「いわて幸せ作戦会議(in住田)」(令和4年7月19日)

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ページ番号1057645  更新日 令和4年9月13日

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日時
令和4年7月19日(火曜日)13時30分から14時50分まで

場所
住田町役場 1階 町民ホール

出席者
・参加者(敬称略)
 中野 圭(漁師)
 佐々木 イザベル(観光 ガイド 、漁業従事者、空手指導者)
 菊地 康智(農家)
 伊藤 美希子(株式会社ベストインクラスプロデューサーズ マネージャー/住田オフィス責任者)

・県側
 達増 拓也 知事
 小野 博 政策企画部長
 大久保 義人 沿岸広域振興局副局長

開会

小野部長
 ただいまから、県政懇談会「いわて幸せ作戦会議in住田」を開催いたします。皆様には、御多忙のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。心から感謝申し上げます。
 本日は、「気仙の魅力を生かした地域振興」を懇談のテーマといたしまして、大船渡地区で、復興や地域振興に向けて活動を行っている方々にお集まりいただいております。
 私は、本日の進行役を務めさせていただきます、県の政策企画部長をしております小野と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

知事あいさつ

写真:懇談会の様子1

小野部長
 それでは開会にあたりまして、達増知事から御挨拶申し上げます。

達増知事
 はい。それでは、パーテーションもありますので、この中からしゃべりますけれども。皆さん、こんにちは。お忙しい中、ようこそお越しくださいました。県議会議員のお二人もありがとうございます。
 県政懇談会「いわて幸せ作戦会議in住田」、県政懇談会を「いわて幸せ作戦会議」というのは、いわて県民計画、県の総合計画の基本目標が「東日本大震災津波の経験に基づき、引き続き復興に取り組みながら、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわて」という、そういう基本目標なので、この「幸せ作戦会議」という名前にしてあります。
 県内各地域、各分野で活躍している県民の方々から直接意見を伺って、県政に役立てるという趣旨でありまして、今、東日本大震災津波から11年が経過し、12年目に入って、復興も様々進んでいるんですけれども、それと同時に、心のケアやコミュニティ再生など課題もあり、そして、主要魚種の不漁でありますとか、そして何より新型コロナウイルスの流行ということで、経済や生活に様々困難が生じているという状況であります。
 一方、この復興事業で作られた復興道路でありますとか、それぞれの市町村の中心市街地の再開発でありますとか、それを生かして未来に進んでいくことができるような、そういう基盤が新しくできていますし、また、新型コロナウイルスの大流行については、都会に比べれば、地方は感染リスクが低い、岩手はまた特に低い方であると、その岩手の中でもこの沿岸地方はさらに低いとかですね。そして、大都会のそういったリスクに気が付くことで、働くなら、そして生活するなら、地方の方いいんじゃないか、特に岩手のような所がいいんじゃないかという気付きも、この全国的に起きているそういう状況でもあると思っておりますので、もともと住んでいる人たちが、より暮らしや仕事、学びが良くなって幸福度が高まるようにということ、プラス、岩手にやってくる人、また、帰って来る人というのもある訳ですけれども、そういう皆さんにも、より良い生活、仕事、学びができる、そういう場に岩手をしていくのに、ピンチもあるけれどチャンスもあるというところだと思いますので、その辺のところ、お話を伺いたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

出席者紹介

小野部長

 はい、知事ありがとうございました。今日、こちら冷房を入れていただいておりますけども、なかなか今日は蒸す日でございますので、ちょっと暑いなっていう方は、上着を脱いでいただいて、進めてまいりたいと思います。

 それではこの後の進め方ですけれども、まず私からお一人ずつ御出席の皆様のお名前を御紹介いたしますので、続けて、それぞれ1分程度の簡単な自己紹介をお願いいたします。その後、今日のテーマに沿ってお話をしていただきますが、お一人ずつお話が終わった都度、知事の方からコメントをお願いいたします。お一人ずつ、お話を5分程度していただき、知事の方からコメントをするというような形で進めてまいりたいと思います。そして最後に、自由懇談の時間を30分程度設けたいと思っておりますので、そこでは、十分に話せなかったこと、あるいは他の皆さんのお話を聞いて思ったことなど、何でも結構でございますのでお話をいただければと思います。

 それでは座席表に従いまして、本日御出席の皆様を御紹介いたします。初めに漁師の中野圭さんです。それでは1分程度で自己紹介をお願いいたします。

中野 圭

 よろしくお願いします。大船渡の越喜来の崎浜というところで、漁業、ホタテの養殖を中心に漁師をしております、中野圭と申します。

 プロフィールもありますんで、そちらも見てもらえればと思います。震災後の2011年に地元の方に戻ってきて、今漁業に就いているということで、私、中学校を卒業する時に地元を離れて、地元の越喜来、崎浜を離れたんですけども、震災があって戻ってきまして、色々あって、この自分の地元でどうやって人の繋がりを豊かにしているかっていうことを、今一番大事に考えてまして、それをやる上で、水産業っていうものが、私の中では替えの利かない手段だと思ってまして、この漁業を通じて人の繋がりを作るっていうことが自分の人生の目標でもありますので、そういったお話をできればと思いますんで、よろしくお願いします。

小野部長

 ありがとうございました。続きまして、観光ガイド、漁業従事者、空手指導者の佐々木イザベルさんです。お願いいたします。

佐々木 イザベル

 よろしくお願いいたします。私はフランス出身で、2005年に日本に移住してきまして、震災の時に東京で仕事をしていました。そのきっかけで、地元の大船渡を訪ねて、ボランティア活動をやっていました。それで町が好きだったし、また、復興にある形で貢献したいので、時間がかかったけど、3年前、地域おこし協力隊っていう形で大船渡に移住してきました。

 それで考えていたのは、大船渡はとてもいい町なので、観光で盛り上がれるんじゃないのかなって思って、観光客が来ることで、経済的に、町も盛り上がれるんじゃないのかっていうことで、そういう活動をし始めました。地域おこし協力隊として、町のPRとかをやっていましたが、その次に、私は地元の漁師と結婚しまして、地域おこし協力隊を卒業した後に、そのホタテ養殖のお手伝い、プラス、自分で会社を立ち上げて、観光ガイドとして活動をやっています。

 あとは、町で空手の道場も立ち上げて、子供たちと触れ合って、それも将来に繋がるんじゃないのかなって思ってやっています。よろしくお願いします。

小野部長

 はい、ありがとうございます。続きまして、農家の菊地康智さんです。お願いいたします。

菊地 康智

 初めまして、菊地康智でございます。私は陸前高田市で生姜農家をしております。東日本大震災をきっかけに、祖父母の住む陸前高田市に移住して参りました。

 私自身は出身は千葉なんですけども、震災当時、家族が陸前高田に住んでいまして、やはり災害を見たときに、衣食住の重要性を痛いほど、まざまざと見せつけられて、やはり食、とりわけ食というものに、何て言うんですかね、思いを抱いて、2014年に移住して参りました。

 それで、昨年は盛岡市内の旧生姜町という盛岡城下の旧町名にちなんで、生姜と絡めたイベントなんかも、初めて開催させていただきました。今日はどうぞよろしくお願いいたします。

小野部長

 はい、ありがとうございます。続きまして、株式会社ベストインクラスプロデューサーズマネージャー、住田オフィス責任者、伊藤美希子さんです。

伊藤 美希子

 はい、住田町の伊藤美希子です。よろしくお願いいたします。私は神奈川県出身なのですが、東日本大震災を機に、この住田町に関わらせていただくようになりました。

 現在は、株式会社ベストインクラスプロデューサーズというマーケティングの支援会社で働いております。

 それともう一つ、東日本大震災のときに住田町の仮設住宅のコミュニティ支援に関わらせて頂き、その支援団体である(ゆう)サポートを一般社団法人として法人化させました。現在は邑サポートで地域づくりの仕事もしているので、二足のわらじという形で二つの仕事をしているような状況です。

 コロナ前までは、東京と住田を往復する二地域居住の生活を続けてきたんですけれども、現在は住田町に生活の拠点を置いております。昨年、住田町にベストインクラスプロデューサーズのオフィスを構えて、現在は住田でマーケティングと地域づくりの二つの仕事をしているような状況です。今日はよろしくお願いいたします。

小野部長

 はい、ありがとうございます。

 県からは、達増知事、沿岸広域振興局の大久保副局長も出席しております。よろしくお願いいたします。

 また、本日は、県議会議員の皆様にもお越しいただいておりますので、御紹介いたします。

 大船渡選挙区選出の千葉盛議員でございます。

千葉 盛 議員

 よろしくお願いします。

小野部長

 続きまして、陸前高田選挙区選出の佐々木茂光議員でございます。

佐々木 茂光 議員

 よろしくお願い致します。

小野部長

 ありがとうございます。

懇談

写真:懇談会の様子2

<テーマ>
気仙の魅力を生かした地域振興

 

小野部長

 それでは続きまして、皆様のお手元にお菓子と飲み物を準備しておりますので、ぜひ、懇談の中でお召し上がりいただきながら、懇談してまいりたいと思いますので、お願いいたします。

 それではまず、大久保副局長から、本日のお菓子と懇談テーマを御紹介いたします。お召し上がりいただきながらお聞きいただければと思います。

 

大久保副局長

 はい。私の方から、まずお菓子について紹介させていただきます。どうぞお召し上がりになって聞いてください。

 「薪のあそび」と書いてある四角い焼き菓子ですけれども、こちらは住田町の下有住にあるお菓子屋さんで、ケーキ&フーズイマノさんのものです。「森林・林業日本一のまちづくり」を目指している住田町では、スウェーデンで薪を使った遊びから生まれた「クッブ」というゲームを町おこしの一つとして取り入れております。お菓子の紹介資料に配布してあるものに写真がございます。クッブはですね、角材に木の棒を当てて倒すゲームでして、町内では、これまでに、ジャパンオープンなど大きな大会が何度も開催されております。このお菓子は、そのクッブをイメージした焼き菓子で、バターの風味とアーモンドの香ばしさが口の中に広がるお菓子でございます。

 もう一つ、「みそクッキー」ですけれども、こちら大船渡市内にある障がい者就労支援施設星雲工房で作られているクッキーの一つです。星雲工房では、障がい者の皆さんが自立した地域生活を送れるよう、お菓子づくりを通して、就労に必要な知識や技術の習得を支援しています。こちらのクッキーには、生地に陸前高田市の八木澤商店の味噌が練り込まれております。八木澤商店さんは震災で被災してしまいましたが、昨年創業の地である気仙町に本社と工場を再建させました。アバッセたかたやCAMOCY(カモシ―)内に既に店舗がありますが、味噌を始めとした多くの商品はたくさんの人に親しまれております。気仙味噌の味と香りをお楽しみください。

 続きまして、本日の県政懇談会のテーマについて説明いたします。三陸のより良い復興の実現に向け、御活躍されている皆様と意見交換をさせていただきます。本懇談会の具体的なテーマにつきましては、「気仙の魅力を生かした地域振興」とさせていただいております。震災から11年が経過し、復興の歩みはハード整備を中心に着実に進みましたが、より良い復興、より一層、活力ある地域を実現するためには、気仙の豊かな自然や伝統的な産業、文化だけでなく、震災を機に生まれた全国と世界の人々との繋がりなど、様々な強みを生かした取り組みを進めることが必要と考え、このようなテーマとさせていただきました。

 本日は各方面で御活躍されている皆様に、積極的な御意見、御提言をいただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

小野部長

 はい、大久保副局長ありがとうございました。それでは、ここからは、今、大久保副局長から説明がありました本日のテーマ「気仙の魅力を生かした地域振興」に沿って、お集まりの4名の皆さんの現在の取組や課題、それから今後の方向、御自身の抱負、県への期待なども含めて、様々お話をいただければと思います。

 先ほど自己紹介いただきました順番で、まずは中野さんからお一人5分程度でお話をいただきたいと思います。お一人ずつお話をいただいた後、知事からコメントしていただくという形で進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。それでは初めに、中野さんお願いいたします。

中野 圭

 改めまして中野です。どうぞよろしくお願いします。

 ホタテの養殖を主に、越喜来の崎浜というところでやっているんですけども、やっぱり、近年の課題としてはホタテの貝毒っていうものが非常に大きくて、ただ、貝毒が今から5年ぐらい前、2018年からですね、三陸で結構出るようになって、その時はずっと売れないっていう状態が続いたんですけども、それが制度も少しずつ良くなって、ホタテの貝毒が出ている時でも、一定の数値を保っていれば加工用として出荷できるっていう状態になってはいるんですけども、自分がさっき言ったように、人の繋がりを漁業を通じて作るっていうことをやっていると、自分が取ったホタテを、私が取ったホタテだから食べたいって言ってくれる人に、自分の取ったホタテをちゃんとおいしい状態で提供するっていうのがすごく大事で、ただ、やっぱりその貝毒が出ている時っていうのは、ちゃんと指定の加工場を経由したものでないと市場には出回らないということになっているので、そこがすごく悔しいなというふうに思っています。自分がどうしたらいいのかなって思うと、色々、その貝毒のことも自分なりに研究していって、それで、その毒が溜まる、蓄積する部位だとか、あとはそれを適切に加工して食べられるようにする技術っていうものは確かに存在するので、それをもっともっと、何というか、広くその技術を落としていくというか、イメージするのはフグの調理師の免許ですね。フグ毒も、やっぱり長い歴史の中で少しずつ調理師の免許っていうものができていって、適切に処理する技術、知識っていうものが、割と広く一般にいくようになってきたと。それを、今はホタテの貝毒っていうものはそこまでいってないし、まずそもそも貝毒っていうものを、一般の消費者の方々はほとんど知らないというか、都会の方に行くと、貝毒の名前とか存在すら知らないっていう人も非常に多いので、漠然と「今ちょっと貝毒で売れません」っていう話をすると、ホタテの病気だとか、あとは海が汚くなったとかそういうふうに思われてしまうことが多くて、それもすごく残念だなというふうに思っています。そもそも生物の性質として、毒を持つっていうことはもう分かっているので、うまくそれを、自分が食べて欲しい人に食べてもらえるように、貝毒を加工する技術、知識っていうのをもっと広げていけたらいいなと思っています。

 今の貝毒の加工できる個々の施設っていうのは、県知事の認可と、あと、県漁連の会長の認可と、っていうものがあるので、そこは県行政の方で少し広げていけるような、何か取り組みや考えを持っていてもらえれば、こっちも、どんどんどんどん、貝毒が出たときでも安心安全に美味しく、そして、この地域の物だから食べたいって言ってくれる人に物を提供していけるっていうふうに思っているので、それを実現できればいいなというふうに思っています。まずは、そんなところですかね。

小野部長

 では、知事の方からお願いいたします。

達増知事

 はい、そうですね。貝毒、安全を確保しながら、売れるところは売るということで、今みたいなやり方に落ち着いているということなのだと思いますが、今話があったように、この消費する側の理解も深めてもらって、そうすれば、関連する部位を取りさえすればいいんだよってことも、消費者の側にも分かってもらいながら、そういうものを提供するっていうやり方を工夫するっていうのはありなのだと思いますね。そこはぜひぜひ、県の方でも研究していきましょう。はい、ありがとうございます。

小野部長

 はい、ありがとうございました。それでは、続きまして佐々木さんの方からお願いいたします。

佐々木 イザベル

 改めて佐々木イザベルと申します。よろしくお願いします。

 私は、企業を立ち上げて具体的にどういうことをやっているのかっていうと、観光ガイド、ツアーを開発して、人が大船渡の良さを知るための歩きツアーとかを開発して販売しています。あとは、みちのく潮風トレイルのガイドもやっています。あとは、修学旅行のガイドもやっております。

 やっぱり、大船渡や岩手県って私にはすごく魅力的であって、自然というと、全てあるんだと思っていますね。山もあれば、海もある、森もある、川もある。本当に観光の可能性は限られていないって思っています。あとは、地元でやっている仕事とかそこに生きている伝統とか、当たり前だって思っているんですけど、外から見るとものすごく魅力的で、見たことがない知らない世界だらけなので、それは少しずつ、観光と繋げて販売していこうって思っています。今、一番手が出しやすいところで、旦那と組んでクルーズをやっています。ホタテ養殖の見学をやっています。あとはその船の上でホタテを焼いて、クルーズしながら、それを楽しめる景色プラス、ホタテを楽しめるコースを販売しています。

 それで、その中で課題と感じているのは、一つは、やっぱり自分でPRしようとしていると、どこまで自分の情報が届くのか難しいです。大船渡市と一緒に組んで、色んなウェブサイトとかで販売して、情報を載せているんですけど、大船渡っていう場所は、人はそこまで来るのかっていうことが難しいです。結局、そこは何かあって少し通るかもしれないけど、目的地としては来ないんじゃないのかなって思って、それは残っている課題だと思っています。もう少し広く見ると、隣の町、住田もそうだし、陸前高田もそうだし、魅力的な所はいっぱいあるので、市を超えてもう少し広い地区として、プロモーションする必要があるんじゃないのかなって思っています。地区と地区をつなげて、その地区と地区を回ったツアーとかを開発する必要があるんじゃないのかなって思っています。

 それで、もう一つ感じている課題は、さっき言った通りに、地元の人だと当たり前だって思っていて、自分の町はいい町だってなかなか言えないんですね。だから、市民も観光大使になれるように、どうすればいいのかっていう課題があるかと思います。今は、ちょうどコロナで観光客もなかなか来ないので、地元の人に対しても観光PRをやった方がいいんじゃないのかなって思っています。遠くまでお出かけするんじゃなくて、自分の町、自分の地区で、近くにいて新しい発見ができるし、別の目で見れば、自分の所はいい所だって分かるかもしれないので、現地の人に対しての観光プロモーションには、今は力を入れた方がいいんじゃないのかなって思っています。

小野部長

 はい、知事いかがでしょうか。

達増知事

 はい。大船渡にはもう自然が全部あるっていうのはその通りだと思いますし、陸前高田市や住田町とも合わせて、広いところでやるとさらに魅力的っていうのも、その通りだと思います。それで、そういう魅力が、地元の人にとっては当たり前のこととしてあまり知られてないっていうこともその通りで、これは岩手県全体もそういう傾向があります。岩手県の魅力を岩手県に住んでいる人が、当たり前のことなので、あまり気が付いてないということです。

 今、コロナが流行しているので、旅行も近い所への旅行、岩手県民の人たちも岩手県内で旅行しようというふうになっていますし、それから修学旅行ですね。修学旅行も、県内で修学旅行とか、そういう近い所に旅行するっていうことが、今大きな割合を占めているので、地元の人たちに地元の良さを伝えるチャンスだと思います。地元の人が地元の良さに気が付いた方が、それを外にPRしていくことがやりやすくなりますし、あと、良いものをより良くですね、美味しいもの、ホタテをはじめとして美味しい食べ物をより美味しくとか、また、加工して工夫して食べてもらうとか、色々な発展をするためにも、地元の人にその良さを知ってもらうっていうことがやはり大事だと思います。ありがとうございます。

小野部長

 はい、ありがとうございます。それでは次に菊地さんの方からお願いいたします。

菊地 康智

 はい。改めまして、よろしくお願いいたします。

 私から申し上げたいのは、ちょっとお願いのような形になるんですけども、私自身が岩手県に来て新規就農した時に、農業の中で生産の、生産技術の講習会とかがすごく多かったんですが、とはいえ、農業もやはり個人事業主で、経営体として考えなければいけない中で、最初はすごくその辺が悩みだったんですけども、アグリフロンティアスクールに出会いまして、2018年に通わせていただきました。これが県とJAいわてグループさんと岩手大学の出資ということで、プログラムの内容もものすごく充実していて、なおかつ現在の社会情勢ともすごく合っていて、本当に自分の今の経営にも生きております。それを通して、周りの新規就農者にも、これはもう絶対に行った方がいい、なおかつ、新規就農ならば早ければ早いほどいいということで勧めてまいりまして、2019年と2021年にも陸前高田から1名ずつ通っております。

 単刀直入に申し上げますと、農業経営者の育成教育というところへの投資をもっと充実していただけたらうれしいなって思うところがあります。といいますのも、やはり新規就農というところで、年代で言いますと、やはり45歳以下で、今、次世代人材投資資金という結構大きな国の投資がありまして、やはりその年齢を考えると、これから20年30年岩手の農業を担っていくのは若い世代というところで、その新規就農者向けの教育の投資をお願いしたいです。新たに何かを創設するというわけではなくて、実際に、もうそういうアグリフロンティアスクールというプラットフォームがある中で、もう一つ次世代人材投資資金っていうものがあるんですけども、これをぜひ紐づけしていただいて、新規就農者はみんな、できればみんな行ってくれたら、すごく嬉しいなと思うんです。というのも、アグリフロンティアスクールの中で、修了証をもらうよう、県で5年の中期の事業計画を立てることが必須なんですけども、やはりそれがすごく実際の経営と即した内容で、数字もかなり細かく入れていくもので、やはりそういうものを、経営開始、または準備の早い段階で、農業、農業者というよりも農業経営者として、又は法人などに勤めていても、経営側の視点で見れるような人材を育成するためにも、そこら辺への投資というか、既存の枠組みを生かして紐づけしていただけると、すごく、より地域が活性するのではないかなと思っています。これは陸前高田、気仙地域だけに限らず、岩手はすごく広くて、上も下も東も西も、全く環境が違うわけで、やはり、それぞれの地域から来た人が学んでインプットしたものを地域に持って帰ってアウトプットすることで、それぞれの地域が活気づいていくんじゃないかなと思っています。

 農業とか一次産業って、3Kとか、今は5Kとか言われるらしくて、結婚できないとか、危険だとか言われるらしいんですけども、新しい、かっこいい、稼げる、革新的で、将来にとって将来に対して希望が持てて、岩手の農産物、海産物がすごいんだっていう感動を生めるような産業に作り上げていけると、やはり次の世代も、その一次産業とか農業に対して、すごくいいイメージを持って、職業の選択肢の一つとして魅力あるものに繋がっていくんじゃないかなと思っています。

小野部長

 はい、ありがとうございます。知事の方からお願いします。

達増知事

 はい、ありがとうございます。盛岡の生姜町というのは、私はあの近くで生まれ育っているので、生姜町がああいう感じで、「ジンジャージンジャー」で蘇るっていうのはすごくありがたいことでありまして、そのことにまずお礼を言いたいなと思います。

 健康にもいい食材ですからね、このジンジャーっていうのは。いいところに目をつけたなと思います。そういうのがまさに経営感覚なのだと思います。

 農業でも経営が大事ということで、アグリフロンティアスクールは、岩手県としてはヒット商品だと思うんです。もともと、文部科学省、農水省、いずれ国の事業として、大学をベースに経営の方までしっかり学ぶ場で、国がその事業をやめた後も、県で岩手大学と農業団体と連携しながら続けているという、その続け方が、何とか功を奏しているというところなんです。新規就農者の支援の事業は、去年、国が主にお金を出しているところから、半分は地方自治体が出すようにということになりかけて、それを、全国知事会でそれは余りに無茶な話だということで、引き続き国が主にお金の方は出すということになったんですけれども、その際確かに、お金があればいいというものではなく、成功するための知識技能、特に経営というところを、そっちはやはり地方自治体の方できちんとやりましょうという、そういう形で話がついたようなところがあったことを思い出します。

 やはりそこは岩手県としても、国の方のお金を使って、新規就農がお金を借りてできるというだけではおぼつかないので、実質的に成功するような知識技能、特に経営というところは、県の方でもさらに力を入れていきたいと思います。ありがとうございます。

小野部長

 はい。それでは、次に伊藤さんの方からお願いいたします。

伊藤 美希子

 はい、改めましてよろしくお願いいたします。私からは具体的なお願いというよりかは、よそ者である私がこの地域でどのように関わらせていただいてきているか、というお話をさせていただければと思っています。

 住田町に私が関わり始めたのは、実は縁もゆかりもなく、震災のときに、住田町が木造の仮設住宅を建ててくださったおかげで、私たちはこの町に入ることができました。この一般社団法人邑サポートという団体は、全員大学が同じ同窓生でして、仮設住宅が建ってから、毎回毎回、県外から住田町の仮設住宅に通って支援させていただいたという経緯がありました。最初は仮設住宅の中だけの活動だったのですが、その後、町内の方々が町の中へと引き入れてくださって、お祭りですとか、地域のイベントなどの活動に参加させてもらうようになりました。これまでの活動を考えると、やはり地域が開いて私たちを取り込んでくれたということが、すごく大きかったのだなと思います。

 今、関係人口など、色々言われていると思うんですけれども、住田町がこの11年間、私たちを取り込み続けてくださって、よそ者を面白がって入れてくれている、その心意気にまず感謝しながら過ごしていますし、そこにお返ししたいなという気持ちで、今まさに働いているところです。それらは体系化されてまとめられているわけではないのですが、この地域の方々がどのように開いてくださっているかということは、他の地域にも展開できる大きな資産なのではないかと思っています。

 私自身、住田町では地域づくりということに関わってきたのですが、現在の本業はマーケティングという領域です。そのマーケティングの領域に関しては東京で仕事をして、こちらでは地域づくりの仕事をと、切り離すのではなくてですね、この住田、気仙という地域においてマーケティングでお役に立てないかということで、先ほど申し上げたようにオフィスを作りました。

 マーケティングって、売ること、よく売れることみたいに捉えられやすいんですけれども、マーケット・ingなので、市場創造と言うことができます。その市場の中で価値あるものをいかに交換するかという仕組みづくりがマーケティングなんですよね。お金と交換することが売ることになるので、それもマーケティングなのですが、価値ある体験と価値ある行動を交換するということもマーケティングになります。そういう思考をですね、この地域の方々にお伝えしながら、住田町には、すごく魅力的なものがたくさんあり、それは気仙地域も、岩手もそうだと思うので、その魅力あるものをどうやって伝えれば、相手に対して価値あるものになるのか、ということを考え続け、頑張って貢献していきたいなと思っています。

 もう一つは働き方についてです。今、私は都市部に本社がある企業に属しながら住田町にその営業所を作って働いてはおりますが、実態として都市部の仕事が7割ぐらい、住田の仕事は3割ぐらいで働いています。ほとんど都市部の仕事ということは、岩手にいながら外貨を稼げるのではないかと。オンラインで行うある種の出稼ぎなのではないかと思っているんですね。なぜそう思ったかと言いますと、コロナ前まで二地域居住ということで、5日間は住田、10日間は東京ということで毎月2回移動しながら、別居婚で住田にいる夫との生活を続けてきたんです。それを見た地域の方に、「伊藤さんは結婚したのになんで住田に住んでいないの」と問われたときに、また違う方がですね、「伊藤ちゃんは出稼ぎに行っているんだよ」と答えてくださって、ああそうかそうかみたいになりまして、そのやりとりを聞き、なるほどと思ったわけです。コロナ以降の今は、住田にいながらオンラインを活用して都市部の仕事で外貨を稼ぎつつ、体は住田にあるので住田のお役に立てるようにしていきたいなと。今後は、もっとそういう新しい働き方ができるのではないか。もちろん副業や兼業など、地域にオンラインで関わっていただくってこともあるんですけど、やはり地域に足りないのはプレイヤーなのではないかなと思ったときに、そういう形の働き方ができる環境が整うと、また違った形での人の流動、人の動きが生まれて、岩手に新しい力というのが入ってくるのではないかなと思っています。以上です。

小野部長

 はい、ありがとうございます。知事からお願いします。

達増知事

 はい、ありがとうございます。住田に関わっていただいて私からも御礼申し上げます。これも住田町が木造仮設住宅にこだわって、東日本大震災が起きる前から作って、あちこちに展示して発表したりしていて、東日本大震災が起きたときには、今こそ、今まで培ってきたこの木造仮設住宅のノウハウ、これをフルに発揮するときだと言って、真っ先に建てましたよね。県の方が、各市町村と連携しながら、普通にプレハブの仮設住宅を建てていくっていうこと、全国プレハブ協会とか、そういうところと連携を取りながら、市町村ごとに仮設住宅団地のような場所をどう確保していこうかとか、そういうのに取りかかったころに、住田町はもう住田町内に、カンカントントンと木造仮設住宅をどんどん建て始めたということを思い出します。それで、後から国の方でも、もう仮設住宅はいろんなやり方があっていいと、地元の工務店が木造で建てたようなやつも、ちゃんと国費が使えるようにしますよっていう話が後からついてきて、どんどん広まっていったことを思い出します。

 住田町は、坂本龍一さんもひいきにしていて、何回か来て、ここの森林を愛でるような、そういうイベントに出たりとかしていてですね。そういうセンスのいい人たちに評価されていますし、あとは、やっぱり交通の要衝、近代以前から人や物の移動する十字路のような、あるいは八方に行き来できるような場所なので、潜在的に非常に外に開かれていて、便利で面白いセンスもいいところなんだと思います。

 二地域居住とかですね、ここを拠点にして都会の仕事をするとか、そういうことに向いている場所だと思いますので、ぜひぜひその実績を成功させてですね、後に続く人たちを励まして欲しいなと思います。住田町に負けるなんていうのは、岩手、各市町村も張り切るでありましょうから、そこでも、こういう二地域居住とか、あと、さきほど副業とかいう言葉で説明したりもしましたが、地方の方での仕事と都会の方での仕事を両方やれるような働き方ですよね。それを、岩手県的には岩手全体にも広めていきたいと思いますので、また色々教えて欲しいと思います。ありがとうございます。

小野部長

 はい、知事ありがとうございました。

 ただいま、1巡目といったところで、中野さんの方からは、貝毒に関して、消費者の理解、これをどのようにしていくかといった点。それから佐々木さんの方からは、様々な気仙の魅力があると、これを広域で、あるいは住んでいる人も含めてですね、どのようにそれを自分たちで発見してPRしていくかといったところ。さらに菊地さんの方からは、新規就農者の関係で、特に農業者人材を育てるといった取り組みをさらに広げること。そして伊藤さんの方からは、その価値の交換としてのマーケティングというお話からですね、やはり、気仙の魅力、人の関わりとこれをどのようにやっていくかといった、これまでの経験も含めてですね、お話をいただきました。

 実は、毎回この県政懇談会でお話いただいている御意見、様々なお考えにつきましては、知事以下、県庁の中の会議で、全て関係の部局と共有し、取り組みにつなげていこうというふうにしております。今日お話、御意見いただきましたことにつきましても、そういった会議の場で、しっかりとお伝えし、県庁内の方に伝えてまいりたいと思います。ありがとうございました。

 ここからは、一巡し、2巡目になりますけれども、皆様から、これまでの皆さんの御意見、あるいは話し足りなかったところも含めて、何かもう少し発言したいことがありましたら、ぜひ、お話をいただければと思います。

 繰り返しになりますけども、今ですと、気仙の魅力、そして人を育てる、そして地域の魅力、その地域の様々な価値を交換していく、それを通じて人の繋がりといったことをこれをどのように広めていくかといったようなお話をいただいたように思います。こういった関係でも結構ですし、あるいは、皆さんのお話を聞いての感想でも結構ですので、ぜひ何かございましたら、お話をちょうだいできればと思います。いかがでしょうか。

 それではいかがですか、伊藤さん。

伊藤 美希子

 はい、ありがとうございます。そうですね、私は自分が何かを生産したり販売をしたりしているわけではなくてですね、それをサポートする形で、ずっと仕事を続けてきているので、先ほどのホタテの話ですとか、それから、農業の方々のご苦労というか、求められているものっていうのを直接お伺いすることができて、非常に勉強になりました。そういう視点があるんだなというふうに思いましたし、それをマーケティングの思考でどういうふうに解決できるのかっていうことにはチャレンジしていきたいなと思いました。

 もう一つは、先ほど私が申し上げたことですけれども、人に動いていただいて入ってきてもらうこと、それは魅力を伝えて、この地域の良さを伝えるっていうことが、やってきてすごく難しいなと思っているんですね。そして、また岩手の良さっていうことを伝えるときも、岩手ってすごいいい所なんですよって言えるんですけど、どういうふうに言ったらいいんだろうかっていうことは、今でも繰り返し繰り返しチャレンジをしているところではあって、そこがもう少し明確に話せるようになれば、また違った、東北の中でも違った立ち位置で、この岩手の魅力を発信していけるのかなと思っています。

 同じく気仙地域に関しても、とにかく素敵な所だからと、それ以上に言いようがないんですけれども、具体的な伝え方をしていきたいなっていうふうには思っています。すみません、ちょっとぼやっとした意見で恐縮です。

小野部長

 魅力を伝えるのが難しいという話ですけど、御社のブログを見たりすると、むしろ、住田の良さが伝わってくるなと思います。

伊藤 美希子

 本当ですか。ありがとうございます。やはり伝えれば伝えるだけ、住田に行ってみたい、それから大船渡とか高田に行っておいしい貝とか野菜を食べたいっていう方々がたくさんいるので、ちょっと草の根的にはなりますけれども、さっき観光のPRする難しさっておっしゃっていたように、やっぱり人が人を呼ぶので、そういう方々をエンパワーというか励ましながら、この波みたいなのを作っていけるといいのかなと思いました。

小野部長

 ありがとうございます。よろしいでしょうか。

 それでは、中野さんの方から、やはりホタテを通じて、消費者の皆さんと繋がるといったことを大切にしてきたというお話なんですけども、なかなか難しい状況もあるといったことですけど、何かございますか。

中野 圭

 はい、そうですね。さっき、生姜のお話では、新規就農者のっていう話もあって、漁業も新規就漁者っていうんですかね、漁業に新しく携わってくるような方々をどうやって増やしていくかっていうのはあります。自分が漁業に携わってみて、色んな人たちが、若い人たちがこれから漁業を始めて入ってきて、じゃあ、自分で何かこういうふうにやってみようとかって思ったときに、壁になっているのは、漁業のルールっていうものがなかなかあるようでないというか、あれは駄目、これは駄目みたいなものがもちろん色々あるんですけども、それは実はよくよく調べてみると、どこにも明文化されたものではなくて、何となく感覚の中で作られてきた、暗黙の了解みたいな部分が結構あります。これは、じゃあこれを変えようと思った時に、それは明文化されているルールよりもずっと変えにくいもので、自分も新しく色々とやりたいことはあるんですけども、「いや、それはこうだから駄目なんだ」って言われることもあって、でも、それはどこにも決まってないんだけど、「いや、その決まってないからいいんです」って言ったところで物事は動かないから、めちゃくちゃ時間がかかるなというふうに思っています。

 何か自分がこうやりたい、ああやりたいと思った方向に進んで行くのに対して、そうですね、この懇談会の場で話したことが本当に次に繋がるっていうことなので、例えば、やっぱり今、貝毒の話とか、漁業の色んな制度の面というか、さっき言った暗黙の了解みたいな話でいくと、まず、漁業は例えば水産行政っていって、例えば県だとか市とかの水産の担当課があって、一方で漁協組織、漁連組織っていうものがあって、なかなか、どっちに言ったらいいのかとか、こっちに言いたいけど言えないみたいなことが結構あります。どうしても地元の方だと、漁協の方に言いにくいこととかも結構あるので、それを行政の方に相談したりとかもするんですけども、やっぱり、行政のところに行くと、行政の側から見たときの漁民の窓口って漁協なんだろうなって思っています。何か施策とか作る時に、やっぱり漁連、漁協の意見っていうものは、もちろん重視すると思うんですけども、自分がそこに対して思うことは、そこの意見が漁民の意見じゃないんじゃないかっていうことはすごく思っている部分でもあります。例えば、まとまらなくて申し訳ないんですけど、行政の方に話しに行って、色々細かいルールの確認とかで聞きたいこともいっぱいあって、色々お伺いしたりする時もあるんですけども、そういうことは漁協の方に聞いてください、漁連の方に聞いてくださいとかって言われたりもするんです。それもなかなか気軽に聞けるような関係性でもなかったりとかして、極端に言うと、何か聞くとちょっと面倒くさがられたりとかしてしまう時もあるので、それだとこっちもなかなか足が進まないし、なんか大変だなって思っています。ちょっと不満みたいな話になりますけども、だから、自分はいっぱいやりたい事、チャレンジしたい事、漁業に関して、さっきも革新的な一次産業であるべきというか、すごく色々とチャレンジのしがいがある産業だと思うんで、それはどんどんしていきたいと思っているし、多分、これから参入してくる、新しく始めていこうとする若い人たちも、おそらくそういう気概を持って入ってくると思うんですけども、その時に、入ってきたけど何かこれは変えられないんだなとかって残念に思ってしまって、途中で心が折れるみたいなこともあるんで、それがもったいないなと思っています。自分はもう、今は気長にやっていくしかないと思っているんですけども、もっとそこを、みんなで寄り添って解決していけるようなことができればいいなと思っております。はい。

小野部長

 はい、ありがとうございます。やはり、新規参入したい、あるいは新規参入をして、様々なチャレンジしたい人を、それをむしろ応援できるような仕組みとか、あるいは環境を作っていくっていうのは、今、中野さんの方からお話をいただいて、重要だなと感じております。

 それでは、佐々木さん、いかがですか。何かございますか。

佐々木 イザベル

 さっきのPRの仕方と、地元の人が大使になる話の続きなんですけど、大人もそうなんだけど、結局、そういう課題を対策するのに、子供からいった方がいいんじゃないのかなと思っています。やっぱり何か教育で、今は多分、もう一つの課題があって、人口が減っているんですけど、親は子供に対して「ここには何もない、仕事をするのにどこかに行かなきゃ」っていう発言が多いかと思います。子供たちがそのままそれを思っていて、自分の地元を知らないで地元から出て、結局、仕事に魅力的なことがないって考えているので戻って来ない。ただ、子供たちに「ここが居場所だよ」って教えれば戻って来るんじゃないのか、1回出ても戻って来るし、出ないかもしれないと思います。だから、最近始めたんですけど、学校で子供に教える役割があるので、私は、ある小学校の先生方に対しての観光ツアーをして、その地元の観光ツアーで地元の魅力を教えています。そうしたら、先生方は子供に対しては教えられるんじゃないのかっていうことで今やっています。

 あとは、PRの仕方の話は、やっぱり、自分もSNSとかでいっぱい投稿しているんですけど、自分の声が届いてないんじゃないのかなって思っています。やっぱり、自分のところにお客さんが来ていないので、もう、あまり効果が無いなって思いながらやっています。でも、見てくれている人たちからは、いや、イザベルの所はすごく綺麗だなって、行ってみたいなっていう声もあるので、それは実現すればいいなって思っていて、自分の友達から始めて、何か入口になるんじゃないのかって一つは考えています。

 あとは色々考えて、関係なさそうなものも繋いでみようかなって思っています。例えば、私は道場を立ち上げたので、全国、全世界に、空手の仲間がいっぱいいるので、大船渡に来てもらって、一緒に空手をして、大船渡のいい所を見せたいなって思っています。だから、空手と観光を繋いでみようと、どんどん、そういう発想ができればいいなって思っています。色んな角度から、色んな視点から考えて、色んなものが観光に結びつく考えがあればいいなって思っています。まだまだ何もできていないんですけど、いつかいい報告ができればいいなと思っています。

小野部長

 はい、ありがとうございます。今、空手のネットワークを使うといったことで、おそらく、世界中にネットワークがあるんじゃないかなと思っております。これはかなり、観光PRにも繋がってくるんじゃないかなと思います。

 また、先ほど佐々木さんの方から、地域の良さをみんなで見に行って、それを発見するというお話がありました。お隣の陸前高田市では、結構前ですけれども、地元学というような取り組みが進められていました。それぞれ、子供たちが地元の良さを再発見しようというような取り組みを、かつて、八木澤商店の河野さんを中心に行われていたということを、お話を伺って思い出しましたので、そういった取り組みもますます盛んになってくればいいのかなと思いました。

 それでは、菊地さんの方からお願いいたします。

菊地 康智

 すいません、先ほどの補足です。まず、知事には、昨年のしょうが市の情報発信をツイッターで御協力いただきまして、感謝申し上げます。ありがとうございました。

 僕からは、加えて、補足になるんですけども、陸前高田のような岩手の端っこですと、やはり盛岡まで通うのがすごく大変っていうところで、今年、市議会議員さんにお願いして、アグリフロンティアスクールを念頭に置いた農業経営者育成教育に対しての予算もつけていただきました。そういうところを、行政からもそういう応援、形ある応援をいただくことで、ちょっと行ってみようかっていう後押しに、農業者を応援してくれているんだよっていう後押しにもなりますし、コロナもあって、実際、我々の時はずっと毎週毎週通いで行っていたんですが、今はZoomなどでハイブリッド授業なんかも進んできていまして、行かなくてもいい時は、お家でパソコンを見ながら学習もできるような建て付けにもなっています。

 私、先日、アグリフロンティアスクールに講師として呼んでいただいて、実際行ったんですけども、今年の参加者が25名で、25名中6名が25歳以下のZ世代と言われる人たちで、新規就農ではない方もいらっしゃるんですが、やはり農業法人さんも、スクールに行って、その経営というものを学んできなさいということで送り出しているということだろうと思います。なおかつ、25名中16名がミレニアム世代、43歳以下ということで、非常に若年層化しているなっていうことが見て取れましたので、やはり、そこに、もうちょっとブーストになるような紐づけや、教育への投資を充実させていただけると、20年30年後に、すごくいい産業というか、魅力のある職業とか地域になっていくんじゃないかなと思っています。

小野部長

 ありがとうございました。

 2回目、皆様からお話をいただきまして、話が少ししゅうれんされてきて、その地域を知るということ、そして、それをPRし、広めるといったことで、さらに、この人づくり、或いはチャレンジをするといった点など、お話をいただきました。

 皆さんのお話を聞きながら、もう少し話してみたいという方もいらっしゃいますか。それでは、どうぞ。

伊藤 美希子

 ありがとうございます。先ほどのお話を聞いていて、人口が減っていく、子供がここから出たいって子供自身も思ってしまうというのは、本当に懸念すべきことだなと私も思います。特に、住田町は一番人口が少なくて、5,000人を切っていて、人口が減っているのは高田も大船渡も同じですよね。量で見れば、少なくなってしまっていくから、なかなかそこに人や資源を割くのが難しくなってくると思うのですが、やはりその部分を質でも見ていただけると、すごくありがたいなと思います。以上です。

小野部長

 ありがとうございました。他に何か、もう一言という方、いらっしゃいますでしょうか。よろしいですか。

知事所感

小野部長

 それでは、ここまで様々、お話をいただいてまいりましたけれども、知事の方から最後にお願いいたします。

達増知事

 はい、ありがとうございます。経営ということについては、先週金曜日に全国12の医師不足県で、この知事の会を作っていて、東京でシンポジウムをやって、この医師不足解消のために、日本全体として取り組もうというようなアピールをしてきたんです。医師不足解消のための取り組み発表の中で、これは新潟県なんですけれども、医学部、医師免許を取った後に、まだインターンという、昔でいうインターンですよね、研修医として、病院の現場で普通にお医者さんをしながら最後の研修の仕上げをやるっていうことを、今これ、全国で取り合いみたいになっているんですけれども、研修医が新潟県に来てくれれば、経営学を教えるコースを取れるみたいなサービスをやっているんですね。背景として、お医者さんでも、このアメリカでいうMBA、経営学修士の資格を取るお医者さんっていうのが増えていて、経営を勉強するお医者さんっていうのは増えてきている、そういうものが流行っているらしいんですね。お医者さんですら、開業医をやるにせよ、病院をやるにせよ、経営を学んだ方が良かろうっていうトレンドが医療の世界にもあると聞いて驚いたんです。

 東日本大震災が起きて、経済同友会が被災3県で経営塾を広くやってくれて、1年とか2年のコースで、若い経営者の人たちに、勉強会みたいな感じで、塾という名前で経営を教えるみたいなことをやってもらって、経済同友会は、丸10年ぐらいかな、いずれやめてしまったので、似た事業を県が引き継いで、県が細々とやっているというところもあるんですけれども、色んな形でやっぱり、経営の勉強ができるようにした方がいいと思いますね。

 これは農業もですけど、漁業もそうで、水産業については、県も、水産アカデミーを立ち上げて、新規にやろうという人たちを対象にしているんです。そういうところで、経営的なことも学んでもらったり、岩手大学のアグリフロンティアスクールがあり、農業大学校っていうものがあったりで、水産アカデミーと林業アカデミーとがあったりするんですが、プラス、経済同友会がやっていた短期のセミナー形式の、そういう経営講座なんかを、色んな分野でどんどん学べるようにしていくというのがいいんじゃないかなとも思いました。

 そして、岩手の良さ、それぞれの市町村の良さですね。これはよく、外から来た人によくそれが見えるというふうに言われるんですが、やはり比較することだと思いますね。私も岩手県盛岡市で生まれ育っているんですが、その後、大学から東京に出て東京で働いたり、外務省で働いたことがあるので、アメリカとかシンガポールとかで働いていたこともあるんです。要するに、外国と比較すれば、透明な水が川を流れて、そして、町の中までそういう透明な水が流れているような場所っていうものは、世界にはほとんどなくて、それは日本の魅力で、岩手には特にそういう透明な綺麗な水が川を流れて、そのまま海にまで注いでいる所があって、それは気仙川もそうだと思いますけれど、その水の綺麗さ、透明度の高さっていうのは世界有数みたいです。やはり比較しながら、実は、全国トップクラスだったり、世界に通用するくらい良い物が、もうこの気仙地区にもありますし、岩手にもあるというようなことを、県民の皆さんに、地元の皆さんに知ってもらって、よし、そこで働こう、そこで暮らしていこうという、そして、全国からも来てもらおうということに繋げるということに、県もますます力を入れていきたいと思います。ありがとうございました。

小野部長

 知事、ありがとうございました。

閉会

小野部長

 本日の県政懇談会は、「気仙の魅力を生かした地域振興」と題しまして、まさに東日本大震災を契機に気仙にお戻りいただき、あるいは気仙の地を選んでいただいて、地域振興、復興のために活躍されている4人の皆さんから、それぞれの御活躍の状況、お話をお伺いいたしました。

 皆さん本当に、それぞれの分野で活躍されている方々だからこそ、様々な悩みとか課題といったものを、受け止められているんだなと感じました。

 今日いただいた御意見、御提言などは県の方に持ち帰りまして、関係部局とも情報を共有して、一つ一つ取り組みを進めて、検討してまいりたいと考えております。

 本日は、貴重なお話をいただきまして、誠にありがとうございました。それでは、以上をもちまして、県政懇談会を終了いたします。ありがとうございました。

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