草の根地域訪問「こんにちは知事です」(平成21年1月8日)

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ページ番号1001022  更新日 平成31年2月20日

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訪問団体:戸田元村自治会
日時:平成21年1月8日(木曜日)10時30分から11時40分
場所:いろり庵(九戸村)

開会

佐々木局長
ただいまから県政懇談会「草の根地域訪問『こんにちは知事です』」を開催いたします。
本日、こうやって訪問させていただきまして、大変ありがとうございます。私は、今日の進行役を務めさせていただきます二戸地方振興局長の佐々木でございます。よろしくお願いします。かぼちゃ祭りのときには私も参加させていただきまして、大変ありがとうございました。

知事あいさつ

佐々木局長
それでは、開会に当たりまして知事からごあいさついたします。

達増知事
皆さん、おはようございます。明けましておめでとうございます。
今年最初の「草の根地域訪問『こんにちは知事です』」で、こちら戸田元村自治会にお邪魔をいたしました。自治会や、町内会や、そういったコミュニティが県内におよそ3,700あるのですけれども、コミュニティが元気であることが岩手全体の元気につながるということで、県のほうでもいろいろアンケートをしたり、市町村から推薦をいただいて、「元気なコミュニティ100選」を選んだところでありまして、戸田元村自治会も100選に選ばれ、ぜひ日常の活動ぶりについて直接伺いまして、県政の参考にするとともに、一緒に地域の未来、岩手の未来を考えていきたいということでお邪魔いたした次第であります。いわてグラフの表紙を飾ったかぼちゃ祭りの取り組みを初め、大変すばらしい地域活動をやってらっしゃるのに加えて、地域の外からもお客さんが来るような交流も大変うまくいっているということで、岩手の他のコミュニティにも大いに参考になるのではないかと思っております。
また、県では、夢県土総合計画が来年で終わり、その後の長期計画を今からつくらなければなりません。10年後の岩手をどういうふうにしていけばいいか、10年後の地域をどういうふうにしたいか、また地域の皆さんが10年後どういうことをしていきたいかという、そういうところからつくっていかなければならないのではないかと思っておりまして、そういう未来に向けたご意見も伺えればというふうに思っております。今日はどうぞよろしくお願いいたします。

佐々木局長
ありがとうございました。本日の出席者については、名簿を差し上げておりますので、ごらんになっていただきたいと思います。また本日は工藤大輔県議にもいらしていただいております。大変お忙しいところをありがとうございました。

懇談

佐々木局長
それでは、早速懇談に入らせていただきますけれども、まず最初に戸田元村自治会様から、活動内容につきまして説明をよろしくお願いします。

団体員
達増知事には、本当にお忙しいところを戸田元村自治会にお越しをいただきまして、大変ありがとうございます。活動が評価されたといいますか、コミュニティ100選に選ばれた中でおいでをいただいたということで大変光栄に思っているところでございます。私のほうからはこのレジュメに沿いまして、今の自治会の概要と、それから主に取り組んでいる行事などについてお話をさせていただきたいと思います。
九戸村のちょうど南部に位置をいたしまして、葛巻町が近い位置でございますが、3つの行政区でこの戸田元村自治会を構成しております。198世帯668名という人口を抱えております。戸田の自治会は、以前は部落会というふうに名前を称していたのですが、昭和39年あたりに発足をして45年目を迎えたと。自治会に改名したのは何年でしょうか、もう20年ぐらいになるでしょうか、そういう中で私も会長を拝命して7年目になっているところでございます。
この自治会のいいところといいますか、非常に活動が盛んなわけですけれども、1つは全世帯、世帯数にすれば少ないほうではないと思うのですけれども、全世帯非常によく活動に参加していただいているということです。それはそういう仕組み、組織図をごらんいただければよろしいのですが、各委員会が7つほど構成されているわけです。この委員会に各班から委員が選ばれているということなので、それが2年に大体輪番で回るわけですから、長い間には必ずどれかの仕事には携わるということになるので、自分が担当した行事であればよその人がやっても協力をしなければならないというような気持ちがそれぞれ持たれているのかなというふうに思っています。大事なことだというふうに思いますけれども、最近特に昔の結いというのが形をなくしてしまっておりますので、そういう地域のつながりをどう維持していくのかという結いの精神と、それからほとんどがここで生まれ育って、ここで生涯を終えていくわけですので、そこで暮らしているからにはそこで誇りを持って生活するしかない。住めば都といいますか、やっぱりぼやいても仕方がないわけでありますので、そういう地域に対して誇りを持って生活をしていくということと、あと最近かぼちゃ祭り等には村外から大分人が来てくれるようになりましたけれども、これも最初の考え方は人を呼び込もうということではなくて、自分たちがちょうど収穫祭の時期なので、何か秋のお祭りをやろうじゃないかと、自分たちが楽しむためにやろうじゃないかという発想でやったのがいつの間にか非常に大きな祭りになってきたというのが実態でございます。
役員体制については12名の体制でやっているわけですが、主な行事の内容ですけれども、山管理委員会ということで、財産区から部分林を130ヘクタールほど借りて管理をしています。これが一つの自治会の自主財源といいますか、活動の財源になっております。それから、もう一つ、文教委員会のほうでは観桜会、花見会を毎年4月下旬から5月初めにかけて桜の咲きぐあいを見てやるのですが、これは役場の支所が近くにありますけれども、大きな収容人数入れるところですので、毎年120人ぐらいでしょうか、この190世帯のうち120人ぐらいが集まって盛大に花見会をやっています。そのときには村長はもちろんですが、関係する小学校とか、郵便局とか、駐在所という形にこの地域の関係機関に案内をしまして、一緒に入ってもらっています。毎年学校の先生は異動があるわけですけれども、着任された先生をそこで全員紹介をして、地域の皆さんと顔なじみになってもらうというようなことをこの観桜会では取り組んでいるところです。
環境のほうですけれども、クリーン作戦はどこでもやっているように春と秋に取り組んでおりますけれども、街路灯の管理。この街路灯につきましては九戸村の中心地の伊保内が更新したわけです。その古い街路灯を廃棄処分するというのを自分たちでもらい受けてきまして、地域の結構そういう技術、土木技術とかなんとか持った人たちがいるわけですから、ほとんど無償で、ボランティアで土、日を使って20基ほど立てました。これが今はマイマイガの被害で大変困っていましたけれども、大変地域を明るく照らしているということでございます。
それから、土木委員会としては生活道路の点検、あと県道が1カ所ありまして、県道の草刈りを四、五年前から振興局のほうから委託をされまして、ボランティアでやっています。
あと国道ですけれども、ここは非常に集落が密集しておりまして、来るときにごらんになったかと思うのですが、歩道をつくりようがないのです。歩道ができないということなので、夏は何とか側溝の上を歩くのですけれども、冬は除雪した雪が直線のところまで盛り上がるものですから危ないということで、できるだけ側溝の上まで除雪をするように地域の皆さんに呼びかけていますし、高齢者世帯でできないところはボランティアで除雪をしているというような取り組みをしております。
あと行政連絡委員会といいますか、まず各班長さんの方々の取り組みになりますけれども、郷土食料理の味見会というのを月1回第2土曜日ここで、今のような風景で各班持ち回りで郷土食料理をつくって味見会をやるのですが、ひとり暮らしの老人の方とか結構40人ぐらい毎月ここに来て300円会費で1,000円相当の昼食を食べていただくというようなこともやっていますし、その日の夜には男の人たちが地域づくりを語りながらということで、あそこにのれんありますけれども、この戸田には飲み屋がないもので、月1回飲み屋を開催しようということで、「あのなっす」さん、「あのなっす」というのはここの対話のきっかけの言葉ですけれども。

達増知事
それでのれんがかかっているわけですね、「あのなっす」と。

団体員
はい、そうです。これも月1回第2土曜日の夜にやって晩酌を交わしながらいろいろ懇談をしているということです。
毎月女性の方が料理をほとんどされるのですけれども、1月だけは男が料理をして女性に振る舞おうと、これがここにある女の節句、小正月ということで、今度11日に開催する予定なのですけれども、去年テレビでも取材していただきましたけれども、男の料理を女性の皆さんに1年間の労をねぎらいながら食べてもらうと。

達増知事
燃えてやれますね。

団体員
はい。ですから、非常に女性を大事にするし、やっぱり女性のパワーも生かした地域をつくって生きているというようなことです。
あとかぼちゃ祭りが年間の一大イベントになりますけれども、全世帯でもなかなか栽培できない世帯もありますので、100世帯ぐらいでしょうか、栽培されている世帯は。そして、10月初めからお祭りは大体10月の第1日曜日あたりにやるのです。その前後1週間ぐらいずつですから2週間ですか、この沿道に切れ間なくといいますか、両側にかぼちゃがずらっと、しかもただ並べるのではなくて、こういうふうに写真にありますようにいろんなアートして飾るものですから、ここを通るのが楽しくなるといいますか。

達増知事
この中から最優秀作品が選ばれるわけですね。

団体員
はい。これから審査して、かぼちゃ祭りの当日に表彰するわけですけれども、結構県外からも、通ったらすごいということで、来年も来てみたいとか、あるいは結構そういう時期に車とめて写真撮っている姿が見られます。そういう形で、みんなが本当に自発的にといいますか。ですから、農家よりも非農家のほうが時間があるわけですから、いつもこういう景観の優秀賞、チャンピオンは非農家世帯が多い地帯がとるのです。3日も4日も2週間もかけて飾りつけをする。できる時間があるということだというふうに思うのですが、そういう形で非常に楽しい祭りに自分たちもなってきたなというふうに思っているところです。そんな活動の概略ですけれども、以上でよろしくお願いします。

佐々木局長
ありがとうございました。それでは、地区自体の概要はお話いただきましたので、自由な形で皆さんこれから1人ずつお話をいただくわけですけれども、順序にということで、それぞれの役目があるかと思いますので、自己紹介と、それからそれぞれの具体的な活動内容についてお話を伺わせていただきます。改めてまた会長さんからお願いします。

団体員
先ほど言いましたように自治会長は7年ぐらいということですが、その前にずっとかぼちゃ祭り実行委員長ということで農家組合長であったものですから、かぼちゃ祭りには最初から事務局を担当したりしてかかわってきました。今自治会長ということでいろいろ皆さんに協力してやっていただきますが、非常に心強いのは役員の皆さん初めさっきお話ししましたように地域の皆さん非常に積極的、協力的だということで、大変やりいいなというふうに思っているところです。
なので、特にやっぱり年々どこもそうでしょうが、高齢化が進んできているという状態の中で、やっぱり地域での支え合いといいますか、そういうことがいろんな形でこれから求められてくるのかなというふうに思っております。元気な世帯がどうしても大変な世帯を見回りしたりということにしていくためには、どうしても地域コミュニティというのがなければならないということで、後で防犯のほうでも話があるかと思うのですが、やっぱり犯罪なりそういうのがほとんどここ何年とないのです。それはやっぱりみんなが顔見知りになっているからではないかなと、あるいはみんなが子供も年寄りも顔見知りだから見守ってあげることができるというようなことではないかなというふうに思っているところです。
以上です。

佐々木局長
ありがとうございました。
それでは、次の方。

団体員
戸田元村自治会の事務局をやっております。
役目といたしましては、事務局ということで自治会にかかわる書類を管理するというか、そろえるといいますか、そういう役目を担当しております。いろいろ行事等の次第とか、またそのときの進行とかというのもたまにはやるようにしていますが、余りしゃべるのがなれてないものですから、うまくやれないというのがいつまでたってもうまくなれないです。たまたま自治会長は7年目といいましたか、私も今現在の自治会長に話をされる、周りの人たちから話をされてちょうど5年目です。5年たってもさっぱりわけがわからないということで、皆さんには大変ご迷惑かけております。
先ほど事業とか、そういう関係で自治会長が説明したのですが、いろいろ行事はいっぱいやっているのですが、その仕事の関係もあって、何にでも出られるかといいますとなかなかそううまくいかないというところもあります。現在悩んでいるということについては、思っているといいますか、そういうことについては当然ここの地域だけではなくて、どうしても高齢者が多くなっているということで、ここも以前に聞いたら35%以上になったとかという話を聞いたのです。ということで、大変老齢化してきているということで、先ほど会長から話があったのですが、ここの地域も限界集落とか、こういうふうにはなりたくないといいますか、ならないほうがいいということもあって元気を出して頑張ってみんなで協力していこうということでかぼちゃ祭り等も開催されていると聞いております。そういうことから、これからもいろいろお世話をいただいて、この地域を守っていかなければならないのかなというふうに思っております。まずよろしくお願いいたします。

佐々木局長
それでは、次の方。

団体員
自治会では財務局長といういかめしい名前の役目を仰せつかっておりますが、組織的にはこれまでの役員の先輩の人たちが運営してきたようにそれを引き継いで風通しのよい状態をつくれるようにしたいと思っております。地域住民の皆さんが知恵を出し合ってそれぞれができること、先ほど会長からも言いましたけれども、自分ができることをやっていく、それも無理しないで長続きできるようにというふうに心がけております。基本的に戸田に生まれてよかった、ここで暮らしていて楽しい、この場所で生きがいがある、そしてこの戸田に住むことに誇りを持ち続けて生涯を送ることができるというような地域づくりを標榜して活動している次第です。きょうは知事がおいでくださいましたので、いろいろとお話しさせていただく機会をいただきまして、ありがとういたしました。

佐々木局長
ありがとうございました。
では、話題になりましたかぼちゃ祭り実行委員会の方、お願いします。

団体員
かぼちゃ祭りの実行委員という所属名になっていますが、20年ほど前に農家組合の副組合長をやっていた当時、このかぼちゃ祭りというのを計画して、最初このかぼちゃ祭りをやるか、アマランサスを植えて何かやるかという2つの提案があって、私はかぼちゃ祭りのほうを提案して激論の末、かぼちゃ祭りをやることになりました。当時すごく都会は進んでいるとか、田舎はおくれているという感覚があって、文化とかいろいろなものがテレビを通して中央から地方へという流れがあって、非常に寂しい思いをしていました。何かオリジナルの話題がここから生まれて、そのことで話題が盛り上がるような地域づくりが望ましいのではないかと、もともと東京の文化は田舎にいれなくなった人たちのまちであって、余儀なくされた環境の中からの、制約で余儀なくされた文化に住んでいるので、ここは流れる水を利用したり、いろいろ山の木を利用したりしながら本物の文化がここにあるのだと、そこを見放さないような暮らしをして地域を発展させたいという願いがあったわけですが、去年で18回でしたか。

団体員
19回。

団体員
19回も続いているわけですが、そんなに続くとは思ってもいなかったことなのですが、あと若い人たちが次々に役員をかわりながらもかぼちゃ祭りを盛り上げてきてくださって、本当にありがたいなと思っています。
そういうことですが、私ももう年ですので、皆さんと同じような役割の仕事はできないので、趣味のカメラとかいろいろ工夫して物をつくるのが得意なので、かぼちゃ祭りのトロフィーを4個ぐらい無償で提供していますし、額縁も毎年4枚ぐらい提供して、それに賞状と街並みに飾ったかぼちゃの飾った作品の写真を入れて、賞状と写真を2枚大きい額縁に入れて、それで入賞者に上げるというようなことを頼まれたわけでもなく、勝手にやっているうちに定着してしまって、喜ばれております。
そういうことですけれども、それがこの自治会がそういう活動しているせいかどうかわかりませんが、世帯数がふえたり、人口もここの地域の人口がふえたり。減っていくということは去年まではありませんでした。大変いいことだなというふうに思っています。今も皆さんと同じような、特にかぼちゃ祭りというのは80キロとか60キロの丸いものを学校の校庭に運ぶというのは、やはりある程度かなりの体力が求められますので、私はとてもできないので、カメラだけを持って参加していろいろな画像を残して宣伝なんかに使いたいときには私のところに電話が1本あればいつも望みの画像が見られるというような体制だけはとらせてもらっております。
以上です。

佐々木局長
ありがとうございました。
それでは、婦人会長さんから。

団体員
ご苦労さまです。狭苦しいところに本当にありがとうございました。お皿に乗っているのは、これは豆腐の、ここの豆で、ここでつくったものです。どうぞ食べながら。もちもきょうの朝からつくったものです。
私は、婦人会に参加するようになってもう20年にもなるかなと思って指で数えています。そして、リーダーとしてやらせていただいて、もう15年ぐらいになるかなと思っております。そして、九戸村にはタイダンという3つがありまして、村婦協、そして県婦協のほうにも参加させていただいております。
会員数は戸田婦人会は17名、かなり年とった方々からも協力していただいておりますので、まず大変ですけれども、地域の行事、それから村の行事も極力参加するようにしております。強いて言えば1月は婦人の集いとか、2月、3月はいろいろな総会とか、そういういろいろなことがあってやれませんが、4月からは村のほうの缶拾いにタイダンから何名というような指示で参加しております。そして、5月は花見会、ここは地域の花見会で、踊りとかそういうのに協力したいなと思って参加させていただいております。それと8月は地域の運動会、9月は村のほうの敬老会、そういうのにいろいろと踊りとか、後片づけもするようにしています。そして、月に1回は何かの行事がありまして、10月、11月にかけて村のほうの文化祭にも出品、手づくり交換とか、そういうのをやらせてもらっています。そして、年末のチャリティー演芸会、これは本当に大変な行事ですけれども、何とかお金をいただいて、そして社会福祉協議会のほうにも、だんだん減ってきましたけれども、寄附をしていると、そのような行事をやっております。まず、お互い60代後半が多くなってきていますので、何やるにも大変ですけれども、呼びかけがあればみんなで参加してくれますので、本当に助かっています。
まず、そういうことで私からの報告を終わります。

達増知事
踊りというのはふだんからお稽古しているのですか。

団体員
ふだんはそうはないのだけれども、敬老会から始まります。敬老会の踊りにもやっぱり10日ぐらいは習わねば人に見せるような踊りには。

佐々木局長
今日も終わってから。

団体員
何ぼか。チャリティー、これは団体が3つ、山根婦人会、戸田婦人会、伊保内婦人会、その3団体が一緒になって演芸会はやるのですけれども、会員数は両方合わせても70名ぐらいはあるかなと思っています。その婦人会だけではなく、いろいろな団体に呼びかけをして協力していただいて、大体20ぐらいの団体が農協さん、今は農協さんは余り来ない。銀行さん、病院、それから福祉協議会、いろんな団体と一緒になってやるからやれます。そうでなければ婦人会だけではやれないと思います。そういう呼びかけをして、まず行事には必ず参加するという気持ちで頑張っておるところでございます。
以上です。

佐々木局長
次に、防犯隊事務局長さん、よろしくお願いします。

団体員
この懇談会ということで、もっと若い者の声があったほうがいいのかなと思って探したのですが、なかなか見つけられなくて、若くないのですが、ちょっと私が代表ということで参加させていただいていました。
私は、今この地域の消防団に入っておりまして、副分団長をやらせていただいております。ちょっと自慢なのですが、去年の8月に県の消防操法競技会でポンプ車の部で第2位になりまして、初の快挙というか、こっちもびっくりしたのですが、最近の自慢でしたので、ちょっと言わせていただきました。
それと消防団として、あともう一つ防犯隊というのも組織していまして、自治会のほうの防犯・交通安全委員会と協力しまして、防犯の実働部隊ですね、そんな感じで防犯・交通安全活動に参加しております。春に防犯映画会、それから夏に魚のつかみ取り大会、そしてあしたなのですけれども、ふれあい新春餅つき大会を交通安全母の会と自治会さんとともにこういった催しを受けまして、地域の皆さんとふれあいながら防犯・交通安全の意識の向上に努めているところでございます。
以上です。

佐々木局長
ありがとうございました。一通り皆さんからお話しいただきました。知事から何かありましたら。

達増知事
消防とまた別に防犯隊というのは、最近だとおれおれ詐欺とか、そういう啓蒙とかもやっているのですか。

団体員
おれおれ詐欺ですか、ちょっとさすがにそこまでいってなかったのですが、防犯パトロール。

達増知事
被害がないのであればいいですね。

団体員
そうですね。最近そういった被害は聞いておりません。最近ちょっとおろそかになっていたのですが、防犯のパトロールということで夜に見回りをしてやったりとか、あとは先ほどイベントの際に皆さんにそういったことを広報ではないですけれども、やって皆さんに意識を持ってもらうことに努めております。

達増知事
かぼちゃ祭りは、地域外から車で来て見に来る人というのは結構いるのですか。

団体員
います。知らない人がいっぱい来ます。

達増知事
口コミで聞きつけたり、あとは新聞に載ったりもしていますからね。

団体員
そうですね。

団体員
八戸からも多いです。

団体員
八戸が割と近いから。青森県の三沢あたりからも米軍の人たちも聞きつけて来たり。

達増知事
ハロウィンのころにやっているのですね。

団体員
そうですね。

団体員
道路に飾っているので、それを見て会場のほうにも見えるという方もいるのです、通りすがり。

団体員
よく老人ホームとか、そういうバスが年寄りたちを乗せてずっと来て、そして戻って、先にそっち側に行って、また帰りはこっち側を見るというような感じで農協のところで戻って。

団体員
今年の10月にはぜひ知事も来てみてください。

達増知事
気になってきましたね。

団体員
1回通るだけでもよろしいですから。この道路が一番、本番にはなかなか入れないが、この飾ったのを見ていただきたいなと。

達増知事
何日か飾っているのですね。

団体員
10月の上旬から2週間ぐらい、飾りつけ。

団体員
特に大きな変化があったのは、この耕作放棄地を班で集団で借り受けて、そこにかぼちゃをつくる。今まで農地を持たなかった人はつくれなかったのですけれども、耕作放棄地がいっぱい出てきたので、そこを借り受けて手入れしながらかぼちゃをつくるというのが去年初めてできて、これは予期しないいいことだなというふうに思っています。育っている間も景観植物としての役割を果たすし、またお祭りにはお祭りとしての主役として役に立っていますし、いい方向に発展したなと思っていました。

達増知事
特に大きくするというのは普通のかぼちゃ生産とはまた違ったところでつくるのでしょうからね。

団体員
これはなかなか教えてくれないのです。

団体員
教えてもらってもまねできない。

団体員
さっき言ったようになかなか専門に栽培するというのは大変なのです。だから、畑のあいているところとか、さっき言った荒廃地になっているようなところに植えているわけですから、要は除草管理とか、そういう管理を十分にやった人、肥料なんかやって手かけた人と放任栽培した人の差が歴然と出るということで。ただ、チャンピオンはそういうかぼちゃに本当に一生懸命専属で取り組んでいる人がやっぱり毎年チャンピオンになりますけれども、ただ小さくても結構景観には。

団体員
これは、第1回目は私のところで51キロでチャンピオンになって、それからどんどん、どんどん大きくなって。

団体員
147キロ、それが歴代チャンピオンだな。147キロはまだ超えられていない。

団体員
これが第1回目で51キロ。それからどんどん、どんどん大きくなって、もうチャンピオンとれなくなった。

団体員
自治会の悩みは100キロを超えるはかりがない。

佐々木局長
今500キロぐらいですよね、世界的には。

団体員
そうそう。

団体員
国内でも北海道だね。

団体員
400キロとかそんなのが出ている。

佐々木局長
だからまだまだ続けないと。

団体員
頑張ればまだたくさん。希望がたくさん。ある酵素を使えば大きくなると、その酵素をつくっている会社のホームページで見て酵素買ってやってみたのだけれども、全く効果が見られませんでした。

佐々木局長
ただ大きくするだけではなくて、いろんなかぼちゃ植えていますよね。

団体員
おもちゃかぼちゃ、いろんな種の種類ですか。

団体員
装飾用に。

団体員
まさに装飾用です。ここにも映っていましたけれども、本当にいろんな形があるものだなと思って、種類もかなりあります。自分で種買ってきてわざわざ植える人もあるし、こちらで配ったののほかに。

団体員
まず自然だからおもしろいので、大きくしたいからといっておがらせるわけでもないから、めぐさければ本当にめぐさければそれでも賞もらえる。それもおもしろい。格好よくと思って一生懸命やってみたって、なにおがりもしないし、かえってめぐさいほうがおもしろい。本当に自然とおがってくれるのだけで楽しみがあるという感じです。

達増知事
小学校は戸田小学校があるのですね。

団体員
すぐ近くに戸田小学校があります。

達増知事
今は何人くらいですか。

団体員
今70人くらいだったと思います。

団体員
77。

団体員
去年、隣の宇堂口小学校と統合いたしまして、今は77名ですか。

団体員
いろいろな行事に小学校、中学校が参加してくるのです。秋のお祭りのときも笛吹きのほとんど中学生、高校生という感じで。あとは小正月をやるというとお手伝いに小学生があれは6年生ぐらいの子供たちが参加する。そういう多くの行事で子供たちが役割を果たしているというのが継続していくエネルギーになっているのではないかなとも思っています。

達増知事
やっぱりそれは地域のまとまりとか、大人の頑張りを子供がちゃんと……

団体員
見ているのです。

達増知事
大事ですよね。

団体員
はい。

団体員
今年でなかったですか、矢巾町だっけ、来たのですけれども、コミュニティ100選に選定されてからだったですが、ここの活動が多少すばらしいということで。どういうところだかということでここに来ました。25人ぐらい来ましたか。

団体員
うん、そうだな。

団体員
あと葛巻町の江刈、あそこもここへ来て見て、いろいろな運営の方法なんかを勉強していって何年になるかな、3年ぐらいになったのかな、かぼちゃ祭りの葛巻版がされていました。

達増知事
そういう視察というのもすごい交流にいいですからね。

団体員
はい。

達増知事
視察観光というような言葉もあるくらいで。

団体員
なるほど。

佐々木局長
今も人口が減っていないという話で。

団体員
はい、3自治会で世帯数も人口も減ってない。最新はどうなっているの。

団体員
やっぱり総体的には減っています。減少率が一番行政区の中で少なかったということで、減ることはやっぱり減っています。
ここの高齢化率も調べたのですが、今九戸村の高齢化率は33%ぐらいでしょうか、ここは29ですか、若干低めにはなっています。

団体員
さっき私間違えましたね、高齢化率35と言ったのは間違ったことだ。

佐々木局長
新しく移転してくる人なんかはいないのですか。

団体員
あります。

佐々木局長
Uターンとか。

団体員
Uターンです。ちょうど今退職された方が……。

佐々木局長
Iターンでなくて。

団体員
IターンでなくてUターンです。家を建てて、今日も見えていましたけれども。

達増知事
ちょうど団塊の世代ぐらいの人ですね。

団体員
そうです。

達増知事
21世紀は本物の時代ですからね、水のせせらぎとか、本物があって、そして本物の生活があって、本物の文化ということで。岩手全体を学びの場いわてという感じでアピールするといいのではないかと思っていまして、それは修学旅行や体験旅行がふえているところからの発想なのですけれども、人間にとって大事なことは岩手に行けば学べるということで、いろんな農作業体験とか、山で木に登ったりとか、そういうのを、子供も、大人もそういう体験をしてもらう。だんだん観光でグリーンツーリズムなどふえてきていますので、そういうことで定住してもらえば人口もふえますし、定住までいかなくてもお祭りのときに来てもらうとか、そういうのをどんどん宣伝したいなと思っています。

団体員
そうですよね、イギリスの湖水地方とか、フランスのプロバンスとかは田舎ですよね。だから、ある意味ではそういうふうな、これからは田舎が見直されるというような動きになっていけばいいですね。

達増知事
ええ。食の安全安心の問題で、あれで大分世の中の雰囲気が変わったなという感じがしますね。それまではやっぱり安い輸入品の食べ物のほうが安いし、珍しいという感じで売れていたのが、流れが逆転したと思います。国産のほうがいい、あるいは地元産のほうがいいというふうに流れが変わってきたと思うのですね。

団体員
まさに本物の時代になっていけばいいですね。

団体員
ただ、何としてもやっぱり営農として成り立たないような農畜産物の価格なわけで、やっぱり土地と生活が結びついて、初めて地方が利益になるわけで、仕事が土地と関係のない人は別に戸田に済む必要がないわけですから、動機がないわけですから、減っていくわけですが、農地と結びついた地域をつくるという、それにはやっぱり地域だけの問題だけではなくて、政策的に農畜産物の価格が再生産をできるような価格でなければ、幾ら本物だと言っても、空気がおいしくても、水がおいしくても一銭にもならないわけですから、やはりそれがきれいな水でつくったお米が高く売れるような時代になればここの地方が栄えていくようになると思うので。

達増知事
ちゃんと稼いで食べていかなければだめですからね。

団体員
そうなのですよ。

団体員
その辺の国民のコンセンサスがスイスなんかでは自国のものを高くても消費者は買うよと。

団体員
そうそう、ノルウェーなんかでもそうなのだよな。

団体員
自分の観光資源を育ててくれている農民のことを思って買うよというような、その辺の動きでしょうね。

達増知事
今、こういう経済情勢でもありますので、来週の月曜日に定例記者会見で「買うなら岩手のもの運動」という発表をする予定です。今地産地消と言っているのですけれども、それをより徹底して、あとは農林水産業だけではなく工業製品なんかを含めて地元でつくっている物をみんなで買いましょうというのを、県としてもこういう経済情勢だからこそ、まずみんなでちゃんと働いて稼げるように助け合ってやっていこうというのを強化するつもりです。

佐々木局長
ちょうど話題がそういう方向になってきましたので、先ほど知事からも新しい県の長期計画の話出ましたけれども、21年度に平成30年度までの新しい長期計画を立てるということで今進めているところでございます。そういうことで、この地域をどういうふうなものにしていきたいとか、こういう地域でありたいとか、何かご希望とか、夢とか、その辺をちょっとお聞かせいただければ。

団体員
夢はいっぱいあるのですが、九戸村は保育所、幼稚園、小中学校、高校もあるのです。ついこの間まで県立伊保内病院というのがあって、信号機が少ないといえば少ないのですけれども、あんなのは余り多くないほうが便利ですし、この地域でも下水道も結構普及しているし、上水道もほとんど100%近い。道路の舗装も結構いいほう、隣接市町村と比べていいほうですし、非常にそういう点では住みやすいところだと思います。
ただ最近、聞きづらいと思うのですが、伊保内病院が診療所化されて無床化の方向へ進んでいるということで、年寄りの率が多い地域であればあるほど不安というか、息子たちが住みついていけるような状況ではないのですよね、私は酪農家ですけれども。息子と嫁は牛につきっきりというような状態で、年寄りが入院してもついけいけないような状況なので、伊保内病院だったらすぐ着がえを持ってきて、うちに帰るとか、そういうことを家と往復しながらの介護もできるわけですけれども、そういうこともおぼつかなくなってきて、そういう点年寄りだけでなく、年寄りのいる若い世代の人たちも非常に今頭を悩ませているところなのです。ぜひこの地域を存続させるためにも伊保内高校の存続とか、病院の存続とかというのは非常に望まれているわけで、ぜひそういう方向が実現できればいいなというふうに願っています。

団体員
それでは、関連して私からも。先ほどからここは高校まであるよということですが、さっきの知事のあいさつにもありましたけれども、まさに教育するにはいい場所だと。できれば大学機関、県北にはないですので、ぜひ大学機関がこの近場にあればいいなというふうに夢は持っているのです。県立大学ができるときにぜひ北のほうに来てくれないかなと思ったりもしたのですけれども、残念ながら若干北に来ただけで滝沢村でとまってしまったのですが、土地代も安いですし、自然環境にも恵まれているので、非常に教育する場所にはいいところなので、親の経済的負担も軽くて済むので、そういうふうな流れになっていけばいいなというふうに思ったりもしています。
それから、さっきの交流の話ですけれども、ここはそこに敷地ありますけれども、ALTの人たちが小正月行事とかいろんな行事に来て参加してくれています。九戸村は、スコットランドのアカデミーと交流しているのですけれども、その近くのグラスゴーにも隣の二戸出身の先生の関係で訪れたりもしているのですが、そこに日本でジャーナリストやった方がそちらに今住んでいます。5年ぐらい交流していますけれども、その方が新年に当たって私に便りをよこしたのですけれども、その中で書かれている文章を紹介したいと思います。「英国でも都市部と地方の格差が拡大していますが、日本との大きな違いは都市に住んでいる人たちも田園地区に住むことを理想的な暮らしと思っていること。都市の人間が不便を苦痛と思わなくなるようにならないと環境問題、エネルギー問題は解決しないと思います」というふうなことをいただきました。まさにこれからは競争社会から共生社会、そして都市社会から農村社会、破滅型社会から持続型の社会、まさにこれから田舎の時代になってほしいと思います。

団体員
さっき住むためにはその生活の糧が必要だというお話が出ましたけれども、全くそのとおりだと思います。確かに生活環境はいろいろ行政の頑張りもあって整備されてきましたけれども、住んでいる人の収入源、これがやっぱりある程度確保してあげないと、第1次産業がここの基幹産業にもちろんなっているわけですけれども、いろんな医療施設とか、さっき話ありましたけれども、どっちかというと国もそうですけれども、中央、都市集中型で物を考えるようになってきているのですが、やっぱり地方を活性化させないと都市ももたないと思うのです。ですから、この30年までの計画を立てる場合にぜひ留意していただきたいのはそういう地方、岩手県で言う地方というのはこういう地域だというふうに思うのですけれども、そういう地域が抱えている課題をきちっと吸い上げて、そして反映させていただければありがたいなと。そのためには、もちろん地場産業を振興することであり、地域になくてはならない施設を残すことでありということだろうというふうに思うのですけれども、そういう点でひとつよろしくお願いしたいと思います。

団体員
私はここに住んでいて、ここに来た当初は数々たくさんのお店屋さんがあってすごく暮らしやすいなと思って来たのですけれども、このごろはあっちでもシャッターを下げ、こっちでもシャッター下げて、すごく大変な世の中が近づいてきたなというように感じております。車で行ける人はいいのだけれども、買い物に出れないお年寄りの人たちがここの土地にお店屋さんがなくなれば大変なことだなと、だれが買ってきておかずをくれるのだと、このような感じを私はつくづく思っております。これは村全体というか、国全体が不景気になっているからこうであろうとは思うのだけれども、これを何とか、余り年寄りたちを悩ませないような、医療関係ばかりでなく、食料のほうも村づくりとしてやっていければなと、私はそう思っています。

団体員
今この地域にやっぱり若い者が少ないのですよ。やっぱりそれは仕事がなかなかこの中に村内でもなくて、みんな村外に出てしまうことがある。それで消防団のほうにもなかなか人が集まらないし、どうしても何とか若い者がここに定住できるように企業を、非常に難しいと思うのですけれども、そういった企業が来てくれれば雇用ができるようになればいいなと思っています。この村はかなりブロイラー産業が盛んでして、この地域にも結構従事者がいるのです。働いているもので、ブロイラーのほうももっと盛んになるように、消費拡大すれば生産も拡大するでしょうから、ブロイラーの優遇というか、それと知事のほうからももっとPRをしていただいて、鳥肉の消費をPRしていただいて、消費拡大になってもっと盛んになればいいなと考えています。

達増知事
ことしは丑年だということで、まず牛を年頭に当たって宣伝しているのですが、だんだんに牛だけではないよというふうに話に持っていこうと思っています。生産額からいけばむしろ畜産の半分は鳥ですよというふうに持っていって、岩手の農業の半分は畜産で、その半分は鳥というふうに話を持っていこうと思っています。

団体員
冒頭からここの自治会といいますか、元気があるというか、あることでコミュニティにも選定されたと思っているのですが、いずれ今の元気をできるだけ長く将来にわたって、未来に引き継いでいければなというふうに思っているのですが、先ほどから皆さんの話があるようにどうしても年齢そのものが高くなっていくということもあって、いずれそれを引き継いで守っていける人をつくっていかなければならないというふうに思います。

佐々木局長
初めから高齢化とか、話がスタートからそうでしたから、単にここの戸田だけではなくて大体農村部といいますか、中山間地域ほとんどそうなってきていますので。先ほど農地にかかわらない人はそこに生活する意味がないという話もあるし、あと企業があればそこに住むということもあるし。今景気が悪くて大変なのですけれども。工業団地がまだあいているから。

団体員
今度酪農家という立場でちょっとお話ししたいと思うのですけれども、私は搾乳牛が今二十二、三頭しかいません。そのほかに和牛を毎年6頭ぐらい生産して売っています。それはホルスタインの牛に和牛の受精卵を移植して生産するというやり方で、ホルスタインの腹を効率よく使うというやり方で家業を立てているのですが、今は100頭規模というのが、牛舎建てるといえばもうほとんど100頭というような感じになっている中で、二十数頭でもやっていける方法が質素に暮らせばできる。それは和牛の生産を、ホルスの腹を利用して和牛生産をやるということなのですけれども、実際やってみて軌道に乗るまですごく資本がかかるのです。生まれた子牛を10カ月、12カ月、13カ月扱っていかないと種つけられない。売ればすぐ50万、30万になるものを売らないで抱えておかなければならない。それも受精卵を買ってというふうになると着床率が50%ぐらいなものですから、8万円の卵買っても2個で16万円かかるわけです。それを移植して腹の中に10カ月いて、生まれて10カ月、そして初めて金になる。その間耐えられないのですよ、農家の資金では。農協でもこのごろ厳しくなって、購買未収がこれくらいになれば、期間が過ぎれば不良債権にやられて、早く整理をするように責められるというようなこともあって、私は村の農業振興資金を借りて卵を買って、それでやっと今の軌道に乗ってそこまでいっているのですけれども、中小酪農家がそういった新しい技術を入れる場合にある程度長い期間で運転資金的なものがすぐ回転できるような資金を供給してもらえればまだ続くのではないかなと。今耕作できない農家がいっぱい出ている中で、私のところでは今12町ほど牧草地を持っていますが、その半分以上は借地です。私が手挙げてしまうともう十何町の畑が耕作放棄地になってしまうというような、そういう社会的な貢献もしているし、緑を育てることで二酸化炭素の量を減らすような役割も酪農地産業がやっていると思うので、必ずしも100頭規模でなくてもやり方があるし、そのために普及所で今持っている技術なんかをどんどん広めていただいて、大規模でなくてもできる酪農を展開してこの地方を温存するような政策が欲しいなというふうに思っています。

達増知事
岩手県はやっぱり小規模なところが多いですからね。

団体員
そうですね。

佐々木局長
酪農の場合は大体50頭から100頭ぐらい1家族で、親子でやってぎりぎりですよね。ヨーロッパも大体同じぐらいだと思っていました。

団体員
私も牛舎建てるときにヨーロッパで20頭ぐらい……20年前に牛舎建てたのですけれども、それ以上というと能力的に結婚式だ、葬式だとあったときにとても対応できないと思ったときに、いざとなったら1人でもできる規模ということで20頭の牛舎を建てたのですけれども、なかなか困難で、いろいろな会議があっても出れないのですよ、夕方7時からと言われても、そういう地域のいろいろな交流の場にも参加できないような環境の中に農家の青年がいるということを念頭に置いていただいて、何か方策を考えていただければありがたいなと。

団体員
私も小学校のPTA会長やっていたときに先生方に毎年お願いしてきたことがあります。ここの子供たちがこの地域に生まれ育っていることに誇りを持って生活していけるような教育をしてくださいというふうに毎年お願いしてきました。
ぜひ県当局におかれましてもこの地域に住んでいる人たちがこの地域で誇りを持って生き続けていけるような、ちょっと大ざっぱな言い方ですけれども、そのようなことをぜひお願いしておきたいと思います。

知事所感

達増知事
昔の国土開発計画というのは産業化の論理でどこに工場を集中させるか、どことどこを道路で結ぶかという発想でやってきているのですけれども、21世紀型の国土開発とか県土整備というのは情報文化の要素を入れていかなければならないと思うのです。そういう中で、地域、地域がどういう役割を持っているのかという、そこに行けば何があるとか、今の行政用語で言うと交流とか定住とかというののそれをちゃんとマップに落とした県土整備計画みたいなものをつくっていかなければならないのではないかなということを改めて思いました。
そういう中で、工業の論理はどうしても集中型になりますし、また工業なしにはできないし、工業は工業で残さなければならないのですが、農林水産業をまずベースにしつつ、その上に工業をちゃんとマップに落としながら。ただ、それだけだと過疎というのを防ぐことができないので、そういう情報文化というところに着目して、生活圏というのですか、そういうのを計画の中に入れて10年後の絵を描いていけば、九戸村や、またこの戸田というところははっきり意義づけられると思うので、まさにそれが誇りを持てる地域づくりということになるのだと思います。そういうふうなものをつくりましょう。

団体員
お願いします。

佐々木局長
ありがとうございました。

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