木炭(いわてお国自慢)
このページでは、岩手県が日本一、日本初あるいは唯一無二であるなど、全国に誇るべき岩手のお国自慢をご紹介します。
今回は「木炭」!
広大な森林をもつ岩手県には、木炭の原料となるナラやクヌギなどが豊富にあります。県北部の市町村が中心となって生産している木炭は、全国生産量の約3割を占め、日本一(平成29年度)を誇っています。
第1位 岩手県 :全国シェア31.4%(3,014t)
第2位 高知県 :全国シェア15.3%(1,469t)
第3位 和歌山県:全国シェア12.0%(1,148t)
岩手の木炭生産の歴史は古く、約900年前の平安時代からと言われています。平泉遺跡群発掘調査では、12世紀前半頃から陶器を焼く際の熱源として木炭が使われていたことが分かっています。
県産の原木を使用して生産された黒炭 は「岩手木炭」と呼ばれ、火付き、火持ちに優れ、バーベキュー初心者に最適です。また、不純物が少ないため、煙・炎がほとんど出ず、匂いが食材にうつらないのも魅力です。炎が出なくても、遠近赤外線で食材全体をすばやく加熱できます。これによりうまみ成分や肉汁を逃がさず、外側はカリッと内側はふっくらジューシーに仕上がります。
岩手独自に開発した岩手窯 を使用し、窯内を均一の温度に保ち時間をかけて丁寧に製炭することで、樹皮をあまり剥がすことなく炭化させることができます。このことにより、岩手木炭の大きな特徴でもある高い着火性能が生まれます。

岩手木炭は農林水産祭(主催:農林水産省など)において、農林水産大臣賞や林野庁長官賞を多数授与されており、平成30年度農林水産祭の林産部門では、久慈(くじ)市の谷地司(やちつかさ)さんが、木炭生産で初の内閣総理大臣賞を受賞しました。
谷地さんは、製炭に従事して15年、先輩の技術を引き継ぎ自らも研さんを重ねてきました。「みんなに炭がどういうものか分かってほしい」との思いから、県内外の学生への炭焼き体験、林業大学校の木炭生産講座の講師など、木炭生産の普及啓発を行っています。
「地元の子どもたちでも岩手が木炭の一大産地だということを知らないので、生産量も品質も日本一だということを伝えたい」と語る谷地さん。他の生産者への技術指導による製炭技術の継承も行っており、地域産業の維持にも貢献する地域のリーダー的存在となっています。
「ただ炭を作るだけでなく良い炭がどんなものか知り、製炭者全員が品質に責任をもっていい炭を作る。そうやって外国産の木炭との差別化を図ることで若い人にも興味を持ってもらいたい」と話してくれました。


皆さんもバーベキューなどは岩手木炭を使用し、その違いを感じてみてはいかがでしょうか。
豆知識
【もくたん(木炭)】
- 製炭方法(焼く温度)の違いによって黒炭と白炭に区分される。[黒炭:400~700度、白炭:約1300度]
- 「岩手木炭」が平成30年8月6日に地理的表示(GI)の登録を受けた。
(注)地理的表示(GI)とは、地域の商品ブランドに国がお墨付き(知的財産として保護するなど)を与えるもの。県内では「前沢牛」「岩手野田村荒海ホタテ」に続き3例目。木炭の登録は全国で唯一。 - 岩手県は製炭者数(木炭の生産者数)も全国一。
(注)岩手県製炭技士(チャコールマイスター)養成研修などで若手生産者などの育成を支援している。 - 県沿岸部の住田(すみた)町には、木炭をモデルにした「すみっこ」というゆるキャラがいる。

関連情報
PDFファイルをご覧いただくには、「Adobe(R) Reader(R)」が必要です。お持ちでない方はアドビシステムズ社のサイト(新しいウィンドウ)からダウンロード(無料)してください。
このページに関するお問い合わせ
秘書広報室 広聴広報課 広聴広報担当(広報)
〒020-8570 岩手県盛岡市内丸10-1
電話番号:019-629-5283 ファクス番号:019-651-4865
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。