令和3年12月22日教育長記者会見における質疑応答

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ページ番号1049352  更新日 令和4年1月12日

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令和3年12月22日(水曜日)

県庁10階 教育委員室

発表事項:なし

質問事項:(1)2021年の振り返りについて

     (2)愛知県弥富市の中学生刺殺事件について

     (3)冬休みの過ごし方について

     (4)ICT機器を活用した教育の推進について

     (5)教職員の懲戒処分について

質疑応答

(教育企画室)

 ただいまから、教育長記者会見を始めます。

 本日は教育長からの発表事項はございませんので、幹事社の進行によりまして、質問にお答えする形で進めます。

 

(幹事社)

 記者クラブの方から代表質問はありません。事前通告している質問がありましたらお願いいたします。

 

(記者)

 3点ありますが、1問ずつお伺いします。まず1点目です。今年最後の会見ということで、2021年の振り返りについてお聞きしたいと思います。今年1年を漢字一文字で表すとしたら、教育長はどの字を選びますでしょうか。理由も合わせてお聞かせ願います。

 また、この1年の教育行政の評価、課題、特に印象に残る出来事などがありましたらお願いいたします。

 

(教育長)

 まず、漢字一文字で表すとしたらということですが、今年1年間、コロナ禍の中で、児童生徒たち、また岩手出身のトップアスリートの活躍に対しまして、素晴らしい名誉を得てくれたということに感謝したいと思います。ということで、漢字一文字としては、名誉の「誉」(ほまれ)、或いは誉めるという意味がありますけれど、この「誉」という漢字を挙げたいと思います。今年、多くの報道等、皆様方に子どもたちの活躍を取り上げていただいておりまして、それについても感謝申し上げたいと思います。

 まず、スポーツの分野については、小・中・高・ジュニア、或いはパラ競技でも、素晴らしい成績を上げました。スポーツ以外でも文芸であるとか、それから合唱コンクール、或いは産業教育の分野など、様々な分野で日本一に輝いたり、或いは上位入賞を果たすなど、本当に素晴らしい活躍をしてくれました。岩手県民、或いは私たちに、多くの感動と希望を与えてくれたと思っています。

 それから、子どもたちの憧れといいますか、目標のような存在である先輩たち。皆さんご存知のとおり、メジャーリーガーの大谷翔平選手とか、菊池雄星選手とか、それから、今ちょうど活躍されていますスキージャンプの小林陵侑さんとか、それから潤志郎さん、諭果さんの兄妹。そしてスノーボードの岩渕麗楽さんとか、スピードスケートの吉田雪乃さん、また、グルージャのJ2昇格もありましたけれど、数多くの活躍がありました。子どもたちが先輩たちの活躍を見て、自分たちの高い目標に向かって、これから努力していく姿勢に繋がっていると思っています。本当に素晴らしいことであり、誉め称えたいと思っています。

 それから、19日の日曜日に全国中学校駅伝大会がありまして、滝沢中学校の男子が4位入賞、しかも、区間賞を2人の選手が獲得したということもありました。それから、女子も下小路中学校が5位入賞と、県勢として過去最高位で入賞しました。これは、中体連の会長から、大会終了後に入賞の報告をいただきました。大会に臨む前に会長から、今年は練習に工夫を凝らして、上位入賞を目指しているということも伺っていましたので、報告をいただいたときに、「素晴らしい、やってくれたな」と快哉を上げました。

 そして、年末から年明けにかけて、全国高校サッカーであるとか、ラグビー、或いは駅伝、それから春の高校バレーボール大会、バスケットのウィンターカップとか、様々な大会も控えています。それから、2月にはスキーインターハイであるとか、スキー、スケート、アイスホッケーなどの競技もあります。例年、出発前に表敬訪問に来ていただいているところでしたが、今年は表敬訪問を無くしていますけれど、この機会に出場するチームにエールを送りたいと思います。活躍を期待しています。

 また今年は、「北海道・北東北の縄文遺跡群」に一戸町の御所野遺跡を含みまして、この縄文遺跡群が世界遺産に登録になりました。その決定の瞬間に、私も御所野の縄文博物館で、一戸町の住民の方々と一緒に立ち会うことができたことを光栄に思っています。

 さらに、「平泉の世界遺産ガイダンスセンター」の開館であるとか、県立野外活動センター「ひろたハマラインパーク」も開所しました。多くの県民の皆様のご利用を願っています。

 名誉かつ明るい話題が豊富にありましたが、一方では不名誉なこともありました。不祥事の根絶を目指して教職員一丸となって取り組んできたところですが、処分に至ったものもございます。この点に関しましては、改めてお詫び申し上げたいと思います。私どもとして、また学校も含めまして、名誉の回復に向けて努力していかなければなりません。コンプライアンス意識の徹底と、不祥事の根絶、それから不祥事を起こさない、起こさせない職場づくりに取り組んでいかなければならないと考えています。また、子どもたちの安全、安心、そして健康を守るための努力。県教育委員会として、学校現場をしっかり支えていくこととしたいと考えています。

 

(記者)

 今、児童生徒のたくさんの活躍があったというお話がありましたが、その背景には、やはりこの2年でしょうか、コロナが全国的に流行する中で、学校現場でコロナの感染拡大というのを、一定程度抑えて、部活動であるとか学習活動を最大限できるような環境を整えたというのが、大きな背景にあったのではないかと思うんですけども、支える学校現場の先生であったり、家庭だったり、皆さんの努力というのをどのように感じていらっしゃるでしょうか。

 

(教育長)

 昨年は、新型コロナウイルス感染症の対応に追われて、学校の教育活動であるとか部活動とか、様々な制限が加わって、また各種大会そのものが開催できなくなったということがあります。一部、代替大会の開催というものがありましたけれど、これまでの努力してきた成果を試すといいますか、発表する機会が無くなってしまって、そういった悔しさもあったと思います。学校現場で、教職員が大変な苦労をされながら、感染拡大防止に努めながら、そして児童生徒たちも、様々な制約の中で工夫を凝らしながら、感染症対策を講じながら活動に取り組んで、そして今年、先輩方の悔しい思いも含めて、素晴らしい成績を上げたということについて、本当に素晴らしい1年間だったなと思います。

 学校現場の先生方の努力にも感謝申し上げたいと思いますし、それから子どもたちを、まさに誉め称えたいと思います。

 

(記者)

 次の質問です。1か月ほど前になりますけども、11月に、愛知県の方で、中学3年生の生徒が同学年の生徒に包丁で刺されて亡くなるという、たいへんショッキングな事件が発生しました。この事件に関して、率直にどのようにお受け止めになっているのか、本県では、学校安全や命の教育についてどうするべきかという点についてお伺いします。

 

(教育長)

 中学校の同級生による刺殺事件の受け止めということですが、学校は児童生徒の命を預かり、安心、安全な生活を最も保障しなければならない場所であると思います。今回学校で、このような痛ましい事件が発生したことに大変な衝撃を受けました。児童生徒、保護者それから学校関係者も、強い不安を感じたものと思います。

 県教育委員会では、自他の生命を尊重する命の教育について、命の大切さを実感し、援助希求行動の大切さを理解できるように、県内すべての学校で「こころのサポート授業」を実施しているところです。

 また、いじめ等の問題をはじめ、児童生徒が抱える不安や悩みをいち早く捉え、問題が大きく表面化する前に支援につなげられるよう、日常の児童生徒理解を強化し、スクールカウンセラー等と連携しながら心のケアを図り、問題の未然防止と個に応じた適切な支援に努めているところです。

 さらに、教員に対しましては、スクールカウンセラーを講師として、「こころのサポート」に係る研修を実施し、児童生徒の心の悩みに寄り添って対応できる教員の資質向上にも力を入れているところです。

 今回の事件のようなことが決して起こることがないよう、学校安全、或いは命の教育に取り組んでいきたいと考えています。

 

(記者)

 最後に、児童生徒の冬休みの過ごし方についてです。今、多くの学校で、終業式が行われていると思うんですけど、コロナの感染状況については、県内は比較的落ち着いていますが、オミクロン株などへの注意も必要かと思います。冬休み中の過ごし方の留意点などありましたらお願いします。

 

(教育長)

 冬季休業期間中ですが、学校外で過ごす時間が多くなってきますし、新型コロナウイルス感染症の発生に加えまして、季節性インフルエンザが流行する時期でもあります。これは、これまでも取り組んでいただいているように手洗いであるとか、マスクの着用、或いは室内の換気、湿度の調節等の基本的な感染症対策と、それから冬休み中は、規則正しい生活習慣を、ぜひ心がけていただきたいと思います。

 それから、年末年始にかけては、親戚等との会食の機会が増えることも予想されます。会食時には大声を出さないこととか、会話の時はマスクを着用するとか、或いは三つの密を避けること、それから、今懸念されているオミクロン株、これらの情報等も毎日報道されておりますけれど、感染症に関する情報を正しく理解していくということ。こういった、これまでの感染症対策を徹底しながら、充実した冬休みを過ごしていただきたいと思います。

 なお、体調不良等を感じた場合は、外出を避ける、医療機関に相談する、或いは受診するなど、そういった形で早期に対応をお願いしたいと思います。

 それから、これから高校におきましては大学入試の時期も迎えますし、それから中学3年生は高校の入試も控えてくるという大事な時期になります。文部科学省から、先に「大学入学者選抜に臨む受験生の健康管理及び感染症対策について」という通知が来ておりますので、県教育委員会では、それを12月17日付けで各県立学校にも周知したところです。もうすでに冬休みに入っている学校もありますが、改めて家庭においても、感染症対策の徹底を呼びかけていただきたいと考えています。

 

(記者)

 今年は、ICT機器を活用した教育がかなり進んだ年かと思うんですけれども、このあたりの受け止めですとか、今後の課題、それからどのように進めていくかというのを教えていただければと思います。

 

(教育長)

 GIGAスクール構想で学校現場の方に1人1台タブレットの導入を計画的に進めるということで取り組んできたところですが、新型コロナウイルス感染症の対応ということで一気に加速して、学校現場への整備が進んだところです。

 急速にICT機器が入ってきた中で、どのような対応が求められるかですが、学校現場の先生方も、実際には戸惑いもあるという話を伺っております。

 普段ですと夏に県立学校を訪問していたんですが、緊急事態宣言等もあったので、12月に入ってから学校訪問をして、校長先生と意見交換、懇談する機会を持っています。これまでに、十数校回ったんですが、そこで学校現場のICT機器の活用等の状況、それから実際に授業の風景とか様子を見てきました。現場で実際の授業で使われているところも見ましたし、コロナ感染症の対応の際にもショートホームルームでオンラインで連絡したり、或いは様々な伝達とか、そういったところにも活用が進んできているということを聞いています。それから、大型提示装置、プロジェクター等も、密を避けるというような形で、例えば各種行事などの校長の挨拶、或いは伝達する内容を放送で各教室の方に流すなど、コロナ禍の中でも、感染防止にも併せて活用しているということもありました。

 今後は、先日の総合教育会議でも話題になりましたが、ICT機器をうまく活用して、本県の子どもたちが、超スマート社会と言われるSociety5.0とか、そういった社会の中でしっかり対応できるような、そうした資質能力を身につけていくところを学校現場でも対応していってほしいと思っています。

 私ども県教育委員会としても、市町村教育委員会と連携をしまして、昨年11月に岩手県学校教育ICT推進協議会というものを立ち上げていまして、活用のワーキンググループを作ったり、或いは働き方改革に資するように統合型校務支援システムの導入と、これも全県統一的に進めていきましょうということで市町村と合意が整いましたので、今後は全県統一して連携して、一体となって、ICT機器を活用した学びにしっかり取り組んでいけるようにやっていきたいと考えています。

 

(記者)

 先日、盛岡一高の先生が盗撮で処分されまして、今年はそういった盗撮の事案とかの処分があったと思うんですけど、改めて今回の盛岡一高の処分の受け止めと、不名誉なところで、処分や盗撮といった事案が相次いだことに対して、コメントをいただければなと思います。

 

(教育長)

 教職員のコンプライアンスに対しまして、県民の厳しい目が注がれている中で、今年度、2件目の盗撮行為ということで、このような不祥事が発生したことは誠に遺憾であります。改めてお詫びを申し上げたいと思います。

 このコンプライアンス意識の浸透に向けて、機会があるごとに学校長を通じ、各学校現場の方に根絶に向けた取組を呼びかけてきました。そういう中での事案の発生ということについて、本当に残念でなりません。改めて不祥事の根絶に向けた取組を徹底していきたいと考えています。

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