「がんばろう!岩手」意見交換会(平成30年11月12日 釜石地区)

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ページ番号1016314  更新日 平成31年2月21日

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日時
平成30年11月12日(月曜日)10時30分から11時50分まで

場所
大槌町文化交流センター「おしゃっち」1階 多目的ホール

出席者(敬称略)

  • 参加者(敬称略)
    黒澤 真(有限会社ティー・ティー・エム つつみ石材店/はまぎく若だんな会) 
    児玉 奈佳(キッズコーラス♪あぐどまめ 代表)
    道又 譲(有限会社道又商事 取締役)
    河東 英宜(株式会社かまいしDMC 取締役事業部長)
    黍原 里枝(子育て支援団体「かまめっちょの会」 代表/一般社団法人三陸駒舎)
  • 県側
    知事、沿岸広域振興局長、秘書広報室長

開会

高橋室長
 おはようございます。ただいまから県政懇談会「がんばろう!岩手」意見交換会を開催いたします。
 皆様には、御多忙のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 今日は、「復興の先を見据えた豊かな三陸の振興に向けて」を懇談テーマとし、この釜石地区で産業や地域づくりなどさまざまな分野で地域の復興に向けて取り組まれている方々にお集まりいただいております。
 私は、本日の進行役を務めます県の秘書広報室長の高橋と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

知事あいさつ

写真:懇談会の様子1

高橋室長
 それでは、開会に当たりまして知事から挨拶申し上げます。

達増知事
 皆さん、おはようございます。県政懇談会というものは昔からあるのですけれども、「がんばろう!岩手」という名前でやるようになったのは、東日本大震災津波以降であります。特に被災地イコール復興の現場において、それぞれの地域で、また、それぞれの分野で活動されている方の声を直接伺うことでこれを県政に役立てていこうと、復興政策に役立てていこうということでやっております。今日は、ここ大槌町、そして釜石の皆さんに来ていただいております。
 このおしゃっちは、私、今日初めて入ったのですけれども、東日本大震災津波からの復興が今ここまで来ているという一つの象徴だと思います。丸8年経とうとしておりまして、岩手県は当初8年計画というものを立てたので、その8年経ったその後の計画というのを今立てていて、来年4月以降もこの復興ということは切れ目なく取り組んでいこうというふうにしておりますけれども、今の段階で必要なことは何か、また、やったほうがいいことは何かというようなことを今考えながら決めていくような段階でありますので、その参考にもしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。ありがとうございます。

高橋室長
 それでは、この後の進め方についてですが、まず私から御出席の皆様方を御紹介いたします。その後、お一人ずつ自己紹介をお願いいたします。続いて、本日のテーマに沿ってお話をいただきますが、お二人のお話の後に知事がコメントするというような形で、区切りながら進めていきたいと思います。そして、最後には自由懇談の時間も設けたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、お手元の座席表に従いまして皆様を御紹介いたします。
 有限会社ティー・ティー・エムつつみ石材店、はまぎく若だんな会 黒澤真さんです。

黒澤 真
 よろしくお願いします。

高橋室長
 キッズコーラス♪あぐどまめ代表 児玉奈佳さんです。

児玉 奈佳
 よろしくお願いします。

高橋室長
 有限会社道又商事取締役 道又譲さんです。

道又 譲
 道又です。よろしくお願いいたします。

高橋室長
 株式会社かまいしDMC取締役事業部長 河東英宜さんです。

河東 英宜
 河東です。よろしくお願いします。

高橋室長
 子育て支援団体「かまめっちょの会」代表、一般社団法人三陸駒舎 黍原里枝さんです。

黍原 里枝
 よろしくお願いします。

高橋室長
 県からは達増知事、沿岸広域振興局の石川局長でございます。

石川局長
 よろしくお願いします。

高橋室長
 それでは、皆様のお手元にお菓子と飲み物を準備しておりますので、どうぞ召し上がりながら御歓談いただければと思います。
 本日のお菓子を紹介いただきます。

石川局長
 お手元のお菓子ですけれども、大槌町内の老舗のお菓子屋さん、エルマーノさんの新製品で、おしゃっちブッセというお菓子です。この店の3代目の店主の阿部勉さんがここの大槌町文化交流センターおしゃっちの完成を記念して作られたというふうに伺ってございます。食べていただければわかるのですけれども、ふんわりとした食感ですとか、あるいは中に小さいチーズが、小粒のチーズが入っているそうです。甘さと塩味もちょっと入っているということで、お楽しみいただければなというふうに思います。
 エルマーノさんは、前身が地の神屋菓子店ということで、7年8か月前の震災津波で失われまして、勉さんのお父さん、2代目、晃さんは今も行方不明ということなのですけれども、約5年間、仮設店舗での営業を経て、昨年6月に、この近所なのですけれども、本設店舗を開店されております。どうぞお召し上がりください。

高橋室長
 どうぞ切っていただいて。

達増知事
 おいしい、おいしい。チーズ味がいいですね。

高橋室長
 使っている塩は、宮古産なのですよね。

石川局長
 宮古産。これがおしゃっちのマークですね、この柱をこう。ただ、今日はちょっと定休日なので、帰りに寄ろうとしても今日はできませんので、明日以降また。
 

懇談

写真:懇談会の様子2

高橋室長
 では、懇談のほうに入らせていただきます。最初に、お一人2分ぐらいで自己紹介をお願いいたします。お話しいただく順番は、黒澤さんからお願いします。
 それでは、お願いします。

黒澤 真
 私は、大槌町に住んでいます黒澤真といいます。24歳の頃から地元のつつみ石材店に勤務しています。震災前は、自分が楽しむ野球チームでの活動や消防団活動をしていました。震災を身近で体感してからは、自分の中で考え方や、あと行動など、大きく転機したと思います。
 震災後に立ち上がったはまぎく若だんな会という団体の一員となり、地域のことや学校の一環で行っている大槌町という町の良さや歴史を子どもたちに伝える活動や、あと地元の少年野球でコーチとして指導させていただいています。
 毎日のように子どもたちと接することで、野球の楽しさや勝利する喜びや努力の必要性など、あと成長の手助けができるよう、日々子どもたちと向き合っております。子どもたちが上手になりたいという向上心や負けず嫌いなところは、本当すごいなといつも感心させられます。今年度は4つの県大会がありまして、そのうちの2つで優勝することができました。その試合の中では、大逆転した試合もあって、最後の最後まで諦めない子どもたちの頑張る姿、そういうところが大人としてはぐっとくるものがありましたし、これからも自分の情熱がある限り子どもたちの野球に携わって、成長の手伝いとかできればいいと思っています。

高橋室長
 ありがとうございました。
 では次に、児玉奈佳さん、お願いいたします。

児玉 奈佳
 私は、キッズコーラス♪あぐどまめという小中学生の子どもたちの合唱団をしております児玉奈佳といいます。大槌町出身で、高校と大学で音楽を学んでこちらに戻ってきました。戻ってきてすぐピアノ教室を始めて、今も続けております。そのピアノ教室をしながら、15年ほど前から大槌童謡を歌う会という60代、70代ぐらいの大人の方たちの団体で歌を教えていまして、その中で童謡が持つ言葉の美しさとか、あと今では絵や写真でしか見られないような風景や風習がたくさん詰まっている童謡を子どもたちに伝えていきたいと思って、10年前からキッズコーラス♪あぐどまめを始めました。
 震災後は、童謡に限らず、とても著名な音楽家の方々と共演させていただいたり、あと県内の少年少女合唱団の皆さんと交流する機会をいただいたり、あと県外へ飛び出して歌を歌わせていただいたりしています。子どもたちが元気に育っている姿を見てもらうことと、あと支援に対しての感謝の気持ちを伝える活動をしています。よろしくお願いします。

高橋室長
 よろしくお願いします。
 それでは、道又譲さん、お願いします。

道又 譲
 私は、道又譲と申します。出身は盛岡市でございまして、実は盛岡生まれ、盛岡育ちということで、こちら大槌町は父親の実家ということで、小学校のときは年に1回、2回、夏休みに遊びに来るといったところでありました。大学卒業後、教員を目指して盛岡市内の中学校にて非常勤講師をしていたのですが、震災がありまして、親族は皆無事だったのですけれども、父親の実家の新聞店とビジネスホテルが大変だということで、一緒に父親と来て、継がせていただきました。
 今やはり復興需要がありまして、作業員のお客様がほとんどという形でホテルは成り立っております。また、新聞も、最初はやはり皆さん読みたくないという方もいたのですけれども、徐々に、今の御時世とは逆向きなのですけれども、新聞をまた取りたいというお客様も増えていまして、地域に根差した新聞店、そして今後はインバウンドの拠点になるようなホテルづくりを目指してやっております。
 ちなみに、盛岡市では、私、達増知事の中学校の後輩でありまして、また同じく生徒会長を務めさせていただきましたので、そういった縁もありまして、今日こうやって会えることをとても光栄に思っております。本日はよろしくお願いいたします。

高橋室長
 よろしくお願いします。
 それでは、河東英宜さん、お願いいたします。

河東 英宜
 かまいしDMC、河東と申します。かまいしDMCというのは、4月2日に設立されたばかりの会社でして、国がDMOという地域で観光を推進していく組織をどんどん各地につくってくださいというような流れの中で、釜石もつくることとなりまして、私自身ずっと釜石を、高校卒業した後、あまり釜石が好きではなくてというか、出て行って、大学から社会人とずっと東京にいたのですけれども、今回これの立ち上げに関わりまして、Uターン就職で帰ってきたというような状況です。今、釜石を自分自身も好きですし、みんなに好きになってもらいたいなというような活動を今続けているというような状況です。よろしくお願いします。

高橋室長
 よろしくお願いします。
 それでは、黍原里枝さん、お願いします。

黍原 里枝
 私は、かまめっちょの会という子育て支援団体をやっています。まず、かまめっちょの会ってどういう意味なのとよく言われるので説明すると、もともと最初の立ち上げはわらべうたを通して子育て支援をしたいということで、友人がとても得意だったので、お母さんたちと一緒にわらべうたで遊ぼうというイベントをやっていました。「まめっちょ」というわらべうたがあって、節分のときに大豆を炒る歌なのですけれども、それがすごく好きで、まめっちょの会というのにしたかったのですけれども、他の団体さんが使っていまして、釜石の「かま」と合わせて「かまめっちょの会」ということになってやっております。
 はじめは、わらべうただけやっていたのですけれども、それをもうちょっといろいろ広げていって、絵本を通して自然と触れ合うイベントとか、虫探しをしたりとか、あともうちょっと大人向けでは、この前は、古事記などの古典文学と地元学を組み合わせた感じの話を知人に来てもらってお話してもらったりしています。
 家族としては、三陸駒舎というところをやっていて、馬2頭とヤギ1頭、それからウサギ2羽と一緒に暮らしていて、放課後などデイサービスということで障がい児の受け入れをしています。よろしくお願いします。

高橋室長
 ありがとうございました。
 それでは、一通り御紹介いただいたところで、ここからは本日のテーマであります「復興の先を見据えた豊かな三陸の振興に向けて」に沿って、現在の取組や課題、今後の方向、御自身の抱負、県への期待なども含めてお話を伺います。
 先ほどの順番で、黒澤さんから、今度はお一人5分程度でお話をお願いします。
 お二人からお話をいただいた後で、知事からコメントをいただくというふうな形で進めてまいりますので、よろしくお願いします。
 それでは、はじめに黒澤さん、お願いいたします。

黒澤 真
 今、自分が一番熱を持って携わっているのが少年野球でありまして、やっぱり子どもたちに携わる時間が今一番多いのかなと思います。その中で、スポーツに関する環境の必要性について思ったことをちょっと話させていただきたいと思います。
 今小学生でいろいろな習い事やスポーツ少年団等の活動をしている子が多いと思いますが、例えばその子たちが中学校に入ったときに、全ての中学校に自分がやっていたスポーツがあるとは限らないし、習い事があるとは限らない。だけれども、子どもたちは将来のことを考えて、スポーツなり、例えばピアノなりと、上を目指す中で、日本のトップを目指したいと思ったときに、例えばですけれども、学校に野球部がない、サッカー部がないとなったときに、子どもたちは違うところに転校しないといけないとか、選択肢の一つで、あとは諦めて違うスポーツを、学校にあるスポーツ部に所属したりということも結構岩手県では多いと思うのです。特に三陸地域では、人口が減少しているせいもあって、そういうスポーツごとの学校で合同チームとか、そういう団体スポーツは特に多くなっていると思います。その中で、いかに子どもたちが本当にやりたいことを、そういう環境を整えていくということの大事さが今の段階では大変重要ではないかなということを結構昔から個人的に感じておりました。だから、そういうところを町単位、市単位ではなく、岩手県という県の単位でそういうところをもっと子どもの立場になって考えて、もっともっと深く考えていってほしいなという要望は常に持っております。
 そういうことによって、今自分は大槌町にいますが、大槌町の話で言えば、今吉里吉里と大槌という2つの中学校がありますが、結局吉里吉里にはサッカー部がない。だけれども、サッカーやっている子はどうしてもやりたいとなると、やっぱり大槌の学校に通わないといけない。親としては、自分がもしそういう立場の子どもがいたら自分はそうさせたいと思うし。ということは、吉里吉里というところから1人少なくなる。そうではなく、例えば部活はこことここの中学校が一緒にやるとか、地域を区切ってやっていけば、移動問題とかそういうこともなくなると思うのです。例えば、吉里吉里地区は卓球が強い。卓球部がある。だったら、放課後スクールバスなり出して、大槌の子が吉里吉里のほうに行って、合同でチームをつくって練習をする。例えば、野球は大槌のほうが環境が整っている、人も多い。そうなったときに大槌に行って練習をする。今、野球部の場合だと、週末だけ一緒に練習や試合をする形になっているのです。平日は各々の中学校で練習すると。だけれども、2人しかいない。行く行くは1人になるかもしれない。ということは、練習にならない可能性もあると思うのです。今大槌町で例えましたけれども、他にもいっぱいあるはずなのです。だから、そういうところをもっと具体的に県が主導して、子どものよりよい環境をつくってもらえたらなと感じています。ありがとうございました。

高橋室長
 ありがとうございました。
 では続いて、児玉さん、お願いいたします。

児玉 奈佳
 私たちの活動の始まりは、御社地ふれあいセンターでした。震災でなくなってしまったのですけれども、今年の6月にこのおしゃっちという施設ができて、安心して利用できる場所があるとか、活動できる場所があるというのはすごく大事ですし、指導している私にとってもすごくわくわくして、あれをしようかな、これをしてみようかなという、そういうきっかけにもなるのだなという…。

達増知事
 ここで歌うのですか。

児玉 奈佳 
 はい、ここで歌います。

達増知事
 ピアノもありますものね。

児玉 奈佳
 そうなのです。ピアノも本当は入る予定ではなかったみたいなのですが、西村由紀江さんというピアニストの方が支援の一環でここに寄贈してくださったので、ここでコンサートをすることが叶います。
 そういう活動をやっぱり続けていきたいと思いますし、子どもたちが頑張っている姿というのを見た大人がすごく活力をもらうのだということが震災後の活動を通してすごく感じたことだったので、子どもたちはなかなか復興ということに携わることはできないのですけれども、大人たちを元気にしたり、明日も頑張ろうと思えるような気持ちを持っていくような、そんな陰の立役者みたいな、子どもたちがそんな存在になれるようにこれからもやっていきたいなと思っています。ありがとうございます。

高橋室長
 ありがとうございました。
 それでは、知事、お願いいたします。

達増知事
 子どもの頑張る姿は、大人たちにとって力になるというのは、本当にそのとおりだと思います。これはスポーツもそうだと思うし、普通に勉強して、そして普通にいろんな課外活動をしてという、子どもが普通に活動している、何げなく遊んだりも含めて、それが大人にとってはすごく活力になるし、復興しているという実感にもつながりますよね。スポーツも合唱も、一面それはすごく日常的な活動なのですけれども、一方、交流の場にもなって、いろいろ違う地域の人と一緒にやったりとか、そういうところがやはり復興の力にもなってくるのだと思います。
 黒澤さんに指摘された中学校における部活のあり方というのは、今すごく岐路に差し掛かっているところがあって、まず時間かけ過ぎ、やり過ぎ問題というのが言われていますし、あと少子化で生徒数が少なくなるにつれて、クラブの種類をどんどん減らさなければならなくなってきているという問題です。岩手は特に生徒数が少ない中学校が多いので、クラブの種類がどんどん減っている問題というのは深刻だと思います。
 一方で、スポーツ少年団というものがどんどん発達して、何十周年か記念の大会もちょっと前にありましたし、私は岩手県の体育協会の会長も兼ねていますので、そういうところから見ると、岩手県全体で見れば、あらゆるスポーツが盛んに行われていて、国体にも全ての種目に選手が出ていて、スポーツクライミングのようなものからフィギュアスケートまで人材がそろっているので、ですから全県的な視点からうまく工夫すれば、野球でも、サッカーでも、最適な規模で練習し、そして最適なやり方で競い合うような工夫というのはできるのだと思います。学校部活から地域スポーツ、少年団とか、地域のクラブとか、そっちにどこかで比重が変わる、いつか大政奉還というか、明治維新的なスポーツ界におけるそういうことをどこかで多分やらなければならないのだと思います。
 そして、学校のほうは、ほとんど授業の一環のような形でクラブ活動、私が高校生の頃には、授業の中でやるクラブ、週に1時間、週に授業一コマ使ってやる必修クラブというものがあって、私は普通のクラブ活動としては軟式庭球、ソフトテニスをやっていたのですけれども、必修クラブでは1年生では中国語、2年生では囲碁とか、そういうのをやっていたのですけれども、だんだん学校ではそういう必修クラブ的な部活をやって、本格的な自由な活動は学校の外でというか、学校も含めた地域の中でという感じに移行していくような流れにあるのかなと思いますので、そういう意味では少年団活動を是非この調子で盛んにしていただきたいなというふうに思います。
 そして、コーラスは大人のコーラスもやっていらっしゃるということで、童謡とかさっき言っていましたけれども、どんな歌を歌っている…そうですね、子どもが歌っている歌も知りたいし、大人が歌っている歌も知りたいのですけれども、どんな歌を歌っているのですか。

児玉 奈佳
 大人は、やはり今童謡をメーンに歌っていて、季節を感じるようなものだったり、あとは動きをつけたような楽しい歌だったり、この間は町民文化祭があったので、そのときは「海ほおずきの歌」という歌や、あと「オー・シャンゼリゼ」をおしゃれをして歌ってみたり、あと「かあさんの歌」など、結構いろんな落ちついた歌から楽しい歌まで。
 子どもたちも、私は童謡を伝えたいので、今年は「肩たたき」だったり、「揺籃のうた」とか、あと毎年コンサートの一番最初には「われは海の子」という歌を歌い続けていて、童謡はどこに行っても喜ばれるので。あとは、ジブリの曲だったり、合唱曲にチャレンジしてみたり。たくさん歌っています。

達増知事
 童謡の中には、家族の関係を歌ったりとか、ふるさととの関係を歌ったりとか、やっぱりためになる歌があっていいですよね。ありがとうございました。

高橋室長
 それでは次に、道又さん、お願いします。

道又 譲
 私は、ビジネスホテルを経営しておりますし、新聞店の一応店主でございますので、いろいろな側面から包括的に抱負、意見を述べさせていただければと思うのですけれども、やはり内陸から移り住んで、もう僕は立派な大槌町民だと自負しているのですけれども、そういった中で一番注目しているのが三陸道の開通になってくると思います。私、高校、大学は仙台だったので、もちろん仙台のほうから大槌町にも行けますし、盛岡も今年度釜石道が釜石まででき上がるということで、とても内陸との距離が近くなると思います。そういった中で、今後はインバウンドを見込んで、うちは震災以前はやはりビジネスマンの方に使っていただくのと、あと夏休みとかの休暇に内陸の親子連れの方が泊まって行かれたりといったお客さんの層がいたというのは、子どもの頃記憶しているのですけれども、後者が今後来やすい環境になってくれれば、やはり町としても潤ってくるのかなと思って、三陸道の、それこそ今日のテーマが復興の先のより豊かな三陸の振興に向けてということですので、この復興の先にあるのが、三陸道がいかにプラスに大槌町に働いてくれるかというところを私自身も大いに活用させていただきたいと思います。
 アウトバウンドも、そんなに大槌町の人というのは町外に出たりすることもないのですけれども、結構三陸道がつながればつながるほど、今年は山田から宮古がつながったので、大槌町から山田、宮古まで1時間ぐらいかかったのが、今30分ちょっとで行けるようになりました。それで、うちの新聞配達員さんたちも買い物に行ったりとか、そういったことをするようになりましたので、もともと私も内陸育ちですので、内陸と沿岸というのは物理的にも山脈がありましたし、僕も全然違う世界だなと思って少年時代を生きてきたと思います。そういったものが道一つつながることによって、より豊かになっていくのではないかなということで、今後も岩手は一つというところで、内陸も沿岸も関係なく、私自身もそういったところを商売に生かしていければなと思っていました。
 あと、最近ですと北上市がすごく工場の誘致があったりとかで、やっぱり三陸道がつながることでのマイナスも、周囲からの意見としては人が出ていくのではないかというようなお話も聞いているのですけれども、そうであればやっぱり、沿岸部も道が通っているので、工場の誘致には、これはもう行政レベルの話になってくるとは思うのですけれども、すごく向いていますよというような形で、大槌から釜石一帯というのが産業としても更に盛り上がる土地だよとアピールしていくことが今後の課題になっていくのではないかなと思っていました。
 ちょっと短いかもしれませんけれども、私の中での意見はそういったことになっております。

高橋室長
 ありがとうございました。
 続いて、河東さん、お願いします。

河東 英宜
 今お話がありましたように、確かに道路は観光面でも大きく今後左右していくのではないかなというふうに思っています。盛岡から1時間半強くらいで来るようになるのですよね。という部分は非常に機会になるかなとも思いますし、一方で何か魅力あるまちにしていかないと、通過点にしかならないという脅威でもあるかなというふうに思って、考えていきたいなと思っています。
 この間、ラグビーワールドカップに向けて、プレオープンイベントというのを8月19日に釜石で行ったのですけれども、その際にNTTドコモさんと協力して位置情報調査というのを行いました。携帯電話を使って、どのように人が動いて競技場に来たのかと、そして出て行ったのかという調査をしたのですけれども、やっぱり一定数関東から来ていまして、30%くらいが関東から来ています。これは、ゴールデンウイークに我々DMCが独自で行った調査でも30%くらいが関東から来ていると。これは、割と特異なケースなのではないかなというふうに考えています。その人たちの多くが自家用車で来ているというのもわかりました。自家用車で来る中で、やはり道の駅に結構寄っています。沿岸ですと、アバッセ、キャッセンがセットで寄られていたりだとか、大槌も寄られていますし、北に行く道ですと、大体北は北で田老であるとか、宮古であるとかも寄られていますし、道の駅風の丘に寄ったり、釜石のイオンに寄った後に道の駅風の丘ですか、あそこに寄っているという結果が出ていたりとか、やっぱり道の駅が一つポイントになっているなというのはすごくデータとして出ていまして、そういったところで何か地域をPRしていくであるとか、次の道の駅に行くとこういうのがあるということを持たせるであるとか、そんなものがあると非常に県を面として捉えてPRができるかなというのがありました。後でそういうデータをお渡しできます。
 あと、競技場ができるわけですけれども、その競技場が今後使われるためにも、例えばラグビーの合宿地なんかを目指すという場合に、今、菅平と網走が割と合宿聖地みたいに言われていまして、網走で7面あるのですよね。今整備して3面しかなくて、そうするとやっぱり練習試合ができないとなかなか聖地にならないというか、交流ができないので、そういった部分を考えると3面では足りないかなというのが、そんなにすごくなくてもいいのですけれども、ある程度練習ができる部分があると、そういう合宿誘致ということが今後できるかなというふうには考えております。是非その辺御検討いただければなと思います。
 あと、今かまいしDMC、地域DMOということで先進事例になるべく頑張っているところなのですけれども、ここを固めていって、やがては、大槌さんもそうですけれども、地域のいろんなところと連携して、釜石だけだとなかなか魅力的に乏しいので、地域連携をしていければなというふうに思っていますので、そういう機会も今後いただければなと思います。今回の機会なんかも非常にありがたいなと思います。
 あともう一つ、ちょっと要望なのですけれども、かまいしDMCは地域の観光ということでドメインしているのですが、やっぱり観光だけだとなかなかやっていけないということで、地域商社事業ということも一緒に行っています。この地域商社事業のメーンがふるさと納税返礼品の開発であるとか、それらを市から委託をいただいて、事業者さんとやりとりしているという部分を請け負っているのですけれども、ここを是非、県内等で競争を公平な形で行えるようなことをちょっと県にお願いしたいなと思います。やっぱり一部公平ではない取引がありまして、総務省に電話しても、それは県だからというふうに言われてしまうので、その辺例えば30%ルールであるとか、そういったところをきちんと守るような体制にしていただければ、より頑張れるかなというところがあります。この辺御要望ということでお願いいたします。ありがとうございます。

高橋室長
 ありがとうございました。
 それでは、知事、お願いします。

達増知事
 まずは、お二人とも道路が便利になっているという話をされましたけれども、やはり三沿道と、あと沿岸、内陸つなぐ道路ができてきているというのはすごいことだと思います。今までは、北上山地と、それからリアス式の地形が壁となって立ちふさがっていたわけですけれども、今はむしろ交流の場、北上山地と、そしてリアス式の地形が、行き来が便利になって交流の場になるというのはこれからの時代だと思います。そして、沿岸、縦の移動がしやすくなって、岩手沿岸というものが歴史上初めて実質的に一つになれる、そういう時代が来たと思っていまして、来年三陸防災復興プロジェクト2019というふうに銘打って、沿岸全市町村で、県が音頭とってやるのですけれども、6月、7月、8月頭までの2か月ちょいやるのですが、そういう沿岸、北から南まで一緒に一斉に一つのイベントをやるということがついにできるようになったので、これはもうやってみなければということでやるというところがあります。
 そして、私も小さい頃、盛岡に生まれ育っているのですが、吉里吉里とか浪板とかは家族で遊びに来て泳いだり、磯ラーメンを食べたりとかしていましたから、そういう沿岸が一つになるだけではなく、沿岸と内陸も一つになって、岩手の中で自由自在に仕事もできれば遊びもできる、学びもできるというふうになっていくのだと思います。
 交通が便利になると、通過点にすぎなくなる問題とよく言われるのですけれども、何となくいろんな全国の例を見ていますと、ストロー効果、経済の弱いところから経済の強いところに吸われるとかいうのですけれども、完全に末端に位置しているような場合は、結構吸われるなと思います。それは、秋田新幹線ができたときの秋田市みたいなところは、完全に端だと秋田にあった支店、営業所が盛岡に移り、あるいは仙台に移るみたいなことがありましたけれども、盛岡まで新幹線が来ていたのが八戸まで行ったとか、さらに八戸から青森まで行ったというときに、盛岡や八戸が寂れたかというと、そういうことはまずなかったですよね。途中、通過点は、かえって便利になるのだと思います。そういう意味で、岩手の沿岸、どこも通過点になるということは、人の出入りが便利になるということなので、基本的にはチャンスなのだと思います。
 あと、四国に橋が3本、中国地方から四国に橋が3本かかった結果、四国の経済が衰えたというのはありますね。これは、四国全体が端に位置していて、それで中国地方のほうに吸われたというのがあるのだと思います。
 だから、自分のところを端っこ、末端にしないということが大事で、まず釜石、大槌の間で盛んに行き来するというところから始まって、大船渡、陸前高田のほうにも行くし、山田、宮古のほうにも行くと。今日は、私は盛岡から車で来ているのですけれども、釜石道が一時事故で通行止めだったのです。では、106号線で宮古まで行って、そこから南下しようという、そういう代替の行き方というのができるようになって、こういうのが去年まではあり得なかった選択肢が今はあるので、結局釜石道は早い段階で通行止めが解除されたからそっちから回ってきたので、余裕で時間に間に合ったのですけれども、交通をフルに生かすことが大事だと思います。
 北上市に工場が新しくできたり、増設されたりで、今後5年間に5,000人の新規雇用が予測されています。もっと増える可能性大です。そうやって増えた働く人たちやその家族たちが沿岸にどんどん来てくれるように、私がかつてそうであったように、少なくとも夏休みは岩手沿岸のほうに毎年来るとか、夏休みだけではなく、今だったら週末とか、平日でも午後から行って何かして帰るとかも可能な時代になっていくので、沿岸、釜石、大槌から見て、何か好材料が周りにあれば、そこにつながっていって、貪欲にそれを生かしていくということができると思います。そこには、花巻空港も近くなるというのもあるので、インバウンド、アウトバウンド、これもどんどん生かしてほしいなと思います。
 あと、ウノスタ、釜石鵜住居復興スタジアム、確かに日本全国でスポーツ合宿のメッカとかになると、面数はびっくりするくらいたくさんあって、私もテニスでは千葉県の房総半島のほうとか、あと富士五湖の山中湖の周辺とかにテニスコートが30面ばあっとあるようなところとかを見てびっくりしたことがありますけれども、一方、紫波のオガールのオガールセンター、オガールスタジアムではないな、オガールベース…。

高橋室長
 オガールベースです。

達増知事
 日本一のバレーコート、世界有数のバレーコートが1つあるというのを魅力にして、全国から人を集めるということがある程度できているので、やはりウノスタはもう全国トップクラス、世界有数の競技場ですから、まずはそれを生かして、プラス宿泊とか、食事とかの魅力もあわせて人を集めていけば、だんだんサブ競技場、サブグラウンドを周りに増やすというのもそこから自然に発展経路が見えてくるのではないかなと思います。

高橋室長
 それでは、最後に黍原さん、お願いいたします。

黍原 里枝
 私は、ふだん三陸駒舎とかまめっちょの会の他に、放課後子ども教室のコーディネーターの仕事もしているのですけれども、そこでスミセイの放課後子ども教室、アフタースクールプロジェクトというのに当選しまして、けん玉のプロというのかな、世界トップクラスの方が来て、子どもたちに教えるというプロジェクトがありました。その前にスタッフ研修会があったのです。事前に放課後子ども教室に来ている子どもたちにアンケートをとって、「自分のこと好きですか」という質問があるアンケートをとりました。それで、大体十数名くらい、アンケートで記入してもらったのですけれども、「自分がとても好き」、「まあまあ好き」、「まあまあ嫌い」、「嫌い」みたいな感じで4つの選択肢があった中で、たった1人だけ自分が好きという答えで、あとはみんな3、4番で、好きじゃないというふうな答えでした。私自身もずっと自分のことが嫌いで、何もできないと思っていたのですけれども、子どもが生まれて一緒にやってみたいということが増えて、やってみたら意外とできるのだなと…。そういう積み重ねでどんどんやれることが増えてきて、前よりも今の自分が好きと思えるようになりました。子どもたちはそういうやってみたいということをとことんやれる体験が少なくなってきているのかなと思っています。学校とかに入ってしまうと時間内のカリキュラムとかに合わせて、自分は本当はこっちが学びたいのだけれども、なかなかそこのところに行けないというか、もう時間でそっちに回らなければならないとかということがあって、自分の好きな学びができないということがあるのです。
 さっきスポーツの選択肢がないと黒澤さんがおっしゃいましたけれども、特に田舎のほうに行くと教育の形というか、既存の公教育だけしかなくて、今までの学校という形で合わない子は苦しい思いをしていることが多いと思うのです。岩手県としても、何かそういうオルタナティブ教育というか、いろんな形の教育があって、そこで選択できるとすごく素敵だなと思っていて、今、私たちもいっぱい学んでいこうというところなのですけれども、釜石でも森のようちえんを頑張ってやっている友人がいますけれども、募集かけたらあっという間に定員いっぱいになってしまって、キャンセル待ちということになったのです。岩手県はすごく森もあるし、海もあるし、特に釜石、沿岸地区、釜石って大槌も含めてですけれども、すごくいい場所だよねと結構内陸の方からも言われるのです。1時間弱で海にも行けるしと。そこをもっと生かして、森のようちえんとか、森林税とか多分あると思うので、そういうのを使ったりして、子どもたちの教育のためにどんどん自然体験できる仕組みをつくってもらえたらなと思います。
 あと、この前、北欧のフォルケホイスコーレという成人学校を視察してきたという方の報告会を聞きに行ったのですけれども、そこでデンマークの大事なところ、教育の目指しているところがアイム・インポータントという概念ということでした。知識ではなくて、その人がいかに幸せに暮らしていけるかというところを目指しているというふうに言っていて、それがすごく素敵だなと思って。知識をそういうふうな目的で学ぶ学校があってもいいと思います。その子が学びたいことを突き詰めて学べている、そういう場があってもいいなと思っています。
 明石市とか、あと葛飾区とかの話を聞いても、子どもたちの支援に一生懸命取り組んでいるところに通わせたいから移住してきましたという話も聞いているので、岩手県も自然がいっぱいというところを強みにして、どんどん子育て応援しているよというのを、されていると思うのですけれども、またいろんな教育の形をつくっていって、選択できる場所をつくってもらえたらいいなと思っています。

高橋室長
 ありがとうございました。
 では、知事、お願いします。

達増知事
 なるほど、人口が少なかったり、また経済的に弱いところ、そういうところのほうが本当はさっきの部活以外のスポーツ少年団とかそういう選択肢が必要なのに、実態としては人口が少なかったり経済力が弱ったりすると、選択肢はむしろ少ないという、そういう構造があるということですよね。それはそのとおりなのでありましょう。だから、まだスポーツの大政奉還、明治維新が起きない理由というのは、やっぱりその辺にあるのですね。そういう意味で、そういうところで様々な学びの選択肢を増やすというのが大事ですね。自然環境の面からいえば、むしろそういうオルタナティブな、多様な教育の場に向いているわけですから、そこを生かして、人口の少なさとか経済力の弱さを公の力で補っていくと。行政やそういうボランティア、またNPOなどの力で補っていくことが必要なのだと思います。
 自己肯定感は、わからなかったことがわかるようになるとか、できなかったことができるようになるときにどんどん自己肯定感が増えていくのだと思うのですけれども、日本の場合、何か知っていて当然、できて当然みたいな中で、知らない、できないというような、百点満点のテストで何点とれるかみたいな感じで、100点を超えることはないわけだから、なかなか肯定感が高まらないような中で子どもたちは暮らしているのかなという感じがします。
 まず、そういうのに問題がありますし、私がよく子どもたちに何か講演する際に言うのは、好きなものを増やしてほしいと、また好きなものをより好きになってほしいと。好きなものが増えていけば、結果として自己肯定感が高まると思うのです。それは、食べ物でもいいし、自分の身の回りの自然環境、場所とかでもいいし、あるいはタレントとかゲームとか漫画とかでもいいのだと思うのですけれども、好きなものというのは増えていくし、また、より好きになっていくことで深い理解とか、そういうところで学校の授業以外に何かわからなかったことがわかるようになるとか、できなかったことができるようになるという確信を伸ばすことが多分できると思うので、そういう意味ではスポーツ少年団活動はすごく大事だし、合唱というのもそういうできなかったことができるようになり、わからなかったことがわかるようになる場を提供しているから、非常に大事だと思います。
 観光も大事ですよね。自分の周りにこういうところもあるのだと気づくことも自己肯定感につながるし、あとは行ったことのないところに行くということで新しいことを知ったり、行ったことのないところに行くこと自体、できなかったことができるみたいな、そういう自己肯定感につながるのだと思います。
 私は、ウサギをうちで飼っているので、そういうウサギの癒やし効果というのをすごくよくわかっているのですけれども、馬とかヤギとかもやっぱり癒やし効果があるのですね。

黍原 里枝
 そうです。馬はセラピーの王様と言われていて…。

達増知事
 馬は王様なのですな。

黍原 里枝
 と言われているのです。でも、やっぱり大きい存在だからその子によりますけれども、「うっ」と最初思うではないですか、大人とかでも。

達増知事
 怖い感じがしたり。

黍原 里枝
 怖い感じがあるのですけれども、ウサギとかいれば小さいから、馬がちょっと苦手でもウサギなら大丈夫とか、ヤギなら大丈夫とか、そういう子がいるので、いろいろな動物がいるのはいいなと思っています。

達増知事
 動物とのコミュニケーションも自己肯定感を高めるのにいいですよね。

黍原 里枝
 そうですね。

達増知事
 ありがとうございました。

高橋室長
 皆様から一通りテーマに沿ったお話をお伺いしたところです。非常に遠慮気味の方もいらっしゃって、時間はたっぷりあります。先ほどのお話で言い足りなかったことですとか、あるいは他の方のお話を伺って聞いてみたいこととか、ここからは自由に御発言いただきたいと思います。いかがでしょうか。

道又 譲
 皆様から教育に関するお話もいただいたので、私も1つ、新聞店の店主としての話ではあるのですけれども、大槌町が今NIE、新聞を通しての教育活動の全国大会の会場ともなりまして、今年の夏。そういった中で、私自身も全国大会のときに大槌学園さんの授業を見させていただいたのですけれども、これはあくまでも宣伝ではないので、新聞を読めとか、そういうわけではないのですけれども、新聞を読んだことによって子どもたちが学んできて、最終的にまとめ上げた結果、今後、大槌町ってどうしていけばいいと思うという中で、確か私の記憶の中でではあるのですけれども、8つの班があった中で、中学生の授業だったと思うのですが、8つの班のうち4つが大槌町に大学がほしいという話を結果として出しておりました。他の参加した先生方、全国から先生方がいらっしゃって、どう思ったのかわからないのですけれども、私は正直かなり震えました。いろいろと学んだ上で、新聞というものを通していろんな知識を取り入れている中で、最終的に子どもたちがたどり着いた答えというのが、では身近なところにいい学府があればいいねというような結論になったというのには本当に、子どもたちの意識の高さ、可能性の偉大さにすごく感服しましたので、私がこのまま私立で是非大学をつくりたいなと思うのですけれども、なかなかそうもいかないので、行く行くは、内陸と沿岸の中で学力格差とまではいかないとは思うのですけれども、同じことを皆さん学んでいらっしゃるので、ただ教育の機会というものもやっぱり沿岸のほうにもどんどん、今皆さんおっしゃったことも取り入れて、うまく言えませんけれども、なっていけばいいのかなと思ったりしたのを本日皆さんのお話を聞いて思った次第です。

達増知事
 向上心プラス主体性がありますよね。

道又 譲
 そうですね。びっくりしました。

高橋室長
 他にいかがでしょうか。黒澤さん。

黒澤 真
 先ほど言い足りなかった部分、ちょっと言わせてもらいますと、知事もおっしゃったとおり、中学の部活問題の明治維新ではないですけれども、そういう明治維新イコール、例えば外部への委託ということになってくると思うのです。極論を言えば、今部活動というのは義務になっているはずなのです。例えば、他にクライミングの伊藤ふたばさんとか、あとスノーボードの岩渕さんとか、では中学校のとき学校にその部活があったかというと多分なかったと思います。ということは、外部で世界を目指して頑張って活動していたと思います。そういう子も実際いるわけです。だから、必ずしも文化部でも何部でも部活に入りなさいというのはちょっと変な話ではないかなという思いがあって、盛岡のほうでも今野球で例えますとシニアリーグだ、ボーイズリーグだという硬式の野球があります。そういうチームに中学生がいっぱい入っているけれども、学校では科学部に入ったりとか、必ず入らないといけないと。では、何のためにその子どもたちは科学部に入っているか。それは、子どもにとってはあまり意味のないことかもしれない。学校側にとっては、入らないといけないから入らないといけないという、何か方向性がちょっと違うのではないかなという思いもありまして、そういう部活の義務化ではなくて、スポーツに限らず、例えば私はピアニストを目指していますと、そういう子がいます。だから、部活は入らないで、その時間を有効に使いたいので、児玉先生のところで習いますとか、そういう選択肢もありだと思うのです。だから、そういうところをもうちょっとみんな大人が考えて、本当に子どもの立場になって考えてほしいなという思いはすごくあります。
 2年前に岩手県で国体がありました。すごく岩手県の選手たちが大活躍したのを自分も見に行ったので覚えていますが、その中で地元の、例えばこの地域であれば、多分大槌だ、釜石だの中学生たちは、ラグビーが釜石で行われました。それに授業の一環で応援しに行ったり、見に行ったり、ラグビーって、ああすごいなということを多分学んだと思います。それと同時に、自分はずっと野球をやっていたので、結局全国のトップのチームや選手が来るわけです。例えば自分の子どもが野球をやっています。やっぱり見たいと。夏の甲子園で輝いていた選手たちを大阪には行けないけれども、岩手県でせっかくやっているのだから見に行きたいと自分の息子が言ったのです。だけれども、実際は授業なのですよね。学校があって、平日にやっているので。だけれども、これは学校に相談したほうがいいのかというのはちょっとためらって、相談しませんでした。他の子も行きたいと、見たいと。だけれども、親としては、それも自分の中では授業の一環だと思って、自分の責任で、学校には正直うそをつきました。ちょっと体調を崩したので休みますとうそをついて、だけれども、子どもたちは朝から、ちょうど盛岡で、県営球場で野球をやっていました。そこに朝一で行って、もう一人の子どもも親の許可を得て、こういう条件だけれども、それでもいいのだったら責任持って自分が連れていくけれどもという条件で、その人も親の許可を得て、自分の息子ではないのですけれども、どうしても見たい、見てみたいと言うので連れていきました。だけれども、その日はちょうど3試合やって、そのとき自分の息子が3年生で、もう一人の子は6年生でした。だけれども、その子たちは3試合とも食いつくように、本当に真剣に見て、すごいなという、今でもたまにそういう話をしたりするのですけれども、それを公欠にできるという、せっかく47都道府県あれば、国体が回ってくるのは普通に半世紀に1回、せっかくの半世紀に1回のことをやっぱり見せてやりたいし、だからそういうところをもうちょっと柔軟にやっていただけたら、もっともっと良かったのではないかなと。実際盛岡の、どこの中学校かわからないですけれども、外野スタンドに応援に来ていました、学校単位で。だけれども、試合の途中で来て、多分授業の時間で行っていると思うのです。途中ですぐいなくなって、それ形だけなのではないかなと感じました。せっかく見るのだったら1試合見て、見たことがなくても、やっぱり最後まで、結果が出るまでとか、うまく柔軟に対応すれば良かったのではないかなと正直子ども目線で見て感じました。時間がある、時間がないにしろ、やっぱりそういう単位でもっと子どもたちに見せてあげたかったなという思いが、2年前ですけれども、ありました。

達増知事
 それ大事なポイントですね。そうですね。当時はそこはちょっと気がつかなかったなと今反省しているのですけれども、学校で、特に授業とか、そういう強制性を持ってやるべきところと、そうではない、自由にやるべきところをうまく使い分けなければならないのだなと改めて思いました。

高橋室長
 児玉さんは何かありますか。

児玉 奈佳
 私は、どちらかというと部活の問題は諦めているというか、合唱部がもともとないので、子どもたちも合唱部があったら入りたいのになと言うのですけれども、そこは他の体を動かしたいという子もたくさんいるので、運動部に入って、私のところで一緒に歌おうという感じで、今は中学生も部活と両立しながら、だからあまり部活が長いと来られないのですけれども、やっぱりそこら辺を工面しながら、あぐどまめの活動に来てくれていて、そこから高校になると釜石高校にも音楽部がありますし、宮古高校や、あと内陸に行くともっと素晴らしい、全国的に活動している学校もあるので、そこにつなげられたらいいなと思っています。

高橋室長
 ありがとうございます。他にはいかがでしょう。

児玉 奈佳
 馬のセラピーをあぐどまめの子どもたち、受けたのです。

黍原 里枝
 ああ…。

児玉 奈佳
 大念寺さんのほうでお馬さんに来ていただいて、子どもたちが乗りました。やっぱり小さい子が乗れなくて、ヘルメットは被るものの、怖いと言って乗れなかった子が、大きい子の助けを借りたり、旦那様ですか。

黍原 里枝
 はい。

児玉 奈佳
 旦那様の助けを借りて全員乗ることができて、素晴らしい活動だなと思っていました。

黍原 里枝
 ありがとうございます。

児玉 奈佳
 ありがとうございます。

高橋室長
 お二人は、童謡にわらべうた、共通のところもあるのですけれども、ふだん活動を御一緒にというのは…。

児玉 奈佳
 なかったですね。ないです。

黍原 里枝
 あぐどまめさんは知っていて、合唱を聞きに行ったりとかはしていたのですけれども、大念寺さんのミヤコさんとつながっていて。

児玉 奈佳
 ああ、そうなのですね。

黍原 里枝
 そうなのです。

高橋室長
 非常に豊かな三陸岩手ということで、子どもたちの選択肢が広がる地域とか、あるいはどんどんこれから外とつながっていくのだというふうなイメージでいろいろお話伺ったような気もするのですけれども、他にお話。どうでしょう、河東さん。

河東 英宜
 外につながるというところで、昨日、実は東京から7名の方がいらっしゃって、釜石で副業を、東京にいながら副業をしたいという人のツアーを受け入れたのですけれども、これ県の遠恋複業課という事業でして、非常にいい事業だと思います。やっぱりいらした方もそれぞれ自分の技術を持っていたりであるとか、特にIT系の技術を持っている方なんかがそういうことをやりやすいので、そうした方々とつながって、こちら側もペイをお支払いして、東京の方々もそういう自己実現であるとか、地域のほうとの関わりを持ちたいとか、そういったところが非常にマッチするいい事業だと思っていまして、是非引き続き続けていただきたいなというふうに昨日思った次第です。ありがとうございます。

達増知事
 生活や仕事の拠点を複数持てるような人とか、あと持ったほうがいい人というのはいますからね。

河東 英宜
 はい、そうですね。いくつかつながりそうな案件もありましたので。

高橋室長
 間もなく時間になろうかなというところですけれども、これだけはということがあれば、是非お話しされたほうがと思いますが。

道又 譲
 すみません、ちょっと手短にお話差し上げる、これだけはと思ったのですけれども。今、外とのつながりというので、あと先ほど知事もおっしゃっていて、ここでちょっと触れていなかったのですけれども、私、先々週、花巻空港から台北に行ってきまして、すごく良かったというような一つ感想と、実際考えたら、飛行機の中で考えていたのですけれども、すごくスムーズに通れますし、もちろん国際線というのが1本しかないので、すごくスムーズなのと、これ成田経由で行くよりいいなというのが、大槌からなのですけれども。要は成田まで行って台北行くよりは、もちろん花巻空港から。桃園空港というのは台北の成田空港みたいなものなので、今度はそこを拠点に、それこそロンドンへ行ったりとか大谷の応援に行くときも成田使わないでそっち行こうかなと思うぐらい、結構可能性を秘めた航路だなと思いまして、私以外は9割方台湾のお客様でした。帰る方とで、台湾から来るときは、私以外ほとんど台湾の方だったので、そこもやっぱりインバウンドに向けてやっていければなというのと、意外と花巻空港が穴場だというような、ちょっと最後伝えたかったところで、良かったです。

達増知事
 花巻―桃園間が大体新幹線の盛岡―東京間より安く、時期によっては片道1万円しなかったりするのですよね。だから、盛岡から東京まで新幹線で行って、そこから成田に行ってとかやるより楽だし、速いし、また安いということですよね。

道又 譲
 そうなのですよね。成田行くより安かったです。

達増知事
 花巻から桃園まで行って、世界の航空会社が乗り入れていますから、そこからどこにでも行けるという。成田より桃園のほうが岩手にとっては、実は身近なハブ空港だというふうに今なっているのですよね。

道又 譲
 そうですね。私はすごく思いました。やっぱり定期便になってすごく良かったなと思っています。

高橋室長
 他はいかがでしょうか。よろしいですか。大体2巡したかな。黍原さんはよろしいですか。言い足りないところありませんか。

黍原 里枝
 では、一言だけですけれども。まず、さっきの話につながるというか、なのですけれども、サッカーとか野球とかも一生懸命皆さんやっているのですけれども、この前ニュージーランドのラグビーの高校生が我が家に泊まっていった…

達増知事
 クライストカレッジ。

黍原 里枝
 はい。泊まっていったのですけれども、片言の英語で聞いたから正しいかわからないですけれども、ラグビーだけではないのです、聞いていると。ハンティングやっているとか、サッカーとラグビーやっているとか、何かいろんなことをやっていて、その中の選択肢の一つとしてラグビーがあるみたいな感じだったのです。本を読んでいたら、ドイツのサッカーは子どもたちがルールを決めて、審判がいない、自分たちで勝手にルールをつくってやっていると。何か全国大会も高校生までは基本ないみたいな。いろんなレベルのリーグがあって、余り上手ではない子も選手として活躍できる場所があるから、どんな子もサッカー楽しいのだと。評価とかも勝ち負けとかがないから、草野球でみんな一緒になって遊んでいると負けても楽しい。スポーツだけではないと思うのですけれども、遊びがもっと大事にされていいのではないかなと思います。世代がいろいろ混ざって遊び合えば、大きい子は小さい子の世話をするだろうし、そういう場所がいっぱい増えれば、その子たちが大人になったときに、岩手っていい場所だよねと多分思ってもらえると思うので、学力一辺倒ではなくて、遊びの中にこそ学びがあるという感じを大人がみんな持ってもらえるような感じになるといいなと思います。

高橋室長
 それでは、皆さんありがとうございました。

知事所感

高橋室長
 それでは、最後に知事からお願いいたします。

達増知事
 今日御活躍の皆さんは、まず子どもという現場を持っていて、子どもと直接接するところプラス大人とも接して、地域社会に大いに働きかけてくださっている方々と、そして地域社会を大きく域外とつなげ、人の出入り、交流、観光を通じてこの地域に貢献されている、そういう違ったやり方が合わさることで、また一緒になることでいろんな効果もあるのではないかなということを思わせてくれるところもあったと思います。道路ができていることとか、あといろんな技術の発達やいろんな仕組みの発達で、今までできなかったことができるようになっていく中で、まず子どもたち、そして大人たちもそういうことに振り回されたり、あるいは犠牲になったりするのではなくて、そういう中で、より伸び伸びと、自己肯定できるようにしていく地域づくりが大事なのだなと改めて思いましたので、そういうふうに進めていきたいと思います。今日はどうもありがとうございました。

高橋室長
 それでは、今日は貴重なお話をいただきまして、大変ありがとうございました。

閉会

高橋室長
 これをもちまして、県政懇談会「がんばろう!岩手」意見交換会を終了します。

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