「いわて幸せ作戦会議(in盛岡)」(令和4年1月11日)

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ページ番号1052961  更新日 令和4年3月28日

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日時
令和4年1月11日(火曜日)10時30分から11時50分まで

場所
盛岡地区合同庁舎 8階 大会議室

出席者

・参加者(敬称略)
 塚田 崇博(Aqsh株式会社 代表取締役)
 藤岡 裕子(一般社団法人カダル 代表理事)
 髙橋 和重(たきざわ日曜朝市会 会長(滝沢市商工会理事))
 平  真弓(あそびこむ 代表)
 千葉 雄大(有限会社ハッピーヒルファーム 専務取締役)

・県側
 知事、盛岡広域振興局長、政策企画部長

開会

石川部長
 ただいまから、県政懇談会「いわて幸せ作戦会議in盛岡」を開催いたします。
 皆様には、御多忙のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 本日は、「県央圏域での新たなつながりや活力の創出」を懇談テーマとし、県央圏域の良さや資源を生かした様々な交流により、地域の活性化に取り組んでおられる皆様にお集まりいただいております。
 私は、本日の進行役を務めさせていただきます、県の政策企画部長の石川と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

知事あいさつ

写真:懇談会の様子1

石川部長
 
それでは、開会に当たりまして、知事から御挨拶申し上げます。

 達増知事
 
皆さんおはようございます。それから、明けましておめでとうございます。
 せっかく立派なパーティションがあるので、その中でしゃべらせていただきますけれども、県政懇談会「いわて幸せ作戦会議」という名前でありますが、県政懇談会というのが昔からあるのですけれども、「いわて幸せ作戦会議」という名前にしたのは、今の県の総合計画、「岩手県民計画(2019~2028)」の基本目標が、「東日本大震災津波の経験に基づき、引き続き復興に取り組みながら、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわて」というものでありまして、県民、更には、岩手に関わるすべての人の幸福度を高めていこうという目標でありますので、そのための作戦会議という位置付けで、県政懇談会、県内の各地域、各分野で活躍している皆さんの声を聞き、岩手県政に反映させるという趣旨であります。
 場所は盛岡市内でありますけれども、今日は、盛岡広域の盛岡市以外の市町村で活躍する皆さんに集まっていただきまして、都市近郊の一方で豊かな自然に恵まれ、伝統文化、歴史もある市町をベースにしながら、この盛岡圏域の広域性とか岩手の中での拠点性、更には、東北、全国の中でも重要な場所でもあるこの盛岡広域での活躍、そのお話を伺うことを本当楽しみにして参りましたので、よろしくお願いいたします。
 県議会議員の皆さんにもお忙しい中御参加いただきまして、誠にありがとうございます。
 実りある会議になるよう、よろしくお願いいたします。

出席者紹介

写真:懇談会の様子2

石川部長
 
 それでは、この後の進め方について御説明申し上げます。
 私から、お一人ずつ御出席の皆様を御紹介いたしますので、皆様から1分程度で簡単な自己紹介をお願いしたいと思います。その後、本日のテーマに沿ってお話をいただきますけれども、お一人ずつお話が終わった都度、知事がコメントする形で進めていきたいと思います。
 そして最後に、自由懇談の時間を設けたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、本日御出席の皆様を御紹介いたします。Aqsh株式会社代表取締役、塚田崇博さんです。

 塚田 崇博
 
Aqshの塚田と申します。着座にて自己紹介させていただきます。
 私は京都出身でして、5年前に八幡平市に移住をして参りました。きっかけとなったのは、私の父が20年ちょっと前に、八幡平に関西から移住をしておりまして、しばらく離れて住んでおったんですけれども、ちょっと父の体調不良をきっかけに関西でやっていた仕事をすべて一旦畳みまして、私、単身で親と同居するためにやってきたというようなところです。
 来てから数年した後に、八幡平市でやっているスパルタキャンプというプログラミング合宿の取組を知りまして、そちらに参加したことをきっかけに八幡平市の職員の方とつながりを持たせていただいて、そこから、もともと人材の会社をずっとやっておりましたので、その知見を生かして何かできないかという提案をさせていただいたところ、一昨年からですね、「八幡平市まちの人事部」という委託業務を受けさせていただくことになり、今、Aqshという会社を運営しております。よろしくお願いいたします。

石川部長
 
はい。ありがとうございました。続きまして、一般社団法人カダル代表理事、藤岡裕子さんです。よろしくお願いいたします。

藤岡 裕子
 
おはようございます。矢巾町の一般社団法人カダルの代表をしております藤岡と申します。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。座らせていただきます。
 私は盛岡市出身でして、本当にすぐそこの愛宕町に住んでいたんですけれども、大学に入学したときに東京に出まして、そこから東京で暮らしていたんですけれども、平成30年に地域おこし協力隊として、矢巾町にUターンという形で戻って参りました。そこで、3年活動させていただいた後、去年の3月に一般社団法人カダルというまちづくり会社を立ち上げまして、4月から本格的に活動をスタートさせております。
 もともと岩手に戻って来たいと思ったきっかけが、岩手を元気にする仕事がしたいと思ったことでございましたので、地域おこし協力隊を卒業した後も、地域に関わって、地域を盛り上げていくことが何かできないかなと思ったところで、まちづくり会社というものを立ち上げて活動しております。活動自体まだ短いので、あまり深い話ができるかちょっと自信はないんですけれども、本日とても貴重な機会をいただきましたので、楽しみにしております。
 本日は、どうぞよろしくお願いいたします。

石川部長
 
はい、ありがとうございます。続きまして、たきざわ日曜朝市会会長、髙橋和重さんです。お願いします。

髙橋 和重
 
髙橋といいます。よろしくお願いします。
 自分は花屋をやっていまして、フラワーショップリールはみたけの方で、百花(もか)は滝沢市の方にあって、クリスマスローズというお花の生産販売をしています。
 その流れから、滝沢の日曜朝市というのを作った根本になるんですけども、そこからスタートして、ひとまず今に至るような形でした。あと、今は、商工会の方の理事とか、滝沢の観光協会の副会長とかもやらせていただいていました。
 貴重なお時間だと思うので、楽しみながらやりたいと思います。よろしくお願いします。

石川部長
 
はい、ありがとうございます。続きまして、あそびこむ代表、平真弓さんです。

平 真弓
 紫波町から参りましたあそびこむ代表の平と言います。お願いします。
 普段はなかなかこういう場に来ることがないので、少し緊張しているんですが、2017年4月から地域おこし協力隊として紫波町の一期生という形で着任させていただいて、町のPRとかを中心に活動しておりました。卒業後の昨年度は、もともと子どもに関わる仕事がしたいなと思っていたこともあって、町内の保育施設で保育士として働かせていただきまして、それを受けて、今年度の4月から、個人事業主という形で、「あそびこむ」という名前で子どもの居場所作りを目的としたイベント企画などを行っております。今日は、皆さんとおしゃべりするのを楽しみにしてきましたので、どうぞよろしくお願いします。

石川部長
 
はい。ありがとうございます。続きまして、有限会社ハッピーヒルファーム専務取締役、千葉雄大さんでございます。

千葉 雄大
 岩手町から参りましたハッピーヒルファーム千葉と申します。座らせていただきます。
 私はですね、実家が農業をやっていたということで、ここから県外の方には出ていたんですが、実家の家業を継ぐために帰ってきました。
 岩手には家業があったから帰ってきたっていうのが最初の理由だったんですけれども、仕事やいろんな関係を岩手の方々と持っていく上で、岩手というか、僕の業種自体がちょっと右肩下がりというか、やっぱり農業は後継者がいないっていうのがすごいずっと昔から言われているんですけれども、そこを若い力で何とか打破していけたらなと思いながら最近は仕事をしています。
 本日は、よろしくお願いいたします。

石川部長
 
はい、ありがとうございました。県からは、達増知事、それから盛岡広域振興局の高橋局長です。
 また、本日は、県議会議員の皆様にお越しいただいておりますので御紹介申し上げます。八幡平選挙区選出の工藤勝博議員です。

工藤勝博議員
 どうぞよろしくお願いします。

石川部長
 よろしくお願いします。滝沢選挙区選出の柳村一議員です。

柳村一議員
 よろしくお願いいたします。

石川部長
 よろしくお願いいたします。同じくハクセル美穂子議員です。

ハクセル美穂子議員
 おはようございます。よろしくお願いいたします。

石川部長
 よろしくお願いいたします。同じく武田哲議員です。

武田哲議員
 よろしくお願いいたします。

石川部長
 よろしくお願いいたします。紫波選挙区選出の臼澤勉議員です。

臼澤勉議員
 はい。よろしくお願いいたします。

懇談

<テーマ>
県央圏域での新たなつながりや活力の創出

石川部長
 それでは、皆様のお手元にお菓子と飲み物を準備してございます。高橋局長から、本日のお菓子と懇談テーマを御紹介申し上げます。どうぞお召し上がりながらお聞きください。高橋局長よろしくお願いいたします。

高橋局長
 お手元にお菓子のほかに資料もお配りしておりますが、本日のお菓子は、障がい福祉サービス事業所ファーム仁王で作られているパンプキンタルトでございます。このタルトは、同じ障がい福祉サービス事業所の地域生活支援センター滝沢から仕入れました滝沢産かぼちゃを使用してございます。自家製のタルト生地は、ファーム仁王の皆さんが、利用者同士で技術を受け継ぎながら、皆さんで良いものを作りたいという思いを込めて、一つ一つの素材を生かして作り上げたものです。自家製タルト生地にかぼちゃと生クリームがたっぷり入った上品な食感となっておりますので、皆様どうぞお召し上がりいただきたいと思います。
 続きまして、本日の懇談会のテーマについて御説明を申し上げます。本日のテーマにつきましては、「県央圏域での新たなつながりや活力の創出」とさせていただいております。これは、県央圏域の良さを生かした様々な人的交流や物的交流などによる地域の活性化への取組について、本日御出席をされている皆様が活動されている中での気づきや課題、今後の抱負、これからの岩手に望むことなどについて、御意見をお伺いしたいと考えております。
 皆様の御意見は、「岩手県民計画(2019~2028)」の県央圏域地域振興プランの取組方向に掲げております、「歴史と文化を継承しながら、新たなつながりや活力を感じられる地域づくり」を進めるための施策の展開に向けた取組の参考にさせていただきたいと考えてございます。
 限られた時間でございますが、忌憚のない御意見等を頂戴できればと思っております。本日は、どうぞよろしくお願いいたします。

達増知事
 カボチャのタルトというのは初めて食べますが、おいしいものですね。カボチャとシナモンかな。洋菓子によく入るものとの取り合わせがかなり美味しいので、いいと思います。

高橋局長
 ありがとうございます。ぜひ、プライベートでもお買い上げいただければと思います。よろしくお願いします。

石川部長
 それでは、召し上がりながらということでお願いしたいと思います。
 ここからは、本日のテーマ「県央圏域での新たなつながりや活力の創出」に沿いまして、現在の取組や課題、今後の方向、御自身の抱負、県への期待なども含めまして、皆様からお話を伺いたいと思います。先ほどの順番で、塚田さんからお一人5分程度でお願いしたいと思います。それでは、トップバッターということで、塚田さんどうぞよろしくお願いいたします。

塚田 崇博
 改めまして、Aqshの塚田と申します。よろしくお願いします。
 私が今、八幡平市でさせていただいている事業が、先ほど話しました「八幡平市まちの人事部」というものになるんですけれども、一言で言うと、民間企業の採用と育成と定着、この3つの支援をするといったプロジェクトになっておりまして、通常は民間の人材会社がそういった支援をされていることと思いますが、ほとんどの中小企業、地方においては中小企業が大半になってくると思うんですけれど、そういったところは、コストの問題であったりとか様々な理由によって、なかなかそういったところを利用しにくい、できないといったところにありながら、しかも社内に専門的な人事施策ができる人事担当者と呼ばれるような者がいなかったり、あるいはそれを配置したくても日々の業務に追われてなかなか難しいと。結果として、社長だったり工場長だったり、そういった方が兼任をしているのが実情で、例えば人が足りないとなったときには、もうハローワークに出すしかないといった現状が多くあると。一方で、自治体として見ても、できれば市内に就職をして欲しいなと思っていても、学卒の年齢とともにやっぱり流出が顕著に見られると。そういったところから、自治体としてしっかりそこに手を打って、若者が町に残る、あるいは戻って来やすくするといったようなことをやっていくためのプロジェクトになっています。
 私は、まだこれを受託して1年半ほどなもので、何が有効なのかっていうのは手探りな部分もあるんですが、やっていきながら少しずつ実感してきたのは、なぜ都市部に若者が出ていってしまうんだろうというふうに考えると、まず一つは、もちろんその地域にある魅力的な仕事にたまたま出会ったからっていうのはあると思うんですが、地域の会社のことをあまりよく知らないっていうのが顕著にあるかなと思っています。それは、接する機会がなかったり、あるいは知る機会そのものが与えられていないというか、なかなか情報が取得しにくい、そもそも発信をしていない中小企業さんも多くある中なので、どうしても知り合いが行っているとか先輩が行っているとか、そういったつながりがなければ、地域の魅力ある会社がありながらも働き手にとって情報として届いていないっていうのが大きくあるかなと思っています。
 もう一つ感じているのは、発信力だけの問題なのかというとそうではなくて、やはり個性が必要だなと思っていて、今は会社選びというよりも、一緒に働く人選びの時代になっているかなと私個人的には考えておりまして、この社長とだったら一緒に仕事してみたいとか、社長でなくてもいいんですけれども、魅力ある人ですね。これこそが吸引力になっていくものと感じているので、そういった部分のつながりですね。できれば、学生のうちからそういった社長とだったり、あるいは魅力ある社会人との触れ合いができる機会を地域でもっと多く持てれば、一時的には外に出て行くこともあるかと思うんですが、また、社長のところで働いてみたいとか、同級生と一緒に働いてみたいとか、そういったことがまた起こってくるんじゃないかなと思っております。
 なので、こういった場でいろんな方々と意見交換させていただく場も含めて、やはりつながりっていうのが本当に大事だなと思っておりまして、その上で、私自身が心がけていることは、「では、自分自身は相手に何の価値が提供できるだろうか」というところで、やっぱり覚えていただくこともそうなんですが、しっかりと感動していただけるような価値提供ができるように、私自身は今、力を入れているのが、マーケティングとブランディングっていう分野において採用をしっかりしていけるように力添えをさせていただいております。具体的には、企業理念とか経営理念といわれるようなものが、最初創業当時に作ったまま、そのままになっているケースが結構多くて、そこをしっかりと現代の今の会社の実態、あるいは組織文化に合わせて見直しをかけて、簡単に言えば若者に向けて翻訳をするような形で分かりやすいメッセージに変えて、「自社はこういう価値提供をしているよ」っていうことをメッセージとしてしっかり届けていくことで、いろんなことが変わっていくんじゃないかなと思っております。私の場合は、「握手できっかけを」というふうに申し上げております。
 握手というのは、社名にもあるんですが、人と人との支援の印である握手ですね。今はコロナ禍でなかなかしにくいんですけれども、この人とのつながりによって、きっかけを与えていけるような会社でありたいなと、そう思っております。今日はありがとうございます。よろしくお願いします。

石川部長
 はい、ありがとうございました。それでは、知事からお願いいたします。

達増知事
 はい。塚田さんには、八幡平市に移住いただきありがとうございます。
 地域の魅力ある会社が知られていないというのは本当にそのとおりで、県もそういう問題意識を持っていて、数年前に全県の大学、専門学校、高校などの生徒学生にアンケートをとったときに、県内に本社がある会社の名前をいくつ言えるかというような質問で、0というのが結構あったり、半分以上は、確か3つ以下だったかな。よく考えれば、銀行とかテレビ会社とか新聞社とか自分が行くお店とか、地元の会社というのはいっぱいあるはずなんですけど、やっぱり学生生徒は消費者として生きているので、消費の場としてサービスや商品の提供主体としては認識しているけど、そこで働くとか経営が行われてるとか、そういう供給サイドの視点という、働く側の視点がやっぱり生徒学生は普通にしてるとほとんどないので、そういう視点を持ってもらいながら、地元の魅力ある会社を紹介するようなことをやっていかなければと思っておりました。
 そして、人を選ぶというのは本当そのとおりだと思いますね。どういう人たちと一緒に働くのかというのは非常に大事で、就職する前にいろいろ調べる際に、やっぱりどういう人と一緒に働くことになるのかというのが分かっていると非常にいいんだと思います。
 マーケティング、ブランディングで、昔風の企業理念とかスローガンとかを今風に変えるという話がありましたけれど、例えばどんな例がありますでしょうか。

塚田 崇博
 例えばなんですが、具体例として、つい先日お手伝いしたのが、八幡平にあります建設業の会社さんで高福組さんというところがあるんですが、昨年100周年を迎えられたことをきっかけに企業理念を見直したいということで、もともとはその地域に寄り添うというようなテーマがあったんですが、それを少し一歩メッセージを変えて、未来をつくり地域を守るっていう言葉に変えたんですね。基本的には同じ意味合いなんですけれども、もう少し具体性を持ってミッションを掲げ、そこにビジョンを加え、バリュー、価値提供、そういったことを全部1から言葉出しをしていって、行動指針にもそれを盛り込み、さらに今年は、それを評価制度にも盛り込んでいくと。つまり、理念を作っただけでは意味がなくて、組織文化にちゃんと浸透していかないといけませんので、その作った理念のとおり、あるいは行動指針のとおり活動できていると加点されるというような評価制度にすることによって、会社の本当に大事にしていること、向かうべき方向性というのを皆さんで同じ方向を向いていくといったような取組ですね。そういうことを今活動として主にやっております。

達増知事
 そういう言葉で行動をドライブしていくということ、本当に大事だと思います。ありがとうございました。

石川部長
 はい。ありがとうございました。それでは続きまして、藤岡さん、お願いいたします。

藤岡 裕子
 改めまして、一般社団法人カダル代表の藤岡と申します。本日はよろしくお願いいたします。
 まず、私が地域おこし協力隊として岩手に来たという話を先ほど自己紹介でさせていただいたんですけれども、そのときになぜ協力隊になったかというところで、岩手を元気にする仕事がしたかったという思いがございます。それは、私がただ純粋に岩手県がすごく好きだったというのがありまして、東京に大学で出ましたが、私は東京に出たくなかったんですね。地元には、私は祖父母と暮らしておりましたので、家族もたくさんいましたし、近所の八百屋のおばちゃんとか魚屋の皆さんとかに可愛がられて育ったので、すごく岩手の温かさというものが好きで、この町から出るという選択肢が自分の中にはなかったんですけれども、広い世界を知りなさいという家族の教えの下、東京に出て暮らしておりました。ですが、やっぱり岩手が好きだったので、戻って来たい、戻って来るんだったら岩手を元気にする仕事がしたいと思って戻って参りました。ただ、私自身すごく甘い部分がございまして、岩手を元気にする仕事ってなんだろうって考えたときに思いつかなくてですね、いろいろ調べた結果、地域おこし協力隊というお仕事を見つけたので、何も分からず飛び込んだっていうのが現状です。ですが、協力隊になってからもものすごく人に恵まれまして、入った直後にいろんな方に名前を知っていただくきっかけをもらったりとか、それこそ隣町の紫波町には目の前にいる平さんがいてくれたりとかですね。そこですごく仲良くさせてもらって、いろんな人がいろんな人を紹介してくれて、まさに人と人とつながって、活動を続けることができました。出会った人たちが、すごく自分の活動に共感してくれたり、必要としてくれたり、自分たちがやったことに喜んでくれたり、というのがやりがいになりまして、地域に残ることを決めたきっかけにもなったと思います。
 地域おこし協力隊時代に見えてきた地域の課題として、先ほど塚田さんも仰ってましたけど、地域の人が地域を知らないっていうのは、私もすごく感じたものでございました。すごくもったいないなと思うことがたくさんあって、知らないが故に使えないっていうのはすごくもったいないなと思ったので、発信をすることで役に立てるんじゃないのかなと思い、活動してきました。
 卒業後に関しましては、起業というものは実は全然考えておりませんで、ただ、地域おこし協力隊として活動してきたものは続けていきたいと思いましたし、必要としてくれたこの町の人たちと一緒に、この町に暮らしていきたいという思いが強くありまして、そのために起業するしかなくて起業した形になります。
 地域おこし協力隊時代に発信というものを仕事としておりましたので、その関係で町の方と関係人口創出事業を一緒にやっていこうと言っていただけたこともありまして、地域の魅力を知るきっかけを与えるというのを、今、大きな仕事として会社では取り組んでいます。主に何をしているかと言いますと、勉強会だったり、イベントを企画したり、座談会をやったりというところで、そういったものをやって、地域を知っていただくきっかけを与えて、そこでできた仲間たちと新たなものを発展させていくという、地域を好きだという仲間づくりというものを目指して活動しております。
 私がこの町に残ってよかったなと思う一つに、いろんなつながりというところがあるんですけれども、本当に県内の地域おこし協力隊とのつながりというのもすごく大きくて、矢巾町はとても小さな町ですので、自町で完結できないことってたくさんあるんですけれども、県内にたくさんの仲間たちが、それこそ広域どころか今は県北だったりとかにもたくさんおりますので、そういったメンバーと何か困ったときに相談し合ったり、協働したり、ということがたくさんできていたのは、本当に強みだと思いますし、これからも続いていく強みなのかなと感じております。そういった仲間がいることで仕事の幅が広がったのも確かで、例えば一戸町でお話をさせていただくきっかけをいただいたりとか、そういったことで矢巾を新しいところで知ってもらうことができるのは、本当に地域おこし協力隊のおかげだなと感じております。
 ただですね、卒業した後の起業というものを全く私は考えてなかったことで、会社を始めたときは本当に大変で、もう右も左もどころか上も下も分からない中でですね、すごく経営者の皆さんに助けていただいたというつながりもございます。それは、経営者の皆さんが集まる会に参加させていただいたことがきっかけではあったんですけれども、商工会ももちろんそうですし、私はそういったところに属するのを拒まずに参加しちゃうんですけれども、そういったところに属したことでできた仲間っていうのがすごくたくさんおりまして、改めてコミュニティの大切さみたいなものを身をもって経験しているなと思っております。コミュニティをつくるというものにも私はすごく大事さを感じているので、これから作っていきたいなと思っております。
 私が目指すところなんですけれども、地域におもしろい大人がいるっていうことを示し続けたいなというのがありまして、こういった大人がいる町っておもしろいじゃんと、若い子たちだったり子どもたちに思ってもらいたいなと思いますし、いろんなコミュニティがある中で、そのコミュニティを協働させる、コーディネートするような人材っていうのは絶対に必要だと思うので、そういった役割を担っていけるような会社になっていきたいなと思っております。
 また、その地域の魅力だったり、パワーというものを伝え続ける人っていうのは絶対必要で、昔は家族が多かったので、家族で伝え続けてこられたのかもしれないんですけど、そういったものが希薄化していく中で、地域のいいところだったり魅力だったりっていうものを伝え続ける人っていうのは必要だと思うので、そういったところも担っていきたいと思います。
 私、個人的に目標がございまして、矢巾で一番有名な近所のお姉ちゃんになるっていう夢があります。有名人になりたい訳じゃなくて、近所のお姉ちゃんとして有名な人になりたいなと思っているので、地域の中に入って信頼関係を築きながら、やっていけたらいいのかなと思っております。以上でございます。

石川部長
 はい。ありがとうございました。では、知事からお願いします。

達増知事
 はい。起業というのを当初考えていなかったけれども、必要に迫られて、やりたいことをやるためには法人格があった方がいいということで、そういう起業の仕方というのは非常にいいんじゃないかなと思います。
 一方、法律とか経理会計とか、かちっとやらなければならないことがいくつかある部分については、経営者の皆さんや商工会に手伝ってもらったということで、よかったと思います。
 矢巾町という町の規模が、手伝ってもらいながらそういうことをするのにちょうどいいのかもしれないですよね。矢巾町商工会とか、適正規模というか、何か地域に根差した新しいことを手伝ってもらうのにちょうどいいサイズなのかなという感じもします。
 おもしろい大人というのは大事で、劇作家の平田オリザさんという人が、地域振興に当たっては、このおもしろさというのがないとやっぱり駄目だということを言っていて、特に若い人たちにつまらないと思われては地域振興というのは駄目なので、つまらなくないまちづくりをしなくては駄目ということを言っているのですけれども、そういうおもしろいということは、かなり本質的なんだと思います。何か他の価値観、純粋に金銭で量られる利益とか、そういうのを優先してしまったりするとおもしろさが失われたりとかですね、逆におもしろさがあるが故に一定の収入が得られるみたいなところもあるのでしょうけれども、おもしろいというのはやっぱり大事で、県全体もそういうふうでなければ駄目だなと思いました。ありがとうございます。

石川部長
 はい。それでは続きまして、髙橋さんからお願いいたします。

髙橋 和重
 はい。たきざわ日曜朝市のことなんですが、一番初めのスタートは、たきざわ青年連絡会というのがありまして、自分自身が商工会の青年部の部長をやっているときに、農村の青年部さんとチャグチャグ馬コの青年部さんの3つを1つにした団体を作ったんです。そのときに、滝沢市の地域づくり推進課の事業である地域デザインの補助金を受けて、地域の交流の場を作る目的でたきざわ日曜朝市をスタートさせました。ただ、やっぱり滝沢青年連絡会だと運営していくのがすごい大変だったので、朝市の会員さんたちで運営をしていくということで、その年の8月に会員さん達だけで朝市会というのを立ち上げました。それが平成27年のことで、はじめは滝沢市役所前の駐車場でやっていたんですが、そこからビッグルーフができたことにより、平成29年からビッグルーフの駐車場で、毎年4月の日曜日から11月の最後の日曜日まで開催していました。
 年々お客さんの数とかに変動があったり、雨が降ったりするとお客さんがなかなか来ないというのもありまして、8年間続けていく中で、やっぱりずっと続けていくことは大変だなというのがよく分かったし、あと子どもたちを呼ぶということで、各お店屋さんたちが自分たちで考えて、子どもたちが来ても楽しめるような輪投げとか駄菓子とか、そういった小さい子どもたちからこの朝市を知ってもらうっていうことをメインにして動いてきました。
 会員さんの中では、滝沢の中にあるお店屋さんで「ら・てーる」さんっていう御菓子屋さんがあるんですが、朝、夜中の1時に起きてクロワッサンを焼いて、それを朝市のために持ってくる。やっぱり、そういうおいしいものっていうのは、朝市の中でもお客さんが目指してくるようなものに今はなっていて、あとは「九戸屋」さんっていうお肉屋さんがいるんですが、そこも本当に朝早くから起きて唐揚げを揚げたりとか、というふうな形で、自分たちが努力してお客さん達を呼び込もうという観点で、皆さん個々のお店で努力してきました。
 会としても、そういうところをもっと表に出していくために、毎回チラシを作ったり、月末特売という名目でチラシを作ったりして、2週間ぐらい前からお客さんたちに配って周知することで集客を増やすなど、少しずつ改善してきました。コロナ禍になってからも、外での販売だったので、逆に前よりお客さんたちが増えてきてるように思います。
 ひとまず今後の見通しなんですが、会員数がまだ20人前後という少ない会なので、やっぱり商品としてお客さんが欲しがるようなものがまだ全ては足りていないと思っているので、そこら辺をもう1回、会の中で話し合いをしつつ、商工会の青年部とか地域の方々とかとお話をしつつ、そういったお店を1店でも2店でも増やしていけるような体制づくりをしていきたいなと思っていました。
 後々は、滝沢市のこの朝市が観光地になっていけるような形に仕向けられればいいなと思っています。滝沢の中でも、巣子の朝市さんっていうのがあって、毎月1回開催しています。柳沢の日曜朝市さんは毎週やっています。そこと連携し合った連絡会というものも昨年立ち上げたんですが、やっぱりコロナ禍で集まって話し合いをすることがなかなかできていなくて、コロナが落ち着いたら、またそういったところと連携しつつ、もう少し地域の中でお客さんたちの交流ができるように、自分たちお店屋さんたちもきっちり交流して、少しでも一歩ずつでも前に進んでいけるように仕向けていきたいなと思っていました。

石川部長
 はい、ありがとうございました。それでは、知事からお願いいたします。

達増知事
 はい。商工と農業とチャグチャグ馬コの青年部を連絡会ということでまとめたというのは、とてもすごいことだと思います。
 朝市会のメンバーというのは、それをベースにしてるから、青年的な人たちが朝市会をやってるということなんですね。

髙橋 和重
 そうですね。自分はもともと青山の方の朝市に属していたんですが、どうしてもお店屋さんもお客さんも高齢化が進んできていて、やっぱり新しく若い人たちで作り上げていかないと駄目だなっていうのがあって、若い方々を主で入れてやっていました。ただ、やっぱり農家さんの中には、年配の方も数名いらっしゃいます。

達増知事
 滝沢市商工会青年部は、県下の青年部の中でも非常に活動が活発で、また、先進的な取組をされているので素晴らしいんですが、農業やそういった分野も連携しながら一緒にやるというのは、非常に良いことだと思います。
 そして、滝沢市役所とかビッグルーフのある辺りに一つの中心市街地を築くというのは、滝沢市全体にとって非常に大事なことでもありますので、8年間続けてるというのは大変すばらしいですし、コロナ流行の下でも、かえってリスクの低さから利用が増えるというのも非常に良いんだと思いますね。ぜひ、その調子で進めていただきたいなと思います。ありがとうございます。

髙橋 和重
 ありがとうございます。

石川部長
 はい。それでは続きまして、平さんからお願いいたします。

平 真弓
 改めまして、紫波町から参りました平と申します。
 今、私は「あそびこむ」という名前で活動しているんですが、もともと子どもがいろんな人と地域の中で出会って、多様な体験をして、多世代交流の中で育っていくような、そんな場づくりをしたいなというのが人生の目標みたいなものであったんですけど、地域っていうのが一つ答えになるのかなと漠然と思っていて、そのタイミングで紫波町に移住したっていうこともあり、私自身、幼少期にボーイスカウトをやっていて自然環境の中で育ったので、紫波町とか岩手の自然環境にすごく魅力を感じて移住したところでした。
 でも、地域おこし協力隊として町の方とかいろんな方と接していく中で、本当の資源って、自然環境よりも人資源なのかなっていうところにすごく感じさせられて、私の地元は茨城県のつくば市で、父も研究者なんですが、本当に研究者ばっかりなんですよね。紫波町に来てみて、会社員の方もいるし、自営業をやっている方もいるし、農業とか一次産業を担う方とか、伝統芸能をやっている方とか、あと行政もすごく近くて、いろんな方、多様な方と簡単に出会えるっていうのが、すごく子どもたちにとって良いことなんじゃないかなというふうに感じました。
 子ども向けのイベントとかを開催するようになって、今の「あそびこむ」という名前は、遊びにのめり込むことを表している保育用語なんですけど、子どもにとって楽しいこととか、おもしろいこととか、何か興味があること、熱中できることって、すべて遊びなんですよね。なので、そういった遊び感覚でいろんな人と出会ったりとか、いろんな体験をするっていうことを地域でもっとできるようにしたいなっていうところで、「あそびこむ」という活動をしています。
 紫波町は、私が来たときはもう既にオガールができていたので、その後の姿しか知らないんですが、いろんな方にお話を聞くと、前より人が集まるようになったとか、新しい取組もすごく増えているなと感じていて、でも、そこで子どもたちと一緒にっていうものが少ないなと感じていて、今日つけさせていただいたA3の資料があるんですけど、1枚めくっていただくと右上のところに地域おこし協力隊のときに視察させていただいた視察先を少し書いたんですね。コロナ前だったこともあって、全国各地いろいろと視察に行かせてもらって、いろんな事例を見させてもらったんですけど、先進地に行けば行くほど、何かおもしろいことを考えている大人のすぐ隣に子どもたちがいるんですよね。大人が本気で仕事してる、それこそ熱中して遊ぶように仕事してる隣で、子どもたちがその姿を見てるっていう現場があって、それがやっぱり昔って多分そうだったのかなと思ったので、そういう姿がもっと岩手でも見られるようになってくると、これからの人材がどんどん育っていくような地域になっていくのかなというふうに期待しています。
 岩手はすごく環境がいいなと思うし、これからリモートの環境とかも整っていくとすごく地域のメリットっていうのが増えていくのかなと思うので、そういったところ、いろんな地域と連携したりしながら、子どもたちの環境がどんどん良くなっていくように、私も活動を続けていきたいなと思っているところです。以上です。

石川部長
 ありがとうございました。それでは、知事からお願いいたします。

達増知事
 平さんも岩手の方に移住してくださり、ありがとうございます。紫波町は自然も豊かですし、歴史文化もあり、また、オガールに象徴されるような先進的な取組も活発で、人という資源も豊かなんじゃないかなと思います。盛岡にお城ができるはるか以前から、紫波町の高水寺城が、岩手、更には東北の拠点でありましたからね、そういう歴史の厚みもあるのだと思います。
 「あそびこむ」というのは、保育用語としてあるのですね。「遊びをせんとや生まれけむ」と後白河法皇が歌ったのを思い出しますけれども、大人にもそういうところに真剣になってもらうというのは、すごい大事なんだと思います。オガールというのも、名前からしてやっぱり遊び心があり、至るところに遊び心がある施設だから、そういうところがやっぱりいいんだと思いますね。
 「あそびこむ」の方も、日詰商店街の空き店舗活用ということで、あの商店街も非常に味わいがある、昔からあって、今でもあり、今後もあり続けるであろうストーリーなので、ぜひその中で名誉ある地位を占めて、まちのあそび場を成功させていただきたいと思います。よろしくお願いします。

平 真弓
 ありがとうございます。私も商店街にすごく魅力を感じていて、地元にはなかなかないところだったので、商店街にいる居心地の良さみたいなものを子どもたちにも伝えたいなと思っています。

達増知事
 はい。ありがとうございます。

石川部長
 それでは続きまして、千葉さんからお願いいたします。

千葉 雄大
 岩手町の千葉です。よろしくお願いします。
 私は、白黒のホルスタインという品種の乳牛を300頭ほど飼っている法人で働いています。今、従業員さんが6名、役員が3名で、父が社長をしております。牛乳っていうのは皆さん聞いたことあると思うんですけれども、牛乳は牛から絞られたものにきちんと熱を加えて殺菌したものを牛乳と呼び、牛から絞られたものは生の乳と書いて生乳といいます。その生乳を日量5000キロ出荷するっていうのが、うちの会社の大きい仕事、業務内容になっています。
 あとは、地元の方々や町から畑を借りて、牛が食べる牧草であったりとかトウモロコシを全部で100ヘクタールほど栽培管理して、牛に給与しています。
 うちの経営の特徴は、まず、大きいところで言うと、生乳っていうのは97%ぐらいが農協さんへの出荷なんですが、うちは農協さんではなく、群馬県にある会社を通して、新潟県の乳業工場の方に生乳を納めさせていただいています。僕の地域の場合ですと、八幡平市にあるコールドセンターという施設に地域の生乳を集めて、明治さんとか森永さんの大きい乳業工場に振り分けられるんですけれども、そうすると、自分の会社で採れたものがどこでどうなっているか分からないっていうことに父が疑問を感じていて、なんで農協しか売り先がないんだっていうことをずっと模索していくうちに、今の群馬県の会社とつながりを持って、新潟の方で加工されて岩手のビッグハウスさんの方に戻ってくるっていう流れができました。
 あとは、地元の御菓子屋さんのスポンジの原料に使っていただいたりとか、いろいろ生乳の可能性を模索というか、広げている段階です。今日の出席者名簿にアイスクリームのことを少し書いてあるんですけれども、隣の八幡平市のアイスクリーム屋さんに製造を委託して作っていただいたものを買い取って、うちでまた販売しているという形になっています。
 農業もですね、先ほど自己紹介のときにも言いましたが、やっぱり高齢化と若手が少ないっていう現状がある中で、自分は地域だったり、農地だったり、そして安全な生乳を作っていくっていうのをモットーに頑張っています。会社の方でも、岩手町で今年デントコーンの迷路を開催したんですけれども、牛用のトウモロコシ畑の中に迷路を作って地域に人を呼ぼうっていう活動に参加させていただいたり、あとは、牛にセンサーをつけてIoT、ICT機器で牛を管理して、若い人でも経験が少ない方でも会社の方で一生懸命頑張ってもらえるような設備を整えているような状態です。
 今後、農家もまとまって大きくなっていったりっていう流れはできるかと思うんですけれども、農業っていうのは補助事業が結構豊富で、国だったり県からたくさんお金いただいている面もあるんですけど、補助金を申請するために法人化するみたいなところも正直あると思っていて、そうすると、メインが補助金をもらうっていうことにいってしまって、会社を作るとか会社で人を雇って経営していくっていうところが、メインじゃなくて2番手3番手になってしまう。小さい会社だとどこでもそうだと思うんですけど、どうしても農家っていうのはプレイングマネージャーみたいな、製造もするし会社の経営もするっていう二足のわらじを履いてるようなところがあって、経営とか地域のことを考えるよりも物を作るっていうところだけに重きがいってしまって、なかなか雇用が定着しなかったりっていう面があるので、そういうところを県の方や県の力を借りて農業をしている人も「経営をしていく」という意識をみんなで持っていけるような取組ができたらいいなと思っています。
 あとは、ICTとかを使う上で農地がまとまっていたりすると、次の世代に代が替わっていったときにすごく経営がしやすいかなと思うので、そういうのを県や地域の方と一緒に今後考えて、岩手が希望を持てるような地域であり続けられることを一緒にできたらいいなと思っています。以上です。

石川部長
 はい。ありがとうございました。では、知事からお願いいたします。

達増知事
 はい。日本全体として、去年の終わり頃から生乳の余剰が増えて、みんなに飲んでもらわなくてはということがあったんですけど、販路が決まっていれば生乳が余って困るということはなく、売れてるわけですね。

千葉 雄大
 はい、うちの場合は大丈夫です。

達増知事
 今、全国知事会で岩手県知事が農林商工常任委員会委員長になっていて、岩手県庁で全国知事会の農林水商工関係のいろんなメッセージの原案を作ることになっているので、去年12月、みんなで牛乳を飲みましょうというのを岩手県庁で作って、全国知事会、北海道とか関係の深いところの意見を入れながら直して発表した経緯がありますけれども、そういうふうに販路が決まっていて、ばっちり売れていくというのは、本当にいいなと思います。
 プレイングマネージャーという話がありましたけれども、昔、戦争直後ぐらいでしょうか、食料不足時代は、とにかく作ることに農家は専念して、作ったものは作っただけ売れたという時代があったわけですけれど、今や、如何に売るか、消費者サイド目線で何をどう作れば売れるかというのを考えながら生産しないと行き詰まりかねないのが農業なので、ちゃんと経営感覚で生産ができるというのが非常に大事だと思います。
 そうすると、やはりデジタル化が必要だということも見えてきて、牛にセンサーとかも導入というのは非常にいいことですし、地域振興の視点もあって、デントコーン迷路はテレビのニュースで見ましたけれども、ああいうのをやっていると非常にいいと思います。
 岩手町は、岩手県岩手郡岩手町で、岩手を代表するところで、北上川の源流のあるところなので、ぜひ岩手町を盛り上げるというのもお願いしたいと思います。ありがとうございます。

石川部長
 はい。ありがとうございました。皆様からそれぞれお話をお伺いしましたけれども、ここからは御自由に御発言をいただきたいというふうに考えております。先ほど一巡しましたけれども、言い足りなかったこと、あるいは他の参加者の方のお話を聞いて考えられたこと、あるいは懇談会全体を通しての御感想、懇談テーマに関わらない御意見でも結構ですので、ここは私がという感じで、ちょっと手を挙げていただければお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

塚田 崇博
 ありがとうございました。いろんな方の話を聞いていて、やはり魅力ある人を見せていくっていうのは、特にあそびこむの平さんがおっしゃったことも含め、本当に大事だなと思いまして、皆さんの活動を聞いていて非常に学びもある中で、もっといろんな方の話も聞いてみたいなと思っているので、言いたいことというよりはいろいろと質問させてもらえたらいいなと思っているんですけれども、特に、経営者同士が話す機会っていうのは割と商工会であったりとか、岩手県でされているIIB(岩手イノベーションベース)さんとか、いろいろあると思うんですが、代表じゃなく、サラリーマンとか普通のことをされている方同士がしゃべる場とか、学びの場とか、そういったものがあるといいなと私は思っているんですけれども、皆さんどう思われますか、っていうのをお聞きしてみたくって。
 それというのも、同期とのつながりっていうのが非常に少ないというか、なかなか形成しにくい状況にありまして、一社で何十人も雇用するっていうのは大きな会社しかないので、同世代だけじゃなくてもいいんですが、多世代としてもそれぞれの働く人同士の交流みたいな場があると、私はもっと地域としてつながりを持って活性化していけるんじゃないかなと思ったりしていますが、どうでしょうか、ということをちょっとお聞きしてみたいなと思います。

石川部長
 はい。それでは、例えば髙橋さんいかがでしょうか。何かそういうつながりみたいなものってあるものなんでしょうか。

髙橋 和重
 自分は商工会とかそっちにつながっているので、結局、その下の従業員の方々をつなげるっていうのは、結構難しいんですよね。だから、その地域の中で、商工会に属してる方々、若しくは社長の知り合いだけで集めて、その従業員が話し合いできる場というのを作ってしまった方が早いんじゃないかなと思います。あればあったでおもしろいと思いますし、ぜひ、やった方がいいんじゃないかなと思います。

塚田 崇博
 ありがとうございます。

石川部長
 他に、うちはこうだよっていうのがもしございましたら、いかがでしょうか。

千葉 雄大
 僕もそういう場があったらすごくいいなと思っているんですけれども、僕、静岡で2年間就職したときに、同期の方はいたんですけど、地域とつながるとか、会社から人脈とかを広げていくっていうのがすごい難しいなと思っていて、こういう生き物を飼っている仕事なので土日休みじゃなかったですし、会社自体もちょっと町から離れたところにあったので、町の人と仲良くなるとか地域の人と仲良くなるっていうのがなかなかできなくて、何か仕事して家に帰ってっていうことの繰り返しだったなと思っていて、地元に帰ってきて自分も雇用する側に回ったときに、岩手町じゃないところの出身の方を雇う機会もあったりして、その方たちもやっぱり自分と同じ思いをしているんじゃないかなって思う部分がすごいあって、会社の仕事のこととか会社の体制とかも雇用された側として見ると思うんですけど、自分がここにいる意味っていうのを会社以外で見い出すっていうのは、経営者側からはなかなかしてあげられてないなと思っているので、そういう社員のコミュニティとかがあったらすごくいいなと思います。

石川部長
 はい、知事から何かコメントございますでしょうか。

達増知事
 小規模な企業がいくつか集まって、合同入社式というのをやったりしていますよね。それを県の方で把握しているのがあれば紹介して欲しいと思いますが、あとは、さっき藤岡さんから地域おこし協力隊のネットワークが非常に助かるという話がありましたけれども、そういう職種というか分野ごとの全県的なネットワークというのは、これからどんどん増やしていくといいんだと思いますね。
 また、県ではいわて若者会議とかいわてネクストジェネレーションフォーラムとか、そういう異業種交流的な若い人の集まりのパネルディスカッションシンポジウムみたいなことを年に何回かやるのですけれども、もうちょっと組織的なネットワーキング機能を強くして、そういうことをやっていくといいんだろうかなということを思いました。

高橋局長
 盛岡広域振興局長の高橋です。知事からお話がありました合同入社式については、私が知っている範囲では、岩手県中小企業家同友会、まさに岩手県内の中小企業の皆さんの集まりなんですけれども、そこは例年4月に全県的に中小企業に入社された若い皆さんが合同入社式ということでやってるものがございます。
 そういった一つ一つの会社であれば小さいんですけども、全県から集まればすごい人数の方が集まって、社会人になったんだなということを実感し、また経営者の方々が直接激励するという場面がございます。そういったことも、多分各地の商工会などでも工夫なさってやっているんではないかと思っております。

石川部長
 はい、ありがとうございます。それでは、今のことでも結構ですし、他の内容でも結構ですので、もし何か御発言、ここでしておきたいという方がいらっしゃったら手を挙げていただきたいんですが、いかがでしょうか。

平 真弓
 今のお話も大変共感したところもありますし、藤岡さんのお話の中でつなぎ役がすごく大事みたいなことをおっしゃっていて、本当にそうだなと思います。
 やっぱり働いている若い世代って、子育て世代もすごく多くて、休日は子どもの世話があるからなかなか外に出られないっていう家庭もすごく多いと思うので、このコロナ禍でリモートがすごく進んできたなっていうこともあるので、働きながらいろんな人とつながれたりとか、あとは、同世代で働いている中での暮らしの悩みとか、子育てしていて仕事との両立でこんな悩みがあるよとか、そういった仕事の話に限らないようなざっくばらんな交流ができるようになると、暮らしの質が上がっていくのかな、なんていうことを感じました。

石川部長
 はい、ありがとうございます。せっかく名前も出ましたので、藤岡さんいかがでしょうか。

藤岡 裕子
 ありがとうございます。まさにそうだと思っていて、私はまちづくり支援会社という建て付けの下で会社をやっているんですけれども、目に見えて何かを売っているわけではなくて、町の中にいて、必要とされることやこれがあったらおもしろいねというものを見つけてやっていくのが仕事な上で、仲間づくりがメインだったりするので、その会社の中では得られない幸せや情報っていうものを、その人とのつながりの中でみんなが得ていけるようなコミュニティづくり、仲間づくりをしていますので、先ほど仰ってた社員同士の交流とかっていう部分を、当社で言えば、当社が企画している勉強会や座談会を人同士のつながりとしてやることを目的にしてますので、この人が社員で、企画者で、主催で、みたいな枠を基本的にはうちは作らない形でのイベント企画というのを、気にしてやっています。その結果、町の人たちと社員が友達になってくれればいいなと思っていて、勝手にお茶会とかして欲しいなっていうのがあってですね、そういったところで取り組んでいます。
 なので、いろんな会社でのしっかりとした合同入社式だったりとか勉強会というのはすごく大事なことだと思いますが、私はそれ以上に、本当に人と人として、同じ町に生きる人同士として仲間になるようなまちづくりがしていけたらいいのかなと思って、取り組んでいるところでございました。以上です。

石川部長
 はい。ありがとうございます。皆様から2巡目、一言ずつお話いただいたんですが、これだけは言っておきたいっていうのがもしございましたらば、いかがでしょうか。

塚田 崇博
 私の主な活動は、まちの人事部としての就労支援というか、そういった取組なんですが、もう一つ、昨年の10月から試験的に始めていることで、高校生、大学生を対象にした起業塾というのを独自に始めていまして、そんな大規模なものではないのですが、地域の先輩起業家がそういった志向の方を育てていくという仕組みは、IIB(岩手イノベーションベース)さんもそうだと思うんですけれども、地域にとっても非常に必要だなと思っておりまして、それを運営していく上で、魅力ある経営者が参加してくれるのが一番いいのですが、やっぱり参加する動機として、起業を目的としない学びというか、企画志向だったり、あるいはその地域に良いことっていうのは何だろうというのを考えてみるとかですね、ソーシャルグッドって言われたりとかSDGsのような文脈になるんですけれども、そういった活動をやっていけるといいのかなというふうに考えているのですが、ちょっとまだ、ここも本当に手探りでして、皆さんのそういった部分の新たな地域の活力をつくっていくという点で、何が大事になっていくのかっていうのをちょっとお聞きしてみたいなと思いました。

石川部長
 他の皆様の中で、そういう人材育成といいますか、次世代向けみたいな形で関わっていらっしゃる方っていらっしゃいますでしょうか。

平 真弓
 はい。この前、私のところに高校生がふらっと来まして、将来、先生と保育士になりたいっていう2人組だったんですけど、なかなか子どもに関わる機会がないと言っていて、やっぱり保育の現場や学校の現場っていうのが、外から人を入れにくい環境もあったりして、実際にどうやって働くのかとか、どういうふうに子どもたちと向き合っているのかっていうことをなかなか知ることができないと言っていて、確かにそうだなと思ったし、やっぱりそれってどこの業種もそうなのかなというふうに感じました。なので、高校生とか中学生とか、そういった学んでいる段階から自分の将来を想像できるようなロールモデルが見つかる場っていうのはすごく必要だと思うし、地方ほどそういう場が少ないのかなと感じるので、起業塾すごくすてきだなと思いましたし、何か関われることがあったらとすごく思いました。

塚田 崇博
 いろいろお話してもらえたら嬉しいです。地域の高校生って、八幡平で1校しかないんですけれども、地域の大人と関わりたいっていう積極的な方も増えていますし、今、文部科学省からもESD(持続可能な開発のための教育)と言われるSDGsの実現のための教育っていうのが大きなテーマになってきていますので、その地域で地域をより良くすることをもっと考えていこうという教育を民間企業側も考えていかないといけないだろうなと思っていますので、いろんな方の取組とかそういったところをお話いただける機会があれば非常に嬉しいなと思います。

平 真弓
 感覚としては、地域志向の学生が増えてきたなっていうふうに私も思っているので、地域おこし協力隊をやっていたときも取材に来てくれる学生がいたりとかしたので、これはやっぱりチャンスなのかなっていうふうに思います。

知事所感

石川部長
 ありがとうございました。それでは、そろそろ時間になりましたので、最後に知事からお願いできればと思います。

達増知事
 はい。今、起業塾というような話になって、どういう事業が地域で求められているのかとか、どういう事業が成功するだろうかとか、そういう事業を考えて練り上げるというのは、今、非常に大事な時代だと思います。世界全体としてお金は有り余っていて、お金は有るところには有ってですね、地方自治体の中とか地域経済の中にはあまり無いんですけれども、世界的には有り余ったお金がいろいろ株価を上げたりとか、原油の値段を上げたりとか、いたずらをしているところがあって、良い事業構想があれば、そこにお金を出したいという人がいっぱいいるという時代ですので、いかに優れた事業を構想して、計画、そして実行に移せるかというのが、これは地方行政にも非常に求められていて、広く行政だけじゃなく、地方自治に求められると言ってもいいと思います。行政だけじゃなく、民間主導でも、むしろそっちの方が望ましいところもありますし、そういう事業を構想して練り上げていくに当たっては、やっぱり、今、人々の生活がどういう状況になっているのかとか、そこでどういう仕事、ビジネスの形があり得るのかというような情報の共有や意見交換を上手くやれる仕組みをあちこちに作っていくことが大事だなと改めて思いました。
 今日、お集まりの皆様には、全く同じメンバーでまた集まるという計画は、今は全くなくて白紙状態でありますけれども、またどこかで私と仕事上、一緒に仕事をする機会があるかもしれませんし、また、いろんな形で今日の出会いを生かしながら、また、それぞれのネットワークを広げたり、深めたりしていただければ非常にいいんじゃないかなと思います。
 岩手の中にそういう材料はいっぱいあるし、やれる人もいっぱいいるなという、今日また改めてそういう手応えを得ましたので、皆さんもぜひぜひ健康に気をつけて活躍することを大いに期待いたします。今日はありがとうございました。

閉会

石川部長
 皆様、本日は貴重なお話をいただきまして、ありがとうございました。以上をもちまして、本日の県政懇談会を終了いたします。
 

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