「いわて幸せ作戦会議(in釜石)」(令和4年11月22日)

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ページ番号1057648  更新日 令和5年1月13日

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日時
令和4年11月22日(火曜日)10時30分から11時50分まで

場所
釜石情報交流センター チームスマイル釜石PIT

出席者

・参加者(敬称略)
 黒澤 かおり(大槌刺し子、NPO法人テラ・ルネッサンス大槌事務所)
 小原 正人(鵜住居青年会会長、消防士/オンライン参加)
 小笠原 景子(劇団もしょこむ団長、一般社団法人釜石青年会議所所属)
 杉本 浩(プロサーファー、サーフショップK-SURF経営)

・県側
 知事、沿岸広域振興局長、政策企画部長

開会

小野部長
 それでは、ただいまから、県政懇談会「いわて幸せ作戦会議in釜石」を開催いたします。皆様には御多忙のところ、御出席をいただきまして誠にありがとうございます。心から感謝申し上げます。

 本日は、「復興の先にあるまちづくり~地域の強みを生かして~」を懇談のテーマといたしまして、釜石地区で伝統芸能、文化芸術やスポーツなど様々な分野で、地域の復興に向けて取り組まれていらっしゃる方々にお集まりをいただきました。

 私は本日の進行役を務めさせていただきます、県の政策企画部の小野と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

知事あいさつ

写真:懇談会の様子2

小野部長
 それでは、開会にあたりまして、達増知事から御挨拶申し上げます。

 

達増知事
 
はい。皆様、おはようございます。県政懇談会「いわて幸せ作戦会議in釜石」ということでありますが、県政懇談会というのは、岩手で活躍している、様々な分野、様々な地域の方と、知事が直接意見交換をして、県政に役立てるというものでありますが、「いわて幸せ作戦会議」という名前にしているのは、今のいわて県民計画、県の総合計画の基本目標が、「東日本大震災津波の経験に基づき、引き続き復興に取り組みながら、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわて」ということで、そこから、この「幸せ作戦会議」というふうにしております。

 今日は、「復興の先にあるまちづくり~地域の強みを生かして~」ということで、釜石地域で活躍されている皆さんとの意見交換であります。新型コロナウイルスの流行や、主要魚種の不漁の問題、そして、さらにこの物価高が復興に大きな影を落としている訳でありますけれども、先程の県の総合計画の基本目標にもあったように、東日本大震災津波の経験に基づきということで、その時、新しく生まれた絆や、今までやったことないような方法、やるようになった地域の力というものが、新しい困難をも乗り越えて、一人一人の幸福を高めていくような、そういう地域づくりを可能にすると思います。

 今日はどうぞよろしくお願いいたします。

 

小野部長

 はい、ありがとうございました。

出席者紹介

小野部長

 それでは、この後の進め方についてですが、まず私からお一人ずつ御出席の皆様のお名前を御紹介いたしますので、続けて1分程度の簡単な自己紹介をお願いいたします。それぞれ、黒澤さんから名簿順に御紹介してまいります。

 その後、本日のテーマに沿ってお話をいただきますが、お一人ずつお話が終わった都度、知事がコメントするというような形で、区切りながら進めてまいりたいと思います。そして最後に、自由懇談の時間も設けたいというふうに思っておりますので、その際にはぜひ、他の皆様のお話を聞いてとか、言い足りなかった点といったこともあるかと思いますので、お話を自由にいただければというふうに思います。

 それでは座席表に従いまして、本日御出席の皆様を御紹介いたします。始めに、大槌刺し子、黒澤かおりさんです。

 

黒澤 かおり

 皆様、こんにちは。はじめまして、大槌町出身の黒澤かおりと申します。今日は、大槌刺し子のスタッフとして参加させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 

小野部長

 よろしくお願いいたします。

 続きまして、鵜住居青年会会長、小原正人さんです。なお、小原さんにおかれましては、御都合により、本日はリモートで御出席をいただいております。小原さんお願いいたします。

 

小原 正人

 はい。皆さん、こんにちは。私は、鵜住居青年会の会長をしております、小原と申します。どうぞよろしくお願いします。

 鵜住居青年会は、釜石の伝統芸能である虎舞を継承しています。私は普段は、釜石消防署で消防職員として勤務しております。鵜住居青年会は、地元の鵜住神社(うのすみじんじゃ)の例大祭へ参加したり、地域活動への協力、虎舞の継承活動を通して、若者育成など、そういった活動をしております。震災後からの取組といたしましては、鵜住居小学校で授業の一環として行われている、うの小虎舞へ、虎舞の指導へ行っております。

 本日はどうぞよろしくお願いします。

 

小野部長

 小原さん、ありがとうございました。

 続きまして、劇団もしょこむ団長の小笠原景子さんです。お願いします。

 

小笠原 景子

 はい。皆様、本日はよろしくお願いいたします。

 私は、釜石で劇団を旗揚げしまして、年に一度を目途に、市内での演劇の公演、それから3年前からは、宮古市で子供劇団の講師を務めております。また釜石青年会議所にも所属しておりまして、自分の得意分野を生かして、町に何か還元できないかというところで、活動しているところです。普段は一般事務、事務の仕事をしながらですので、仕事後の時間を活用しながら、他の活動をしております。よろしくお願いいたします。

 

小野部長

 はい、よろしくお願いいたします。

 最後に、プロサーファーの杉本浩さんです。よろしくお願いします。

 

杉本 浩

 プロサーファーの杉本浩です。普段は浪板海岸でサーフショップを経営しながら、サーフィンスクールと、あとはサーフボードのスクール、作ることもやっております。あとは砂浜再生をしていただきまして、誠にありがとうございます、県の方々。まあ、そういう砂浜の長い、何つうかな、もうちょっと良くするための活動をしております。よろしくお願いします、今日は。

 

小野部長

 はい、よろしくお願いいたします。

 県からは、達増知事、県沿岸広域振興局の八重樫局長でございます。よろしくお願いいたします。

 また、本日は、釜石選挙区選出の県議会議員の皆様にもお越しをいただいておりますので、御紹介いたします。

 小野共議員です。

 

小野 共議員

 よろしくお願いします。

 

小野部長

 岩崎友一議員です。

 

岩崎 友一議員

 よろしくお願いします。

 

小野部長

 よろしくお願いいたします。

懇談

写真:懇談会の様子1

<テーマ>

 復興の先にあるまちづくり~地域の強みを生かして~

 

小野部長

 皆様のお手元にお菓子と飲み物を準備しておりますので、ぜひお召し上がりいただきながら、御歓談いただければというふうに思います。

 それではまず、八重樫局長から、今日のお菓子と懇談のテーマにつきまして、御紹介をお願いいたします。

 

八重樫局長

 はい。それでは、開けてお召し上がりになりながら、ぜひ、お聞きいただきたいと思います。

 まず、お菓子についてでございます。御存知の方もいらっしゃると思いますけども、小さい方が、釜石の小島製菓で製作しております、「かまもっち」ということで、小粒ではありますけれども、非常に上品なお菓子になっております。釜石地域では、くるみと黒砂糖を使用した餡を、小麦粉の皮で包んで茹で上げた「かまだんご」というお菓子が、昔から市民でも食べられてきました。その伝統的なお菓子をモチーフにして、求肥で包んだ黒蜜とくるみを、発酵バターを練り込んだもっちり食感の生地で包みました。懐かしいけど新しいというような、一粒で、黒蜜とくるみと二度おいしいというお菓子でございます。

 次が、クッキーですけども、こちらは大槌町のエルマーノで販売されています、「ひょうたん島クッキー」でございます。このひょうたん島は御案内の通り、蓬莱島がモチーフでございまして、こちらには弁天神社がございます。赤い鳥居がございますけれども、こちらは、昔から豊漁と航海の安全の守り神ということで敬われてきたところでございます。こちらの島は、復興のシンボルとして、平成25年に大槌町指定文化財ということになっておりまして、また、この蓬莱島は三陸ジオパークのジオサイトにも指定されております。そういったことを受けて、このクッキーは、平成31年、3年前になりますけれども、大槌町の三陸ジオパーク推進協議会において、「おおつちジオフード」というものを大槌で定めまして、それに認定したものでございます。

 最後に、お水でございます。釜石といえば、「仙人秘水」ということで、旧釜石鉱山、甲子川の源流にあるところでございます。こちら御存知の方もいると思いますが、旧釜石鉱山、尋常小学校の校庭もですね、広く残っております。こちらは、宮沢賢治の「風の又三郎」のモデルではないかと、一説には遠野の上郷という話もありますけども。鉄鉱の職人が、お父さんの転勤で又三郎が来たというエピソードもございます。そういったロマンも感じながら、お召し上がり、お飲みいただきながら、今日の御歓談を進めていただければと思います。よろしくお願いいたします。

 引き続きまして、本日のテーマの説明です。先程、部長の方からもちょっとお話がありましたが、今日のテーマは、「復興の先にあるまちづくり~地域の強みを生かして~」というテーマでございます。東日本大震災津波から、11年以上が経過しております。防潮堤、道路などハードの整備は、おかげさまでかなり進みました。一方で、この沿岸地域は、県全体にも先行する形で、人口減少あるいは少子高齢化というものが進行しておりまして、やはり活力ある地域の創造というものが今、大きな課題となっております。そのために、釜石や大槌らしさというものを発揮して、伝統芸能、文化芸術、スポーツ、そういったことで、地域の強みを生かし、将来も住み続けたい魅力ある街にしていくということが重要であると考えております。本日は、復興、地域の牽引役として、各分野で御活躍をいただいております、4名の皆様の視点から、御自身の活動、そういった経験を踏まえまして、魅力ある釜石・大槌にしていくために、どうすればいいかというようなこと、あるいはこれからの三陸全体の振興について、積極的な御意見、御提言をいただければと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

小野部長

 はい、ありがとうございました。

 それでは、ここから懇談の方に入ってまいります。ただいま八重樫局長から説明がございました、本日のテーマ、「復興の先にあるまちづくり~地域の強みを生かして~」に沿って、現在の皆様の取組や課題、今後の方向、御自身の抱負、県への期待なども含めてお話をいただければというふうに思っております。先程の順番で、黒澤さんの方からお一人5分程度でお願いいたします。お一人ずつお話をいただいた後、知事からコメントをしていただくというような形で進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、始めに黒澤さん、お願いいたします。

 

黒澤 かおり

 よろしくお願いします。私たちの活動している仕事は、震災後から始まったプロジェクトで、町内に住んでいるお母さん方が刺し子をして、商品にして世に出すっていう活動なんですけども、この活動を通して、私が気付いたことは、手仕事が心のケアにもなっていることです。大槌刺し子をすることで、呼吸を落ち着けて、一針一針刺し子をしていると、気持ちも落ち着くし、心穏やかな時間を過ごせるので、心のサプリメントにもなると思ってくれているようです。

 それから、大槌刺し子の課題ですが、大槌刺し子の刺し子さんの高齢化に伴い、やはり、生産が安定しないことです。OEMで仕事もたくさんできるのは嬉しいのですが、刺し子さんの人数が少ないのと、一人にかかる負担も多くなるので、若手の子育て世代の方の刺し子さんをこれから増やしていきたいなと思っています。

 大槌刺し子の今後の抱負は、大槌刺し子には大槌という地名が入っているので、刺し子を大槌町の新しい文化の一つとして根付くように、他の事業者さんたちとも協力しながら頑張っていきたいと思っています。以上です。

 

小野部長

 はい、ありがとうございました。刺し子の手仕事が心のケアになるというような形でお話をいただきました。また、高齢化が一つの課題であるということでございますが、知事の方からお願いいたします。

 

達増知事

 はい、ありがとうございます。手仕事が心のケアにもなるということで、大変いいことだと思います。そして大槌刺し子、大槌という名前をどんどん知名度を高めるということで、そうですね、大槌刺し子もかなり、大槌という知名度向上に貢献しているんじゃないかと思います。お母さん方が高齢化していくということで、今のところ、注文する方が多いような感じなんですね。そうすると、もう作れば作っただけ売れるぐらい、売れているような、だったら、やっぱり作った方が、たくさん作った方がいいですよね。求められているということでもあると思いますので。そうしますと、子育て世代の若手も、っていうお話でしたけれども、どんどん若い人とか、それが男性であっても構わない訳ですね。もう年齢問わず男女問わず、みたいな感じで。そういうふうに、どんどん広がっていくといいと思います。

 岩手、沿岸のこの手仕事というもの、時々こうまとめて盛岡の川徳で展示、販売したりとか、県全体として、それぞれのブランドも有名になって、そして岩手、沿岸にそういうものがあるっていう、こう全体的なことも知られるようになってきているので、産業化ということも視野に入るんだと思います。ありがとうございます。

 

小野部長

 はい、ありがとうございます。

 それでは続きまして、小原さんからお願いいたします。

 

小原 正人

 はい。まず、私たちは、先程も言ったんですけれども、地元の鵜住神社の例大祭に参加するっていうのがメインの活動となっているんですけども、その他にも、県内や県外の各種イベントにお招きしていただいて、虎舞を披露させていただいております。しかし、うちの団体に限ったことではないと思うんですけれども、他の団体さんも、やはり、東日本大震災があった数年間は、多方面の方々から、多数の出演依頼とかがあって、虎舞を披露する機会があったんですけれども、やはりここ数年は、復興も終わってきて、さらにコロナも影響していると思うんですけども、その出演依頼ってのは減ってきているかなというふうに感じています。伝統芸能というものは、地域の魅力の一つになるかなというふうに思っておりますので、地域の魅力を発信していくには、やはり積極的に外部への発信っていうものが必要になってくるんじゃないかなというふうに思っております。

 今の話にちょっと関連するんですけれども、踊り、私達の踊り自体が上手くないことには、やっぱり、出演依頼も来ないかなっていう話になってきます。それは今後の継承活動ということにやっぱり影響していくと思います。若手の育成ってものがやっぱり必要不可欠であるかなっていうふうに思っています。ただですね、私が考えているのは、踊りを教えるだけじゃないっていうことで、踊りの意味だったり、踊りの中にある所作の意味っていうことまでも、しっかり教えていくことが大事かなと。そして何よりも、この震災を通して、お世話になった、人と人との繋がりっていうことを、感謝の気持ちっていうことを教えていかなければならないのかなというふうに感じています。

 ただ、それは担い手がいないと話が始まらないからってことで、やはり担い手がいないと意味がないので、やっぱり若い人たちが地元に残ってもらえるようなまちづくりといいますか、大々的な取組っていうことを岩手県の方には望んでいます。以上です。

 

小野部長

 はい、ありがとうございました。虎舞という伝統芸能、これを舞いながらですね、地域の発信、これに繋げていると。そういった中で、やはり、担い手、後への継承といったところが、大切になってくると。県の方には、若い人たちが地元に戻りたいということをですね、ぜひ強めていって欲しいといったことのお話がございました。

 知事の方からお願いいたします。

 

達増知事

 はい、ありがとうございます。冒頭の挨拶で、震災の後に生まれた様々な力を生かしてということを言ったんですが、震災の前から、もうずっと昔からあるものの力というのが、非常に大きいということを、虎舞の話で思い出しました。震災直後、2011年の、この夏から秋にかけて、打ちひしがれていた心を、徐々に復活していった業、虎舞を始め郷土芸能が、この心の復興といいますか、被災地の皆さん、そしてオール岩手、全国の皆さんのことも励まし立ち上がらせていったことを思い出します。

 コロナで、最近なかなか活動が制限されているのは、本当にもったいないことではあるんですけれども、そういう中で、先程、小原正人さんが、踊りを上手くしなければということをおっしゃって、非常に志が高いなと思いました。釜石鵜住居、また、大槌、この辺りの虎舞は、全国に、このかしらを振りながら、二人一組で踊るようなものが獅子舞とか、権現舞などを含め色々あるんですけれども、我々の虎舞のこう、リアルな動き、そして丁寧なストーリー展開っていうのは、なかなか全国的にも無いのではないかと思っておりまして、台湾やシンガポールにもライオンダンスというものがありますけれども、それらよりも、このリアルな動き、ストーリーの展開ということについては、全国的に、さらには海外の人たちをもう感心させられるものがあると思うので、ぜひぜひ、この質の向上ということ、これが上手くいきますと、本当にパワーのある郷土芸能だと思いますので、よろしくお願いします。県としても応援したいと思います。ありがとうございます。

 

小野部長

 大震災後に、私、知事にお供して鵜住居に行った時に、知事も踊られたことがありますよね。

 

達増知事

 そうですね。外国のそういうのも見たこととか、体験したことがあったんで、やってみたんですけれども。

 

小野部長

 結構、知事も上手に踊られていました。

 

達増知事

 でも、いや、本当にやっている皆さんの、この動きの良さには全然敵わないので、感心しているところです。

 

小野部長

 大震災の前に、鵜住居の青年会の活動拠点の青年会館の方にお呼びして、知事も皆さんから教えていただいて、虎舞を踊ったことがあるというふうに私も記憶しております。ありがとうございました。

 続きまして、それでは小笠原さんからお願いいたします。

 

小笠原 景子

 はい。そうですね。現在、私の演劇に関する活動としましては、自分の劇団での活動というのと、あとはその宮古の子供劇団での公演、それから個人として、震災関係の作品にちょっと声を掛けていただくことがありまして、この震災から10年というところでですね、ラジオドラマだったりとか、朗読劇だったりとかっていうところに声を掛けてもらうっていうことが多くありました。自分の劇団の旗揚げの時も震災の仮設住宅をテーマにしたもので、旗揚げ公演しておりますが、どうしても、被災地の後、釜石の劇団というと、他にないものですから、そういう震災関係を期待される、震災に関するものを期待されるというのがずっとありまして、でも、やっている本人たちは、演劇がやりたいんだということでスタートしているものだったので、そこに対するちょっとこうジレンマみたいなものは、ずっと抱えながらいました。

 それから7年、旗揚げから7年経って、復興から十何年、11年過ぎていってというところで、うーん、やはりちょっと、自分の中でも、考え方っていうものが変わってきた部分があります。一番は青年会議所の方に所属したことで、ちょっと町っていうものに目を向けることができるようになったというのが、自分たちだけが、自分たちがやりたいものをやるんだっていうことだけではなくて、やはりこの町で演劇を続けていくためには、自分がちょっと得意な分野っていうものを、町に還元していく、子供たちに還元していくっていうことを、すごく考えるようになってきました。子供劇団での講師っていうところもそうなんですけど、あと、今年は釜石市内でも子供向け、あと、高校生向けのワークショップっていうものもやらせていただきました。市民劇の方にも長年携わっているんですけれども、市民劇でも、学校に行けない子供たちが市民劇で輝いているとか、やっぱり第3の居場所としての役割っていうのが、演劇の可能性というところではすごく感じているところです。今後も子供たちに、少しでも可能性を伸ばしてあげたいと思っているし、それを少しでも、そういう輝く人たちが増えれば町も輝いていくのかなというふうに思っていますので、そういった活動をこれからも続けていきたいなと思っています。

 

小野部長

 はい、ありがとうございました。町に目を向けるようになって、子供たち、町に得意なものを還元していくというお話がございました。

 知事の方からお願いいたします。

 

達増知事

 はい、ありがとうございます。「平行螺旋」、震災後の仮設住宅生活を、平田の仮設住宅団地で演劇したのを拝見したことを思い出します。鑑賞させていただいたのを思い出しますけれども、震災関係の演目を期待する空気が多いというのは、それはやっぱりこう分かるなという感じもしますね。朗読劇とかラジオドラマでもそういうものがあり、文学でも、最近5年間の間に、岩手県は5人が芥川賞、直木賞を取ったり、候補になったりっていうことがあるんですけど、全て、震災が関係している作品で、やはりそういうものを求める世の中があり、また、物を作り出す人達の中に、やはりそういうものがあるというのが今あるんだと思うんですね。

 一方、震災とは離れて、演劇やワークショップをやるっていうのも大事だと思います。岩手県は、過去の様々な経緯の中で、学校においては、合唱が盛んな県になっているんですけれども、いろんな機会にいろんな所でいろんな人から、「演劇もいいんだ。達増さん、演劇にも力を入れてくれ、入れさせてくれ。」っていう声はよく聞くんですよね。やっぱり子供たちの成長に、また、上手く成長軌道に乗っていない子供たちが、それなりにこうやっていくために、演劇というものが持つ効果は非常に大きいと思いますので、ぜひぜひ、この地域において、またいろんな場面で演技を広めるのを、県も応援していきたいと思います。ありがとうございます。

 

小野部長

 はい、ありがとうございます。

 それでは4人目、杉本さんからお願いいたします。

 

杉本 浩

 そうですね、今やっている活動というか、私、サーフショップをやっていますんで、サーフィンを、とにかくこの岩手県っていう県でサーフィンというと、こんな寒い所でってなるんですけど、私も41年ここでやってきているんですけど、何ですかね、子供たちへの、やっぱり普及というか、もっとサーフィンをね、いっぱいの人にやってもらいたいっていうのが一番の目標なんですよ。私ももう54なんですけど、お客さんで60過ぎてる方もいますし、子供さんを連れてくる親の方もいますし、そういう方に、増えてもらいたいっていうかね、もう少しこう、野球、サッカーぐらい普及させたいなっていうのが私の夢なので、それをずっとやってきているんですけど、やっぱり震災があって、一気にこう、それが下がっちゃって、やっと今それが戻りつつあるんですけど、やっぱりそれをとにかくコツコツでありますけど、もっとこう、発信していきたいというか、指導して、やっぱり子供には全日本とか、そういう選手権を毎年ここで地区予選とかやって全国に送り込んでいるんですけど、なかなかやっぱり寒いっていうのがね、一番のネックなんですよ、ここは。ただ、今は胴着、ドライスーツなんかもすごく普及して、昔よりはすごく良くなっていますし、だから、そういう希望っていうのはとにかくありますし、子供たちの指導もあります。

 あとは何ていうかな、今、ストレス社会なんで、ずっとやっている方とか、普通の仕事される方でもなんですけど、とにかく海に入ると、ストレスが発散っていうか、無くなるっていうかね、浄化されるような感じがあると、そういうのもありますから。本当に、海にもう少し接して欲しいというか、やっぱり震災で海から離れている人が結構多いと思うんですよ。今年は、やっと12年ぶりに、浪板海岸を海開きしましたので、天気もあるんですけど、人はそれでもやっぱり少ないと。それを、もっともっと観光客が、その海に接する人を増やしたいっていうのが課題というか、これからまた来年の夏どうしていこうかっていうことが、今の課題ですかね。以上です。

 

小野部長

 はい、ありがとうございました。特に子供たちを始め、多くの人たちにですね、サーフィンを伝えていきたい、広げていきたいという思い、杉本さんの思いでございました。

 知事の方からお願いいたします。

 

達増知事

 はい。サーフィンは、東京2020オリンピックで種目になったことは、やっぱり大きいですよね。

 

杉本 浩

 そうですね、あれで結構、地位というかね、全国的には上がりました。

 

達増知事

 テレビで本格的なその競技としての発展を見ることができたっていうのは、大きいんじゃないですかね。

 

杉本 浩

 そうです、はい。

 

達増知事

 やはりせっかく海があり、また、サーフィンにもいい場所がある岩手県ですから、サーフィンも振興していきたいと思います。しかも競技としても、どんどん確立してきていますし。

 あとは、このアメリカ、カリフォルニアに由来するこのサーファーのカルチャーっていうのは、岩手にもすごいいいと思うんですよね。海がストレス解消効果があるっておっしゃいましたけれども、そういうからっとした自由な感じ、それを岩手の沿岸で味わえるっていうのは大事なことだと思います。そういう仲間がまた増えていく感じですよね。そういう仲間と一緒にサーフィンするっていう感じがいいんだと思います。

 ILC国際リニアコライダーのお話を進める中で、世界中の科学者がILCを作ろうとしている、この北上山地の山を視察に来るんですけれども、来た人たちが、「海が近いね」っていうことを言うんですよね。で、今の最先端の加速器はスイスのジュネーブ郊外にあるので、全然海が無いような所にあるわけですけれども、そういう物理学とか、大型の機械で研究するようなことをやっている人たちは、結構海が好きなようで、リラックスできる感じとか、自然が好きだからかもしれないですし、ですから、そういう意味で、いろんな人にやっぱり岩手の海に来て欲しいなと思いますね。せっかく、復興道路により、道路も便利になっていますので、岩手の内陸の人たちにも、1年のうち、少なからず海で過ごすということをやって欲しいなと思いますし、また、全国や海外からもどんどん岩手の海に来てもらうように、県も頑張っていきたいと思います。

 

杉本 浩

 よろしくお願いします。

 

達増知事

 はい。

 

小野部長

 はい、ありがとうございました。

 皆様から一通りテーマに沿ったお話をお伺いいたしました。冒頭、知事からもお話がありましたように、近年、岩手では文化・スポーツで、若い人たち中心に多くの人たちの活躍が、本当に世界、日本全体の中でも光っております。文学でありますとか合唱、クラフト、スポーツなど様々な面で、岩手の若い人たちが注目を受けてきているという状況にあります。

 本日は、手仕事、伝統芸能、演劇、スポーツ、サーフィンといった形で、まさにこちら、三陸、釜石・大槌で御活躍の皆様から今お話を伺ってまいりましたが、一方で、やはりこの、これを将来に伝えるといったことで、担い手、あるいは後継の育成といった点、また、町への還元といったお話もいただきましたし、子供たち、多くの人たちに広げていく、伝えていくんだといったところで、これからの期待、課題も含めて、お話をいただいたというふうに考えております。

 皆様からのお話を受けてといった形でも結構ですし、あるいは、今、一巡目で十分お話しいただけなかった点でも結構でございます。あるいは、重ねて県へ期待することでも結構ですので、ここから自由な懇談という形でお話を頂戴できればと思いますが、どなたかいかがでしょうか。

 いかがですか。黒澤さん、先程のお話の中で、やはり、担い手といったものが一つ課題にあるといったこともありますし、子育てを一段落した方々に、関わってもらうといったところもあるのかなというふうなお話も考えましたけれども、そういったところで何かこう課題でも結構ですし、工夫されている点でも、何かございましたらお願いできますか。

 

黒澤 かおり

 はい。やっぱり刺し子っていうのはとても技術的なものなので、始めてしまえばとても簡単なものではあるんですけども、御高齢になってくると、やっぱり目が疲れたり、体に不調が出たりっていうことがあるので、まずは、刺し子を若い人たちにも伝えていくために、大槌町内でワークショップを開催したり、お母さん、「刺し手さん」って言うんですけども、刺し子さんたちと交流を持ってもらって、刺し子をどんどん広げていくっていうことと、そうですね、震災後何年か経ってからは、修学旅行生が大槌町に来たときに、高校生との刺し子交流会っていうのもやりましたし、あと、大槌高校の家庭科の先生からのお願いで、刺し子を生徒たちに教えていただきたいということで、学校の授業の方にも、参加させていただきました。なのでやっぱり、子供たちって今、家庭科で裁縫することはあると思うんですけども、なかなか針を持つことがないので、物がたくさん溢れているんですけど、自分の手で刺す事や作る事で、物の価値が自分だけのものになるっていうことや、物を大切にする気持ちとか、そういう部分をもうちょっと育てていきたいなと思っています。

 やっぱり、皆さんのお話を聞いてるとそうなんですけども、子供たちが、どうこの大槌町で育っていくかっていう過程が多分大事だと思っていて、私も息子がいるんですけど、大槌高校を卒業していて、復興研究会に参加してまして、町の復興について調べたり、考えたり、子供たちながらに自分たちに何かできることをまとめて発表したこともありました。これからの時代を生きていく若者たちの、復興へのこの素直な夢とか意見などをもっと聞き入れて、大人も一緒に手助けしながら、小さなことからでもいいので、少しずつ目に見える復興とか、心の復興とか、やっぱり大槌町に戻ってきてこの大槌町を良くしたいっていう、子供たちが増えればよいかなあと思っています。

 最近大槌町に遊びに来られる方も、足を運ぶ方も増えたと思うんですけども、ちょっと残念だなって思うのが、駅前に、ドンガバチョとかのお人形さんがいると思うんですけども、外観的に、写真撮った時に後ろに自動販売機が写るという残念感があるので、ぜひちょっとそういう、観光に大槌町に来たときに、大槌町民と観光で来た方が一緒に楽しめるような場所づくりっていうのも、今後していけたらいいなと思っています。以上です。

 

小野部長

 はい、ありがとうございました。刺し子の活動を通じてワークショップ、あるいは高校生の皆さんとの交流ができて、高校生の、御自身のお子さんのこともあって、高校生の皆さんのこれからですね、大槌町の中で活躍し、一旦、もしも出たとしても戻ってきてというようなことです。また、今お話があった観光客の皆さんと、町民の皆さんが交流できるような、そういった機会をというお話をいただきました。ありがとうございます。

 今、黒澤さんからも2回目ということでお話いただきましたけれども、何か他の皆様から二巡目ございましたら、お願いいたします。いかがでしょうか。

 小原さんの方からは、何か、言い足りなかった点などありましたら、お願いしたいんですけれども、いかがでしょうか。

 

小原 正人

 はい、そうですね。私たちは、鵜住居小学校の方に虎舞の指導に行ったりしているってことをお話したんですけれども、その虎舞を教える中で、子供たちに一番感じてほしいなって思うことは、伝統芸能っていうのは、多分、もともとはそのお祭りの際に、その神様に対して奉納するためのことだったと思うんですけど、私はそれ以上に地域のため、一番は子供のためのお祭りだと思っているので、やっぱりそういう伝統芸能っていうのは楽しいものなんだよ、見ている人を楽しませるためのものなんだよっていうことを伝えていくように努力はしています。っていうのも、踊っている人たちが自分たちが楽しんでいないと、見ている人たちも楽しくないよっていうことで、そういうことを教えてはいるんですけれども、なかなか、小学生、特に5、6年生がやっているもので、思春期の子たちなので、こう、踊ったりするってことに恥ずかしいっていう子たちもやっぱりいるし、だから、恥ずかしくないっていうのは気持ちの問題なんで大変なんですけども、そこをどう教えていくかなっていうのが、大変なところかなというふうに感じています。あとは鵜住居に限ったことじゃないんですけれども、伝統芸能として、震災の直後ですかね、虎舞を踊ったりすると、地域の皆さんが虎舞見れて良かったとか、元気もらったよとかっていう声を掛けてもらったりしていたので、やっぱりこれからもですね、失くしていけない文化だなっていうふうに感じていました。

 でも、さっきも言ったんですけども、その、これから、これはどんどん継承していかなきゃいけないものなので、継承するためにはやっぱり若手が必要、継承者が必要ってなってきますけれども、やはり、釜石だけじゃないですけども、就職先がやっぱり少ないかなと。少ないのでやっぱりみんな県外に出たり、県内でもちょっと遠くの内陸の方に就職しますとかっていう人たちがいるので、そこは難しいところなんですけども、何とか地元に若者に残ってもらえるような、何て言うんですかね。町づくりっていうこともさっきも言ったんですけども、就職先もそうですけれども、やっぱり若者が楽しめるような町になっていかないと、残っていかないのかなっていうふうに感じておりました。以上です。

 

小野部長

 はい、ありがとうございます。今、伝統芸能虎舞の継承といったところで、若い人たちに伝えていくんだけれども、なかなか若い人たちが地元に残れない状況もあるといったお話をいただきました。県の方でも、いわて県民計画を始め、やはり、人口減少対策に力を入れていくといったことを、来年から新たな実施計画、アクションプランが始まるんですけども、その中で、人口減少に力を入れていきたいというふうに考えております。様々議論する中で、やはり仕事の面ということが一つ重要なことでもありますし、今、小原さんの方から話があった、若い人たちにとって魅力のあるわくわくするようなですね、地域といったことがあることで、また仕事をし、やりたい仕事があることで、若い人たちが残っていけるというお話が、議論の中でも様々出ております。県といたしましても、各市町村と一緒になって、そういった人口減少対策、社会減、自然減も合わせて取り組んでまいりたいというふうに思っております。ぜひ、小原さんも、そういった消防団あるいは伝統芸能の方から、そういった若い人たちが魅力に感じるような地域づくりの方に、一緒になって応援をいただければというふうに考えております。よろしくお願いいたします。

 それでは、小笠原さんはいかがでしょうか。先程、演劇のところでやはり、地域、町の方に還元していきたいという話がありました。これからの演劇の展開とか、これからこういうことをやってみたいんだということでも結構でございます。何かございましたら、お話をお願いいたします。

 

小笠原 景子

 そうですね。私、子供劇団の方で教えている中でですね、子供たちの個性、それぞれ女優になりたいとか、そういうことではないんですよね。演劇、劇団に入っている子供たちっていうのが、すごく話すのが苦手な子もいたりとか、あと歌うのが好きです、踊るのが好きですとか、お話を考えるのが好きとか、あと、それこそそのスポーツを一生懸命やっていますっていう子たちがいたり、その子たちの得意な分野を生かして、演劇の中にも取り込んじゃうんですよね。剣道やっているっていう子がいたら、剣道をやっているキャラクターにしちゃうとか、そういう何か、そうすることで、子供たちの個性が生きますし、他の子たちもそれに刺激を受けて、というような何かすごく何て言うんですかね、いい形が見えているんですね。なので、何て言うんですかね、釜石の子供たちにも、それを釜石でもそれができたらいいなというふうには思っています。

 何かやる時にですね、私が演劇をやりたいと思ったのって、結構釜石に戻って来てすぐ、演劇やりたい、やりたいってこう言ってたんですけど、どうせ、釜石でやったって誰も見に来ないと、釜石で演劇なんて、全然他に劇団も無いので、釜石で演劇やったってっていうふうにすごいなんか否定されたというか、すごいマイナスの言葉を浴びすぎて負けてしまったというか、諦めてしまったっていうのがすごくありまして、震災後に、応援してくれた人達っていうのは、復興支援で来てくれた方々がすごい応援してくれて、それで劇団ができたっていうのがあるんですけど、震災復興から十何年、もう任期を終えて戻っていく、交流人口というのがどんどん減っていく中で、またちょっとそういうふうな負の言葉に溢れる釜石に戻ってしまうのではないかという不安があります。なので、私が、今後子供たちに向けてやっていきたいことっていうと、もうプラスの言葉で埋めてあげたい、もう出来る、釜石だから出来ないってことは無いっていうことをちゃんと伝えていきたいなというふうに思っています。

 また、子供たちに関わらずですね、大人になって釜石に訳あって戻ってきたけれども、何か、全然つまんないなって、さっき小原さんの話でもありましたけれども、何か他に、やってみたいことがあるんだったら、挑戦できる環境を作っていくっていうところが、すごく大事なのかなと思いました。

 

小野部長

 はい、ありがとうございます。今、私もちょっとなるほどと思ったんですけれども、その演劇っていうのは決してその俳優、女優ではなくて、そこでその子供たちとか、やりたいと思っている人たちの興味とか個性とか、得意なところをその中で生かすっていうことですね。いや、なるほどというふうに思いました。また、ネガティブじゃなくてポジティブな釜石をというお話をいただきまして、演劇が定期的に行われている町っていうのは、やっぱりとても魅力のある町だというふうに思います。それなりの文化とか人の蓄積がないと、演劇ってできてこないような気がしますので、まさに、小笠原さんはそういったところで、釜石の文化の層を厚くしているのかなというふうに感じました。ありがとうございます。

 それでは、二巡目をしておりますので、杉本さんの方から、二巡目何かございましたら、お願いしたいといったことなんですけれども、例えば、砂浜の再生でも結構ですし、サーフィン人口を増やしていく中でも結構なんですけども、苦労されている点とか、何かございましたらお願いします。

 

杉本 浩

 苦労ですか、何でしょうね。

 

小野部長

 苦労でなくても、あるいは、上手くいった点でも結構です。

 

杉本 浩

 上手くいったのが逆に、すごいなと思ってたんですけど、まさか、砂浜入れてくれるとは思ってなかったんで、だから、ちょっとえって思って、長い活動になるだろうなって。砂浜再生の方が、ずっとやってきたおかげさまで、入れてもらえるっていうこと自体が本当に夢みたいなことだったので、すごく本当に感謝しています。

 さっきも、小笠原さんとかみんな言っているのは、やっぱり、震災後は、震災があって震災からの復興バブルみたいな感じだったんですね。居酒屋に行っても入れないとか、そういうのもこう、これはすごいなっていうのがあって、一気にそれが終わってもう今に至って、コロナ来てっていう感じになっちゃって、やっぱり、ちょっと寂しくなったなっていうのを感じています。やっぱり若い人がいないと盛り上がらないっていうかね、年寄りばかりだと盛り上がらないし。その若者をまず定着させるっていうのが、やっぱりないと、みんな多分仕事の面でも何でもだけど、経済的にも良くなくなるっていうのが、活力もないし。だから、やっぱり内陸と沿岸を比べると、道はすごく良くなったんですぐ来るんですけど、実際ここの沿岸に住んでいるってなると、ほとんどいないんですよ、年寄りしか。まず、若者をって言ったって本当にちょっとしかいないから。何がやっぱり必要かっていうと、働く場所がもっと無いと、始まんないよねっていう。そこでまた、私たちのその娯楽とか、その文化スポーツとかが、そこで、あそこで、釜石、大槌にいれば、サーフィンも、朝仕事前に入れる、仕事終わって夕方入れるとか、そういうのが、実は、よその地域にしてもやっているんですけど、やっぱりここの良さって人が少ないっていうのが一番。サーファーがすごい多いと波に乗れないんで。だから、よそから来た人は、「めちゃくちゃここいいですね」という方も結構多いんですよ。だから、こっち住みたいけど仕事無いとか、今リモートとかあるんですけど、にしても地元の若いやつなんか、やっぱりいっぱい出るじゃないですか。だって、なんかこう、そのままいる方もいるし、やっぱりサーフィンとか郷土芸能やっている方なんか、やっぱり戻りたいなっていう、やっぱり自分の生まれた所がいいなっていうのもあると思うんで、仕事場って、もっといっぱいあればっていうのが一番の希望というか、そういうのがあれば、もっと生活しやすいし、今なんか三陸道ができたおかげでいろんな所も行けるし、だから、ここ釜石、大槌いいなっていうものなんじゃないかなって思ってるんですけど。だから、一番はその職場じゃないですか。職場が、工場とかそういう企業が、もっと北上みたいに入って来てくれればっていうのがやっぱり、希望というかね、沿岸地域の。

 あともう一つ、病院とかもそうなんですよ。いちいち、どこか行かなきゃないとか、そういうことがあるから、沿岸で一つでもいいから、例えば、いい病院っていうかね、お年寄りも多いんで、いちいち、盛岡まで行かなきゃないとか、そういうことじゃなくて、沿岸で1個そういうのがあればっていうのもちょっと希望です。以上です。

 

小野部長

 はい、ありがとうございました。今、杉本さんから、サーフィンをやってもらう、あるいは来てもらうといったことも含めて、やはりその内陸と沿岸の格差といいますか、問題というのはあるだろうなと。働く場所、あるいは安心安全といいますか、病院を始め、医療の関係、そういったところもしっかりすることで、そこで初めて、人が進めるんだと、それによっていろんなサーフィンをする人たちも増えてくるというお話がありました。道が良くなったといったことで、かなり、その経済というか、産業の環境も大きくがらっと変わってきているところもあるので、今までは、もしかすると、沿岸といったことで、ある程度なかなか立地しなかったところも、道路が良くなったことで、可能性が高まっているということもあると思います。あるいはコロナを通じて、デジタルといいますか、ITが進む中で働き方というところも変化しているところもありますので、県としても、先程もちょっと人口減少対策のお話をしたんですけども、そういった状況の変化を逃さないように、全国でも、今まで関東の方に住んでいたんだけれども、地方に住みたい、あるいは地方に戻りたいといった意識が変わってきているところもありますんで、それを、コロナが収まってしまうとまた戻ってしまうんじゃないかというような心配もありますので、この今の機会を大切にして、そういった岩手の良さとか、岩手に戻ってもらえるような取組を強めていく必要があるというふうに県でも考えておりまして、そういった取組を進めてまいりたいというふうに思います。

 ここまでで、二巡いたしまして、もう少し時間がありますので、もしも何かございましたら、話題提供でも結構ですし、何でも、全然関係無い話でも結構です。自由ですので、いかがでしょうか。何かございますか。よろしいですか。

知事所感

小野部長

 それでは、全体を通じてといったことになると思いますけれども、知事の方からコメントをお願いいたします。

 

達増知事

 はい。全体を通じて、今日私が感銘を受けておりますのは、皆さんそれぞれが、子供を大事にする姿勢を持たれているというところで、もう直接子供を指導したりしていますし、その将来のことを考えていますし、この日本全体として、もっと子供を大事にしなきゃならないということで、政府がこども庁(こども家庭庁)という新しい役所を作るぐらい、今、日本全体として、我々は今まで、子供をあまり大事にしてこなかったじゃないかという反省が日本全体としてあるんですが、地域の中でですね、子供をすごい大事にする姿勢があるということは、とても心強いです。子供を大切にするからこそ、その子供たちが大きくなって若者になって、さあ就職だという時に、このままではいけないという思いはやはり強くなるんだと思います。せっかく、サーフィンがすぐできる、空いている場所がある、それも魅力。文化、芸術、郷土芸能、伝統芸能、手仕事、工芸もあるということで、働いて稼ぐという要素ですね。やはり県も、総力を挙げて岩手、沿岸に増やしていかなきゃならないなと、改めて思いました。

 最近の動きで、SMCという、釜石、遠野に工場がある、空気圧制御の工作機械を作っている会社なんですけれども、もう、世界シェアがすごい高くて、ものすごく売れていて、遠野に、サプライヤーズパークですね、その会社に部品を納入する系列会社もそこに集めて、新しいタイプの工業団地をつくるということを決め、もうどんどん、始めているんですけれども、基本的には、やはり、道路が便利になったと、復興道路の効果が大きいですね。部品が小さい、そして製品も小さいと、運送費のコストが、それだけ有利になってくるので、首都圏から離れていても、大丈夫ということで、宮古の方にはコネクター工場も、非常に小さい製品を作る工場が、大きいものがあるんですけれども、交通が便利であれば、そういうものも立地しますんで、岩手、沿岸の方にもそういうのをどんどん誘致したいと思います。沿岸固有の水産加工でありますとか、観光関係でありますとか、新しい方向性に発展していこうという、そういう地元のビジネスをやっている皆さんもいますので、そうした皆さんにも成長していただいて、岩手、沿岸の産業経済を発展させていきたいと思います。

 

小野部長

 はい、ありがとうございました。本日は、「いわて幸せ作戦会議」でございますけれども、「復興の先にあるまちづくり~地域の強みを生かして~」といったことで、手仕事、伝統芸能、そして演劇、サーフィンといったことで、文化スポーツを中心に御活躍の皆様からですね、お話をいただきました。

 

達増知事

 病院についても、一言やっぱり。急に、産科が無くなる、子供を産む診療科が無くなるとか、衝撃的なことが起きたりするわけですけれども、まずは、そういうことが起きにくいように、医師養成、医師確保をさらに進めていきたいと思いますし、あとは、何でもできる病院を1個ポンっていうのは難しいんですけれども、今ある病院の機能を充実させながら、病院間機能連携で、いろんな体の不調をなったときに、困ることがないような医療体制っていうのは、工夫して作っていかなきゃというふうに今取り組んでいるところです。 

閉会

小野部長

 仕事、それから医療、健康といったところについては、県の方もしっかりと取組を進めてまいりたいと思います。皆様からお話をいただきましたように、子供たちの世代に向けて、こういった皆様の活動が引き続き盛り上がっていって、釜石、大槌がワクワクする地域になるように、みんなで頑張っていきたいというふうに考えております。

 皆様本日は貴重なお話をいただきまして、ありがとうございました。これをもちまして、「いわて幸せ作戦会議in釜石」を終了いたします。ありがとうございました。

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