令和元年7月17日教育長記者会見における質疑応答

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ページ番号1022666  更新日 令和1年8月7日

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令和元年7月17日(水曜日)
県庁10階  教育委員室

発表事項:

  • なし

質問事項:

  • 岩手県立博物館学芸員による文化財への不適切な行為について

質疑応答

(教育企画室)

 ただいまから、教育長記者会見を始めます。

 本日は教育長から発表する事項はございませんので、以後、幹事社の進行によりまして進めさせていただきたいと存じます。

 

(幹事社)

 記者クラブからの代表質問、各社から事前通告している質問はありません。

 

(記者)

 県立博物館の無断サンプリング問題についてお聞きします。先日、調査規模、点数がかたまったということで、中には重要文化財も含まれているとなりましたけれども、それを受けまして改めて教育長の方から、規模がかたまり、中に重要文化財が含まれていたことについての受け止めと再発防止対策について、お伺いします。

 

(教育長)

 県立博物館の学芸員による文化財への不適切な行為についてですが、7月8日に生涯学習文化財課から発表させていただきました。重要文化財の調査点数についても、指定点数125点、県所有が39点、平泉町所有が86点と、そのうち、調査対象点数が76点、県所有が13点、平泉町所有が63点と発表させていただいております。

 併せて外部の有識者の方々、先の会見では3名から5名程度とお話をさせていただいておりましたけれど、5名の方にお引受けをいただくということで、それぞれの有識者の方についても発表させていただきました。

 今後の全体の調査対象点数について説明しているわけですが、平成16年度から30年度までの書類が残っている内容について、受託事業数169件、調査対象点数5,932点ということで、かなり膨大な数に渡るということであります。先ほどお話しました、5名の外部有識者の方々から専門的な助言等をいただきながら、多くの調査対象点数がございますけれど、重要文化財を最優先に進めていくということで、調査を進めています。

 また、再発防止に向けてでございますけれど、当時の関係者へのヒアリング等も進めています。その中でどういったところに落ち度があったのかなどを改めて調査しながら、再発防止策についても検討していきたいと思います。

 

(記者)

 その具体的なスケジュールについて伺いたいのですが、まず、重要文化財に関しては、どのような調査手法をとって、いつぐらいのスケジュール感で解明するかということについて、どういったところで調査するか決まっていたらお伺いしたいと思います。

 関係者のヒアリングについてですが、これは具体的にどのような方々を対象として、いつぐらいに再発防止策を取りまとめるお考えかを教えてください。

 

(教育長)

 まず、スケジュールについてですが、現在博物館において鑑定分析を行った際に残されたサンプルや分析報告、それから作業記録等の確認を行っております。こういった調査対象金属製品に関する資料に基づいて精査を行っていきたいと考えています。

 また、アドバイザーの方々に具体的な調査の手法等についても、相談しながら進めていきたいと考えていまして、具体的な日程については、重要文化財を最優先にとお答えしていますが、こちらの方については年内には公表できるような形で進めていくこととしていますので、そちらの方を最優先に取り組んでいきたいと考えています。

 具体的な手法については、これは何度も申し上げますとおり、専門家のアドバイザーの方々に助言等をいただきながら、具体的な調査の手法、どこでどのような形でやるかといったところも相談しながら、進めていきたいと考えています。

 それから、関係者のヒアリング等ですが、これについては既にヒアリングを行っている方もいます。具体的に、相手方の日程等を確認しながら丁寧に進めていきたいと考えています。

 

(記者)

 外部有識者の方に事前に回られたと伺っておりましたけれども、その際どのような意見があったのか。今回の事案も含めて、どのような御意見をいただいたのか、お願いします。

 

(教育長)

 5名のアドバイザーを個別に訪問させていただき、就任のお願いと御礼を合わせて行ったところです。その際に、これまでの経緯や、今後の調査をどのように進めていったらよいか、助言をいただいたところです。

 5名のアドバイザーの方々からは、当県にゆかりのある、かつての調査に色々と御協力いただいた専門家の方々でありまして、できるだけ協力したいとお話をいただいております。それから、具体的な調査の進め方について、それぞれの分野の専門的な立場からの助言もいただいたところです。その助言に基づきまして、今後、調査を進めていきたいと考えていますが、ただ、先ほど言いましたように対象資料が6,000点近くありますので、相当な時間を要する調査ということで、どういった形で効率的に調査を進めていくか、今回のサンプリングが無断で、あるいは承諾なしで行われてきたということもあり、一方、真に必要な分析もあるわけですから、そういったところも丁寧に調査を進めていきたいということも助言をいただいたところです。

 

(記者)

 「効率的な調査」とおっしゃいましたが、当該学芸員が残した調査資料やサンプリングの指示の資料が残っていると聞いております。そういった中で、6,000点の内から絞りこんで、スピード感をもって取り組むとかはいかがでしょうか。

 

(教育長)

 具体的な進め方については、5名のアドバイザーの方の助言をいただきながら判断したいと考えています。

 

(記者)

 今の文化財の関係について伺います。この当該学芸員については一度処分していますが、今回の調査で重要文化財にもサンプリングの跡が見つかった場合に、追加の処分をするのか、もしくは別の方法で対応するのか、お考えをお聞かせください。

 

(教育長)

 現段階においては、調査結果がどのような形になるか、まだ不明であります。その点については調査の結果等によりまして、どのような形になるのが望ましいのかも含めて、改めての検討になるかと思います。

 

(記者)

 現在、当該学芸員は自宅待機と伺っていましたが、現時点も変わらないということでよろしいですか。

 

(教育長)

 当該担当者は、6月15日から自宅待機をしております。今般、関係書類や資料の管理など、当該担当者から離して、県立博物館の中で管理できる体制になりましたので、先週、7月12日から職場復帰させたと伺っております。具体的には、金属製品に関係のない業務に従事させ、執務場所についても制限をしておりまして、単独で執務を行わないような配慮をしているということで、職場復帰をさせたと伺っています。

 

(記者)

 肩書なども変わらず、ですか。

 

(教育長)

 それについては変わっていません。

 

(記者)

 金属製品以外の通常の学芸員業務ということですか。

 

(教育長)

 はい。

 

(記者)

 5名のアドバイザーの方について、もう少し詳しく聞きたいと思っていて、調査方法は目に見える形で進めるものではないと思います。例えば、X線撮影をしたほうがいいなど、一歩踏み込んで、調査方法についてどういった助言をいただいたか、お聞かせください。

 

(教育長)

 具体的な、実際にどのような形で調査をするかという段階にはまだ至っておりません。1度、生涯学習文化財課の担当が、それぞれの組織の方に出向いて、これまでの経過や、膨大な数ですので、どのような形で進めていくか、いろいろと御検討をお願いした段階です。ただ、数が多く、県立博物館に資料が残っているわけではなくて、相手方に資料が戻っているので、それをどのような形でX線撮影するかなど、そういったところは話が出たと伺っております。

 ただ、具体的にどのような手法でという段階までは、まだ助言いただいている状況ではないということです。

 

(記者)

 それは、X線撮影をする方向で考えてはいるけれども、X線撮影する研究機関、調査機関への搬送方法をどういうふうにしていくかというとことで、今、話が止まっている状況ですか。

 

(教育長)

 相手方の施設をお借りしてそこで撮影をするなど、どれだけの数がどこにあって、それをどうやってX線撮影するか、そういった具体的な内容について、これは膨大な数ですから、いかに効率よくやるか。そういったところでも時間と経費がかかるわけですから、うまくやる方法等についても検証を含めて、生涯学習文化財課の担当とよく調整させていただいて、そして進めていきたいと思います。

 

(記者)

 費用面はどのようにお考えですか。

 

(教育長)

 当然、X線撮影で、画像、現像といいますか見える形にするわけですから、それに要する経費は、それなりにかかると捉えていまして、それについてもどの程度の経費がかかるか。X線撮影でもその大きさにもよると思いますが、小さい資料から大きな資料まであると思います。すべてゼロベースで県教委が調査すると言っておりますので、その点はしっかり説明責任を果たしていく上では、経費もかけながら対応していかなければならないとは考えています。

 

(記者)

 経費は、数万円、数十万、数百万、数千万規模、どの位の規模なのですか。

 

(教育長)

 それは、即答はできません。調査する点数でどれだけのX線撮影をするかにもよると思います。

 

(記者)

 今のお話に関連して、費用面の話が出ましたけれども、本来であれば、かけなくていいお金です。今後、当該学芸員に対して、例えば損害賠償請求など、そういったことも検討するお考えでしょうか。

 

(教育長)

 最終的にどれだけの費用を要するか、それから県教委が主体的に進めると申していますが、実際の事業実施主体は、文化振興事業団になるわけです。文化振興事業団の自主事業の中の部分でありますから、文化振興事業団と費用負担のあり方についても、今後調整が必要となってくると考えています。その中で、どこまで担当者の責任があるのか判断材料になってくると思いますが、個人の責任等についても、調査が始まったばかりですから、現段階において、まだ考えていないところです。

 

(記者)

 それは、検討するというところまで考えがいかないと。

 

(教育長)

 あくまでも調査結果に基づいて、どのような形で整理していくか、その時点で考えなければならない問題だと思っています。

 

(記者)

 ある程度見えてきたところで考えて、検討すると。

 

(教育長)

 そういったことも検討が必要になってくることもあるだろうと捉えています。

 

(記者)

 平成2年からの調査対象は資料が残っていなくて、その点に関しては、関係者に聞き取りを始めてやりたいという方針だったと思いますが、具体的に進んでいるのか。実際、どれくらい点数が増加するのか、微増なのか規模感をもし分かればお知らせください。

 

(教育長)

 現段階においては、平成16年度から30年度までの書類上で残されているもので確認が取れるところを優先的に調べてきました。平成2年から平成15年度までの間に取り扱った内容についての調査はこれからという形になります。

 

(教育企画室)

 これで記者会見を終了させていただきます。

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岩手県教育委員会事務局 教育企画室 企画担当
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