令和4年3月28日教育長記者会見における質疑応答

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ページ番号1053473  更新日 令和4年4月5日

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令和4年3月28日(月曜日)

県庁10階 教育委員室

発表事項:なし

質問事項:(1)教育長1期3年の総括と2期目の抱負について

 (2)16日の地震被害について

 (3)ハロウインターナショナルスクール安比校について

 (4)小林陵侑選手の活躍について

 (5)入学式における新型コロナウイルス感染症への対策について

 (6)児童生徒の学びの保障について

質疑応答

(教育企画室)

 ただいまから、教育長記者会見を始めます。

 本日は教育長からの発表事項はありませんので、幹事社の進行によりまして、質問にお答えする形で進めます。

 

(幹事社)

 記者クラブからの代表質問はありません。事前通告している質問がありましたらお願いいたします。

 

(記者)

 3件事前通告しておりますが、1件ずつお伺いしたいと思います。

 まず初めに、教育長の1期目3年の総括と2期目の抱負について伺いたいと思います。教育長就任から3年間を振り返りまして、成果であったり、印象的だった出来事を教えてください。また、現在の課題についてどう捉え、2期目にどのように取り組んでいかれるかお聞かせください。

 

(教育長)

 まず、3年間の振り返り、それから成果や印象的だった出来事についてということですが、平成31年、2019年4月に就任し、岩手県民計画、それから岩手県教育振興計画とともにスタートしたところです。

 両計画にも掲げているわけですが、特に東日本大震災からの復興と復興教育に力を入れてきました。令和2年度中には、教育委員会が所管する施設の災害復旧工事も全て完了し、最後には、陸前高田市の県立野外活動センター(ひろたハマラインパーク)ということで、昨年7月に開所できました。また、復興教育については、平成31年の3月に改訂を行っており、それを受けて令和2年度には高校用も含めて復興教育副読本を発行し、それを活用して復興教育に努めているところです。さらに、今年度は絵本も作成し、読み聞かせなどにも使っていただいて、これからも復興教育をしっかり継承していくことが大事だと思いますし、副読本あるいは絵本の活用についても期待しているところです。

 この復興教育の取組については、本県の特徴的な取組という位置付けであり、震災後引き継がれてきたものでありますが、今般の新型コロナウイルス感染症対策の対応などにも活かされていると思っています。また、学校現場では、教職員、それから児童生徒、保護者、そして多くの関係者の皆様のご努力、さらには支援があるからこそ、学びの保障、それから子どもたちの健康、安全の確保に結びついていると思っています。

 そうした中で印象的なものとしては、まずコロナ禍の中でも、学校の様々な活動においてかなり制約があった中で、教職員、それから児童生徒らが様々工夫を凝らしながら、教育活動であったり、あるいは部活動であったり、地域での取組などを行って、すばらしい成績、成果を残してくれたと思います。これは、報道等もなされているわけですけれども、各種競技、あるいは文化活動、様々な分野で活躍されまして、全国大会での輝かしい成績をあげています。日本一に輝いたり、大臣表彰を受けるなど、本当に子どもたちが素晴らしい活躍をしてくれたと思います。これは、私のみならず、多くの県民の皆さんにとっても大きな喜びであったと思いますし、誇りであったと思います。

 さらに、本県出身の世界的トップアスリートの活躍、これもまた素晴らしいものがありました。スーパーキッズ第1期生の小林陵侑選手が、北京オリンピックで金・銀二つのメダルのほかに、ワールドカップの総合優勝も獲得したという報せが入ってきました。本当に素晴らしい活躍で、子どもたちが憧れているトップアスリートからもメッセージが届いていまして、それが子どもたちとの繋がりになっています。先週、スーパーキッズの修了式、それから新たに認定を受けた子どもたちの開始式に私も出席していたのですけれど、そこにもメッセージビデオが届いていまして、この修了生の決意表明っていうのも見せてもらったのですけれど、ここには世界を目指すとか様々な努力をしていくということが書かれていて、本当に頼もしいと思います。スーパーキッズのこの取組と、それからそこを巣立っていった方々が世界で活躍していく、また、メジャーリーグで大谷選手が、早速活躍の報せも入ってきたりしていまして、これからもますますの活躍を期待したいと思っています。

 そして、今後、2期目に入るということですけれど、県教育委員会でも、様々教育行政で課題を抱えております。そういった中で、どういったところに力を入れていきたいかということを何点かお話をさせていただきます。

 まず1点目は、幼児教育の推進です。この4月にいわて幼児教育センターを立ち上げます。生涯にわたる人格形成の基礎を培う幼児教育、この教育内容面での質の向上と、それから小学校教育との円滑な接続を図っていきたいと考えておりまして、幼児教育アドバイザーの養成であるとか、それから保育者の専門性の向上、これを進めていきたいと考えています。

 それから2点目は、コロナ禍の中でGIGAスクール構想が前倒しで進められてきまして、学校現場にICT機器の整備が進んだところです。このICTを活用した学びの充実、これまでに整備された機器をいかにうまく活用していくかということが大事だと思っています。本県では、市町村の教育委員会と連携しまして、「岩手県学校教育ICT推進協議会」という組織を立ち上げて、県教委のみならず33市町村教委が一体となって、本県のICTを活用した学びの充実に取り組むこととしています。その中でも、統合型校務支援システムを全県統一的に進めるということもまとまりましたので、それを着実に進めていくということ。これは、教職員の負担軽減につながるという効果もありますから、しっかり取り組んでいきたいと考えています。

 それから3点目は、県立学校でのスクール・ポリシーの策定。昨年10月に「いわての高校魅力化グランドデザイン」を策定して、公表しています。それから、高校再編計画の後期計画も進めていく中で、県立高校の魅力化というのは非常に大事な取組だと考えています。昨年策定しました「グランドデザイン」に基づいて、令和4年度中にスクール・ポリシーを策定・公表することとしていますので、各高等学校に助言等を行いながら、地域との共創、「共に、創る」ですが、この共創による魅力ある学校づくりを進めていきたいと考えています。

 それから4点目ですが、コロナ禍の中で子どもたちが頑張って取り組んできたということもお話しましたけれど、児童生徒が生涯にわたって健康的な生活を送るために必要な習慣であるとか能力を身につけるために、運動習慣、食習慣及び生活習慣の改善等を図る一体的な取組として「60プラスプロジェクト」というものをあげていまして、予算を措置しているわけですけれど、1人1台タブレットが整備されてきていますから、そういったICT機器を活用した健康管理の仕組みなども研究していきたいと思います。また、部活動のあり方であるとか、部活動における事故防止、そういったところをしっかり取り組んでいかなければならないと考えています。

 それから、5点目は教職員の働き方改革です。これは、学校現場で、コロナ禍で大変苦労されていると思いますけれど、子どもたちの学びの保障、健康、安全をしっかり守りながらも、教職員自らの負担軽減に市町村教委と一体となって、そしてICT機器が整備されているわけですから、それをいかにうまく活用して働き方改革に結びつけていくかということが大事だと思います。そういったところに取り組んでいきたいと考えています。

 それと最後には、これは大事なことですけれど、不来方高校の岩手モデルの関係です。これもしっかり取り組んでいかなければならない、2度と起きてはならないということで、今は岩手モデルの策定を進めているところですから、それらもしっかり取り組んでいかなければならないと考えています。

 

(記者)

 次に、2点目です。16日の夜に、本県で最大震度5強を観測した地震が発生しまして、県内の学校でも多くの施設被害が確認されているということで聞いております。16日は夜の発生でしたけれども、もし日中に発生していたとしたら、児童生徒への直接的な被害も懸念されるところです。今回の被害の件数の実態と受けとめ、また、児童生徒の安全を守る上での施設管理の考え方について伺います。

 

(教育長)

 まず、3月16日の地震による被害の状況等ですが、窓ガラスの破損であるとか、天井それから外壁のひび割れ、それから水道からの漏水等の施設の被害があったということで報告を受けております。さらに備品であるとか実験器具、それらが落下して破損したという報告を受けています。3月25日17時時点での取りまとめですが、県立学校では33校、内訳は高校が28、特別支援学校が4、附属中学校が1校の合計33校で、それから市町村立学校では、小学校27、中学校22の計49校、総合計で82校で被害があったと取りまとめています。また、地震のあった翌日17日には、公共交通機関が運休したということもあって、県内の県立学校では5校で休校等の措置があったということも報告を受けています。発生時刻が遅いということもあり、児童生徒がいなかったことから、学校における児童生徒、教職員の人的被害はありませんでした。

 県教育委員会では東日本大震災津波の発生を受けまして、危機管理対応については、学校、それから関係機関等からの意見等を伺いながら、平成24年に「学校防災・災害対応指針」というものを策定しています。これを受けて、それ以前に学校で「危機管理マニュアル」というものを作っているのですが、それについては地震あるいは津波などの自然災害等に係る事項を中心に見直しを行い、改訂もしています。

 実際に、各学校では、この指針とマニュアルに基づきまして、学校ごとに「学校防災に関する計画」、それから「学校防災・災害対応マニュアル」等を作っていまして、加えて、随時、避難訓練等も実施しているところです。普段から、災害はいつ、どこで、どのような形で起こるかということが想定できませんから、常に備えが必要ということで訓練等も実施されているということです。

 例えば地震が、授業中、学校にいる時に発生した場合に、机の下に隠れるとか、シェイクアウト訓練です。私も総務部長の時に、県の総合防災訓練として実際に学校現場を回って、知事と一緒に、子どもたちと一緒にシェイクアウト訓練もやってみたり、それから、そのあと校庭等に避難をするという行動を一緒にとったこともあります。そのように、身の安全を守る、確保できるということを、訓練の中から身につけていくということが大事だと思います。

 それから施設管理。これは、学校施設というのは、児童生徒の学習・生活の場でありますし、万が一災害が起きた場合には、避難所として地域住民の避難生活の拠点としての役割も担うということもありますので、十分な安全性、あるいは機能性を有することが必要ですから、そういった観点から施設の管理について留意をしながら、適切な管理に努めていくというところです。

 

(記者)

 春休みですけれど、新年度の学習等には大きな影響はないということですね。

 

(教育長)

 本当に大きな被害等にはなっていなく、いろいろ細かい破損とかはありますけれど、そういったものは応急処置をとりながら、新年度への支障は無いと思います。そこまでの報告は受けていません。

 

(記者)

 それでは最後に、8月に八幡平市に開校を予定する私立学校ハロウインターナショナルスクール安比校に関連してお伺いいたします。今、開校の準備が進められています。開校するということに関しての教育長の所感と公立学校との連携というのがあるのかどうかというあたりを伺いたいと思います。

 

(教育長)

 ハロウインターナショナルスクール安比ジャパンですが、こちらは今年8月に開校する予定と伺っていまして、今後国際交流とか地域振興の観点からの期待は大きいと私も考えています。開校後に、海外から生徒であるとか教職員が本県にいらっしゃる。それから、その後、本県の県立学校であるとか、地元の公立学校との連携というものも始まっていくのだと思いますが、そこは、現段階で具体的にどういうものが想定されるか、これはまだ漠然としたものでしかありませんけれど、実際にいらした職員、生徒等と、本県ならではの自然環境を生かした取組であるとか、それから復興教育とか、そういったものと連携が図られるようになっていけばいいのではないかなと思います。

 

(記者)

 先ほどもお話が出たんですけれども、小林陵侑選手の活躍をどのように受けとめているかと、あとはこういった活躍というのは、やっぱり子どもたちの育成にも多大な影響を与えるのかなと思うんですけれども、今後どういうふうに今回の活躍を子どもたちの教育につなげていきたいかお聞かせください。

 

(教育長)

 小林陵侑選手の活躍は本当に素晴らしいものがありまして、県民栄誉賞を授与しておりまして、その際にも私は、所属する土屋ホーム、札幌にも訪問したこともありました。それから、実際の表彰式の時にもご一緒に昼食会をして、そして今後の期待を込めた最後の挨拶を私がしたことがありました。その時は、今後のさらなる活躍を期待しておりますということを話した記憶があります。その願い通りに、今回北京オリンピックで、金メダル銀メダルを獲得し、そして、ワールドカップの二度目の総合優勝ということで、本当に素晴らしいの一言に尽きます。本当にこれは、県民にとっても大きな喜びですし、誇りに思います。

 そして、先ほどもちょっとお話しましたけれど、スーパーキッズの修了式と新たに認定を受けた子どもたちへメッセージを送ってくれて、先ほど紹介した修了生は、自分の将来に向かって自分の夢や目標に向かって努力していくということを述べています。小林陵侑選手からは、ともに頑張っていきましょうというメッセージをいただきました。それが、スーパーキッズの皆さんにもしっかり心に刻まれたと思いますし、これからそれぞれの目標に向かって努力していく上で、本当に大きな励みになっていくと思います。そのように、活躍ぶりが次の世代にしっかりと継承されていくということは、本当に素晴らしいことですし、子どもたちにとって素晴らしい先輩であり、目標であり、そして人間的な魅力も素晴らしいものがあると思いますので、それが決意表明にも書かれているんです。そういったことで、私もこれからの世代にも大きな期待を寄せているところです。

 

(記者)

 コロナ対応について、本部員会議の際に、卒業式について保護者は参加できるというような対応の例を示していたと思います。次、入学シーズンになりますが、これについても県教委で対応といったものを、すでにもう出しているのか、それとも何かこれから出す予定があるのかお伺いしたいのですが。

 

(教育長)

 これから入学式とか始業式を迎えるわけです。これまでも、本部員会議、あるいは私どもから各学校の方に、開催方式の工夫について呼びかけをしております。その際に、卒業式とかと併せてすでに出しておりますので、あらためてということについては予定がありませんが、今後の県の対策本部員会議がいつどのような形で開かれるか、それらも踏まえながらやっていかなければならないと思います。

 オミクロン株で、最近の感染状況は、かなり学校現場でも出ていまして、それへの対応ということも様々工夫を凝らしてはいるものの、なかなか感染が抑制できていないという面もあります。入学式の場合でも、参加人数を抑えるとか、それから式典の内容を精選して時間短縮を図るであるとか、様々なやり方はあると思います。それから、始業式などは、ICT機器が学校現場に入っておりますので、そういった機器を活用してオンラインでやるような形とか、様々工夫ができると思いますので、それをしっかり取り組んでいっていただきたいと考えています。

 

(記者)

 すいません、確認ですが、卒業式の制限の上で保護者参加といった指針の時と一緒に、入学式についても同様ということでしょうか。

 

(教育長)

 同様の対応をお願いしています。

 

(記者)

 あと、今ありましたICTでの始業式の取組等も通知を出すつもりということでしょうか。

 

(教育長)

 これも、もともと出していますので、終業式とか、あるいはいろいろな諸行事でも、体育館に集まるということよりは、オンラインで各教室のICT機器に流すなどして、工夫しながら密対策を講じながら実施していると伺っています。

 

(記者)

 コロナの関係で伺えればと思うのですけれども、この1月、2月、3月と、学校教育現場での感染が相次いで、学校での学級閉鎖だったり、臨時休校という措置が多くとられたと思います。春休みに入って、そういったところは一旦落ち着くと思うのですけれども、新年度に向けても、やはり感染拡大をすると、そういう臨時休校という形になるかと思います。そういった場合の子どもたちの学習機会の保障というところで、お話のあったICT機器の活用が大事だと思うのですけれども、高校、もしくは小中学校に対して、ICT機器を活用した学びの保障について、どのようにしていただきたいとお考えでしょうか。

 

(教育長)

 せっかく1人1台タブレットが配備されたり、それから県立学校でもWi-Fi環境であるとか、それから大型提示装置等も各教室の方に配置されて、できるものからどんどん取り組んでほしいという通知もすでに出していまして、いかに活用するかです。活用事例等も、今年一年間取り組んできた具体例を冊子にまとめたり、ウェブ上にも載せていますけれど、それを各学校現場、それから教員にも示しています。それらを活用して、いかに使いこなしていくかということが、今後は求められていくと思います。

 4月早々には、県立学校長会議であるとか、それから予定では4月の下旬になってしまうのですが、市町村教育長さん方との会議を持つ予定にしておりまして、その場で改めてその活用に向けて、取組の強化についてお願いをしていきたいと考えています。

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