令和元年11月8日教育長記者会見における質疑応答

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ページ番号1025200  更新日 令和1年11月26日

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令和元年11月8日(金曜日)
県庁10階  教育委員室

発表事項:

  • 令和元年度「いわて教育の日」のつどいの開催について

質問事項:

  • 令和元年度「いわて教育の日」のつどいについて
  • 大学入学共通テストへの英語民間検定試験導入の延期等について

質疑応答

(教育企画室)

 ただいまから、教育長記者会見を始めます。本日は、教育長から発表事項がございます。

 

(教育長)

 令和元年度「いわて教育の日」のつどいを、11月25日(月曜日)、岩手県民会館中ホールにおいて開催します。

 「いわて教育の日」のつどいは、県民一人ひとりに教育の重要性を改めて認識していただき、本県における教育のあり方を考える契機とすることを目的に、毎年度開催しているものです。

 本年度は、生徒発表として矢巾町立矢巾北中学校特設合唱部による合唱、県立久慈高等学校マンドリン部による演奏披露を行う予定です。どちらの学校もこれまで全国大会等において目覚ましい実績を上げており、「いわて教育の日」のつどいにおいても素晴らしい発表を期待しています。

 また、教育研究家、学校業務改善アドバイザーの妹尾昌俊氏をお招きし、教職員が働きがいを感じ、働きやすい学校づくりについて御講演いただくこととしています。妹尾氏の講演を聞ける貴重な機会であり、県民の皆様にも是非足を運んでいただき、教育について考える良き機会としていただきたいと思っています。

 各報道機関の皆様には、後援をしていただいていますが、県民への周知に御協力をお願いします。

 

(教育企画室)

 ここからは、幹事社の進行によりまして、質問にお答えするかたちで進めます。

 

(幹事社)

 まず、発表事項について質問がありましたらお願いします。

 

(記者)

 妹尾氏についてですが、岩手との関わりや県教委とのコラボのようなものはあったのでしょうか。

 

(教育長)

 直接的なコラボというものはないのですが、妹尾昌俊氏は、教育研究家として、文部科学省、全国各地の教育委員会・校長会等で組織マネジメントや学校改善、地域協働等をテーマに研修講師として活躍されている方です。

 また、文部科学省で委嘱している学校業務改善アドバイザーをされています。それから、中央教育審議会の「学校における働き方改革特別部会」委員、スポーツ庁並びに文化庁の「部活動の在り方に関する総合的なガイドライン作成検討会議」委員を務められています。

 働き方改革の取組が重要となっていますので、「いわて教育の日」のつどいの講演に妹尾氏のお話を聞くのが一番良いのではと思いお願いしたところ、御快諾いただいたところです。

 

(幹事社)

 次に、記者クラブからの代表質問はありませんので、各社から事前通告している質問がありましたら、発言をお願いします。

 

(記者)

 英語民間検定試験の見送りが発表されましたが、そもそも、地域的・経済的格差が解消されないということで本県の学校現場からも非常に指摘が多かったことがあります。まず、これに対してコメントを含めて県としての見解を伺います。

 

(教育長)

 現状のまま大学入学共通テストに英語民間検定試験が導入された場合、本県のように県土面積が広い地域では、受験地等の条件から首都圏、大都市圏のような都市部と比較すると大きなハンデがあると捉えています。

 また、居住地による受験機会の格差や検定試験の受験料に加えて、試験会場までの交通費、場合によっては宿泊費等が生じますので、受験生の家庭の負担も大きくなると見込まれています。そういった経済状況による格差が生じないようにこれまでも機会を捉えて国に対して要望してきたところです。

 加えまして、民間検定の主催団体に対しても、高校を会場とした試験の実施等の対応についての働きかけも行ってきたところです。

 引き続き、国の動向を注視しながら、情報収集に努め、正確な情報を生徒・保護者、学校に提供していきたいと考えています。

 

(記者)

 それに関連して、今回の見送りの背景の一つとして、文科省の「身の丈」発言もあったと思います。大都市圏と地方の格差を助長しかねないことがあったと思うが、それに関しての認識を伺います。

 また、県として民間検定試験がどういう制度になれば、本県の生徒にとってやりやすくなるのかお聞かせください。

 

(教育長)

 先ほども申し上げたとおり、受験地や経済的な面などで首都圏等と比べると負担が大きいと認識していまして、大学入試での英語試験の見直しを進めていくという話になっていますが、経済状況や居住地による受験機会の格差の生じることのないように、均等な受験機会が確保され、なおかつ、公平・公正に行われることが望ましいと考えています。

 

(記者)

 「身の丈」発言に関しては、いかがですか。

 

(教育長)

 発言そのものについては、コメントは控えたいと思います。文部科学省から1日に突然の中止発表があったわけですが、正式な通知はまだなされていない状況です。大臣の「受験生をはじめとした高校生、保護者の皆様へ」というメッセージは出されていますが、私どもには1週間経つわけですが、文部科学省としての今後の進め方等を含めて、現時点では情報提供や通知等はありません。

 文部科学省の対応がどのように進むのかが不明ですし、いろいろ報道されていますが、ある意味ではコメントのしようがない、というのが今の状況です。

 私どもも、学校現場、受験生、受験生の家庭にも情報提供をしなければならないと考えていますが、現時点では通知等もありませんので、対処のしようがございません。

 

(記者)

 細かいところになるのですが、民間試験は英語4技能のうち「スピーキング」の部分を評価する狙いがあったと思いますが、県として、今後も英語力向上が求められていると思いますが、具体的にどのように取り組むのか伺います。

 

(教育長)

 英語民間検定試験の導入は延期になりましたが、英語の4技能を育成することは重要なことだと認識しています。

 令和6(2024)年度に実施される大学入試は、新学習指導要領のもとで実施されるものですから、その趣旨に則り、各学校の到達目標を定めた「CAN-DOリスト」を活用するなど、授業改善を一層推進していきたいと考えています。

 

(記者)

 最後ですが、国語と数学の記述式問題について、採点の公平性などの問題も指摘されていますが、県としての課題認識と対応策について伺います。

 

(教育長)

 記述式問題は、自らの力で考えをまとめたり、相手が理解できるよう根拠に基づいて論述したりする思考力・判断力・表現力を評価する目的で導入するものと認識しています。

 入試においては、採点を含めて受験生一人ひとりにとって公平性が確保されなければならないものと考えています。

 大学入試センターでは、記述式問題について、採点の質を高めることが当然求められますし、短期間での大規模な採点に必要な体制の充実を図るとされていますが、一方で、各方面から公平性の確保について、不安の声も聞かれています。実施までに体制を整え、試験が公平・公正に行われることが望まれると考えています。

 また、生徒が思考力・判断力・表現力をしっかり身につけることが必要ですので、記述式問題への対応について、県教育委員会としても、引き続き、授業改善に努め、本県の生徒が新たな試験に円滑に対応できるように取り組んでいきたいと考えています。

 

(記者)

 授業改善について、何か具体的な、英語も含めて力を入れているところがあれば伺いたいと思います。

 

(教育長)

 思考力・判断力・表現力を高めていくということですので、主体的・対話的で深い学びが求められています。そこに探究的な学びをしっかり身に着けてもらおうという観点で授業力の向上に取り組んでいます。

 

(幹事社)

 それでは、他にありましたらお願いします。

 

(記者)

 今の質問に関連して、受験機会の格差が生ずることがないように公平・公正に行われることが望ましいというお話でしたが、具体的にどういった対策が必要だとお考えですか。

 

(教育長)

 本県の場合、これまでの予定だと受験会場が限られるということです。先程も触れましたが、会場までの交通費、遠隔地ですと宿泊費が生じることが想定されます。通常の試験の他に、新たに英語の民間検定試験が入ってくることで、新たに受験料や交通費、宿泊費の負担が増えるということになります。経済的な負担への支援を検討していた矢先でありました。都市部と比較しますと、交通事情が極めて悪い、限られた受験機会ということがあり、都市部の受験生との受験機会の回数の格差などの問題があります。それが、大臣のコメントになってしまったのかもしれませんが、本県の生徒の受験機会が確保できるよう、行政がしっかりと対応していく、これは国を含めての行政ですが、格差が生じないよう支援が必要だと考えています。

 

(記者)

 今回の延期で一番影響を受けているのは、今後の受験生、高校2年生やそれに向けて準備してきた先生方だと思います。それに関して、県教委としてできること、文部科学省の通知が正式に出ていないので、これからということもあるとは思いますが、何かあればお考えを教えてください。

 

(教育長)

 11月1日から申請が始まる当日に中止が決定ということで、高校2年生の生徒は一生懸命勉強を進めていたと思いますし、保護者も子どもたちの受験機会の確保に向けて相談に乗ったり支援をしていたと思います。私どもは、学校を通じて混乱が生じないように情報提供は進めてきて、実施機関にも可能な限り会場を増やしていただきたいと要望し、手伝えるところは会場の提供等を申し入れ、円滑に進める努力をしてきたところでした。

 そうした矢先に、突然の中止発表で非常に残念ですし、県教育委員会としてはやれることをやってきたつもりでした。より良い方向に改めて検討を進めていっていただければ、よろしいと思います。

 

(記者)

 先程の質問に関連してお伺いします。民間事業者の一つであるベネッセでトラブルが相次いでいたことが明るみになりました。採点のために雇うのも大学生ということで、教育長がおっしゃった公平性・公正性が担保されるのかという声が県内では大きくあるところです。民間に委託すること、大学入試センターがどの程度チェック機能を果たせるか、同じく県内で懸念があるところです。先程、英語の民間試験について申入れ、要望を常々してきたというお話がございましたが、文科省の議論に対して、現場の不安を伝えていくことも重要だと思いますが、英語に限らず民間試験全体に関して、文科省への申入れや意見を伝える機会は検討されていますか。

 

(教育長)

 これまでも、政府予算提言・要望でもお話を伝えてきているところです。全国都道府県教育長協議会など全国の組織もありますので、そういった場で文部科学省に申入れをしてきています。そういった意味で、全国組織で共通の問題意識を持っているわけですし、地域によって事情が違うことはありますが、実施に向けての公平性・公正性の確保については、団体等と議論を重ねながら、提言・要望に結び付けていくことになると思います。

 

(記者)

 英語に関して全国都道府県教育長協議会から申入れはしていたのでしょうか。

 

(教育長)

 全国都道府県教育長協議会でも文部科学大臣あてに、地域・経済的格差についてのほかに公平性についてということを要望しています。英検やTOEICなど目的や質、難易度が異なる民間テストを導入することによって、公平性の担保について、色々申入れしていることもあります。どの民間テストを選択したとしても、公平な評価が可能となるような制度設計になるようにということと早期に公表するよう努めることもお願いしてきたところであります。ベネッセでは実際、実施した際には色々問題が出たと私も報道を通じて伺っています。それを文部科学省にも伝えていたようですが、これらについての対応もしっかりなされていなかったが故の中止決定かと思います。

 

(記者)

 各方面が伝えていたことはたくさんあったにも関わらず、政治的な要因が結びつかないと対応してくれなかったというところについて、教育長の個人的な意見でよいのですが、どのようにお考えですか。

 

(教育長)

 結果とすれば、残念ですと言わざるを得ないと思います。一番影響を受けるのは生徒たちですので、生徒達が一生懸命、それに向けて努力してきた中で、先程も触れましたが、現時点で文部科学省から通知等がなされていない状況です。11月1日には大臣がコメントを載せて、それがネット上で私どもも拝見し、それが唯一の文部科学省のお考えということになっています。

 今後も、色々な場面で情報収集に努めて参りたいと思います。それをしっかり学校現場、保護者等に伝えていかなければならないと思います。

 

(教育企画室)

 特にないようですので、本日の記者会見を終了します。

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