草の根地域訪問「こんにちは知事です」(平成20年4月22日)

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ページ番号1001033  更新日 平成31年2月20日

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訪問団体名:桜屋コミュニティ会(矢巾町)
日時:平成20年4月22日(火曜日)10時00分から11時00分
場所:桜屋コミュニティセンター

開会

望月局長
皆さん、おはようございます。それでは、ただいまから県政懇談会「草の根地域訪問『こんにちは知事です』」を開催いたします。
私は、本日の進行役を務めます盛岡地方振興局長の望月でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は、私どもの訪問を快く受け入れていただきましてありがとうございます。また、県議の高橋先生、熊谷先生、それから矢巾町の橘副町長さんにもおいでいただきまして、関係者の方々にもおいでいただいております。改めて御礼申し上げます。

知事あいさつ

望月局長
それでは、開会に当たりまして知事から一言ごあいさつを申し上げます。

達増知事
皆様、おはようございます。「草の根地域訪問『こんにちは知事です』」ということで、この「コミュニティ100選」という元気なコミュニティを選んで岩手県内約3,700町内会、自治会、行政区などあるのですけれども、そうしたところが元気であれば岩手全体も元気であるし、またコミュニティがいろいろ困ったことに直面しておりますと、県全体もうまくいかないということで、県としてもコミュニティに元気になってもらおう、そして元気なコミュニティを検証しようということでやっておりますが、ここ桜屋コミュニティ会の皆さんも「元気なコミュニティ100選」に選ばれたということで、今日はその活動の様子でありますとか、そうしたことを教えていただきながら県全体の参考になるようにもしていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
また、地元の県議会議員の方々と、それから矢巾町当局の方々にもおいでいただいていまして、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

懇談

望月局長
それでは、早速懇談に入らせていただきます。
まず、桜屋コミュニティ会の会長様から地域の状況、活動の概況、こういったことについてご説明をお願いいたします。よろしくお願いします。

団体員
達増知事さん、そして盛岡地方振興局の望月局長さん、今日はお忙しい中、おいでいただきまして本当にありがとうございました。
県政懇談会の一環として、この桜屋を訪問いただきまして、本当に深く感謝申し上げたいと思いますし、またこうして知事さんと一緒にお会いできることは本当に光栄に思っております。本当にありがとうございました。
先ほどは、当桜屋コミュニティ会が「コミュニティ100選」に県から認定を受けましたので、その記念としてアメリカハナミズキの木を植樹させていただきましたが、これにもご協力いただきまして、本当にありがとうございました。厚く感謝申し上げます。
それでは、以後座ったままでお話しさせていただきますので、ご了解願いたいと思います。
さて、当桜屋行政区は、矢巾町のほぼ中央に位置している矢幅駅から西南に約2キロの地点にあります。面積は1,290平方キロメートルと地域規模の小さな田園集落です。その小さな地域の真ん中を東北縦貫自動車道が縦断しており、当桜屋行政区が二分されてしまったという感じを受けまして、コミュニティ活動が悪くなるのではと危惧いたしましたが、それでも地域の皆さんの協力によって何ら支障もなくこのコミュニティ事業並びに公民館事業が順調に進んでおります。
世帯も57戸、そして人口が254名と非常に小さく、矢巾町には41行政区ありますが、その中でも小さいほうの行政区で、これが幸いしてか、コミュニティ活動を助長している要因と思います。
桜屋コミュニティは、公民館活動が前身でずっと昔の明治時代から引き継がれてきた「結いの精神」、これが自発的に地域住民に継承されており、特に当桜屋は農業を中心の集落でありますが、産業構造の転換によりまして、生活環境も変化し、今まで専業農家が大半でしたが、兼業農家へとほとんど変わっております。その結果、農業の働き手の確保や農業機械の共同導入等、必然的にその活動の機会が公民館のイベント事業も含め、桜屋コミュニティ会活動に、そっくり反映されております。
事業活動は、コミュニティ会と公民館の組織が一体となって活動拠点をコミュニティセンターにおいて行っております。
施設の名称は、桜屋コミュニティセンターと称していますが、一般的には公民館と呼んで活用しております。
事業の活動内容を紹介する前に、センターの建設経過について少しお話をさせていただきます。この施設は、これまで2回改築されております。最初は、共同作業所に看板を掲げて公民館として使用しておりましたが、昭和23年の社会教育法が公布され、昭和26年に矢巾町では各行政区に公民館の分館を置くことが進めらたことを機に、その年の翌年から分館として公民館活動等が始まりました。当時の施設は12坪と狭い集会所を利用し始まりましたが、事業も活発になるにつれて、新しい公民館の建設の気運が高まり、昭和37年桜屋のほぼ中心部の現在の地に最初の公民館が建設されました。幸いに公民館発足当初から事業として備蓄貯金を実施して、全戸から当時はどこの家庭でも鶏を飼っておりましたので、毎月卵2個を集めたので、それにちなんで卵貯金と称し、それと米3升を集めて、備蓄貯金として積み立てを実施してまいりました。これが後で公民館の新築や増築の際に自主財源として非常に役立っております。およそ50%の積み立てを財源として当時の公民館を建設したという経緯もございます。この備蓄貯金は、現在も1戸当たり6,000円という年額の会費を徴収し備蓄を続けております。
さらに、矢巾町が町民憲章を基本としてコミュニティ活動への支援を提唱した緑のふるさと開発基金事業により、当地域はほかの行政区に先んじて、いち早く融和の広場を造成し、植栽や運動場を作り、地域住民の憩いの場及び体力づくりの場として利用されております。今現在も狭いながらも地域住民で毎年運動会等を行っております。
次に、最初の公民館が昭和37年に造られたものですから、年々老朽化が進み、平成5年に今現在の施設、これは農林水産省の補助事業を導入して「桜屋コミュニティセンター」として建設を行っております。この際も国、町の補助金以外の自己資金として備蓄貯金の取り崩しや1戸当たり平均12万余の寄附をいただき、さらに不足している分は近代化資金を借りて、毎月1戸当たり3,000円を徴収いたしまして、4年7カ月かかって償還を終わったという厳しい財政事情の中建設をいたしました。このように、小さい地域であるがゆえに個々の負担が増えるのかなという不満な感じをいたします。しかし、資金調達に地域の皆さんが協力していただいたおかげであるなと、このように思っています。これら資金協力も昔からの結いの精神といいますか、互いに力を貸しあう精神が地域のみんなに培われ、それが継承されてきたということになろうかと思っております。
それでは、年間のコミュニティ会、並びに公民館事業を紹介いたしたいと思います。ほとんどこの公民館に行事の写真等は掲げておりますので、後でそれぞれの担当のほうから写真を見ながらご紹介させていただきますが、まず年間の事業としまして新年交賀会の開催をいたしております。これは、新生活運動と生活改善運動により、昔はどこの家庭でも正月中は御年始回りということを行っておりましたけれども、家庭の主婦や、家族の対応が大変だということで、行政区内では相互のご年始はすべて、公民館で元日の日に地区住民が集まってあいさつを交わすという思い切った改善を始めて現在に至っております。
次に世代間交流ですが、これはお年寄りの人たちから若い世代、子供たちに昔の話を語り聞かせたり、みずき団子の作り方など正月行事を子供たちに体験させながら公民館に飾り付けし、後の成人式壮行会行事の際、その成人される方々にも行事のよさというか、文化の大切さを知ってもらう意味で行っております。なお、当地域では毎年成人の該当者がいた場合には、成人者壮行会を成人の日に地域のみんなが当公民館に集まって成人者を祝ってやるというようなことも行っております。
次に教養講座ですが、これは毎年いろいろな講師さんをお願いいたしまして勉強会、研修会など老若男女問わず地域の方々が集まって行っております。
次に、厄払いと歳祝いの会を、新生活運動の一環としてそれぞれの該当者を公民館に招いて地区民一同で、当コミュティセンターに神官さんを呼んで、その該当される方の厄を払っていただき、あわせて、長寿の方々お祝いを行っております。
次に、行政区内の県・町、他に農道等の、道路補修及び1級河川、普通河川の雑物除去を地域総出で行って道路・河川の保全に努めております。なお、平成19年度から始まった国の施策である農地・水・環境保全向上対策事業に取り組んでおりまして、その名称は地域では桜屋ユートピア自治協議会と称していますが、その協議会と一体となって現在道路、河川の整備を行っております。
次に、観桜会の開催ですが、昔はこの近くに薬師社というところがありまして、そこには桜の木があり、その桜の木の下で地域のみんながお花見を楽しんでまいりましたが、最近は天候や開花の時期等、自然条件に左右されることが多く、今は公民館で地域住民みんなで一緒にお花見を楽しんでおります。
それから、冒頭に申しましたけれども、狭い広場ですけれども、各班対抗による運動会、それにあわせて夏祭りの開催、更にこのときはお年寄りの方から子供まで老若男女たくさんの方々が集まるので、この機会を利用して交通安全、防犯、消火訓練等あわせ警察、消防の署員を招き訓練、講習会等を行っております。
次に、勤労感謝の日に合わせ収穫感謝祭を行っております。これは寿楽会(老人クラブ)、そして、婦人部の協力を得て盛大に勤労を尊び、生産を祝い、地域住民で感謝祭を行っております。
これらの行事はいずれも昭和26年ごろから、今で57年間ぐらいになりますか、続いております。生活環境の変化で非常に今レジャーに出かける方々も多くなりまして、行事が多いのではないかというお話がありますけれども、それでもこの地域は、行事を持てば90%ぐらいの方々が参加されるので、まだまだ続けていきたいという考えを持っております。
このほか厳しい農業情勢に立ち向かうために新しい農業経営安定対策のための集落営農に積極的に取り組んでおります。
さらに、最近ですか、1級河川が当地域を流れておりますが、その河畔にコミュニティガーデンを住民の労力奉仕により自前で整備をいたしております。
また、暮らしの安全安心の会を組織いたしまして、地域の防災活動、交通事故防止対策を行っています。更に、環境に優しい地域づくりのために資源回収等を毎月実施しております。これからも公民館、ユートピア協議会、ゆい営農組合等、地域一体となった活動の展開を進めてまいりたいと思っております。
私のほうから活動状況についてお話を申し上げました。あとはそれぞれの担当の方からお話を申し上げますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。

望月局長
会長さん、もう一つ、このお菓子について紹介していただきたいと思います。

団体員
今お手元にある「矢巾キャベツ」というシュークリームですが、これは矢巾の特に特産品ということではないと思いますけれども、ネーミングを「矢巾キャベツ」ということでこの地で販売いたしているものをご賞味いただきたいと思いますし、それからここに「南昌さんさ」とありますが、これは地元のシイタケ、それからハトムギ、リンゴ等のエキスが入ったジュースですので、どうぞご賞味願いたいと思います。

望月局長
それでは、参加者の皆様から自己紹介兼ねまして、活動内容をご紹介いただければというふうに思っております。順番ですけれども、最初に営農関係の方のリーダーの方からお願いしたいというふうに思います。
時間の関係ありまして、すみませんが、3分から5分の間でお願いしたいと思います。

団体員
私は、桜屋ゆい営農組合の組合長をしております。実は私も18歳から42年間県庁にお世話になりまして、退職して去年の今時期がちょうど選挙の日、投票日でした。そんなことで、今町会議員をやりながら、今度はゆい営農組合の方の組合長も兼ねてやっております。
知事さんとは昨年のアグリフロンティアという岩手大学の講座がありましたが、その際には特別講義をいただきまして、ご一緒させていただきました。おかげさまで私も3コース取得いたしまして、アグリ管理士を頂戴しております。本当にありがとうございました。
今日は、ご多忙にもかかわりませず、桜屋コミュニティにおいでいただきまして、本当にありがとうございました。まずもってお礼を申し上げますとともに大歓迎を申し上げたいと思います。
さて、桜屋ゆい営農組合でございますけれども、ここの特徴といいますのは、桜屋ゆいと、「ゆい」ということばをわざと入れた。普通は何々営農組合ですが、ここでは白澤館長が後で話すかもしれませんが、営農精神を大事にするから、農業でも「ゆい」と入れようと、そして非農家も含めて立ち上げようということで56戸全員というか、ちょっと1戸あれですけれども、そんなことで全体で立ち上げました。これも県が進める集落営農のトップでありまして、モデル地区というようなことで一生懸命他地区にもご紹介されました。特にこのゆい営農組合は、全体で90町歩ぐらいあるわけですが、そのうち組合員で50町歩ぐらいやっております。現在矢巾町では唯一でしょうが、飯米を含めて一元経理ということで、もう既に法人にほぼ近い一元経理を行っております。したがって、飯米も集団して作って、その集団で作った飯米を全戸に供給すると、それを買ってもらうと、そういったことで全くすべて一元経理ということで、何かそれにあわせた補助金もらうための集落営農とはちょっと違う意味がついています。
結いの精神というのは、先ほどコミュニティ会長が話したように、すでに生産組合という組織があったのです。戦後立ち上げた生産組合ですが、こちらに今日おいでになっている年配の方々が一生懸命になって経営の合理化、機械の共同化ということに一斉に取り組んだわけです。トラクターとか、機械を共同購入して、効率のいい農業生産やってきたわけです。これがずっと続いてきて、あちこちで生産組合組織が崩壊しているのですが、ここだけずっと続いておったのです。そんなもので、今回の一元経理についても、集落営農についてもそのまま移行できたと思います。こういう伝統といいますか、文化の支えというものが非常によかったのだなと思います。
それから、56戸50町歩というのは、私からすれば適正規模だったのかなと考えております。余り大きくなく、また小さくもなく、こんな感じでありまして。
特筆するべきこととして、生産活動と将来の農業のあり方を集落営農ビジョンというのを先輩たちがまとめたものが、これを18年度のいわて集落ビジョン大賞という大賞になって、知事さんからいただいたのが賞状、最優秀賞でございました。今日植樹したもののうちの1本が農業ビジョン大賞記念でございました。
そんなことで、非常にインパクトがあったというか、うれしく思っております。特に農地・水・環境保全活動というのが始まりまして、品目横断的経営安定化対策ということで、農地・水がありましたが、この中にも1つ思い入れがありまして、ただネーミングをとるのではなくて、ユートピアという、理想郷というこだわりの名前を入れています。少し長くなりましたけれども、理想郷という意味で、ユートピアと。これもちょっと特筆すべきことかと思います。
こんなことで、1階部分の基礎活動以外に2階部分にも手を挙げているということで、2階部分というのは営農支援活動です。矢巾町には2団体しかございませんが、1つは、今やっている補助整備がある関係で、矢巾町には唯一2階部分の営農支援活動を行っておりました。この営農支援活動というのは、すなわち減農薬減化学肥料によるエコ農業ということで、お金をかけなくて、いっぱい補助金もらえるという非常にいい制度だと思っておりました。
いずれそんなことで、これはちょっとかなり頑張ってやっているのだなと思います。今日も元肥なりそんなものも全員でやっておりますが、今公民館の前のところで作業を行ったのは事業の一環でありまして、実は平場に花壇を造るということではなくて、畦畔を利用した花壇を造るというのがメーンでありまして、そういうふうに理解しているわけであります。それも岩手県で1番でなかったのかなと思っていました。それがたまたま評価されて、去年の東北事例発表大会には岩手県を代表して私どもが発表しております。こんなことで、その面においても先進地かなと思っております。
最後に、今後の組合の方向性でありますけれども、補助金頼みの農業から脱却しなければならない。諸外国に対しても対抗できる農業経営が展開できるように生産性の向上や効率的な経営戦略を構築して安定した農業経営を目指していきたいと考えております。できる限り早目に法人を立ち上げて、やはり一元経理をもう一つ前に進んで、本当の農業経営が安定するようなものを作りたいなと考えております。
それから、知事さんにはそのためにも後方支援として農業経営の安定化対策として、大消費地に対して岩手県の農産物の積極的な売り込み、今もやっていらっしゃいますけれども、さらによろしくお願いしたい。そして、食糧自給率に取り組んでいっていただきたいと考えております。特にも岩手県内の食糧自給率はほぼ100%超えているわけでありますが、東京都なんかの大消費地は1%なのです。そういった食糧自給率の中で、我々地方の農業者が日本の食を支えているのだという気概も持っているのですが、大消費地はどちらかというとエゴなのです。彼らに食糧自給率というものの危機感を感じていただいて、そのために私ら農業に対する後方支援は当たり前だという雰囲気をぜひ作っていただくように知事さんにおかれましても、今後一層の政策提案をしていっていただきたいというふうに考えております。
こんなことをお話ししながら私のほうのお話をさせていただきました。ありがとうございました。

望月局長
ありがとうございました。
それでは、次の方にお願いしたいのですが、写真を見ながら。

団体員
公民館長です。本当はここに私が座らないで、そこにいる元とか前の館長おりますので、その方々がここに座ればいいのだけれども、私はレールを敷いてあるのをただ走っているだけでございますが、よろしくお願いします。
今年の分が写真が載っていませんけれども、さっき話しました世代間交流、これは毎年小正月の時期に子供たちと餅をついて、それから昔のしきたりのみずき団子、縄をなったりで、老人の方々が苦労していましたけれども、これを子供たちに伝えて、コミュニケーションも図れるし、非常にいい機会だなと思っていました、餅つきして。昔話を聞いたりしております。
上の写真は新年交賀会、これは毎年1月1日に10時からやっていますけれども、これも定例でございますが、今役所さんでは1月4日から仕事始めですから、そういったことはないと思いますが、地域ではこういったことをやっておりました。あと2月にはいつも年祝いということで、長寿を祝う会、厄払いということで対象者、該当者をお招きし神事を行ってからお祝いをしています。

達増知事
長寿者の皆さんで。

団体員
ええ、そうです。ごらんのとおり、ここにお母さんたちが絣の着物といいますか、もんぺ姿で踊りとか歌をやっていただいて、非常に和やかな雰囲気でやっておりますけれども、これもそのとおりでございます。

達増知事
若い人も参加しているのですね。

団体員
ええ、全部女の33、男の42、一応そういうことで全部ふだんやっています。そうすれば、各家庭ではやっていませんから。昔はご本家に行ってやるとか、さまざまあったようだけれども、今はそういったことで、ここでまとめてやっております。あとさっき話しました安全安心の会も子供たちにも来ていただいて、危険な場所を点検したり、あるいは道路も子供たちの時分、家庭と学校だけしか歩いていないから地域わからないものですから、地域の方々にここは何だとか、何道路とかということを教えながら歩いて点検していましたし、火の用心なんかも時々やっております。
寿楽会(老人クラブ)は、桜屋では活動が活発でございます。後で会長さんからもお話しいただきますが、寿楽会がまず桜屋ではベースになっているのだなというような感じがしております。その方々がこうして花を植えたり、研修旅行をしたりしておりますが、特にもシルバースポーツ大会では矢巾町ではいつも上位の入賞。62世帯しかないのだけれども、そういう成績をおさめているということは、やっぱり地域の連帯、そして皆さんの積極的な参加があってのものと思っております。非常に感心といいますか、我ながら自慢できるところです。
あとはさっき話しましたように寿楽会では、花壇づくりや交流の飲み会等で非常に和やかな雰囲気でやっております。

望月局長
婦人部の方からお願いいたします。

団体員
行事の後方支援ということでやっています。(会場の周囲に張り出された行事の写真を見ながら、夏祭りなどについて説明。)

望月局長
次に、寿楽会の老人クラブの会長さんお願いいたします。(会場の周囲に張り出された行事の写真を見ながら、スポーツ大会などについて説明。)

望月局長
それでは、最後の方お願いします。

団体員
安全安心の会の部分をちょっと、座って失礼します。会長さんに先にしゃべられてしまったから、私がしゃべるところがなくなって。
ということで、安全安心の会について少し話をしたいと思います。平成17年だったと思いますが、ここの地域ではいろんな行事をやっていたのですが、さっき館長が言いましたように安全とか安心のことについては余り目を置いていなかったということで、地域住民が安全なそして安心な暮らしができることを目的にそういう会を作ろうということで各種団体の人たちが集まって作ったわけでございます。
活動としては春休み、それから夏休み、冬休み、そんなときに防火についての宣伝広報活動というか、チラシ配ったり、それから拍子木を買って夜回り、今は夜はだめですので、夕方ちょっと回ってみたりということでやっていました。おかげさまで本地区には交通事故も余り多くないし、それからもう一つは飲酒運転も7年間もなしということで、矢巾町でも一番長い期間、無飲酒運転が続いているということでございますし、火災についてもここしばらく無火災が続いております。
そういうことで、普段ここには特別災害がないわけです。余り大きな川ではないのですが、大雨の際にはたまにですが小氾濫を起こすという程度ですので、大きな災害になるということはない。名前は1級河川にはなっていますが。
ただひとつは川の堤防がよほど壊れていまして、去年の大雨のときもちょっとあちこち壊れたところがありまして、いろいろと補修をしてもらっていますが、もう少しよくなればいいのかなと思ったりもしております。
それから、ここ岩手県では大きな地震はないのですが、能登の地震とか中越の地震とか、よその地区では地震があるわけでございますが、ここでも宮城県沖地震とかという大きい地震はもうよほど前のことですし、それから私がひいおばあさんからよくこういう話を聞かされたのは、昔大きな地震があったのだということで、そのことは秋田県大地震とか、そういうのがあったということです。そういうことの対策を考えていかなくてはならないのかなと思って、これから防災活動も随分吟味していかなくてはならないなと思っております。
あともう一つは、消防団員が今不足しているということで、この地域でも本当に少なくなりました。私も消防団員をやっていたときにはいろんな働く場所の方々の協力がよかったのですが、今は会社で消防活動で休むということはすごく大変だということでございますので、何かそういうことの県なり国のほうでカバーしてもらえればもう少し消防団も増えるのではないかと思っていました。とりあえず地区で防災組織を作って消防団員を作っていきたいなと思って、これから頑張って安全安心の会を進めていきたいなと思っております。
以上です。

望月局長
ありがとうございました。

団体員
時間をいただきますが、ここの地域では公民館役員会ということで招集していますけれども、公民館役員のほかに、コミュニティ会とか、老人クラブとか、あるいは民生児童委員とか、さまざまな組織の代表も公民館の役員会に入って、横断的に、お互いに共通認識でやるというようなことで、よそではコミュニティ会とか、公民館は別だというようなことだけれども、ここは一つになって、十把一からげになってやっていますから、本当に横の連携をとって、例えば民生児童委員さんでも会議報告や、あるいは話し合いの中での皆さんに協力できる分はお話しいただいたりしております。子供会の代表も入っておりますから、そこは私共の特徴的なものだなと思っております。
それとあとは、うちのほうは17年度だったか、桜屋暮らし考房というのを作ったのです。これは、生産組合が主体ですが、何も組織にこだわらないで自由に、今度はどこかに遊びに行くべとか、バスで行くべというようなことで、皆さんの気が合ったときに出かけていくことにしています。今年も2月に大館のあめっこ市を回って西木村の紙風船ですか、大型バスを借り入れて、桜屋の公民館から出発してここに帰ってくるものだから、年寄りさんたちも非常に喜んでいます。安い経費でですね。それはまず都合のいいときは年2回ぐらいやりますが、まず1回はやっていました。盛岡まで行って、出発するというようなことでなくここからですから、非常に皆さんが喜んで待っていました。あと今年は2月の1日に「我が里我が人生を語る」と題して75歳以上の方々に集まっていただいて、そこに写真がありますけれども、戦争体験とか、あるいは戦前、戦中のお話を聞きました。非常に皆さん方も、戦争に行った方々も3、4人おりましたので、その体験の話を聞いて、公民館に来る機会を多く持とうというようなことでありまして、その中で今度は昭和19年に青森県のむつ市の樺山飛行場で動員出陣した方があって、その話を聞いたものですから、この間10人でマイクロバスといいますか、ワゴン車借りて現地を見てきました。64年ぶりに飛行場の跡見たけれども、あそこは今は海上自衛隊の無線基地になっていて、もうさま変わりしていたけれども、鉄道も大畑線というのはなくなりまして、駅のホームと駅が古いのが建っていましたけれども、そういった部分で非常に懐かしく当事者は感じてきたようですし、私らもそこを話を聞きながら見てきましたから、非常によかったなと思っています。
こうしたことを通じて、やっぱり知事さんの草の根運動ではございませんが、草の根活動をしてまいりたいと思っていました。地域が土を耕しながら人間の心を耕して地域を発展させていきたいなということで、非常に小さいところだけれども、皆さん方後ろにいる方々のお力添えがあって今この地域が活発に展開しておるところであります。

望月局長
ありがとうございました。婦人部の方、ちょっと発言時間短かったので、女性の立場から、特にこの際言っておいた方がいいことあるかと思いますので、どうぞ。

団体員
婦人部は年々矢巾町の婦人会も、それから婦人部も会員が少なくなっておりますけれども、桜屋は会員の中でみんなで協力して、矢巾町の行事とか、それからイベントなどにもみんなで参加するようにして協力しています。
あと公民館の方の行事や子供会の行事とかも婦人会の会員の人たちがみんなで協力して、お手伝いしてみんなで参画してやっております。

望月局長
若い人とかの注文はないのですか。

団体員
若い人たちは今のところ勤めの関係でイベントの参加は少ないけれども、互いに声をかけて、参加してくれるように話しておりますので、もう少し増えてくれればいいなと期待していますけれども。

望月局長
ありがとうございました。
知事のほうで何か質問ありますか。

達増知事
公民館を中心に横の連絡ができているというのはすばらしいことで、縦割りの弊害とかよく言われますけれども、やっぱりコミュニティというのは一堂に会することができる、ぱっと集まれるというところがコミュニティのよさでしょうから、やっぱりすばらしい公民館、コミュニティセンターですから、ぜひ中心にそういう横の連絡大事にしていただきたいと思いますし、特に桜屋は農業ですね、集落営農のそういう生産の組織と生活のコミュニティの組織がきちっと融合して一体になっているところが全県の中でも特に傑出したところだと思いますので、非農家も含めての営農組合ということなのですけれども、非農家の皆さんはどういう形で参加しているのですか。

団体員
農作業のときに非農家の人も出席してもらっています。そうすると、お互いにサラリーマンをリタイヤした人も一緒になって働いて手間賃をもらう、そういう活動もいろいろやっておりますし、さらに野菜の集団化も行っており、野菜の作付も大規模にやっておりますので、年間400万ぐらいの売り上げですけれども、こういったことがすなわち皆さんたちの手間賃になっているわけです。それには非農家の人も入れる。それから、そこからおすそ分けもいただける。こういったことで、横の関係がすごくいいなと思っていました。

達増知事
非農家の方々も参加できるというのはすごくいいですね。これ岩手全体もそこは参考にしなければならないところだと思います。

団体員
最近JAのほうでも桜屋の野菜づくりを見習いたいということで、うちの前会長が講師を務めて矢巾町にも野菜の団地化を作ろうということで一生懸命やっておるようです、JAのほうも。私らも率先してやっているところがありますから、昔は転作と言ったのですけれども、この面積が50町歩のうち約35町歩作っていたのですが、稲作がもう30町歩ぐらいしか作れないのです。だから、やっぱりどうしても稲作頼りではなくて、こういったものを導入していかなければならないと考えていました。

達増知事
あとは消防団の会社の協力というのは本当に大事だと思います。この間の釜石の山林火災もやっぱり週明けて月曜日になったら会社に行かなければならないのではないかみたいなことでかなり緊張したのです。午前中の月曜日のうちに大体おさまったからよかったのですけれども、岩手全体としても勤めている消防団員に対して勤め先の方の理解というのは求めていきたいなと思います。

団体員
以前に私がいたときは会社のほうに要望書を出せば、例えば消防演習なんか、町の行事のときなど休みもらえたのですが、今はどうしてもそれは無理なようなのです。会社の立場を悪くして消防に来てくれというわけにはいきませんので、何かいい方法あればなと思っていました。

望月局長
皆さん言い忘れたこととかありますか。

団体員
どうしても知事さんにお話ししたかったことがあって、地消地産という言葉と地産地消という言葉の使い分け。私は、地消地産だと思っているのです。地産地消は、地域農業のエゴだと思っていました。なぜかというと、先ほどお話ししたのは100%自給率を誇る東北が地産地消でそういう形ではだめなのです。やっぱり地消地産だと思います。やっぱり大都会を見据えた産地づくりをしていかなければならない、こういうことですので、ここのところの使い分け。行政はすべて地産地消と言っていますが、地消地産だと思いますので、よろしくどうぞ。

達増知事
これは本当に食糧供給基地岩手ですから、そこは都会や、あと最近では外国にも岩手の農産物、農林水産物を食べてもらうという、そういう責任がありますから、そこはきちんと果たしていかなければと思います。

団体員
よろしくどうぞ願います。

団体員
それから、ここの研修施設は農水省の水田営農活性化研修施設ということで、国の補助事業で最後のところですから、これももらいかねるところだったけれども、福島県だかでアウトになって、それで1,000万のつかみ金でしたが、最後の年にいただいて、あと足りない部分は町からもコミュニティでもらって、まず2分の1補助ぐらいになりましたから、それも農業の基盤ができて、いろいろ転作やったりなんかしていたから、条件がよかったからパスした施設でございます。そういった思い入れのある施設でございますので。

達増知事
生産組合の伝統というのがやっぱり大きいのだと思いますね。

望月局長
ありがとうございました。

知事所感

望月局長
残念ながら時間が迫ってまいりましたので、最後に知事のほうからまとめをお願いできればと思います。

達増知事
今日はどうもありがとうございました。この矢巾町というところも行政区の活動大変先進的だと思うのですけれども、その中でもこちら桜屋は、さっきも申し上げましたけれども、集落営農の生産のまとまりと生活のコミュニティのまとまりが車の両輪となって暮らしの現場、仕事の現場をよくしていくためにこのコミュニティを元気にということが県としてコミュニティに本格的に取り組んでいこうという背景でありまして、やはり暮らしや仕事が着実によくなっていくということをコミュニティを通じて実現していかなければならないと思っております。桜屋の先進的な事例は、岩手全体でも参考になると思いますし、またさらにその先をいかれるであろう桜屋の今後については、振興局を通じても、県としてもともに歩むような形で見守りつつ、見ているだけではなくともに歩むような形を目指していきたいと思いますので、今後とも頑張っていただきたいと思います。今日は本当にありがとうございました。

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