「がんばろう!岩手」意見交換会(平成30年9月7日 盛岡地区)

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ページ番号1000814  更新日 平成31年2月20日

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日時
平成30年9月7日(金曜日)10時30分から11時50分まで

場所
紫波町情報交流館 2階 大スタジオ

出席者(敬称略)

  • 参加者(敬称略)
    猪俣 広志(いわぎん事業創造キャピタル株式会社 シニアマネージャー)
    畑 めい子(株式会社八幡平DMO 代表取締役)
    吉田 貴浩(松原農園)
    金谷 克己(株式会社エディションズ 代表取締役)
    櫻田 七海(特定非営利活動法人まちサポ雫石 理事長)
  • 県側
    知事、盛岡広域振興局長、秘書広報室長

開会

高橋室長
 おはようございます。ただいまから県政懇談会「がんばろう!岩手」意見交換会を開催いたします。
 皆様には御多忙のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 今日は、「地域を描く~幸せな未来を目指して」を懇談のテーマとし、この盛岡地区で観光や農業など様々な分野で地域の活性化に取り組まれている方々にお集まりいただいております。
 私は、本日の進行役を務めさせていただきます県の秘書広報室の高橋と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

知事あいさつ

写真:懇談会の様子1


高橋室長
 それでは、開会に当たりまして知事から挨拶申し上げます。

達増知事
 皆さん、おはようございます。お忙しいところお集まりいただき、ありがとうございます。また、県議会議員のハクセルさんもありがとうございます。
 この部屋は、サウンドスタジオのようで、音の聞こえ具合がいいですね。音の響きがいいのではなく、むしろ吸収されるようになっているのかなと思いますけれども、余計な反響がないからかお互いの声が非常に聞こえやすいようになっていると思いますね。大きい声で話すのが気持ちいいような部屋ですけれども、でも小さい声で話してもかなり聞こえるようにもなっているので、非常に豊かな意見交換会ができる部屋だなというふうに感じております。
 県政懇談会は、岩手のそれぞれの地域あるいはそれぞれの分野で活躍している方々の意見を知事が直接聞くことで、これを県政に反映させていくということでやっているのでありますけれども、今の岩手県は日本全体が少子化、それに人口減少、それを克服しようとしての地方創生という流れが地方に広くある中で、東日本大震災津波からの復興という独自の課題を抱え、また北上川流域に半導体や自動車関係の大型工場の新設、増設の予定がひしめいていて、日本の中でも例外的に生産と雇用の増大、飛躍が見込まれるというところもあります。これはイコールものすごい人手不足が生じるということでもあるのですけれども、人をちゃんと確保できれば日本のほかのところにないような新しい地域づくりをする可能性が北上川流域にあるということでもあります。
 沿岸や北上川流域だけではなく、岩手県北部のほうも独自の農林水産業、様々な地域資源、そこに歴史や文化の潜在力も加えて県北も光を発しようとしているところでありまして、そういう岩手の現状からしますと少子化対策、地方創生と言われるけれども、やはり何か独自なことをやっていくべき、またやっていかなければならないような状況にあるのではないかと思います。
 今日は、そういった独自な取組をやっている皆さんにもお集まりいただいて、また岩手全体の縮図であり、また岩手全体を見晴るかす、そういう盛岡広域の中で活躍する皆さんにお集まりいただいて、大変楽しみにしておりました。どうぞよろしくお願いいたします。

高橋室長
 それでは、この後の進め方についてですが、まず私から御出席の皆様方を御紹介いたします。その後にお一人ずつ自己紹介をお願いいたします。続いて、本日のテーマに沿ってお話をいただきますが、お二人からのお話に続いて知事がコメントするというように区切りながら進めていきたいと思います。そして、最後に自由懇談の時間も設けたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、お手元の座席表に従って本日御出席の皆様を御紹介いたします。
 いわぎん事業創造キャピタル株式会社シニアマネージャー、猪俣広志さんです。

猪俣 広志
 猪俣です。よろしくお願いいたします。

高橋室長
 株式会社八幡平DMO代表取締役、畑めい子さんです。

畑 めい子
 畑めい子と申します。よろしくお願いいたします。

高橋室長
 松原農園、吉田貴浩さんです。

吉田 貴浩
 吉田と申します。よろしくお願いいたします。

高橋室長
 株式会社エディションズ代表取締役、金谷克己さんです。

金谷 克己
 金谷です。よろしくお願いします。

高橋室長
 特定非営利活動法人まちサポ雫石理事長、櫻田七海さんです。

櫻田 七海
 よろしくお願いします。

高橋室長
 県からは達増知事、盛岡広域振興局の宮野局長でございます。
また、今日は県議会からハクセル美穂子議員にも御出席いただいておりますので御紹介いたします。
どうぞよろしくお願いいたします。
 ちょうど今皆様のお手元にお菓子と飲み物が行き渡りましたが、どうぞ召し上がりながら御歓談いただければと思います。まず、本日のお菓子を紹介いただきます。

宮野局長
 それでは、本日出していますスイーツについて、私から御紹介申し上げます。早速お召し上がりになりながらお聞きいただければと思います。
 本日御用意させていただきましたのは、ここ紫波町で取り組まれている、しわみやげプロジェクトで初めて商品化をされた「紫波くら酒(しゅ)ウィーツ」というお菓子でございます。プリン風の酒粕ムーストライフルとなっておりまして、シフォンケーキに酒粕入りプリン風ムースと生クリーム、それからフルーツソースが重ねられているということでございます。
 しわみやげプロジェクトと申しますのは、茨城県出身のこちらの地域おこし協力隊の平真弓さんが地元出身の大学生2人と昨年7月に立ち上げたプロジェクトでございまして、オガールの整備などにより町を訪れる人が増える一方で、お土産として手軽に持ち帰ってもらえるものが少ないなと、そのように感じて始められたプロジェクトでございます。現在は学生を中心に18名のメンバーで新たな商品開発などに取り組んでいるということでございます。
 御案内のとおり、ここ紫波町は町内に4つの酒蔵を有する南部杜氏発祥の地ということでございますが、この紫波町の魅力である酒をもっと知ってもらうため、町内の酒蔵から出た酒粕をお酒の苦手な方やお子さんでも食べられるようにお菓子に加工することを考えて試行錯誤を重ねて商品化したものということでございます。商品名の紫波くら酒ウィーツの「くら」は町内の酒蔵を連想させたい、そういう思いを込めたものだということでございます。現時点では、イベントなどにお出しして反応を見ていらっしゃるということですので、市販化されましたら是非お買い求めいただければと思います。

達増知事
 酒粕の風味がしますね。
 小さいころ、板状になった酒粕をおやつとして食べるという習慣がうちにあって、焼いてあぶったりしてもおいしいのですけれども、それを思い出します。

宮野局長
 そうですね。

高橋室長
 本当にふわっという感じで。

宮野局長
 酒粕は体にもいいということで、最近健康志向が高まっているので、多くの方から好まれると思います。

高橋室長
 それでは、召し上がりながら進めていきたいと思います。

懇談

写真:懇談会の様子2


高橋室長
 それでは、懇談のほうに入らせていただきます。最初に、お一人2分ぐらいで自己紹介をお願いいたします。お話しいただく順番は、猪俣さんから座席の順でお願いします。
 それでは、猪俣さんお願いします。

猪俣 広志
 いわぎん事業創造キャピタル株式会社の猪俣と申します。岩手銀行のグループ会社で、企業に投資をするベンチャーキャピタル会社に勤務をしております。岩手銀行から出向しておりまして、出向する前は銀行の本部であります地域サポート部という部署に平成20年から在籍をしていました。
 地域サポート部は、現在法人戦略部に改組されていますが、本日のテーマであるふるさと振興に近い仕事をしておりまして、地域密着型金融という取組の中で産学官連携、ものづくりや農林水産の1次産業支援、ビジネスマッチングの推進をしております。
 震災を挟みまして、様々な支援の取組をしてまいりましたが、その中でも岩手県産株式会社様と一緒に取り組んだ復興支援カタログによる県産品の販売、また、いわて未来づくり機構、東北未来創造イニシアチブ作業部会の活動が思い出に残っておりまして、特に東北未来創造イニシアチブ作業部会の活動は、後の発表になりますベンチャーキャピタルの設立にもつながっていた活動と思っております。
 現在の取組につきましては、次の発表で御説明させていただきたいと思います。本日はよろしくお願いいたします。

高橋室長
 ありがとうございました。
 次に、畑めい子さんお願いします。

畑 めい子
 八幡平DMOの畑めい子と申します。昨年、私の出向元の株式会社クレセントという会社が岩手県八幡平市のDMO構築サポートの委託を受け、今年の5月に株式会社八幡平DMOとして立ち上げました。
 八幡平DMOでは、主に外国人観光客、特にこれからどんどん増えていくと予想されているFIT、外国人個人旅行者(Foreign Individual Tourist)をメーンのターゲットに据え、観光施策の提案・実施WebやITを活用しての地域の観光情報の発信、二次交通整備等を事業にしております。今日はよろしくお願いいたします。

高橋室長
 先ほど県議会の千葉絢子議員もお見えでしたので、御紹介いたします。
 それでは、吉田貴浩さんお願いいたします。

吉田 貴浩
 松原農園の吉田と申します。松原農園ということで、私は農家なのですけれども、就農して今年で8年目になります。それまでは、地元のJAのほうで果樹の生産指導とかそちらのほうをやりながら、その後、今紫波のワイナリーがあります紫波フルーツパークのほうの会社の立ち上げと、あとワイナリーの立ち上げに関わらせていただきまして、10年勤めた後に実家のほうで農業を始めております。
 今農業をブドウ専業という形でやっていますけれども、その中で地域の課題とかいろいろ見えてくる部分がありまして、農業を主軸としながら地域づくり、その地域の課題解決にもどういう形かで関わっていけるのではないかということで、昨年から地域運営組織という形でKOMABAプロジェクトというものを立ち上げまして、その中で地域の課題解決とか、あとは農家の育成支援とか、そういう販売のほうも含めて地域の中でできる形を見つけていこうということで、少人数ながらそういったメンバーで動き出しております。実際の今後の活動に関しては次の部分で詳しく話させていただきますので、よろしくお願いいたします。

高橋室長
 それでは、金谷克己さんお願いします。

金谷 克己
 株式会社エディションズの金谷と申します。よろしくお願いいたします。
 私は、知事と同年代なのですが、二十歳のころからデザインの仕事をしておりました。グラフィックデザインやCMディレクションなどを広告代理店や印刷会社などからお願いされてすることが多かったのですが、2012年にデザイン意識の向上を目的とした、いわてデザインデイというイベントを立ち上げてからデザインのもう少し川上のほうの企画から商品開発、それから出口のプロモーションまでを一貫してプロデュースするというお仕事をさせていただいております。最近では、地域ブランディングとして西和賀町の「ユキノチカラ」であるとか、いろいろなブランディングの仕事が増えております。
 それから、昨年「モリノバ」という別会社を設立しまして、肴町に「十三日」という古民家をリノベーションした商業施設などをつくりました。モノのデザインから場づくりというほうにフィールドが広がっております。昨年行われました「漆DAYSいわて」というイベントなど、行政との仕事も非常に多くなっております。復興関連では、震災後から釜石で工場の方々にいろいろな製品開発支援をしております。また、県南地区で伝統工芸の方々を中心としたオープンファクトリーイベントの「五感市」を今年の11月に開催することになりまして、そこのアートディレクションも担当しております。よろしくお願いいたします。

高橋室長
 櫻田七海さんお願いします。

櫻田 七海
 NPO法人まちサポ雫石の櫻田です。当法人は2011年、震災の後に子育て支援を主として立ち上がったNPOでした。2015年にまちサポ雫石として大きくまちづくりの中間支援と行政と住民を結ぶ中間支援として活動させていただいております。
 大きくは4つ事業を持っておりまして、地域課題を住民と一緒に解決する地域づくり支援、まちおこしセンターという、雫石の中心市街地にあるのですけれども、そちらの指定管理をしていましたので、中心市街地活性化、あとはもともとやっていました子育て支援事業、最近はシティプロモーション事業として雫石町と一緒に住民を巻き込んでお仕事のほうをさせていただいております。
 活動の場づくりと話し合いの場づくりを得意とさせていただいておりますので、よろしくお願いいたします。

高橋室長
 ありがとうございました。
 それでは、皆様から御紹介いただいたところで、ここからは今日のテーマ「地域を描く~幸せな未来を目指して」に沿って現在の取組ですとか課題、今後の方向、御自身の抱負あるいは県への期待なども含めてお話を願います。
 先ほどの順番で猪俣さんからお一人5分程度でお願いいたします。お二人からお話をいただいた後、知事からコメントをいただくという形で進めてまいりますので、よろしくお願いします。
 それでは、はじめに猪俣さんお願いします。

猪俣 広志
 それでは、テーマに沿いまして、私の現在の仕事でありますベンチャーキャピタルにつきまして、設立までの経緯、今までの取組状況、課題、これからの抱負などについてお話をさせていただきたいと思います。
 まず、設立までの経緯ですが、岩手銀行の前中期経営計画のテーマの一つに起業創業支援がございました。このテーマを推進するために、震災復興支援もいただいておりました経済同友会の御縁により新潟の事例を参考にさせていただき、平成25年には復興庁の「新しい東北」先導モデル事業の採択を受けまして、新潟の学校法人や東京ニュービジネス協議会の起業創業の取組を調査いたしました。その取組を自走させ、発展的に進めるために学校法人の龍澤学館、辻・本郷税理士法人などとともに平成27年4月に、岩手銀行では当時26年ぶりのグループ会社としまして、いわぎん事業創造キャピタル株式会社を設立させていただきました。
 今までの取組状況でございますが、会社設立後の同年6月には1つ目のファンドとしまして、10億円の規模から成ります岩手新事業創造ファンド1号投資事業有限責任組合、通称1号ファンドを設立いたしました。最初の投資先につきましては当地、紫波町の御出身の社長が経営する東京の株式会社エルテスでして、こちらの会社は翌平成28年11月に東京証券取引所マザーズ市場にIPO、株式上場を果たしました。
 現在まで岩手県内でベンチャー企業、岩手にゆかりのある企業や岩手県出身者が経営するベンチャー企業18社に6億円弱の投資を行っております。また、農業法人向けの成長支援を行うファンドとしまして、平成28年2月にはいわぎん農業法人ファンドを日本政策金融公庫、岩手銀行とともに立ち上げまして、これまでに八幡平市の酪農を営む農業法人、花巻市で養豚を営む農業法人2社に9,000万円の投資を行っているところでございます。
 課題でございますが、設立してまだ3年の会社でございまして、課題は山積しております。やはり地方創生として、起業創業の機運の醸成をするというのが最大の課題と考えております。これは、当社の知名度の向上も併せて取り組んでいるところでございまして、これまでのところは県内各地でセミナーを開催したり、共同事業者の龍澤学館が運営する専門学校や高校の学生、生徒向けに講義やセミナーの開催を進めているところでもございます。今後も継続した活動を進めてまいりたいと考えているところでございます。
 これからの私の抱負ですが、私自身この取組を始めさせていただきまして6年、岩手銀行に新会社を立ち上げてもらい、新しくでき上がったファンドが投資した岩手ゆかりの会社が株式上場を果たすなど一定の成果を上げることができたと思っております。
 ただ、課題でも御報告させていただきましたが、岩手銀行の中でもまだ知名度は上がっていないという状況でもございますし、社内はもとより岩手県内と岩手にゆかりのあるベンチャー企業に対してももっと岩手にベンチャーキャピタルがあるということをアピールしていきたいと考えております。
 岩手県様へのお願いもこの部分でございまして、是非岩手で新しく事業に取り組んでいこうとする若者や企業経営者をつないでいただく応援をお願いできたらと思っております。

高橋室長
 ありがとうございました。
 続いて、畑さんお願いいたします。

畑 めい子
 八幡平DMOの今年度の活動は、主に海外向けになりますが、まずは地域の観光に関する情報の収集や分析がございます。それをもとにターゲット国向けのプロモーション、あと地元の観光商品の磨き上げ、長年の課題である二次交通の整備検討実証事業。あと、いきなり外国人観光客が来てちょっとドキドキしてしまっている事業者の方が多いので、そういった心のハードルを下げるような受け入れ環境整備。あとは老朽化した施設や未利用施設をどのように活用していくかというような検討も、地元の事業者さんたちと一緒に考えていこうとしているところです。
 御存じのとおり、八幡平といいますと、八幡平という大きな観光ドライブコースがあったり、安比高原というスキー場があったり、あとは今年大きくブレークした「八幡平ドラゴンアイ」という雪解けの現象があるのですが、そういった岩手県北を代表する観光スポットであると考えております。昨年度ベースで年間の入り込みが約180万人、そのうち宿泊者の数が約50万人との数字が出ております。このうち外国人観光客が約7万人、多くの方が春か秋と、あとスキーシーズンの外国人の来客が非常に多くなっております。この宿泊者をどのように増やしていくかというのがまずは大きなテーマです。
 そのプロモーションの方法としては、紙媒体をつくっておりませんで、WebやITを活用した情報発信、まずはターゲット国向けに訪日メディアを持っている台湾とか、中国とか、海外の訪日メディア向けに情報発信を実施していくとか、あと外国人で日本に興味がある、スキーに興味があるという方に直接情報を届けるためにフェイスブックやグーグル広告等を使って情報発信をスタートしているところです。
 きれいな山を見ていただくだけでは地域にお金が落ちませんので、例えばトリップアドバイザーのような客観的な情報も活用させていただきながら、いかに宿泊を増やすか、滞在を増やすか、という工夫もしています。
 難しいと思っているのは、外国人観光客の受け入れに対して全ての事業者さんがイエスではないことです。やはり事業のスタイルもあると思いますが、今までの日本人のお客様を今までどおり大切にしたいという方もいらっしゃいますし、良からぬうわさを聞いて最初から拒否感を持っていらっしゃるという方も中にはいらっしゃるようです。なので、まず一番大事にしていることは地元の事業者さんとの合意形成、なるべく地元の事業者さんを訪問したり、お話を聞く機会、情報交換会などを設けて外国人観光客の誘客に興味があると手を挙げてくださった事業者さんとまずは一緒に手を組んで、さらに海外からWebで予約ができる体制を整えていくなど、そういった具体的なサポートを地元に向けて行っています。
 二次交通とか、情報発信とか、様々な今までの観光の課題がありまして、今はそこに対症療法を行っているような状況なのですけれども、今後は、八幡平の海外向け観光のブランディングをしっかり固めていきたいなというふうに思っています。その中で、まず外せないのがスキーだと思います。八幡平では数年前からCAT(キャタピラ付きの雪上車)を導入しまして、今休業している八幡平スキー場のほうにCATを上げてバックカントリースキーを楽しんでもらおうというプランを去年、一昨年テスト走行しまして、今年からいよいよ一般向けに実施する段階です。このバックカントリーというのは、例えばオーストラリアのスキーヤー等にとって非常に魅力あるコンテンツですが、八幡平だけではスケールが小さいのではないかと考えています。海外向けにPRしていくには東北各地のバックカントリーと手を組んで東北を周遊していくような大きいツアーを描ければいいなと思っておりまして、ここは自治体を越えた手の組み方が必要だなと感じているところです。
 また、八幡平市は東京オリンピック・パラリンピックのアフリカのルワンダのホストタウンとして先日登録が決まりまして、ルワンダとは八幡平市の農産物のリンドウの研究開発を通じて交流があり、せっかくオリンピック・パラリンピックという一生に一度あるかないかのチャンスで、地元にオリンピアンがやってきて交流をするということですので、これを契機に八幡平の皆さんにもっと観光地域の国際化ということを一緒に考えていきたいなと考えております。

高橋室長
 それでは、知事からお願いします。

達増知事
 猪俣さんはベンチャーキャピタルをずっとやっていて、岩手でそういうことをやっていてもらっているのは非常にありがたいと思っております。
 エルテスにまず投資というのはすごく良かったですよね。エルテスは上場も果たし、大変成功していて、実は県でもエルテスという会社、また菅原社長というのはすごいので、どう岩手県としてそのすごさを県民の力、岩手の力につなげていこうかというのをいろいろ考えているのですけれども、最後のところで、やはりまだこういう取組が知られていないところもあるので、それを知らせていく、つなぐ応援を県にという話もあったのですけれども、菅原社長だけをいきなり県民の前にさらしても理解できない部分とかがあるかなと心配していたのですが、猪俣さんと2人で登場してもらえば分かりやすくて、かつインパクトがあるのかなと。

猪俣 広志
 実際に菅原社長には上場された年が明けました平成29年1月に一度上場記念講演というのをやらせていただきまして、その際には東京で頑張っていらっしゃる男女4名のベンチャー企業の経営者にお越しいただきまして、大学生、高校生の方に参加いただいたセミナーもございます。このときは菅原さんよく頑張りましたという応援も含めて盛大にやらせていただいたのですけれども、そのような機会を大小合わせて継続していくということをやっていきたいなと、これも盛岡ばかりではなくて各地で。確かに菅原さんはゴールしてしまった経営者ですので、皆さん気おくれしてしまう部分もありますので、途中でレッドオーシャンというところで今必死にもがいているベンチャー企業もいっぱいいますので、そういった経営者とか、そういった方々を連れながら、自分でもチャレンジしたいなという機運を醸成できるような会を断続的というか、とにかく諦めず続けてやっていくというようなことで御一緒できればいいかなというふうに思っております。

達増知事
 東京などでベンチャー頑張ろうという若い岩手県人が結構いるんですよね。そこはここ5年、10年のところで大きく時代が変化しているなと思って、そういう人たちと岩手とのつながりをうまくやりながら、岩手の中にもそういうベンチャーを立ち上げるというのを促していくのが大事かなと思っています。

猪俣 広志
 東京でも先日、保副知事に参加していただいたMAIKEという東京のベンチャーの県人会がございまして、そういったものにも、これもどちらかというと懇親会、交流会なのですけれども、テーマを設けて勉強会をしたりもしていますので、東京でも岩手つながりがある、そういった経営者が帰ってきたときも岩手で勉強できるような体制をつくっていきたいなというふうに思っております。

達増知事
 昨日最終回だったわけですけれども、「ハゲタカ」というテレビドラマのおかげで投資というのが決め手になるのだみたいなことが改めて普通の人たちの間にも広まったと思うのです。いい技術があり、やる気と能力がある人がいて、足りないのはお金というときに投資でばっと進んでいくのだという、改めて岩手にそういうのを広めるいい時期にあるのだなと思います。
 畑さんですけれども、八幡平という単位は外国相手に情報発信するにもちょうどいいサイズなのではないかと思います。旧町村ごとだとちょっとあれなのですけれども、まだちっちゃい、西根とか、松尾とか、安代単位ではちっちゃかったと思うのですけれども、八幡平市というのがちょうどいいサイズになって、固有名詞的にも八幡平というのは好感度が高く、知られていくのにいい固有名詞ではないかなと思いますね。
 まず、情報の収集分析から始められているということでいいと思います。そういうところからドラゴンアイも多分出てきたのではないかと思いますけれども、誰も知らなかったというと大げさですけれども、岩手の人たちのほとんどが知らなかったドラゴンアイがもう今や文字通り岩手全体の観光の目玉として、私も例えば今年も台湾に出張して、岩手の観光を宣伝する際にはもうドラゴンアイの写真を見せるようになっていますからね、すごいと思います。

畑 めい子
 ありがとうございます。ドラゴンアイというのは、実は台湾の方が名前をつけたというふうに言われています。

達増知事
 そういえばそうだった。

畑 めい子
 地元のガイドさんも春の残雪期に八幡平をガイドするのですが、みんなあの雪解けの現象については知っていたそうです。でも、何か変な形で雪解けているよね、ぐらいの感じでみんな素通りしていたのですが、海外の旅行者の方が見つけてくださったことにより、印象が変わったということです。

達増知事
 インバウンドのそういう効果もあるという象徴でもありますね。

畑 めい子
 そうですね。

達増知事
 外国人観光客が消費者として来てくれるだけではなく、地域資源の発掘も実はしてくれるというのがやっぱり大事だと思います。そういう意味では、皆さんになじんでもらえばよく、八幡平は昔から国立公園でもあったから、よそから人が来ることには慣れているエリアだとは思うのですが、ただやっぱり外国人となると、日本人のよそから来る人とはまた違うのかもしれないのですけれども、慣れていってほしいなという感じはしますね。

畑 めい子
 おっしゃるとおりですね。

達増知事
 ルワンダの人たちが来れば、大分意識の転換になると思いますね、世界は広いみたいな感じで、なるほど国際化とはこういうことかみたいな、そういうイメージを八幡平市の皆さんが持ってくれればいいのではないかなと思います。

畑 めい子
 市民の方もルワンダのホストタウンに決まったということを御存じない方もいらっしゃるので、まずは地元の平舘高校さんと一緒に考えたいですね。

達増知事
 いいですね。

畑 めい子
 はい、受け入れのイベントを考えていきたいなと考えております。

達増知事
 ラグビーワールドカップのほうで、ナミビアのチームが来ることも決まったので、アフリカと岩手の関係というのは、今まで全然なかったという感じなのですけれども、アフリカは実は世界中から注目されている最後のフロンティアで、21世紀の中盤にかけてはアフリカというところがこれからどんどん人口も増え、経済も発展し、消費の力も伸びていくということで期待されていますので、ルワンダというのはいいのではないかなと思います。県も一緒にいろいろやりたいと思います。

畑 めい子
 ありがとうございます。ルワンダは、アフリカの中でも悲しい虐殺の歴史等もあったのですが、その後IT立国によって世界から注目を浴びています。アフリカの中でも非常に安全で、女性の社会進出力も進み、非常に評価の高い国ですので、アフリカの国というものの意識が変わるのではないかなと考えております。交流を大事にしたいと思っています。

高橋室長
 それでは、吉田さんお願いします。

吉田 貴浩
 今日のテーマが幸せな未来を目指してということで、このテーマを聞いたときに正に私が今これから地域の中で活動していこうというテーマの目指すところだなという形で感じさせていただきました。
 先ほどの自己紹介に続くのですけれども、私は今はもう完全に農家という形で農業を主軸に地域の中で仕事をやっているのですけれども、そんな中でサラリーマンのときには気づかなかった部分とか、そういう課題というのがどんどん見えてきた。その課題は何かというと、一つは農業の視点でいくと、私が関わっている農業というのはブドウなのですけれども、特に果樹、ブドウ、リンゴは県内でも多い果樹なのですけれども、一つの農業のくくりの中で考えると非常にちょっと特殊な部分がありまして、地域の中で例えば後継者がいないとか、後継者の担い手が少ないとかという部分の一番先に影響が出てくる作物になります。どういう部分かというと、果樹の場合は野菜とか、米とかと違って、苗を植えて当たり前に収獲できるまでにまず最低でも5年以上はかかってくると。生産がある程度安定するのが10年単位で考えなければいけない。なので私も今新しい苗を植えながら言っているのですけれども、これは次の世代のための投資みたいな部分なのです。なので、一度そこで途切れてしまうと、新規でやるにしても最初収入はないけれども、コストはかかってくるとか、そういう部分があるので、なかなか新しい人たちが入ってきにくい産業であるという部分と、もう一つはどうしても機械化がしにくい分野であるということで、私たちの地域は中山間地域なのですけれども、そこの中で残っているメンバーで規模拡大をしようかといったときもなかなか一度に規模拡大とか集約がしにくいということが一番の地域の課題になっている。
 あとは特にブドウの場合は、見たことある方であれば分かると思うのですけれども、施設が最初に必要になってくるのです。棚という施設、もしくはワイン用とかでも垣根という施設があるのですけれども、これも実際ここ何年かでかなり施設費が高騰しているということで、なかなか思い切って投資ができないという部分と、今ある施設というのが、特に紫波町の果樹施設の場合は昭和40年代の基盤整備とか、ああいう構造改善のときに建ったものが今維持されている状態なので、そろそろもう耐用年数も限界になっていて、そこで改修するにしても、10アール当たり二、三百万の投資がかかるという部分で、なかなかそれをちゅうちょしてしまう農家が多いということが果樹の振興の難しさなのかなと考えていました。
 そんな中で、私の住む赤沢というのは特にブドウが多い面積を占めているのですけれども、そんな中で人も減っていく、人が増えない。そんな中で、では農地を維持するといったときに水田は大規模の組合とか法人のほうにお任せするという形で何とかなるのですけれども、果樹園の維持というのが実際できてこないという部分で、今ここ何年か取り組んできているのが地域の中で個人で規模拡大するというのはいろいろハードルが出てくるので、そういう課題を一人で一軒の農家が抱えるのではなくて、同じ課題を持った農家で共有しながらその課題解決の糸口をつかんでいこうかということで、東葡萄倅倶楽部という20代から40代の農家の跡継ぎでグループをつくって、その中でいろいろ生産とか、あと販売の部分とかもちょっと考え方を変えてやっていこうとしています。
その中の一つが盛岡のサンファームさんというところとも一緒に取り組んでいるのですけれども、396フルーツラインプロジェクトという396号線、盛岡から遠野まで通っているのですけれども、そこの沿線の果樹農家、これはリンゴ、ブドウ関係なく全ての農家が一緒に一つの目標に向かってブランディングとか、あとは販売とか生産、あとは生産品目の集約とかという部分を取り組んでいこうという考えで今動いております。
 最初、やっぱりいざ農家が連携するとなったときに課題になっていたのが、なかなか396号線、盛岡から大迫、花巻、遠野なので、振興局をまたいでしまうという部分で、いざ行政が何か関わるというときに行政の部分での連携がうまくとれないとかという部分があったので、そこは行政を入れないで、まず農家単位でやってみようかということで始まったのが、パティシエツアーです。首都圏のパティシエさんたちをこちらに呼んで、実際に岩手にこういう農産物があるのだよ、果物があるのだよ、あとはこういう使い方ができるんじゃないかという逆に提案をいただいたり、あとは意外と往々にしてあるのが果樹農家というのは立派なものをつくって満足をしているというのが結構多いのですけれども、こういう活動をしていく中で気づかされたのが、それってやっぱり自己満足の世界なんだなということです。実際買ってもらう人、使ってもらう人たちに買いやすい、使いやすい、食べやすいとか、そういったものを使ってつくっていくというのもこれからの果樹栽培のあり方ではないかと。その前からパティシエさんとか、お菓子屋さんにいろいろ納めてはいたのですけれども、うちのやつ買ってくださいみたいな感じだったので、逆に相手がどういう使い方を、例えばリンゴだったらリンゴ、ブドウだったらブドウをどういう使い方するかというのは生産者側は余り管理をしなかったのです。そういうツアーの中で、例えばこういうリンゴ、こういうブドウだったらこういう使い方ができるとか、例えばブドウも使ってもらうためにやっぱりいいブドウをつくればよいという考えで、いい房のものを送っていたりしていたのですけれども、実はいい房のものを送るとケーキとかにトッピングするときに変形していたりするから使いにくいんだと。できればばら房のものとか、もう粒でもらえないかとかというような話もあって、ではこっちも粒でつくったり、房をまとめられてつくったほうが手数もかからないので、コストも下げられるよねという部分で、あえてばら房のブドウをつくったり、パティシエさんはパティシエさんで生産現場のほうでどうやればブドウができるかというのを実は知らないということもある。お互いの情報を共有しながらやっていくことによって、販路が増えるということと、あとは今までまじめに手をいっぱいかけてつくっていたものをもう少しコストを下げて使いやすいとか、皆さんの手に届きやすいものにつくりかえることができるとかというような視点というか、意識を変える取組をしております。
 もう一つ、地域の中でもこういうメンバーができたことで、やっぱりなかなかそこに行くという、たどり着くというのはすごくハードルが高い部分もある。自分の経営に置き換えた場合に、それってどうなのだろうねということで、実際に農業者としての経営の意識という部分の持ち方も変えていくというか、今までより幅広い視点を持てるような形での農業者を育てていくというような活動も一緒にさせてもらっています。もう一つは、地域の中で農業を続けていく上で、一番課題になってくるのは地域がなくなったらば、その地域で農業をするという意味もなくなるし、何のためにやっているかという理由もなくなるということです。では地域をどう維持していくかという部分で、明らかに10年後、20年後と考えた場合に、今よりも人は減る地域だというのはもう見えているので、では人が減った場合にどうするかとか、あとは減らないようにするにはどうするかとか。地域の課題に一番最初に気づいた人たちというのが今まで地域にいた人たちではなく、地域に入ってきているお嫁さんたちがすごくそこを気づいている。そういう人たちが地域の中で声を上げられるような場をつくりながら、どんどん、どんどんそういう地域の課題とか、地域のニーズというのを目に見える形にして、それを地域の中で形にできるような場づくりをしていこうとしています。KOMABAテラスプロジェクトといって、たまたま地域にできた空き家を使って、そこを地域の子どもから大人まで、おじいちゃん、おばあちゃんも集まってお茶っこ飲みできる場だとか、あとはそこでいろいろ話できる場にする。また、私たちの地域は中山間地域ということもあって、例えば子どもたちが塾に行くとかといった場合に、どうしても送り迎えしなければいけないということで塾に行っている子がほとんどいない地域なのです。そうなったときに、地域の中でそういう塾に代わるような仕組みがつくれてもいいのではないかとか。そういう地域の中での仕組みづくりとか、場づくりというのをやっていこうということで去年から活動し始めています。
 そんな中で、今後どうやっていこうかと考えた中で、まずは地域の皆さんもいろんな年代によって持っている意見というのは違うので、各年代の意見とか、ニーズとか、思いというのを一回聞き取りしようということで、今度全住人アンケートというのを実施しようと考えています。それをやることによって、今度は地域の人たちの視点とかというのも意識づけができるのかなという部分と、私たちの活動の中でも、ではどの切り口からいけばいいのかとか、今後どういう方向性で進んでいけばいいかという道しるべにもなるのかなと考えています。
 ということで、私たちが動いている部分というのが、農家が基本なので、農業を中心にした地域づくりということを常に意識しながら、その中で、どんどん、どんどんいろんな形で農業のほうもそうですし、地域活動のほうも変化していくので、それにどう対応しながらやっていくかということを考えながらやらせていただいております。

高橋室長
 ありがとうございました。
 続いて、金谷さんお願いします。

金谷 克己
 私は、デザインの仕事をしていると言いましたが、デザインの仕事というのは、人に説明するときに非常に難しいところがあります。以前は人に紹介されるとき、「岩手美少女図鑑」のディレクターをやっていたころは、美少女図鑑の人というふうに説明されていましたし、「いわてデザインデイ」の実行委員長をやっていたときはデザインデイをやっている人というふうに言われました。最近「十三日」をオープンしてからはまちづくりの人と言われております。実際に川徳、モス、クロステラス、ななっく、フェザンの5店舗が盛岡の中心市街地活性化を目的に活動している「MORIOKA 5STAR」という団体があるのですが、月1回各団体の役員の方々と一緒に地域のまちづくりを考えるような企画会議に出席したり、様々な行政機関や市町村から呼ばれて、畑さんがやっているようなDMOをつくりたいとか、空き家をリノベーションしたいとか、人材育成したいとか、まちをブランディングしたいというような相談を数多く受けるようになってきました。私は一人でやっているのですが、県内、二戸、一関、西和賀、釜石と様々なところから相談を受けております。
 去年「デザインとビジネスの学校」というプログラムを、前こちらにも参加したモリノバの淺野聡子と一緒に企画したのですけれども、今はビジネスにデザインを取り入れていこうという意識が非常に高くなって来ていると感じます。1回1万円のプログラムだったのですが、毎回30人くらいの方に受けていただきました。私は、今地域に、岩手県に足りないものはデザイン教育だと思っております。デザインというと、どうしても図案というふうに思われているのですけれども、実はデザイン的な考え方というものが非常に重要だと思っています。以前に5年間くらい盛岡情報ビジネス専門学校のデザイン科というところで授業を行ったこともありますし、今も時々産業技術短期大学校のほうでも講義を行うのですが、デザインのテクニックを教える授業はあるのですが、いわゆるクリエイティブな考え方というか、デザインをビジネスにどう活かすかを教える学科というものが岩手県にないということを非常に危惧しております。山形県には東北芸術工科大学という大学があって、そこでいわゆるデザイン的な考え方をできる人材をたくさん輩出しております。これが何年かすると地域にとって大きな差になっていくのではないかなと考えております。
 やはり県立大学あたりに、コミュニティーデザインとか、ソーシャルデザインとかを学べる「地域デザイン学部」みたいなものを是非つくっていただいて、そちらの中から将来的に地域の中でいろいろな活躍ができる人材を生んでもらいたいなというのが私の願いでして、今後そういった教育的なものに関わっていけたらと考えております。
 また、行政機関の中で、デザインの仕事というと、発注というと入札があったりとか、予算とか、仕様が決まった中で初めて公募をかけられる場合が多いのですが、実はその前の段階でいろいろなアイデアというものの芽が潰されてしまっているのではないかなと思うことはよくあります。特に建築であったり、イベントであったり、そういうものが仕様が全て決まった後で発注されてしまっても、やりたいことが本当にできないということが非常に多いかなと思っております。
 実は昨日、インターナショナルギフトショーというビックサイトで行われたものに行ってきたのですが、佐賀県の有田焼のブースがあったのですが、非常にデザインがすばらしく良くて、見せるというものに非常にお金をかけているなというのを実感として感じました。岩手県の事業者さんでギフトショーに参加している業者さんは非常に少なかったのですが、こういった見せるというところが県内の事業者さんは苦手だなと思っております。物をつくって終わりではなくて、それをどうやって人に届けるか、そこにデザインの要素というのが非常に強く反映されます。またいろんな方々と交流できて、それをコーディネートできる人材というのが岩手県の中に非常に少ないのではないかなと思っております。例えば物をつくって、それを届けるときに自分でそれを届ける、発信ができないときに誰とつなぐかとか、そういうコーディネートできる人材というのがやはりすごく今の県の中では少ない。人と人をつなぐだけではなくて、技術と技術をつないでいく、それを岩手県と東京だけではなくて、地方と地方をつなぐような人材育成が今後課題ではないかなというふうに考えております。
 私の事業としましては、多岐にわたるのでなかなか一口には言えないところではあるのですが、今後はそういった人材育成に関わるような仕事をしていきたいなというふうに考えております。

高橋室長
 ありがとうございました。
 それでは、知事からお願いします。

達増知事
 吉田さんのお話は農業というところを立脚点にしながら地域づくり、また396フルーツラインといった広域連携みたいなところまで話が及んで、岩手全体農業を核にしながら地域づくりというのが大事なので、非常に参考になりました。
 赤沢は産直もフルーツで、リンゴやブドウであふれていて、岩手を代表するようなフルーツ産地なわけですけれども、そうですね、苗を植えて5年、10年ということで、やっぱり長期的視点が必要で、そのためには地域づくり全体から取り組んでいかなければならないということがよく分かりました。
 全住民アンケートなんていうのはグッドアイデアだと思います。なかなか県とか市町村とかも民意を知りたいと思っても、そういうきめ細かなアンケート、またそれに対する対応なんていうのは赤沢地区みたいな単位でやってもらうと非常に効果的なのだなと思いますね。
 ブドウもリンゴも県としても岩手の農業全体、更には農業だけではなくて岩手全体のイメージを売り込むのにもいいなと思っていまして、試しに冬恋というリンゴでそういうことをやってみたりしたのですけれども、去年12月14日は「いわて冬恋day」とか言って。だんだん冬恋だけではなくて、まだ日本のどこでもやっていないようなリンゴ推しの企画とかもまたやっていきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 金谷さんのお話で、なるほどデザインというところからブランディングとか、あとリノベを通じて場づくりとかというのはもう本当に地域づくり、地方自治、地方行政の核になるような部分まで広がっていくことなので、大事なのだなと思いました。
 特にリノベというのは、マルカン食堂再生の話みたいに直接的には不動産だったり、そこの修繕のような技術的、専門的な話なのだけれども、それが地域づくりの多くの人を巻き込む大事な要素だということで、最近若い人たちがリノベに注目し、リノベをやろうということで集まったりするというのが地方自治において非常に重要なトレンドだと思っているので、そのリノベというのにデザインという考え方とアプローチが非常に重要な役割だということで、県のほうでもリノベについていろいろ促すような施策をとろうと、リノベ塾みたいなのを県でもやったりとかもしているのですけれども、デザインについても学びましょう。
 デザインの考え方を教えるところがないというのは確かにまずいことでありまして、デザインというのは広告なんかでクリエイティブという言葉もありますけれども、素人目には自由な創造の世界、デザインする人の頭の中の世界みたいなイメージを普通の人は持つかもしれないのですが、本質は受け手本位に現実を組み立てていくという、むしろ非常に川下的というか、買ってもらえるかどうかとか、そしてまた買った人がどう使うかというような、非常に消費者本位、使う人本位、それはイコール地方自治、地方行政からすれば住民本位ということなので、民主主義的というか、非常にデモクラティックな考え方というのがデザイン的考え方の基盤にあるのだと思います。それなしで行政をやろうとすると非常にまずいことになるのだけれども、つい行政はそういうデザイン的考え方が足りないままいろんな事業を組み立てたり、イベントをやったり、建物をつくったり、ホームページをつくったりとかというふうになってしまうので、そこはやっぱりデザインを学びながら、そしてデザイン人材の育成ということにも力を入れながらやっていかなければならないと思いました。

金谷 克己
 是非よろしくお願いいたします。県の工業技術センターさんからも是非デザインの必要性について知事に陳情してくれと言われましたので、よろしくお願いいたします。

達増知事
 はい、ありがとうございます。

高橋室長
 勉強に参ります。
 それでは、大変お待たせいたしました。櫻田さんお願いします。

櫻田 七海
 先ほど自己紹介のときにもお話しさせていただいたのですけれども、地域づくりとか、中心市街地活性化ということで年間約300回ほど夜な夜な住民の皆さんと会議だったり、お話等をさせていただいています。主に雫石町を拠点としているのですけれども、雫石町の中でも4つの地区に分けて、更には集落とか、行政区単位で支援をさせていただいていまして、知事が最初におっしゃったとおり人口減少、超高齢化というところが雫石もすごく課題になっております。その課題の中でも、1つがすごく役を持っているのが60代から70代の方々で元気な高齢者と言われる方々なのですけれども、その役がすごく重たいといいますか、行政区長一つにしてもすごくいろんなことをやっていて、本当に大変だよねというのをよく聞かされます。特にも行事の負担というのは、田舎のほうに行けば余計なのかもしれないのですけれども、運動会があったり、収穫祭があったりとか、昔からずっと続けている行事をなかなかやめることができなくて、行事の負担というのを感じているようです。
 その中でも、雫石町では今夜もあるのですけれども、行政区長とか、自治会長を集めて行事の棚卸しというようなことをしていこうと、話し合いの場をつくり始めました。自分たちで恐れずにやめる。あとはうまくいっているところの話を聞いてうまくやる手法を聞いてみる。そういうことをまた考え始めたのですけれども、そのように先輩方が一生懸命考えてくれている行事に対して、今度は世代間ギャップがあって、私とかあと子どもたちの世代は一生懸命考えてくれる、地域の行事に対してなかなか関わりを持たない。でも、それは世代間ギャップと言ってしまえばすごく簡単なのですけれども、やっぱり親の働く時間だったりとか、親の都合にすごく子どもの経験が左右されてしまうというのが大きな課題だなと思っています。大人の時間とか、親の都合に左右されずに子どもが様々経験することが、地域で子どもを見ることができれば、地域に愛着を持って郷土愛ということで都会に出ても、また岩手県なり雫石に戻って来られるような仕組みをつくれればいいかなと私は思っております。
 ただ、私もまだまだ若輩者なのですけれども、やっぱり地域課題というのは本当に多様になってきていますし、ニーズというのがすごく多いかなと思っていまして、もう既に人材育成というか、金谷さんもおっしゃっていましたけれども、地域の話を聞けるとか、地域づくりができる人材育成というのは早くやっていかなくてはいけないなと思っています。今大学生さんとか、よくインターンとかありますけれども、県立大の学生さんとかのインターンを受け入れたいですし、大学だけではなくて、例えば県立高校さん、雫石高校とかもすごく生徒さんが減ってきているのですけれども、高校生のインターン、あとは失礼でなければ行政の若手職員さんのインターンとか、そういうのも受け入れて、一緒に学んでいければなというふうに考えておりました。
 職業の中で、看護師さんとか、今で言うとユーチューバーになりたいとか、子どもたちの職業の選択の中に地域づくりをする人という欄ができるようになるといいかなと考えております。

高橋室長
 ありがとうございました。
 知事からお願いします。

達増知事
 そうですね、NPO法人に公務員がインターンというか、勉強に行くというのはいい話かもしれません。
 そして、雫石町というのは雫石あねっこに象徴されるような歴史と伝統がある一方で、新しく建てられた住宅地もあって、新住民もいて、雪祭りでインバウンドの受け入れを強化しなければならないということで、県もそれで建物を建てたときに地元で外国語ボランティアの人がちゃんと雫石町内にいたりするので、これはすごいなと思ったりしました。だから、本当に農村型のライフスタイルと先端的な都市的な生活とかも両方あって、両方やるのは大変かもしれないけれども、うまくやれば非常に可能性があるのが雫石町なのだと思います。
 行事について高齢の皆さんがいろいろ工夫したのが子どもや若い人に合わないのはデザイン性に欠けているからかもしれないのですけれども、そういうところのデザインが多分大事なのだと思います。
 あとは子育てサポートからスタートして、広く地域づくりにというのは非常にいい発展の仕方だと思いますね。何のための地域づくりかというときに、やはり孫子の代に引き継いでいける地域というふうなことが核心だと思うので、やっぱり子どもの視点というのが薄いまちづくりというのはうまくいかない中、子どもファースト、チルドレンファースト的なそういう取組になっているというのは非常にいいと思います。

高橋室長
 皆様から一通りテーマに沿ったお話を伺ったところです。まだ予定の時間に余裕があります。ちょっと冒頭申し上げたよりは熱心にお話いただいたので、ちょっと時間短めですけれども、時間があります。先ほど言い足りなかったこととか、あるいは懇談全体を通じての御感想等で結構です。ここからは自由に御発言いただきたいと思います。いかがですか。
 先ほど遠慮されたこととかあるのであれば。

金谷 克己
 私は、最近農家の方から非常にデザインの相談を受けることが多いのですが、吉田さんもデザインとかの重要性というのは感じることはありますか。

吉田 貴浩
 そうですね、実際にそれこそ外の人たちとつき合うようになってから、私も農家でありながら新規就農者とかの研修を受け入れたりする中でずっと思っていたのが、農業研修というと農業の栽培技術とかという部分を教えるほうだったのですけれども、果樹とかやってみて思うのは、技術というのは逆に後からついてくるのではないか。何か販売するとき、例えば何かブランディングというと農家のグループでもあるのがラベルをつくるだけとか、いろんな商品が並んだときにいろんなものがあるだけということになってしまう。農作物もそうですし、それをどういう考え方で、どういうコンセプトでつくっているか、それが全て販売先に並んだときも、商品が一つずつそういういろんな商品がただ並んでいるというのではなく、例えば私が松原農園でつくっているもの、松原農園というものの思いが商品売り場に出るような部分で、考え方とかデザインというのはすごく持ってやっていかなければいけないのかなと最近感じるようになってきていました。

達増知事
 パッケージとかロゴデザインとか。

吉田 貴浩
 そうですね、パッケージとかロゴデザインというのは結構単発でやることが今まで多かったのですけれども、そうではなくて、何のために農業をやっているのだ、ブドウをつくっているのだと。それをパッケージにしたときに何を伝えたいかという部分とか、農産物の価値を高める生産者の思いとか何かを乗せると。その思いというのをどういう形で乗せていくかとかという部分がやっぱりそういうデザインとか、そういう部分に関わってくるのではないかなと、いろんな人たちとつき合うようになってから、それを意識するようになってきています。なので、地域の中で農家のグループで一緒に動くにしても、その考え方とか、農家個々の思いをどう乗せていくか。一番これを思うきっかけになったというのがすごくショックだったことが一つあって、関東とかのほうのマルシェとかに何回か出て販売したことがあって、そのときに「えっ、岩手でブドウつくれるんですね」と。

達増知事
 おやおや。

吉田 貴浩
 はい。一度だけだったら、まあ、知らなかったんだろうなと思うのですけれども、何度もそれを言われたことがあって、それがすごくショックで。関東のパティシエさんとか、料理人さんとかとつき合うようになって言われたのが首都圏の場合は長野、山梨という果樹産地があって、近いほうからとればいいのに、あえてわざわざ福島というところも通り越して岩手の果物を買うのは私たちに何かメリットあるのですかということも言われたことがあるのです。そういったときに、わざわざ東京、関東のほうから私たちの岩手のものを選んで買ってもらうためには、やっぱり、ほかの産地にはない、味もそうですけれども、その思いとか……

金谷 克己
 ブランディングが必要ですよね。

吉田 貴浩
 そういう部分というのがやっぱり今までやっていなかった部分なのかなという部分だし、やっていかないといけないのかなという部分、それをどう商品に乗せていくかというのを考えるようにここ何年かなっていました。

達増知事
 ワインを宣伝するときに温暖化の関係で、今一番ワインに適した産地は岩手のあたりだという話を使ったりもするのですけれども。

吉田 貴浩
 そうなんですね。果物とかワインというのは産地の味、特にワインなんかテロワールとかありますね。あれって産地の味とか風土だと思うので、適しているかどうかという部分よりも、例えばワインであれば岩手のワインって何なのだといった部分だと思う。今よく言われているのが酸の質がいいとか、そういう部分。それって、ほかとどう違うのかという部分も、飲んでみてくださいというのは簡単なのですけれども、飲まないで手にとってもらうにはどうしたらいいかということを考えないといけないと思うので、そういう部分で考え方とか。

金谷 克己
 農家でも畑さんがやっているような地方の観光PRでもそうなのですけれども、全国に似たようなところがいっぱいあって、自分たちがいいところを宣伝していっても、大体同じようなものになってしまうのです。その中で、例えばこういうところは、ほかにはないところだというところを突出してちゃんとコンセプトを立てて人に伝える、見せるということをすると抜けたものになっていくというふうに思うのです。西和賀町でユキノチカラをやったときも雪というマイナスのものがあるから、逆にプラスにこういった食べ物がおいしいのだというような、そこに集中してPRしたのです。それをきっちり根幹を立ててブランディングしていくといろいろ伝わっていくかなというふうに思います。

高橋室長
 ほかにはいかがですか。

畑 めい子
 そうですね、八幡平市ですと八幡平市のキャッチコピーが「農と輝の大地」ということで、農業と観光を軸に地域を盛り上げていきましょうということなのですけれども、観光側から考えるといろんな農作物をつくっているのですが、それをどうやって体験できるのですかと、本当に食材をおいしく味わえるレストランがそこにありますかとか、その食材を最高に生かしてくれるシェフがそこにいますかというとなかなかそういった方々が地元にいなかったりして、なかなか食の発信というのは難しいですよね。
 だから、本当に観光という分野というのはいろんな分野の方々と組めるなと思っておりまして、地域の食材を盛り上げるために東京からシェフを呼んできてハーベストレストランというイベントも年に1回は開催しているのですけれども、今後そういった「観光×他分野」という掛け算の取組みたいなものが非常に大事だなと今日改めて思いました。

金谷 克己
 先ほど自分の紹介のときに言ったのですが、今度、県南地区で五感市というイベントを行います。新潟の燕市と三条市が工場の祭典という工場見学を観光にするという事業を行って、非常に成功を収めていまして、今工場を開くことでふだん見せていない仕事の裏側を見せるということで観光につなげようという取組をしております。今年11月に5つのツアーを組んで、工房を回るというオープンファクトリーを行います。そうすると、BtoBの仕事が人に見てもらうことで観光になるという、もちろんそこにデザイン的な要素も入れていかないとエンターテイメントとして楽しんでもらえないのですが、観光ではないものすら観光にしていくことができるというのは非常におもしろい取組かなと思いますので、是非知事にも見ていただきたいと思っております。

高橋室長
 間もなく予定の時間ですけれども、最後にこれだけはということがありましたらお話しいただきます。よろしいですか。

宮野局長
 では、私からも。盛岡広域振興局もいろんな産業振興に取り組んでいますが、特に、ITと観光、食産業、この3つに力を入れていました。そういう意味で、今日、皆さんの取組のお話を聞いて、非常に心強く感じたところでございますので、これからもよろしくお願いします。
 冒頭に申し上げたとおり、広域振興局はより現場に近い組織ということで、言ってみればそこの地域の皆さんに寄り添って市町村と一緒に仕事をしていくということが役回りでございますし、縦割りではなくて横割りで物を考えていくということも振興局の役割だと思います。そういう意味では、観光産業も総合的に、農林水産業も入れて横割りで進めていく組織でもございますので、今後とも皆様と連携して進めていきたいし、何かありましたら是非声をかけてください。
 さっき吉田さんから大迫のほうが県南広域広域局にまたがる話がありましたが、実際にほかの広域振興局ともかなり連携して動いている部分があります。農業でも薬草の栽培であったりとか、ホップの栽培であったりとか、当然またがっています。ですから、そうしたところは連携してやるようにかなり意識は高めておりますので、何かありましたら是非遠慮なくお声がけいただきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。

高橋室長
 では、皆さんありがとうございました。

知事所感

高橋室長
 最後に、知事からお願いします。

達増知事
 広域振興局をまたぐ事業についても、今度やる塩の道も盛岡広域と沿岸にまたがる塩の道沿いに関連する食のイベントをやるということで、県もともに走りながらやりますので、396フルーツラインプロジェクトは、立ち上がりに県が関与できなかったのは申し訳ないと思いますけれども、今からでも遅くないので、是非うまくやりましょう。
 そして、それぞれ最先端の分野で、また地域に根差した取組をされていること、大変参考になりました。是非県政のほうにも様々取り込みながら取り組んでいきたいと思います。
 このメンバーでまた集まるというのは、今そういう予定は具体的にはないのですけれども、何かあればいつでも広域振興局あるいは私でもいいですし、県のほうに直接言ってきてほしいと思いますし、またいろんなところで一緒に仕事をしたり、会うこともあると思いますので、よろしくお願いいたします。今日はどうもありがとうございました。

高橋室長
 皆様、大変ありがとうございました。

閉会

高橋室長
 これをもちまして、県政懇談会「がんばろう!岩手」意見交換会を終了いたします。

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