「いわて幸せ作戦会議(in宮古)」(令和4年6月1日)

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ページ番号1057653  更新日 令和4年7月22日

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日時
令和4年6月1日(水曜日)10時30分から11時50分まで

場所
宮古地区合同庁舎 3階 大会議室

出席者

・参加者(敬称略)

   小西 英理子(株式会社小西鋳造 開発担当)

   伊藤 実知子(三陸ジオパーク 認定ガイド)

   佐々木 康幸(岩泉ホールディングス株式会社 執行役員 営業販売統括本部長)

   中野渡 和也(田野畑村地域おこし協力隊)

・県側

   達増 拓也 知事

   小野 博 政策企画部長

   小野寺 宏和 沿岸広域振興局副局長

開会

小野部長
 
ただいまから、県政懇談会を開催いたします。
 皆様には、御多忙のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。心から感謝申し上げます。
 本日は、「持続的に発展する三陸を目指して」を懇談テーマといたしまして、宮古地区でお仕事や地域活動など様々な分野で、地域の復興に向けて取り組まれている皆様にお集まりいただいております。
 私は、本日の進行役を務めさせていただきます、県の政策企画部長の小野と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

知事あいさつ

写真:懇談会の様子1

小野部長
 それでは、開会に当たりまして、知事から挨拶申し上げます。

達増知事
 皆様おはようございます。お忙しいところ県政懇談会「いわて幸せ作戦会議in宮古」に御参加いただきまして誠にありがとうございます。
 これは、「いわて県民計画」の基本目標、「東日本大震災津波の経験に基づき、引き続き復興に取り組みながら、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわて」にちなんで、「いわて幸せ作戦会議」という名前で、県政懇談会をやっております。岩手県内の各地域、各分野で活躍している皆さんの声を県政に反映させていこうという趣旨であります。
 東日本大震災津波から11年を迎えている中、新型コロナウイルスの流行も続いているところではありますが、復興の振興に、また様々な地域振興が重なり、最近では、デジタル、グリーンといった分野にも、力を入れているところであります。
 今日は「持続的に発展する三陸を目指して」というテーマで、この宮古地区で様々な分野での活動を通じて、復興や、さらなる地域振興に貢献されている皆さんにおいでいただいております。「いわて幸せ作戦会議」という、この作戦会議にふさわしい、将来、こういうことをすればいいということがどんどん見えてくる会議になることを期待いたします。
 そして、地元県議会議員の皆さんもお疲れ様でございます。今日はどうぞよろしくお願いいたします。

出席者紹介

小野部長
 それでは、この後の進め方についてですが、まず私から、お一人ずつ御出席の皆様を御紹介していきますので、続けて、大体1分程度の、簡単な自己紹介をお願いいたします。4名の皆様にそれぞれ1分程度、簡単な自己紹介をいただきました後、本日のテーマに沿ってお話をいただきます。お一人ずつのお話が終わった都度、知事からコメントをいただくというような形で進めて参ります。
 そして最後に自由懇談の時間を設けたいと思っておりますので、テーマにかかわらず、何でも結構でございますので、お話を頂戴できればと考えております。よろしくお願いいたします。
 それでは座席表に従いまして、本日御出席の皆様を御紹介いたします。まず、株式会社小西鋳造開発担当、小西英理子さんです。

小西 英理子
 おはようございます。株式会社小西鋳造の小西英理子と申します。社内では、開発担当ということで、技術開発をメインに、実際の業務では3D技術を用いて、データの作成や、機械加工のプログラミングを行うなど、技術者として事業に携わっております。
 学生時代は、外国語学部でスペイン語を専攻しておりまして、通訳を志しておりましたが、東日本大震災がきっかけで、地元や家業について考えるようになり、当社に入社いたしました。学生時代に培った語学力、そして、日々の業務で身につけている技術力を活かして、世の中に貢献していければなどと思いながら日々過ごしております。本日はよろしくお願いいたします。

小野部長
 ありがとうございました。続きまして、三陸ジオパーク認定ガイドの伊藤実知子さんです。 

伊藤 実知子
 伊藤と申します。山田町で三陸ジオパーク認定ガイドとして務めております。本業の方は行政書士でして、そちらと並行して務めております。
 主にジオパークの方で解説しているのは、豊間根川チャートシーケンス、それからオランダ島などの内容ですけれども、現在は主にこのようなガイドブックをツアーのたびに作って、ひとつにまとめる仕事などもしております。山田町、大槌町のあたりですと、使われている資料が、残されている自然の資料などが非常に古いものが多く、町の人たちも知らないことが多いです。それを一度形にしてまとめ直して、皆さんが説明できるようにしようというのが一つ。それから民俗資料、今でも豊間根とか山田の方で例えば講とか風習が残っていて、いろんな、オシラサマとかの風習も残っているわけですが、そちらがどんどん失われつつ、やめられつつありますので、そちらの記録を残す活動を一人で少しずつ進めております。以上です。どうぞよろしくお願いいたします。

小野部長
 ありがとうございました。続きまして、岩泉ホールディングス株式会社、執行役員 営業販売統括本部長の佐々木康幸さんです。

佐々木 康幸
 おはようございます。ただいま御紹介いただきました佐々木でございます。
 まずなぜこのポジションにいるのかということを簡単にお話しします。学生時代は札幌で過ごしまして、そのあと28年間、東京の企業、コナミという会社で働いておりました。縁がありまして、震災後に5年間、岩手県職員としてこの宮古地域で農業振興に携わりました。そのあと、一旦東京に戻りまして、流通大手のイオンでちょっと仕事をしておりましたが、県職員時代に縁がありました、弊社の(社長の)山下から声をかけてもらい、また、岩泉に戻り今、岩泉ホールディングスの全ての事業に横串を差して統括をしています。そのような形で、乳製品から、産業開発、特産品、その他もろもろ、何でも屋ですが、やっております。
 今日はお招きいただきまして、ありがとうございます。

小野部長
 ありがとうございました。続きまして田野畑村地域おこし協力隊の中野渡和也さんです。お願いいたします。

中野渡 和也
 おはようございます。中野渡です。
 以前は、会社員として一般企業に勤めていたんですけども、青森県青森市から夫婦で田野畑村に移住してきまして。そのきっかけは、今後何をどうしていこうか、人生に迷っている中で、何かに挑戦してみたくて、店舗を構える、起業するなど、いろいろ考えていたところ、岩手県の山林、山などを活用した、そういった事業に魅力を感じて検索していく中で、山地酪農(やまちらくのう)ということで、夫婦で一緒に研修をしつつ、今、田野畑地域おこし協力隊で、2020年12月から着任いたしました。
 今5軒の酪農家さんのもとで、研修などを行ってるんですけども、今後、自分で農家をどんどん増やしていける、こういった発信をしていきたく今回参りましたので、よろしくお願いいたします。

小野部長
 はい。ありがとうございました。県からの出席は達増知事、そして私の隣、沿岸広域振興局の小野寺副局長でございます。よろしくお願いいたします。
 また、本日は、宮古選挙区選出の県議会議員のお二人にお越しいただいておりますので、御紹介申し上げます。伊藤勢至議員でございます。

伊藤 勢至議員
 
よろしくお願いいたします。

小野部長
 
そして城内よしひこ議員でございます。

城内 よしひこ議員
 
よろしくお願いいたします。

小野部長
 
本日はありがとうございます。

懇談

写真:懇談会の様子2

<テーマ>
持続的に発展する三陸を目指して

小野部長
 それでは、皆様のお手元にお菓子と飲み物を準備しておりますので、お召し上がりになりながら、懇談いただければと存じますのでよろしくお願いいたします。
 まず、小野寺副局長から、本日のお菓子の御紹介。そして、懇談テーマの御説明をいたしますので、どうぞお召し上がりになりながらお聞きいただければと思います。よろしくお願いいたします。


小野寺副局長
 副局長の小野寺でございます。どうぞお召し上がりになりながら、お話を聞いていただければと思います。
 まず本日のお菓子でございますけれども、「山田ひゅうず」という商品でございます。これは山田町に令和2年に設立されました、障害者就労事業所菓子工房じょぶさんというところで製造されたものでございます。三陸の郷土菓子でひゅうず、皆様御存知かと思いますけれども、くるみと黒砂糖を練った餡を小麦粉の皮で包んで茹で上げるというものですけれども、この商品は、モチモチの米粉を使っており、そして、食べやすい一口サイズになってございます。とろっとした黒糖風味の餡が出てきまして、風味が後味がおいしい新しいスイーツだということでございます。噛んで見ると素材の味が味わえまして、食感もすごく楽しめる感じになっておりますので、ぜひ食していただければと思います。
 それから、お飲物でございますけれども、龍泉洞珈琲ブラックでございます。これ、本日御出席の岩泉ホールディングスさんの佐々木康幸様の方の商品として販売されているものでございますが、やはり龍泉洞の水、ミネラルの含有量が豊富だということでございまして、それと相性がよくあう5種類の豆をブレンドした、無糖の缶コーヒーでございます。口の中に広がるさわやかな苦味と、それから香ばしい香り、これ龍泉洞珈琲ならではのものではないかと思います。本来であればヨーグルトですとか、ジェラートですとか、ほかにも御紹介したい商品がたくさんありますけれども、本日は大変申し訳ございませんが、御容赦いただければと思います。後程私も道の駅に行って食べたいというふうに思っております。
 それから続きまして、懇談会のテーマの御説明でございます。引き続き食べながら飲みながらお願いしたいと思います。本日の懇談テーマは、「持続的に発展する三陸を目指して」でございます。これは「いわて県民計画(2019~2028)」におきまして、新しい時代を切り拓くプロジェクトというのが11掲げてございますけれども、その中の一つに三陸防災復興ゾーンプロジェクトというものがございます。
 この三陸防災復興ゾーンプロジェクトでございますけれども、地域産業の振興、それから交流人口の拡大などを通じまして、三陸地域が持続的に発展することを目指していくプロジェクトでございます。
 そしてこの懇談テーマは、このプロジェクトの目指す姿から引用してきたものでございますけれども、本日の出席者の皆様でございますが、国内唯一の新技術によるものづくりをなさっていたり、或いは地域資源を生かした特徴的な商品開発をなさっていたり、或いはジオパークに関わる記録をつくりながら、地域への普及、交流人口の拡大につなげる活動をなさっていたり、そして事業承継による新規就農を目指した活動を行っている皆様でございます。
 まさに皆様の各分野での多様なすばらしい取り組みが、このゾーンプロジェクトの目指す、持続的に発展する三陸に繋がっていくのではないかと、いうふうに考えております。従いまして本日はまさに皆様が取り組んでいらっしゃる内容をそのままお話いただくことで、この持続的に発展する三陸のイメージと、それから未来に向けた希望というものを共有することができるのではないかというふうに考えております。そして私どもも改めて学ばせていただきまして、何か御一緒できることがないか、そういったことを考えていきたいというふうに思っておりますので、どうか率直なお話をお聞かせいただければ、幸いでございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。

小野部長
 はい。以上、お菓子の説明、飲み物の説明そして懇談テーマについて小野寺副局長の方からお話いただきました。お手元の方に、温かいお茶もございますし、ブラックコーヒーおいしいのもございます。ぜひお菓子を摘みながら、懇談を進めて参りたいと思いますし、お話をいただければと思います。
 それでは早速ですが、懇談に入らせていただきます。ここからは、本日のテーマ「持続的に発展する三陸を目指して」に沿いまして、今の取り組みや課題、そして今後の方向、皆様御自身の抱負、県への期待なども含めてお話を伺えればというふうに考えております。先ほど自己紹介いただきました順番で、まずは小西さんからお一人大体5分程度でお話しいただければと思います。お一人ずつお話をいただいた後、知事の方からコメントをしていただくという形で進めて参りますので、よろしくお願いいたします。それでは早速ですが小西さん、よろしくお願いいたします。

小西 英理子
 改めまして、小西鋳造の小西です。よろしくお願いいたします。
 今回のテーマについて、製造業、とりわけ、鋳造業の視点から考えてみました。まず初めに、弊社でのこれまでの取り組みについてお話させていただこうと思います。
 鋳造では溶かした金属を型に流し込んで製品を作りますが、その型を取る際に製品と同じ形をした木の模型、木型を砂に転写して型をとります。弊社では現場の職人が手作業にて型を取っておりましたが、非常に重労働な作業でございます。
 また、製品の注文を受けるたびに木型を外注加工しなければならなくてコストがかかる上、年々木型が増えていくことになり木型の管理問題だったり、保管場所の確保など問題がございました。弊社には、木型を保管する倉庫が6棟ございますが、そのうちの4棟が東日本大震災で流出し、大きな被害を受けました。そのあたりから、木型を使わないで鋳造用の型を取る技術を開発できないかなということを考えるようになりました。
 また鋳造業は“きつい汚い危険”の3Kの職場の典型でございまして、女性の就業者数も少ないです。その業界の中で1女性として働き始めてから、男女問わず誰もが働きやすい職場、そして製品を通して、顧客、自社、そして社会にメリットをもたらす技術を作れないかと考えるようになりました。
 その際に着目したのが、先ほどお話しした、木型を使わないで、重労働を伴わないで鋳造用の型を取るという技術です。この技術開発に2016年より岩手県工業技術センターと取り組みまして、2019年に事業化、そして昨年は東北地方発明表彰で文部科学大臣賞、日本鋳造工学会の技術賞をいただきました。
 その内容といたしましては、3Dソフトを用いて型の設計、そして型の加工用のプログラムを作り、そのデータで機械を制御して型を加工するというもので、簡単に申し上げますと、型の加工をデータ化、そして機械化するという技術です。DXにも繋がる技術でございます。
 それを現場に導入したところ、労働環境が改善したほか、コストの削減、納期の短縮、そして製品精度の向上に繋がりました。
 また、データの作成という部分を私が担当しておりまして、ものづくりの最前線で女性が活躍できる技術ということで、今後の社会においても期待できるものなのではないかなと思っております。
 前置きが長くなりましたが、今回のテーマ「持続的に発展する三陸を目指して」ということに対して、以上のことを踏まえて私が考えるのは、まず、やはり人の定着というのが非常に重要だと思います。三陸は自然が豊かで多様な観光資源もあり、とても魅力的な地域ですが、人口減少や都市部への人口流出などの問題は深刻です。地域の発展ということを考えると、やはり人の力があってこそだと思います。その人が定着するにも、やはり産業が元気なこと、魅力的な働く場所があることだと思っております。働く場所をつくる。それは雇用を生み出すこと、そして地域経済を活性化させることだと思っております。
 そのためには個々の働きかけというのも重要ですが、やはり連携というのが重要ではないかと思っております。産学官でしたり異業種間での連携を深めて、地域全体として産業を元気にしていく必要があるのではないかと思っております。これを踏まえて、最後になりますが、弊社としての今後の目標ですが、地元の方々にとって働きやすい、働きがいがあって働きやすい職場をつくること、そして地方中小企業でありながら日本で唯一の技術を持っていたり、鋳造業でも珍しい分野を手がけている技術開発に積極的な点などをPRして、県外の方からも興味を持ってもらって人を呼び込むこと。そして事業の方向性といたしましては、これまで以上に県の公設試でしたり大学などと連携を強化し、技術力を高めて、ニッチトップ企業、もっと言えばグローバルニッチトップ企業に成長し、事業を通して三陸の持続的な発展に貢献していきたいと思っております。以上です。ありがとうございます。

小野部長
 ありがとうございました。それでは、知事、いかがでしょうか。

達増知事
 
はい。人の定着のために、産業があって雇用があってというところで、製造業は、やはりこの安定していて、非常にありがたいところでありまして、小西鋳造さんで、この3Dデータで、機械化した、この鋳造ができるようになったって本当によかったと思います。
 その際、県工業技術センターを活用してもらってですね、本当によかったと思います。産学官の連携が大事というのは本当その通りだと思いますし、あとは異業種で、岩手沿岸地方も、この産業の場、ものづくりの場として、結構いいんだよということを、チームとして、地域、全体としてアピールできるのが大事なんだと思いますね。思えば東日本大震災からの復興の柱の中に、そういう製造業ものづくり産業の再生、そして発展というものがあったわけでありますので、それがこんなふうにうまくいってますよというようなことは、復興を発信するというところで全国に発信したいと思いますし、あとはこの沿岸地方の、この新しい魅力の中でも紹介し、そして、ここで生活しここで働きたいという、そういう流れをさらに加速していきたいと思います。ありがとうございました。

小西 英理子
 ありがとうございました。

小野部長
 
ありがとうございました。小西さんのお話で、未来のグローバルニッチトップ企業を目指すというのが何だかとっても明るい未来が見えるような気がいたしました。ありがとうございます。
 それでは続きまして、伊藤さんの方からお願いいたします。

伊藤 実知子
 よろしくお願いいたします。現在、三陸ジオパークの認定ガイドとして、主に三陸鉄道さんや山田町のジオ散歩の企画などで(ガイドを)やっております。私自身はもともと山田ではなく、大槌の出身です。震災を機に、母の地元である山田町の豊間根に移ったのですけれども、子供のころから豊間根の方に預けられたりしながら育ってきまして、豊間根の例えば、自然、それから、生活スタイル、民俗、そのようなものに深く触れて育ってきました。 
 大学は金沢に行ったんですが、そこで私、石が好きなもので、川原にまず石を拾いに行きました。そしたら一つ気づいたことがありまして、山田町のジオガイドブックの方の豊間根のところ、12ページの一番上についている写真、白い結晶が入っている青緑の石ですね(注:斜長石閃緑斑岩(しゃちょうせきせんりょくはんがん)の写真)。こちら、豊間根に行けばそれこそ河原にいっぱいありますし、大きさがちょうどいいので、漬物石などによく使われてるものなんです。見つけやすいしはっきりして綺麗なので、子供がよく集めてきたり、地元の人が拾ってきて玄関先にバッと並べていたりする石です。ところがこれが金沢に行くと、なかったんです。全くない。それでちょっと気になって調べてみましたところ、この石は釜石から宮古のあたりまでしかあまり分布してないみたいなんです。とりわけ、豊間根の、この玢岩(ひんがん)と言いますけれども、これだけ結晶が大きく明瞭なものというのはない。県立博物館にもサンプルがあるということが分かりまして、地味にこれはすごい面白い石なんだなと思っていたんです。そうしましたら先日、元産総研(注:国立研究開発法人産業技術総合研究所)の地質研究所の先生が、これはすごく面白い石だからねっていうことで、念を押されまして、いろんなところで紹介させてもらってます。そのような、自分の足元にちょっと面白いものが三陸というのはたくさんあるんです。それを一つずつ(掘り起こして)。だけども皆さん、地元に住んでいる人だと全く知らないんです。こんなものがあるのかと、はい。だけども、そこでよく言われるのが、三陸、うちの地元には何もない。何もないんじゃなくて、皆さん知らないだけなんだと。そこを一つ一つ掘り起こして、解説なり、そういう風なことができるように作っていけば、特にガイドをしていると、こんなことがあるのか、面白いねと言ってくれる人が非常に多いんですね。それを今度どうやってつなげていくか、なんです。なので子供にもまず地元の知識をつけてもらって、子供がやることになると大人も巻き込まれてきますし。そのような形で広めていくことが大切かなと思います。
 あと、やはり三陸の地形や風景というのは非常に美しいし、好きになる、好きになってくれる人が結構いるんです。で、何度も、一度好きになってくれた方は何度も足を運んでくれる。そのような交流人口を増やすことを目標にやっております。
 あとは震災後に、防潮堤、それから開発が進みまして、なくなってしまったものも結構あります。高齢化が進んで、生活スタイルが変わって、私の身近にあったはずの民俗、文化、そういったものがどんどん失われつつある。おそらくもう今の70歳代80歳代の人が亡くなったらば、例えば講とか、それから風習、そういったものはもうほとんど消えてなくなってしまいます。それが今、なくなるまでにまとめあげて残すことができれば。今すぐではないです。10年20年後に、もしかしたらそれに興味を持って、こちらに来てくれることもある。私自身が昭和40年代にまとめられた、豊間根の民俗の資料の本がたまたま祖父の家にありましたのでそれを読んで、民俗のことは面白いと。遠野物語にそこから入って、そうしたら遠野物語の方の内容って結構沿岸の話が出てくるんですね、田の浜の話とか、山田の話とか、いろいろつなげられる。そこで興味を持って歴史を見ていくと、今度は定置網、そちらが山田、船越の周辺で発達していたので、明治の津波とか、昭和の津波の時も、定置網の網人(あみと)さんたちが、亡くなった家の跡継ぎに入ったり、お婿さんに入って、家を継いでくれたっていう例が出てくるんですよ。なので、交流人口を、とにかく岩手県内、それから岩手県外、そこを増やしていくと定着していく人も増えてくだろうと思いながらいろいろやっております。
 でも一番まずやっているのは、古い記録、それから今残っているものの確認、それのまとめです。まだなかなか進んでおりませんけれども。とにかくまず残すこと、それを考えて活動してます。拙い内容でございますけれども、そのような形で進めております。以上です。

小野部長
 ありがとうございました。知事の方からお願いいたします。

達増知事
 はい。豊間根についてそのくらい詳しいし、さらに詳しくなろうとしている方がいるというのは、非常に心強くて、ありがたいことであります。この斜長石閃緑斑岩ですか、これは、なるほど、こういうのがあるんだなと、改めて気づきました。この三陸は、古くから陸中海岸国立公園として、全国に名立たるこの自然の美の場所で、今は三陸復興国立公園ということでですね、もう岩手の北の端から南の端まで、隣の県にも跨って国立公園になっていますので、もう至るところ、見所なわけでありますね。そして、このジオパークなんですけれども、「ブラタモリ」というテレビ番組がありまして、「ブラタモリ」はジオとか、ジオパークとかいう言葉は全然使ってないんですけれども、あれでやってるのが、この地質とか地理とかで、そこの行く先々の生活とか産業とか、歴史の謎を解くっていうようなことをやっていて、やはり地質とか地理っていうのが、このエンターテイメントとして成り立つというのを番組は証明してくれていて、非常にマニアックなチャートとか、そういう言葉もですね、結構「ブラタモリ」の中を見てると、これはチャートですねとか、エンターテイメントとして成り立つので、やっぱり岩手に住む者として、そのくらいの用語は自由に扱えるように、全てを自由に扱うのは難しいんですけれども、自分の得意分野とか、得意技とかを持って、地層には強いとか、火山関係には強いとか、そういうことで、コミュニケーションが豊かになりますしね、訪れてきた人たちとのコミュニケーションにもいいですが、ずっと地元に住んでいる者同士でも、伊藤さんおっしゃった通り、これ知らないとか気が付いてないということがあるので、そういうコミュニケーションを豊かにするためにも、このジオパークというのは大事だと思っています。より複雑で、一筋縄でいかないのが文化、民族の方だと思いますね。そっちの方はなかなかパッと見て分かるわけじゃなく、石のように触ったりできるようなものでもなく、人の話を聞いたり本を読んだりとかしないと見えてこないところがあるんですけれど、やはりすごい大事なんだと思います。岩手沿岸地方は、意外な豊かさが、江戸時代はあったんじゃないかと思っておりまして、三閉伊一揆、もう何万人も人が動いてですね活動する。それを支えるには、よほどの経済的な基盤がないと、大勢の人が、そういうことできないので、内陸地方のいろいろ飢饉で大変だったとかっていう話の連想の延長として、沿岸はもっとひどかったに違いないというイメージが雰囲気としてあるわけですけれど、でも実態としては、内陸の方でよく知られてない間に、海の方の交通を活用しながら、日本中と繋がって、かなり稼いでいたし、豊かなコミュニケーションも広範囲に行われていたんじゃないかと思いますね。そういうところから講とか、いろんな宗教、伝統的なコミュニティーとか、非常に興味深いものが発展していたんだと思うので、そちらの方も、県立博物館とか地道にそういうのをやってる人たちもいますけれども、地元にそういう人がいるというのは非常にありがたいことですので、さらによろしくお願いしたいと思います。

小野部長
 はい。ありがとうございました。「ブラタモリ」豊間根版の時にはきっと伊藤さんが出演されるんじゃないかと期待しております。それでは次に佐々木さんからお願いいたします。

佐々木 康幸
 はい、まず最初にこちらにいる皆様、県の皆様、市町村の皆様、当然国の皆さんにもそうなんですが、台風10号で私共の会社、未曾有の災害を受けました。お近くの老人福祉施設では尊いご老人の皆さんが亡くなられて、本当に大変なことになりました。当然、3.11のときも、三陸沿岸の皆様本当に大変な苦労をされて、私はその時東京にいましたけども、遠くから見ているだけでこちらに来まして、被災地の跡などを見て、本当に心を痛めました。その時に台風10号で皆様に助けていただかなければ、本当に今のうちの会社はなかったということで、御礼を申し上げたいと思います。本来であれば、1年間もヨーグルトの乳製品の棚が空けば1年後にはい復活しましたよと言って、全てが入るかっていうと、もう普通、その商品では考えられません。ところが、岩手県の販売店の皆様はうちの棚を空けて待っていて頂きました。
 それから、龍泉洞の水を使った化粧水ですが、幸いにも泥をかぶりましたが、生き残ったのが何千本かありましたが、川で洗いましてそれを企業の皆様、県民の皆様に買っていただき本当に助けて頂きました。本当にそこが、第2のスタート地点じゃなかったのかなという風に今思っております。本当にこの場をお借りし、社員になり代わりまして御礼申し上げます。
 今日のテーマなんですが、持続可能ということで、いろいろとどんなことなのかなあっていうところを考えてみました。先ほどちょっとお話しましたが、私、一旦、民間企業から、弊社の山下に声をかけていただいたときにやはり、こちらに来るのも、一旦逡巡はしましたけども、その時に、山下に質問をしました。やはり、今、岩手県はアルミ(容器)のヨーグルトの市場というのは、全国唯一なんですね。他の県に行きますとアルミのヨーグルトのはほとんど並んでいません。岩手県だけなんです。本当に(商品の)選択肢があれだけ多いと、当然それを見て県民の皆さんは知っていますから、特許関係とか、権利関係っていうのを押さえなかったんですかと。当然私もその民間企業で生き馬の目を抜くような世界で、競合だとか、他社を出し抜いて売上を上げる、それから、差別化とかっていうような世界に暮らしていましたから当然そういう質問したんですが、その時に社長が、いや、違うよと。うちがそういうことをしなかったおかげで、岩手県内でのアルミの袋のヨーグルトの市場が広がったでしょうと。正しいやり方かどうかはわからないけど、そういう競争、いい意味での競争をしながら、品質向上とか、新しい商品を作っていくっていうのがうちの会社の考え方だと。それを聞きまして初めて要はそういう話を聞くわけです。こういう考えがあるんだなと。もし仮にそこでうちの会社が(権利関係を)押さえていたら、たぶん、今もっと大きくて儲けているかもしれません。ただ、成長はないだろうと言っていました。甘んじて、その成功に甘んじて、ずっとその流れでいっていたんじゃないかと、今うちの会社があるのが、そういう、他社さんとの正しい競合、競争の中で、うちが品質を維持して新しい商品を作り上げてきたものだと思います。
 だから、逆にこの持続可能性っていうところはそういうところにあるのかなと。要は、一社で押さえてしまうんじゃなくて、皆さんで正しい競争をしていって、買っていただく方には選択肢が多い、その中で選んでいただけるものっていうものを作っていくんだぞと。ですから、そういう話を聞いたときに、もう1回じゃあ岩手に戻ろうかということで、決断したのを思い出しながら、あ、なるほど持続可能性ってのはこういうことなのかなと、いうところを、今ふと思っています。
 それで今、当然、うちの会社は乳製品が主力になりますので、ヨーグルトと、それから飲むヨーグルト、元々牛乳の会社でしたけども、付加価値を付けてということでヨーグルトに転換をしていって今の現在があるということですので、当然、やはりそこは伸ばしていかなければならないと。そのバックグラウンドにはやはり生産者の皆さんがいらっしゃるわけで、自分も、生産者の方何軒かを1か月に1回ぐらい顔出して、どうですかとか、いろんな話を聞いていますと、やはり餌の高騰とか、そういう話も聞いていますが、やはり皆さんそれなりに頑張ってらっしゃるなと。ですから、これから本当に予断を許さない時代になってきていますし、ぜひその辺は、県の皆様や国の皆様に頑張っていただきたいなというところは思います。
 今、当然、乳製品以外にも、龍泉洞の水という宝物があります。その水で何ができるのかなということで、化粧水シリーズ、それからオーラルケア、歯磨きとか、マウスウオッシュ、炭酸水、それらのものを作って世にどんどん出しています。うちの会社が今110人ぐらい。子会社の2社を含めると300人強の従業員がいます。当然ほとんどが岩泉町、それから田野畑村を含め外の人間が私を入れてまだ十数名。そういう状況の中で、1人当たり今2,000万円ぐらいの売り上げがあります。要は、売上が倍になればあと100人雇用が増やせるかなと。第三セクターという会社の使命の一つとして、やはり地域に根差すということもありますし、売上を増やすことによって、雇用も増やせるかなと、やはりそれも一つの使命というふうに思っています。
 ですから、そこは山下から引き継いで本当に今、部下の人間達にも話していますし、自分達の背中には、町民の皆様、県民の皆さんがいらっしゃるっていうところをしっかり見てやれよと言っています。あまりこんなオフレコですけどこんな話をすると、じゃあ山下の後狙ってんのかとかって言われますんで、ここはちょっとオフレコにしておいていただきたいんですけども、まあそれは冗談ですが、やはりその会社の礎を作って、次の人間につなげていきたいなというふうに思っています。あと、皆さんご存知の通りジェラートですが、順調に岩泉、ViTO×IWAIZUMI(ヴィト・クロス・イワイズミ)の1号店が成功しましたので、いよいよ2号店、2024年盛岡に出店、その後、仙台、札幌といろいろ出店の方を考えていますが、当然一生懸命売って、お客様にたくさん来ていただいて、牛乳をたくさん使って、酪農家の皆様に、いっぱいお金を還元すると。当然そこについて雇用も増えますので、そういうふうにして頑張っていきたいなと思っています。あと一つ新しい取り組みとしましては、今年から新商品の開発チームという部署が初めてできまして、昨年、プレゼンをしました、ふるさと創生事業(注:一般財団法人地域総合整備財団(ふるさと財団)「ふるさとものづくり支援事業」)に採択をされまして、今、活動を始めています。これは岩泉のもう一つの宝である畑わさびを、これが原料としては、国内シェアをたくさん持っているのですが、畑わさび自体の知名度っていうんですか、これほぼゼロなんです。ですから、何とかこの小さい一歩ですけども、商品を開発して、世に出したいなと。来年度から製品化をして、知らしめていきたいなというふうに思っています。成功するかしないかというのはまた別の話なんですが、バタフライ効果じゃないですが、まず小さな一歩が、5年後には本当に10万本売れているとか100万本売れているとか、そんな世界にしていきたいなと思っています。長々と申し訳ございませんが以上でございます。 

小野部長
 
ありがとうございました。それでは、知事の方からお願いいたします。

達増知事
 アルミパッケージの特許を取らなかったという話は、なるほどな、でありまして、おかげで岩手はアルミパッケージに入ったヨーグルトがたくさん生産され、そして、ヨーグルト生産自体が非常に盛んになって、田野畑の方もそうだと思いますけれども、豊富な選択肢の中から、どんどん消費者が選んでですね、たくさんヨーグルトを食べることができるようになっているので、それは県民の健康にも非常にいいんだと思いますね。
 昔、ブルガリアヨーグルトが日本に入ってきて、そこから日本におけるヨーグルトの食べ方ががらっと変わったわけですが、当時はブルガリアはみんなこれを食べてるからご長寿だという、長生きするためにヨーグルト食べようみたいなところから始まったのを思い出しますけれども、そういう効果が岩手全体にあるんだと思います。
 そして、本当にいろんな製品を開発して世に送り出し、龍泉洞の水の化粧水は、私も髭剃り後に愛用して、今朝もそれを塗って出てきていますし、この間のジェラート新工場お披露目パーティーでいただいた歯磨きも今使っているんですけれども、いいですね、ああいう、こう、なんか普通の練り歯磨きと違う歯の隅々にまで浸透していくような感じが気持ちよく、使っています。
 日経トレンディという雑誌が、年末に今年1年何が流行ったか、そして来年1年何が流行るだろうかというのを特集し、毎年それを読むのを楽しみにしているんですけれども、そこで紹介されているようなものを毎年どんどん新商品として出してるような、岩泉ホールディングス、非常に、日本全体、世の中の商品のニーズに的確に応えているんじゃないかなと思っております。
 アルミパッケージの話に戻ると、町長さん、代々考えてるのは、やはり、この9,000人、1万人でもいいんですけど、その人たちがちゃんと稼いで生活をしていけるようにする。今、少なくなって9,000人くらいですが、1万人以上でもそこはもちろんいいわけですけれども、それがやっぱり岩泉ホールディングスの目的で、というのは、企業というのは、理屈から言えば、利潤を最大化しながら再投資し、そして、その投資してまたさらに、収益を上げるというのは、もう無限界青天井というのが理屈の世界で、それでどれだけ巨大になれるかというのを生きがいとするような、アメリカ型の企業は、大体そんな感じなんですけど、でもそれをもろに貫いていくと、地方の誰一人取り残さないというような、地方自治の論理とはちょっと正反対の方向に発展するんじゃないかと思いますね。でも、経団連も最近は、経済同友会もですけれども、新しい資本主義とかいう掛け声もある中、地方との共創、共に創るの共創ですけれども、この地方自治の現場、地方自治体や地方の中小企業と協力連携しながら、その地方の生活や経済が良くなるようなことで実績を上げていかなきゃということに力を入れていて、だいぶ教科書的な経済の論理だけじゃなくて、社会貢献といいますかね、SDGsもそうなわけですけれども、誰一人取り残さないというような感覚に、企業も参画してかないと企業として存在が許されないんじゃないかという感じに、大企業も今こうなってきているところでありまして、岩泉ホールディングスはそういうのも、先取りして自然体でやっているというところだと思いますのでぜひその調子で発展して欲しいと思います。

小野部長
 ありがとうございます。岩泉の人と資源を大切に生かして、新たなトレンドを創っていくといったこと期待しております。それでは続きまして、中野渡さんの方からお願いいたします。

中野渡 和也
 はい。まず、自分がなぜ農業に着目したかっていいますと、全く自分の実家も妻の実家も農家さんとは関係は離れてるんですけども、非農家出身でもチャレンジできるよっていうのをちょっと皆さんに見せたいなっていう、ただ自分の心意気で挑戦してみようって、今、挑戦しているところなんですけども、全体を見ていますと、農業全体が衰退しているこの世の中で、なぜ衰退してるのかといいますと、やっぱり、後継者不足だったりとか、そういった問題とかで取り上げられて。だんだん資料によりますとちょっと田野畑の資料を見たんですけども、昭和50年、約35年、40年前なんですけども、耕地面積が900ヘクタールあったところが、今だともう350とかに激減したりとか、農家さんも800軒あったところが、今200軒前後になっていると。もう激減している中で、着目したのが山地酪農っていうことで。
 なぜ山地酪農っていうと、理学博士猶原恭爾(なおはらきょうじ)博士が、牛を山に放牧することによって生産できるっていうのが山地酪農となりまして。牛はそもそも草食動物であって、穀物飼料とか配合飼料とか、そういったものは食べないということで、今の世の中輸入穀物だったりとか、そういったものにちょっと頼りがちで生産重視になっている世の中でして、陰ではちょっと悪いとは言わないんですけども、牛はそもそも草を食べる動物なので、山に放して自生している野草だったりとか、そういったものを食べさせて、牛を健康に保って。あと、山全体を、保全活動って言うんですか、山を一緒に守るというか。それらが山地酪農と言いまして、今、全国では山地酪農がだんだん増えてきてるんですけども、田野畑村に2軒がございまして、自分もちょっとお話を聞きに行って、これだっていう形で、夫婦でちょっと門を叩き、お話を聞き、研修に至ってるところなんですけれども。やっぱり、ほかのその酪農家さんと山地酪農家さんと、他の牛舎飼い酪農家さんを見て回ってるんですけども、牛舎飼いの農家さんの牛は、ばんばん食べるので、穀物飼料だったり配合飼料だったり、結構ばんばん食べるので、牛全体もすごい大きくなって、(牛乳が)出る量も、山地酪農家さんに比べれば3倍近く出てるので、生産重視では全然問題ないと思うんですけども、そこにやっぱり、見ていると牛がそこにずっと居て、朝晩ご飯食べて、牛乳出して、そこで寝て、立って、食べて飲んでの、その繰り返しなので、どこにも移動することができなくて。やっぱり、健康状態だったり、牛にちょっと病気が増えてるので、農家さんの話を聞くと、事故だったりとかが、山地酪農家さんに比べれば運動してないから、食べてばっかりだから事故が大きいということで。やっぱりいっぱい牛乳を出して、生産したいんですけどもそういった事故とかで、いろんな経費とかがかかって、難しい状況だということを聞きまして。それに比べ、山地酪農のメリットっていうのは、山に放牧して、飼料費だったり、施設だったり、機械費だったりとか、コストを下げられる、低減されて、あと、一番がふん尿処理ですね。牛舎飼いで飼っていると、やっぱりどうしても糞尿がすごい溜まって、処理がちょっとできないっていう、それもちょっと問題だなと思いまして。山に放牧していると牛が勝手に山に糞尿をして、それがいい土になって、草が生えて、牛がそれを食べて、生産、牛乳になるっていう生産、循環型でして、それが猶原恭爾博士が言っている、中間山地を利用した酪農家を目指せるっていうことで、山地酪農っていう普段の牛舎飼いで飼っている酪農家さんとちょっと違うところでして、自分もそれに共感して、今に至るんですけども、やっぱり研修してる中で、全然違うんですね、牛の毛並みだったり、健康状態だったりとか、山地酪農家さんはちょっと他の方と見られると、どうしても短期間で見るとコストがかかり過ぎっていう形で見られがちなんですけども、長い期間で全体を見れば、その1リットルに対してのコストが低く見えてまして。これが、あまり証明されてないっていうのがちょっと自分も引っかかる部分でして、自分もやってみて、どんどん農家さんが増えてくれればなという意味で、自分でもできるよ、誰でもできるよっていうことで、今、ちょっと挑戦しているところです。

小野部長
 はい、ありがとうございました。それでは知事、お願いいたします。

達増知事
 はい、こういう、そういうタイプの酪農としては、奥中山ジャージー牛をやってるのが、かつて愛知県の方に住んでいた若い夫婦が、日本のどこかで酪農をやりたいということで、いろいろ調べた結果、岩手県がいいというふうに判断して、岩手にやってきて、一戸町奥中山で、このジャージー牛の、あれも山地酪農の一種というとこがあるんですかね。で、金のヨーグルト、金のジャージーヨーグルトとか、というのを生産してるんですけれども、岩手がそういうふうにどんどん全国から志ある若い人たちがやってきて、そういう自然に根差した酪農をする場になってくれれば非常にいいんじゃないかなと思います。
 肉牛の方では短角牛という、やっぱり放牧しながら育てる、山を歩かせて草食べさせながら肥育する肉牛の方もありますし、そういうのがどんどん岩手で盛んになればいいと思いますね。
 そして、農業は、担い手の数が減り、また、面積も減るような傾向があるんですけれども、1人当たりの面積は、増える傾向にありますし、1人当たりの生産量も増える傾向にあるということで、もちろん1人当たりも増え、また人数も増えれば、それに越したことはないんですが、構造的に人口減少っていうのはやっぱり日本中で起きてることですので、そういう中にあっても1人当たりの規模が拡大し、また1人当たりの収入が増えていくようであれば、いいと思っておりますので、ぜひそういう方向で成功していってもらえばいいと思います。
 県の方でもそういう農業を、特に若い人たちの農業については、応援しながら、また支援が必要な場合には支援をするような形でいきますので、何かあれば県の方にどんどん相談してほしいと思います。

小野部長
 はい。ありがとうございました。
 これまで4人の皆様から、ひと通り「持続的に発展する三陸を目指して」といったテーマに沿ったお話を頂戴いたしました。まだ時間が少々ございます。先ほど言い足りなかったこと、そういえばこれはちょっとしゃべりたかったなといったこともあるかと思いますし、あるいは皆さんのお話を聞いてですね、懇談全体を通してこういうことをちょっと思ったなあとかね、そういったこともあるかと思いますので、ぜひテーマに関わらないことでも結構ですので、何かございましたらどうぞご自由にお話しいただければと思いますが、いかがでしょうか。何か、小西さんいかがですか。

小西 英理子
 皆様の貴重な話を聞けて今日は大変刺激になりましたし、今後、頑張っていこうと思いました。
 先ほど、開発した技術について申し上げましたけれども、開発したばかりで、まだ弊社では女性技術者というのは私しかいないんですけれども、そして業界としてもまだまだ、男性社会といった業界ですけれども、パソコンがあればこのデータの作成というものができて、最新鋭の技術を使ってものづくりの最先端で、誰もが活躍できて、それと在宅勤務も可能な職種になりましたので、そういった、若い女性だったりとか、子育て世代の方々にも、今後、ものづくりの最先端で活躍していただきたいなと思っておりまして、この地域からそういった女性を増やしていければっていうのも今後の私の一つの目標と思っております。

小野部長
 ありがとうございました。
 やはり岩手県全体、それから沿岸、やっぱり女性の皆さんが輝いて活躍できるといったところがとっても大切だと思います。本当に県としてもですね、様々取り組みを進めていかなければいけないというふうに思っております。ありがとうございます。その他、何か・・・。佐々木さんからどうぞ。

佐々木 康幸
 はい、新しい取組としまして、今、地域おこし協力隊で頑張ってらっしゃると言われて、本当に志の高い方たちが、今岩泉町にも入ってます。これも持続、SDGsの一環の一つなのかなと思うんですが、地域おこし協力隊の3年間ですね、3年間で培ってきた資源ですか、その資源を持って、うちの会社はその方を採用したいと。で、新たなその資源を事業化して、あと事業部なり組み込んで、それを続けていくという考えも一つあります。
 それから、今年からですね、間もなく募集が始まるんですが、新しい構想の中で、地域おこし協力隊の制度を使わせていただきまして、応募をしてきた方を弊社の社員として雇用します、3年間。それで、外部へ研修に出ていただいて、技術、それから資格を習得していただいて戻ってきてもらって、そのまま働いて新しい事業として組み立てていただくっていうことが間もなく始まります。
 一つは例として、もう一つ。岩泉町というのが不動産屋さんがないんですね。それで、やはり相対とか、私も東京から来てですね、家を探すのにすごい大変で、本当に針の穴を通すような形で、この方、この方、この方を繋いでアパートを見つけてもらったっていうのがありまして、たまたまうちの社長がそのうちの社員に、宅建を取らせて、要は、事業として不動産事業っていうんですか、そういうのも起こせないかっていう話の時に、その地域おこし協力隊の制度を使わせていただいて、要は3年間で宅建を取得していただいて、道の駅の中に不動産部、その中でアパートの取引とか、土地の媒介とか、そういうものができないかなということも考えております。
 今回募集するのは、ワインの醸造、栽培関係ですね、そちらの技術を習得していただいて、それを新たな事業化できないかということで、それも一つの持続可能性と考えれば、三セクの使命の一つとして、定住人口を増やせるんじゃないかなということで今進めています。何とかうまくいって欲しいなと思ってるんですが、そこも、成功をさせていきたいなと。

小野部長
 ありがとうございます。
 岩手県は全国の中でも地域おこし協力隊の方々が期間が終わってからお残りになる率がとても高いといったことで、起業家とかですね、あるいはネットワークづくりといったものを取り組んでいるんですけども、佐々木さんの新たな採用事業化、あるいは不動産業、そういったところでさらにそういった動きが強まってくるのかなというふうに考えました。ありがとうございます。

佐々木 康幸
 そうですね。ぜひこういう事業を有効に使わせていただきたいっていうことなので県職員で5年間ずっとやらせていただきまして、いろいろ事業を進めていくって初めてその経験をさせていただきました。ですからちょっと横文字使って大変申し訳ないんですが県職員の皆さんの一つの仕事として、特に生産現場とか、いろんな製造現場とかに携わって関係してる職員の方たちって、もしかすると、そのキュレーター(専門管理職)じゃないかなと。要は国や県のその人に合った事業を発掘してきて、それを紹介して、事業をやっていただいて、成功していただくと。ですから、5年間やってね、そこを非常に思っていました。ですから言葉はねキュレーターって何かかっこいい言葉ですけども、そういう思いでやっていただければ、御紹介とかしていただければ、うちの会社はまだ私がいますんで、いろんなその事業の関係とかっていうのを聞いたり引っ張ってきたりができるんですが、やはり中にはなかなかそこに辿り着けない方達もいらっしゃいますんで、ぜひそういうところまで本当にお力添えをいただければ、この特に沿岸振興とか、SDGsっていう観点からいけば、有効な手だてになるのかなというふうには思いました。ちょっと生意気な意見で申し訳ないんですが、本当に一つ、聞いていただければと思います。ありがとうございます。

小野部長
 はい。ありがとうございます。伴走型といいますか、一緒になってですね、進んでいくといったことで県の方も取り組みをしっかりやりたいと思います。
 その他、何かございますでしょうか。伊藤さんお願いいたします。

伊藤 実知子
 農業のことについて、先ほどお2人おっしゃってましたけれども、三陸で持続可能性を考えるときに、農業は絶対に考えておかないといけないことだと思っています。特に、震災があった後がそう感じることが増えまして、豊間根は農村地区ですので非常に農家さん多い状態だったんですね。そこに震災が来たときに、豊間根中の米、味噌、漬け物、そういったものを全て出しまして、炊き出しを開始した。で、薪ストーブで暖を取っている人も多いですし、井戸もある。水道自体も簡易水道持っていましたので独立していた。かつ、豊間根の集落の中に、鉱泉、温泉が2つある。全部賄える状態だったんですね。そこで、しかも農村、農家さんが多いし、昼間お母さんが残っていることが多いので、すぐに炊き出し開始して、準備を整えることができた。今、おそらく同じ規模の震災が今後30年以上、30年以内に起こった際に、同じような対応ができなくなります。もう私たち世代はもうほとんど外に仕事を持っている人も多いですし、農業ができる人も少ない。そうなってくると安全保障というか、津波の安全保障に繋がってこないんです。かつ、川の上流の農村地帯って海まで繋がってくるんです、うん。農村が豊かであれば、そこの、栄養分が川を通じて通っていって、干潟で貯まって、またさらに海に出てくる。そうすると漁業の方も豊かになりますし、今非常に水産資源、水揚げの方も減ってますけれども、農業を持続可能にしておけば漁業の方も少しずつ増えてくるかもしれない、かつ、いろいろ繋がってくると思いますので、ぜひそちらの支援もよろしくお願いしたいと思っていました。

小野部長
 はい、ありがとうございます。そうですね、やっぱり、海と山からこうずっと繋がってるというのはよく言われておりますので、そうですね、農業の大切さ、或いは災害時のですね、そういった、ストックも大切だと思いますね。分かりました。ありがとうございます。
 先ほど、地域おこし協力隊の話題、佐々木さんからもございましたけれども、田野畑の方に入られて、何か中野渡さんの方から、これまでの経験とか、いろいろ困ったこと、良かったことも含めて何かございましたらお願いいたします。

中野渡 和也
 そうですね、やっぱり、先ほども伊藤さんがおっしゃった通り、やっぱり農業はこれからも大事になってくる時代になってくるので、もっと、農業に挑戦してくれる方がどんどん増えてくれればなっていう、ただその一心でしかないんですけども。でも、岩手ももっとこう、これからどんどん支援とかしてくださって、もっとどんどん、これから農業に携わってくれる方が増えてくれればなと、はい。あと、山地酪農もどんどん、岩手県8割の山林を占めるので、その中間山地を利用した形で生産できればなと思っております、はい。

小野部長
 ありがとうございました。まだまだお話し足りないところあるかと思うんですけども、そろそろお時間が近づいて参りました。それでは、皆様ありがとうございました。知事の方から最後に何かございましたらお願いいたします。

達増知事
 はい、おかげさまで作戦会議という感じになったんじゃないかなと思います。
 また、皆さんもそれぞれ、他の方々がこうやってること、やろうとしてることが参考になったのではないでしょうか。またこのメンバーで集まるとかいう予定は当面ないんですけれども、あちこちで多分またこう出会ったりとかですね、一緒に仕事をしたりとかいうことはあるんじゃないかと思いますし、そして何かあればいつでも県の方にも、この宮古の振興局でもいいですし、県、盛岡の県庁の方でもいいですし、何かあればどんどん県の方にも相談しながらやっていただければと思います。ありがとうございました。

小野部長
 皆様、本日は貴重なお話をいただきまして本当にありがとうございました。
 それでは、これをもちまして本日の県政懇談会を閉じさせていただきます。

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