債権譲渡を受けたという業者が取り立てに!

Xでポスト
フェイスブックでシェア
ラインでシェア

ページ番号1005103  更新日 平成31年2月20日

印刷大きな文字で印刷

質問

4社の消費者金融からお金を借りていましたが、弁護士に債務整理を委任し3社は完済しました。弁護士から「残り1社については時効の可能性がある」と言われ、何年間か様子を見ていました。ところが最近になって、債権譲渡を受けたという業者が突然家に現れ「借入元金30万円に対し、これまでの利息も含め返済額は100万円になっている」と一括返済するよう強く求められ困っています。

回答

借金の時効について

借金については、時効期間が経過していれば借り手から「返済しない」という意思表示をして支払いを拒むことができます。この場合、利息についても元本の時効が成立していれば、支払う必要はありません。
しかし、時効期間が経過していても、一部でも返済したり、返済の約束をしたりすると時効が中断し、元本の請求だけでなく返済までの間の利息等も請求されることになります。
このように、時効の利益を受ける者(債務者)が積極的に「時効であり、支払い義務はなく、支払わない」旨を明確に主張することを「時効の援用」と言い、これを行うことにより時効は成立します。ただ単に時効期間が過ぎたからといって債権が消滅するわけではありません。時効の援用は法的な効力を得るため、内容証明郵便で伝える方法などがあります。

借金の時効は、時効の中断や停止がされていなければ、返済期日から起算して、業者が株式会社などの商法の適用を受ける場合は5年、そうでない場合には民法の適用により10年で完成します。時効が完成するためには、一定の事実状態が一定期間続いていることが必要です。この継続を破る事実(時効の中断事由)が生じると今までの時効期間は全く効力を失い、その時から改めて時効が進行します。時効の中断事由は、裁判上の請求や差押えなどで民法第147条に規定されています。

債権譲渡について

数年前の消費者金融からの借金について債権譲渡を受けたという、全く知らない業者から返済を迫られることがあります。
消費者金融がその債権を譲渡することは可能ですが、その場合には債務者へ書面で通知することが義務付けられていますので、通知された書面の内容、債務の内容を十分確認しましょう。

今回の事例について

最近、この相談のように、時効期間を経過したと思われる借金について、その債権を譲り受けたという業者から返済を求められたという相談が複数寄せられています。
時効や債権の譲渡などについての基本的な考え方は上記のとおりですが、ケースバイケースで専門的な判断が必要となりますので、弁護士の助言を受けることをお勧めします。
岩手県では県内8か所で多重債務弁護士無料相談会を開催しており、この中で弁護士から法的な助言を受けることができます。

不安に思ったら一人で悩まず、県民生活センターや市町村の消費生活相談窓口にご相談ください。

このページに関するお問い合わせ

岩手県立県民生活センター
〒020-0021 岩手県盛岡市中央通3-10-2
事務室電話番号:019-624-2586
消費生活相談専用電話番号:019-624-2209
交通事故相談専用電話番号:019-624-2244