「がんばろう!岩手」意見交換会(平成30年7月24日 県南地区)

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ページ番号1000816  更新日 平成31年2月20日

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日時
平成30年7月24日(火曜日)9時45分から11時10分まで

場所
北上市文化交流センター さくらホール会議室1・2

出席者(敬称略)

  • 参加者(敬称略)
    登内 芳也(一般社団法人北上観光コンベンション協会 きたかみチョイス プロジェクトリーダー)
    岡居 亜優美(ファーマーズフローリスト LesRacines(レ・ラシーヌ) 代表)
    田村 淳一(株式会社遠野醸造 取締役)
    高野 由茉(西和賀町地域おこし協力隊)
    山門 武志(株式会社CREDO 代表取締役)
  • 県側
    知事、県南広域振興局長、秘書広報室長

開会

高橋室長
 ただいまから県政懇談会「がんばろう!岩手」意見交換会を開催いたします。
 皆様には御多忙のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 今日は、「移住者が描く、岩手の未来」を懇談テーマとし、県外から移住をし、この県南地域で様々な分野で地域活性化に向けて取り組まれている方にお集まりいただいております。
 私は、本日の進行役を務めます県の秘書広報室長の高橋と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

知事あいさつ

写真:懇談会の様子1


高橋室長
 それでは、開会に当たりまして知事から挨拶申し上げます。

達増知事
 皆さん、おはようございます。県議会議員の先生方も、今日はありがとうございます。
 県政懇談会「がんばろう!岩手」意見交換会ということで、岩手の各地域あるいは各分野、その現場で、最前線で活躍している皆さんの意見を伺って、県の政策に役立てようという企画です。
 今日は、「移住者が描く、岩手の未来」というテーマで、移住者の方々においでいただいていますけれども、さきの県議会でも取り上げられたのですけれども、半導体や自動車産業関係の生産や雇用が伸びて、今後5年間で5,000人規模の新規雇用が北上中心に見込まれておりまして、という話をした後に、またトヨタ東日本が静岡県裾野市の東富士工場を畳んで、そこから1,100人の人たちが、宮城も含めてですけれども、岩手、宮城のトヨタ東日本の工場に移ってくるという決定もその後行われました。また、その5,000人に家族の方々も伴うことを考えると、更に多くなるわけですし、そういう皆さんのためのサービス業、飲食業、小売業、更に生活を豊かにするためのスポーツですとか、医療、福祉、教育的な、そういったサービス業のニーズも増えるだろうということを考えると、今の日本全体を見回して、ほかにないような人の流れがこの地域に今後起きることが見込まれていますので、そういう新しい人の流れを受け入れながら、地域が豊かになっていく。そこで、この地域の発展の方向性を考えるときに、幸福という言葉がいいのではないかというような議論が県の総合計画審議会のほうでも議論されていて、次の県の総合計画、来年度からの10年計画を、幸福を守り育てる希望郷いわてというような目標を定めるといいのではないかという計画素案も今できているところでありまして、この北上エリア、そういう方向性に持っていくために、どういうふうにしていけばいいのかというようなことのヒントをいただければ、あるいは答えをいただければと思っておりますので、今日はどうぞよろしくお願いいたします。

高橋室長
 それでは、この後の進め方ですけれども、まず私から御出席の皆様を御紹介いたします。その後、お一人ずつ自己紹介をお願いいたします。次に、本日のテーマに沿ってお話をいただきます。お二人からお話をいただいた後、知事からコメントするというふうに、区切りながら進めていきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。そして、最後には自由懇談の時間も設けたいと思っております。
 それでは、お手元の座席表の順に本日御出席の皆様を御紹介いたします。
 一般社団法人北上観光コンベンション協会きたかみチョイスプロジェクトリーダー、登内芳也さんです。

登内 芳也
 よろしくお願いいたします。

高橋室長
 そのお隣、ファーマーズフローリスト レ・ラシーヌ代表、岡居亜優美さんです。

岡居 亜優美
 よろしくお願いいたします。

高橋室長
 そのお隣、株式会社遠野醸造取締役、田村淳一さんです。

田村 淳一
 よろしくお願いします。

高橋室長
 テーブルが変わりまして、西和賀町地域おこし協力隊、高野由茉さんです。

高野 由茉
 よろしくお願いします。

高橋室長
 隣が株式会社CREDO代表取締役、山門武志さんです。

山門 武志
 よろしくお願いします。

高橋室長
 県からは達増知事、県南広域振興局の細川局長でございます。

細川局長
 よろしくお願いします。

高橋室長
 また、本日は県議会議員の皆様にもお越しいただいておりますので、御紹介いたします。
 花巻選挙区選出の川村伸浩議員です。
 北上選挙区選出の佐藤ケイ子議員です。
 どうぞよろしくお願いいたします。
 皆様のお手元にお菓子と飲み物を準備しておりますので、召し上がりながら御歓談いただければと存じます。
 まず、本日のお菓子を紹介いただきます。

細川局長
 それでは、私のほうから本日御用意させていただきましたお菓子を御紹介させていただきますけれども、1つは早池峰ドゥーブルふろまーじゅというチーズケーキであります。花巻の石鳥谷にお店があって、盛岡にもお店がありますけれども、砂田屋さんのほうでつくって販売されているお菓子で、昨年10月に宿場町大迫400年ということで、それを記念して大迫の食材にこだわって、大迫の魅力を凝縮したチーズケーキになっております。材料としましては、エーデルワインの白ワインでありますナイアガラ、それから岩手早池峰という飲むヨーグルトがありますけれども、それから早池峰醍醐という手づくりチーズを材料に使用した2層になったチーズケーキになっております。

達増知事
 それでドゥーブルという。

細川局長
 そうですね。ダブルですね。それで、昨年のいわて特産品コンクールの土産品部門で岩手県市長会会長賞を受賞したお菓子でございます。
 それから、もう一つ、本日ご用意したお飲み物のほうですけれども、奥州はとむぎ茶でありまして、これは岩手ふるさと農協のほうで販売しておりますけれども、衣川産のハト麦を100%使ったハト麦茶になっています。「奥州の歴史ロマンと味わい深い健康美茶」というのをキャッチコピーにしているようでありまして、衣川にゆかりの深い、このパッケージに書いてありますが、源義家と、それから安倍貞任、この武者絵をパッケージにしております。

達増知事
 「衣のたてはほころびにけり」のやりとりをしているところですか。

細川局長
 はい。ということで、どうぞ召し上がっていただきたいと存じます。よろしくお願いいたします。

高橋室長
 どうぞ、召し上がりながらということで。

細川局長
 冷たいうちにいただいたほうがよろしいかと思います。

達増知事
 そして、ケロ平がプリントされているコースターですね、これ。

細川局長
 そうですね、県南局でコースターを。

達増知事
 こういうのが何か合いますね。このひなびた感じの使われ方が。

細川局長
 コースターに描いているケロ平は県南局のほうでつくったキャラクターでございまして、いろんなイベント等でいろいろと活躍させていただいております。

懇談

写真:懇談会の様子2


高橋室長
 それでは、懇談に入らせていただきます。最初に、お一人2分程度で自己紹介をお願いいたします。お話しいただく順番は、登内さんから順にお願いいたします。
 それでは、登内さんお願いいたします。

登内 芳也
 おはようございます。今日はよろしくお願いいたします。登内と申します。
 生まれは、母の実家、長野県伊那市というところです。育ちは練馬になります。結婚して埼玉のほうにおります。岩手にそもそも関わったというか、来たきっかけが、久慈高校出身で北京で会社をやっていらっしゃる女性の方から、震災のときにちょっとSOSのメールが来まして、久慈高校出身の同級生たちが久慈、野田にいて、今ちょっと大変なので、ボランティアで来てくださいというのが最初、きっかけでした。それまで岩手にほとんど来たことがなくて、NPO団体をつくって、3.11で沿岸に来たということがきっかけです。

達増知事
 それはそれは、ありがとうございます。

登内 芳也
 岩手を好きになった瞬間がそのときにありまして、野田にずっと4月、5月と通っていたわけですけれども、泊まりが久慈で、そこで当時居酒屋さんが1軒開いていまして。そこにボランティアチームで行ったときに、非常に顔の怖い方々が赤い顔をしてこっちをにらみつけていました、四、五人の方が。農協さんとかそういう帽子をかぶっていらっしゃったので、そういう関係の方かなと思ったのですけれども、こっちはボランティアジャンパーをみんな着ています。ずっとにらんでいて、怖いなと思いながら、30分ぐらいしたらお一人の方が日本酒を持ってどたどたどたっとこっちに来まして、こっちは福来という酒なんだと、皆さんはボランティアでこっちに来てくれて、野田の応援に来てくれている、本当ありがたいということで、日本酒を振る舞っていただき、かつその方々1時間ほどで帰られたのですけれども、帰った後に福来のミニ瓶ですか、あれを10本ぐらい置いていかれたのです、お店のほうから。それが初めての岩手の方とのダイレクトなつながりで、それで好きになってしまって。
 その後、たまたま沿岸支援をずっと、石巻とかしている流れで、北上市役所に15年ほど前から1人知り合いがおりまして、その方から声がかかって、復興支援員で登内さん来ませんかということで、それで北上のほうにいて、ちょうど今6年になるという状態でございます。
 今は、北上及び沿岸被災地での活動範囲になっていますけれども、たまたまその中の一つにふるさと納税制度がありまして、ふるさと納税制度は沿岸の事業者さんの応援になるということを感じ、それでまず沿岸自治体の首長さん回りをしていきましたが、当時はまだ優先順位がそっちのほうではなかったということで、まずノウハウを北上でつくろうということで、北上でふるさと納税に関わっているという、今そういう状態でございます。

達増知事
 急に額が増えたりしていましたから、さすがそのとき担当していたのですな。

高橋室長
 では、また詳しく次のときにお願いします。
 岡居亜優美さん、お願いします。

岡居 亜優美
 よろしくお願いいたします。私は、神奈川県出身で、3年前に結婚を機に岩手県に来ました。今は花巻市石鳥谷で、無農薬でお花を育てています。食べられるお花、エディブルフラワーを栽培して、岩手県のカフェ、レストランに卸させていただいております。
 ファーマーズフローリストというのが農家と花屋、2つを1人でやっていくという形になるのですが、1カ月に1回は神奈川が実家というのもありますので、東京、中央のほうに帰って、花巻の農産物とともに物販をして御紹介をしていると、今そういう状態です。よろしくお願いします。

高橋室長
 それでは、田村淳一さん、お願いします。

田村 淳一
 よろしくお願いします。田村と申します。私は、生まれは和歌山県で、2年前に遠野に移住をしてきました。地域おこし協力隊制度を活用して、地域おこし協力隊員として今遠野で活動しています。
 今年の春に遠野醸造という、遠野産のホップを使ってビールを醸造して、醸造所の隣にレストランを経営して、人が集う場所をつくろうということで今活動をしています。ただ醸造所を運営しているということだけではなくて、遠野市で「ホップの里からビールの里へ」というスローガンを掲げてまちづくりをしているのですけれども、そこの事務局をやったりとか、ブルワリーだけではなくて、まち全体のことに関わって動いている状況です。

高橋室長
 ありがとうございました。
 それでは次に、高野由茉さん、お願いします。

高野 由茉
 西和賀町地域おこし協力隊の高野由茉と申します。東京都の出身で、大学を卒業するまで東京におりました。初めて岩手に来たのは、大学3年生の冬、2013年の冬に西和賀町に初めて来ました。きっかけというのが、西和賀町にある銀河ホール、演劇専用の銀河ホールで、演劇と美術の作品制作の合宿を行っているギンガクという事業があります。そこに学生のころから参加をしていました。社会人になってからも何度もギンガクの運営の関係で合宿の当日にも来ましたし、あとは事前の実行委員会など、そのたびに西和賀に訪れていまして、年に四、五回、西和賀と東京とを行ったり来たりする生活を行っておりました。その活動を本格的に現地でするために、ちょうど1年前に移住しました。現在教育委員会生涯学習課で、その会場となっている銀河ホールの事務室に勤めております。よろしくお願いいたします。

高橋室長
 ありがとうございました。
 それでは、山門武志さん、お願いします。

山門 武志
 株式会社CREDOの山門と申します。よろしくお願いします。つい先日、100回記念の決勝戦が花巻東と盛岡大附属高校だったのですけれども、私は花巻東高校ではなく、残念ながら敗れてしまった盛岡大附属高校のトレーナーをやっておりまして、9回表に入るまで勝っていたので、今年は甲子園かと、神戸に行くかとかって思っていたのですけれども、まさかの9回に逆転を喫しまして、ちょっとやり切れない気持ちで今日ここにいるのですけれども。ほかにも高校の部活動のほうにトレーナーとして関わらせていただいていて、今県内5チーム、5校関わらせていただいていて、明日からちょうどインターハイがありまして、一関の修紅高校の男子バレーボール部というところにも私ついておりまして、明日ちょうど花巻空港から名古屋に向かって飛行機で行きまして、三重県での大会のほうに行く予定でございます。
 なかなか私の仕事というのは分かりづらいというところもありまして、そんな感じでスポーツのチームをサポートしております。出身は、山口県周南市、旧徳山市というところになります。
 何で岩手にいるんだという質問は100回ぐらい受けているのですけれども、妻の実家が金ケ崎で、子どもが2人いるのですけれども、両方中部病院で生まれました。2016年から株式会社CREDOというものを立ち上げて、今北上のほうでプライベートジムという形でスポーツのジムのほうを経営する傍ら、そういうスポーツのチームに出るという仕事をしております。よろしくお願いします。

高橋室長
 どうも自己紹介ありがとうございました。自己紹介の段階から、今日の意見交換会はすごい話が出そうだという予感がしますけれども、時間大丈夫かなと思いながら、是非よろしくお願いします。
 ここからはまた今日のテーマの「移住者が描く、岩手の未来」に沿って、現在の取組ですとか、今後の方向、また御自身の抱負や県への期待なども含めてお話を伺います。
 先ほどの順番で、登内さんからお一人5分程度でお願いします。お二人ずつお話をいただいた後で、知事からコメントするというふうに区切りながら進めますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 では、初めに登内さん、お願いします。

登内 芳也
 よろしくお願いします。最初北上市から復興支援員を委嘱されたときに、北上及び沿岸被災地ということが活動地域でした。では、何をしたらいいのかというところで、多分、市のほうも具体的にこれをということはなかなか言いづらかったのではないかと思うのですけれども、僕の中では営業をずっとやってきたのもありまして、ではまちを売るシティーセールスをしようということを考えました。当然売るわけですから商品を探さなければいけないわけで、北上にどんな商品があるのだろうと商品探しをしていくのと、あと久慈、野田でボランティアをしていたときにやっぱり痛感したのが、地域の文化とか風習とか、そういったことを知らずに最初入ってしまっていて、実はよかれと思ってやったことが、案外地元の人にとってはそうでなかったということを幾つか体験をしていましたので、まず北上の歴史や岩手の歴史を知らなければということで、まず図書館に行って、史実コーナーといいますか、そういうところでいろいろ勉強しました。あと、休みのたびに岩手県若しくは北東北、あちこち行かせてもらって、いろいろ。その中で、本当は沿岸の復興で来たのですが、北東北の歴史の中で自殺率という一つ大きいテーマが出てきました。正直秋田とかイメージしていなかったのですけれども、その自殺率が高い理由というのをある大学の先生が論文で書いていらっしゃって、その中の一つにまず雪という問題、日照時間の問題、経済的な問題というのが出てきました。
 私の役割として、まちを売ると同時に地域の課題解決ということが当然ありますので、ではシンプルに困り事の雪がお金にかわったら、きっと少しは役に立つのではないかなと思って、まず雪のセールスを始めます。それが今北上が毎年続けている首都圏23区に雪を売っているということになるわけなのですが、正直すごく売れているわけではなく、本当に少しずつのイベントだったのですけれども、雪を売っていて思ったのが、まず地元の人たちが雪なんか売れるのという反応で、ちょっとアウェーでした。ただ、これがたまたま江東区長さんと知り合いになった流れで、江東区で毎年こどもまつりがありますと、そこによかったら雪を持ってきたらどうと。ちょうど23区も東北復興のために予算がついているのでということで、雪を買っていただきました。
 子どもイベントで、実際僕自身もびっくりしたのが、3メートルぐらいの小さい滑り台、雪の滑り台なのですけれども、そこに子どもたちが大行列をするのです。約6時間から7時間なのですけれども、一回も途切れずに、延べ数多分4,000人ぐらいの子たちが順繰り順繰り、最後尾とプラカードをこっち立てるのです。それで、逆に言うと、北上から応援に来た人たちも含め、みんなそれにびっくりします。あるときふっとそれを思ったのが、雪って子どもを笑顔にするツールなんだなということに気づきます。それから、首都圏の子どもたちが喜ぶツールとしての雪セールスが始まっていきます。
 あと先ほどふるさと納税というテーマ出ましたが、あれ実はきっかけをくれたのが石巻の漁師さんたちで、当時2011年、2012年と東北復興イベントが首都圏でよくありました。やっぱり僕もイベントに一緒に漁師さんたちと参加して、実際物を売っていくわけなのですけれども、ある漁師さんの加工会社さんに、実際にかなり買っていただいてうれしいのだけれども、いざ地元に戻ってみれば、まだ工場は復旧はしていないし、片や販路がかなりもうがたがたで、なくなっていると。それで、実際に東京のイベントだけで当然生活はできないので、何とか新しい販路をつくるようなことを考えなければいけないと。ただ、今までと同じ、震災前と同じように戻ったとしても、実際に子どもたちが後を継いでくれるような状態にはならないので、新しい形をつくらなければというのを聞きました。それで何か手はないかと思って探していく中で、たまたま見つけたのがふるさと納税制度だったのです。いざふるさと納税制度に関わってみますと、ちょうど先週も全国のふるさと納税の担当者会議というのが鹿児島であったのですけれども、本当に各地域、地域でいろんな問題、課題があって、その解決のためにこの制度を活用しているところが多かったのです。
 北上ではありますが、正直、北上はそんなに寄付を集めなくてもいい状態だと思います。ただ、あくまでも岩手チームのためにノウハウをつくらなければということで、この5年間頑張ってきまして、今は岩手のいろんな自治体さんと一緒に勉強会をやったりしているということです。
 今後の目標、夢については、改めて後の自由時間でということでよろしいでしょうか。

高橋室長
 ありがとうございます。
 それでは、岡居さん、お願いします。

岡居 亜優美
 私は花巻に来て、今は花巻農業女子に所属しながら、農家の方と関わりを持っているのですけれども、中央にいたころは、岩手のお野菜を余り見ることがなくて、実はリンゴが苦手だったのです、向こうでは。でも、こちらに来て、いいから食べてみてと言われたリンゴがとってもおいしくて、食べられるようになったのです。それを機に、ああ、中央に岩手のこんなおいしいものを届けて、みんなが岩手の農産物を食べてもらえるようになったらうれしいなと思って今は活動しているのですけれども、なかなか流通がうまくいかなくて、輸送料が高かったりとか、そこが課題で、みんなで今はクリアできないかどうか、盛岡の東京とつながっている秀吉さんという会社の食品事業部の方ともお話をしながら 課題として考えているところです。ありがとうございます。

高橋室長
 いいですか。遠慮されて、大丈夫ですか。

岡居 亜優美
 大丈夫です。

高橋室長
 では、また次に。
 それでは、知事お願いします。

達増知事
 登内さんは、まず歴史の勉強や地理の勉強から始められたということで、やっぱりそうやって歴史や地理を知ることで課題が見えてきて、自殺率の高さとか、それで何をしなければならないかというところが見えてくるのだなと思いました。
 雪ビジネスは、インバウンドでも台湾から来る人とか東南アジアから来る人が、雪遊び、すごく喜ぶという話を聞きますけれども、日本国内でもそうですね、東北、北陸以外の人たちはやっぱり雪というのは珍しく貴重なものでありましょうから、特に子どもたちにはすごく受けるのだと思います。そういうのを改めて発見していただいたのはすごく良かったですし、そういうのは外部の視点がないと、岩手に生まれ育った人にはなかなか雪の貴重さというのは気がつかないところでありましょうから、地域をよく知ることプラス、外部の視点というのが合わさって、いい事業が生まれるのだなと思いました。
 そして、岡居さんは、リンゴが苦手だったのですね。

岡居 亜優美
 はい、全然食べられなかったのですけれども。

達増知事
 それを岩手のリンゴで克服できたということで。

岡居 亜優美
 はい。

達増知事
 そうなのですね。多分最初食べたリンゴがおいしくない、悪いリンゴで、不幸な出会いをしてしまったがゆえにそうだったのではないかと思うのですけれども、おいしいものを、おいしいリンゴを食べると克服できるという、岩手のリンゴのおいしさを証明する生き証人として、非常にありがたいと思います。
 リンゴだけではなくて、野菜とか米やら雑穀やら、畜産関係もだし、ありとあらゆるものが全国有数のおいしさの岩手の農産物なのですけれども、なるほど輸送料の問題ですね。普通に運ぼうとすると、やっぱり東京まで500キロぐらいの距離というのは、普通に対応すると500キロに対してコストがかかるので、秀吉さんの名前が出ましたけれども、何かまとめて輸送することでコスト削減を図るとか、ほかの目的のトラックに乗せてもらうみたいな、そういう工夫をいろいろやっているということですね。

岡居 亜優美
 やっぱりすごくおいしくて、使いたいけれども、送料のところで次からちょっと悩んでいる方が、関東のレストランの方もいらっしゃって、そこをうまくできたらなと思い、いろいろ声をかけたりして。

達増知事
 そうですね、普通にしているとやっぱり距離がコストになってしまうから、そこをいかに工夫するかが大事なのだと思います。

高橋室長
 それでは次に、田村さん、お願いします。

田村 淳一
 取組の背景のところからちょっと御説明をしたいのですけれども、僕自身としては生まれも和歌山のすごく田舎で育ちまして、田舎で消えゆくものであったりとか、守らなければいけないものをちゃんと残したいということと、あとやっぱり産業体をつくっていって、まちを盛り上げていかないといけないというふうな思いがあって、今遠野での活動をしています。
 主に都市部とかでは、いわゆるクラフトビールとか、地ビールとかのブームがすごくて、僕も遠野に来て東京の人とかとよく話をするようになったときに、遠野はホップの聖地だと、すごく憧れの場所のように言っていただいていたのです。ただ、現状でいくと、ホップ農家はどんどん減っていて、今ぎりぎり下げどまっているぐらいなのです。例えば北海道の富良野町でもホップを栽培しているのだけれども、100軒あった農家が今4軒になっているとか、青森県も今残り3軒ぐらいになっているとか、遠野自体も何か手を加えないと、このまま減っていってしまう。55年間ホップ栽培を続けていた遠野市の誇りなくなってしまうというのは非常に悲しいと思っていたので、今取り組んでいます。
 その上で、2つちょっと自分の中で抱負というか、やりたいこととしては、1つはまちのビジョンをちゃんと具現化していくということを本気で取り組みたいなと思っています。結構やれそうな感じに今なってきていまして、どんどん移住者が今遠野に集まってきていて、しかもビールに関することをやりたいと言っている方が多くて、今年も遠野市で地域おこし協力隊の枠を用意していただいて、ホップ農家を募集したのですけれども、すごく応募が来まして、今もう3名採用が決まっています。その3名以外にも1人、北海道にいた方なのですけれども、北海道にいてホップ農家やりたいと思って富良野のホップ農家に行ったら、ホップ本当にやりたいのだったら遠野に行けと言われて、車に荷物積んでそのまま来た若者がいたりとか、いろいろ集まってきていますので、そういったプレーヤーとうまく連携しながら、まちのビジョンを具現化していくというところをちょっと本気でやりたいなと。
 私たちも、ただホップとかビールということだけではなくて、例えばビールをホップ畑で飲むとか、遠野の曲がり家を貸し切って伝統芸能を見ながらビール飲むとか、そういうイベントを毎月やっているのですけれども、インターネットに掲載するとすぐ予約が埋まって、かなり人を誘客する力があるなというふうに思っているので、そういうのをうまく使いながら地域の方と連携して、人を集めて産業をつくっていきたいなと思っているのが1つです。
 もう一つが、岩手県内のビールの醸造所の経営の方とかともよく話をしているのですけれども、遠野市がホップの生産面積でいうと日本一で、岩手県で見ると面積も量も1位になるのです。なので、岩手県がホップとかビールとかというところでブランディングしていくのはすごくおもしろいよねという話をしていまして、しかもホップ畑もあるし、県内にブルワリーもたくさんあるしということで、例えばなのですけれども、そういう岩手県内のホップ畑とかブルワリーをめぐるツーリズムとかも企画すればうまくいくのではないかという話もしていて、今年8月の末に遠野ホップ収穫祭というイベントが8月25、26日であるのですけれども、同じ日に一関で地ビールフェスがあるのですが、そこをつなぐJRの特別便も今回出していただいたりとか、うまく県内で連携をしながら、ビールが楽しい県というか、そういうことを広くやっていきたいなというのが、この2つが抱負です。

高橋室長
 ありがとうございました。
 続いて、高野さん、お願いします。

高野 由茉
 私は、大学で美術の専攻をしていました。油絵を描くという専門で、作品をつくる側の人間でいます。今は西和賀町の川村美術館・川村デッサン館という美術館の運営を含め、銀河ホールで行われる文化事業の担当ということで、ホール事業なども担当しております。
 もう一つ、西和賀高校、唯一町内にある県立の高校で、西和賀高校というところがありますが、美術部が存在しているのですけれども、美術の先生がいない、指導できるコーチがいないという状況を聞いていまして、私がコーチという形で指導に携わっております。

達増知事
 これはありがたいことであります。

高野 由茉
 西和賀町は、高齢化率が47%という県内でもかなり高い高齢化率を誇っておりまして、やっぱり高齢者のことが問題になっております。ですが、この西和賀町だとか、岩手を背負っていくのは、これからはやっぱり若い人たちですよね。どんどん少子化で、どうしても高齢者のほうに意識が向きがちな町なのですけれども、西和賀で生まれ育った子たちに、どうにか新しい刺激というか、閉鎖的にならずに、西和賀町は例えばコンビニがないとか、娯楽施設がないとか、そういうちょっと刺激を得る、情報を得るには、ある意味地理的にハンデのある場所と言えるかもしれません。ですが、ある意味それが強みだと思っていて、自然豊かな土地だったりとか、人との関係が、顔の見える関係ができているというようなことは、子どもを育てる上でも強みになると思っています。なので、今持っている田舎の良さというのを生かしつつ、いかにこれからを背負っていく子どもたちに岩手県内、西和賀町内で新しい刺激を得られるか、あなたたちのやりたい活動をサポートできるかというようなことが鍵になってくるのではないかと思っています。
 今西和賀高校の美術部のコーチをしているというお話をしましたけれども、ほかにも銀河ホールの活動としては、先ほど私が西和賀に来るきっかけとなったギンガクという合宿事業ですね、主に大学生を主対象としていまして、高校生だったりとか、あとは30歳以下の若者というふうに対象は絞ってはいるのですけれども、これから作品をつくって発表していく、演劇だとか美術だとかの作品制作の場所を求める若者を銀河ホールに呼びまして、そこで作品をつくってもらう、町民との関わりなんかも持ってもらいながら銀河ホールというものを知ってもらうというようなギンガクという合宿もあります。
 昨年度、今年の2月に第1回大会が行われたのですけれども、銀河ホール高校演劇アワードという高校演劇の新しい大会を立ち上げました。こちらも全国から高校演劇を5校集めまして、劇作家に新しく書きおろしてもらった同じ脚本で演出力を競うという特色のある大会になっています。それも演劇の場所を求める高校生に、ここにこんなにすてきなホールがあるよというのを知ってもらいたい、あなたたちの使えるフィールドとして、これからいつか公演を持ってきてもらえるように知ってもらいたいという狙いも入っています。
 そして、銀河ホール演劇部という町民劇の事業も昨年度始まりました。こちらは、町民に広く呼びかけていますので、特に対象年齢というのは定めていないのですけれども、結果として中高生が多く集まりました。先ほど高校には美術部があれど、指導できる先生がいないというお話をしましたが、西和賀高校に文化部というのは美術部と吹奏楽部の2つしかありません。町内に湯田中と沢内中と2つ中学校があるのですけれども、こちらは運動部のみで文化部がありません。というので、何かそういう文化的な活動をしたい、表現の活動をしたいという学生を広く受け入れられるような器が町内にはほぼほぼないといっていいと思います。どうしても町の外に出てダンススクールに教わりに行くとか、そういう必要が出てきます。そういう子たちがやっぱり中学に文化部がないのが寂しかったとか、できれば文化部に入りたかったと言っているような中高生たちが多く来てくれました。
 この演劇部の特色としては、町の生涯学習課の事業にはなるのですけれども、こちらで全てお膳立てをしてしまって、例えば公演はいつですよ、この台本をやりますよ、あなたはこの役ですよ、この先生に教えてもらいますよというようなことはなくて、全て自分たちで考えさせて、自主的に1つの劇団、模擬的なカンパニーとして動けるようにという事業を行っています。なので中学生、高校生には、やっぱりお金のことだとか、少し難しい問題もあるとは思うのですけれども、妥協せずに教えていくことによって、そこでやっぱり伸びしろがありますから、かなり表現することの重要性だとか、相手とのコミュニケーション能力の重要性だとか、そういうのを知ってもらって、伸びる機会になると思っています。
 幾つか例を挙げさせていただきましたが、西和賀というある意味ちょっと閉塞的な、なかなか都市には出づらい環境にいながらも、ある意味そこを利用して、そういう環境にいながらやりたいことができる、欲しい情報がもらえるというような人材、一人材に私もなれたらいいなと思いますし、その中心に銀河ホールがあれたらいいなと思っております。

高橋室長
 ありがとうございました。
 それでは、知事、お願いします。

達増知事
 田村さんは、ホップとビールの振興をやっていただいて、岩手全体でもホップは都道府県一番の生産量でもあるので、やっぱり岩手の看板の一つなので、非常にありがたいことであります。
 ホップビールツーリズムのようなものは、これは非常にいいアイデアだと思います。県は今年度ワインヒルズ構想という、ワイナリーをつないでワインの宣伝をするというのを事業化しているのですけれども、ホップ、ビールのほうもやっぱり同じようなアイデアが有効なのだなと思います。ワインに匹敵する、あるいはワイン以上に既にビールのいろんなイベントが民間主導でできているので、そういう意味では大変頼もしいところもあるのですけれども、やはり日本一というようなのがあると人を集めやすく、エネルギーとかお金とかも集めやすいのだなと改めて思います。
 そして、高野さんはギンガクから地域おこし協力隊ということで、すばらしい道を進んでいるなと思いますけれども、この銀河ホールという存在も全国有数で、それのおかげで人が全国からやってきてくれるという非常にありがたいことであります。銀河ホールの価値を高めているのは、建物だけではなくて、それを企画運営する人がいてこその銀河ホールなので、そこをしっかり支えてもらっているというのは、非常にありがたいです。
 コンビニがないという話ありましたけれども、「全47都道府県幸福度ランキング」という本が出ていて、寺島実郎さんという人の研究所が分析していて、幸福度指標の中にコンビニの数というのがあるのだけれども、でもコンビニの数があることが幸福度になるのかというのはちょっと疑問が湧くところで、むしろ銀河ホールが存在することによる幸福度の高まりのほうがはるかにあるのではないかなと思いました。
 一方、人口が少ないがゆえに、西和賀高校美術部に指導できる先生がいないとか、湯田中、沢内中に文化部がないとか、そこはやっぱりハンデだと思うのですが、それを補うようなことをやってもらっているというのは、非常にありがたいことでありまして、なるほどそういう補い方があるのだなというふうに思いました。どうもありがとうございます。

高橋室長
 それでは、大変お待たせいたしました。山門さん、お願いします。

山門 武志
 先ほど高校野球の話を少し述べさせていただいたのですけれども、盛岡大附属高校と花巻東高校、すごくカードとしてはいいというところで、注目された方も多いとは思うのですけれども、すごくおもしろい構造があって、盛岡大附属高校よりも、県内では花巻東のほうが応援される傾向が高いのです。それはなぜかというと、県内出身者が花巻東のほうが多いからだという理由でしかなく、もちろん大谷翔平だとか、菊池雄星とかいうメジャーな選手がいるというのも一つの要因としてはあるのですけれども、では盛岡大附属高校に岩手出身の選手がいないかというと、いっぱいいるわけです。イメージの問題で、やっぱりそういうふうなことになるのですけれども、盛岡大附属高校が甲子園に出ると状況は一変する。そこがある意味おもしろいなと思っていて、花巻東頑張れと言っていた人がころっと変わって、岩手、盛附頑張れとなる。

達増知事
 なっている、なっている。

山門武志
 これは岩手だけではなくて、やっぱり地方、この前鹿児島の方とお会いしてしゃべったときにも、鹿児島でも同じ構図だという話をされていて、地方であればそういうところがあると。我々移住者としては、これも同じ構図がやはりあって、外から来たならば外から来たなりの目線というか、そういうふうな印象をよくも悪くも持たれるというところ。では、何を求められるのかといったら、多分成果、結果でしかないのだなという、そこでしか覆せないのだなというのがあって、よくスポーツの世界では、オール・オア・ナッシングという言葉を使って、要は全てを手に入れるか、何も手に入れられないかというのがあって、まさに今回の盛附でいうとナッシング、やっぱり頑張ってはきたのですけれども、甲子園に出場できなかったというところでいうと、成果として何も残っていないと。プロセスを美化するのは簡単なのですけれども、成果で見たときには、やはり出られなかったという現実しか残らないということを考えると、私もそこにシビアに向き合って、人の評価を覆していかなければいけないというふうには思っています。
 高校の部活動、私5つ関わらせていただいていて、今の高校の教員の方々の多忙化というのは、やっぱり深刻化していて、現実問題部活動を見るというところでいうと、やはり物すごく労力を強いられるのが実際で、ふだんの学校業務が終わって放課後に部活動を見て、土日も試合をやったり、練習をやったりという中で、かなり疲弊しているのは現実としてあります。
 彼らが、では何をもってしてスポーツに関わっているかというと、情熱でしかないと。もうそこでしかもっていなくて、そこが切れた段階で、多分全ての高校の部活動というのは消滅するのではないかなと私は思っています。
 では、私なんかが現場にいて何をしているのかというと、実は1個だけで、トレーニングを教えたりとか、選手に関わったりというのはあるのですけれども、そういう情熱を消さないこと。やりましょうよと言ってハッパをかけることが一番の仕事だと思っていて、そういうプロフェッショナルな人材がどんどん、どんどん学校教育に外部から入っていくというのは非常に重要だと思っていて、学校の教員だからといってやらざるを得ないような状況に今なっているのが現実で、何か具体的な彼らを助けるような手だてがあるかというと、ないと。なので、独自に部活動単位で我々みたいな人材を外から連れてきて担わせていただくということでしかないので、そこは是非私としてもどんどんとやっていきたいなと思うところでもあります。
 あともう一つあって、岩手は外から見ると結構スポーツ不毛の地だというふうに言われています。やはりそれはプロスポーツチームを見れば最たるもので、残念ながら今岩手のプロスポーツチームが2つある中で、盛り上がっているかというところでいうと、入場者数に苦しんでいたりとか、グルージャ盛岡でいうと、Jリーグの規定上スタジアムに照明がないとクラブのライセンス資格を剥奪されるというところに直面されていて、億のお金がかかる中でどうするのかというところ。私は、もうグルージャ盛岡がなくなるということは、スポーツがエンターテインメントになっていくこれからの時代を考えると、物すごくマイナスなことだと思っていて、それがグルージャ盛岡という一つのクラブの問題ではなくて、岩手のスポーツ業界においても物すごく影響することだと思っています。
 結局スポーツがエンターテインメントにならないとお金が入ってこないので、お金が入ってこないということは、さっき言った高校にプロフェッショナルな人材が入ることも無理でしょうし、どんどん、どんどん現場が疲弊していくという構図になっていくと思うので、ちょっとそこのあたりは一つの民間企業だけではなくて、それこそオール岩手でいろんな産業がコラボレーションして一つのスポーツを盛り上げていくという構図がつくれたらおもしろいのではないかなと思っている次第です。

高橋室長
 ありがとうございました。
 では、知事、お願いします。

達増知事
 花巻東と盛岡大附属の比較はおもしろかったのですけれども、ウインブルドン経済という言葉があって、イギリスのウインブルドンのテニスの大会というのは、イギリス人が活躍することはほとんどなくて、外国の選手がイギリスのウインブルドンで活躍する、そういう場を持っていることがイギリスの自慢であり、イギリスのロンドンのシティという経済の中心も、外国企業がそこにいっぱいいて、それが活躍してイギリスの経済も高めていくということで、やはり外から来る人たちが活躍するということが地元のためにもなるということというのが大事なのだと思います。
 そして、高校の運動部を指導する先生たちの疲弊の問題というのは、今の働き方改革とかいう話の流れからも見直しがされているところではあるのですけれども、まず今の段階ではやはり学校の外部の人たちとの連携をより広め、また強化していくということがやっぱり大事だと思います。国のほうの議論では、学校体育、学校部活動としてのスポーツから、もっと地域のスポーツというふうにやっぱり変えていかないとだめなのではないかという議論もあって、多分長期的にはそういうふうになっていくのかなとも思うのですけれども、ただまだ今は学校部活動というのが子どもたちのスポーツの中心、基盤になっているので、そこを学校の中だけでやるのではなくて、山門さんみたいな人と連携してやるということが大事なのだと思います。
 そして、岩手におけるプロスポーツで、岩手県も昨年度から文化スポーツ部という部局を立ち上げて、教育委員会でやっていたスポーツ関係の仕事を文化スポーツ部のほうでやることにして、より経済的な視点とか、地域振興の視点からスポーツに取り組む体制になったので、前よりはプロスポーツとか、スポーツツーリズムとかに対応する体制にはなっているのですけれども、もっといろいろ工夫をしなければならないと思います。公の支援というのも大事なのですけれども、県内の企業の皆さんがその気になってスポンサーになってくれるという厚みがないとやっぱり弱いですし、そういう中で、サッカー、グルージャ盛岡はJ3からスタートで、私はじぇじぇじぇだけれども、やがてじぇじぇ、そしてじぇを目指してというふうに言っているのですけれども、じぇを減らして進んでいけるように応援していきたいなと思います。

高橋室長
 皆様から一通りテーマに沿ったお話を伺ったところですが、まだ予定の時間には十分余裕があります。先ほど言い足りなかったことがまず一番かなと思いますけれども、あとはほかの方のお話を伺って聞いてみたいこととか、あるいは意見だとか、そういったことも含めて、いずれ懇談テーマに関わらない意見でも結構ですので、ここからは自由に御発言いただきたいと思います。
 まず、予告がありました。登内さんからお願いします。

登内 芳也
 岩手に来て7年になりますが、本当にストレスがなくなりまして……

達増知事
 いいですね。

登内 芳也
 ええ、東京にも会社はあるのですけれども、本当にストレスなく過ごせています。一番の理由としては、やっぱり人だと思います。本当にこっちに来て、出会う人、出会う人が物すごいいい人ばかりなのですね。北上という地は、単身赴任者がやっぱり多いのですけれども、その単身赴任者の人たちとよく話をしていると、会社と自宅と青柳町とゴルフ場、大体これで二、三年過ごして、北上の人になった気になって帰られているので、もったいなさ過ぎると思うわけなのですね。それで実は県南広域振興局の佐藤さんにも入ってもらっていますし、山門さんにも入ってもらっているのですけれども、無尽の文化があるということもありまして、よそ者無尽というのを立ち上げ、毎月1回で8回目ですけれども、そこに県外から来られた方とか、ビジネスマンも含め、そこに遊びに来てもらって、とにかくまず北上のいろんなことを知ってもらおうと。あとは分科会があって、これはみんなで山登りに行ったり、早池峰山に行ったりいろいろするのですけれども、いわゆる県内のいろんなおもしろいところが実は仕事とか飲み屋さんではないところにもたくさんあるのだということも知ってもらいたいと思って、これは趣味の範囲内ですけれども、やっております。今四十何人ぐらいになっています。

達増知事
 ああ、すばらしい。

登内 芳也
 はい。あともう一つが、ふるさと納税に関わってみて非常に思ったのが、やっぱり寄付というものです。もともとボランティア団体で来ていたときも寄付集めに非常に苦労していました。これから人が減っていく中で、自治体が市政運営をしていく中で、どうしてもお金が必要になってくるわけですが、その財源確保に能動的に寄付を集める、積極的に集めるということは地方に限らず日本は絶対必要だなと思っています。ファンドレイジングというものをもともと学んでおりましたので、寄付を集める、能動的、積極的に集める、実際神社仏閣は大昔からそれをやっているわけで、外貨を集めるという意味では寄付を積極的に集めるチームを何とか立ち上げ、それをきちんと運用していくということをやっていきたいなというふうに思っております。

達増知事
 クラウドファンディングとかもありますものね。

登内 芳也
 そうですね。

達増知事
 世の中お金あるところにはある時代で、むしろお金があり余っているところもあって、それでいい投資先がなくて、株とか外貨とか石油、先物とかのほうにお金が流れていって、そっちが混乱したりしていて、もったいないのですよね。やっぱり実体経済とか地域社会を変える、動かすような部分にお金を引っ張ってこれるような工夫が必要なのだと思いますね。

登内 芳也
 こっちに来て、ハクチョウの魅力に引かれまして。

達増知事
 それはいいですね。いいところに気がつきました。

登内 芳也
 生のハクチョウを見たことがなかったのです。娘たちもよく連れてくるのですけれども、それで日本白鳥の会に入りまして、こっち夏油スキー場があります。海外からお客様が来られて、仙台空港に夜そのまま帰ってしまうのです。スキー場さんにもお願いしているのが、5時にスキー場を出るのを何とか4時にしてもらって、帰りにハクチョウを見て帰ってもらいたいのですよね。多分ハクチョウは特に南半球の人のコアラとか、中国の人のパンダと同じレベルだと思うのです。いわゆるハクチョウというものを見て、実際に飛び、あれは単なるカラスが白くなったわけではなくて、空を見るとV字編隊で飛ぶではないですか。V字編隊で飛んでいるのを写真撮って、高校受験の娘に送ったのです。第1希望通ったのです。勝利の女神だと思っていまして……

達増知事
 魔法の力がハクチョウにはありますからね。

登内 芳也
 そうなのです。そんなハクチョウをPRしていきたいなと思っております。

達増知事
 とにかく格好いいですからね、ハクチョウ。1羽1羽でも格好いいし、群れなすとまた格好いいし、それが池や湖や川や、また田んぼの中で泥にまみれたりしているハクチョウもいるくらいで、すごく身近ですからね、ハクチョウは。

高橋室長
 岡居さん、皆さんの話伺って、何かありますか。

岡居 亜優美
 皆さんすごいいろいろ活動を重ねていて、私ももっともっとこれからいろいろと皆さんを巻き込みながらやっていきたいなとすごく感じました。何か今は話の伝承という形で、石鳥谷の伝承館で裂き織を習っているのですけれども、裂き織でつくったバッグにいわて箱という形で農産物を入れて、東京にお届けしたいなと今準備をしていて、いろいろな有志のメンバーが農業の冬の時期にそういったバッグをつくって届けられたらなという準備をしているのですけれども、まだまだ形になっていないので、皆さんの意見を聞いて、頑張っていきたいなと思いました。

高橋室長
 ありがとうございます。地元なものですから。
 田村さんはいろいろまた外から人を集めてくる力というか、発揮していただいている感じなのですけれども、どうですか、周りの方のお話も伺って。

田村 淳一
 ちょっと全体の話というか、人が集まってくるのはなぜなのかみたいなことを最近すごく考えているときがあって、結構いろんな取組の中で、例えば社会的な課題があって、これを解決しなければいけないとか、そういうものが結構いろいろ出てきていて、それを使って、課題解決するためにクラウドファンディングを使って資金を集めたりとかという話はあるのですけれども、何かそういうのがどんどん増えてきて、結構もう埋もれてきてしまっている感じがあって、今求められているというか、一つの方法としては楽しいとか、すごくおもしろそうとかということが現地でちゃんと盛り上がっていることが、やっぱり人がいて、現地では楽しそうに取り組んでいること自体がすごくおもしろそうに映るのではないのかなというふうに思っていて、さっきクラウドファンディングの話があったのですけれども、我々も醸造所をつくるときにクラウドファンディングをやって、約800万円ぐらい集まったのです。これも知らない人たちもたくさんいて、結局僕らがやって良かったなと思ったのは、単にお金が集まったということだけではなくて、それを通じていろんなファンの方ができて、ビールをわざわざ飲みに来てくれたりとか、そういう人たちに何で僕らを支援してくれたのかという話を聞いたときに、ホップ畑でビールを飲んでいるのが楽しそうだったみたいな、私もやりたかったみたいなこととかをすごく言っていただいて、そういう楽しそうに、無理やり楽しそうにする必要はないのですけれども、自分たちがどう楽しいのかということをしっかり突き詰めて、それを外にうまく発信していくということが何か大事だなということを最近すごく思ってきています。

達増知事
 ハッピーな感じなのでしょうね、やっぱり。そこに人が来る。

田村 淳一
 そうですね。僕たちの遠野の仲間というか、一緒にやっている人たちも飲みに行ったりとか居酒屋に行ったりすると、ビールの里というとこういう機能あったらいいよねみたいなことをすごくポジティブに話をしていて、ではこれやってみようよみたいなことを言って、実際やってみて、人を集めて、楽しそうにやるみたいなことをずっと繰り返しているので、何かそういうのをどんどん続けていきたいなというふうに思っています。

高橋室長
 岡居さんと山門さんは縁があってこちらにいらっしゃって、それから起業された方になるのかな。あとそれ以外の方は復興支援員とか地域おこし協力隊とか制度があって、こっちに見えた方になるのですけれども、高野さんは地域おこし協力隊。

高野 由茉
 はい。

高橋室長
 こういった制度とかって、どう評価されているというか、どう思いますか。これからどうなっていったほうがいいとか、何か思うことありますか。

高野 由茉
 そうですね……。

高橋室長
 何かまたあとほかの人にも使ってもらいたいとか、何かあるかな、急な質問でごめんなさい。

高野 由茉
 いいえ、とんでもないです。先ほどお話ししたとおり、私はギンガクという合宿事業がきっかけで、ずっと西和賀町には出入りしていました。こちらにちょうど1年前に移住をしまして、この4月から地域おこし協力隊に着任したことになります。ですが、銀河ホールの生涯学習課には昨年移住してからすぐにアルバイトとしては雇用してもらっていまして、途中から地域おこし協力隊にはなれないということで、では来年度の初めからにしましょうという話し合いがもともとありました。なので、私としてはちょうどよいものがあって利用させていただいたという感じで、各市町村によってそれぞれ考え方とか利用の仕方は違うのかなと思うのですけれども、ある意味移住者とか、何かそこでしたいという人にとっては受け皿になる可能性はあると思っています。
 今回西和賀町の地域おこし協力隊の募集に関してちょっと変わったことがありまして、今まではふるさと振興課という課が全て取りまとめていて、そこで各協力隊の関心とか希望に合わせて、ではあなたはどこに配属しましょうというふうになっていたのですけれども、今年度の募集から課ごとに募集をしました。うちの課はこういう人材が必要で、何名欲しいから募集をかけますというような感じで各課が取りまとめていて、ふるさと振興課が元締めをするということにはなっているのですけれども、基本的には各課、私の場合は生涯学習課とのやりとりということになりました。まだ1年目ということで、連携だとか引き継ぎだとかうまくいっていないと言わざるを得ないところが正直なところではあるのですけれども、これが2年、3年続いて、だんだん役場のほうもやり方がわかってくると、更に専門的な人材をどう呼んだらいいのかとか、この町ではどういう問題解決があるから、どういう人材に来てもらおうというようなかなりピントを絞った呼びかけができると思うのです。そういう点ではきちんと町の課題を見定めて、どういうふうに声をかけたらその専門家の人が来てくれるのかというような、ある意味ちょっと戦略的な考えは必要になるとは思うのですけれども、そういう可能性は秘めていると思うので、ちょっと変わるターニングポイントになるのかなと思っております。

高橋室長
 ごめんなさい、急な質問で。

高野由茉
 とんでもないです。

高橋室長
 ありがとうございました、いろいろと。
 田村さんも遠野市の地域おこし協力隊ですね。

田村 淳一
 はい。

高橋室長
 やっぱり同じような感じで募集。

田村 淳一
 そうですね。でも、今まさにおっしゃっていたことがそうだなと思っていたのですけれども、最長3年間という制度なので、その3年後にどうなっていると個人とまちがいいのかということを多分考えなければいけないなというふうに思っていて、目の前にこういう課題があってということはもちろんなのですけれども、この人たちが活躍することによって3年後こんなことになるよねということをちゃんと描いた上でマッチングしないと、お互いにとって不幸になるなということはすごく感じていて、ただ制度自体は確実に受け皿になりますし、外から人が入ってくるきっかけにもなって、やっぱり新しい風にもなりますので、どんどん活用していくといいのかなというふうに思っています。

高橋室長
 ありがとうございます。
 では、先ほど登内さんのお話の中で山門さんのお名前も出てきましたが、北上ライフ、プライベートな面ではどんなふうに楽しんでいましたか。

山門 武志
 プライベートな面ですか、プライベートな面。

高橋室長
 山口と岩手では全然また違いますよね。

山門武志
 そうですね。全然違いますね。プライベートな面……、そうですね、正直に思うこととしては、北上市が岩手の中で住みよさナンバーワンということをPRしていたりとかする中では、私は正直に北上は住みやすいとは思うのですけれども、岩手のどの都市よりも住みやすいかというのはわからないですし、実際に住んでいないので。なので、ちょっと北上がほかに比べてよりいいかどうかというのはわからないのですけれども、岩手自体は住みやすい土地であるのは間違いないとは思うのですけれども、外から人が入ってくるということを考えたときには、今までなれ親しんだところから脱して、わざわざ岩手に来るということの理由がない限りは絶対に入ってこないと思うので、その理由というのが、さっき田村さんがおっしゃっていた楽しいみたいな雰囲気、要は空気をつくるということが非常に大事かなと思っていて、その空気というのが岩手においてはある意味既存にない新しいものを生み出していくということだと思っていて、そうするとやはり今までないというところで言うと起業になってくると思うのですけれども、私自身も起業して、一番思うのは、創業支援というのはやっていただけるのですけれども、スタートアップにおいての最初のところで、創業した後というのは放置です、何もないです。だから、それは孤独になるし、もちろんどこかに行けば相談に乗ってくれる人は私の場合はいたので、何とか生き延びられたのですけれども、そういうところで言うと新しい楽しい枠組みをつくるというときに、やはり継続して何かしらサポートするというような体制を考えていったりとか、あとはインキュベーション施設ではないのですけれども、そういう人たちが集う場とかというものが岩手においてないと、せっかく意欲を持って外から来たとしても、やはり情熱、先ほどの情熱ではないのですけれども、そういうところを失ったりとか、もうやっていけないといって、戻ってしまうということになると思うので。外から来る人たちが求めているものというのは、どちらかというと経済的な支援とかではなくて、自分がここで頑張っていこうというときに何かそれに呼応する情熱の輪だとか、何かやっていて楽しいとか、そこは地域を越えたところの話だと私は思っているので、だからすごく大型で何千人が雇用できる環境をつくるということもすごく必要だとは思うのですけれども、やはり今までにない、何か楽しそうみたいな、こんなことをやっているばかがいるよみたいなのは空気として、いわゆる福岡で言うと福岡市がスタートアップを支援するという中で起業を一生懸命頑張っているという雰囲気をつくっていると思うのですけれども、その雰囲気をつくることこそが何か大事なのかなという感じはすごくします。

登内 芳也
 それに伴っていいですか。

高橋室長
 どうぞ。

登内 芳也
 本当に言うとおり、ちょうどマンションも一緒なので。こっちに来て本当にありがたかったのが、当然市の復興支援なので、土日、休日、祭日は市役所の人は関与せずになるわけなのですけれども、やっぱり誰も周りに知り合いがいないので、病気になったとき、そのときにある職員が毎日毎日うちに来て、御飯持ってきてくれたりするのです。もしくは病院まで車で送迎してくれたりするのです。ああいうときにすごく心強かったですね。ふだんは余りしゃべらない、口下手な方々が多いですけれども、いざ何かピンチのときにそっと手を差し伸べてくれるというのが、本当にそういうことが岩手を好きになった大きい要素でもあります。
 僕がたまたま来た理由は、久慈高校出身で、大学から東京で、ずっと中国で、その人は物すごく有名な女性の経営者だったのですけれども、彼女が飲んだときに、震災前ですけれども、岩手の良さを物すごく僕にアピールしてくれたのですね。東京にいる岩手の方々も岩手の良さをすごくアピールする方もいらっしゃるのです。やっぱり興味湧いてきます。ですから、多分これから東京に出たりしていく、大学とかいろんなところで東京なり出て行く人が多いと思うのですけれども、その高校生以下の子たちが岩手のすばらしさを実感していると、多分おのずと将来PRマンになって、全国の人たちが岩手に行ってみたいなと思うと思うのです。多分そこが一番僕の中ではポイントではないかなというふうには思っています。

高橋室長
 ありがとうございます。

山門 武志
 そこで更に私も言っていいですか。

高橋室長
 はい。

山門 武志
 私ふだん高校生にめちゃくちゃどっぷりつかっているので、10代の子たちといつもしゃべっているのですけれども、まさにさっき登内さんおっしゃったとおり、その年代の子たちが、「岩手、好き」って聞いたら、皆さん何となくお察しついていると思うのですけれども、好きは好きだけれども、何もないとか、刺激がないとかということをやっぱり言うのです。だから、魅力って何なのというのが視点、さっきの幸福度ではないですけれども、幸せって何なのというのは観点としていろいろあると思うのですけれども、その年齢の子たちが、岩手いいよと、それ外に出て帰ってくるということの一つの要因にもなると思いますし、岩手は楽しいよとかという、それは何か教育なのか、そういう体験できる場をもっと増やすのかというのはわからないですけれども、そこはすごく大事なことかなというのは私もすごく思います。

達増知事
 情報源としてテレビとか漫画とか、東京とか都会の情報を浴びるようにしていて、地元の良さというのがそういうルートからは情報として入ってこないと。やっぱり地元の情報がちゃんと入っていくような工夫をしないとだめですよね。ちょっと前、青年会議所の関係の人たちと台湾に一緒に行くとかという機会があって、青年会議所の人たちも同じような問題意識を持っていて、地元の子どもたちに地域の良さを伝えようという、そういうイベントを定期的にやったりしているのですけれども、大人たちが努力して、子どもたちにそういう情報を、まずわかりやすい情報のパッケージをつくって、それを分かってもらう機会をつくるとか、そういうのはやっていかないとだめですね。

山門 武志
 私自身もアメリカのほうに留学をして、アメリカで過ごしているときに、日本食って何てうまいんだというのが外に出て初めて気づいたのと同じように、岩手にずっといるからこそ岩手の良さというか、当たり前なことが良さだと気づいていないということは多分いっぱいあると思うので、それを何か改めて我々みたいな外から来た人間が、いやいや、それってすごいことなんだよとか、何てすばらしいことなんだよというのを発信していくとか、新しい視点というか、というのは極めて大事なのかなというのは個人的には思っていたりもします。

高橋室長
 予定の時刻となりましたので、もし最後にこれだけはということがあればお話を。

高野 由茉
 済みません、お時間ないときに。2点だけ、1点補足と1点宣伝をさせていただきたいと思います。
 まず補足のほうなのですけれども、先ほどコンビニがないということを述べましたが、それは私はだから嫌だということで言いたいわけではなくて、私はむしろそういう環境を楽しんでいます。ちょっとこの間役場のほうで女性が住み良い暮らしというアンケートが私のところに来ました。恐らく女性職員全員に出しているものだと思います。これから単身の女性の移住者に向けた住居をつくるに当たって、間取りがどんなものがいいのか、例えばオートロックがついていたほうがいいのかとか、キッチンのコンロはどうだとか、あとは家賃がどうだとか、住み良い家ってどういうものだと思いますかというアンケートが来たのですけれども、一般的な考えで、こういう家がきれいで、水回りもきれいで、料理もしやすくていいだろうみたいなことではないと思いますというアンケートを私は書いて出してしまいました。西和賀は、そういう一般的な都会の便利さとか住み良さとかそういうのとは違う良さがまだ残っているところだと思うのです。そこを例えばコンビニが入る、ファミリーレストランが入るとか、そういうほかのところと均一化してしまうというような都市化は正直必要ないと思っています。そういうところで岩手全体でも、各市町村でもどういう特徴を持っていて、何が生かせるのかというようなところはしっかり見きわめて、まちづくりだとか、そういう政策を立てていただきたいなと思っています。これが1つ補足でした。
 もう一つ、宣伝というのが、先ほどお話しさせていただいた西和賀高校美術部なのですけれども、ついおとといの日曜日、銀河ホールのほうで発表会を行いました。というのも、これはちょっと珍しい取組かと思うのですけれども、美術部で手書きのアートアニメーションを描いています。というので、今回で3作目となりました。ちょっとあいた年なんかもあるのですけれども、先輩たちが大体年度に1本アニメーションをつくっていて、今回で3作目となりました。どうやら構想期間を含めると1年7カ月の制作期間をかけて、4分弱の短編のアニメーションではあるのですけれども、作画は1,000枚以上で、まず構想段階から絵コンテという設計図を描いて、作画を描いて、パソコンでの編集作業をする、全部部員たちが行いました。という発表上映会をおとといの日曜日にやっています。そのとき岩手日日さんと岩手日報さんとが取材に来られたので、もしかしたら今日あたり記事が載るかもしれません。是非、西和賀の若者の頑張りようを見ていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

高橋室長
 では、皆さんありがとうございました。

知事所感

高橋室長
 最後に、知事からお願いします。

達増知事
 岩手の良さは、やっぱり岩手県秘書広報室としても、何か一目でわかるような、ホップ日本一だとか、そういう基本的な統計から、最近のそういう若い人たちの活躍とか、やっぱり岩手に何もないとか言われないように、これもある、あれもあるみたいなのを簡単に見られるようなものをつくりましょう。
 また、様々、地域振興、また人口減少対策的なところでも参考になる意見をたくさんいただきましたので、これを活用してやっていきたいと思います。また何かありましたら、いつでも県南広域振興局でもいいですし、私のところに直接でもいいので、アプローチしていただければと思います。
 スタートアップの支援はあるけれども、その後のフォローがないみたいな問題は、これは良くないので、これはやっぱり県のほうでも何かしましょう。商工会議所とか商工会とかの起業、会社や事業所への支援というのは昔からあるのですが、ただそれは新しいタイプのビジネスを起業した人というのは視野に入っていなかったりとか、またノウハウや情報もなかったりもするから、そういうほかの誰もやったことないようなことをやっている人を支援できるような体制というのもないとだめですからね、それはいざというときの、病気になったとき食べ物を持ってきてくれるみたいな危機管理というのをまず基盤にしたコミュニティーの形成なのだと思います。これは伝統的なコミュニティーとか自治とかというのも、やはり防火、防災のためにきずなで結ばれて、農作業なんかで田植えを一緒にやる、稲刈りも一緒にやるとか、家の屋根のふきかえも何十年に1回か回ってくる、村中総出でどこか1軒の家の屋根をふくみたいな、そういう危機管理から普通の生活支援まで助け合うような仕組みというものが自治の原点なので、それは新しいタイプのビジネスにおいても、やはりそういうネットワークが必要なのだと思います。それが岩手にはちゃんとあると。ITビジネスなんかでは渋谷とか六本木ヒルズ周辺とかにそういうコミュニティーができているみたいな感じで、地方なりのニュービジネス、新しい取組のコミュニティー、ネットワークがちゃんと岩手にあるというふうにしなければならなくて、それは特に県南エリアにおいては大事なので、つくってしまいましょう。

細川局長
 御相談があれば、いろいろとこちらのほうでもお話を伺わせていただきたいなと思いますので、よろしくお願いします。

達増知事
 ありがとうございました。

閉会

高橋室長
 本日は、本当に貴重なお話をいただきまして、ありがとうございました。
 これをもちまして、県政懇談会「がんばろう!岩手」意見交換会を終了いたします。大変お疲れさまでした。

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