怪しい投資話に注意(1)劇場型
質問
A社から「震災の被災者の皆さんに転換社債型新株予約権付社債の申込書を送りましたが、届きましたか」という電話がありました。
その後、B社とC社から電話があり、この1口30万円の転換社債をB社は90万円、C社は60万円でそれぞれ買い取ると言われました。欲しがる業者がいるということはもうかる話かと思いますが、信用できるでしょうか。
回答
この事例は、詐欺的な取引でも使われる「劇場型」勧誘の疑いがあります。劇場型勧誘とは、社債などの「発行(販売)会社」と「その社債などを高値で買い取る会社」が登場し、発行(販売)会社との取引が消費者にとって有利な取引であると誤認させ、発行(販売)会社と契約させるように仕向ける勧誘方法をいいます。(下図参照)
このケースでは、B、C社はA社と共謀し、高く買い取ると持ちかけて投資欲をあおっている可能性が考えられます。いざ買い取りを依頼しても理由をつけて買い取りは行われず、さらに買い増しを勧められたり、最後には業者と連絡がつかなくなるなどさまざまな問題が起こることが予想されます。
本例では、発行(販売)会社のA社の事業実態や信用性は全く不明ですが、信用性を確認できない会社の「社債」「転換社債」「未公開株」などへの投資は「全損」になる危険性があります。被害防止のためには、内容を理解できない契約や信用力のわからない会社への投資は避け、勧誘を受けてもきっぱりと「必要がない」と断ることをお勧めします。
このような業者は、高齢者をターゲットにするケースが多いため、こうした被害に遭わないよう家族や周囲の方は日頃から見守る意識が大切です。
怪しい投資の勧誘を受けたり、契約をしてしまった場合には、県民生活センター、市町村の消費生活相談窓口、警察にご相談ください。
不安に思ったら一人で悩まず、県民生活センターや市町村の消費生活相談窓口へご相談ください。
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