草の根地域訪問「こんにちは知事です」(平成20年5月13日)

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ページ番号1001031  更新日 平成31年2月20日

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訪問団体:創造集団 波工房(大槌町)
日時:平成20年5月13日(火曜日)14時00分から15時00分
場所:かみよ稲穂館

若林局長
それでは、ただいまから県政懇談会「草の根地域訪問『こんにちは知事です』」を開催いたしたいと思います。
本日は波工房の皆様には、平日にもかかわらず、私どもの訪問を快く受けていただきました。大変ありがとうございます。誠に感謝申し上げます。
本日の進行役を務めます、私振興局長の若林と申します。よろしくどうぞお願いいたします。

知事あいさつ

若林局長
それでは、開会に当たりまして知事から一言ごあいさつをお願い申し上げます。

達増知事
あいさつのところは正座をしてあいさつをいたしますけれども、今日は「草の根地域訪問『こんにちは知事です』」ということでご参加をいただいてありがとうございます。
「草の根地域訪問」ということで、岩手県政を運営していくに当たりまして、うまくいっているのかどうかというのは、やはり暮らしや仕事の現場、草の根の地域に入ってみないとわからないと思っておりまして、そういうところでうまくいっていればいいのですけれども、いろいろ課題があればそういうところを県としても考えていかなければならない。特に一つには市町村を越えたいろんな動き、そういう広域の地域振興を図っていかなければならないということ、もう一つは市町村の中にある小さなコミュニティというところを県としてもちゃんと見ていかなければならない。限界集落と呼ばれるような非常に先行き大変な集落の問題も指摘されていますけれども、でもうまく地域の力を引き出していろんな仕事をしている人たち、いろんなものを持っている人たちうまくつながっていくことで税金を余り使わなくても地域振興ということが図れるような、そういう仕組みを県と市町村が協力し合いながらつくっていかなければならないのではないかという問題意識で、私が去年の4月30日から知事をやっているのですけれども、この草の根地域振興というのに力を入れまして、それで「元気なコミュニティ100選」という企画もやって、こちら「波工房」も選ばせていただいて、その成果を広く県内に広めるとともに、また対外的にも岩手の地盤としてアピールできるようにしていこうと思っておりまして、活動概要、文章で私も読んだりはしているのですが、文章だけではおもしろさとすごさの本質がわからないのではないかなと思って、今日は直接話を聞いてみようと思ってやってまいりましたので、ぜひよろしくお願いいたします。私は足を崩しますので、どうぞどうぞ崩して。

若林局長
皆さん、どうぞ崩して。私は最初から崩しておりますから。どうぞ。
本日ご出席の皆様につきましては、お手元に名簿があると思います。それをご覧いただきたいと思います。なお、波工房様につきましては、当県において平成19年度に創設いたしました「元気なコミュニティ100選」の団体として選定させていただいておりますことを申し添えます。

懇談

若林局長
それでは、懇談に移っていきたいと思いますが、まず皆様から自己紹介を兼ねまして、ふだんの活動内容、どういうことをやっているか、いろいろな努力している点とか、楽しんでいる点だとか、そういうもの、あと自分の役割、担当、あればニックネームも含めて自己紹介いただければありがたいなというふうに思います。
では、まずは代表の方からお願いできますでしょうか。

団体員
どうも、草の根地域を代表しまして、波工房の代表をしております。仕事は漁船の無線関係のほうの仕事をさせてもらっています。魚探やらソナーやらレーダーやら、そういう弱電関係のほうの仕事をしております。
波工房での役職といいますか、所属は代表をさせてもらっています。私で波工房3代目の代表です。徐々に回っていくと、徐々にわかっていくと思うのですけれども、ふだん余り努力というのは、努力らしい努力というのはなかなか難しいのですけれども、波工房自体、実は飛躍とかは難しいことというのは余りないのですけれども、実は結構厳しい団体なのですよね。結局個人の良識やマナーだったり、そういうものを口には出さないまでも、実はそういうのの中で人と人とがつがっている団体で、会費取るかといったら会費は取らないし、何かそういう気持ちと人の手でつながっているのが波工房だと思っていました。よろしくお願いします。

若林局長
ありがとうございました。活動の具体的な内容というのはどんなことをやっているのですか。

団体員
ここに平成14年から今年までの総会資料を持ってまいりました。これ見るといろいろ書いてあるのですけれども、例えば4月は花見と総会をやりまして、総会は約10分、15分ぐらいです。あとは花見です。そういうことをやったり、あと5月になりますと北上の虹の会というのが「緑とちびっこカーニバル」というのをやっているところへ行って、そこへ行ってお手伝いをしたり、一緒に芝居に出たりとか、そういう関係のことをやったり、あと5月になるとそれこそ浜千鳥さんと振興局さんでやっている地産地消の例のお田植え祭りですね、田植え体験会、そっちのほうのいろいろそういうからくりが始まりますし、あとは何でしょうね、いろいろやっていました。去年までは炭焼きとか、今年あたりは味噌づくりとか割に第一次産業にぴたっと来るような、そういう大槌でも縁のほうばりり、海のほうとか、山のほうとか、縁のほうばり、そういうところでいろいろ活動していますね。

若林局長
それぞれ得意の分野があるのですね、皆さんに。

団体員
そうですね、私は一応気合い担当なのです。かけ声担当、「そりゃ、テンションあげろ、急げ、急げ、急げ、急げ」とか、そういう担当やっています。あとは特に大したことは。あとは担当は肉の担当です。肉の担当です。何かあるたびに肉を用意して、焼いて食わせるまでが私の担当です。

若林局長
わかりました。ありがとうございました。
では、次の方。

団体員
書面のほうでは副代表にはなっていますけれども、一応この春から事務局のほうをやっています。事務局のほうは、格好よく言えば会長の補佐的なというところなのですけれども、好き放題を会長に言って好き放題をしてあの人にも言うみたいな感じで、一番好きなことが言える係なのですけれども、その分足と体で稼ぐみたいな感じです。一応会員のほうへの連絡事項の通達担当といった感じですか。

団体員
芝居の時には演出を担当しています。

団体員
そんなことも昔はやりましたみたいな感じなのですけれども。

若林局長
演出。

団体員
はい。もともとは前の前の会長がやっていたのですけれども、北上のほうに仕事の関係で行ってしまって、この人が北上からしょっちゅう来るのは大変なので、代わりに芝居の時にはそういうこともやったりしています。

団体員
泣きながらやっています。

団体員
はい。私は家が本当にこの辺なので、あぢとの見回り。たまにのぞいてみるみたいな感じの係です。

若林局長
連絡係なのだけれども、会員数は何人ぐらいいるのでしょうか。

団体員
名簿でいくと50人ぐらいなのですけれども、北は北海道って北海道にはいないのですけれども、県外、南のほうだと沖縄まで、関東のほうだと埼玉、横浜にも会員がいますので、こちらのほうで年4回ぐらい発行している通信の郵送とか、あとは今は携帯のメールとかパソコンメールができているので、そういったメールを打ちまくり、みんなに送るという感じの通達です。

若林局長
なるほど連絡係。芝居は何回ぐらいやったのですか、今まで。

団体員
3回です。大きなもので3回、小さいのも入れれば4回ですね。2年前の、県の植樹祭やりましたよね。あそこの前のイベントで二、三十分の芝居を1本やりました。

団体員
それが4つ目ですね。

若林局長
それ台本も書くの。

団体員
ですね。

若林局長
台本はだれ書くの。

団体員
自作です。

若林局長
自作はいいけれども、自作している人は。

団体員
ご説明して。

団体員
この間の植樹祭の時はうちの会長が書きました、脚本も。

団体員
すごい苦労しました。

団体員
その前の3本は前々会長が、今北上にいるのですけれども、その人がもともと芝居を好きでやっていた人なので、その人が3本ほど書いてくれたオリジナル作品を。

達増知事
北上に行った人なのですね。

団体員
そうですね。

若林局長
そのつながりで虹の会とかなんとか話になっているわけですね。

団体員
そうです。

団体員
その一番最初に芝居やる時にスペシャリストがいないということで、前々会長ですけれども、その人に教えられながら芝居を一緒に作っていきたいなと。その人が書いた、ここに原作とこういうふうになっています。1番目の「あした海へ」という芝居の台本です。歌なんかも一緒に作ったりしています。

若林局長
作詞作曲も自分たちですか。

団体員
作詞は前々会長が書きまして、作曲は誰かやれる人を探してやらせると、そういうふうなあれになっています。これが2作目の「落葉」、これが3作目の「ソツ」、こういうことです。

若林局長
わかりました。台本すばらしいですね。
では、次の方。

団体員
現会長さんの前に去年まで代表していました。
それで、私の役割というか、初代の会長の芝居の時には実行部隊というか、事務局というか、いろいろ世話係をどんどんやってきて順番的に次はおまえがやるというくじ引きでなったような感じですけれども、例えば先ほど田んぼの話が出ましたし、あと炭焼きの話も出ましたけれども、言い出しっぺがまず体を動かしてやらなければならないと。大抵の場合、この辺でやる活動については私が味噌を作るか、田んぼの手伝いをするか、炭焼きをやりたいなというのをそれぞれみんな声を出すのです。ただ、やっぱり自分が案をいろいろ考えてやらなければならないということで、例えば土器をつくれる人は土器づくりをするのに、あなたがやりたいのだったらみんなにやる段取りをしなさい、飲み会、花見をやりたいのだったら、あなたが段取りしなさいという、それぞれ集まってくる人たちの特徴を生かして中心になる声を一番初めに出した人間がいろいろ案を考えてやるというふうな活動をいろいろ広げてきました。それぞれボランティア的な活動とか、あとはそれぞれの所属する、波工房のほかにもいろいろ仕事の面で、例えば精薄施設に勤めている方がいればやっぱりそっちの人たちのボランティアにもお手伝いに行くかとか、町の行事がある時には、では町の行事にもお手伝いしますかと。田んぼのそういう行事が、浜千鳥さんも一緒にやろうかということもあれば、ではこの部落に私たちも行くから、ではそれもお手伝いしますかという感じで、そういう人と人とのつながりでいろいろ自分たちも楽しめることを選んでずっとやってきましたということです。その中で、自分は一番これをしたい、これをしたい、これをしたいというのを一番声を出して言った人間かなということで、会長を去年までやったという感じです。

団体員
こうやって見ているとすごくまじめそうなのですけれども、実は酒を飲むと一番乱れるのがこの人です。

若林局長
そういう人いるよね。

団体員
いますね。いろいろあったのですけれども、やっぱり中心人物だったですね。当時からいろいろな言葉が、口から出る言葉で有名な言葉というのが2つ、3つありまして、最少敢行人数2人というのがありまして、波工房の行事は2人集まれば波工房の行事はやるよという。

若林局長
ツアーみたいなものだ。

団体員
自分ら波工房をやる前は青年団で、町の青年団をやっていた関係で、例えば10人とか20人いなければ何かできないよということではなく、2人いたら何かできるよねという意識があって、だから何か宴会をするにも、例えば10人も20人も連絡しても誰も来なくても、いいや、2人であぢとにいれば何かできるよなとか、そのぐらいの自分たちが楽しめるものというのは本当に近くにあるよなという意識でないと何もできないよねと、そういうのを考えの根底にあっていろんなことをやってきたものだから、「最少敢行人数2人な」と。会長と副会長だけでもやるかというのが、やはり何でも基本かなというようなことです。

団体員
あともう一つの言葉は「おまえにとって酒は何だ。水分だべ」と言ったと、2つ目です。

若林局長
水分ですか。

団体員
ええ、「酒は水分」と、水がわりです。

若林局長
言ってみれば体のエネルギー源なわけだ。

団体員
そうですね。

若林局長
お助け隊みたいなものなのだね、結局ボランティアとかなんとかもやっていてどこかで困った人たちがいればちょっと助けるかと。

団体員
そういう面もありますし、芝居に関しては完全に自分たちの楽しみでやった面もありますし、苦しい面もあったのですけれども、やっぱり自分たちが楽しみながらそれを見る、楽しんでいる姿を見れば多分周りの人たちも元気になるんじゃないのと。
余りかた苦しく地域づくりだなんとかということではなく、やっぱり地域の中にいて自分たちが元気に活動していることが地域の力になっていくのかなという基本スタンスがその辺にあるのです。

若林局長
そうですね、何らかのエネルギーがないと周りのあれですね、楽しくならないですよね。

団体員
人が元気でいないとね。まず、それが一つの手段として酒を飲まなければならない場合もあるということでなっていったと思います。

若林局長
わかりました。では次の方。

団体員
今は介護の仕事をしています。出身は山田なのですが、なぜが隣町の大槌に縁があって参加することになったのですが、10年ぐらいでしょうか。役割としては楽しむ係というか、やはり2人いたらということで、やはり苦しいと思ったことはないのですが、やっぱり自分が楽しいと周りが楽しくなるといいますか、やっぱり今年やった味噌づくりもですし、炭焼きもですし、浜千鳥と一緒にやった田植えもですし、私は海の生まれで漁師の生活しかしてこなかったので、山の生活というか、内陸のほうの田植えもですし、炭もですし、味噌もですし、やっぱり初体験なことが多くて、ここに来なければこういう経験もできなかったかな。一人だとできないのですけれども、きっかけができて、そして自分の周りの人もどんどん巻き込む、家族だったりとか、友達だったりとか、どんどん巻き込んで、何か楽しそうだねというのから、何か来たいなとなったり、それでだんだんメンバーが増えていっているような気もしますし、そしてやっぱり仕事しながらでの活動なので無理はしないというのはあれなのですけれども、やっぱりうまくみんな時間を調節しながら参加できているのではないかなと思います。
仕事とか、プライベートで大変なことがあっても波工房に来て体を使っていろんな体験ができたりとか、地域のことで熱く語ってみたりとか、話ができることでやはり元気になるし、癒されるし、疲れもとれるし、そういうことがすごく多いような気がします。なので、自分の町も大好きなのですが、やっぱりここに参加してみて、隣町だけれども、大槌の人たちは優しいなとか、温かいなと感じることがすごく多くて、自分の中にはすごく得るものがたくさんあるなって感じています。

若林局長
山田と違うの。

団体員
そうですね、やっぱり山田は山田の良さがあって、大槌は大槌の良さがあって、隣なのに何かが違う。違いに気づいた時にちょっとおもしろいというか、何か発見、すごく新鮮なので楽しいです。

若林局長
役割は楽しむ係で。

団体員
そうですね。

達増知事
お芝居もするのですか。

団体員
お芝居は何回か出演させていただいていて、不器用なのですけれども、それでも出た人たちにみんなが参加するようにと役をもらったりとか、個性を生かしてくれる人たちなので、参加した気分で楽しめていますね。

若林局長
一緒に何かやったと。

団体員
はい。

団体員
主な担当はおなか係です。いろいろ豚汁だったりとか。

団体員
そうですね、行事があった時にご飯をつくったりとか。

若林局長
すごくいいのはおなか係というのがいいですよね。普通は食事とか何とか担当。何かひとつひねって素直じゃないな、このやろうと、そこ自体で楽しんでいるなと思うのですけれども。

団体員
ずっと前からある言葉だ、おなか係は。

団体員
食事、普通の昼食、夕食とかではなくて、普通におなかがすく時に何かしら準備してくれている、すごく料理が上手なので。

団体員
さっき会長が言ったとおり、例えば盛り上げるとか、何でもいいからいずれ気合いをかけて盛り上げる係とか、変な役割をですね。

若林局長
気合い係というのも初めて聞きました。

団体員
盛り上げる。

団体員
テンション担当。

若林局長
次の方。

団体員
釜石市のほうにある浜千鳥という酒造会社でお酒づくりやら何やらやらせていただいています。担当というのはちょっとまだ新人なので余りなくちょろちょろしている係でした。それで、こっちに来て、大学卒業して浜千鳥に入ったのが去年の春でして、まだ1年しかたっていないわけですけれども、こういう波工房さんとの出会いは浜千鳥でやっている酒づくり体験塾の田植え体験会で先輩に連れられて、お手伝いしてくれる方々だということでご紹介いただきまして、そのまま会員になってしまったと、していただいたということです。
そうやって1年ぐらい、何かイベントがあるたびに連絡が来るんですね。そして、日取りが合うなという時に参加するみたいな自由な形で参加させていただいていて、一人でこっちに来たけれども、そういう集まりでいろんな人と話したりとか、協力したりできる、あと一緒に騒いで食べたりみたいなことができるというのはすごくありがたいことで、このままどんどん職がつくぐらいまで居座ろうと思っています。

若林局長
かわいがってもらっていたみたいで。

達増知事
田植えというのは浜千鳥さんの田んぼなのですか。

団体員
いいえ、この周辺に豪農で、専属で農業やっているところがありまして、そこのところの田んぼですね。その方は、私たちが青年会時代からの、もう何年、何歳か。

団体員
25年もつき合っているのだよ。

団体員
大先輩なのです。その方から土地も借りまして、あそこにあぢとを建てた。あそこの土地もその方の土地です。

若林局長
契約栽培しているのですね。

達増知事
できた酒米が浜千鳥さんに行くと。

団体員
はい、浜千鳥で直接買わせていただくという形で。

若林局長
「吟ぎんが」だっけか。

団体員
「吟ぎんが」です。お酒用のお米で、岩手の酒造好適米で「吟ぎんが」になります。

団体員
そういう専門的な話初めて聞きました。

若林局長
お酒つくっているの。

団体員
でも、去年の冬のつくり酒しか体験していないので、まだまだぺいぺいなのですけれども。少しは詳しくなりました。

団体員
味見専門ですね。

若林局長
これからのご活躍が期待されますね。

団体員
いただいてもよろしいでしょうか。

若林局長
どうぞ。ご案内申し上げないで申しわけございませんでした。それでは、見るからに芸術家という雰囲気なのですけれども、次の方。

団体員
芸術家というかあれなんですよね、職業はここから車で10分ぐらい行ったお寺の住職しています。
波工房はおもしろくて、坊さんいるわ、神主はいるわ、医者はいるわ、本当に何でもいろんな分野があって、何でも、何があってもいろんなことでもいろんな考えというか、いろんな見地から見れるような、そんないろんな人物が集まっているおもしろい集団と思っています。
波工房の中での役割は、とりあえず美術班ということなのですけれども、私は美術班のナンバーツーでして、ナンバーワンというのが私の同級生で絵を専門にしている人がいまして、その人が一番昔から波工房関係の美術関係をいろいろ手がけていたと。 私が20年ぐらい前に帰ってきた時にちょっと手伝えということで誘われまして、それからの付き合いで、当時は青年会で。
さっき言ったとおり、自前での劇をやったのは3回、4回なのですけれども、その前は中央とかあちこちから劇団呼んできたりして、そしてそれを皆さんに見てもらう。いろんなそういった文化的なことを考えて、少しでも地方を活性化しようということでやっているわけなのです。その時の看板だとか、ポスターだとか、いろんなスタッフ関係のものだとか、そういったのをつくるのに駆り出されて、そういうことで二十数年付き合ってございます。

団体員
あと、この方は波工房のホームページの管理人さんです。すべて司っている、いいも悪いも管理人です。

団体員
芝居でもお坊さん役で本職で出まして。

団体員
お坊さん役があったので、ほっとしまして、そうしたら三十何歳だ。

達増知事
青年僧。

団体員
欠かせない役だから。

達増知事
そのお芝居は結構な人数参加するのですね、メンバー50人くらいのそういう広がりの中で。

団体員
結局そこの舞台だけだと20人ぐらいいればあれなのですけれども、結局その周りのお世話する人たち、あと駐車場を見てくれる人たちとか、あと後ろで炊き出ししてくれる人たちとか、いろいろ五、六十人は動いているかと思います。

達増知事
そういうお芝居の吸引力、人を集めて束ねる力がそのまま地域の役にも立っているという珍しい例なのだと思いますね。地域の中で人が集まるだけではなくて、地域を越えても人が集まってきて、芝居を一緒にやるから、その中でちゃんとリーダーシップというのが働くし、それで役割分担して動くというのも鍛えられるからいいですよね。

若林局長
一つのものを一つずつクリアしていくとだんだん、だんだんそれが非常に進化した組織体になっていくのですよね。

達増知事
田植えもできていく。

若林局長
そうそう、地域相互互助システムみたいなのができてしまうのではないかと。

団体員
だから、あぢとのあの辺は治外法権ですのでね。

若林局長
警察だめ。

団体員
警察入ってこない。

若林局長
入ってこないの。

団体員
はい。何でも許される。

若林局長
署長にしゃべっておかないとな。
「何かやる」という一つが行動というか、アクションがあって、それにみんなが行ったり応援すると。会費はないと言うし、非常にその辺は緩やかなのだけれども、一つ一つのことを何かやってきたことによってみんなの連帯感というか、結束感みたいなのが非常にいいようにつながっているなと、そういうふうに私からは見えるのです。

達増知事
原点は演劇集団というところが原点で、あれも一人一人雇用契約があってやるようなやつで、やっぱり芝居というのはよくわからないまま集まってきて役割分担して、それでも一人一人はそれなりにすごい本気になっていてというところがありますよね。だから、そういう芝居、演劇集団のそういうやり方がそのままいろんな炭焼きとか、味噌づくりとかに応用されているのですね。

団体員
そういうことですね。

若林局長
総会資料をちょっとのぞいたのだけれども、炭焼きの炭の販売が結構な収入になっているのです。結構というかね。

団体員
ほとんどです。去年はね。

達増知事
売れていましたか。

団体員
ですね。でも、まだまだ在庫ありますね。今年、来年ぐらいは食っていけるかなと。食っていけるわけではないですけれども、何とか。

団体員
このごろ国外産の炭がふえてきて、やっぱりもちが悪いのです。ここのやつは本当に品質いいですから。

若林局長
この大槌川流域のところからのどこから持ってきているの。

団体員
地主さんの。

団体員
山からとってみんなでトラックで運んできて。

団体員
炭窯をつくって。

若林局長
全部自分でやるわけだ、何でも自分たちでやると。

団体員
火を入れて釜から出して。

達増知事
大道具、小道具とか、物をつくったり、物を運んだりするというノウハウがあるからいいかもしれないですよね。体を動かせる人たちが……

団体員
何でもできるような機材もそろうよな。

団体員
いろんな仕事を持っている人がいるので。大工さんから電機屋さんから。

若林局長
全部いるんだ。

団体員
結婚式もできればお葬式もできるという感じなので。

達増知事
さっき宮古振興局で記者会見、今回は沿岸移動県庁という今日と明日の企画で宮古、大槌、釜石、そして大船渡と県庁が今沿岸に来ているというコンセプトで、だから今ここが県庁なのですよ、私がいるところが県庁ですから。

団体員
何か気分いいですね。

達増知事
それで、さっきは宮古が県庁だったのだけれども、記者会見やって、岩手沿岸の魅力は何ですか、外にどうアピールするのですかと聞かれた時に、普段から思っていたのですけれども、岩手の沿岸というのは海と山と町や村がコンパクトに一緒になっているというところがすごくいいと思うのです。だから、海の幸と山の幸と両方同時に楽しめるし、またそういう自然のすぐそばにちゃんと村や町もあって、人も住んでいて、そういういろんな人間関係のそういう人情に触れたりとか、あとはそういう施設を利用したりすることもできるという、そういうところが連なっているところが岩手の沿岸の一大特徴で、なかなか日本とか、世界とか見てもそういうパターンは珍しいと思うのです。だから、何かやろうという時にそういう海のことを知っている人と山のことを知っている人と町や村のいろんな仕事をしている人とかが、ぱっと集まれるというところがすごくいいと思うのです。ただ、なかなか集まらないですよね、よほど何かうまく工夫をしないと。だから、こういうふうにお芝居をきっかけにそういういろんな得意技を持っている人が集まるというのはすごくいいことだと思います。

団体員
ある程度青年団のベースがあったので。

若林局長
ベースは青年会なのですか。

団体員
そうです、青年会のベースがあったのです。だから、ある程度人脈的なものというのはね。

団体員
青年会でいろいろ活動してきた時に芸術的なこととか、文化的なこと、最終到達点は自分たちで芝居をやることなのかなというのがどこかにあったのかもしれないですね、総合的な芸術、やっぱり芝居なのかなと。自分たちで呼んで見せることも多分すごく苦しかったのだけれども、それにも増して自分たちでそれをやるのはかなり苦しいことなのだろうなとは思ったのだけれども、やっぱりそれをやったらすごいかもしれないなと。やっぱりやったら人のつながりもっと出るし、それをやったことによってまた新たなような、もう何でもできるかもしれないなというのがあって、また次のステップにどんどん、どんどん展開しているのかなという気がしますね。

達増知事
地域の外にも人脈広がるのがいいですよね。だから、交流というのも活発になって、やっぱり岩手の地域振興を考える時に交流というのはすごい大事で、海や山であれば町の内陸に来てもらうとか、そういうのが大事ですからね。うまくいっている地域、コミュニティというのは外の人が時々来るような仕掛けをうまくつくっているところがうまくいっているのでしょうね。

若林局長
これからの抱負とかは。

団体員
抱負ですか、その抱負なのですけれどもね、ちょっと……

若林局長
豊か過ぎて、豊富過ぎてできないのですか。

団体員
何とも絞りきれない部分というのはありますよね。結局選択肢が多過ぎるということもあるし、結局ぶつかる問題というのは高齢化なのです、波工房高齢化。実際に高齢化が始まりまして、やっぱり高齢化しますとある程度職場のほうでも重要な地位につくのです、高齢化してくると父や母が高齢化してよぼよぼとか、ある程度年がいくと来るいろいろな悩みというのが間違いなく波工房にも来ていまして、それにしても下が浜千鳥の方が一番若いですね、幾つ。

団体員
23です。

団体員
23が一番下。彼女が今波工房の平均年齢をぐんと下げています。そういう担当をしています。だから、波工房が年とってきているのです、今。年とってきたら、年とってきたなりの、その時なり、その時なりの活動というのをね、やっぱりこうやってある程度人間がいると、おい、今度あれやるか、今度これやるかという話も出てきますのでね。これからはこうしましょうね、うん、そうですねという形ではないですね。

若林局長
もう形ではなくて、何にもとらわれないで自然体のままで、何かあったらと。あと、さっき言った楽しむことと、それからあとは無理しないと。

団体員
そうですね。以前、何年前でしょうね、ふるさとづくり大賞、あれ何年前、3、4年前ですか。そのころに奨励賞というのを、ふるさとづくり大賞奨励賞というのをいただいたのですけれども、やっぱりその時も大賞と、言ったんですけれども、その時に波工房になかったのはこれからどうするか、どっちへ向いているかということの方向性と希望の持ち方というのですか、そういうのの中で波工房というのは特別賞のほうに回されたみたいなのですけれども、必要なのかなとはずっと思っていました。だけれども、どうよと。そこで無理が出てくるとすればその辺で無理が出てくるような。

達増知事
行政は計画とか見通しとか求められて、4カ年計画とかいろいろ立てなければならないのですけれども、無理に立てなくてもね。

団体員
そうですよね。いやあ、これ無理することないべなと、それに無理すっぺして今のいい流れで来ているのが何か変になっちゃうなと。

達増知事
立てなければならないのは、議会あるいは県であれば県民に対してある程度先のことを示す責任があるからやるわけですよ。でも、顔が見えるメンバーの中で一緒にやっていくのであれば、別に何か書いてそれを示さなくてもツーカーで一緒に同じ方向を見ることができればいいのではないかなという気がしますね。

団体員
最近この波工房というのに実に私も困って、波工房って何だべなと思う時間が結構ありまして、去年から会長やっていまして、波工房って何やとなった時に、ううむと、行き着いた答えもみんなの心にあって、見る人が見る波工房、そのままが波工房。波工房はどういう手段で、どういうみんな人がいてと、いろいろ考えてみれば実態が浮かび上がらない。そうゆうのは別にこうだから波工房だというのではなしに、そうやって見て評価してくれる、そういう一つ一つの芽がね、その一つ一つの芽の中に心が見た、それが波工房と。

達増知事
岩手もそういうふうにできればいいなと思います。岩手とは何だろうか、外から見ると結構なぞが多かったりするけれども。

団体員
相談に乗りますよ。

達増知事
中でみんな楽しんで、それぞれの役割を果たしてちゃんとやっているというね。知事は気合い担当。

団体員
「おめたち、おれはこうやったから見にきて」ですね。

達増知事
はい。

若林局長
見えましたね、何かが。本当に大変楽しいひと時を過ごせばあっという間にこんなに時間がたって、今日は皆さんお忙しい中集まっていただきました。ありがとうございました。

知事所感

若林局長
それでは、最後に知事から何かありますれば。

達増知事
幾つかのなぞはなぞのまま残っているのですが、確信的なところは見えたかなという感じはしまして、やっぱりちゃんと「元気なコミュニティ100選」に選んで良かったなと思っております。またいろいろ教えてください。ありがとうございました。

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