草の根地域訪問「こんにちは知事です」(平成20年5月14日)

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ページ番号1001030  更新日 平成31年2月20日

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訪問団体名:すみた森の案内人(住田町)
日時:平成20年5月14日(水曜日)16時00分から17時00分
場所:遊林ランド種山

開会

高橋局長
皆さん、こんにちは。ただいまから県政懇談会「草の根地域訪問『こんにちは知事です』」を開催させていただきます。
本日は、私どもの訪問を快く受け入れていただきまして、本当にありがとうございます。それから、菅原先生にはご多忙の中、お越しいただきまして、本当にありがとうございます。
私は、大船渡地方振興局長の高橋と申します。本日の進行を務めさせていただきますので、よろしくお願いします。

知事あいさつ

高橋局長
それでは、開会に当たりまして知事から一言ごあいさつをお願い申し上げます。

達増知事
皆さん、こんにちは。この県政懇談会「草の根地域訪問『こんにちは知事です』」という企画でありますけれども、この「元気なコミュニティ100選」に選ばせていただいた団体から選んでお邪魔をしておりまして、そもそも去年の4月30日から私の任期が始まっているのですけれども、コミュニティ、町内会、自治会あるいはこの分野別の団体、最近はNPOの形をとっているところもあるのですけれども、そうした地域コミュニティに県もきちんと目を向けて、そしてコミュニティが元気であることが県政がうまくいっている指標でもあるし、またコミュニティが元気になるように県のほうでもいろいろ工夫をしていって、市町村と連携しながらいろんなことをやっていかなければならないなと考えておりまして、この草の根地域訪問というのもそういった流れの中で実際に活動の様子を伺ったり、また現地を私が自分の目で見たりしながら、そうしたコミュニティ政策を初めとする県政にいろいろ役立てていきたいという趣旨で行っておりますので、今日はどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。

懇談

高橋局長
それでは、すみた森の案内人様の普段の活動内容、そういったものをご紹介いただくようお願い申し上げます。

団体員
それでは、すみた森の案内人の活動状況、会員数とか、いろいろすみた森の案内人の発足した、どうして作ったのかというようなことをこれから説明していきたいと思います。現在会員は20名で活動をしております。うち男性は15名、女性が5名です。なお、20名のうち町外の会員が4名です、盛岡、釜石、金ケ崎町、北上市。
すみた森の案内人の最初のスタートは16年の10月、これは町の要請によりまして、呼びかけによりまして、最初15名の参加でスタートしたわけでございます。早速11月の中旬から講座が始まりました。最初のコースは、現在東北森林研究所に勤めております方でございます。その講座から始まりまして、19年の3月までで講座は43回、実技は17回携わっております。実技のほうは小岩井農場、それから福島県の裏磐梯、それから九戸村には森の達人という方がおりますので、そこに行って教えを受けてきました。あと個人での参加は、県の主催でしたが、自然観察会、これは区界高原です。あと私どものフィールドは町内のこの種山ヶ原、それから五葉山ろく、それから気仙川です。
この森の案内人をなぜつくったかというような理由でございますが、住田町は皆さんご存じのとおり、すばらしい自然がいっぱいあります。それで、ただある、あると言われましてもそれを伝える方がいなければ実際には広く伝わらないということで、住田町の構想で14年に森の案内人をつくろうというような構想があったそうです。それで、その道の方というか、私どもが一番お世話になった林野庁の方が住田町に来まして3年おりました。その方に私ども20名はかなりお世話になっております。
それで、またそのほかにも平成元年のころから森の科学館構想というものがあったそうです。それにあわせた私どもの森の案内人ということのようでございます。
それから、私どもは結構いろんな方たちと接しておりますが、やはり子供たちと接するのが一番我々も教えられるし、子供たちとの本当の楽しさというか、山に対する子供たちは本当に目が輝いている。「ああ、今日もよかったな」と、このような感じがいっぱいあります。
それで現在、19年ですが、森の出動回数は森林教育、保育園は年に8回、それから小中学校が7回、それから一般の人たちの案内は大体20回程度でございます。これは、役場を通してとか、それからここにあります遊林ランドを通してとか、いろんな方々がしてくれております。それで、結構いろんな樹木、それから植物、たくさん、たくさんありますので、結構喜んで帰られております。それから、散策道も結構保育園の子供たちから高齢者まで自由に歩けるというか、本当に歩きやすいというこういうふうな評判いい散策路でございます。
私どもの今後の課題ということですが、まず案内人が20名でございますが、私を含めて現在ほとんど職を持っているわけです。それでどうしても会員が少ないということで、会員を増やすことですね、それからお客さんに喜ばれるプロ意識をお互いに持とうというふうに考えております。
そして、とにかく今まで43回の講座をとにかくこれから生かしていこうと、お互いに毎月1回動く会、第2木曜日に会議を開いて、とにかく切磋琢磨してみんな一生懸命頑張っております。どうか今後ともよろしくお願いいたします。
以上、終わります。

高橋局長
どうもありがとうございました。そういうさまざまな活動していただいているわけですけれども、それでは次に会員の方々にちょっとお話を伺いたいなと思いますけれども、それではまず副代表の方、すみた森の案内人をやっていて、今までの中で例えば非常によかったな、というようなこととかございますでしょうか。

団体員
私が森の案内人としてかかわって去年から今年にかけて案内した中で、これはよかったなと気づいたことが2、3あります。その中で、1つは子供たちが山に入って実際に散策をして発見というか気づき、そういったのが見られたなと。そして、それに伴って不思議さを感じてもらえたのかなと。そうしていただけると私のほうでも、子供たちがそれに伴って徐々に自然に対する興味というものが徐々に芽生えていっていただければ、これは案内人としても、私たちとしても励みとなるのかなというふうな感じでやっております。

高橋局長
ありがとうございました。では、同じ質問ですけれども、次の方いかがでしょうか。

団体員
いろいろと会を通して今まで会えなかったとか、知り合いになれなかった人と知り合えたり、人との交際範囲が大分広くなってきたように思いますし、あとこの森の案内人をやるためには、もう少し子供たちに対していろいろ教えたいということで、また違う勉強会のほうに行って、またそっちの県内の人たちといろんなかかわり持ったりして、人とのつき合い範囲が広くなってきたなと思います。
私が案内人としてやりたいことは、子供たちに森に入ってもらって、森の中でいろんなものが協力し合ってといいますか、物質循環なのですけれども光合成をする植物、その植物の実を食べている小動物、その小動物を捕獲して食べるキツネとかイタチとか、その動物たちは生産者と消費者なのですけれども、その動物たちの遺体を分解してくれる土壌生物とか菌とか、その菌が分解したのをまた菌が栄養にして、またぐるぐる回っていって、人間もその中の一つの仲間なのだよということを知ってもらって子供たちに人間が勝手なことをすると自然も壊れてしまう。だから、子供たちにはそういうことを知ってもらった。「エゴ」から濁点を2つ、濁りをとって「エコ」な人間になってもらいたいなと思っております。

高橋局長
ありがとうございました。それでは、次の事務局の方同じ質問なのですけれども、いかがでしょうか。

団体員
私がまず案内人になろうと思ったのは、主人も森の案内人をしておりますが、五葉山のふもとに住んでおりますので、五葉山の案内人になれたらいいねという話からこういうふうになったのですけれども、さまざまな人と確かに何十人の方とかかわり合っているのですけれども、その中でやっぱり住田ならではの文化、食の文化であったり、共同文化であったり、いろんな文化があるわけですけれども、その先人が築いてきた文化を私自身も勉強したいですし、子供たちから、みんなにも伝えて、なくさずに伝えていきたいなというそういう夢はありますし、昔の人たちは環境も厳しかった、重労働をされながらさまざまな自然のわずかな恵みに感謝しながら、自然に感謝しながらゆったりした時間の流れのままに季節ごとの行事とか、そういったものを楽しみに、自然に感謝しながら暮らしてきたのだと思うのです。その環境が今の時代がどんなに変わっても、その自然の速度に合わせて、自然の恵みは自分たちの最小限のものだけを自然からいただいて、常に自然に感謝する気持ちを忘れないでいけたらなと、自分自身もそうですし、周りの人たちもそういったことを感じ取ってもらえたらなというふうに考えております。

高橋局長
ありがとうございました。最後になりましたけれども、次の方いかがですか。よかったなというようなこととか、森の案内人にかける思いとかは。

団体員
私の場合は、こういった住田町内の森の案内人の活動とか、個人的にはグリーンツーリズムとか、地域活動とかもやっているのですけれども、その関連で「住田好いネット」というホームページ上でこちらの森の案内人さんを紹介したりして、それでいろんな反応があるのですけれども、そういった中で今まで案内した方や、あるいは例えば関東近辺からこちらの住田町、あるいは気仙地区に移住されてきた方々の反応を、ちょっとせっかくの機会ですので、正直なところをお伝えしようかと思っておりまして、まず1つなのですけれども、関東からの移住者や単なるツアー観光で来た方々の反応として、私が聞いたのは「非常にちんけである」と言われたのです。ちんけであってあるものも人の心もせせこましいと。新しいことにチャレンジしようとする気概が少ない。もう一つ、全国どこにでもあるものがてんで小規模に存在すると言われたのです。これ聞いて、非常に愕然としたのですけれども。
もう一つは、こういった案内人活動や、あるいは自分がやっているグリーンツーリズム活動を通して得られたお客様の反応としては正反対なのですけれども、とてもすばらしいと。出会う人それぞれがおおらかであり、いろいろな魅力を感じると言ってくれたのです。
もう一つ、ここには何でもあると。はるばる遠くに行かなくてもよいものもいっぱいある、すばらしい、移住したいと言ってくれた人もいるのです。こういったとらえ方の違いに何があるのか、違いが明確に出たかなと思ったのですけれども、やっぱりそこは触れ合いだと思うのです。地元とか、こういった地域の人たちにちゃんと触れ合えたか、触れ合えなかったか。そこにすごい違いがあったかなと、私はそう思っています。
あと例えばこういった森の案内人の活動とか、子供たちとか、すごく触れ合うのですけれども、その際子供にちゃんと聞くと食べ物とか、自然環境とかすごいいい場所であると。やっぱりずっと住んでいたいと思うと言うのですけれども、でもやっぱりこの地では夢を見ることができないという、そういうシビアな声も届けられているのです。そんなことを考えると、岩手県は希望王国として情報発信というか、全国に打っているわけですから、できれば子供たちや若者たちに希望を見せられるような、そういった県、地域づくりを実現できるようなものにしてほしいなと。そのためには子供たちや若者たちの憂いとか、あるいはこういうことをもっとやりたいのだとか、そういった声がもうちょっと届けられればいいなとか、私としても届けていきたいと思うのですけれども、そのように考えております。
あとこれは話ちょっとずれてしまうのですけれども、きのう隣の遠野市でマブリットキバさんの方といろいろお話ししてきたのですけれども、その際、あの方々というのはああいうサブカルチャーを利用してカルチャーを生かす、そういうふうな戦略で遠野市を盛り上げているのです。できれば岩手県自体も非常にいろんな多様な、似ていますけれども、多様な文化があるのです。それをやっぱり外に情報発信するためにうまいそういったメディアが必要かなと思うのです。ただ、そういった特色を出せるサブカルチャーでも何でもいいのですけれども、うまいこと利用して、外に魅力を発信できれば一番いいかなと私は思っておりました。
話がずれましたけれども、以上です。

高橋局長
ありがとうございました。最後に、また知事のコメントいただくとして、これまでのところで何か知事のほうからありますか。

達増知事
非常にちんけとか言っていた関東の人というのは、もう一回、どういうふうにこっちに来た人なのですか。

団体員
バスとかで観光でただツアーで来て、聞いたのは……

達増知事
種山ヶ原だから来るみたいな。

団体員
種山も、例えば森に入らないで、ただ頂上を見て、眺めを見て、そのときは天候が余りよくなかったのか悪かったのか、そこまではわからないのですけれども、おりてきたお客さんに「どうでした」と聞いたら、なんかつまらなかったみたいなことを言われてしまったのですよ。「あれっ」と思って、もっと森のほうはいいよと言ったのですけれども、結局時間の都合ですか、結局表面だけ見て帰ったお客さんなのですよね。だから、そこら辺がちょっと残念だったのですけれども。

高橋局長
いろんな人のいろんな反応があるというようなお話あったわけですけれども、そういう経験はほかの方々でされた方ございますか。

団体員
さっき午前中と2時まで宮城県の人たちを案内してきたのです。

団体員
それで、宮城県のいきいき学園という多分高齢者の方々を対象のあれかもしれませんけれども、14期生でイチリンソウの会という会をつくられている方々なのだそうですが、今日は雨だったのです、午前中から。すごい雨で、すごい寒かったのですが、皆さんも完全装備でおいでになりましたので、物見山からずっと入ってきたのですけれども。もうとにかく晴れたらどんなにすばらしかっただろうという感想と、それからこの雨の中で歩きながらせせらぎの音が聞こえる、聞ける、このすばらしさはないですねと、とても本当に感動されてお帰りになりました。本当にうれしかったです。

高橋局長
確かに全国的に有名な何とか渓流というようなところに決して負けないものがこの地域、名もないところにあるわけですけれども、やっぱりそういうところも紹介されるというようなこともあるわけですよね。

団体員
そうですね。本当に自然の豊かさとか、自然の恵みみたいなものを自信を持って案内をいたしております。

達増知事
やっぱり独特なのだと思いますよ、地形も北上高地の石灰質の大岩盤というのは、日本はもちろん世界にもなかなかないものなので、いろいろ宮澤賢治さん初めそういう地質とかに興味のある人たちはこの北上高地に来ますからね。そこに生えているこういう植生というのも独特のものなのだと思うのですよね。日本のあちこちに森はあるのでしょうけれども、ここはここのすごい個性があるのだと思いますよ。
規模とかからすると、長野県も結構そういう森林活動が盛んですごいでかい大規模なそういうグリーンツーリズムみたいな、外から人を呼んで森林学習みたいな。ただ、あそこはやっぱり関東からも関西からも人がたくさん来ますからね、ちょっとごちゃごちゃしてしまうのではないかと思います。

団体員
私どももそこの会社の方に教えを受けました。それで年間50万人ぐらい来るとか、そんなことを言っていました。かなり収入も上げてて、ここで受けたのですけれどもね。それから、裏磐梯に行ったときもやっぱりそこの先生でした。

達増知事
子供たちが将来夢を持てる、希望を持てるという意味では、やっぱり食べていける、稼げるということで、この森自体がそういうのに、収入につながるようにするのがいいのでしょうけれども、よさを失わない形でそう思っていくことが大事なのでしょうね。

高橋局長
知事のほうからもよさを失わない形でというお話ありましたのですけれども、ずっと将来にもわたって守っていきたい五葉山あるいは種山ヶ原あるいは気仙川、皆さんがフィールドにされているところですね、それの魅力というのはどういうところにあると、できるだけ具体的にお話しいただければありがたいのですけれども。それでは、最初に事務局の方からお願いします。

団体員
そういった自然環境に関する魅力というのは、季節ごとに顔が違うというのがあるのです。ですから、いろんなポイントでいろんな顔が季節によって変わるので、飽きさせないというところがあるのです。それを例えばピンポイントでお客さんに、もちろん紹介するのはそうなのですけれども、やっぱり来た時期ごとにできることはできるので、それが一番の魅力といえば魅力ですよね。例えばすごいはざまの時期とか、そういったときに来るとちょっと焦ったりもするのですけれども、でもそれはそれで何とか、今こういうのがあるねみたいな感じでいえば、それはやっぱりお客さんも触れ合っていますから、いい感じでお客さん喜んで帰ってくれます。

高橋局長
そうですか。ありがとうございます。それでは、副代表さん、いかがでしょうか。

団体員
宮澤賢治さんの作品の中にもありますように種山、この辺は非常に天候の変わりやすいところなのですよね。そういった変わるところもまたいいのではないかなと。そして、また雨は雨の姿というのもまた結構いいものでして、そういった形、常に気象が変わる、変化が伴う種山ヶ原の魅力というのかな、そういったところもぜひ皆さんに来て見ていただきたいところだと思います。

高橋局長
ありがとうございます。代表さんはいかがでしょうか。

団体員
私は、先ほどもちょっと説明で申し上げましたけれども、平成元年のときに町で森の科学構想というものを考えたそうです。そして、いろいろ大きなメーカーにどういうふうにつくったらいいかと相談したそうです。そうしたら、やっぱりあの辺にコテージをつくるとか、この辺に広場をつくるとか、いろいろ提案があったそうです。それで、やっぱり最終的には県内の小岩井農場の方に、余り手をつけないでというようなご指導を受けて、それで今のような種山ヶ原というようなことになったそうでございます。それで、知事さんもわかっておりますけれども、カラマツが非常に多いわけです。カラマツというのは雨水の貯水能力というのもかなりあるそうでございます。ブナであれば30年ぐらいのブナの木、30センチぐらいのブナ木であれば60トンの水をためると言われますけれども、このカラマツもやっぱり30トンから40トンためると言われております。それが現在種山の沢水が多いという原因だそうです。それで、このまま自然の状態で後々まで残っていけば、それから私どもの努力次第では、今の子供たちにでもまだまだ伝わっていくのではないかなと、そのように自信を持ちながらやっていきたいと、そう思っております。
以上です。

高橋局長
ありがとうございました。それでは、事務局長さんどうでしょう、守っていきたい魅力というのはどういうところにあるのか。

団体員
魅力は、気仙川にしても、種山、五葉山ろくにしても身近に遊べるところだということが魅力で、結局自分がなぜこんなことをやっているかというと、小さいときに親と遊んだ、魚をとったというのが今でもその川、山を大事にしたいというのが一つのきっかけになっているような気がするので、何もないのがまず魅力かな、いろんなものをつくらないで。そのセルガイドシートこれも本当は振興局のほうの県公認セルガイドシートづくりというのを最初にかかわって、その続きで私たちやっているのですけれども、これで案内人がいなくても親子で、四季を通して種山に入ってもらって、思い出づくりをしてもらって、その思い出がまた自分の子供が大人になったときに、またこの子供を連れて行きたいなというような場所でいつまでも会ってもらえるようにするのが私たちの役目かなと思っております。だから、何もない魅力……

達増知事
いろいろ書き込めるようになっているのですね。

団体員
何もない魅力を伝えていきたいなと。飾らないでそのままの自然を伝えていければなと。

高橋局長
事務局の方はいかがでしょうか。

団体員
必ず案内をした場合に木とか草花もそうなのですが、学名を申し上げますが、この地域ではこういうふうに言われますよと。それから、これは昔こういうふうにして食べたそうですとか、そういった郷土の文化、食文化みたいなものを必ず入れることが私の魅力の一つ、皆さんがそれを魅力と受け取ってもらえるようなそういう一つに入れていますし、あとは住田の先人が築いてきたような、実際に昭和の初めにはカズラの葉っぱでお香をつくってそうやって神仏をあがめたみたいな、そういった歴史的な裏づけもきっちりありますので、そういった部分も伝えていけるのが私自身にとっての魅力になっていますし、いらした方々がそういうことを住田の魅力だなと受け取ってもらえたらなと、そう感じております。

達増知事
ちゃんと歴史もあるというところもいいですね。自然だけではなくて、人とのかかわりが歴史の積み重ねがあるから。

高橋局長
それでは、ちょっと話は変わってくるのですけれども、今まで森の案内人をやっていて困ったなというようなことありますか。
順序は逆にして、事務局の方のほうからお願いします。

団体員
年代的なものにもよるかもしれませんが、若者とか、子供とかではなくて高齢者がちょっとよくないかなというふうに感じるのです。本当に昔々は自然の恵みを私なんかも本当に先人、年配の方に教えられたのですが、山菜を見つけたら、1本はまず山のために、1本は神様のために、1本は自分のためにいただくと、必ず残していったものを根こそぎとっていくとゆう。会長さんよくおっしゃるのです、ここは全部が展示物、草も木も花も全部展示物と考えていただいて、とっていかれるのはご遠慮くださいみたいに申し上げるのですが、やはりなかなかそういうふうにいかないですね。それがちょっと残念だと思いますね。私たちの伝え方というか、お願いの仕方もちょっと勉強不足なのだとは思いますけれども。
以上です。

高橋局長
では、事務局長さん。

団体員
困った点といいますと、やっぱりいろんな名前を聞かれますので、自分の勉強不足が一番困った点ですけれども答えられない。
本当に山が全部展示物と言っても、やっぱりこの季節になると山菜を必ず取りたい人がいて、写真だけにしてくださいと言っても、そのときにまだ始まったばかりだし、本当に強く怒って気分を悪くして帰したほうがいいのか、それとも見逃して見ないふりしてするのか、そこら辺がまだ決めかねて悩んでいます。

高橋局長
ありがとうございました。もう一人の事務局の方は、どうでしょうか、困ったようなことというのはございますでしょうか。

団体員
今までの話にもありましたとおり、山菜もそうですし、盗掘ですね。貴重な花々とかを俺のものにしたいという感じで盗掘される現場があったのですね。前にあった、例えばカタクリの花のところを見に行ったら穴がぼこっとあいて、丸ごとなくなっていたりとか、現実にあったのに翌日にはなくなったりとか、あとゴミをそのまま捨てて帰るとか、結構いらっしゃったのですね。この前、暇だったので来たときにいろいろ見て歩いたら、見えないところに集中的に捨ててあるのです。あれっと思って、何でこんなにと思ったのですけれども、そういう人はいらっしゃるのですどうしても。だから、ゴミのポイ捨てを禁止しましょうとか、そんな感じではなくて立て看板あるのですけれども、やっぱりそれだけではない何か別な工夫が必要ではないかなと一生懸命考えてはいるのですけれども、だからちょっと頭回らないのでできていませんけれども、そこら辺がちょっと私としては心痛いところです。

高橋局長
ゴミの問題はいろんなところで、いろんな場面で問題になっているようですものね。

団体員
そうですね。川もそうですしね。気仙川も釣り人のマナーが結構悪くて、河川清掃を町民でいつもやるのですけれども、その後釣り客がゴミをいっぱい置いていって、それでゴミが、川が乱れて、それで終わるというパターンが結構続いていますので、そこら辺も何とかしないといけないなと思っているのですけれども。

高橋局長
副代表さん、いかがでしょうか、困ったことというのは。

団体員
私が案内人としてかかわってきた中で種山ヶ原とは違うのですが、町内に2つの中学校があります。その中で、去年林業体験やりました。作業の内容は間伐をやったのですが、そこで質問の中で、子供たちの中から木を切るのはよくないことではないかと、うちの子供の中にはそれは環境破壊にもつながる、大げさに言えばそういったことにもなるのではないかな、どうなのでしょうかとそういった質問を受けたことがあります。そこで私もちょっと戸惑って、普段私は森林組合で林業の関係の仕事をしていたものですから、はてはて、そこで確かに1本の杉の木の命は奪うことになるわけですが、そこに1本が犠牲になることについて光が差し込み、そして周りの木が健全な配置になる。しいては、地表に光が差し込むことによって、生態系が活性化されていくのですよと。ですから、確かに命を奪うことになるかもしれませんが、全体のことを考えればさらには私たち生活にもかかわることなのだよということを話しながら、最後は理解をしていただいたとそういったこともありました。

高橋局長
ありがとうございました。では代表さん、いかがですか、困ったことありますか。

団体員
私の困ったことといえば、先ほど事務局長さんが言いましたとおり植物の名前、樹木の名前、山の中、意外と知らなかったわけです。それで森の案内の応募があったとき、自分の勉強のためにもなるなと思って応募したわけです。それでお客さんにこれは何という木ですか、これは何という植物ですかと、意外と小さな植物、それからちょっとした低木の木なんかが意外と聞かれるわけです。私どもは大きい木とか、きれいな花というのは意外と覚えているのですけれども、そういうのを聞かれたときにははてなと。では本を見ても、本にもないわけです。そのときは一番混乱して、後で教えますからと。
あと、それから案内しておって大体10人か15人が1グループなわけです。中には男の人がさっさっさっと前のほうに行ってしまう方があるわけです。そうするとお客さん、そこまでは……。今度は右に曲がるのだよと言われても声が聞こえない、耳も遠い方もおりますから。そういう方で一回迷った状態になったときには本当に困ったなと。やっぱり2人かなと思ったりもしておりますけれども、一番問題は植物、樹木の名前が一番困ります。
以上です。

高橋局長
ありがとうございました。

知事所感

高橋局長
知事のほうから何か今までのところでございますか。

達増知事
特にわかりにくいのを質問されるのでしょうが、見てぱっとわかるようなのは質問してこないで、難しい質問が多くなるのでしょうね。

団体員
意外と特に中年の女の人たちは歩いて経験を積んでいますから、小さな植物に目を向けるようですね。我々は目立つのだけ勉強、覚えていますけれどもね。そういうのが意外と多いようです。

達増知事
さて、岩手県は北海道を除けば日本で一番森林面積が広い森林県、森林王国でありますから、県民全体でそういう森林王国岩手というのを守って、また盛り立てていかなければならないと思っています。それで県民全員から1人1,000円ずつの森林税をいただいて、そして間伐初めそういう森林保全林にそれを使っているのです。そういうこともしているので、一層すべての県民に森林というのに触れ合ってもらい、また森林について知ってもらって、そしてそれを県外に対してもアピールして、県産材が売れる、使われるというふうに持っていきたいなというふうに思っております。そういう意味で、子供たちにどんどん森林について教えてくださっているということはすごいありがたいことですし、また大人に対しても教えてくださっているというのは、県民に対してやるのは県民みんなの森林にしようということでありがたいですし、県外の人たちに対しては岩手の大宣伝になるので本当にありがとうございます。
私は、江刺の人首、米里の人首に親戚がいて、小学校のころ夏休みのたびに大体来ていたのですよ。だから種山ヶ原も時々登ってきて、虫取りをしたりとかしていたのです。だからかれこれ35年前のことで、35年ぶりぐらいに今日はここに来て懐かしいなと思っているのですけれども。35年前は本当に何にもない、国道だけあったという感じだったわけですけれども、余り奥に入るとかというのは、ぶらっと来て奥に入るというのはできなかったのですが、設備、拠点もできて、どんどん奥に入りやすくなっているというのはすごくいいことだと思いますので、ぜひぜひ頑張ってほしいと思います。

高橋局長
ありがとうございます。今日は外に行けますか。大丈夫ですか。

団体員
はい。

達増知事
案内があれば迷わなくて済むね。霧が出ていても。

高橋局長
雨なものですから。

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