「がんばろう!岩手」意見交換会(平成30年7月19日 県立大学宮古短期大学部)

Xでポスト
フェイスブックでシェア
ラインでシェア

ページ番号1000817  更新日 平成31年2月20日

印刷大きな文字で印刷

日時
平成30年7月19日(木曜日)13時30分から14時50分まで

場所
県立大学宮古短期大学部 管理・研究棟2階 大会議室

出席者(敬称略)

  • 参加者(敬称略)
    佐々木 駿介(経営情報学科 2年)
    森岡 竜大(経営情報学科 2年)
    安倍 千晶(経営情報学科 2年)
    廣内 佳奈子(経営情報学科 2年)
    三浦 ありさ(経営情報学科 1年)
    片方 桃子(経営情報学科 1年)
    藏谷 拓海(経営情報学科 1年)
    佐々木 寿理(経営情報学科 1年)
  • 県側
    知事、沿岸広域振興局副局長、秘書広報室長、総務部副部長兼総務室長
  • オブザーバー
    県立大学宮古短期大学部 鈴木 厚人 学長

開会

高橋室長
 皆さん、こんにちは。ただいまから県政懇談会「がんばろう!岩手」意見交換会を開催いたします。
 お集まりの県立大学宮古短期大学部の皆さんには貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございます。
 今日は、「復興へのアクション~希望に満ちた三陸の未来のために~」をテーマとし、達増知事と意見交換をしていただきます。
 私は、本日の進行役を務めます県の秘書広報室長の高橋と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

知事あいさつ

写真:懇談会の様子1


高橋室長
 それでは、開会に当たりまして知事から挨拶申し上げます。

達増知事
 皆さん、こんにちは。県政懇談会「がんばろう!岩手」意見交換会ですけれども、県政懇談会というのは昔からあるのですが、「がんばろう!岩手」というタイトルをつけたのは東日本大震災津波以降でありまして、主として復興の現場それぞれの地域、またそれぞれの分野で活躍する皆さんの生の声を聞いて県の政策に役立てるということを目的としてやっています。
 県立大学宮古短期大学部で学ぶということ、高校卒業した後のさらに高度な学びをするということ自体、岩手の復興に役立つことなので、学んでもらっていること自体をまずありがたいと思いますけれども、さらに課外活動とか、授業を受けたりという部分の活動、学習以外の活動や学習を通じて、さらに地域に貢献したり、また復興の力にもなっていただくことが学生さんにはできるので、さらにありがたいなというふうに思っています。
 また、復興、復興といっても、よく言われるのですが、復興のステージというものがあり、岩手の復興も8年目に突入し、初期段階とはまた違う今のステージを迎えています。住宅、住む場所を再建していくということが今佳境に入っていて、災害公営住宅や持ち家再建のための造成というのがゴールめがけてラストスパートをかけているような状況になっています。
 水産業や商工業、観光などのなりわいの再生ということについては、基本的な施設は復興の早い段階で復旧していたのですけれども、それを活用してどうビジネスを展開するか、新しいまちづくりを進めていくかということについては、現在、正念場を迎えているような段階だと思います。
 それから、風化という問題があって、全国的に見ると東日本大震災津波や、そしてその後の復興への関心が薄れているのではないかということが指摘されていて、復興の後半なりの関心の高め方、関心を高めて、今からでも様々支援をしていただこうという方々のやる気を高めて、復興後半ならではの全国からの支援、海外も含め外からの支援につなげていきたいというようなこともあります。というような今の復興の状況の中で勉学に、また課外活動に様々励んでいる皆さんの意見を聞くことは非常に参考になるなと楽しみにしてきたところであります。
 今日は鈴木学長にもおいでいただいて、一緒に話を聞いていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

学長あいさつ

写真:懇談会の様子2


高橋室長
 今日は県立大学宮古短期大学部、鈴木厚人学長にも御出席いただいております。
 続いて、鈴木学長より御挨拶を頂戴いたします。

鈴木学長
 今日はこういう意見交換会ですね、催していただきまして、どうもありがとうございます。学生の皆さんも日頃の思いを十分語っていただければと思うのですけれども、先ほど講義で言ったのですけれども、日本の大学生は時事問題に関心がない人が多過ぎると言われています。皆さんは特にこういう機会を利用してどんどん、どんどんこれからも日本で起こっていること、世界で起こっていることに関心を持って、これからの皆さん仕事もそうですし、勉強もそうですし、励んでもらいたいと思います。そのためにもよくこういうことを言うのですが、努力する人は夢や希望を語る。努力しない人は不平不満だけを言うということがありまして、要するに夢や希望を語るためには努力しないといけない。皆さんもこれを機会に、今もやっていると思うのだけれども、どんどん、どんどん努力していつも夢や希望を語るように、これを機会にますますやってもらいたいと思います。
 今日は皆さんのどういう話を、これまでの努力の具合を見ますので、大いにここで発揮してください。

高橋室長
 どうもありがとうございました。
 それでは、この後の進め方についてですが、まず私から皆さんのお名前を紹介いたします。その後、お一人ずつ自己紹介をお願いいたします。次に、本日のテーマに沿ってお話をいただきますが、お二人のお話があった後で知事がコメントするというような形で区切りながら進めていきたいと思います。そして、最後に自由懇談の時間を設けたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、座席表の順に本日出席の皆さんを御紹介いたします。
 まず、県立大学宮古短期大学部経営情報学科2年、佐々木駿介さんです。

佐々木 駿介
 よろしくお願いいたします。

高橋室長
 同じく森岡竜大さんです。

森岡 竜大
 よろしくお願いいたします。

高橋室長
 同じく安倍千晶さんです。

安倍 千晶
 よろしくお願いいたします。

高橋室長
 同じく廣内佳奈子さんです。

廣内 佳奈子
 よろしくお願いいたします。

高橋室長
 続いて、経営情報学科1年、三浦ありささんです。

三浦 ありさ
 よろしくお願いいたします。

高橋室長
 同じく片方桃子さんです。

片方 桃子
 よろしくお願いいたします。

高橋室長
 同じく藏谷拓海さんです。

藏谷 拓海
 よろしくお願いいたします。

高橋室長
 最後に、佐々木寿理さんです。

佐々木 寿理
 よろしくお願いいたします。

高橋室長
 今日は、県からは達増知事、沿岸広域振興局の小畑副局長、総務部の熊谷副部長兼総務室長です。また、先ほど御挨拶をいただきました鈴木学長さんにも御一緒いただきます。
 皆様のお手元にお菓子と飲み物を準備しておりますので、召し上がりながら御懇談いただければと思います。
 まず、本日のお菓子を御紹介いたします。

小畑副局長
 沿岸広域振興局の小畑でございます。本日はよろしくどうぞお願いいたします。本日のお菓子とお茶でございますけれども、お菓子は宮古の鱈せんべいで、宮古水産高校の生徒さんが開発をされたおせんべい、宮古特産のマダラを使ったおせんべいでございます。こちらにつきましては、実はまだ販売をしておりませんで、今年の秋頃に販売予定のものでございます。昨年の岩手県の水産加工品コンクールで水産庁長官賞を受賞したお菓子になってございます。
 それから、お茶でございますけれども、お茶は潮風のハーブティーでございます。こちらは宮古の古舘さんという方が御自宅のハーブ園で育てられたハーブ、無農薬で育てられたハーブになっていますので、ぜひ味わいながら意見交換をいただければと思います。どうぞよろしくお願いします。

高橋室長
 発言までまだ余裕のある方はぜひ食べてみてください。封を切るとすごくタラの匂いがします。

懇談

写真:懇談会の様子3


高橋室長
 それでは、懇談に入らせていただきます。最初に、お一人2分程度で自己紹介をお願いします。お話しいただく順番は、佐々木駿介さんから順にお願いします。
 それでは、佐々木さんお願いします。

佐々木 駿介
 佐々木駿介です。私は釜石市の出身で、高校時代に学んだプログラミングの授業であったり、地域振興に興味を持ってここ宮古短期大学部への入学を決めました。
 短大で学んでいく中で、プログラミング等の技術をより深く学びたいと思い、また地域社会に貢献したいという思いが強くなったことから、卒業後は岩手県立大学のソフトウェア情報学部へ編入学をし、勉強していきたいと考えています。
 将来は被災地である地元の復興や地域社会に貢献できるようなことを目標に頑張っていきたいと思っています。よろしくお願いいたします。

高橋室長
 ありがとうございます。
 では、次に森岡竜大さん。

森岡 竜大
 岩手県立大学宮古短期大学部学生会長を務めさせていただいております森岡竜大と申します。私は、秋田県横手市出身で、余りこっちの方には来ないのですけれども、大学入学を機に三陸のことを知ることができました。私は、できるだけ早いうちから社会に出たいという気持ちが大きかったのですが、近年情報通信技術が急速に発達していて、その情報システムの使用者である私たちも知識を身につけるべきだと考え、感じています。社会で重要とされる経営、会計の知識と、それと関連づけをしながら情報の知識、技術を学べると考え、本学への入学を決意しました。卒業後は、IT企業に入り、常に新しくなっていく情報通信技術を学び、仕事に生かして吸収してまいりたいと考えております。行く行くは東北に戻り、学び磨いたスキルを駆使して東北を盛り立てていきたいと考えております。よろしくお願いいたします。

高橋室長
 ありがとうございます。
 では、次に安倍千晶さん。

安倍 千晶
 安倍千晶と申します。私は、岩手県立大学宮古短期大学部の学生赤十字奉仕団の委員長を務めさせていただいております。私は、奥州市出身で、東日本大震災の津波によって、宮城県石巻市で被災し、中学校のときに岩手県に移ってまいりました。そのため、被災地の復興に携わる希望を持って学生赤十字奉仕団に入団いたしました。自分たちにできることを知るために入団時から積極的に奉仕活動や研修に参加しており、本年度第10代委員長を務めております。
 学生赤十字奉仕団は、会員が70名という東北地方最大の被災地唯一の学奉団であります。赤十字奉仕団のほかにも社会福祉協議会やNPO法人、地域の方々と一緒に協力して宮古の魅力を発見するための企画や、ほかの大学との学生交流会などの企画を行っております。よろしくお願いいたします。

高橋室長
 ありがとうございます。
 では、次に廣内 佳奈子さん。

廣内 佳奈子
 経営情報学科2年の廣内佳奈子と申します。出身は宮古市です。経営や情報といったこれから社会に出るに当たり、さらに必要性の増す分野について2年間で学べるということに魅力を感じ、本校に入学いたしました。また、現在地元である宮古市の浄土ヶ浜でアルバイトをしており、それが自分にとってとてもよい経験となっています。卒業後は、北東北に拠点を置く企業に内定をいただいており、地元に貢献する仕事をしていきたいと考えております。本日はよろしくお願いいたします。

高橋室長
 ありがとうございます。
 では、次に三浦ありささん。

三浦 ありさ
 三浦ありさです。宮古市出身です。高校の頃はヨット部に所属しており、今ヨットと関わりながら学生生活を送っています。東日本大震災津波により宮古市田老で実際に被災をしました。そのことにより、小さなことでもよいので、地元の力になれるようにと地元である宮古で経営情報の勉学に励んでいます。震災により何もかも奪った海が嫌いになりそうになりましたが、小さい頃から身近にあった海を嫌いになることはできず、高校では海の競技であるヨット競技で全国準優勝をしたことを生かし、時に牙を剥く海ではありますが、宮古のきれいな海と向き合い、将来は経営情報の力を生かしつつ、海にも関わっていける仕事につきたいと考えています。よろしくお願いします。

高橋室長
 ありがとうございます。
 では、次に片方桃子さん。

片方 桃子
 経営情報学科1年の片方桃子です。北上市出身です。宮古短期大学部の隣にある汐風寮という寮の新寮長を務めています。寮生が規則を守れるように毎日努めております。
 私が本学に入学した理由は、将来の就職に必要な資格をたくさん取れる点や就職実績がとてもよいところに魅力を感じたからです。宮古短期大学部を卒業した際は、地元や東北に貢献できる仕事につきたいと考えています。本日はよろしくお願いいたします。

高橋室長
 ありがとうございます。
 次に、藏谷拓海さん。

藏谷 拓海
 同じく経営情報学科1年の藏谷拓海です。洋野町出身です。私は、高校のときに海と森を守るNPO法人森は海の恋人の存在を知って、地元でも同じような活動を行いたいと考えました。本学では、NPO法人に必要なこととは何かについて学びたいと考え入学しました。本日はよろしくお願いいたします。

高橋室長
 ありがとうございます。
 それでは、それでは、佐々木寿理さん。

佐々木 寿理
 経営情報学科1年の佐々木寿理です。出身は山田町です。私は、高校時代から山田町役場職員になり、山田町のために働きたいと考え、現在も公務員の勉強に励んでいます。
 また、山田町を復興させるためにはどうすればよいかを考えたところ、紙媒体だけでなく電子媒体の活用を増やすこと、町民の方が中心となってつくり上げる特産物の開発が最適な策だと結論に行き着きました。しかし、高校時代に通っていた学校は普通科で、電子媒体の勉強や経営といった分野を学ぶことができないことから、大学ではそのような専門的な知識を身につけ、山田町のために働ける知識を養っていきたいと頑張っています。本日はよろしくお願いいたします。

高橋室長
 皆さんありがとうございました。
 それでは、自己紹介をいただいたところで、ここからは本日のテーマ「復興へのアクション~希望に満ちた三陸の未来のために~」に沿ってお話を伺います。例えば先ほどお話のあった活動ですとか、学生生活を通じての気づき、今後の抱負、地域の復興にかける思いあるいは卒業後、地域とどう関わろうとしているかなどお話しいただければと思います。
 先ほどの順番で、また佐々木駿介さんから今度はお一人4分程度でお話しいただければと思います。お二人からお話をいただいた後に、知事からコメントしていただくという形で進めてまいりますので、よろしくお願いします。
 では、初めに佐々木駿介さんお願いいたします。

佐々木 駿介
 私は釜石市出身で、東日本大震災の被災直後から自分のまちの復興の過程を実際に見てきました。震災直後は、幼い頃から慣れ親しんだ地元のまちの様子が変わり果ててしまったことで将来に不安を感じたこともありました。ですが、瓦れきの撤去から始まった復興の過程を見ていると確実に自分たちのまちが一歩一歩進んでいることがよくわかりました。
 その復興の過程を見ていく中で、私も復興に貢献し、地元をよりよくしたいという思いが強くなってきました。やはり津波によって自分たちは多くのものを失ったと思いますが、幼い頃から家族と海水浴をしたり、友人と釣りをしたりして親しんできた三陸沿岸の海に対する楽しい思い出が今でも心に色濃く残っています。私は、この三陸の海が大好きで、短大生となった今でも何か悩んだりしたときは海に行って海を眺めてみたり、また友人と釣りをしたりして、リフレッシュを海にさせてもらったりもしています。被災地以外の方からすると三陸沿岸は震災の被災地というイメージがとても強いとは思いますが、私はこの三陸の良さ、そして復興は着実に進んでいるということを全国にアピールしたいと考えています。
 私は高校まで地元で暮らしていたのですが、県外の方などそこで接することは余りありませんでした。ですが、短大で多くの人と出会い、ここでできた友人からここ宮古を初めとした三陸沿岸がいいところだと言われたときは自分のことのようにとてもうれしく感じました。ここ三陸の良さというものは、実際に来てもらうことでわかることも多いと思いました。実際に来てもらって体感してもらうことは、復興を進める上で大きく役に立つものと私は考えています。実際にずっと沿岸に住んでいた私が気づかなかった三陸の良さを逆に友人から教えてもらったり、そういった中でそういった良さをより発信していきたいと考えています。来年には三陸鉄道が全線で開通したり、私の地元釜石でラグビーワールドカップが開催されるということで、日本国内のみならず世界各地からたくさんの人々がここ三陸を訪れると考えています。その中で、私はこの三陸で生まれ育った人間の一人として三陸の復興の様子や三陸の良さを伝え、広めていきたいと考えています。
 私自身としても国内外からたくさんの人がここに来てくれることをとても楽しみにしています。私は、現在学んでいる短大卒業後は岩手県立大学のソフトウェア情報学部に編入学をして、より深い勉強をしていきたいと考えています。編入後は、ソフトウェアの開発や活用について学びたいと考えていますが、その中でその学んだことを生かし、三陸の復興の様子などを発信する方法などについても考えていきたいと考えています。その中で、新たな発見をすることも私は楽しみにしていますし、またその発見をもとに三陸の良さを再確認してみたいと考えています。
 大学で4年生まで学び、いずれは地元の釜石を初めとする被災地の復興や発展に貢献できるようになりたいと考えています。今後どういうふうに地元が復興、発展していくのかが私はとても楽しみです。私もこの復興、発展に貢献できるようにこれからも努力して頑張っていきたいと考えています。

高橋室長
 ありがとうございました。
 続いて、森岡さんお願いします。

森岡 竜大
 私は1年次のゼミの活動の中で、宮古を知らない人に宮古を紹介するというテーマで宮古周辺地図の作成をしました。幾つかの企業への取材も行い、宮古の魅力をお聞きすることができました。浄土ヶ浜には季節ごとの楽しみ方があったり、おしゃれなカフェや食事処があったり、私の知らないことばかりでした。私が一番驚いたのは、宮古はマダラの水揚げ量が日本一であり、生のマダラをおいしく味わえるというなかなか珍しいことができることでした。このことは、県外出身の私はもちろん岩手県、ましてや宮古出身の学生でさえ知らなかった宮古の魅力でした。この活動成果は、今週末の22日に本学で行われるオープンキャンパスの際に掲示する予定です。訪れる高校生にはこの地図を見て少しでも宮古を知ってもらえたらいいなと思います。
 また、取材していく中でたびたび感じたのは、宮古の企業または団体が学生と何か企画をして宮古を盛り立てたいと考えているということです。私たち学生は、それに応えるべくアクティブに行動すべきだと改めて感じました。
 毎年10月下旬には本学の学校祭、蒼翔祭が行われます。親や家族はもちろんのことですが、いつも近くで見守ってくださっている地域住民の方々や元気な子供たちにお越しいただき、楽しんでいただけるように従来の企画の見直しや新しい企画の提案から討論、またそれらの運営まで学生会では行っております。今年度も新しく宮古の団体とコラボをして蒼翔祭をいま一度盛り立てていこうと計画している最中であります。内容はまだ未定ですが、来場者の方々に新鮮な雰囲気を楽しんでいただけるような企画にしようと考えております。実際にその地に住み、生活している方々と関わり、つながっていける、それが地方のいいところです。あと残り少ない短大生活となりますが、その中で学校と地域、地域団体と学生、様々なつながりを感じながら学生生活を過ごしていければと思っております。
 卒業後、私は関東にあるIT企業に入社する予定です。東京オリンピックの開催に向けて様々な分野で情報化が進んでおります。私は、そういった企業の情報システムを作成し、効率化を図ることで、大小ありますが、そのシステムを導入した企業の経営を支える、そんな仕事に携わっていきたいと考えております。情報が複雑に行き交う関東でそのスキルを習得し、その道のプロフェッショナルになりたいと考えております。
 冒頭でもお話しいたしましたが、地方には都会と違った様々な知られざる魅力がありますが、それを情報として上手に発信することができていないのが今の現状です。今後も何らかの形で地方の魅力を情報として発信する手助けができたらいいなと考えております。

高橋室長
 ありがとうございました。
 それでは、それでは、知事お願いいたします。

達増知事
 2人とも地元の良さを全国に知らせていきたいという問題意識、非常にありがたいです。そうですね、我々もそういう思いがあり、また復興との関係で復興後半の盛り上がりをつくり、そして来年は三鉄の宮古釜石間のオープンとか、ラグビーワールドカップがありますので、来年の6月、7月、8月頭の2カ月ちょっとで三陸防災復興プロジェクト2019というのをやるのですよね。たくさんのイベントが企画されていて、県のホームページで見ることができますけれども、改めて復興の現状を全国の皆さんに知ってほしい。また見に来てほしいということと、せっかく来たら復興状況だけではなくておいしい食べ物とか、きれいな景色とか、そういうのを見て楽しんで、食べて、あるいは買って帰ってもらおうというような企画です。
 そうですね、マダラが日本一というのは私も最近までよく知らなくて、近年イカがとれなくなって、宮古でイカ王子と呼ばれている人いますでしょう、水産加工会社の若旦那。彼が最近タラに力を入れていて、タラでフィッシュアンドチップス、タラのフライなどをつくったりして売り出している関係で、実は日本一だというのを知って、やはりどんどんそういうのは宣伝していかなきゃなというふうに思います。
 そして、2人とも情報通信、ソフトウェアという道を進もうということで大変頼もしいです。今までの情報通信革命はまだネットの中の革命で、それを象徴するのがネット企業とかネットのサービスですよね、グーグルとか、フェイスブックとか、アマゾンとか、遡ればウインドウズとかになりますけれども、そういうパソコンやネットの中の発展が著しかったのですが、今起きている第4次産業革命は、IoTとか、ビッグデータとか、AIとか、ロボットとかですか、生活の現場とか、生産の現場に最新の情報通信技術が入り込んで、工場の中はもちろんですけれども、農業の現場とか、水産業の現場、あるいは病院の中、介護、福祉の現場とか、そういったところで最先端の情報通信技術が生かされていくというところがすごいことなので、産業上のイノベーションであると同時に、人々の生活もがらっと変えていくということがあって、それは都会よりも地方でより劇的だと思うのです。生産の現場とか、暮らしの現場というのは都会よりむしろ地方のほうにこそあるので、それで県としても第4次産業革命を岩手で成功させたいなと思っているので、皆さんの将来の活躍の場も岩手にいっぱいつくっていきたいと思います。

高橋室長
 ありがとうございました。
 では、次に安倍さんお願いします。

安倍 千晶
 私は学生赤十字奉仕団として仮設住宅や老人ホームへの訪問を行った際に、現在必要なのは利用者の心のケアであることに気がつきました。今年の3月に地区の仮設住宅を訪れたときに、希望者のみでしたが、パンづくりの先生をお呼びしてパンづくり講座を震災のお話を交えながら交流いたしました。この企画は、震災を経験された方の心のケアを目的とした取組でした。実際に住民の方が、時々みんなでお話を集まってするのが楽しみとおっしゃっていたので、今はそのようなちょっとした集会を開いて皆さんとの交流の場を設けることが求められていることがわかりました。
 また、活動を通して社会福祉協議会や介護施設で働いている方のお話を聞く機会があり、必ずしも全ての利用者の人に家族といった、支えてくれる人がいるわけではない現実を知りました。そのような方々も含めて心のケアができるような場所と機会を提供することが今後増えていくのが望ましいと思いました。ですが、施設利用者と運営側の人数のギャップが課題である今、学生がボランティア団体として地域全体の利用者の心のケアをサポートするには規模などの面において限界があることを実感しました。同時に、企画と企画を実行する側の分担など主に生産年齢人口が流出していく地域においての理想の地域社会のあり方を考えさせられました。
 今後の抱負としては、私は編入学を希望しており、受験に向けての準備をしています。地元へのUターンが増えるようなまちづくりを研究したいと考えております。Uターンを増やすためには雇用やほかの地域よりも整った住環境が必要だと考えております。各地方で人口減少が共通の課題となっている今、地元のUターンというのが課題解決への糸口になっているのではないかと思います。過去の地域政策や他県の成功している地域政策を調べながら現在の社会にあわせた新たな地域政策を生み出していきたいと考えております。
 大学卒業後は地方公共団体に勤めたいと考えております。地元に戻って人口減少や高齢化が進む中で、住民に寄り添った地域運営に携わっていきたいです。地域の諸問題の形態は様々ですが、医療や教育など多様な機関と町が相互関係を築くことで町は住民の全体を、機関は町からのサポートやアドバイスを受けることができるようになると思いました。政策を考えるに当たって、背景にある法律や環境など地域を取り巻いている知識がまだまだ自分自身には足りないので、夢を叶えられるようにこれからもより勉学に励みたいと考えております。
 私は、小学校6年生のときに宮城県石巻市で被災し、岩手県に引っ越してまいりました。復興やボランティア、地域について考え、自分と向き合うきっかけとなったのが東日本大震災だったので、今後も自分の中で震災を風化させずに生活していきたいと思っております。
 日本は自然災害が多い国なので、いつまた災害が起きるかわかりません。その災害を避けることは難しいと思うので、万が一のときは東日本大震災の支援物資などに助けてもらったときの気持ちを忘れずに積極的にできることから復興へのボランティア活動を行っていきたいと思います。


高橋室長
 ありがとうございました。
 では、続いて廣内さんお願いします。

廣内 佳奈子
 私は宮古市出身で、生まれてから現在までずっと宮古市で暮らしております。そして、先ほども申したように、現在地元の宮古の観光地でアルバイトをしております。場所は浄土ヶ浜です。
 私がこのアルバイトを通して改めて気づいたことは、地元宮古がすばらしい観光地であるということです。ふだん当たり前のように生活していると地元だということしか感じなかったと思います。しかし、現在改めて浄土ヶ浜という地元の観光地で働いていることによって観光客の方々であったり、宮古に帰省してきた方々であったり、たくさんの方々に愛されている場所なのだと改めて実感いたしました。実際に観光客の方が本当に「きれいな景色ですね」などと声をかけてくださることもあり、宮古をとても誇らしく感じました。また、遠方から来られる方々の中には震災のことを気にかけてくださる方々もいました。そんな中、私は今まで自分の中で答えが見つかっていなかったふるさとの復興について自分なりの答えを見つけました。それはとても単純なことで、多くの方々に実際に足を運んでいただくことではないかと私は思っております。実際に来ていただくことで、まずは風化させないことにつながると思います。先ほど申したように、当時のことを気にかけてくださるのは、やはりその土地に来てくださっているからだと思います。そして、何よりも、来ていただくことで地域が活気づくと思います。立ち寄った際に、その土地のおいしいものを食べたり、その地域で買い物をしたり、そういった些細なことが復興にはとても必要なことなのだと私は思いました。これらが私が現在浄土ヶ浜でアルバイトをしていて気づいたことです。
 そして、卒業後の進路ですが、みちのくコカ・コーラボトリング株式会社という企業に内定をいただきました。岩手県、青森県、秋田県に拠点を置いている飲料メーカーです。私がこちらの企業に魅力を感じた理由としまして、まずは本社が岩手県にあり、社名のとおり地元であるみちのくに貢献できるということです。そして、地元に貢献できるだけでなく、世界にも名が通じるブランド力を誇る企業で働くことができることも私にとっては大変魅力的でした。さらに、飲料は私たち人間が生活する上で欠かせないものとなっています。ですので、大きな責任は伴いますが同時に大きなやりがいを得ることができると考えました。仕事の中では、地域に合わせた提案をしていくことになりますので、地域に密着した考えを持って働いていきたいと思います。実際に北東北3県のどこで仕事をするのかはまだわからないのですが、配属先の地域、そして東北に貢献できるよう努力していきます。これから先の生活でも宮古の良さを実感し、ふるさとに貢献していきたいと思います。

高橋室長
 ありがとうございました。
 それでは、知事お願いします。

達増知事
 安倍さんは、学生赤十字奉仕団委員長としてボランティア活動を盛んにされて、仮設住宅で暮らす人たちの支援をしてくれていて本当にありがとうございます。そして、心のケアが大事だというのはそのとおりだと思いますね。やはり何事につけその気になることが大事で、復興がうまくいくかどうか、そして全体の復興の中で一人ひとりが暮らしを、生活を再建させるとか、働く人は働き、学ぶ人は学び、また地域で活動する人は地域で活動ということができるようになっていくことが復興で、それはやはり心がそっちに向かないとうまくいきませんからね、心のケアがやはり大事なのだと思います。
 そして、ケアをする人の数とケアの必要性のバランスとして、やっぱりまだまだ足りないという感じはそうなのでありましょうから、そこは県でもいろいろ工夫して市町村や、社会福祉協議会や、様々な団体とうまく調整して必要なケアがきちんと届くように工夫していきましょう。
 そして、人口減少問題の深刻さに直面されたようですけれども、Uターンを確保していくことが大事、そうだと思います。岩手県は、やはり若者がふるさとを離れる割合が比較的高いほうなので、それを逆転させていくようなことが必要ですね。沿岸においては、東日本大震災津波と復興への取組がひとつ若い皆さんの地元志向を高めていて、それまでとは気持ちも違うし、あと働く場所も増えていますからね、復興関連事業があることと、また復興して再建された会社、工場でも、事業所でも震災前よりもいい仕事をしているところが多いので、そういったところで働く。そういう経済活動を支えるいろんな社会サービスとか、そういうのをいろいろ工夫していけばやりがいのある仕事というのは岩手の沿岸に増やしていける状況にあると思います。
 そして、内陸の方では半導体関係や自動車関係の大きな会社の大きな工場がどんどんできる予定で、北上川流域、北上市あたりを中心に今後5年間で5,000人規模の新規雇用が見込まれているのですけれども、それは固く見てそのくらいの数字で、関連企業がさらに進出したり、またそういう新しい働く人向けの飲食店とか、様々なサービス業の雇用の増もあわせて、かつまた働く人が家族を伴うようなところまで視野に入れると1万人とか、岩泉町ぐらいの人口が今後5年間で増える可能性もあるのです。それは内陸だけの問題ではなく、道路も便利になりますので、沿岸から働きに行ってもいいし、横手のあたりから働きに来てもらうこともかなりあるのではないかと思いますし、岩手全体としてそういう新しい仕事がどん増えていく、ただ働くために岩手に残る、岩手にやってくるというだけではなくて、そこにまた豊かな自然にも恵まれて、食べ物もおいしい岩手ならではの生活というのもあわせてつくっていくことで21世紀にふさわしい産業生活ゾーンというものを岩手につくっていけると思います。それは沿岸の復興のテーマでもあると思うし、新しい仕事、新しい生活というのを沿岸につくっていく、内陸にもつくっていく、そういう中で自分の役割を見つけていってもらえればいいのではないかと思いますね。
 廣内さんは、復興とは、そうですね、足を運んでいただく、来ていただく。復興とは、来ていただくことというのは鋭いですね。これはもらっちゃおうかなと思います。復興とは何かということはいろんな表し方とか説明とかあるのですけれども、復興とは来ていただくことだというのは非常にわかりやすいですね。誰に来てもらっても恥ずかしくないようなふうにするということでもあり、ただ直せばいいとか、そこで自分たちがお金を稼いで生活ができればいいというだけではなく、人に来てもらえるようなふうにするという外の世界との関わり、交流ですよね、そういう交流が実現するというところまでいって復興の成功だと思います。これは岩手全体の復興の進む方向性として、これはスローガンというか、目標というか、いただけちゃうと思いますよ。そうですね、浄土ヶ浜で考えるとそういうことが思いつくかもしれませんね。全国有数、世界のあちこちと比較してももう非常にきれいないい感動的な場所ですから、そういう良さを生かしていきたいと思います。
 それから、みちのくコカ・コーラさんは、先週も谷村邦久会長さんと一緒に台湾に行って帰ってきたのですけれども、会長さんが県の商工会議所連合会の会長さんと県の観光協会の会長さんも兼ねているので、いろんな機会に一緒に仕事をするのですけれども、グローバルなコカ・コーラブランドの商品を売るわけですけれども、売る場所というのはもう津々浦々人が住んでいるところどこまでもそのそばに行き、自動販売機も含めると山の奥とかリゾート、海の海岸とか、そういうグローバルとローカルが両方徹底している会社というのはなかなかほかにないので、非常にいいところに就職が決まったと思いますよ、ぜひ活躍してほしいと思います。

高橋室長
 ありがとうございました。
 それでは、次に三浦さんお願いします。

三浦 ありさ
 私は、現在ヨットの大会の運営など様々な形で海と関わりながら学生生活を送っています。高校生のときなどにヨット部としてたくさんのところに遠征に行き、いろいろな海を見てきましたが、宮古は海でのにぎわいが少ないように感じています。遠征に行って印象に残ったことは、どこの海でも人がたくさんいて、イベントなどがあり、にぎわっていることです。海は楽しいところという認識であったり、それを生かすイベントの実施だったり、宮古は海が身近にあるまちでもあるのに、意識が低いように感じています。
 また、宮古の観光スポットでもある浄土ヶ浜ですが、たくさんのいいところもある一方、私はまだまだ未完成だと感じております。なぜなら、私が感じてきた海の雰囲気とはほど遠く感じるからです。にぎわいであったり、人の人数であったり、お店の数、イベントの実施などいろいろなことがまだまだ未完成です。このことから浄土ヶ浜やヨットハーバーなどのユニークなイベントの実施や人を呼び込むためにネットを駆使した発信力が必要になってくるのではないかと感じています。
 具体的な例としては、インストラクターを呼び込んだマリンスポーツの体験やマリングッズを販売したショップのオープン、ビーチバレー大会、お祭りや花火大会、コンサートなど海を盛り上げるための事例は、私も遠征に行ってきたので、たくさん見てまいりました。私は、実際に被災しているので、被災した多くの人が海のないところへ移り住んでいる事実を知っています。地元でもある田老は、漁業が盛んで海とともに過ごす人がたくさんいるまちでした。時に牙を剥く海による自然災害ですが、その反面海からもたくさんのものをもらっているはずです。自然災害が起きたときだけ海のことを悪く言うのは違うと思います。確かにたくさんの人や物を奪った津波が憎くないわけではありませんが、海からたくさんのものをもらっている以上、大切なことは人と自然がどう向き合っていくか、どうつき合っていくかを考えていくことだと思います。海が近くにある以上、海という存在から逃げてはいけないのです。東日本大震災で、海により何もかも失ったまちですが、今度はその海を生かしてまちを盛り上げていくべきだと思います。6月22日に運航が開始された宮古室蘭フェリーなどの海をつないだ事業にもこれからもっと力を入れて、海が近くにあるまちだからこそできることをする必要があると感じています。そして、人を呼び込み、お金を循環させることや知名度を上げることによって、震災以前よりも盛んなまちへとなり、復興が可能になると考えています。卒業後は、海に関わりながら現在学んでいる経営情報の力を生かせる仕事につきたいと考えています。そのために夏休みを利用して海のイベントなどが盛んな神奈川県の江ノ島でのインターンシップを考えています。今はしっかり知識を蓄えたり、実際に経験したりすることを大切にしながら学んだことを生かして、最終的には地元の海での事業に尽力していきたいと考えています。そして、地域に貢献できる人になれるように日々の勉学に励み、これからの学生生活も頑張っていきたいです。

高橋室長
 ありがとうございました。
 次に、片方さんお願いします。

片方 桃子
 私は、この学校の将来の就職に役立つ資格がたくさん取得できる点や、先生と近い距離で学べる点、またボランティア活動など積極的に行っており、地域の人とたくさん交流を深めている点にも魅力を感じ、北上市からこちらへ移り住んできました。
 北上市から宮古市に来て3カ月がたち、ようやく生活にも慣れてきました。3カ月で宮古市のいい点や、魅力や、改善してほしい点なども見つけました。宮古市の魅力の一つとして挙げられるのは、自然が豊かなところだと思います。宮古市の有名な観光地の浄土ヶ浜で乗ることのできる観光遊覧船は、三陸の海の美しい景色を楽しむことができます。また、海岸の青の洞窟という洞窟は穴の入り口から差し込む太陽光に透明な海水がきれいに反射して青く輝くことから青の洞窟と名づけられていて、とても人気の観光地となっており、宮古市の魅力の一つだと私は思います。
 また、改善してほしい点もあります。それは就職先が少し少ないというところだと思います。就職先が少ないため、宮古市に進学した学生のほとんどが盛岡市や県外に就職するため、人口が減ってしまう原因になっているのではないかと考えました。就職先が増えると人口も増え、飲食店やショッピングモールなどの商業施設なども増えるため、交通の便が今よりもよくなるのではないかと思います。そして、今よりも宮古市が盛り上がり、活発になり、復興につながっていくのではないかと考えています。
 私は、今ボランティアサークルに所属しています。ボランティアサークルでは、東日本大震災の復興のボランティアや献血活動などたくさんの活動を行っています。被災地の復興に携わることのできるサークルに興味を持ち、私は所属を決めました。地域のためにサークルの活動には積極的に参加しています。今後は、地域の方々と宮古市の魅力を再発見する企画やほかの大学の学生と交流する企画があり、すごく楽しみに思っています。
 私は、大学卒業後、鉄道関係に就職したいと考えています。そのため、今は就職に必要な資格を取得できるように日々の勉強を頑張っています。私は高校時代、将来は黙々と作業をする事務の仕事をしようかと考えていました。しかし、大学生になり接客業のアルバイトを始めたことで、接客業の楽しさや人と関わる仕事のおもしろさに気づきました。私は、アルバイトを機に人と関わり、地元を活性化できる仕事につきたいと考えています。
 宮古短期大学部に入学したことで地元や東北のことを考える機会がとても増えたと思っています。将来は地元東北のために貢献できる仕事をしたいと考えているので、その目標を達成できるように勉強を今よりも頑張りたいと思っています。

高橋室長
 ありがとうございました。
 知事お願いします。

達増知事
 三浦さんは高校時代のヨットの活躍は本当にすばらしく、改めて県としてもお礼を言いたいと思います。ありがとうございますね。
 様々遠征や練習でヨットの施設があるようなところに行くと、なるほど海のにぎわいというのがやはりすごいのだと思います。岩手は、そもそも自然の美しさというのが良すぎて、まずは自然を見てもらおうというところがやっぱり大きくて、プラスおいしい食べ物ですね、とれる魚や海の幸もすばらしいので、それを食べてもらおうというあたりにとどまるというところが良くも悪くもあるのだと思います。もうかなり早い段階から国立公園として全国に知られる景色のいいところで、また世界三大漁場の一つの三陸沖を目の前にする、そういう自然条件が良すぎて、景色もぱっとしないし、おいしいものもないところほど、じゃ、何か設備をつくって、それで稼ごうというふうに動きますからね、岩手の場合はそこが今まで弱かったというのがあると思います。
 自然の良さは良さとして、そして食べ物の良さはそれとして、やはりプラスアルファをこれからはつくっていかなければならないと思います。特に経済効果もあって、そしてそこに住んでいる人の暮らしも豊かにしていくという観点からスポーツというのはやっぱりいいので、海は海のスポーツ、内陸は内陸のスポーツ、そういうスポーツ施設というのを充実させて、スポーツする人たちにどんどん来てもらうということがこれからますます大事になると思いますので、そういうインストラクターとか、マリングッズとか、そういうのはやはりこれから力を入れていきたいところですね。そういったスポーツと並行してコンサートとか、そういう文化系のイベントとか、人の集まりもまた同時に育てていければいいと思います。
 そして、片方さんは浄土ヶ浜に注目し、やっぱり浄土ヶ浜はすごいですからね。私は盛岡で生まれ育っているのですけれども、やはり小さい頃から家族で浄土ヶ浜に来たり、小学校の海浜学校でやはり浄土ヶ浜で海水浴をしたり、中高校生の頃は訪ねてきた外国人を連れて浄土ヶ浜に行って、やはり遊覧船に乗ってもらってウミネコパンをやるみたいなことをやっていましたね。ウミネコにパンを上あげるみたいなことができるほどウミドリと接近できる観光地というのは世界を見てもなかなかなくて、私は浄土ヶ浜でウミドリにパンをやるのはすごく慣れてできるようになっていたから、アメリカのフロリダに行ったときに、マイアミビーチでフライドポテトでしたけれども、掲げてウミドリに食べさせるというのを砂浜でやっていたら、周りのアメリカ人がびっくりして、すごい、すごい、何だ、それはみたいな感じで人が集まってきましたけれども、そういう感じで浄土ヶ浜で行われていることは世界的にもすごいことが行われているわけです。
 就職先が少ない問題なのですけれども、就職先、数としては有効求人倍率などの数字上は職を求める人を上回る仕事の数はあるわけですよね。やはり昔から伝統的にまず情報発信のタイミングが県外企業の求人活動の方が早くて、地元企業がどうしても出遅れて、そうすると求職する学生の側から見るとまず県外の企業が先に目に入るということになりましょうから、就職に関する地元ファースト、岩手ファーストということを就職活動のタイミングの問題としてもやはりまず地元の求人が先に目に入り、数としても多いのだなというのがちゃんと学生に伝わるようにしていく必要がありますね。
 また、人手不足時代の中で、企業の方も職はあるけれども、求人はあるけれども、給与とか条件とかがいまいちではないかという面もあるでしょう。そこは全国的な人手不足社会の中で、働く条件で遅れをとると人は来ないという厳しい状況になってきているので、県としても地元企業、特に中小企業に対しては働く条件を良くするよう「いわて働き方改革推進運動」というのをやっていまして、県からも企業に働きかけていて、企業の方でも生産性を高めて、まず生産性を高めることで少人数でもちゃんと成果が出るように働いてもらい、そして少人数でより多くの成果を出すということは1人当たり高い給料を払うことができるということでもあるので、そういう経済構造改革を岩手で進めましょうというようにしていますので、うまくいけば先に行くほど条件のいい企業が数そろってくるようになると思います。

高橋室長
 ありがとうございます。
 それでは、藏谷さんお願いします。

藏谷 拓海
 私は今後の抱負、卒業後の地域の関わりとして、将来海と森に関わるNPO法人を設立したいと考えています。理由としては3つあります。
 まず、このようなNPO法人を設立したいと考えたきっかけは、気仙沼の「森は海の恋人」というNPO法人の存在を知ったからです。森は海の恋人は、地元の人とのつながりを重視し、地域全体で海と森の保全のために活動しています。私は、地元でも森は海の恋人のような活動を行い、全体で海と森に対して存在を身近に感じ、大事にしたいと思う気持ちが生まれると考えています。
 次に、海と森の後継者育成の支援をしたいと考えています。私の地元では、後継者が持続的に生まれるということは重要なことです。私の考えているNPO法人では、海と森に関わる産業の後継者育成の支援を行うことで地元の産業が衰退することなく長くつないでいくことができると考えています。
 最後に、東日本大震災によって海から疎遠になってしまった人たちの意識の改革をしたいと考えています。被災した人たちは、海に対して怖いと感じたと思います。私にとって海とは、地元の特産品である海産物が生まれる大事な場所であり、心が癒やされる空間であると考えています。私の海に対する思いを伝え、震災によって海から疎遠になり、他県に移ってしまった人たちに地元に戻りたいと思ってもらえるような意識改革がしたいと考えています。自身の思いを伝えるだけならば簡単ですが、それだけでは足りないと私は考えています。まだ具体的な案は決まっておりませんが、卒業するまでに意識改革の具体案を考えることが私の第一目標です。ですから、私はこれらを踏まえて海と森に関わるNPO法人を設立したいと考えています。
 そのためにも、私はまず宮古短期大学卒業後、岩手県立大学に編入し、地域や社会について学びながら、並行してNPO法人設立後の具体的なプランを考えたいです。現在は法人設立に必要な理念や活動方針などについて考えていますが、今後はさらに具体的な活動内容や計画を練っていくつもりです。今思いつく限りとしては、後継者育成のための人材発掘、育成の援助、海産物で廃棄される貝殻や魚の骨、内臓などの有効利用、岩手県内の把握されていない個人が所有し、手入れが行われていない山の手入れのボランティア活動など考えていますが、さらにそれを具体化できるように今後も努力していくつもりです。

高橋室長
 ありがとうございました。
 それでは、最後に大変お待たせいたしました、佐々木寿理さんお願いします。

佐々木 寿理
 私は、将来山田町役場職員や山田町の観光に関わる仕事に就いて、山田町をより多くの人に知ってもらい、観光客がたくさん訪れる活気ある地元の方々が誇れる町にしていきたいと考えています。それを実現させるためには主に2つのことを行うことで実現できると考えました。
 まず1つ目は、電子媒体での情報発信を増やすということです。山田町には回覧板や広報やまだ、役場のホームページなど情報を共有し、発信するものはあります。しかし、最近ではパソコンやスマートフォンなどの電子媒体が普及しており、若い年代の人は紙媒体などの情報をほとんど見ることが少なくなってきています。そこで、電子媒体の活用が有効であると考えます。具体的な内容としては、投稿者とカメラマンを決め、山田町で起きた行事や美しい風景などの山田町で今起きていることを随時ツイッターやブログなどに投稿し、多くの人に見てもらうことです。ただ単に出来事を投稿するだけでなく、山田町のなるほどなと思うことや多数決投稿など興味を持つことも投稿すれば若い人を中心に観光に来たい人も増えると思います。さらに、町民の方々に町の良さを再確認してもらうこともできると思います。
 2つ目は、山田町で新たな特産物を町民のアイデアでつくることです。山田町には海の幸、山の幸が豊富に存在しています。中でもカキやマツタケはほかの地域に負けないほど盛んにつくられています。私は、その海の幸と山の幸を融合した新たな特産物を作成することで観光客も増え、町も活気づくと思います。
 山田町では、山田のカキや山田のマツタケといった個々のもので販売はしていると思います。しかし、私はもっと人を引きつけるために見た目にインパクトがあり、誰もが食べたことのない山田町にしかつくれない商品の開発が最善の策だと思いました。商品開発は、第1次産業に携わっている人たちを中心に地元に貢献したい若者から高齢者までの人の参加を募集します。このことで様々な視点でつくることができ、商品開発以外に震災後にはなかなかつくることができなかった新しい集いの場となり、地域の一体化を図ることができると思います。
 この2つのことで、観光客を増やし、誇れる町にすることができると思います。それ以外にも山田町にあるものを利用すれば山田の活性化につながる方法はもっとたくさんあると思います。しかし、今の自分の知識や経験ではこれ以上のよい案を出すことができません。ましてや計画を立てたところで実際に行い、成功するとも思えません。だから、私は宮古短期大学部でコンピューターや経済、経営などの部分をしっかりと勉強し、たくさんの経験を積み、知識を身につけていきたいと思います。そして、身につけた知識を有効に活用し、山田町をより多くの人に知ってもらい、観光客がたくさん訪れる活気ある町にし、地元の方々が誇れる町にしていきたいと考えています。

高橋室長
 ありがとうございました。
 それでは、知事お願いいたします。

達増知事
 まず藏谷君は、森は海の恋人というNPO法人を発見し、そういうことをやりたいということで、大変いいんじゃないかと思います。
岩手は海が豊かであると同時に、森も、森林も豊かだし、岩手沿岸地方というのは両方ありますからね、思えば山と海と両方あるのが岩手沿岸地方ですから、そこを結びつけながら地域を良くしていくということは非常にいいポイントだと思います。
 いろいろなアイデア出してもらって、そういったことが実際に展開していくといいと思うのですが、藏谷君も意識改革が必要だろうということを言っていて、そうなのですよね。これは、心のケアの話のときにもしましたけれども、要はその気になってもらうということが大事で、そういう意味では人生万事心のケアというか、弱っている人の心を強くするのがケアですが、普通の状態をハイに持っていって、あれもやろう、これもやろうというふうにしていくのが意識改革でありましょう。要は、心を動かすということですね。
 それで、佐々木君は山田町役場職員になって、電子媒体の活用ということで、その目的もやはり心を動かすことだと思うのです。町民の心を動かし、また町外の人の心も動かしてどんどん来てもらう、山田町のものを買ってもらうという。そういう意味で、ソフトウェアとか、情報通信技術とか、非常に理工系の物質的な、論理的な世界ではあるのですけれども、いざそれを社会に実装していく段階になると、それは人の心を動かすという、そして行動に結びつけるという、非常に生々しいものとなるのですよね。その辺をうまく学んで成果を上げてもらうといいのではないかと思います。
 そして、情報通信技術革命、IT化とか、ICT化とか言われ始めた頃、80年代、90年代頃を思い出しますと、やはりそういう情報通信技術が仕組みも変えるということが期待されたのです。例えば行政の電子化、町役場とか、あるいは県庁でもそうなのですけれども、そこをICT技術をどんどん導入するということは、例えば各部局から知事なり町長さんなりに文書が上げられる紙をデータにとってかえるというだけではなくて、何か情報の共有や意思決定のパターンが既存のそういう官僚制的な組織の動きとはまた全然違うフラットになるとか、あとは外部の人たちとも情報共有しながら現場に近いところで意思決定がなされていくとか、そういうものの決め方とか、物事の進め方自体も変えるものだと期待されていたのです。でも、いまいち国の政府を初め地方自治体の役所もそういう形で役所組織を激変させるような形での電子化、ICT技術の導入ということをまだできていないようなところもあるので、そこに挑戦してもらうといいと思います。
 NPOというのは、今までないようなそういうものを決めて実行に移す役所と普通の人がいて、その間のやり取りでものが決まって、そこに必要があれば補助金とか、物やお金が提供されるというのと違う形で人と人とが結びついて情報共有して、望ましいことがどんどん実行に移されてしまうというのがNPOを中心としたメカニズムなので、そういうのはICT技術、SNSとかですよね、ツイッターやフェイスブックを使うと、それがまた非常にうまくできてしまうという、そういう感じの世の中の動かし方の改革というところも視野に入れて技術を学んでもらうとうまくいくのではないかと思います。
 というようなことを、鈴木学長はどう言うだろうかということを思いながら、さっきからしゃべっている部分もあるのですけれども、そうですね、学長さんからもコメントいただく機会が……

高橋室長
 もうここからは自由に、学長さんからも。

鈴木学長
 皆さんの地域への思いとか、それから今後こういうふうにやっていこうというものが伝わってきて、私も感激したのだけれども、1点だけどなたも発言されなかったことがあって、これは皆さん頭の中に入れてもらいたいことが1点あるのです。それは地球温暖化。今後は、ここをよくするためにも、地球温暖化というのは、これ南極大陸を、あくまで氷を掘ってみると数千年の間の温度変化が出てくるのです。きれいに相関、数百年の周期でもって氷河期が来たり、暖かくなって、また氷河期が来たりと、こうなっています。今ちょうど上がっている最中なのです。それに今人間がさらにエネルギーを使って炭酸ガスを出しているから、もっともっと勾配が急だけれどもね。でも、数百年の周期で必ずこれが来るので、今上っているところということは、皆さんがこれから社会に出ていくときにはどんどん、どんどん暑くなっていきますからね、これを頭に入れながらこの地域をどうやっていくかということも考えていかなければならない。そうすると、災害なんかも、今までこうだったから、この程度じゃなくて、もっともっとそれを考えた上の災害対策というのが出てきますし、自然との関わりなんかも、皆さん言ったように人と自然の関わりが大事だと言いましたよね、そのときにぜひ温暖化も、あるいはプラスになることはだんだん、だんだん皆さん人口が北の方に移動してくるのではないかという感じもするのですけれどもね。

達増知事

 今日の宮古の涼しさを全国の皆さんに伝えれば、じゃ、宮古に行こうという人の流れができそうな感じもありますよね。

鈴木学長
 ですから、地球温暖化ということを必ずどこかの頭に入れておいて、それらを踏まえた上で、いろいろなことを考えてもらいたい。

高橋室長
 大体予定の時間になってしまったのですけれども、さっき言い足りなかったことですとか、あるいは周りの参加の方あるいは知事、鈴木学長さんのお話を伺って、これはちょっと話したいなと思うようなことがあったら、ぜひ自由に発言いただければと思うのですけれども、いかがでしょうか。2年生チーム、ちょっと発言から時間がたってしまったので、何か言いたいことないですか。

安倍 千晶
 質問になってしまうのですけれども、知事とあと学長の宮古のほかのところにはない宮古の好きなところを教えていただきたいです。

達増知事
 そうですね、今ぱっと思い出すと、とれたてのイカの刺身がすごくうまいというのをぱっと思い出してしまったのですけれども、江戸時代からの蓄積もあって、まちの人たちの力、力量が高いと思いますね。それで、震災のときも商店街が水に浸かったのですけれども、復旧が早かったですし、そしてその後のいろんなお祭りとか、活動も盛んに行われていますし、ちょっと前には南部盛岡藩の港として400周年なんていう行事もありましたし、その辺が宮古らしいなと思います。

高橋室長

 鈴木学長。

鈴木学長
 私は新潟市だったので、海が近くて、海のすぐ近くにいたのです。それで、しょっちゅう眺めていたので、海が大好きで、中学生のときは夏休みの期間中、毎日海に行こうという決意して、台風が来ても海に潜っていたこともあった。それぐらいしょっちゅう海が好きで、そういう意味からいうと、私はいつも夏休みになると、去年は大船渡に泊まって、宮古に泊まって、その前の年は普代に泊まって、宮古に泊まって、盛岡に帰って、いつもやっているのです。それにおいては、宮古もそうだし、ほかの沿岸どこもいいのです。
 ただ1つだけお願いがあるのは、旅行者というのはあちこち行きたいでしょう。ところが、パンフレットはみんな自分のまちしかないのですよね。宮古は宮古だけ、普代は普代だけ、そうすると全部インターネット調べなければいけない。これがやっかいなのですよね、ジオパークはあるのだけれども、それ以外は全くない。自分のまちだけ。

達増知事
 なるほど、ジオパークはジオパークのがある。

鈴木学長
 だから、やっぱり近い浄土ヶ浜とか、北山崎とか、ああいういろんなところ、共通点あるところは共通のパンフレットをつくってもらったほうが旅をする人にとってはずっといいですね。そういうのをお願いします。

安倍 千晶
 ありがとうございました。
 
高橋室長
 ありがとうございました。
 予定の時間となりましたけれども、よろしいですか。最後に、これだけはということがあれば、もし。よろしいですか。

知事所感

高橋室長
 それでは、最後に知事からお願いいたします。

達増知事

 就職や、あるいは編入学を控える2年生の皆さんは、やはりそれだけの蓄積、実績に基づいた力強い発言をいただいたなと思いますし、そして新鮮な気持ちの1年生の皆さんもいろんな思いを持ってこの県立大学宮古短大学部に入ってくれて、そういう志望の動機のストレートさと力強さを感じさせるような意見を聞くことができて、大変よかったと思います。ぜひこの調子で勉強やいろんな活動を続けてほしいと思いますし、それから卒業や編入学を控える皆さんも、さらに新しい世界で頑張ってください。ありがとうございました。

高橋室長
 それでは、皆さん今日は本当に地域の復興にかける思いですとか、今後の抱負とかたくさんお話をいただきまして、誠にありがとうございました。

閉会

高橋室長
 これをもちまして、県政懇談会「がんばろう!岩手」意見交換会を終了いたします。大変ありがとうございました。

このページに関するお問い合わせ

政策企画部 広聴広報課 広聴広報担当(広聴)
〒020-8570 岩手県盛岡市内丸10-1
電話番号:019-629-5281 ファクス番号:019-651-4865
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。