「いわて幸せ作戦会議(in久慈)」(令和3年12月10日)
日時
令和3年12月10日(金曜日)10時30分から11時50分まで
場所
久慈地区合同庁舎 6階 大会議室
出席者
・参加者(敬称略)
安藤 あさひ(AkalAnd 代表)
渋谷 風雅(洋野町地域おこし協力隊 水産振興事業推進員)
中野 琢磨(しいたけ農家)
本波 遥(久慈琥珀株式会社)
谷地 譲(有限会社谷地林業 代表取締役)
・県側
知事、県北広域振興局長、政策企画部副部長
開会
坊良副部長
ただいまから、県政懇談会「いわて幸せ作戦会議in久慈」を開催いたします。
皆様には、御多忙のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
本日は、「なりわいの再生~県北地域からの挑戦~」を懇談テーマとし、久慈地域の様々な分野で復興や地域振興に取り組まれている方々にお集まりいただいております。
私は、本日の進行役を務めさせていただきます、県の政策企画部の坊良と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
知事あいさつ
坊良副部長
開会に当たりまして、知事から挨拶を申し上げます。
達増知事
皆さん、おはようございます。では、せっかくパーティションもあるので、パーティションの中からお話をいたしますけれども、県政懇談会というのは昔からある企画でありますけれども、「いわて幸せ作戦会議」という名前をつけましたのは、今の県の総合計画「いわて県民計画2019~2028」の基本目標が、「東日本大震災津波の経験に基づき、引き続き復興に取り組みながら、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわて」というものでありまして、お互いに幸福を守り育てる、その作戦会議ということで、「いわて幸せ作戦会議」という名前で、今日はin久慈であります。
先ほど、テーマの紹介にあったように、なりわいの再生というのは、東日本大震災津波からの復興の三本柱のひとつでありまして、久慈地域の10年の復興の歩み、そして、それを基にしながら更に地域振興をしていくというその中で、現場で活躍されている皆様の生の声を聴くことで、これを県政に反映させ、また、この地域での県の仕事に反映させていこうという趣旨であります。
今日は、県議会議員の皆さんにも御参加いただき、ありがとうございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
出席者紹介
坊良副部長
それでは、本日の進め方について御説明いたします。まず、お一人ずつ御出席の皆様を御紹介いたします。そのあと、1分程度で皆様から簡単な自己紹介をお願いいたします。その後、本日のテーマに沿ってお話を頂きますが、お一人ずつ話が終わった都度、知事からコメントする形で進めてまいりたいと思います。そして最後に、自由懇談の時間も設けることとしておりますので、よろしくお願いいたします。
それでは、本日御出席の皆様を御紹介いたします。
AkalAnd 代表の安藤あさひさんです。お願いします。
洋野町から参りました、AkalAndの安藤あさひと申します。よろしくお願いいたします。
私は、今年の3月まで洋野町の地域おこし協力隊をしておりまして、卒業した後、6月にAkalAndというものを開業しまして、陶器の制作と販売をしております。よろしくお願いいたします。
坊良副部長
よろしくお願いいたします。次に、洋野町地域おこし協力隊 水産振興事業推進員の渋谷風雅さんです。お願いします。
渋谷 風雅
よろしくお願いします。洋野町で、地域おこし協力隊として今年の4月から水産事業の振興をやらせてもらっています。本日はよろしくお願いします。
坊良副部長
そして、しいたけ農家の中野琢磨さんです。
中野 琢磨
野田村で菌床しいたけ栽培をしております、中野琢磨です。
新規就農3年目で、ハウス3棟で経営しています。もともと農家ではなかったんですが、農業をやろうと思っていたわけではなくて、Uターン後に農協の臨時職員になって、農家巡回をする上で、菌床しいたけをやりたいなと思って始めました。
土地もない、金もない、技術もないというところでスタートしていまして、新規就農制度を使わせていただくことで今ここに至っています。
今回のテーマがなりわいの再生ということで、自分自身が再生させてもらっているので、趣旨に沿えるかどうかわかりませんが、よろしくお願いいたします。
坊良副部長
よろしくお願いします。次に、久慈琥珀株式会社の本波遥さんです。お願いします。
本波 遥
久慈琥珀株式会社に勤めております、本波遥と申します。
普段は電話応対や売上管理、経理などの業務をしながら、繁忙期には博物館やレストランの手伝いなども併せてやっております。今日はよろしくお願いいたします。
坊良副部長
よろしくお願いします。有限会社谷地林業 代表取締役の谷地譲さんです。
谷地 譲
久慈の山形町で、林業、木炭、チップ、そして、土木建設のお仕事をさせていただいております。木炭作りから始まってですね、100年を経過した会社となります。親の代、またその前から引き継いで家業としてやってきております。
この地域に根差してやっている企業として、いろんなところで皆さんと交流をしながら、また、内外の交流も含めて行いながら、地域のPR、この久慈市がどうやっていい場所になっていくかということ考えながらやっている会社となります。
ぜひとも、今日はいろんな意見を皆さんと交換できたらなと思います。よろしくお願いします。
坊良副部長
よろしくお願いいたします。
県からは、達増知事、県北広域振興局の高橋局長でございます。
なお、本日は、県議会議員の皆様にお越しいただいておりますので、御紹介いたします。久慈選挙区選出の中平均議員です。岩城元議員です。九戸選挙区選出の工藤大輔議員です。よろしくお願いいたします。
懇談
<テーマ>
なりわいの再生~県北地域からの挑戦~
坊良副部長
それでは、皆様のお手元に地元のお菓子と飲み物を準備しております。高橋局長から、本日のお菓子と懇談テーマを御紹介いたしますので、よろしくお願いいたします。
高橋局長
今、コーヒーが参りますけれども、本日用意しました茶菓につきましては、ペーパーをお配りしておりますので、御覧いただければと思います。お菓子につきましては、普代村の下川原商店さんのどら焼き「鼓舞焼き」を用意させていただきました。それから、お飲み物につきましては、久慈市のNANAMARUNI COFFEEさんの「三陸鉄道各駅ブレンドコーヒー」のうち「普代駅ブレンド」を用意いたしました。本日の県政懇談会には、久慈地域の各市町村から御参加いただいておりますが、普代村からは、茶菓で御参加いただいたものでございます。
「鼓舞焼き」は、普代村特産の昆布を生地にも餡にも入れたもので、塩味がスパイスとなっております。震災復興を後押しするということで、「鼓舞する」の「鼓舞」と「昆布」をかけたネーミングです。昨年1月には、JALさんの機内でも提供されたものでございます。下川原商店さんはほかにも、「昆布之介」という饅頭や、サンドクリームに昆布の粉末を使用した「コン・ブッセ」など、普代村特産の昆布を生かしたユニークなお菓子を多数製造・販売しておりまして、道の駅などでもお買い求めいただけます。
コーヒーを御提供いただきましたNANAMARUNI COFFEEさんは、オーナーの嵯峨恒宏さんが久慈市にUターンしてオープンしたコーヒー専門店で、「三陸鉄道各駅ブレンドコーヒー」は、「コーヒーに地域を重ね合わせた商品を届けたい」と1年かけて開発して、三陸鉄道のプレミアムランチ列車でも振る舞われたものでございます。「普代駅ブレンド」は、普代村のキャッチフレーズ「青の国」から、海の濃い青をイメージしたコクと、空の爽やかな青をイメージしたフルーティーな味わいをお楽しみいただけるものとなっております。どうぞ御賞味いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
それから、本日の懇談テーマでございますけれども、久慈地域におきましては、東日本大震災津波からの復興につきまして、県の復興事業がほぼ完了したということで、道路や防潮堤等の整備、住宅の再建といったようなものも進められてきました。
そうした中で、地域の基幹となる水産業では、サケをはじめ、主要魚種の不漁が続き、加えて新型コロナの影響も大きくて、地域経済の活性化が大きな課題となっているものと考えております。
一方で、この地域には、以前から地域に深く根づいている資源、本日は、ウニ、しいたけ、木炭、琥珀といった各関係の方々にお集まりいただいておりますが、そのほかにも様々なものがございますけれども、こうしたものを生かした事業を起こしたり、新たな取組に挑戦したりする動きも出てきているものと考えております。
そこで本日は、「なりわいの再生~県北地域からの挑戦~」をテーマに設定させていただきまして、地域でそうした活動に取り組まれている皆様から、どのように取り組まれているか、その思いや、これから挑戦していきたいことなどを御紹介いただきながら、県北地域がより良くなるためにはどんなことをしていったらいいのかといった観点で意見交換していただければと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
坊良副部長
ありがとうございます。
どうぞ皆様、お召し上がりながら懇談を進めてまいりたいと思いますので、どうぞ召し上がってください。いわゆるモグモグタイムでございますので、どうぞお召し上がりください。
達増知事
塩昆布など、もともとおやつになっている昆布で、塩スイーツというのも流行っていますからね、ちょうどいい感じの味わいのどら焼きに仕上がっていると思います。
コーヒーも初めて飲むような味で、特徴があっていいなと思います。カップが小久慈焼ですね。
坊良副部長
それでは、懇談に入らせていただきます。
ここからは、本日のテーマ、繰り返しになりますが、「なりわいの再生~県北地域からの挑戦~」に沿って、これまでの皆様の取組内容や課題、今後の方向、御自身の抱負、そして、県への期待なども含めまして、お話をお伺いしたいと思います。
まずは、安藤さんから始めまして、順に進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。お時間は、5分をめどにお願いいたします。
それでは、安藤さん、お願いいたします。
安藤 あさひ
よろしくお願いいたします。今日、資料をちょっと用意させていただいたので、そちらを参考にしていただきながら進めさせていただければと思うんですけれども、洋野町の地域おこし協力隊の間で、洋野町ならではのお土産品を作ろうということで、陶器でウニの形をモチーフにしたぐい呑みを制作・販売しました。これをやったきっかけというのは、実は、海のごみ拾いだったんですけど、プラスチックごみがすごく大量にあったんですね。それにすごく衝撃を受けまして、新しいものづくりをするときはプラスチックに頼らない製品を作りたいなという思いが土台になっていて、洋野町が「一人一芸の里」呼ばれている工芸の町なので、工芸品というところに着目したときに、陶芸というのは土と水と火と空気でできる、地球が丸ごと材料になって作られるものなんですね。自然のもので人の喜ぶものになるというところに感銘を受けて、ぜひ、お土産品は新しく作るならば陶器で作ろうというところが土台になって、この洋野土産としてウニのぐい呑みの制作・販売をしてきました。
そのあとでですね、ウニは洋野町の特産品で、もう、とてもおいしいんですけれども、ウニの殻が大量に捨てられていることを知って、年間100トンくらい捨てられているんですね。で、それを知ったときに、何か活用できないかなと言っていたら、陶芸の職人さんが「燃やせるものだったら何でも釉薬になるよ、陶芸の材料になるよ」という話をお聞きして、ウニの殻はどうですかねということを提案して、開発に挑戦することになりました。1年間くらいかけて開発をしまして、ウニの殻の釉薬作りに成功して、今年、「暁空焼(あからやき)」という名前をつけて、ウニの殻を活用した陶器の制作・販売をしております。
そして、今年6月にAkalAndを開業しました。これまで、企業さんとコラボして、地元のはまなす亭さんだったり、ウニ丼の器として飲食店で使っていただくという取組をしたりとか、おおのミルク工房さんで、ヨーグルトサミットに向けた、牛の形をモチーフにしたカップの制作をしたりとか、これは特色があって、底ですね、足の部分は牛のお乳になっていたり、取っ手の部分が尻尾になっていたり、牛のブチブチ模様が洋野町の形になっていたりというところで工夫をして、洋野町ならではのものを生かしたものづくりをしていきたいなということを心掛けて制作しています。
あとは、今取り組んでいるプロジェクトは、始動したばっかりのところなんですけれども、フェアリーチェ株式会社さんというところで、國光正宗という江戸時代の日本酒を復刻させた方たちがいるんですね。江戸時代に作られて今も現存している土蔵があるんですけども、そこから出てきた日本酒の秘伝のレシピを基に、南部美人さんが開発した日本酒がありまして、それが完成した後で、松尾様というお酒の神様の肖像画が出てきたということだったんですね。それに合わせた酒器を作ってほしいということでコラボのお話をいただいたんですけれども、南部藩の日本酒の復刻ということだったので、こうなったら、南部藩の工芸品を全部集めた酒器をセットにした「國光正宗と南部藩の酒器プロジェクト」ということでやりませんかということで、ちょっと大きく話を広げて、南部藩、青森・岩手なんですけれども、大きく地域を巻き込んだ形のプロジェクトが今始まったばかりな感じになっています。
それをきっかけに、私が陶芸家なわけではなくて、工房の職人さんと一緒に二人三脚で作っている形なんですけれども、私がデザインをしたり企画をしたり、それを職人さんが作って私が販売するという形でやっていて、職人さんとずっと二人三脚で、ものづくりをする人のそばにいて、すごく、職人さんって感動するお仕事だなというのを毎日感じていて、この素晴らしいもの、本物を作れる職人さんというのは廃らせてはいけないなという思いがすごく強くなりまして、この酒器のプロジェクト、國光正宗と酒器のプロジェクトを通じて、さらに、これが未来にもずっとつながっていくように、職人さんを育成するという思いが芽生えてきたので、来年の、私の中の人生の大きな取組として、職人を育成するというところもつなげていきたいなと考えています。
坊良副部長
ありがとうございます。それでは、知事、お願いいたします。
達増知事
地域おこし協力隊から地元にとどまり、こういう素晴らしい活動をしていただきまして、私からも御礼申し上げます。ありがとうございます。
ウニはやっぱり良いと思いますね。たまたま今週木曜日、NHKで毎週、お弁当番組を昼休み時間にやっているんですけれど、久慈式のウニ弁当が取り上げられていて、ドラマ「あまちゃん」で有名になったわけですけれども、もう、この地域のウニとかイベントっていうのは、ウニ丼でもありますが、国内的にはもう定着していると、定評があると言っていいと思いますので、こういうウニ関係のグッズのニーズというのはあると思います。ウニ殻の活用については、過去にもいろいろ、ウニ染めとかの試みはあったわけで、結構綺麗に仕上がったり、良い色が出たりしていましたので、あとはうまくビジネスのサイクルに乗せることができればというところだと思いますので、期待したいと思います。
國光正宗は、いいものが見つかって良かったなと思います。そして、戦国時代ブームというのが日本で起きてもう10年以上になるかと思いますけれども、最初は、伊達政宗だ、真田幸村だとかその辺から始まっているんですけど、そろそろ南部も人気がかなり高まってきていると思います。最近の変化で、盛岡市の辺りで、歴代の南部の殿様のことを調べて発表したりとか漫画に描いたりとか、そういう南部ファン女子の会みたいなものが形成されてきていてですね、かなり南部推しの裾野が広がってきていると思うし、しかも、こういうれっきとしたものが発見されているというのは大変良いことなので、チャンスだと思います。日本酒は、東日本大震災をきっかけにして、それまでの国内需要の落ち込みが回復基調になり、そして、この間、世界的にも日本食の浸透と一緒に日本酒もどんどん浸透してきていて、今はこの日本酒の中でも、特徴を見ながら、こういう日本酒が飲みたいとか、新しい日本酒が飲みたいとかということが、国内的にも国外的にも求められているので、こういうストーリー性の高い、そして、クオリティも高いと思いますので、こういうお酒は大変良いんだと思います。
次世代の職人育成ということで、県も、復興からその先の地域振興に向かうとき、人材育成というものが最大のテーマだと思っていますので、次世代職人育成にも取り組んでいただいていることは非常にありがたいので、県もいろいろ一緒にやっていければと思います。ありがとうございます。
坊良副部長
続きまして、渋谷さん、お願いいたします。
渋谷 風雅
よろしくお願いします。紹介に預かりました渋谷です。自分は、4月から洋野町の地域おこし協力隊をやっているということで、先ほどの安藤さんの後輩に当たるのかなと思っています。本日は、来るきっかけをまず話した後に、4月からなので、8か月間いて、そこから見えた町の課題と、自分の活動について話そうかなと思っています。
まず、自分が来るきっかけなんですけど、復興庁でやっている復興創生インターンというものがありまして、地域に大学生を課題解決型でインターンで行かせるというプロジェクトなんですけど、それが県内4か所ありまして、その中で北三陸ブロックという、洋野町がメインなんですけど、そこに大学生時代に行かせてもらいました。そこで見た、地域で輝くというとあれなんですけど、リーダーとして活躍するような人たちを、その時がちょうどコロナが始まったときなので、オンラインで、今は普通になったZoomとかを使ってやらせてもらったんですけど、Zoom越しでもひしひしとすごいなと感じて、そういう、あんまり地域に目を向けたことなかった人が地域に目を向けたときの感動ってすごくてですね、自分もそこで、生産の現場に近い地域の水産業にもっともっと携わりたいと思ったので、良いきっかけだなと思い、洋野町に地域おこし協力隊として行かせてもらっています。
現在は、中間支援組織である一般社団法人fumotoというところがありまして、そちらに所属しながら、地域おこし協力隊として水産振興をやらせてもらっています。8か月間で自分が見て思ったことなんですけど、洋野町というのは、大野村と種市町が2006年に合併しまして、一つの町になっているんですけど、やっぱり産業で見ると大きく違っていて、自分は水産振興なので種市の方しか話せないんですけど、洋野町というのは磯資源がすごい豊富で、先ほどのウニだったり、あと、アワビとか海藻とか、資源量が豊富なんですね。その中で、やっぱり漁師さんの生活というのも、あんまり魚を捕る漁師さんが多くなくて、どちらかというとウニ、アワビで生計を立てる漁師さんが多いということがあります。ただ、近年の傾向として、漁師さんたちの高齢化であったり、そもそもの人の減少だったり、あと、資源量が、今年もアワビなんかまだ2回ぐらいしか出ていない港があるくらいしけが続いちゃったり、海水温が高くなったりとかで、環境が原因で資源量が減少しているんですね。そういうところから収入の安定性がどんどん不安定になっていっているんですよね。もともと、ウニ、アワビというのは1年捕れないものなので、半農半漁のような文化が根づいていたんですけど、それが現在、半農半漁もなかなか難しい面がありまして、次のスタイルとして、兼業しながら漁をやる、漁時期だけ出るという形がすごく根づいています。そのスタイルを、自分たちで稼ぐスタイルに変えていかなきゃいけないのかなというのが、自分では町の課題として考えています。あと、付加価値ですね、資源量は先ほど言ったように減っているので、更に水産物の付加価値を高めていって、どうにかして漁業者が増えるような方向に持っていければなと思って活動しています。
活動内容なんですけど、今、その流れで、ウニ養殖であったりが漁業者の休みの期間の収入源になるのではないかと考えていたり、あと、新規漁業者増加に向けてガイドブック作成などをやらせていただいてます。ガイドブックはですね、今までの情報だけを載せるようなガイドブックではなくて、町が内から元気になるようなガイドブックを作りたくて、何て言うんでしょう、情報だけではなくて、町にいる漁師さん側も活気づくようなガイドブック作りを心掛けて、今やらせてもらっています。
あと、あさひさんとかぶってしまうところであるんですけど、ウニ殻の活用をやらせてもらっていまして。あさひさんの場合は焼いてそれを釉薬にされているんですけれども、大量に出るんですね、ウニ殻っていうのは、先ほどあったように。なので、大量に商品化できるやり方っていうのをすごく模索していまして、ひとつの方法として今考えているのが、農業用の石灰として使えないかということを考えています。ウニ殻は、ホタテと同じような成分をしているので、焼いて塩分だけ除けば、そのような活用ができて、さらに、うちの町では岩手木炭の炭焼きがかなりいらっしゃるので、炭の粉などを使って一緒に売るとか、そういうやり方がないかなということを考えています。
今後の方針なんですけど、今言ったガイドブックや、新規就業者対策、また、副業的にできる漁師さんのビジネスプランなどの開発を進めていければなと思っていて、まだ来たばかりなんですけど、その辺を模索しています。
坊良副部長
ありがとうございます。それでは、知事、お願いいたします。
達増知事
渋谷さんには、洋野町地域おこし協力隊に御参加ありがとうございます。そして、復興庁インターンに参加していたということで、そういう事業があるとは聞いていましたが、良い事業だなと改めて思いました。
そして、ウニ殻を肥料にということで、トン単位で出てきますから、大量に消費してもらえるような活用法は良いと思います。ホタテの殻もそうですけれども、水産廃棄物ということでお金をかけて廃棄物として処理しなきゃならないということで、やっぱりもったいないですからね、カルシウムの塊でしょうから。県でも水産廃棄物の処理とか活用とか、突破口が開ければ非常にありがたいところであります。
高齢化や人口減少というのは、地域全体、あるいは、県全体、日本全体もそういうトレンドがありますので、豊かな資源が潜在的に可能性としてある中で、やる人が減っていくのはもったいないというのがやはり基本だと思います。ウニも、育てるウニ漁になってきて、生産性も上げていくことができますので、やはり、担い手を増やしていきたいというのは県も同じです。ガイドブックにも大いに期待したいと思います。
磯焼けなど、様々な理由で資源量が減ったりすることもあるというのが水産業の悩みですけれど、その辺は県も対策を講じて、磯焼けを防いだりそこから回復させたり、温暖化から来るようないろんな影響に対しても、県には水産技術センターがありますので、取り組んでいきたいと思います。ありがとうございます。
坊良副部長
お菓子もお召し上がりながらですね、お話を聴いていただきたいと思います。次に、中野さん、お願いいたします。
中野 琢磨
では、これまでの取組と今後の目標についてお話させていただきます。これまでの取組ですが、先ほどお話しましたように、自分自身がゼロからスタートさせてもらっているので、地域にどう貢献していくかということをテーマに取り組んでいます。取組のひとつとして、農福連携を取り入れて、地域のB型就労支援施設と契約させてもらって、一部の作業を委託させてもらっています。具体的には、菌床ブロックの入れ替えの時期に廃菌床を運び出してもらう作業や、出荷用のダンボールに新聞紙を緩衝材として使うんですけども、その新聞紙を折ってもらう作業をお願いしています。また、今後も、作業を見直して、作業分解することで切り出していって、施設利用者さんの活躍の場を提供していければなと考えています。
次に、今後の目標についてですが、ゆくゆくは経営規模を大きくして、地域のセーフティネットのような存在になりたいなと考えています。現在、うちの労働力は4名から8名くらいなんですが、経営の手段として、ワークシェアと分業制を取り入れています。というのも、うちで働きたいと集まってくる方のほとんどが、働ける曜日や時間に制約があって、この日は出られるがこの日は出られないみたいな感じなので、可能な曜日を組み合わせているうちに自然としてワークシェアになった、と。で、週に二日くらいだとなかなか仕事を覚えるのは大変だということで、単純化させる意味で分業化していったという経緯があります。世の中、働きたくてもフルタイムで働けないという人がすごく多いんだなということが分かって、どういう制約が一般的にあるのか自分なりに考えていたんですけど、例えば、扶養の範囲内で働きたいとか、副業、ダブルワークとして働きたいとか、農業をやっていて農閑期だけ働きたい、年齢や体力的に無理できない、けがや病気で長期的に休んでいた、子育て中でも働きたいというところだと思います。あと、軽い障害を持っているとか、引きこもりをしていたとかというのもあるようです。これらは、地域が抱えている問題そのものじゃないかなということに気づきまして、地域のセーフティネットを担っていかなければならないなと感じるようになりました。菌床しいたけなんですけれども、その受け皿になる力があると思っています。特に、久慈地域の菌床しいたけは、特色として通年栽培を行っていて、安定した雇用を生み出すことができます。事情があってフルタイムで働くことができない人に、ワークシェアや分業することによって、活躍できる場所を作る、と。そのためにも、規模拡大して仕事を大きくしていきたいなと考えています。そして、個人個人のなりわいの再生のお手伝いをしていければと考えています。以上です。ありがとうございました。
坊良副部長
知事、お願いいたします。
達増知事
地域のセーフティネットの役割を果たすという、志高く、また、地に足のついた、地域にぐっと浸透するがゆえのミッションの自覚というところもあって、非常に頼もしく思い、かつ、ありがたいと思います。農福連携、ワークシェアリングなど、引きこもり気味の人にも働いてもらえるとか、非常にセーフティネットとしての効果が高いなと思います。
菌床しいたけは、話にもあったように、安定的に生産し、そして、岩手のしいたけというのは定評もありますし、しいたけ需要というのは一定ありますので、良いところに注目し、そして、なりわいとして軌道に乗せ、発展させていっているところが非常に良いなと思います。
農福連携というのも、今週火曜日に、東京の農林水産省、農林水産大臣に会って、いろいろ年の終わりの提案、要望活動をしてきたんですけれども、農林水産省1階ホールに農福連携の事例の動画をバーンと大きく映し出していて、やはり、今求められている大事な分野だと思います。県も様々そこは取り組んでいこうというところですので、県を利用できるところは利用し、一緒にやっていければと思います。ありがとうございます。
坊良副部長
よろしいでしょうか。それでは、次に本波さん、お願いいたします。
本波 遥
私は、この仕事を通じて、岩手県に来る観光客が増えてくれればいいと考えます。久慈琥珀博物館には、体験などを目的に、県外からもお客様が来館しています。博物館を目的に来られたお客様が、岩手県内で観光や食事、宿泊をしていただければ、もっと県内に活気が出ると思います。そのために、きっかけづくりとして、博物館や琥珀、恐竜の化石などの情報発信をして、多くの方に関心を持っていただけるようにしていきたいと思います。
私自身は、仕事が主に事務処理のため、お客様と直接関わることは少ないですが、繁忙期には博物館やレストランを手伝うこともありますので、その際には、お客様に満足していただき、また来たいと思ってもらえるように頑張りたいと思っています。
また、これからの岩手県に望むことは、若い方が地元に残りたいと思えるようになってほしいということです。久慈市内には、若い方が食事をするファストフード店や、買い物をするお店が少ないため、余計に県外への憧れが強いと感じます。たとえ進学などで県外へ出ても、また地元に戻ってきたいと思えるような町になればいいと思います。
観光地としては、いいところはたくさんありますので、暮らしている人にとっても更に住みやすい場所になればいいと思っています。私からは以上です。
知事、お願いします。
達増知事
新型コロナウイルスの流行で、お客さんが全然来なくなるということがあちこちで起きていて、一方、かえって地元の近場のお客さんが来るようになったとか、修学旅行、学習旅行のお客が増えたとかいうところもあるんですけど、久慈琥珀さんはどんな感じなんですかね。
本波 遥
久慈琥珀博物館も、地元などの県内からの修学旅行生などが増えていて、逆に、県外から来るお客様は減っています。
達増知事
そうですね、県外はなかなか、県境を跨ぐ移動について自粛しなきゃならない時期も結構ありましたから、そんな感じかと思います。でも、県内のお客さんが増えてるのは非常にいいことで、琥珀とか恐竜とか、世界全体でも出る場所というのは非常に限られている中で、特に、虫が入っているかもしれないとか、クオリティの高い琥珀が取れて、また、恐竜の化石についても、まだまだどんどん出ると専門家の先生もおっしゃっていると聞いていますので、まず、岩手県内の人たちによく知ってもらいながら、全国的にも有名になっていくといいんだと思います。
そして、若い人が地元に残りたいと思えるようにする、これは大事なことで、地域振興、まちづくりの基本だと思いますね。ファストフードのチェーンは、独自の戦略に基づいて出店をしているので、なかなか思うように出てきてもらうというのは難しいところもあるんですけれども、鳥取県で、「スタバはないけど砂場ある」とか言っていたら、地元の人が「すなば珈琲」というものを始めてブームになったということもあってですね、全国あちこちに、あるものがないことを逆手に取って、うまくやれればいいのではないかなと思います。一方、道路が便利になってきていますので、今まで久慈市になかったものができるという可能性はいろいろあるんだと思いますので、県としても、岩手県北振興の要の位置にあるのが久慈市でありますから、若者が地元に残りたいと思える、平田オリザという劇作家が言ってましたが、「面白くなくない町でなければならない」と、面白くないと思われちゃうと駄目なので、やはり、面白さというのが常にあるような工夫を、地域づくりでは仕掛けていかなきゃなんないと言っていてですね、その通りだと思っています。YOMUNOSUなどは、かなりいい線いっているんじゃないかと思いますけれども、駅前の再開発とかですね、あそこは県も補助して事業化されておりますけれども、そういう、久慈市民の皆さんが求めるような面白さというものを久慈市内に作っていくことを、岩手県も一緒にやっていきたいと思います。
坊良副部長
それでは次に、谷地さん、お願いいたします。
谷地 譲
当社は、創業してから100年。創業当時は、この地域全体が、木炭であったりとか薪を作って、首都圏の方に販売するという仕事がかなり多く、県内の大きな売り上げの外貨を稼ぐという部分の大きな担いをしていた地域でありました。昭和30年以降、エネルギーが変わって、木炭・薪からガス・石油に移行していったわけです。そういった状況で、じゃあ何をしなきゃならないかということで、当時のうちのおじいさんに当たりますけども、仕事を変えていきましょうということで、育造林というものに入っていきます。その後、この辺には広葉樹はたくさんあり、それをチップに加工しましょうということで、チップの製造加工に入ります。また時代が変わっていくのに合わせ、仕事がだんだん変わってきて、土木建設業なんかも含め、地域の総合産業として行ってきたのが、ここずっと30年40年ぐらいの仕事でした。
創業当時から地域の雇用の場として当社はあり続けたいということで、この地域に住む人が働く場所づくりを続けてきております。その企業理念を、私のおじいさん、父、私、と引き継いだ会社経営をしております。
ただ、やることは変わっていきます。この地域の特に大きな特色である木炭をどうにかして再生していかなきゃいけないし、技術を続けて引き継いでいきたいと思って、ここ15~16年、いろんなことをやってきています。
まず最初にやったのが、人材育成でした。木炭を作る若い従業員を育てるということで、十数年かけながらやってきた結果が、平成30年の内閣総理大臣賞という賞を頂くことができたわけです。そういった部分で、続けることがやっぱり大事であって、その続けてきたことが最大限評価されることがもっと大事。さらにもっといくと、これを、しっかりと儲かる仕事として、継続的に事業展開をしていくために行っていかなきゃならないということで、国内だけではなくて国外に向かって発信をするということを、ここ近年やっております。今年2月、県の御協力も頂きながら、木炭の海外輸出を睨んでスタートしたというところになります。木炭というか、一次産業、農林水産の魅力は、この地域にはとっても大きな核になる産業だと思っています。先ほど、中野さんも言っていましたけども、いろんな人を受ける許容量があって、自分たちの都合を含めて考えると、とても働きやすい場所なんだなと思っています。「今日は雨が降っているから休んで違うことしようかな」というのもできますし、農業をやりながら、水産業の手伝い、林業の手伝いということも可能になってきます。いろんなものをミックスさせながら、この場で働いて暮らしていくというところの大きな部分だなと思っていまして、いろんな部分のいろんな方々が、内外の人が入ってきて林業に関わっていくような、そんな仕組みもこれから作っていきたいと思っています。そういった部分で、SNSを使いながら、対内・対外的に魅力を、どんどんどんどん自分たちがやっていることを発信していくことによって、また新たなコミュニケーションが出てきます。そのコミュニケーションの中で、「私たちが見た木炭の魅力」以外の魅力を、その人たちから作り出してもらって、また、更にそれを発信していくことで、どんどんその輪が広がってきているような状況です。決して、木炭には、この久慈地域も含めて、魅力がないわけじゃなくて、たくさんの魅力があるんだと思いますけども、その魅力を自分たちだけでは知ることができなくて、それを知るためには、いろんな人の知恵をお借りすることが大事だなと思っています。その知恵をお借りして一緒になって成長していくことが、この地域にとってとっても必要なことだと思いますので、ぜひとも、自分たち、私も含めてですね、知ることをもっともっとたくさんやっていきたいと思っていますし、できることをまた増やしていきたいと思います。
そういった意味で、これからさらに、中だけじゃなく外に対しても、どんどんどんどんお互いに成長している仲間を作っていきたいと思っています。以上です。
坊良副部長
知事、お願いします。
達増知事
ありがとうございます。木炭は一頃、中国から安い木炭が入ってきて大変だという時期があったんだと思いますけど、その後、中国で木炭が輸出できなくなり、むしろ輸入国になったということですかね。そういう、国際的な木炭の生産や流通のパターンで、日本における木炭生産が今チャンス、ということでいいんですかね。そこをちょっと確認したいと思います。
谷地 譲
中国は、最近は輸入国になってきましたけども、それが今度は南の方に移動しまして、東南アジアの方々が作る木炭が大量に入ってきています。場所が変わりながら、安い労働力を日本の商社が探して歩いてるんだと想定しているところです。
ただ、これからまたその木炭の価値を、燃料だけじゃなくてですね、別の形で、カーボンニュートラルの中に生かしていけることができないかなということで、木炭・木材を使って、世の中の「困った」というところから課題を解決していけることができないかということも含めて検討している最中です。
達増知事
わかりました。そういう意味では、ただ作れば売れるという状況ではなく、やはり、それなりの高付加価値をつけたりとか、あとは、利活用の仕方もセットで発信していくような、SDGsにふさわしいライフスタイルであったり商売であったり、そこで木炭が活躍しますよという、そういう意味ではやっぱり県の役割も大きいので、全国最大の木炭産出県、岩手県でありますから、岩手の看板産業の一つとして、ぜひ木炭を県としてもアピールしていきたいと思います。
再来年、全国植樹祭を岩手県でやりますので、そこに向けて、岩手の森林、林業を、県民の皆さんに改めて、その良さ、すごさを知っていただきながら、全国に発信するということをやらなければならない時期なので、しいたけもそうなんですけれども、森林、林業に、力を入れていきたいと思います。
地元の雇用の場の確保というミッションの自覚は非常にありがたいことでありまして、地域資源を、そこで人が働ける場として生かしながら、人材育成もしていただいて、それで地域が発展していくという形が、森林、林業、木炭というものを軸にしながら発展できるよう、県も一緒にやっていきたいと思います。ありがとうございます。
坊良副部長
ありがとうございました。皆様から、それぞれテーマに沿ったお話をお伺いいたしました。ここからは自由に御発言いただきたいと思います。先ほど、それぞれいろんなお話を頂戴いたしましたが、その中でですね、言い足りなかったことでございますとか、あるいは、参加者の皆様のお話を聴いて感じたこと、考えさせられたこと、また、懇談全体を通しての御感想を、懇談テーマにかかわらない御意見等、何でも結構でございますので、御自由に発言をお願いいたします。いかがでしょうか。
では、中野さんよろしくお願いします。
中野 琢磨
灯油が最近値上がりしていて、農水省が最近、農業の園芸施設等の燃油高騰対策というものを発表されたんですけど、なぜかキノコ類は除外されていましてですね、マッシュルームだけだったかな、対象になっているのは。菌床しいたけは冬が農繁期というか稼ぎどきなので、なぜ除外されたのかというのは、ちょっと納得できないなっていうのがあるんですけど。何か分かりますかね。
達増知事
園芸農業の枠組みからスタートしているからというところがあるのかもしれませんが、でも、しいたけも入れてもらわないと困りますよね。燃油高対策については、国もいろいろしてくれていてありがたいところもあるんですけれども、やはり、もっと広げてほしいとかですね、早く発動してほしいとかというところは多々ありますので、県からもそういうところは国に要望していきましょう。また、国のスキームで救済されない部分について、県の方でもきちっとこう見ていくようなことを検討していきましょう。
坊良副部長
今の制度的な部分はですね、後ほど確認をいたしましてお知らせしたいと思います。
そのほか、ございませんでしょうか。
安藤さん、よろしくお願いします。
安藤 あさひ
今後、國光正宗と酒器のセットを販売する専門のサイトを作ろうと思っていて、それに向けて資金調達と、あとは、この文化とか伝統とか、この思いを伝えるために、クラウドファンディングに挑戦しようと思っています。
で、その活動をしている中で、実は、「知事がマイ酒器を持ち歩いている」という噂を小耳に挟んだんですが、どんな酒器をお持ちなんですか。
達増知事
浄法寺塗りの、シンプルだけど味わい深い酒器を持っていますね。あとは、そうですね、ビールグラスぐらいのサイズですけど、木に、その人の手形を掘り込んだ器を作ってもらったものがあります。
安藤 あさひ
それは、飲みに行かれるときに持っていかれるんですか。
達増知事
あまり持ち歩きはしない。家で使っている状況ですね。県職員で、漆の振興に熱心な県職員が持って歩いて飲んでいるの目撃し、僕も一緒にその席に同席したことがあるから、そこで僕の話とその職員の話が混ざったのかもしれませんね。
安藤 あさひ
そうなんですね、ありがとうございます。
ちなみに、知事は「こんな酒器があったら嬉しいな」というものはありますか。今、國光正宗のために職人さんに作ってもらうという取組なので。
達増知事
酒器は、陶器から、ガラスから、木でできているもの、漆塗り、そうですね、金属製とかも、いろいろ試してみたいなとなるのが基本ではありますね。軽くて、中に入れたものの重みをそのまま感じることができ、口当たりも、漆器の酒器というのはなかなかいいんですけれども、ほかの素材・材質でも独特のいろんな味わいもありますんで、そういう意味で、今まで使ったことがないようなものを使ってみたいという気持ちがありますね。
安藤 あさひ
なるほどです、ありがとうございます。
達増知事
あとは、素材そのものだけじゃなくて、面白い絵が書いてあるとか、この、ウニのボコボコなんかもすごくいいなと思いましたね。こういう不思議な形とかも興味があります。
安藤 あさひ
ありがとうございます。クラウドファンディング挑戦するので、良かったら応援メッセージを頂ければありがたいです。
坊良副部長
ありがとうございました。その他ありませんでしょうか。どうでしょうか。
それでは、谷地さん、お願いします。
谷地 譲
木炭もですけども、林業もやっていまして、今年の春から、木製品の価格はぐっと上昇してきていました。それに伴い、森林から出てくる木材の価格も高くなるかなと思いきや、それはまだそんなところまではいっていないという状況です。ただ、今後、海外から入ってくる、木炭も木材も、海外から入ってくるものがなかなか入りづらいという状況が定期的に起きるのかなと考えます。
森林資源の豊富な岩手県ですが、製材品を作る際の乾燥機がやっぱり、どうしても岩手県の製材業者さんたちが少ないんです。その、乾燥機なんかの補助を積極的に広めていけるように後押ししてもらえると、製材品が出れば、山の値段もきちっと価格が上がってきて上昇して、しっかりと循環するものづくりに入っていくことができるのかなと思います。
ぜひとも、ボトルネックになっている部分をきちっと解決することによって、日本全体に岩手県の県産材を普及していくという仕組みづくりが多分可能だと思いますので、そういった部分へ支援も含めてお願いしたいと思いますし、また、そこに合わせ、人材育成も。今、岩手県の林業アカデミーというところで生徒さんたちが学んで、林業の方に来ています。プラスその製材品を作る、加工する、そういった部分の人材育成も含めて、少しずつでも取り組んでいただけると、もっともっと裾野が広がって、働く場所ができれば、岩手で生活していくというところにつながってきていただけるんじゃないかと思っています。
達増知事
ウッドショックということで海外の木の値段が高騰して、国内にも影響が出ていて、林業、そして、木を植えて切り出す、「川上から川下まで」とよく言いますけど、その途中もまた大事だということなんだと思います。やはり、岩手県は川上から川下まで、全体きちんと県内で振興させて、森林県、木材県でいくことが大事だと思いますので、その点、戦略的にやっていきましょう。
坊良副部長
ありがとうございます。
まだもう少しお時間があるのですけれども、いかがでしょうか。
中野さん、お願いします。
中野 琢磨
ちょっと雑談レベルになってしまうかもしれないんですけども、さっき安藤さんと渋谷さんの話を聴いていてふと思い出したんですが、僕、オートバイで北海道を旅するのが好きで、稚内にホタテの貝殻で作ったダートの道があるんですよ。真っ白い綺麗な道で、すごく感動したことがあって、野田に帰って、村の公園を整備するアイディアを出す会議に出たときにちょっと提案したんですけど、野田はホタテを名産にしているんですけども、実際そこまでの量は捕れないから却下だったんですが、洋野町だったらウニもアワビもいっぱい捕れるので、そういう道ができたらいいいなと、ふと思い出しました。
あと、谷地さんとは僕、ちょっと縁がありまして、谷地さんが会長されている、「森の船」という里山整備、里山再生の活動をしている団体に入会していまして、時々除伐作業を手伝ったりしています。で、やっぱりしいたけと林業ってすごく密接で、久慈産の菌床は、なぜか秋田産のナラ材を使っているんですよね、ほとんどが。僕もゆくゆくは菌床ブロックを作りたいなと思っているんですけども、久慈産のナラ材というのはどうなんですか。
谷地 譲
木炭で使ったりとかするのも結構多いので、あとは、しいたけの原木に出ていく量もかなり多いです。ですので、そういった意味でいくと、なかなか地域のところに回っていかないというのが現状なのだと思います。結構な量を菌床しいたけも使いますので、そうなると、そこに間に合わせるとなると、やっぱり業者の数が不足していますね。素材生産をする方々が、近年は、広葉樹の伐採からちょっと切り替わりつつあります。それは、針葉樹の伐採が、作業性の高さが良くなってきているからでもあります。そういった課題解決をしながら、自伐をしながら作っていくというところも視野に入れないとなかなか難しいと思います。
「森の船」の方はですね、私は会長は名ばかりで、ほぼほぼ行っていないような状況ですので。ありがとうございます。
坊良副部長
間もなく予定の時間になってまいりましたけれども、最後にこれだけはということでお話したいなという方があればお願いしたいんですが、いかがでしょうか。
渋谷 風雅
すみません、最後に手短にひとつ。ちょっと谷地さんのお話を聴いて、その時思ったんですけど、もう少しソフト面の支援というのも、水産業でしてほしいなというのは思っていまして。というのも、水産業というのはもともと世襲制で、後継ぎがいて続いていた業界、産業なんですよね。それが、いろいろありまして、継がせない産業になっているんですよ、今。そうなると、新規の人を周りから取らなきゃいけないんですけど、継がせないとなると、組合の資金とかでまとまった50万円とか、そのぐらいの額の資金が最初必要なんですね。そこから船も買ったり。いろいろ県の方でも水産アカデミーもやっていると思うんですけど、それ以外にも何かサポートをしてもらえればなと思うので、そこをお願いします。
達増知事
水産アカデミーをやってみて、そこを卒業して、さあ漁師になるっていうときに、その市町村に住んでいないとそこの漁業組合に入れないとか、やはり、農業分野に比べると新規就労に対してハードルが高いようなところが、漁業の世界には残っているなと改めて思ったんですけれども、やっぱりそれは良くないんでですね、いろんな規制をどんどん緩めて、かつ、金銭的にもですね、農業は、むしろ、今、650万円の補助を1,000万円にしようっていう国の予算が来年度予算案として出てきているくらいでありますので、そこで逆に50万円取られる、出さなきゃなんないというのは、これは確かに考えなきゃなんない。そのままではやっぱりまずいところですので、国の制度もあるんですけれども、県でやれることも検討しながら、漁業の新規就労がどんどんできるようにしていきましょう。
知事所感
坊良副部長
皆様、ありがとうございました。
それでは、最後に知事からお願いいたします。
達増知事
それぞれ非常にダイナミックで、先端的な分野で活躍されている皆さんでしたので、話のやりとりも盛り上がり、作戦会議的な感じにもなって非常に良かったと思います。
このメンバーでまたみたいなことは全然予定はないんですけれども、今日はこれで終わりというのももったいないので、今日を契機に、また情報の交換でありますとか、意見のやりとりなどをするといいんじゃないかと思いますし、私もいろんなところでまた、それぞれの方々と一緒に仕事をするようなところが出てくると思いますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。
閉会
坊良副部長
皆様、本日は貴重なお話しを頂き、ありがとうございました。
以上をもちまして県政懇談会を終了いたします。ありがとうございました。
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