ただいまから県政懇談会「がんばろう!岩手」意見交換会を開催させていただきます。
 本日ご出席いただきました皆様には、ご多忙中のところお越しくださいまして、誠にありがとうございます。心から感謝申し上げます。私、本日の進行役を務めさせていただきます秘書広報室長の東大野と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

知事あいさつ

写真:懇談会の様子1


東大野室長

 それでは、開会に当たりまして、知事からご挨拶申し上げます。

達増知事

 皆さん、こんにちは。岩手県は、今年を「本格復興邁進年」と名づけまして、この本格復興とは岩手県の復興計画では最初の3年が基盤復興期間、そしてその後、去年、今年、来年の3年間が本格復興期間ということで、壊れたものを直したり、新しくつくったりするこのピークが去年、今年、来年の3年になります。今年、厳密には4月から始まる平成27年度ですけれども、本格復興期間の中間年ということで、復興全体のピークになる年でありまして、これを成功させなければならないというのが今年の岩手県の大きなミッションです。そこにいわゆる「地方創生」、「人口減少対策」というテーマ、去年は大いなる議論の年と言ってもいいと思うのですけれども、今年は実行の年ということで、そういう地域振興というふうに言ってもいいのですけれども、それを復興にかぶせていくというのが今年の特徴になります。そして、年が明けまして、いよいよ来年が「いわて国体、いわて障がい者スポーツ大会」ということで、岩手の底力と発信力をますます高めていかなければならない年にもなります。
 そういう中で、去年から岩手県では若者女性活躍支援ということに力を入れまして、そういう部署をつくったり、そういうイベントをやったりしてきているのですけれども、復興の現場で大いに若者、女性が活躍し、今までなかったようなことをどんどんやってくれていると、そういうパワーが人口減少対策にもなくてはならないものであるし、岩手の底力を高め、全国に発信する力を持っていくという意味でももっともっと応援していかなければということで、そういった政策の流れの中でさまざまな地域、さまざまな分野で活躍している皆さんの生の声を聞いて、県の施策に役立てようというのがこの県政懇談会「がんばろう!岩手」意見交換会でありますので、今日は楽しみにして参りましたので、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
 そして、盛岡広域の選挙区の県議会の皆さんにも来ていただいています。よろしくお願いします。

東大野室長

 それでは、本日の懇談会の進め方について若干説明させていただきます。この後、私のほうから出席の皆様のご所属とお名前を紹介させていただきます。その後、盛岡広域振興局推薦のお菓子を用意させていただいておりますので、それをお召し上がりいただきます。

達増知事

 スイーツに力を入れている盛岡広域振興局。

杉原局長

 どうぞよろしくお願いします。

東大野室長

 始まってしまうとなかなか口にできるタイミングを見計らうのが難しいので、遠慮なくぜひお召し上がりください。その後ですが、皆様から自己紹介という形で今取り組んでいることをまず皆様にご紹介いただいて、その後、具体的に皆様の取り組んでいただいていることとか意見、提言などをお話しいただくことにいたします。皆さん、その後でできれば自由懇談という形で、言い残したこととか、ほかの出席者の方に聞いてみたいこととか、そういった機会もまた設けたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日の出席の皆様、私から紹介させていただきます。名簿に沿って紹介いたします。
 JAいわて中央花卉生産部会花束専門部員の大森友紀子様です。

大森友紀子

 大森友紀子です。よろしくお願いします。

東大野室長

 次に、オガールベース株式会社事業企画部OWLS紫波バレーボールアカデミーヘッドコーチの綱嶋久子様です。

綱嶋久子

 綱嶋久子です。よろしくお願いします。

東大野室長

 次に、一般社団法人子どものエンパワメントいわて学習支援コーディネーターの中村美穂様です。

中村美穂

 中村美穂です。よろしくお願いいたします。

東大野室長

 次に、岩手県中小企業団体中央会いわて6次産業化支援センター企画推進員の山本早苗様です。

山本早苗

 山本早苗です。よろしくお願いします。

東大野室長

 次に、八幡平市商工観光課、八幡平市地域おこし協力隊員、渡邊瑠未様です。

渡邊瑠未

 渡邊瑠未です。よろしくお願いいたします。

東大野室長

 県からは、先ほどご挨拶いたしました知事の達増拓也。

達増知事

 よろしくお願いします。

東大野室長

 それから、私の左隣になりますけれども、盛岡広域振興局の局長、杉原永康。

杉原局長

 杉原です。よろしくお願いします。

東大野室長

 なお、本日、出席いただいております盛岡選挙区の高橋但馬県議。

高橋但馬県議

 よろしくお願いします。

東大野室長

 それから、軽石義則県議。

軽石義則県議

 よろしくお願いします。

東大野室長

 それから、八幡平選挙区、工藤勝博県議。

工藤勝博県議

 工藤です。どうぞよろしくお願いします。

東大野室長

 それから、滝沢選挙区の喜多正敏県議においでいただいております。

喜多正敏県議

 よろしくお願いいたします。

東大野室長

 あわせてご紹介いたしました。
 それでは、皆様のお手元に飲み物とお菓子を準備してございますので、召し上がりなりがら若干の時間、懇談いただきたいと思います。このお菓子の紹介は、盛岡の杉原局長からいたします。

杉原局長

 本日のお菓子は、八幡平市のサラダファームさんでつくられている「いちごの森クリームシュー」です。昨年の2月22、23日に「いわてS―1スイーツフェア2014」というのを開催しましたが、本日のお菓子は、そのフェアの人気投票で第1位を獲得したお菓子です。今年も開催準備を進めており、3年目になります。

達増知事

 前回1位、ここに書いていますね。

杉原局長

 はい。クッキー生地の皮になっておりまして、甘さを少し抑えています。食べるときは、この穴あいているほうからクリームが出てくる可能性あるので、ちょっと外側に向けて食べていただければと思います。
 「いわてS-1スイーツフェア」には、盛岡広域を中心に全県から出店されておりますので、第1位になるというのもなかなか大変です。第1位となれば、かなり評判が高まりますので、各出店者が創意工夫を凝らして準備を進めているようです。サラダファームさんも自社でつくったイチゴを使用しているそうで、知恵を絞ってやっているようです。
 今年も2月21日と22日に2日間の日程でアピオで「いわてS-1スイーツフェア2015」を開催しますので、ぜひ皆さんに来ていただきたいと思います。よろしくお願いします。
 以上です。

東大野室長

 その取組は盛岡広域振興局が非常に力を入れてやっておりますので、皆様、ぜひ、ご来場よろしくお願いします。

杉原局長

 冬季はイベントが少ない中で、何がいいかなというような話があって、今年度は役所主導型ではなく民間の方々と一緒になってやっています。岩手というのはきれいなところで、スイーツのイメージがピッタリではないかと思い、それで「いわてS-1スイーツフェア」を仕掛けさせてもらったら、それが非常に好評を博しました。去年で終わりの予定だったのですけれども、民間の方々と一緒にもう一度、やりたいというような声もあって、開催させていただくことになりました。去年の10月、「もりおか広域まるごとフェア」を開催したときにも農業後継者の方々が出て野菜を売ったりしたのが、非常に好評でして、若者、女性の時代と知事がおっしゃられていましたけれども、まさに「いわてS-1スイーツフェア」も若者、女性活躍支援の一つだと思います。

東大野室長

 それでは、タイミングを見て、皆さんどうぞお召し上がりください。

懇談

写真:懇談会の様子2


東大野室長

 懇談に入らせていただきます。
 最初に、自己紹介という形で、最初に一、二分程度で自己紹介をお願いいたします。それで、お話しいただく順番は大森様から逆時計回りでよろしくお願いいたします。
 では、大森様よろしくお願いします。

大森友紀子

 紫波町で農業をしていまして、花をつくっている大森友紀子と申します。私の実家で農業をしているのですけれども、いろいろわけあって4年前ぐらいから実家に入り、田んぼとリンゴと花をやっています。ほとんど分担制で、私が花をやりたいということで花をやらせてもらって、今はトルコギキョウを主に力を入れて、あとはカーネーションやカラーとか、あといわて中央農協だけで出しているのですけれども、関東のベルクというスーパーに、花束出荷という形で出しております。ほとんど花束が忙しくなってしまうので、ほかに手をかけられないのですけれども、残った売れない花を使って普及センターの活動をしています。「農村ライフスタイル実践女子会」という研究グループに入っていまして、残った売れない花を使って、私の子供が行っている保育園に持って行って、子供たちにフラワーアレンジメントをさせたり、紫波町の子育て支援センターにも花を持って行って好きなようにフラワーアレンジメントとか、あとブーケづくりをしている活動に参加させてもらって、これも3年目になります。すごく好評だったので、捨てるような花でも、もったいないので、これからもそういうふうに少しでも喜んでくれる人がいればこのままボランティアとして活動していきたいとは思っていました。
 こういう機会に参加させてもらって本当にうれしいです。ありがとうございます。以上です。

東大野室長

 どうもありがとうございます。
 では、続いて綱嶋様からお願いいたします。

綱嶋久子

 オガールベース株式会社の綱嶋久子です。私は、出身が広島県で、結婚で千葉県に嫁いで、昨年の3月に岩手県の紫波町に引っ越してきました。初めて岩手県に来たのは5年前のバレー教室がきっかけでしたが、いろんな方のご縁で岩手県に引っ越すことになりました。震災の時には千葉県でも液状化などで私も怖い思いをしていたので、バレーボール指導を通じて何かできないかと考え、チャリティイベントを開催したりしていて、そういうつながりもあり岩手県に移住することになりました。
 今はオガールベースに籍を置いて、こちらはビジネスホテルも併設しているので、日中はホテル業務の補佐、夕方には子供たちがバレーボールをしに通ってきてくれていますので、下は幼児から上は中学3年生まで各カテゴリーに分けてバレーボールの指導をさせていただいています。指導をしていく中でも大事にしているところは、それぞれがちゃんと自分で考えたことを発言できたり、行動できたりするようサポートする事です。バレーボールを通じて得たことが、将来、社会に出たときに役に立つような指導を心がけています。まだ、始まったばかりで、結果も全然出ていないところなのですけれども、そういう取り組みをこれからも続けて頑張っていきたいと思います。よろしくお願いします。

東大野室長

 どうもありがとうございます。
 では、次に中村様お願いします。

中村美穂

 子どものエンパワメントいわての中村と申します。
 私は、東日本大震災発生時は、大学3年生になる前の春休みでした。初めに岩手県に来させていただいたのは、その年の6月に大学のボランティアセンターのボランティアとして岩手県に関われないかというようなことで視察に来させていただいた時でした。その後、夏休みの期間に他のNPO法人なのですけれども、「いわてGINGA-NET」というところでお世話になって、ずっと学生時代にボランティアで何度も岩手県に足を運ばせていただきました。そのご縁で法人の代表理事に岩手で就職しないかと声をかけてもらえたことによって、岩手で就職して、今ようやく1年9カ月がたったところです。
 仕事は、岩手県の沿岸で中学校や、仮設住宅の空き部屋をお借りして学習支援を行っています。対象になっているのは小学生から高校生までそれぞれの会場によって来る子供たちの年代層とか人数とかも違うのですけれども、放課後の時間を利用して自学自習で子供たちが一生懸命勉強しているところをサポートしたり、地元の塾の先生であったり、退職した学校の先生たちが支援員として入ってくださっていますので、そのコーディネートをさせていただいています。
 それと今年度の9月から内陸でも始まりました「盛岡広域振興局学習支援及び悩み相談等プログラム」という生活困窮者世帯の中学生に対する学習支援も雫石町、葛巻町、岩手町、紫波町、矢巾町の5町でさせていただいております。こちらも会場によって人数はまちまちなのですけれども、中学生が本当に楽しそうに、少ないところだと月に1回、多いところだと週に2回というようなちょっとばらつきがあるのですけれども、「毎週ないの」というような子供たちの声も聞かれるようになってきています。よろしくお願いします。

東大野室長

 ありがとうございます。
 では、次に山本様お願いします。

山本早苗

 中小企業団体中央会内にあるいわて6次産業支援センターというところで、今6次産業をやる農業者さんの支援をしております、家は農家の山本と申します。
 私の仕事は、今は中小企業団体中央会として6次産業を進めていく農業者さんのお手伝いをするのですけれども、私自身が今、若手の盛岡広域8市町の農業青年の団体の事務局をさせていただいています。先ほど局長のお話にもありました「もりおか広域まるごとフェア」にも出させていただきまして、非常にどちらでも感じるのが、やはり農業者に必要なのというのは農業者だけの力ではなくていろんな方のお力を借りながら、いろんな意見を合わせながら物を形にしていく、商品化していくとか、販売していくとか、そういうことが必要なのだなと思って、今、農業者だけではなく、いろんな他産業の人とつながっていくような活動をできたらなと思っております。
 私は、「農業普及」という雑誌を御覧になったことがない方のために持ってきたのですが、これです、こちらですね。

達増知事

 毎号見ております。

山本早苗

 ありがとうございます。これは、岩手県は残っているのですけれども、他県ではほとんど残っていない雑誌なのですが、これにファーマーズガールという連載を始めさせていただいております。若手の農業女性がいろんな方との連携も視野に入れながら、情報発信だとか、若手農業女性を増やしていけたらなという活動をしております。皆さんどうぞよろしくお願いします。

東大野室長

 どうもありがとうございます。
 では、次に渡邊様お願いします。

渡邊瑠未

 八幡平市から参りました渡邊と申します。私は、昨年の7月から地域おこし協力隊として参りました。それまでは東京の外資系企業で時計とジュエリーの広報をしておりました。
 もともと岩手に来たきっかけは、震災前は残念ながら来たことがなかったのですが、震災の時にボランティア活動というのができなかったので、せめて自分のできる範囲で被災県に何かできないかと思って観光に訪れたのがきっかけでした。そこで、スキーが好きなので、今まで行っていた長野県や新潟県の代わりに、岩手県など東北に来るようになったのですが、こんなに温泉が濃くて、ちょっとびっくりなくらいで……

達増知事

 濃いです。

渡辺瑠未

 すっかりとりこになってしまって、それからは本当に好んで来るようになりました。それがきっかけで地域おこし協力隊に応募させていただき、来ることになりました。
 今は物産全般を担当するように言われているのですけれども、その中でも漆器をメインにやらせていただいています。これが前職の時計、ジュエリーのノウハウが多少生かせることが分かってまいりまして、それを自分なりにアレンジしながら今いろいろ試行錯誤させていただいていており、このような。機会を与えていただいて光栄に思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

東大野室長

 どうもありがとうございました。
 続きまして、いよいよ本番というか、日頃、さまざま考えていらっしゃることなどをお話しいただきます。目安ですが、お一人三、四分で、今日のテーマは今までなかったテーマなのですけれども、「岩手のコレが好き!!」というテーマです。普段、こんな取組をなさっているとか、皆さんが先々活動していく上でこんなことが必要だと考えていらっしゃるとか、そういったことなども含めてお話しいただければと思います。
 順番ですが、先ほど自己紹介いただいた順番でまいりますけれども、お二人ごとに区切りを入れて、知事からコメントなり、若干のやりとりをしながら進めていきたいと思います。具体的案件についてのご質問のたぐいについては、もしかしたら私や局長、あと後ろに各部長が控えてございますので、そちらからお答えする場合もあると思います。よろしくお願いいたします。
 それから、先ほど大森さんがリンゴをお持ちいただいて、それからこの豆は黒平豆ですか、試食という形で提供いただいたというお話でしたが・・・。

山本早苗

 はい、黒平です。

東大野室長

 山本さんがお持ちいただいておりますので、併せて紹介させていただきます。きっとお話の中でご紹介があると思います。よろしくお願いします。
 では、最初に大森様、綱嶋様の順番でお願いします。大森さんからよろしくお願いします。

大森友紀子

 このリンゴは私の母親がつくっていまして、袋をかけていない「サンふじ」と、あと黄色いほうが岩手の品種の「はるか」です。11月の収穫だったので、ちょっと時期的に時間がたってしまったのはあるのですけれども、「はるか」は蜜が全体が入るので、すごい甘くて、まるでリンゴじゃないリンゴだと言われているそうです。うちも今年3年目でやっと出荷できるぐらいの数になってきました。今日、持ってきたので、よかったらこれからも「はるか」をよろしくお願いします。

東大野室長

 あと普段の取組なさっていて、例えば局長にでも構わないのですけれども、県でこんなことをやってくれると自分たちの取組がもっと進みそうだなとか、そういったことはありませんか。

大森友紀子

 そうですね、去年の秋に「もりおか広域花の女子会」で、ビクトリーブーケづくりをしたのです。東京オリンピックということも頭にあってビクトリーブーケをつくる講習会があったのですけれども、今度、国体があるときに、そういったもので、花も時期的にビクトリーブーケに合う花というものがあるかどうかわからないのですが、花き生産者の皆さんの話だと、岩手の花を使ってビクトリーブーケとか、そういうふうに使うことで私たち生産者の気持ちも元気になるという話はしています。やっぱり農業をしているとどうしても宣伝ができないというのもあるので、岩手の花を使っているブーケですよということとか、何かそういう形で使っていただけたら励みになります。私も今中学校のバスケットを教えているのですけれども、ちょうどいわて国体に出るような子供たちなので、私がつくった花を子供たちが受け取ってくれたらなという気持ちがありますので、そういうところをちょっと見てもらいたいと。

達増知事

 国体ももうすぐなので、今までは県の国体の担当部局からいろいろ発注したり、お願いしたりするパターン中心だったのですけれども、もっとこれもできる、あれもできるみたいなことを県民の皆さんから提案いただきながら進められるようにしましょう。
 ヒントは、今年3月国連世界防災会議というのが仙台であるのですけれども、5年に1度、国連のそういう国際会議で本会議や関連会議のほかにNPOやらNGOやら、あるいは自治体でも何でもいいのですけれども、自主的に関係の会議を立ち上げて、登録申請して登録されると関係の会議とみなされたり、あと登録されなくても同時にやって、事実上関連会議にするとか、これCOP3とか環境関係のそういう国際会議ではかなり盛んにいろんな関係のイベントがわっとあって、会議だけではなく歌を歌ったりとか、そういうイベントも立ち上がるので、国体についても障がい者スポーツ大会もそうですけれども、何かそういう自主的にあれもしたい、これもしたいというのを県として認定する部分もあったり、あるいは、国体の運営委員会というのは市町村ごとにありますからね、市町村ごとに認定してもらってもいいかもしれないし、そうやってとにかく県民の皆さんが思いつくもの、やりたいと思うものが全部国体関連行事とか、グッズとかになっていくようにしましょう。いいことを伺いました。

東大野室長

 綱嶋さんお願いします。

綱嶋久子

 私は、バレーボールを指導させてもらっていて、国体ではバレーボール競技のアドバイザーをさせていただいていています。私のところのオガールベースの施設は、国体のバレーボール競技のチームもよく合宿などで使ってくれていることもあって、アカデミーに来ている子供たちや保護者の方も国体があるということはすごく認識してくれています。その中でも国体のわんこ体操の……

達増知事

 はい、こういう体操ですね。

綱嶋久子

 はい、そのわんこ体操のプロモーションビデオみたいなのも、一部ですけれども、アカデミー生の子供たちに踊らせてもらって、すごく楽しんでやってくれています。今、子供たちを対象にバレーボール指導しているのですけれども、行く行くはトップクラスと言って、今後日本を代表するとか、世界と戦うような選手を育成できるような取り組みをしていきたいということと、もう一つは生涯スポーツですね。やっぱり私たち親の世代の大人たちも一生懸命体を動かしたりとか、楽しんで体を動かしたりという場所をつくっていきたいなと考えています。そういうことも岩手の地元国体に盛り上げることにつながっていくのではないかなと私は考えているところです。

達増知事

 オガールベースは、この間、NHKの「クローズアップ現代」でも取り上げられて、私も見せてもらいに行きまして、全国有数というか、世界最高水準の床のバレーコートになっていて、あそこで練習できるというのは、それで全国から合宿が誘致できるし、また、地元の特に子供たちにとってはすごくいいことだと思うのです。コートの利用は、毎日、朝から晩までみっちり埋まってしまっているのですか。

綱嶋久子

 そうですね、学生が夏休みとか、冬休みとかというときには日中も埋まっていることが多いですけれども、普通の日だとやっぱり日中は空いているときが多くて。

達増知事

 実はそうですか。

綱嶋久子

 そうですね。ギャラリーなどはないのですが、最近では、試合でも使ってくださったりしています。

達増知事

 では、トップアスリートでない普通の人でもうまく都合がつけば利用できるのですね。

綱嶋久子

 そうですね、ご家族で利用していただいたこともあります。

達増知事

 それは、すごい贅沢ですね。

東大野室長

 では、進めさせていただきます。
 では、中村様、山本様。中村様からお願いします。

中村美穂

 先ほども申し上げましたとおり、沿岸で学びの部屋という学習支援の場を提供させていただいています。内陸では岩手町、葛巻町、紫波町、雫石町、矢巾町の5町でやらせていただいております。
 私は、就職してから関わらせていただいたのが沿岸なので、沿岸のことのほうが多く語れると思っているのですけれども、地元の学校を退職したOB、OGの先生であったり、被災で塾を流されてしまって、当時はお仕事がなかった塾の先生であったり、これから岩手県の学校の先生になりたいけれども、なかなか岩手県の採用が厳しくて学校の先生にはなれないというような若い先生の卵と一緒に私も活動させていただいております。
 私は、実は教員免許もなく、教育に関わったこともない、社会福祉士です。大学在学中からスクールソーシャルワークがやりたくて、子供たちの支援をずっとしたくて、うちの法人は被災をきっかけにできたのですけれども、ここであれば子供たちのより近くで仕事ができるのではないかなというようなところで選んで、今、お仕事をさせていただいている状況です。
 去年の夏休みにアメリカからご寄付をいただいて、子供たち6人で10日間ほどアメリカにプチ留学に当法人で行かせていただきました。ありがたいことに6人の枠に20人ぐらいの子供たちが応募をしてきて、行けたのが6人というのは少ない数なのですけれども、行った子供たちはやっぱり刺激を受けてきたようで、被災をした子供たちであって、既にもういろんな方に支援をしていただいているということは知っていると思うのですけれども、アメリカに行ったことで余計にいろいろ人が自分たちのことを支えてくれているのだというのは子供たちなりに気づいて、次は自分たちもうちょっと英語を勉強してみたいよとか、ちょっと勉強とは別のところでこういうことやってみたいよというようなことを子供たちが口にするようになってきた変化を近くで感じられるというのが日々うれしく感じているところです。
 現在、取組んでいる課題なのですけれども、まず子供たちがやりたいよといったところを当法人の体制でもあると思うのですけれども、なかなか全てを応援してあげられないというところが課題だなというふうに思うのと、少し仮設住宅の中で学習支援をさせていただいているケースなのですけれども、虐待の傾向にあるというようなご家庭が学習支援を通して見えてきたのです。そこのお子さんを何とかしたいなと思って、いろいろな関係機関にちょっとご相談に行ったのですけれども、一般社団法人の人間が行っても、守秘義務のところとかがあってなかなかうまく連携ができずに、どうしようかなというふうに悩んでいるというようなところです。学びの部屋は各教育委員会さんと一緒にやらせていただいてはいるのですのですけれども、それぞれの自治体さんの様子によってもちょっと差が出てきていて、子供たちのためにもうちょっと官民一体になって連携ができていければいいのかなというふうに常々感じております。
 以上です。

達増知事

 学習支援というのはすごい大事だと思うのです。それで、学校の先生方もやっぱり授業が仕事の基本で、本当は学校の先生もいろいろ家庭での生活とかDVみたいなことも、本当は仕事の中身としてあるけれども、なかなか実際には大変なのでスクールソーシャルワーカーという仕事とか、あと学習支援の活動とかが幾らかでも補完し、一緒にやれるとすごくいいのだと思います。
 教育の分野と福祉の分野の間に挟まって、解決がシャープにできないことが多い分野でもあるのですが、今、お聞きしたDV、家庭暴力問題については、沿岸広域振興局に言ってもらってもいいのですが、この場でお聞きしたので、まず県でも対応するように調整いたしましょう。やっぱりそういうのは、いろんな人が寄ってたかって支援する、手を差し伸べるのがいいのだと思うのです。どこか1つのところに行って全てを解決するというようなことは、専門分化が進んでいる21世紀の世の中ではなかなかないのだと思います。でも、そういう教育の専門家、福祉の専門家、あと地域振興の専門家とか、いろんな人たちの連携の中で一人一人が支援されていくという形、これが一番発達しているのは「地域包括ケアシステム」という医療と介護の融合みたいなところで、お年寄りに医療が必要だったら医療関係の人がわっと支援し、介護が必要なら介護関係がわっと支援、どっちかわからないようなときには自治体の保健師さんとか、そういう人たちがわっと支援、また地域のコミュニティーからも支援があって、みんなで寄ってたかって1人の人を支えるというのをみんながやり合うことで全ての人が安心して暮らしていけるというパターンで、教育の分野でも、子育て、教育でもそれはそうだと思うし、あと若者の就業、就職活動なんかもそうなのです。ハローワークのどこか1カ所に行けば決まるとかという世界ではないから、いろんな人たちが寄ってたかって支援しなければならないということで、そういう中でまさにコーディネーターをしてもらっているので、その調子でよろしくお願いします。
 あとアメリカへのプチ留学というのは本当によかったと思います。東日本大震災直後にアメリカの札幌総領事館の人が来て、アメリカ政府は札幌にあるアメリカ総領事館が岩手も見てくれているのですよね。それで、東日本大震災があって、アメリカ政府としてどんな支援をすればいいかと聞いてきたので、アメリカ政府あるいはアメリカの人たちができる最大の支援は学びの機会を与えてくれることだと言ったのです。それは、留学から短期ホームステイまでいろいろあるのですけれども。そうしたら、そうかということで、いろいろそういう事業がたくさん出てきましたので、まだいろいろ続くみたいだから、そういうのはどんどん活用しましょう。

東大野室長

 次に、山本様お願いします。

山本早苗

 皆さんのお手元にあるこの黒平豆は、私が生産しているものです。これは、岩手県の旧玉山村、今の盛岡市玉山区の在来品種の豆です。これは大体の工程がほぼ全て手作業ということで、非常に生産量が減っているものです。今日は甘いものが多いかなと思って、しょっぱめに煮付けてまいりました。

達増知事

 いいですね。

山本早苗

 はい。これ、本当にいい豆というよりは、昔から岩手にあるものなので、岩手の人が岩手の食文化としてこの先も食べてほしいなと思って、今、つくっております。実は、ちょっと宣伝になってしまいますが、本日、NHKの「おばんですいわて」でこの黒平豆を取り上げていただいて、ちょうど6時10分から私が出ますので、皆さんお帰りになる場合は、是非ご覧いただければと思います。
 私はもともと農家の嫁なので、実家は農家ではありません。なので、全く農業のことなんて考えないで暮らしてきました。私は、若手の農業者さんと一緒に活動するようになってまだ3年目です。それまで全く農業のことが分からずに来ましたが、岩手というのは非常に農業がいい県なのだなということを他県の方によく言われます。おいしいし、やっぱり物がいい、何より県民性がいいから、とてもいいものをつくって原料としてくれるというふうに取引先の方とかに言われます。そういうものをもうちょっと誇りを持てるようになったらいいのかなと私は思っています。
 岩手というのは、非常に優等生だねと言われます。農業もいいし、林業もいいし、水産業もいいしと言われてしまうと、ふわっとした感じになると言われてしまうのがちょっと私も感じていたところで、これもおいしいし、あれもおいしいしと言いたくなってしまうのはわかるのですけれども、もうちょっと岩手というのはこれという色があったらいいよねということを、最近、若手の農業者の団体でよく言っております。
 6次産業の支援をしていても、推したいものがたくさんあり過ぎてかえって困ってしまうという農業者さんが非常に多いので、やっぱりこれというものをもうちょっと決められたらいいのかなと思っています。私は岩手の在来、玉山の在来ということで、この黒平豆をつくっていますが、それこそ大森さんのところの「はるか」もそうですよね。岩手のものというのは、実はすごく他県に持っていくと喜ばれます。そういうのをもうちょっと岩手の人たちが誇りを持てるような仕組みづくりができたらいいなと私は思っています。農業というのは補助金が多いとかとよく言われてしまうのですけれども、補助金が欲しいというよりはもっとみんなで岩手のものだからという誇りを持って推せるような、子供のときから岩手のものを当たり前に食べてきたことがうらやましいと言われるような、そんな仕組みづくりがしていけたらいいなと思って、それだけ言いに今日来ました。
 以上です。

達増知事

 黒平豆いいですよね。

山本早苗

 ありがとうございます。

達増知事

 小さいころから時々食べていたような記憶があるのですけれども。岩手は、やはり農産物、あと海のものもですけれども、そういう1次産業でとれるものがとってもおいしいのだと思います。それで、みんな舌も肥えていて、それでスイーツもレベルが高くなるのだと思います。私もいろんなところに行ってスイーツを食べるのですけれども、岩手のスイーツは全体としてレベルが高いです。本当に全国区で通用する全国有数のものもありますし、普通に駅で売っているようなお土産が、よその地域の普通に駅で売っているようなやつよりはるかにレベルが高いですよね。そこはやっぱりもともとの農産物や海産物のレベルが非常に高いということがあるのだと思います。
 「はるか」もすごいですよね。あれも岩手から誕生し、そのままでスイーツという感じのリンゴなのだと思います。非常に岩手らしいなと思っています。
 何でもありというところがかえって宣伝するのに弱くなるというのは……

山本早苗 

 宣伝しづらいなと。

達増知事

 私も常日頃から考えていて、青森みたいにとにかくリンゴ、リンゴ、リンゴというわけではないし、総合力があり過ぎるわけですよね。

山本早苗

 そうですね、あり過ぎますね。バランスもいいと言われますしね。

達増知事

 ええ。北海道に次ぐぐらい総合力があるので、大変なのだと思うのですけれども、やっぱり工夫だと思います。東京ディズニーランドは何でもあるのだけれども、時期とか季節、夏だったらリトルマーメード、人魚姫を前面に立てるとか、このシーズンはプーさんを前面に立てるとか、やっぱりそういう戦略でたくさん材料があるのを生かしつつも印象的なものを出していたり、AKB48だとセンターをころころ変えてやっていくような感じでしょうか。だから、岩手として今はこれがセンターみたいな宣伝をしていく。また、地域ごとにも盛岡広域で勝負品目でバンといくような工夫が必要なのだと思いました。
 4Hクラブの皆さんを相手にしていただいてありがとうございます。私からも御礼を言います。4Hクラブというのは本当に大事なもので貴重な存在ですし、最初の挨拶でおっしゃった農業以外の分野のいろんな人たちにも手伝ってもらって商品をパッケージにするとか、売り出すというときに4Hクラブが農業のいろんな分野の中でも最も外に開かれている人たちだとも言えると思うので、是非その調子でお願いします。

東大野室長

 順番が一番後になりましたけれども、渡邊様からお願いします。

渡辺瑠未

 現在取り組んでいることについて、先ほども少しふれた漆器についてお話しいたします。現在は、浄法寺塗の一つである安比塗の事業に関わらせていただいています。まず7月に来てからすぐに行ったのが安比塗のブランド力向上事業ということで3カ年計画を立てさせていただきました。1年目は土台づくりということで、まず販路を拡大する以前の、パンフレットなどの様々なツールの製作をするため、広域振興局さんの地域経営推進費の申請に手を挙げさせていただきました。その予算をお預かりさせていただき、今年の3月までにその事業を完了させるため、今専ら製作の作業に取り組んでいます。
 具体的に申し上げますと、先ほど言ったパンフレットの製作だったり、あとは漆器の工房で働いている人たちは皆さん職人さんなので、営業とか販売に関しては、見よう見まねでやらざるを得ないというところがあり、自身のやっている接客に非常に不安を感じているということだったので、マナー研修というのを導入させていただきました。もともとアナウンサーでいらっしゃった西條ユキ子さんに講師にお越しいただいて、マナー研修を実施させていただきました。
 あとは店舗のほうなのですけれども、店舗の装飾や陳列もこんな感じで漆器を置けばいいかなという具合で何となくきてしまったので、もう少し魅力的な見せ方というのがあるのではないかと、プロの人にアドバイスをいただいて、店舗の陳列を変えるという作業をやっています。あとはロゴも若干見直しをして、そのロゴの見直しに伴って、名刺も個人がそれぞれ違うデザインを使っていたのですけれども、やっぱり一つの企業でばらばらというのもちょっとおかしいかなと思ったので、統一をしたものをつくり直したり、他には価格の表示の仕方とか、本当に細かいことなのですけれども、こういう機会でないとなかなか見直す機会がないので。あとは、ちょっと私には衝撃的だったのが、せっかく漆器という素晴らしいものが入っているのに真っ白な紙袋を使っていて、片手落ちというか、残念なのです。中身のものが正しく評価されないというところで。ちょっとそれは私は衝撃を受けるくらいびっくりしたので、専用の紙袋、専用の包装紙をつくるといったことを3月までに完了する予定で、今、行っています。
 今後に向けての抱負ですが、3カ年計画ということで、とりあえず3月までは1年目の土台づくり、2年目に当たる27年4月からは国内販路の拡大を掲げており、国内販路を拡大できる施策というのを年末に考えて、それを市に提案させていただいています。
 3年目は、これはどの分野も避けて通れないと思うのですが、海外進出ということを目標にして、3年目だからもう少し後でいいかなではなくて、今から準備しないと3年目というのはあっという間に来てしまうので、既に少しずつ準備しています。もともと私も海外の外資系企業におりましたので、そういったところにちょっとアンテナを立てていろんな情報のヒアリングをしつつ、何かいいアイデアつくれないかなと思ってやっています。
 例えばなのですけれども、昨年11月に知事もコルマールの旅行博に行かれましたが、あのときに安比塗の指導者である冨士原先生も一緒に行かれたので、そのときのフィードバックを聞き、実際に商品開発も考えているのです。ここで一つ課題なのですけれども、やっぱりいい意味で伝統を重んじる気風があるので、新商品というものの開発が難しいのです。アイデアがあったとしても、それに対して「うん」と言ったり、「じゃ、やりましょう」というその第一歩がなかなか踏み出せないというところにちょっと課題を感じていて、今、実際に新商品開発で動き始めているのですけれども、正直「うん」と言われていないながらも試験的にやりましょうと説得して、緩やかにスタートし始めたというところです。ただ、これが一つの成功事例になれば、次はもう少し早くいろんなことが動いていくかなと思うので、まずこれを一つ成功させれたら、次につながるかなと思っています。

達増知事

 食器としてはマイセンとか、ウェッジウッドとか、せめてノリタケとか、そういう高級食器として漆がそういうものと同じように高いけれども、いいものだから買うというふうになっていってほしいわけですよね。なるべく安くして売るではなくて、高くても売れるという基本路線でいかなければならないのだと思います。そういう意味で、宝飾、時計などの経験があるというのは、まさにそういうもののように漆器が売れていくことが目指す姿なので、私からもよろしくお願いしたいと思います。

渡邊瑠未

 いえいえ、いろいろ教えていただきたいです。

達増知事

 そうですね、新商品、伝統というのですけれども、芸術的な工芸作品の分野では毎年、毎年いろんな展覧会とか、コンクールみたいなやつで漆器部門で物すごく前衛的だったり、モダンだったりする漆の作品が出ていますよね。この間も改革後、初の日展の図録が送られてきたのですけれども、やっぱり漆工芸というのはかなり変化がある分野だなと思って、人間国宝の人たちも新しいことにどんどん挑戦しているのだから、やっぱりそういうのはしなければならない。南部鉄器でも何でもそうですけれども、伝統工芸品であるがゆえに新商品開発も必ずやらなければだめというような新常識をつくっていく必要がありますよね。特に海外進出になるとコルマールでもそうだったように、ガラス素材と組み合わせてナイフとフォークが使える漆器にしたりとか、そういう潜在的ニーズがあるから、やっぱり新商品開発はやって当然というふうにしていきましょう。

東大野室長

 では、皆様から一通りご意見あるいはご提言をいただきました。これからは、先ほど申したとおり自由に意見交換をしてまいりたいと思います。今まで皆さんがそれぞれお話しいただいて、この際、知事に聞いてみたいことでも結構ですし、お話を伺っていて、あの方にもう少し話を聞いてみたいということなどがあればこの時間を使って、是非、発言をお願いしたいのですけれども、いかがですか。

綱嶋久子

 今バレーボールを通じて子供たちを指導しているのですけれども、社会に出たときに、私が考える必要な人材というのは、言われたことを言われたようにできるだけではなくて、やっぱり自分で考えて行動できるとか、そしてまたそれを軌道修正して、また行動していくとかという、そういう強さであったりということが必要と考えているのですけれども、そのほかに何かこういう人材が岩手でどんどん育っていってほしいというような条件というか、そういうものがあったら教えていただきたいなと思います。

達増知事

 大河ドラマの「花燃ゆ」の第1回で吉田松陰だったか、その友達の小田村伊之助という人だったか、その2人が長州藩のお歴々の前で、学ぶとは世の中のために自分が何をすべきかを見つけることだと言っていて、私はずっとそういうものだと思っていたし、必要な人材というのは、自分が何をすべきかという自分の役割がそのとき、そのときちゃんとわかって、それができる人だと思うのです。これは、もうあらゆる分野共通なのだと思います。物を生産している人たちであれば、今、何を生産すべきかと、どういうニーズがあり、また自分の周りの自然環境の中では、これをつくるのがいいだろうという、与えられた環境の中で、またニーズに応えるような、自分にできること、自分がもっと得意になれる、さらに発展できることをやっていく。
 私はバレーは余り詳しくはないのですが、相手からボールが来るときにブロックに参加するのか、レシーブをするのかという、6人の中で自分がやるべきことを瞬間、瞬間に判断してちゃんとやるということだと思うのですけれども、その感覚というのは将来どんな分野に進んでも決定的に重要だし、何をやっても成功するのだと思うのです。そういう局面で自分のやることをびしっとわかってできる子供たちに指導するというのは、もうそのまま岩手として必要な人材をどんどん育ててくれていることだと思います。
 そして、人口減少問題を克服していくためには、岩手全体が学びという人間形成とか、あと人間としての成長という点で、日本のほかのところより岩手のほうがいいというふうにしていきたいなと思っていて、学ぶなら岩手、成長するなら岩手というようなスローガンですね。これからの世の中は、やっぱり人間力が問われて、経済的に見ても1人当たりの生産性という、一人一人がどれだけ価値のある材やサービスを提供できるか、どれだけ価値のあるものをつくれるか、あるいはどれだけ価値のあるサービスを提供できるかということが決定的に大事なので、一人一人の人間力が勝負になってくるわけですよ。そういう一人一人の人間力を高めていくには岩手が一番だみたいにしていきたいなと思っていまして、歴史的にも松尾芭蕉とか西行法師とか、それぞれ俳句や短歌の日本最高峰なのですけれども、平泉を訪れてそれぞれ自分の道を完成させているのです。岩手に来なければ完成しなかったと私は言っているのですけれども、だから、それぞれ自分の道を究めるには岩手に来なければだめだみたいに宣伝したいと思っていまして、特に東日本大震災が起きて、そこからの復興という人としてのあるべき姿がそこに見えてくるわけじゃないですか。だから、いろいろ研修旅行とか、学習旅行に沿岸被災地、復興地に入ってもらうというのをどんどん増やそうとしているのですけれども、そういう学びの機会というのが岩手は非常にいいと、豊かな自然環境、風土、そして人間関係とか、伝統とか、文化とか、そういうことで学ぶなら岩手とやっていくといいなと思っています。

東大野室長

 ほかにございますか。

渡邊瑠未

 もともと知事は外交官でいらっしゃったということなので、それこそ英語の教育には思い入れがあるかと思っています。しかし、英語というのはあくまで手段なので、結局は中身がなかったら英語だって全然生きてこないわけですが、学びの機会、学ぶなら岩手という今のお言葉を受けて、例えばなのですけれども、リニアコライダーの計画があるではないですか。私はもともとジュネーブに本社のある時計会社にいたので、CERNというのは何となく身近だったのです。なので、今、リニアコライダーを岩手に招致するという話が出てきていて、それが現実になると本当にインターナショナルな土地にならざるを得ないし、手段として英語というのは必須になってくるし、そうなると日本国内でこんなに英語が求められる土地というのがやっぱり珍しい地域になるので、それこそ学ぶなら岩手というようになるのかなというのを何となく私は思っています。私も海外の雰囲気が好きなので、スイスのジュネーブっぽい雰囲気が岩手に再現されるような機会があって、そのお手伝いができるようになったらすごくうれしいななんていうのをちょっと想像していたりするのです。リニアコライダーの話は新聞報道では見ているのですけれども、実際どのくらい現実味を帯びたお話なのかというのが個人的な興味です。

達増知事

 英語はやっぱり必要に迫られないとなかなか身につかないし、逆に必要に迫られれば何とか身につくものだと思います。国際リニアコライダー、ILCが岩手に建設されれば物すごい必要性がそこにバンと出ますので、岩手の英語教育はバンと高まると思います。
 国際リニアコライダーは、研究者の中でヒッグス粒子が見つかるところまでは来たと。ジュネーブ郊外にある最新式の加速器だとヒッグス粒子が見つかるところまではいくけれども、そのさらに詳しい仕組みはその次の次世代の加速器をつくらなければだめで、それを世界のどこかにつくる。アメリカ、ヨーロッパの研究者たちは、もう次は日本におつくりくださいという流れができていて、日本の研究者の中で日本のどこが適地かということについてはもう北上山地と決まっているので、だからまず研究者の中では日本の北上山地につくるというのはもう大体合意され、今日もその関係で国際リニアコライダー研究の代表の人たちが岩手のほうに視察に来るのですけれども、もう岩手、北上山地を前提にした詳細設計の作業に入っています。ネックになっているのは、そこに実際、お金を出すのは各国政府になるので、それをどういう段取りでどこが幾ら出すというのを決めていくかというのがまだ全然決まってないというところです。
 日本政府も余り早い段階から正式に決めると日本政府が手を挙げるとアメリカ、ヨーロッパが、ではどうぞ、お金も全部日本政府でとなると困るなと日本政府は思っていて、ある程度、アメリカ、ヨーロッパの政府と内々に出してくれますねとか確認しつつやるとかというふうにしたがっているということと、あと本当にやるのであれば少しでも経費を節約したいという財務省の要望に沿って今、文部科学省では幾らかかるかという、研究者の人たちは8,000億円かかると言っているのだけれども、本当にそんなにかかるのかちゃんと計算し直したまえと財務省が文部科学省に言って、もう一回幾らかかるかの検討をちゃんと詰めてやるとかということをやっているのです。
 行政や、あと政治としては、さすがに「日本はやりません」とはもう言えないなという雰囲気にはなっているけれども、ただ、「じゃ、やります」とも言いかねているというところなので、私が、今考えているのは世論が、岩手県だけではなく日本全体、できればアメリカやヨーロッパの普通の人たちもヒッグス粒子ができているのだから、もうちょっとで物質やエネルギーの本質、真実、真理がわかる、是非そこまでみんなで力を合わせてやりましょうという雰囲気を盛り上げていくということを今年は力を入れてやらなければならないかなと思っていました。

東大野室長

 ほかに。どうぞ。

大森友紀子

 本当に農業のことだけなのですけれども、私はうちで、田んぼとリンゴと花をつくっていて、田んぼ父親が主にやっているのですが、毎日、ニュースを見ていると米の値段が下がっていると。それを見て、父親がため息つくのを毎日見ているのですけれども、やっぱりお米が値段も下がってきているし、今テレビとかでもお米を食べると太るというのをよくやっていて、逆にそうなってしまうと、どんどん消費者が食べなくなってくるのだなと思っています。私は年末にスポーツ指導者の免許、資格を取りに行ったときに、やっぱり御飯を食べなければ集中力が長続きしない子供になるというのも勉強してきて、どうやったら米を岩手で食べてくれるのかなと思っています。結局、私だけとか、身近な意見しかないのですけれども、どうやったら、例えば岩手の米とか、紫波町はもち米なのですけれども、もち米とかを安定な値段で供給できるかというのは、やっぱりメディアとかで出してもらえないのかなとちょっと思いつつも、おいしい御飯の食べ方とかを、逆に私たちの世代のお母さんたちとかに知ってもらうような活動をいつかしていきたいなと思いますし、そういうのをしてもらいたいなという気持ちがあります。

達増知事

 県といたしましても、JAや全農や関係団体と一緒に、特に米価下落を受けてお米の売り込みの販売拡大の作戦会議、また改めて今までやってこなかったようなこともやろうということで臼澤みさきさんにポスターに出てもらって、今まで以上にポスターとかも強化したりとか、あとは岩手オリジナル品種を来年、再来年あたり出していくので、それを先頭に立てながら米消費拡大の一大キャンペーンを打っていこうとか、いろんな準備とか、あと実際に今やったりとかしているところですが、いろんなそういうイメージとかもあって米消費があるべき姿よりも少なく抑えられてしまっているのだと思います。そこはやっぱり機会あるごとに宣伝して、健康のために食べたほうがいいと。今日の昼もあっさりしたのを食べたいということで、県庁地下の生協の米粉めんを食べてきているのですけれども、同じめん類でも米粉を食べるといいみたいなところも含めて、とにかくやっぱり米の消費拡大をやっていかなければならないですよね。
 あとは消費拡大のための努力をしつつも、他のお米との競争に勝っていくような工夫というのも並行してやって、全体として米価は下がっても、岩手のお米については高止まりするというような差をつけていくような努力も必要で、そこは生産者の皆さんと一緒にやっていかなければならないのですけれども、そういう二段構えであきらめずにおいしい、そして栄養のあるお米を食べてもらうことは消費者のためになることなので、やっていきたいと思います。
 あとスポーツの分野なんかでは潜在消費がたくさんあると思うから、どんどん食べてもらったり、食べさせたりしてください。

東大野室長

 あとお二人、この際。

山本早苗

 さっきの話の続きです。私、ちょっと思うのが、申し訳ないですけれども、生産者が不在のPRになっているのかなと感じます。別に今日農協さんがいるわけではないので、農協で言えという話になるかもしれませんが、もうちょっと生産者も一緒になってできたらいいなと正直思います。それこそ、今回、「もりおか広域まるごとフェア」に私が出させていただいたときに、岩手のお米の「きらほ」をうちでつくっているのですが、食べたことある方いらっしゃいますか。ほとんど実は岩手で販売していないお米で、局長ぐらいしかご存じないかもしれません。岩手のお米というのはちょっと弱いですよね。というのがあったりして、もうちょっと生産者も一緒になって考える場があったらいいなと思いました。例えばおいしいお米をつくるといっても、どういったところをターゲットにしていくとかというのまで一緒に考えられたらいいのかなと思いました。

達増知事

 お米の宣伝をきっかけにして岩手県庁の中でも農林水産部だけではなくて、商工労働観光部とか、あるいは広報部局とか、そういう岩手の宣伝や物産の売り込み得意な人を全部集めて、そうやってチームをつくってお米に取組み、そのやり方で米以外の農林水産物も売り込めるようにしたいなと思っていまして、そういう中ではやっぱり生産者の皆さんに参加してもらうというのがやっぱり基本的なところでありましょうから、工夫をしていきたいと思います。

東大野室長

 中村さん、この際。

中村美穂

 本当に食べることというのは大事だなというのは思っていて、先ほどもお話しさせていただいた虐待ケースで、ある男の子が実はあまり食べていないようなのです。こちらがコンビニの弁当ですけれども、週に1回出すようにして、それが続いてきたら本当に集中力も上がってきたように感じるので、食べるというのは大事だなと、今、お話を聞いていて思いました。また、御飯をちゃんと食べられていない子供たちがいるというのをどこまで大人が知っているのだろうな、悲しい現実だなというふうに感じています。

達増知事

 それはやっぱりまずいですね。ちゃんと食べられるというのは本当に基本中の基本だから、そこは気をつけていきたいと思います。

東大野室長

 私から中村さんに、先ほど虐待の話、若干、行政機関との連携がうまくとれていないというお話があったのですけれども、盛岡の局長は知事から直接指示されておりますので、きちっとやると思いますけれども、沿岸の局長にも話をしたほうがよろしいことですよね。

中村美穂

 一緒に何か、本当に子供たちのためにやれるのであればやらせていただければ助かります。

東大野室長

 わかりました。では、沿岸の局長には私が伝えます。
 そろそろ予定時間になってきたのですけれども、この際ということがあればもうお一方。よろしいですか。
 最後に、知事からお願いします。

達増知事

 今日、おいでいただいた皆様は、農業やスポーツ、それから学習支援コーディネート、また宝飾、時計の販売というような、それぞれ専門性を持ちながら、それを地域の中で生かして、また地域の人たちといろんな新しい手法を編み出しながら取り組んで、それがいい感じになっているというところ、これは大いに参考にして県のいろんな地域や、いろんな分野で取組をどんどん広げていきたいなというふうに思いましたので、これが終わりではありませんので、もう一回同じような形で会議を開くとかという予定は当面ないのですが、何かあればいつでも県のほうに言ってきていただければと思います。私に直接でも構いませんし、そうやってまた一緒に仕事をする機会とか、あるいは皆さん同士が一緒に何かする機会とかもあると思うので、引き続き頑張ってまいりましょう。今日はありがとうございました。

閉会

東大野室長

 では、以上をもちまして、県政懇談会「がんばろう!岩手」意見交換会を終了させていただきます。

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