「がんばろう!岩手」意見交換会(平成30年6月4日 釜石地区)

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ページ番号1000819  更新日 平成31年2月20日

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日時
平成30年6月4日(月曜日)10時30分から12時05分まで

場所
チームスマイル釜石PIT(釜石情報交流センター 多目的集会室)

出席者(敬称略)

  • 参加者(敬称略)
    熊谷 友行(新日鐵住金株式会社釜石製鐵所総務部)
    小山 明日奈(藤勇醸造株式会社広報・商品企画開発担当)
    遠藤 ゆりえ(特定非営利活動法人かまいしリンク 代表)
    松橋 康弘(有限会社城山観光 常務取締役)
    岩間 妙子(一級建築設計事務所 アトリエ・イスト)
  • 県側
    知事、沿岸広域振興局長、秘書広報室長

開会

高橋室長
 ただいまから県政懇談会「がんばろう!岩手」意見交換会を開催いたします。
 皆様には、御多忙のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 今日は、「復興の先を見据えた豊かな三陸の振興に向けて」を懇談テーマとし、この釜石・大槌地区で産業や地域づくりなど様々な分野で地域の振興に向けて取り組まれている方々にお集まりいただいております。
 私は、本日の進行役を務めます県の秘書広報室長の高橋と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

知事あいさつ

写真:懇談会の様子1


高橋室長
 それでは、開会に当たりまして知事から挨拶申し上げます。

達増知事
 皆さん、おはようございます。県政懇談会「がんばろう!岩手」意見交換会ということで、この県政懇談会というのは昔からあるものなのですけれども、「がんばろう!岩手」というタイトルがついたのは東日本大震災津波の後でありまして、特に東日本大震災津波からの復興の現場で地域に根差して、あるいはそれぞれの分野の先端で活躍している皆さんの御意見を伺って県の施策の参考にしていこうということでやっています。この釜石市、大槌町、この釜石エリアは東日本大震災津波、そこからの復興の中でも全国から特に注目されているところといってもいいのではないでしょうか。地元の底力と様々なつながりの力を合わせて力強く復興を進めているというふうに感じています。
 震災から丸7年経過し、8年目に入って、私は復興の計画を震災直後に皆さんと相談しながらつくっていくときに、未来に追いつく復興という考え方を示しまして、それは例えば今年度が終わると震災から大体丸8年たつことになるのですけれども、8年後に2011年3月11日の状態に戻っているようにする、8年かけて元に戻すというような復興ではなくて、8年後には8年先にあるべき地域の未来に追いつく復興でなければならないというふうに考えていました。元に戻す復旧・復興という部分もあるのですけれども、ただ防災面でもより安全にということになりますし、生活面でもより暮らしやすく、そして地域の経済、産業の関係でも新しい時代にふさわしい、より進んだ形の経済、産業の形につくっていかなければならないというふうに考えていたのですけれども、今日お集まりの皆さんは、そういう意味で震災前の状態よりも良くなる、未来に追いつく復興の先端を進んでおられるなと思っておりまして、是非それを全県にも発信していきたいなというふうに思います。
 国連の世界防災会議でもビルド・バック・ベターという言葉がスローガンになっていて、これはビルド・バックまでだと元に戻すという再建という意味なのですけれども、ビルド・バック・ベターにすることで、元よりもより良くという意味になって、より良く直す、それは元のとおりということではなく、前よりも良くするという意味の復興というのを国連の防災部局のスローガンにもなっていまして、岩手の復興もそうでなければならないと思っています。今日いろんなお話を伺うことができるのを楽しみにして来ましたので、どうぞよろしくお願いいたします。

高橋室長
 それでは、この後の進め方についてですが、まず私から御出席の皆様方を御紹介いたします。その後、お一人ずつ自己紹介をお願いいたします。その後、本日のテーマに沿ってお話をいただきますが、お二人のお話があった後に知事がコメントをするというような形で区切りながら進めたいというふうに考えております。そして、最後に自由懇談の時間も設けたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、座席表に従い本日御出席の皆様を御紹介いたします。
 新日鐵住金株式会社釜石製鐵所総務部、熊谷友行さんです。

熊谷 友行
 よろしくお願いします。

高橋室長
 お隣、藤勇醸造株式会社広報・商品企画開発担当、小山明日奈さんです。

小山 明日奈
 よろしくお願いします。

高橋室長
 お隣、特定非営利活法人釜石リンク代表、遠藤ゆりえさんです。

遠藤 ゆりえ
 よろしくお願いします。

高橋室長
 テーブルがかわりまして、有限会社城山観光常務取締役、松橋康弘さんです。

松橋 康弘
 よろしくお願いします。

高橋室長
 お隣、一級建築設計事務所アトリエ・イスト、岩間妙子さんです。

岩間 妙子
 よろしくお願いします。

高橋室長
 県からは達増知事、沿岸広域振興局の石川局長が出席しております。

石川局長
 よろしくお願いします。

高橋室長
 また、本日は釜石選挙区選出の県議会議員の、私の正面、お席が後ろのほうになって恐縮ですが、岩崎友一議員です。小野共議員にもお越しいただいております。

達増知事
 ありがとうございます。

高橋室長
 よろしくお願いいたします。
 ちょっと飲み物を準備しておりますが、皆様のお手元のお菓子をお召し上がりながら御懇談いただければと思います。まず、本日のお菓子を紹介いただきます。

石川局長
 それでは、お手元のお菓子について御紹介いたします。
 お菓子の名前、ここに書いてありますけれども、十割糀みそケーキということで、市内ではアンジェリック洋菓子店さん、イオンタウンさん、道の駅、マイヤさんなどでもお買い求めできるというふうに伺っています。
 このケーキは、本日御出席いただいております小山さんが開発、商品化して、岩手ぅんめぇ~もん!グランプリ(2016)でも見事優秀賞を獲得されたというふうに伺っております。せっかくですので、小山さんのほうからこのケーキについて御説明いただけますでしょうか。

小山 明日奈
 藤勇醸造としては初のスイーツでして、誕生のきっかけとなったのが震災以後に釜石市へ来られた東京在住の女性との出会いがきっかけとなり、その方と一緒に釜石と東京の新しい関係づくりをしようというお話になって、地域を越えた女性ならではの商品開発というところで誕生したケーキになります。製造はアンジェリック洋菓子店さんで、ケーキの中に入っているお味噌は震災後に発売した、こちらは岩手県産米と大豆を100%使用したお味噌でして、糀の甘みとうまみが生地に絶妙にマッチしていて、香ばしいクルミもアクセントになっていて、甘じょっぱい味わいです。三陸では甘じょっぱい食文化というものがあって、かまだんごとか……

達増知事
 そういえば。

小山 明日奈
 はい。お雑煮にクルミだれをつけて食べたりとか、そういった食文化とも相まって、地元を中心に徐々に広がっていって、今では盛岡、仙台、東京などでも販売をしています。

石川局長
 ありがとうございました。それでは、お手元にビールもありますが、こちらは後ほど松橋さんのほうから御紹介いただけるというふうに伺っております。お手元のケーキのほうをお召し上がりながら進めさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

達増知事
 甘じょっぱい感じがいいですね。

小山 明日奈
 ありがとうございます。

達増知事
 やっぱりクルミが入っているのがいいですね、アクセントになって。

小山 明日奈
 はい、食感も結構楽しめます。

達増知事
 ええ。

高橋室長
 ビールがあるからではないですけれども、アルコールにも合いそうですね。

小山 明日奈
 そうですね。

達増知事
 うん、合いそう。

懇談

写真:懇談会の様子2


高橋室長
 では、飲み物のほうも用意できましたので、召し上がりながら進めていきたいと思います。それでは、懇談のほう、まずお一人2分程度で自己紹介をお願いいたします。では、お話しいただく順番は熊谷さんから座席順にということでお願いいたします。
 それでは、熊谷さんよろしくお願いします。

熊谷 友行
 それでは、よろしくお願いいたします。新日鐵住金釜石製鐡所総務室の熊谷と申します。
 私は、もともと釜石の出身なのですけれども、高校まで釜石にいまして、大学から埼玉で、就職は東京ということで、しばらく県外のほうに出ていたのですけれども、大体3年前にちょっと東北のほうに帰ってきて、こちらで働きたいなというふうに思いまして、それで現在の会社にいわゆるUターン転職という形で入社したというような形になります。
 現在の仕事なのですが、釜石製鐡所の不動産の担当として働いています。例えば復興関連の工事、今様々なところでやっているのですけれども、そういった工事業者さんの現場事務所用地として土地を貸したりですとか、あとは復興住宅用地として土地を売却したりとか、そういった管理の、土地の管理ですね、といった部分を仕事にしています。
 それとあとは総務室という仕事柄なのですけれども、様々な地域の方との窓口というか、なることが多くなっていまして、その中の一つでKAMAISHIコンパスという事業があるのですが、これは高校生のキャリア教育事業ということでやっていまして、そのKAMAISHIコンパスは、地域内外のさまざまな企業ですとか、団体の方が高校生にいろんな話をしてきてというようなキャリア教育事業になります。私もその事務局として、今年からなのですけれども、参加をしています。

達増知事
 すごい。

熊谷 友行
 はい。そういったところで、本日はどうぞよろしくお願いします。

高橋室長
 ありがとうございました。
 では、小山さんお願いします。

小山 明日奈
 藤勇醸造株式会社の小山明日奈です。主に広報、商品開発を担当していまして、高校卒業から山梨の大学へ行って、東日本大震災のときにちょうど卒業の年で、釜石に帰省していた際に震災に遭ったのですけれども、その翌月にカナダのワーキングホリデーが決まっていて1年間行ってきまして、その際に盛岡市の姉妹都市のビクトリアというところに訪れて、すごく花であふれていて、美しいまちだなというのも見てきました。その後、日本に戻ってきて東京で仕事をして、5年前に釜石にUターンしてきました。それから釜石のNPO法人でスタッフとして勤務しまして、3年前に藤勇醸造で働き始めて、今に至ります。
 藤勇醸造の話をしますと、明治35年の創業より八幡製鉄所との人の縁によって、九州の甘口の醤油が三陸の海の幸に合うということで、三陸の食文化として根付いたというところがきっかけで、看板商品である富士醤油というのがこちらのリーフレットに載っているのですけれども、こちらのお醤油を中心として三陸沿岸で100年以上親しまれています。
 お醤油のイメージが強いかと思うのですが、もともとは味噌の醸造から始めた会社でして、現在はこういったみそケーキとか、味噌の商品に力を入れています。震災当時は、津波により工場が浸水し、製品が出荷できない期間がありましたが、無事多くの御支援をいただいて再開することができました。
 震災後から新商品開発や地元のコラボ商品の販売も積極的に行っています。また、昨年から食育の取組として地元小学校や地域のイベントと連携した味噌づくり教室なども開催しています。

達増知事
 おいしいですね、このケーキも非常にうまいです。

小山 明日奈
 ありがとうございます。

高橋室長
 それでは、遠藤さんお願いいたします。

遠藤 ゆりえ
 おはようございます。特定非営利活動法人釜石リンクの遠藤ゆりえと申します。今日はよろしくお願いします。
 私たちのNPOでは、インバウンドの推進とラグビーワールドカップの釜石開催のプロモーションという2つの事業を主にやっております。釜石で来年ラグビーワールドカップが開催されるのですけれども、誘致から関わってくる中で、民間レベルでの盛り上げだったりとか、釜石をどうやって世界に発信していくのだとか、そういったところを2012年にNPO設立してからやってきました。
 2015年3月に誘致が決まってからは、ワールドカップが割と行政マターというか、岩手県と釜石市で開催するということで、組織力が非常に大きくなってすごく頼もしいなと思う反面、民間レベルでのスタジアムの活用だったりとか、もうちょっと市町村を越えて東北全体で連携していくとか、何かそういったことに重点を置いてやっていきたいなと思っています。
 私自身の話で言うと釜石生まれ、釜石育ちなのですが、18歳のときに東京の大学に行きまして、それからアメリカですとか、ニュージーランドに行って、ニュージーランドが長かったのですけれども、そこで勉強したりして仕事もしていました。ただ、私の家がこの辺だったもので、家が津波で流されたということをきっかけにして帰ってきまして、割とすぐNPOを立ち上げて、何か自分の語学力だったりとか、海外とのつながりなんかを生かして釜石をもうちょっと国際的なまちにしたいなという思いでNPOをつくって今活動していて、ラグビーワールドカップというのも私はたまたま2011年のニュージーランド大会を現地で見ていて、すごくラグビーが好きでというところがあって……

達増知事
 すごい、すごい。

遠藤 ゆりえ
 この活動、この大会が岩手の復興だったり、釜石ラグビーの再興というところに貢献するなと思って、インバウンドの推進というところも必ずリンクしてくるものだろうと思っておりまして、この大会誘致とプロモーションというところに力を入れて活動しております。
よろしくお願いします。

高橋室長
 ありがとうございました。
 それでは、松橋さんお願いいたします。

松橋 康弘
 大槌町から来ました城山観光の松橋と申します。私は、大槌生まれで釜石の高校に通いまして、大学は室蘭市の大学に行っておりました。そして、震災の年の平成23年4月から家業である観光バスの会社で働いています。そして、今では商工会青年部、あとは、はまぎく若だんな会、一般社団法人COLERE(コレレ)に所属し、地域づくりの活動にも参加しています。
 震災で事務所や車両が全て流されたのですが、グループ補助金の制度を使いまして再建をすることができました。グループ補助金の制度自体はすごく大変で、すごく混乱した中で申請をしなければならないということで、本業との両立というのがすごく大変だったのですけれども、そのときに出会った若手の経営者の仲間たちと若だんな会やCOLEREというものをつくって、今でも活動しています。今お配りしているこのビールというのは、昨年つくった一般社団法人COLEREで、大槌町の特産品が何かあればいいなということで、一関の酒蔵にお願いをしてつくっています。そして、今一関の酒蔵のほうも結構忙しいようで、これ自体ちょっと生産が余り追いついていない状態で、結構貴重なものですので、帰って冷やして飲んでいただければと思います。今日はよろしくお願いします。

高橋室長
 ありがとうございます。
 それでは、岩間さんお願いいたします。

岩間 妙子
 岩間と申します。私は大槌出身で、釜石の高校に通いまして、高校卒業後、震災の3か月前まで仙台に、大学から設計事務所に勤めていた時代を仙台で過ごしています。そして、2010年の秋に15年ぶりに仙台を引き払って地元に戻ってきたら3か月後に津波が来ました。そして、津波がなければ、こういう被災を受けなければ、また仙台なり、東京なりで設計の仕事をしようかなと考えていたのですけれども、こういうことがありましたので、地元でこれからやることがたくさんあるなと思いまして、そのままこちらで仕事をしています。
 大槌の実家は海の近くにありましたので、被災して。母方の地元が釜石でしたので、釜石の親戚、流れなかったところに私は避難生活をしながら、震災後最初の3年間は釜石市の復興整備に関わりました。もちろん最初は建物を建てる段階ではないので、都市基盤の計画から宅地整備までですね、それを最初の3年間で行いまして、その後コンサルを退職して、震災後、コンサルタントとして釜石市の復興をしていたのですけれども、震災の3年後に本業である建築のほうに戻りまして、大槌のほうで設計事務所をしています。ここ3年は住宅の再建、店舗の再建が本当にめまぐるしく進んでおりまして、日々そちらに対応しているという状態です。
 大槌も釜石もなのですけれども、やっと今年度で宅地の整備が全て終わるところだなと思っておりましたので、これからの運用ですね、住民生活にあとはどうやって関わっていくか、これから活動、新たに取り組んでいきたいなと考えているところです。よろしくお願いします。

高橋室長
 ありがとうございました。
 それでは、一通り御紹介をいただいたところで、ここからは今日のテーマ、「復興の先を見据えた豊かな三陸の振興に向けて」に沿って、現在の取組内容や課題、今後の方向、御自身の抱負あるいは県への期待なども含めてお話を伺います。
 先ほどの順番で熊谷さんからお一人5分程度でお願いします。お二人からお話をいただいた後で、知事からコメントしていただくという形で進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、熊谷さんお願いいたします。

熊谷 友行
 それでは、改めまして熊谷友行です。どうぞよろしくお願いします。
 私のこれまでの活動なのですけれども、まず会社としてやってきた活動を含める形になるのですが、私も不動産の担当ということで、簡単に言ってしまうと今の釜石のニーズに合った形に土地を変えてきたというか、使い方を変えたというような言葉が合っているのかなというふうに思います。例えば将来製鐡所の事業で活用しようとしていた土地を、震災を機に工事業者さんの現場事務所用地にしなくてはいけないでしょうとか、そういうふうに変えたりしたものもありますし、福利厚生施設で持っていたグラウンドの用地については、仮設の住宅用地として貸与をさせていただいたりですとか、あと先ほども話しさせていただいた復興住宅の用地として、もともと社宅であった土地を売却したりですとか、そういうふうに使い方を変えるというようなことを主にやってきました。
 私は、震災当初はまだ東京のほうで働いていまして、戻ってきたのは3年ほど前ということで、実際に復興に携わった期間は本当に少しなのですけれども、少しでも生まれ育ったまちの復興に携われているなというのが実感できているので、今の仕事についてはやりがいを感じています。
 それで、お付き合いのある土地の取引をしている工事業者さんですとか、あとはタクシー、代行の運転手さんとか、そういった方とよく話をするのですけれども、いよいよ復興工事も少なくなってきたなというのが実感としてあります。これまでは、会社のほうに毎月のように土地の空きとかないでしょうかということで問い合わせいただくことが多かったのですけれども、それまだちょっと続いてはいるのですが、だんだん少なくなってきているなというのが現在の実感です。
 ラグビーのワールドカップもあと500日切ったというところで、恐らくワールドカップ後は復興関連の工事はもうかなり少なくなるのではないかなというふうに思っています。
 そういった中で、やっぱり僕らが考えるのは、次の土地の活用をどうしていこうかというところなのですけれども、例えば企業を誘致しようかなというふうに次は考えたとして、実際にお話をしても、海側の土地は津波が怖いので、ちょっと・・・というような話でNGになるようなケースというのが実は結構ありまして、それは当然の理由ではないかなというふうに思っています。それで、そういった土地を遊ばせておくわけにもいかないというのがなかなか悩みどころでして、ですからそういった海側の土地の活用を考えるというところが難しい次の課題なのかなというふうに思っています。
 これは不動産の部分なのですが、次に話を変えまして、先ほど話したKAMAISHIコンパスの話なのですけれども、震災を機にいろんな方が岩手のほうに、釜石にも来ていただいて、いろんな事業をして、その中の一つとしてKAMAISHIコンパス、高校生のキャリア教育事業もあるのかなというふうに思います。私も今年から事務局として参加をさせていただいているのですけれども、もともと去年は何度か講師というか、実際に生徒と話す側で参加させていただいていまして、なので事務局のほうにはまだ入ったばかりというところなのですが、KAMAISHIコンパスという事業自体がとてもいいなというふうに僕は個人的に思っていまして、それで会社としても協力できればいいねということで、会社で協力している経緯もあるのですけれども、僕がそもそも高校のときに、ちょっと自分の話になってしまうのですけれども、スポーツトレーナーを目指していまして、そのときは、高校生のときの生活がほとんどラグビーの部活一色だったのです。要は、スポーツばっかりやっていたので、それに関連する職業につきたいなと思ってスポーツトレーナーを目指すというような考えだったのですけれども、それは今考えるとやっぱり情報が進路を考えるときに少なかったなというのは思っていて、なのでもう少し高校生のときにいろんな情報があったら、別な選択肢もあったのかなというふうに思っているので、KAMAISHIコンパスはキャリア教育事業ということでいろんな会社の方から、大手企業の代表さんなんかもいらっしゃいますし、看護師になりたい人は看護師さんに実際の話を聞いたりということもできますし、そういう意味でいろんな話が聞けるので、これはすごく価値のある事業なのではないかなというふうに思っています。
 KAMAISHIコンパスなのですけれども、ちょっと課題もあるなというふうに思っていまして、それはやっぱり継続していく部分なのですけれども、現在は資金面だと、例えばUBS銀行さん、UBSグループさんですとか、釜石市さん、あとは東日本大震災復興支援財団さんからも助成をしていただいて、KAMAISHIコンパスという事業が運営されていると。実際に事務局として働いている人間は、釜石市から委託を受けたRCFさんと釜石市の市役所の方ということで運営をしているのですけれども、将来的にずっとその助成を受けていくというのも必ずしもできるわけではないですし、今働いてくれている人もずっと一緒に釜石でその事業に携われるかというと、不透明な部分があるということで、将来的にはもう少し自立的に活動できるような形、資金なんかも例えば寄附を集めたりすることができるぐらい価値のあるものにしていくような必要性があるのかなというところで、それが現在の課題です。そういった部分を今後やっていきたいなというふうに思っています。
 最後に、釜石市民として、ラグビーワールドカップのことは是非触れておきたいなというふうに思っていまして、僕は高校のときにラグビー部だったものですから、やっぱりワールドカップもそれなりに興味は持っています。ただ、ちょっと周りの人を見ると、やっぱりまだ無関心というか、興味がない人も多いというのが現実的な部分なのかなというふうに思っています。なので、これから実際サッカーのワールドカップももうすぐですけれども、みんな関心があるかというと、まだそうでもない、そういう状況なので、ラグビーのワールドカップもこれから徐々に高まっていければいいのだと思います。
 そういう中で、みんなでいろんな関わり方を考えていけたらと思っていて、その中で先ほど遠藤さんからもありましたけれども、スタジアムの次の活用方法とか、そういった部分も出てくると、これから釜石で生きていく人にとっては、よりうれしいことになるかなというふうに考えています。
 
高橋室長
 ありがとうございました。
 小山さん、お願いいたします。

小山 明日奈
 藤勇醸造で働き始めたきっかけは、もともと母の実家で、父も働いていてという、すごく身近な存在であったというのが一番大きいのですけれども、高校を卒業して東京のほうに行って、そのときには全然そういった価値というものを分からずに、いろんな世界を見てみたいというのもあって、いろいろ経験したことが今につながっているなと思います。そのきっかけとなったのが、震災後から新商品開発をしていくに当たって、この業界もそれ以外の業界もそうかもしれないのですけれども、地方の人口流出といったところで、新しい商品をどんどん出していかないと、なかなか既存商品だけでは厳しくなっているという状況がありまして、また明るい面もあって、ちょうど震災後から発酵食ブームというのも徐々に広まってきていて、そんな中、新商品のデザインパッケージを気軽な気持ちでやってみないかと言われたことから、お配りしているようなしょうゆ糀とか塩糀といった既存商品とは全く違う無添加の糀調味料シリーズというものが生まれて、昨年だと甘酒ですね、甘糀という商品も出して、こちらも全部岩手県産米を100%使用したこだわりの調味料になっています。みそケーキも新たにつくった商品で、かけるしょうゆというのも、藤勇醸造としては初の鮮度を保つボトルでつくったお醤油になっています。
 岩手出身の女性のデザイナーさんや、あと先ほど御紹介した東京在住の女性との出会いがあって、なかなか一企業、一個人だけで商品開発をするというのはやはり難しくて、うちも小さな会社で、開発担当みたいな人材がいない中で、どうしようかとなったときにたまたま私がぽっと入って、全く商品開発などの知識がなかったのですけれども、そういう外部の方と今ではSNSを使ってすぐに情報共有できたり、もちろん直接お互いの地域に足を運んで交流することがすごく大事だなというのはあるのですけれども、そういったものを活用しながら、別々の地域にいながら連絡をとり合って商品開発をスピーディーに進められたということが、3年間でこれだけ商品を開発できたのかなというふうに思っています。
 また、女性だけの商品開発ということで、既存商品はどちらかというと女性が使いたいと思うような見た目の商品ではないのかなという、いろんな味噌、醤油業者さん見てみると老舗感推しの商品が多く、結構渋いパッケージだったりだとか……

達増知事
 容器が大きかったりとか。

小山明日奈
 はい。
 というのを感じていて、全然そういった知識がない中でも自分の感性を生かして商品開発ができてきて、だんだん自信がついていったというのもあります。
 食品を単に衣食住の中の食としてではなく、女性の暮らしの中にある食として開発できたことが結果として他社との差別化にもつながっていると感じています。

達増知事
 そうですね。

小山 明日奈
 そうした商品開発を積極的に行ってきた成果として、最近では地元の業者さんにコラボしませんかというお話をいただいたり、また、もともとある商品をセットで販売しませんかというお話もいただけるようになって、新しいものを出し続けて横展開していくというのは結構労力が要るのですが、例えば地元の商品と既存商品でもセットにすることで全く新しい商品に生まれ変わるのだなというのをふと気づいて、そうすると可能性はすごく無限大だなと感じました。自社の商品だけを頑張って売ろうとすると、やっぱり限界があるし、岩手県の中でも競争意識というか、だんだん視野が狭くなっていくのですけれども、一緒に販売していこうという、そういう意識が全体に生まれたら、全体の利益につながっていくのかなと思っていて、まずはもっと地域の商品を知ることで新しい可能性を探っていきたいです。
 今後取り組んでいきたいことの一つに、今、甘糀(甘酒)という商品があるのですけれども、岩手の雑穀というのは生産量が全国的にも多いということから、そういった雑穀の可能性というものを感じていて、栄養効果という面からも非常に良いのですけれども、なかなか日常の食に取り入れようとすると、結構面倒だったりするのかなというところで、気軽に毎日飲んでいただけるような商品を通して、岩手の雑穀をPRできたらいいなというふうに考えています。
 また、岩手県の取組として減塩対策が行われていますが、味噌、醤油業者としても取り組んでいかなければいけない問題だなというふうに思っています。一くくりに減塩しましょうとか、量を少なくしましょうと言うと、塩分が入っているもの全てを控えなければいけないのかなというふうに思ってしまうのですけれども、例えば味噌でいうと、最近では血圧を下げるという効果だとか、そういう研究も報告されています。今、日本では、味噌の消費量というのが減っていて、海外では逆に消費量が上がっていて、すごくブームになっています。日本人としてお味噌汁がだんだん飲まれなくなっているというのは、とても寂しいことですし、最新の研究については企業としても注視していかなければいけないと思いますし、減塩対策について一緒になってできることがあればと思っています。
 それから、ラグビーワールドカップ開催に向けて、お土産の開発に取り組んでいるのですけれども、おととしのいわて国体のときに、周りではすごく盛り上がっているというか、たくさん人が来るよみたいなお話があったのですけれども、実際実感としてあまりなかったというのがあって、今回のワールドカップも今はまだ漠然としていて、岩手県としてどんなPRや取組をしていくのかなとか、そういうことがすごく気になっているところです。

高橋室長
 では、知事からお願いします。

達増知事
 新日鐵住金釜石製鐵所さんの土地は、東日本大震災津波の仮設住宅の建設から始まって、その後も復興関係に非常に利用させてもらっていて、改めて御礼を申し上げたいと思います。
 そして、復興事業がどんどん終わっていきますので、この復興事業というのはまず必要なのでやっているし、あとはその経済効果が大きいので助かっているわけですけれども、やはりいつまでもやっていることではないので、ピークを過ぎ、だんだん終息に向かうのですけれども、人やお金が復興事業のほうに行っていて、本来地域のためにやるべき事業に人やお金を回すのが難しかったようなところが是正されていくということで、これから釜石らしい産業構造にしていく、そういうときが来ているのだと思います。
 産業の構造改革みたいな脱復興の構造改革をしていかなければならないのですけれども、そこで大事なのが働く人なので、キャリア教育、KAMAISHIコンパスというのは非常に大事、これからますます大事になると思います。人口減少、特に少子化で若い世代の人口がどんどん日本中で減っていて、今や人手不足時代、全国一斉人手不足時代に突入し、また全国一斉に地方完全雇用時代にも突入していて、有効求人倍率がずっと1より上で、誰でも地元就職をしようと思えばできる状態に今なっているのです。ただ、それはイコール人手不足ということなので、うっかりするとほかの地方に人手を取られてしまって、雇用はいっぱいあるのに人手不足、人口が流出するというふうになりかねないので、今県として、この間もいわてで働こう推進本部というのが県の組織の中にもあって、年度初めの会議をやったのですが、やはり岩手県民の皆さんにまず地方完全雇用時代に入っていて、働く、就職というときに、今までずっと地元には雇用がなくて、県外に行かないと働けないという時代が長く続いたので、惰性で就職についてはまず県外から考えるというようなことが家庭の中にも学校の中にもあったりするのですけれども、経済界にもあるのですけれども、それをまずは地元就職を先に考えてというふうに意識転換していかなければというふうにしようと会議でこの間も確認しました。
 また、岩手は、特に沿岸は復興事業からビルド・バック・ベターで震災前よりも、経済、産業の条件が良くなっていますので、復興道路とか、港湾整備とか、より安全で、またより便利になっていて、病院とか学校とかのそういう生活面についてもそれぞれ工夫して、人口減少時代にしっかりした医療、教育は受けられるようにという工夫も凝らされている岩手沿岸地方だし、岩手内陸は内陸で自動車、半導体関係で全国の中でも例外的に生産や雇用がこれからどんどん増えていくという潮流にありますから、岩手県民の皆さんにはまず岩手の中で就職すると、働くというのを考えてもらい、そういう大きい意識転換をした上で、では地元にはどういう会社があるのかという、また仕事というのはどういう仕事があるのかという、そういう個別具体的な情報を共有していかなければならないので、そこでこのキャリア教育のようなことが非常に大事になってきます。
 それは、小山さんがやっているような仕事もそうで、こういう働き方もあるのだよということも、やっぱり地元の人たちにどんどん知ってもらうといいですよね。子どもは、まず消費の対象として地元のそういうお店屋さんや地元企業に接していくのですけれども、そういう消費の向こう側には生産ということがあるし、また時代の最先端の商品開発とかデザインとか、そういうことがあるのだというのをやっぱり地元の皆さんに知ってもらういい機会なのだと思います。
 九州風の醤油というのは、私も何回か食べたことありますけれども、結構刺身に合ったりして、甘い醤油というのは実はいいのですよね。刺身に合うというところがあって、海のまちの醤油としては非常にいいのではないかと思います。
 また、こういう地域に根差した昔ながらの伝統と、また文化もきちっと背景にいいものをつくっているというのは、これからますます求められていくでしょう。
 ミラノ万博に岩手も参加したのですけれども、そのときミラノでバルサミコ酢の老舗の若旦那と話をする機会があったのですけれども、やっぱりイタリアは食文化が非常に深いので、そういう地域でつくっているいいものというのを大切にして付加価値を高めて、高く売れるようにして外国人にも買ってもらうというように育てているので、日本全体イタリアみたいなやり方で、地域ごとにいいものを、付加価値を高めて外国人にも買ってもらうというふうにしていくのが王道だと思うので、是非この調子で頑張っていただきたいと思います。
 ラグビーワールドカップというのは、まずそういう海外の視線を意識することで、ますます商品やサービスの磨き上げにつながっていくでしょうし、あとはやっぱりラグビーワールドカップというイメージだけだとまだ漠然としているので、何月何日に試合があって、そこにどういう人たちが来てとか、いろいろ物販の機会なども具体的に見えてくると思うので、それに沿っていろんな準備をしていくといいと思います。本番は、試合は2日間だけなのですけれども、その前後に釜石市主催のシティドレッシングイベントとかありますし、また県のほうでもワールドカップ前に2か月ちょっと三陸防災復興プロジェクト2019という沿岸の観光物産振興につながるような、そういうイベント期間を設けますし、今年の8月にはスタジアムのこけら落とし、初試合イベントなどもあって、そういうところも宣伝の機会になるでしょうし、具体的に何が行われるかが見えてくれば、ではそこで何をやろうというのも見えてくるので、是非御準備を進めてほしいなと思います。

高橋室長
 それでは、遠藤さん、お願いします。

遠藤 ゆりえ
 先ほど自己紹介のところで活動内容を述べさせていただいたのですが、今関わらせてもらっている仕事というのが、8月19日のスタジアムオープニングイベント、こけら落としの実行委員会事務局として関わらせてもらっています。これだけでも何か結構すごいことだなと思っていて、課題というと、本当に課題だらけというところなのですけれども、大きく課題というところで3つぐらいあるのかな、3つぐらい挙げさせていただきたいなと思うのが、まず1つ、熊谷さんも触れましたけれども、無関心というところはやっぱり多いなと思っていて、ただ無関心になってしまうのもしようがない部分もあって、どうしても行政マターで全部というか、ほとんどやっているところがあって、実行委員会の事務局に民間として入っているのが2人だけなのです。もうちょっと本当は大きくやりたくて、協議体はいっぱいあるのですけれども、実働部隊という人たちがやっぱり少ないというのは課題、民間人としての実働する人が少ないと。チケットを売ることになったので、チケットを売ってお金をいただいて、スポンサーも入っていただきますけれども、完全にスポーツ興業、興業ビジネスなのですよね。こういうところで、やっぱりもうちょっと民間人の活用というところはあればいいのかなというところが1つ課題。
 あとは、女性と若者の巻き込みがちょっと少ないなと感じています。オープニングイベントの実行委員会も十数名いて、女性って私だけなのですよね。だから、今後も見据えたときに、例えばですけれども、検討委員会というのもあったのですけれども、建設検討委員会、こちらもすごく女性が少なくて、例えば女性が行きたくなる場所とかというところの視点からも、女性だったり、若者の巻き込みってすごく本当は大事なのになとちょっと思うところもあります。
 あと1つが、やっぱりワールドカップまでの盛り上げもそうなのですけれども、今後のスタジアムの活用というところですよね。誰がどのようにやっていくのだというところは、今のうちからしっかり議論しておくほうがいいなと思っていまして、鵜住居町というのは釜石でも一番被災の程度が激しかった場所なのですけれども、鵜住居でスタジアムを中心としたまちづくりをするというところ、にぎわいの創出だったり、健康づくりだったりということもそうなのですけれども、やっぱりあそこを稼げるスタジアムにしていく、そして雇用も生み出すというところで、何か私自身は釜石ってそういうラグビーのまちですし、これだけ世界中からの御支援もいただいて、今注目もいただいているところで、すごくラグビーという地域資源を使ってまちづくりをしていくのだというポテンシャルのあるまちだと思っているので、例えば本当にラグビーの試合という商品づくりだったり、魅力的なコンテンツ、野外フェスだったり、イベントだったり、何でもいいのですけれども、そういったところのスタジアムの活用というところは、もうちょっと民間レベルでたくさん議論しておきたいなというところがあって、何かスタジアムって全国どこもかしこもコストセンターと呼ばれているところがあるようなのですけれども、やっぱりここをプロフィットセンターに変えていく。コストがかかる場所ではなくて、収益を生み出すまちの核となるものに変えていこうというところの議論は、もうちょっとかなという気はしております。
 ただ、今年のこけら落としが終わった後にはトップリーグの試合も来ますし、来年にはそれこそワールドカップの本番があって、ここで、だからお客様に満足してもらって、また来てもらうような仕掛けづくりだったりとか、そういったこともどんどん、例えば民泊の分野だったり、商品開発の分野だったり、いろんなところで民間も一緒に盛り上がっていきたいなと思っています。
 何かある程度のところまで行くと、やっぱりどうしても関心のない人は関心がないという現状はあるのですけれども、これは私が楽しもうと思っていて、すごく楽しそう、何かあの人たちすごく楽しそうだし、あそこに行けば楽しいよねという、鵜住居のスタジアムというのを、そういう場所にはしたいなと思っています。
 あと県への要望を言っていいということだったので、今台湾とかにインバウンドの誘致に行っていらっしゃいますけれども、やっぱり地域柄も、釜石の地域柄だと、例えばですけれども、オセアニア圏が、シーウェイブスの選手が来ていたりして、トンガやフィジー、サモアというところですね、何かその地域の実情に合ったインバウンド対策というところも実はちょっと大事なのかなと思っていて、やっぱり私たち、どうしてもそれをビジネスでやりたいと思っても、その営業費用だったりとかコネクションというところが薄くなってしまうので、そういったところは県でも何か御支援とか応援をいただけるとうれしいなというところがあります。
 
高橋室長
 ありがとうございました。
 では次に、松橋さん、お願いいたします。

松橋 康宏
 前の遠藤さんとかぶる部分もあるのですが、うちは貸切バスの会社をやっておりまして、今県が台湾の定期航路、航空便にすごく力を入れていて、インバウンドツアーがかなり来ているようなのですが、沿岸のほうに余り恩恵がないというのが何となく感じているところです。バスで考えると、うちはバス会社で大槌にあるので、幾ら花巻空港にお客さんが来ても、出発地に近いバス会社がやっぱり選ばれるというところで、やはりちょっと仕事にはつながってこないなというのがあります。
 そして、今大船渡や宮古を中心に豪華客船の受け入れをしているのですが、それもたまに声はかかるのですけれども、年に2回か3回、そういうのではなくて、大型客船ではなくても小さめの客船でもいいので、釜石だったり、宮古だったり、大船渡だったり、そういうところに定期的に来るような誘客方法を考えていければなと思っています。
 そういった面で、6月22日に就航する宮古室蘭航路というのは、何らかのそういう恩恵が得られるのではないかなとすごく期待しております。私自身、室蘭の大学に通っていたので、室蘭市というのはすごく親しみがあるまちなので、いずれ何かのつながり、やはり知り合いも室蘭市にもいますので、そういうので岩手県に呼んでこられればいいなと思っています。
 あとは、話は変わるのですが、震災後にできた土地の利用計画についてなのですが、震災後浸水地域というのが危険区域ということで町が買い取っていると思うのですが、うちの会社自身も流された場所にまた再建をしてやっていて、隣の民家があった土地というのは、もう町が買い取って空き地になっている状況です。ですが、町のほうに土地を借りたいという話をすると、国の予算で買った土地なので、町がお金を取って貸すわけにはいかないというような回答をされたことがありまして、その辺を柔軟にやっていただくことによって、地元の会社のビジネスチャンスにもつながることもあると思いますし、逆に割と安い値段とかで貸すことができるのであれば、企業誘致などにもつながるのではないかなと思います。
 あと1つ、震災後の支援制度について、支援というか、制度についての実際にあった、すごく困った話がありましたので、ちょっと話をしたいのですが、昨年、人材不足というのが騒がれている中で、運転手が1人辞めるということがありました。その理由というのが、その運転手さん、55歳で独身の方で、自宅が流されて公営住宅に入っていたのですが、このまま働き続けると収入制限を超えるので働けないという話でした。やはり自分が同じような身になったときに、55歳で住宅ローンを組んで、その次に住む人がいないというのを考えたときに、私自身いい方法というのを提案できずに、そのまま退職してしまうということがありました。制度として一定の線を引かなければならないというのはわかるのですが、そのようなことが起きているということを知っていていただきたいなと思います。

高橋室長
 ありがとうございました。
 では、知事からお願いいたします。

達増知事
 ラグビーワールドカップ、8月19日のイベントは、当初は市の体育施設の落成式ぐらいの雰囲気だったわけですけれども、やはりオールジャパンのラグビーの組織委員会とか、ラグビー関係者が、日本全体、ラグビーワールドカップ2019がいま一つ、まだ人気が出ていないということで、釜石の今年のこけら落としイベントを日本全体でラグビーワールドカップ2019人気を高めるための起爆剤にしようということで、大臣や元総理や偉い人も来るし、そして平原綾香さんとかEXILEとかも来ると。五郎丸のヤマハと釜石シーウェイブスが戦うのですよね。まず、そうやって国のほうでもいろいろやろうというふうにしてくれているので、やっぱりチャンスとして生かしていかなければならないなと思います。
 おととしの希望郷いわて国体・希望郷いわて大会は、基本主催が県なので、いかに無関心を克服するかというのはいろいろ考えたのですけれども、やはりいろんな参加の窓をあける、ドアをあけるというか、いろんな参加の可能性を広げるのが大事だなと。昔ながらの花いっぱい運動とか、そういうボランティア活動とか、そういうのに始まって、21世紀の2巡目国体、そして全国障害者スポーツ大会も一緒ということもあって、障害者芸術の展覧会を一緒にやるとか、あとは国体・大会プラスと銘打って、何か国体・大会にひっかけて同じ時期にイベントをするというようなやつも巻き込んでやっていくような工夫をしたのを思い出します。
 昔ながらのやり方と、あとは国体・大会で岩手を訪れた人が食べたり飲んだりするのも便利にするためのスマホのアプリ開発なんていうのを地元学生がやってくれたりとか、ありとあらゆる関係付けるような手を考えましたので、そういうのをやればやるだけいいと思います。準備の最中ややっている最中は苦しかったり、つらかったり、こんなことして何になるみたいな思いを感じることもあるのですけれども、終わった後には一生の思い出になり、やって良かったという感じになりますから、本当にそういう実感というのは終わった後ではないと感じられないようなところがあって、やる前はなかなか盛り上がらないのですけれども、それを乗り越えて、とにかくやれることはやれるだけやるという発想がやっぱり大事ではないかなと思います。そういう意味では、まだまだラグビーワールドカップ固有の取組もいろいろ県としても付け加えていかなければと思いますし、三陸防災復興プロジェクト2019という形ででも、またいろいろやっていかなければと思います。
 今後のスタジアムの活用というのは非常に大事で、多分運動施設というのは、テニスコートなんかあると、今でもですけれども、使いたい人たちが行列をつくって申し込みの日に並んで、そういう行列ができるのを待って申し込みを受け付けていればいいという感覚が伝統的にあるのだと思います。そういう感覚だとさっぱり新しい施設の利用が進まないということになるので、参考になるのは、北上市のさくらホールみたいな文化施設については、かなりそこの指定管理者が知恵を絞って、いろんなイベントを呼んできたり、あとは地元の人たちのワークショップができるようにしたりとか、そういう外から引っ張ってくる地元の人たちのいろんなワークショップやイベントを入れていくという、そういう発掘して利用してもらうというのが非常に発達しているので、そういう感覚を体育施設にも使っていくというのがこれから必要だと思います。
 あとニュージーランド留学経験者って高校生の短期の交流事業も含め、岩手県内どんどん経験者が増えていて、ニュージーランドとの縁はどんどん強くなっている、太くなっているなと思います。おとといたまたまテレビをいじっていたら、「世界ふしぎ発見!」でニュージーランドのジーランディア、ニュージーランドを取り巻くような巨大大陸が昔あったという。その巨大大陸ジーランディアの名残が今のニュージーランドのあちこちにあって、地質上ニュージーランドはすごいという話をやっていて、ニュージーランドというのはいろんな交流する相手としてやっぱりいいところだなと改めて思いました。台湾は空港定期便化の話があるので、その関係で観光PRも台湾とのものが多くなっているのですけれども、空港が絡まない……、絡めてもいいのですが、オセアニアとか、そういうところの大事さを改めて思いましたし、やっぱり岩手はラグビーというものを、釜石市はもちろんですけれども、岩手全体としてやっぱりラグビー県で行かなければなと思うので、そういう意味でもオーストラリア、ニュージーランド、そういうラグビーのメッカとの関係は、県としても発展させていきたいと思います。
 グループ補助金、あれはもともと自動車関係で、その部品工場が東北のほうにあって、それが地震でやられて、日本中の自動車工場が一定期間動かなくなったみたいな、最初はそういう何かサプライチェーン対策として、全国的な規模の巨大メーカーのためのものとして経済産業省が編み出したやり方だったのですけれども、それを岩手県が先頭に立って地元商店街の普及にも使えるようにとか、地域の中小企業の復旧にも使えるように、そして観光とか運輸とか、そういう分野にも使えるようにといってぐりぐり広げながら、国に認めてもらってきた制度なので、その途中などは国のほうも地方のほうも手探りでやっていたので、いろいろ申請書の書き直し、出し直しみたいなのはすごく苦労をかけたのではないかと思うので、それでもうまく復旧を果たしたことは本当に良かったと思います。
 大槌町は、既存の制度では復旧・復興がうまく進まないというのをどんどんひっくり返す、そういう発信地でずっと居続けて、グループ補助金もそうですし、あと仮設住宅を民間の土地につくるというのもやはり大槌で必要だということで国に認めてもらった経緯があります。もともと公共の土地でないと仮設住宅は認めないというのが国の基本方針だったのですけれども、岩手の場合、それだと足りないので、特に大槌から発信し、そこを変えていきました。
 災害公営住宅の家賃も収入があると家賃が高くなるというのも、やはり大槌で異常に高くなるというケースがあって、ようやく最近になって岩手県内、県と市町村の災害公営住宅については上限を設けて、それ以上高くはならないようにとしたのですけれども、そのプロセスで災害公営住宅の家賃が高いから、地元で仕事が続けられないという矛盾するようなことが起きたのは本当に残念なことなので、そういうのを何とかしなければならないと改めて思います。
 浸水地域の土地の利用ですね、そしてまた移転していった跡地の利用ということについても、様々な矛盾、本来の、本末転倒なルールがいろいろあってうまく使えないことがあるので、これは沿岸広域振興局としてもいろいろ取材して取りまとめて、復興局と連携し、どんどん国のほうに制度の変更とか柔軟な運用を求めていきましょう。
 そして、観光についても岩手沿岸が、復興事業が少なくなっていった後を補う主力は、やはり観光産業だと思っているので、そこは宮古室蘭フェリーの活用もそうですが、これもいろんな手を使って、来年の三陸防災復興プロジェクト2019でいろいろ試して、うまくいくようなやつを恒常化していくという形で観光振興を進めていきたいと思います。

高橋室長
 では、大変お待たせいたしました。岩間さん、お願いいたします。

岩間 妙子
 それでは、私のほうは建設に関わってきた中で、この建物の隣にあります市民ホール、これがこの春グランドオープンしまして、釜石のここの街区整備やっと完了したのですけれども、私は震災の発生の翌年から、釜石のまちづくりに関わったプロジェクトでしたので、ちょっとお話しさせていただきたいなと思います。
 ここは、フロントプロジェクト1というプロジェクト名で、震災直後からにぎわいの再生ですね、釜石市のにぎわいの再生ということで、ここの街区整備の検討が始まりました。土地利用に関してはいろいろと課題がある中で、時間と今後の釜石、大槌の未来のことを考えて、時間だけを優先しては進められないということで、専門家や市役所の方々、あと住民の方々のワークショップを重ねて、今の形になりました。
 これ当初、もともとは、ここの街区、こちらですね、ここは商店街が張りついていたところですけれども、ここの地権者さんの整理もして、もうちょっと山側にあった市民ホール、被災してしまいまして、非常に立派なホールだったのですけれども、住宅、住居はあちらのほうに宅地置換して、こちらはにぎわい、商業のエリアにしようということでまず進めました。
 そして、昔あった釜石の市民ホールも非常に立派で、重厚感がある。今回は今の時代、これからの釜石ということで、まず地方都市の課題でもありますように、たくさんの専用施設をつくれないのです。なので、ここは多目的。音楽専用でもなく、スポーツもできて、市のイベントもできて、住民がふだんの趣味であったりとか、学生だったらバンドをしたいという日常的な活動の場でもなければいけない。そういう多目的ホールをここにつくりましょうということになりまして、このホールができたわけです。実はこれ、ちょうど昨日、建築業界、建設業界の方、東京と仙台から総勢100名見学に参りました。そして、隣のホール、実は音楽ホールとしても非常に音響のいいホールなのですけれども、座席を全部動かして、平土間にできるのです。そうすると、通りまでつながるような構成になっています。ふだんはもちろん閉めているのですが。これで都市とつながりましょうということと、住民たちの活動が外、まち行く人に見えるようにしましょうというコンセプトでつくられています。非常に好評をいただきました。
 釜石は、未来のまちプロジェクトということで、建築家の方々からも協力をいただきまして、資材高騰、建設費高騰でなかなか工事を進めるのも大変な課題もあったのですけれども、やっといろんな施設が整備、完成したところで、これからどんどん運用、活用していただければと思っているところです。
 今、ラグビーワールドカップのスタジアムを建設しています。あのスタジアムも完成したら、また全国から建設関係の方々が見学に来ることになります。釜石は、ちょうどまちづくり会社の旅行・観光部門のような株式会社かまいしDMCというのを先日設立されました。これからワールドカップの開催までにこの辺の釜石の施設の復興整備した施設と新しいスタジアムと、そういうものの見学ツアーなども含めて、ワールドカップまでに盛り上げていきたいなという、そういう業界の一部の動きもございますので、これから私もそちらのほうに協力していきたいなと思っています。
 そして、防災に関してなのですけれども、都市防災とまちづくりの災害を受けたところの都市の再生ですね、それに関しては国内外の研究者の方々がかなり注目されていました。震災直後の震災の状況を見に来るという防災関係者の人たちは、もちろん今はもうひととおり終わりまして、昨年くらいからは復興の仕方についての取りまとめ、調査されている世界中の研究者がいらしています。去年は国内の防災学会のツアーで、私現地のガイドをちょっとさせていただいたのですけれども、今年ももう既に台湾とアメリカからのツアーの方々が来られる予定になっています。そこでもこれから釜石、大槌がこのようにこれから頑張っていきますよというのを踏まえて、海外の方々に紹介していきたいなと思っています。
 ほかの県と岩手県の違いということで感じたのは、復興のために中央、東京、関東からたくさんの専門家の方が来ていただきまして、私一緒にこの6年仕事をしてきましたけれども、こんな長い道のりで、釜石に来るとこういう世界があったのかと。やっぱり仕事でもなければ、自分は一生こっちに来ることはなかったと、だけれども、来てみると食べ物はおいしいし、天気が良かったらドライブというか、仕事の通勤だけでも最高だし、そういう意見をたくさんいただきました。ほかの県の観光地とちょっと異なるかなと私が感じているのは、やはり土地が広いので、観光地ですよとみんながわかるところとところの距離が長いです。例えば福島ですと、1泊2日の中で観光地、30分くらい車で走ると隣の観光地に行けますね。そういったところで、なかなか岩手のことをくまなく知っている人、地元の人とかと一緒に歩くと、こんなに楽しいのだ、魅力いっぱい、だけれども、なかなか県外の人にはそれが伝わりにくいところはあるのかなと思いましたので、その辺も今後の交流人口の拡大というところにつなげていきたいなと思うところです。それが市町村ごとの観光課だったりとか、今一生懸命やっていただいていますけれども、地元の活動をしていらっしゃる方々とか、市町村をまたいでのというのがなかなか難しいと思うので、岩手県としてその辺のつなぎ役といいますか、そういうところに今後力を入れていただけるといいのかなと思っております。

高橋室長
 ありがとうございました。
 では、知事からお願いします。

達増知事
 この市民ホールは、この前湾口防波堤の落成式で中に入ったのですけれども、非常に最新型の工夫を凝らされた市民ホールになっていて驚いたのですけれども、やはりそういうつくり方があって、ああいうものができたのですね。メーンのホールもそうやって座席をとったり、つけたりできて、外に向かってオープンにできるというのはすごいことで、これもラグビーワールドカップのシティードレッシング、開催地の歓迎イベントというのですか、そのメーン会場となっているから、そこでいろんな活用を工夫することで、すごいところまでいくと期待します。
 そして、岩手の遠さ、県内の距離感というのは、もともと大槌、山田のあたり、あと田野畑、普代のあたりもそうなのですが、東京からの時間距離が日本で一番遠いところなので、東京から来るのが容易でないというところだったわけですけれども、復興道路がどんどんできてきて、特に宮古より南側は今年度から来年度にかけて、ラグビーワールドカップに間に合うようにほぼ完成しますので、これはかなり歴史的なことだと思います。沿岸と内陸が完全に高速道路でつながりますし、また沿岸地方も市町村間が高速道路や高規格道路でつながって、歴史上初めて岩手の沿岸地方というものが実質的に一体化するようになるのです。今まではやはりリアス式海岸で山と海が入りまじったような地形なので、隣の市町村、あるいは隣の集落に行くには峠を越えなければならないということでものすごく時間がかかり、江戸時代までは道路で移動するよりも船で移動するほうが速いから陸の孤島という言葉があるのですけれども、岩手沿岸のそれぞれの集落は島みたいな、船で行ったり来たりするほうが速かったわけですよね。それが明治以降の鉄道や道路の時代にずっと遅れをとっていたわけですけれども、ようやく追いついて、明治150年にしてようやく岩手沿岸の近代化が完成するという状況になりますので、是非この道路、そして三陸鉄道も一本化しますし、これを活用しながら、それぞれの地域の観光資源の再発掘や、また、地域の観光資源を組み合わせたこと、内陸とも近づいて、それはイコール全国と近づくということなので、その機会を生かしてまいりましょう。

高橋室長
 皆様から一通りお話を伺いました。
 今日初めに、最後に自由懇談の時間を設けますとお話しして、大幅に予定時間超過しておりまして、大変申しわけありません。最後にこれだけは話しておきたい、聞きたいことがあるということがありましたらお話、短めに受けますけれども、何かありますか。よろしいですか。
 では、まずラグビーワールドカップの成功に向けて、みんなで頑張っていきましょうという感じですかね。

知事所感

高橋室長
 では、全体を通じて知事からお願いいたします。

達増知事
 あちこちで「がんばろう!岩手」意見交換会をやるのですけれども、こんなに押したのは初めてというくらい押したのですが、この環境がいいのではないかと思います。入ってきてここに座って、何か映画の一シーンを見ているような感じ、あるいは現代的な芝居の一場面を見ている感じで、会議のスペースとしては非常に格好いい環境だと思います。ここで会議をすれば、いろんなアイデアがどんどん出てきて、いろいろ発言したくなる、そういうのを引き出す力があるのではないかなと思います。そういう引き出す力というのがこの空間にもあるし、市民ホールにもあると思いますし、釜石のまち、そして大槌のまちもですけれども、新しいそういう地元の底力を引き出し、外から来た人たちの力を引き出すような、そういう場がどんどんできてきているので、またそれもひとりでにできたわけではなく、基本的に地元の皆さんが知恵を絞って、苦労に苦労を重ねてそういう場を大震災の後つくり上げてきた、その成果がいよいよいろんな場で、いろんな局面で発揮される時期に来ているので、是非復興の成果を花開かせていく局面なので、県も頑張っていきたいと思います。今日はどうもありがとうございました。

閉会

高橋室長
 それでは、皆さん大変ありがとうございました。また、進行の不手際をおわび申し上げます。
 以上をもちまして、県政懇談会「がんばろう!岩手」意見交換会を終了いたします。

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