「いわて幸せ作戦会議(in宮古)」(令和3年6月2日)

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ページ番号1044692  更新日 令和3年7月26日

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日時
令和3年6月2日(水曜日)10時30分から11時50分まで

場所
宮古地区合同庁舎 3階 大会議室

出席者

・参加者(敬称略)
 
小野寺 美賀子(陸中宮古青年会議所 直前理事長、小野寺食品、フリーアナウンサー)
 佐々木 博基(株式会社佐幸商店 代表取締役)
 松本 龍太(山田町商工会 前青年部長、officeマツモト)
 周 由希(岩泉町経済観光交流課 主事)
 石井 扶佐子(一般社団法人思惟の風 業務執行理事、道の駅たのはた駅長)

・県側
 知事、沿岸広域振興局副局長、政策企画部長

開会

石川部長
 
ただいまから、県政懇談会「いわて幸せ作戦会議in宮古」を開催いたします。
 皆様には御多忙のところ御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 本日は、「三陸の地域資源を生かした復興の取組について」を懇談テーマとし、宮古地区でお仕事や地域活動など様々な分野で地域の復興に向けて取り組まれている方々にお集まりいただいております。
 私は、本日の進行役を務めさせていただきます県の政策企画部長の石川と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

知事あいさつ

写真:懇談会の様子1

石川部長
 それでは、開会に当たりまして、知事から御挨拶を申し上げます。

達増知事
 せっかくパーティションがあるので、パーティションの中でしゃべりたいと思います。
 皆様、お忙しいところ県政懇談会「いわて幸せ作戦会議in宮古」に御参加をいただき、誠にありがとうございます。そして、県議会議員の皆さんも御出席ありがとうございます。
 県政懇談会というのは、昔からあるものではありますけれども、「いわて幸せ作戦会議」という名前でやるようになったのは、一昨年から始まっているいわて県民計画(2019~2028)の基本目標である「東日本大震災津波の経験に基づき、引き続き復興に取り組みながら、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわて」にちなんで、「いわて幸せ作戦会議」という名前でやっております。それぞれの地域、それぞれの分野で活躍している皆さんの生の声を知事が聞いて、岩手県政に役立てるという趣旨であります。
 「東日本大震災津波の経験に基づき、引き続き復興に取り組みながら」ということで、この宮古地域、復興事業もかなりの事業、ほとんどの事業が完了はしておりますけれども、まだ終わっていない事業もあったり、また、心と体のケアやコミュニティ支援など、引き続き必要な事業もあります。また、これからは、伝承と発信、震災やその後の復興のことについて、それをしっかり伝えて発信していくということも大事になっていきます。
 2019年には、三陸防災復興プロジェクトということで、ここ宮古地域を始め、いろんなイベントをやって、例えば宮古市内では、「いわて絆まつり」ということで、岩手の33市町村全ての伝統芸能をこの宮古市でやるという、今までやったことがないようなこともやり、復興道路など道路が便利になって、沿岸全域はもちろん、岩手全域から宮古市に集まるということもかつてよりやりやすくなっていることなどを確かめながら進んでいる、復興の成果も生かしながら、将来に向かって進んでいこうというところであります。
 そこに新型コロナウイルス感染症の流行があって、今日もこういう形での県政懇談会となっているわけでありますけれども、こういう感染対策をきちんとしながらであれば、いろいろやりたいこととか、やらなければならないことができるということでもありますので、感染対策をきちんとやりながら、この地域でやりたいこと、やらなければならないことをしっかりやっていく、それも今我々が直面するテーマであります。ということで、今日は皆さんのお話を伺いたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

出席者紹介

石川部長
 それでは、この後の進め方でございます。まず、私からお一人ずつ御出席の皆様を御紹介しますので、皆様から1分程度で簡単な自己紹介をお願いします。一巡しましたら、そのあと、本日のテーマに沿ってお話をいただきますが、一人ずつお話が終わった都度、知事がコメントする形で進めていきたいと思います。そして、最後に自由懇談の時間を設けたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、座席表に従い時計回りで、本日御出席の皆様を御紹介いたします。まず、一般社団法人陸中宮古青年会議所直前理事長、小野寺美賀子さんです。

小野寺 美賀子
 おはようございます。御紹介に預かりました一般社団法人陸中宮古青年会議所、昨年理事長を務めておりました。本年は、直前理事長という役職になります小野寺美賀子と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 私は、宮古市出身でございまして、大学卒業後にIBC岩手放送のIBCラジオ684のリポーターとして仕事をしておりました。震災の1年少し前ぐらいに宮古に帰ってまいりまして、実家が豆腐製造をしておりますので、家業をやりながら、今までの経歴を生かしてフリーランスで司会業もさせてもらっております。
 そして、震災をきっかけに青年会議所に入会いたしまして、昨年は、今年が50周年を迎えるのですが、その歴史の中で初めて女性理事長を仰せつかりました。本当に多くの皆さんに御協力をいただいて、昨年どうにか乗り越えたなと思っております。本当に、人のつながりがあって今の自分がいるなと思いますし、本日も、初めましての方々が多くいらっしゃいますので、今日のこの出会いをきっかけに、また何かできたらいいなというふうに思っております。
 本日はどうぞよろしくお願いいたします。

石川部長
 続きまして、株式会社佐幸商店代表取締役、佐々木博基さんです。

佐々木 博基
 株式会社佐幸商店代表取締役、佐々木博基です。水産加工業です。出身は宮古市、38歳です。大学卒業後、コネクタメーカーのヒロセ電機に就職いたしました。主に先端金型の設計から試作、あと量産ラインの立ち上げ移管を担当しておりました。
 平成23年の東日本大震災を機に、平成24年から家業の水産加工業に従事しております。父が病気で亡くなったこともあり、平成28年、32歳から代表取締役を務めさせていただいております。
 取扱いは、秋サケ、イクラや地元で水揚げされた魚を原料とした仕事が以前はメインでしたが、震災前と比較して水揚げは今大幅に減り続けています。そのため、現在は、国内外の原料を仕入れ、首都圏のスーパーや業務用で使われるイカや秋サケの加工品、あるいは地元で水揚げされたサバやイナダなどの輸出を中心に取り扱っております。水産加工に従事しておりながら、私自身そもそも魚を食べるのが苦手で、畑違いからの転職です。会社も震災の津波や台風の洪水で被災しており、マイナスから、復旧復興からのスタートでありましたが、同業他社と「チーム漁火」を結成し、仕事を通して関わった人たち、皆さんが互いに良かったなと思えるような関係を、次につなげられるような形を目指しております。仲間と一緒に成長、前進できる取組を日々模索しています。以上、よろしくお願いいたします。

石川部長
 それでは続きまして、山田町商工会前青年部長、松本龍太さん、お願いいたします。

松本 龍太
 山田町商工会青年部、先月まで部長でした松本でございます。家業は、地元で文房具店を営んでおります。両親と妹、もう1人従業員という形で、小ぢんまりとやっております。個人でできることは小さいんですけれども、青年部ということを通して町を盛り上げていくということに全力を尽くしています。ぜひ、今日はよろしくお願いします。

石川部長
 ありがとうございます。それでは、岩泉町役場経済観光交流課主事、周由希さんお願いいたします。

周 由希
 おはようございます。先ほど仰ったとおり、岩泉町役場経済観光交流課の周由希です。由希と呼んでください。岩泉町と出会ったきっかけは、2015年にアーラム大学から早稲田大学に留学しているとき、春休みに岩泉町と早稲田大学のインターンシッププログラムに参加いたしました。その短い期間の間に、岩泉町の自然と地域の人たちとすごく仲良くなり、懇意になりました。
 そして、台風第10号の次の年にインバウンド観光のために役場に入りました。県立自然公園早坂高原、龍泉洞、みちのく潮風トレイル、国立公園熊の鼻、多様性豊かな町と三陸の魅力をドローンとSNSを活用しながら発信しております。
 コロナ禍の今こそできることを、皆さんと交流しながら、充実した毎日を過ごしています。今日は、よろしくお願いいたします。

石川部長
 それでは、続きまして、石井さんお願いいたします。

石井 扶佐子
 道の駅たのはた駅長の石井扶佐子と申します。よろしくお願いいたします。
 私は、2017年に神奈川県から地域おこし協力隊として赴任しています。当初は、体験型観光に従事しておりまして、道の駅ができるに当たって、準備も含めて携わってきました。
 3月28日にプレオープンを迎えまして、4月22日にグランドオープンしまして、まだまだ業務に追われることが多いのですが、そんな中の懇談会ですので、何卒よろしくお願いいたします。

石川部長
 ありがとうございます。
 県からの出席者でございますが、達増知事、それから沿岸広域振興局の小野寺副局長でございます。また、本日は、宮古選挙区選出の県議会議員、伊藤勢至議員、城内よしひこ議員、佐々木宣和議員にお越しいただいております。ありがとうございます。

懇談

写真:懇談会の様子2

<テーマ>
三陸の地域資源を生かした復興の取組について

石川部長
 それでは、皆様のお手元にお菓子と飲み物を準備しておりますので、お召し上がりながら御懇談いただければと思います。まず、小野寺副局長から、本日のお菓子と懇談テーマを御紹介いたしますので、どうぞお召し上がりながらお聞きください。

小野寺副局長
 それでは私の方から、本日のお菓子について御説明させていただきます。どうぞ、お召し上がりながら、袋を開けて味わいながら、お話を聞いていただければ幸いでございます。
 本日のお菓子として準備させていただきましたのは、「すっとぎなまどら」でございます。山田町の商品でございますけれども、これは、青豆と米粉、砂糖と塩を練り合わせて作る伝統的な郷土菓子「まめしとぎ」がございますけれども、この「まめしとぎ」をクリームに混ぜ込んだお菓子でございます。青豆の素材を生かして、滑らかで甘さ控え目に仕上げているというのが特徴でございます。大変おいしゅうございます。
 それから、飲み物ですけれども、これは田野畑のもので、「たのはたのむヨーグルト」でございます。これは、田野畑産の新鮮で良質な生乳を使用して作られた飲むタイプのヨーグルトでございます。プロバイオティクスという生きて腸まで届く菌と食物繊維をプラスして、長時間発酵ということで、なめらかでクリーミーな味となっております。どうぞ、お召し上がりいただければと思います。
 それから、今回の懇談テーマについて御説明をいたします。「三陸の地域資源を生かした復興の取組について」ということでございますけれども、この地域資源についてでございますが、三陸には、ジオパークなどに象徴されますように豊かな自然環境がございます。それから、多様な食材や食文化がございます。食に関しては、本日の新聞で宮古市議会の記事も出ておりましたけれども、「瓶ドン」の売上が約1億6000万円と試算されるといったような報道もございました。そういった豊かな食文化、食材というのがございます。それから、サッパ船の遊覧クルーズなどによる海に親しむ観光資源など、そういった魅力にも富んでいると。それからまた、復興道路や宮古盛岡横断道路などの新しい交通ネットワークというものも整備されております。こうしたハード的な資源というのもありますし、さらに震災以降でございますけれども、特に震災以降、県外から移住して、復興や地域振興に尽力される若い方も多くいらっしゃっております。こうした方を含めた、地域の地元の若い方々も含めてですけれども、そういった若い方々の活力というのも、地域資源と呼べるのではないかというふうに考えているところでございます。こうした若い方々などの人、それから、先ほど申し上げました自然環境、食、交通ネットワークなどを地域資源と捉えまして、今回は、その地域資源を生かした取組をされている皆様から、お話をお伺いしたいと考えているところでございます。
 まさに日頃の皆様の活動が地域資源を生かした活動に当たると、この前私もお話をお伺いしていて思いましたので、ぜひ忌憚のない御意見をお聞かせいただければ幸いでございます。どうぞよろしくお願いいたします。

石川部長
 それでは、懇談に入らせていただきます。ここからは、本日のテーマ「三陸の地域資源を生かした復興の取組について」に沿いまして、現在の取組や課題、今後の方向、御自身の抱負、県への期待なども含めてお話を伺いさせていただきます。先ほどの順番で、小野寺さんからお一人5分程度でお願いしたいと思います。お一人ずつお話をいただきました後、知事からコメントをしていただくという形で進めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。それでは小野寺さん、お願いいたします。

小野寺 美賀子
 よろしくお願いいたします。
 今日のテーマに沿って何をお話ししようかなと思ったんですけど、まずやはり復興についてなんですけれども、本当に多くの皆様から、御支援、御協力をいただいて、今でもなお、この10年の月日が経ったとしても、「どうなの?元気なの?」と言ってくださる方がいるというのは、本当にありがたいなというふうに思っております。
 特にハード面は、最近ですと宮古盛岡横断道路ができまして、本当に交通の便も良くなりましたし、縦の縦貫道とか三陸道の方も非常に行き来がしやすいようになりましたので、やはりこの資源というものを、今後の未来に向けて、私たちがどう利用するのか、活用するのか考えていかなきゃいけないんだろうなというふうに思います。本当に多くの御協力をいただきまして本当にありがとうございます。
 私は、去年、陸中宮古青年会議所の理事長という職をお預かりいたしまして、活動させてもらったんですけども、やはり新型コロナウイルス感染症のことで、なかなか思うような事業ができませんでした。青年会議所は、「明るい豊かな社会をつくる」ということをビジョンに掲げておりまして、1年ごとに1月1日から12月31日までを一つの任期として活動していくわけなんですけれども、年初に掲げました事業というものがなかなか難しくございました。ただ、その中でも先ほど皆さんが仰っていたように、コロナ禍だからこそできること、できないことをどうやってできるのかということを考え続けるというのは、まさに青年会議所の根本にある考え方であるのかなというふうに思います。
 一つ、去年のことで申し訳ないんですけども、御紹介をさせていただきます。青年会議所の事業というのは、なかなか皆さんにとって、「何やってる団体なの?何をやってるの?」というのが分からないところがあるのかなと思うんですが、代表的なものでいうと「みやこ秋まつり」という事業を行っております。これは、多分ここにいらっしゃる何人かの皆様は御覧いただいたかと思うんですけれども、9月の2日間に渡りまして、子供広場だったり、ステージとか出店ブースがあって、夜は手踊りと船山車パレードを行っております。振興局の皆様方にも毎年出ていただいておりますし、こちらの会議室等もせっかくの祭りなんだからということで利用させていただいております。本当にありがとうございます。
 去年は事業ができなかったんですけれども、「何かできることはないか。必ずある。」というふうに思いまして、行った事業がYouTubeで青年会議所の事業の発信をしたり、「みやこ秋まつり」は35年の歴史がございますので、その歴史をまとめて市民の皆様に御覧いただこうということで、広報にも折り込みました。
 それともう一つ、これは私個人的に担当させていただいた事業なんですが、「ぬりえコンテスト」というものを行いました。これも広報の中に折り込みをさせていただいたんですけれども、(塗り絵を掲げて)こんな形でですね、秋まつりの様子が分かるような感じで表現させていただきまして、この塗り絵を募集いたしました。ありがたいことに1か月半の募集期間の中で約180通の御応募をいただきました。市内はもちろんなんですけれども、宮古出身の方で県外に住んでいらっしゃるという方々からも御応募いただきました。本当にありがたいなと思いました。これ、皆さんに見づらいかと思うんですけど、結構細かいんですよね。時間をかけないと難しいものなんです。こだわったらこだわったで、時間が非常にかかるんですけれども、それでも参加してもらえたということは、この秋まつりの事業が、皆さんにとって本当に楽しい事業なのかなというふうにも確信いたしましたし、また、1人として同じ色合いがなかったということが、やはりこんなに多くの人がたくさんいるんだなということも、改めて知ることができました。事業をやっても、どんなふうに思っていらっしゃるのかなかなか分かりにくい中で、応募数もですし、反応もいただき、そして、多くの皆さんに御協力いただいたということが、「何かしたいけれどできない」という気持ちを「私もできるんだ」というところで前向きに捉えていただいたかと思いますし、1人ではできないことも多くの皆さんの御協力によれば、大きないいものがどんどんできていくのかなというふうに思いました。復興ということもありますし、去年はコロナの関係でなかなかできないこともありましたけれども、非常に大きなのは、人という資源なのかなというふうに感じさせていただいた1年になりました。
 こんな感じで大丈夫でしょうか。このような感じで1年を過ごさせていただきました。ありがとうございます。

石川部長
 ありがとうございました。それでは、知事からお願いいたします。

達増知事
 最初、宮古盛岡横断道路の話がありましたけれども、本当に便利になって、ここ1か月くらいの間で、私は宮古に来るのが3回目なんですけれども、三陸ジオパークの総会は宮古市で毎年やっていますし、あと、田植え式、岩手のどこかで「金色の風」と「銀河のしずく」の田植えをするというのを今年は宮古市内でやりましたし、そして、今日またここに来ているということで、非常に快適に宮古で仕事ができるなと思っています。
 それから、新型コロナウイルス感染症の流行で、普段できることができなくなるということがあるわけですけれども、逆に、今までやったことないようなことをやるとか、YouTubeの話も出ましたけれども、やはり、動画はひとつチャンスにつながると思います。みんなが集まれないのは残念ですけれども、YouTubeや動画だと遠く離れた人でも見ることができるし、県も去年、本来どこかのホールに集まってやるようないろんな事業を動画やリモートでネット上でやったりしたんですが、普段ホールに集まる人数以上の人が動画を見てくれたというようなことがあって、やはり、そういうプラスにできるところもあるんだと思います。
 「ぬりえコンテスト」というのも、巣ごもり需要のような感じで、この時期に適した事業だと思います。大人の塗り絵とかしばらく前から流行っていますし、本格的なそういう徹底した塗り絵というのはありますから、それは、このコロナの時期には非常に良かったんだと思います。

石川部長
 それでは続きまして、佐々木さん、お願いいたします。

佐々木 博基
 株式会社佐幸商店、佐々木です。よろしくお願いします。
 まず、水産加工業の現状について、人と物と交通ネットワークについて、それぞれまとめてみたので、簡単に御報告させていただきたいと思います。
 まず、人のところ、従業員さんは、これは私のところもですし、他の会社さんも含め、人が足りないという声はよく聞きます。そのため、建前上は技能実習という形にはなりますけども、本当は良くない話かもしれませんが、実際は労働力を手伝ってもらうというような形で、技能実習生に手伝ってもらっています。
 食に関して、魚食が減っていると感じています。これは、製品の売れ方を見ても思っています。背景は、調理や食べるのが大変なことだったり、価格が高いことだと感じます。これが、人について。
 次に、物に関してです。原材料、これは、震災前は今よりも資源がかなり豊富でした。そのため、魚市場で水揚げされた魚から仕事を選ぶことができました。それが、震災後の現在は、水揚げがすべての魚種で大幅に減っています。秋サケはピークから見れば80%減、サンマは95%減という現状です。工場、これは各社震災後に補助金を使わせていただいて、ハード面はかなり充実しました。ただし、これは水揚げが減る前の状況に合わせて皆さんおそらく整備しているため、現状、実力以上の設備を持ったために生かし切れず、遊休期間が長くなっているのが現状だと思います。また、自己責任でありますが、投資したことによって固定費も増え、同時に支払いの負担も発生しています。
 次に、製品の売れ方ですが、震災前は、取引先や卸売市場や商社が在庫をしてくれる売り方が多かったのですが、現在は、リスクの関係から、取引先はほとんど在庫しなくなり、私達産地メーカーが通年在庫するような売り方に変わってきています。
 次に、交通ネットワークについてです。道路は、そのとおりかなり整備されたことで、交通の便が良く、震災前は各地区ごとに漁港、魚市場があって、そこの縄張りのようなものが実際は存在したんですが、今は、情報、スマートフォンだったり交通の発達によって、縄張りがほとんどなくなりました。これは、メリットもデメリットも両方ありますが、どこで何が揚がったかというのは、朝の段階で皆さん分かっているので、県外も含めた大手からの買付けが容易にできるような形になっています。そのため、本来であれば、魚が大量に上がったときには値段が下がるはずなんですけど、大漁のときほど値段が上がるという逆の現象が今発生しています。
 次に進みます。メリット、デメリットもまとめてみました。まず、技能実習生は、先ほども建前は実習という話をさせてもらいましたけど、そうは言っても、安定した休まない従業員さんという形で仕事をしてもらうことで、助かっている面はかなりあります。ただし、お金の面で見たときには、やはりデメリットとして各社の負担が増えてきます。これは、見た目の時給以外にも、ちょっといやらしい話になってきますけども、管理費や組合費、経費で、見た目以上に、時給換算でプラス400円から500円かかるのが現状になっています。また、言葉や文化の違いが思った以上にハードルが高く、やはりトラブルは少なくはありません。
 次に、物についてです。先ほどスマートフォンと情報のことをお話しましたが、情報が透明化されたことで、商談がすごく早くなりました。なので、決まるスピードもですし、量も増えました。ただし、以前はブラックボックスだった仕入れが透明になったことで、私たちの、ちょっと表現があれですけど、利鞘を稼げるポイントが減っているのは事実です。多分、仕入単価が全部オープンにお客さんにばれながら商売するのってあまりないんじゃないかなと思いますけど、水産加工業はそういう現状です。
 あとは、交通ネットワーク、物流が速くなったという先ほどのメリットはありますが、他地区からの買付けも増えたというデメリットも同時に存在しています。
 今、良いこと、悪いこと、どちらかというと悪いことの方を多く話させてもらいましたが、そればかりではなく、私たちは「チーム漁火」というのを震災後に結成しています。以前は売り手市場だったのが、今は買い手市場になっていますが、我々はここから更に踏み込んで、どれだけ買い手と協業できるか、商流をどれだけ一緒につくれるかというのに取り組んでいます。これは、QCD、Quality(品質)・Cost(費用)・Delivery(納期)が客先とあらかじめ協議、互いに納得できれば物は売れるという前提で、ただ、お互いにメリットが残ることが、続けていくことの第一条件にはなりますけども、競争しながら自分たちの戦いもしながら事業を継続できるような形を模索しています。我々産地メーカーの役割として、フレッシュな製品を消費地に届けるということは忘れてはならない。これは、メリットだと思います。客先が納得した上で付加価値をどれだけ付けられるか、あるいは、価格競争力、体力をどれだけ付けられるかということの勝負になってくるんですが、付加価値というのが、高次化だけではなく、先ほどの安定供給だったり、QCD、フレッシュ(新鮮さ)、ボリューム(量)、小口対応、いろいろなことがありますが、当たり前のことを当たり前にするということが、まず一番の付加価値だなと思っています。それらの中で、各メーカー、漁火のチームの中で特に話をするんですが、得意分野を共有して伸ばし合うことで、多くの課題をクリアできる可能性があると感じています。得意分野っていうのは、例えば末端製品が得意なメーカーさん、原料が得意なメーカーさん、あるいは管理が得意なところ、あるいはお金に関する部分が得意なところ、それらを良いも悪いも共有しながら、取り組んでいます。イメージとして目指す姿というのが、これはちょっと私のイメージなんですが、自動車業界のようなイメージというのが分かりやすいのかなと思っています。今までの水産加工業というのは、小規模業者が数多くあって、一匹狼が数多くありましたけども、自動車業界だと、例えばトヨタ、日産、ホンダって少ないメーカーの中で、それぞれが助け合い、標準化しながら、それに伴う下請けだったり協力会社さん、みんなで一丸となって戦っている姿に私には見えます。裏を返せば、そういうイメージで、仲間で助け合う形をとらなければ生き残れないぞ、と言われているようにも映ります。どうしても魚、生ものなので、機械化、AI化が難しい場面が多く、手作業とノウハウが多くなりますが、これをいかに簡素化、標準化して、競争力をつけられるか。
 6月1日からHACCP(食品を製造する際に安全を確保するための管理手法)義務化にちょうどなったタイミングであるんですが、HACCPはあくまで手段であって目的ではないので、目的は雇用、あるいは事業を継続発展させること。そのためには、利益の確保がどうしても必要になってきます。水揚げ減少にはなっていますが、海は一つと考え、今できる仕事を常に全力で取り組んでおります。その水揚げの状況変化に対応する柔軟な組織をどれだけつくれるか、あるいはそれを組める仲間、これを宮古市内だけでなく、三陸各地、あるいは日本全国でどれだけ仲間を増やせるかということに、一番ポイントを置いています。
 原材料の話にまた戻るんですが、以前は都度買いができたんですが、今は1年分、2年分というような形で、かなり在庫過多、原材料、在庫を多く持って仕事をするような仕方に変わってきています。そうなってくると、ちょっとまたいやらしい話になるんですが、どうしてもお金がついて回ります。これは、避けて通れないと考えています。在庫資金だったり仕入資金、これは、そんなに大きくないうちみたいな会社でも、多い日で1日数千万、あるいは1か月で何億というお金を自前で用意しながら仕事をしていきます。で、それに対する、例えば魚市場の支払いだと1週間が支払いサイトで、お客さんから入ってくるのは数か月後っていう、そこのタイムラグが発生するので、例えば短期資金の充実だったり、低利金利、利子補給とか、そういう実効性、即効性があるような制度を拡張、拡充、支援していただければありがたいなというのは感じています。あるいは、職場環境改善や先ほどのHACCP対応設備の資金などの現実的なランニングコストもこれからかかってきます。ただし、それらを全部自前で捻出できない商売自体がおかしい業界ではあるので、これは自分たちでやっていかなきゃならない課題であると同時に、支援と言ったら表現が悪いですけども、進めていきたいなと感じています。
 最後に、水産業ビジョンというような形でよく話が出ますが、どちらかというと漁協寄りのビジョンになっているので、これらをできるだけ、生産者、漁協、加工業者、あるいは販売客先など、トータルで全体最適になるような仕組みを作りたいなと考えています。
 ちょっと箱を持ってきたんですが、これがちょうど、今作っている、これから売ろうとしているやつなんですが、漁火のブランドでの輸出を目的にしたダンボールです。この側面に会社名が2つ書いてあるんですが、通常、私たちの業界は、複数の会社で資材を共有したり売るということがほとんどないような業界です。私たちは、それを良い悪いも全部共有しながら、漁火ブランドで、これは主に輸出向けとは考えていますが、国内外で展開していければ、あるいは自分たちの個性を生かして、それぞれの会社の製品も生かしながら、お互いに伸ばし合えるような形を模索しながら活動しています。以上です。よろしくお願いします。

石川部長
 ありがとうございました。それでは、知事からお願いいたします。

達増知事
 今の岩手県における水産加工業の傾向と対策、そのまま県の報告書に使えるような発表をしてもらったと思います。
 震災から復興という大変な道を歩んできた岩手の水産加工業ですけれども、そこに漁獲量の激減というのが入ってきて、大変厳しい状況ではあるんですけれども、うまく充実しているこの工場を活用し、原材料については様々工夫をしてもらって、消費サイドのニーズに的確に合うような、ある程度の値段でも買ってもらえる、そういうニーズに合うという意味で価値ある商品を生産して、そして、着実に売っていくということが求められているんだと思います。そのためには、やはり水産加工業の業態の構造改革ですね。佐々木さんが言っていたように、トヨタ的な自動車産業的な構造にしていくということが、やっぱり必要なんだと思います。一匹狼的なやり方というのは、資源がふんだんで、作れば作っただけ売れるみたいな時代には、できるだけ自由にやっていくのがいいんですけれども、今みたいな原材料も厳しければ売り先も厳しいような状況では、やはり的確に情報を捉えて分析して、それに対応した生産をしていくという。そこは、うまくある程度の人数で経営についてもやっていかなければならないし、生産から流通販売、それにまつわるパッケージとか、広く知恵と力を結集しなければ難しい時代に入っているんだと思いますが、そこをこの「チーム漁火」はうまくやっていて、そのパッケージも非常にいい感じだなと思いますし、そういう方向で海外への輸出も可能性が広がるところですから、ぜひその辺をうまくやっていただきたいと思いますし、県としても、それがうまくいくような形でいろんな制度を整えていきましょう。

石川部長
 はい、ありがとうございます。続きまして、松本さん、お願いいたします。

松本 龍太
 はい、松本です。よろしくお願いします。
 私は、商工会青年部の立場でお話させていただければなと。山田町の商工会青年部というのは、1年で三本柱のイベントがありまして、5月にはしご酒、8月に花火大会、10月にハロウィンイベントですね。コロナで去年ははしご酒ができない状態で、花火とハロウィンはやりました。
 昨年、青年部では、別な視点で考えてみようということで、今、復興工事が終わって震災から10年経ちますけども、国道45号沿いの空き地がやっぱり目立つということで、その町内の未利用地をどう活用していくかというワークショップを昨年青年部で開きまして、例えば、堤防に映画を映して映画館にできないかとか、あとは街中でキャンプをして、海まで歩いて1分とかですかね。疲れたら、街中にある銭湯に入りに行けるとかいう案を出した状態です。街中でやる意義を持たせるということで話を進めました。4月に、町の方に青年部の意見をまとめた提言書ということで、こういうふうに未利用地を活用できないかということを提言書で上げさせていただいてですね。先月、復興庁の土地活用ハンズオン支援事業に採択されて、新たな目標というか、青年部もまちづくりに絡んでいこうという思いで、今やっております。
 今まで町を盛り上げていこうってやっていたんですが、私たちがやっていることって外から人を呼ぶことだなと。ちょっとさすがに立ち止まって考えると、やっぱり地元の力をもうちょっと底上げしないと、これから太刀打ちできないなというのがありまして、先にそういうことを考えました。
 いざしゃべるとなると、ちょっと厳しいものがありますけども、来たるコロナが明けたときのために、ちょっとその先を考えて動いていきたいなというのが頭の中でありまして、やっぱりコロナワクチンを皆さんが打てば、多分人流がすごく増える。そこにはやっぱり、商売なり何なりチャンスが転がっているわけであって、それを取りこぼしたくないという思いをみんなで共有して動いております。
 実際、その土地活用ハンズオンの支援事業が採択になったので、来週から、町の役場と調整しながら、1年進めていくことになっていました。私たち青年部は、今25歳から45歳までの36人ぐらいでやっているんですけども、今からの世代だなと。今まで10年、まちづくりに対して意見してこなかった部分もあるなというのがありまして、私たちのこれから住んでいく町を作っていこうじゃないかという思いで、官民で連携してまちづくりをしていきたいなという思いでございます。簡単ですが、こんな感じでいかがでしょうか。

石川部長
 ありがとうございます。それでは、知事からお願いいたします。

達増知事
 山田町商工会青年部は、三陸鉄道が山田町も通るようになって、はしご酒とかですね、三鉄を利用して宮古の人に山田で飲んでもらうとか、そういう三鉄や県と足並みをそろえた地域振興で非常にいいなと思っていたところに、この新型コロナウイルス感染症の流行ということなわけですけれども、基本的に復興道路や三陸鉄道を使って人流を増やし、今まで来てもらってないような人にも来てもらうという基本は、有りなんだと思います。
 そして、一方、その間、この地元の充実を図るというのは良い発想で、新型コロナウイルス感染症の流行で思うほど人を集めるのが難しい分、山田町の商工会青年部は地元の良いところに注目して子供に教えたりとか、そういう活動も確かあったような記憶もあるんですけれども、地域資源の発掘、磨き上げですよね。そういうのに力を入れる時期にも使えるんだと思います。
 あとは、未利用地活用が復興庁の事業採択というのは良い話でありまして、ぜひそういうまちづくりにも参画していければいいと思います。以前の国道45号沿いに間口の狭い商店が並ぶ街道沿いの商店街というような中心市街地、これはこれで日本らしい商店街なんですけれども、でも、20~30年前になりますか、1990年代、中心市街地活性化というのが日本中でテーマになって、どうも街道沿いに間口の狭い商店街が並ぶような、日本の中心市街地のありようというのは今ひとつ発展性がないので、ヨーロッパにあるような広場にお店が集まっていて、その広場をお客さんが自由に回遊してお店にも寄るような商店街にできないかということを、国会でもそれがしやすいような法律を作って、タウンマネジメントオーガニゼーション、TMO(中心市街地における商業まちづくりをマネージメント(運営・管理)する機関)とかいう制度を作ったりとかしたんですけれども、なかなか商店街の土地をそのTMOが引き受けて自由自在に再開発するなんていうのは、日本のどこでもそう簡単にはできなかったところ、東日本大震災津波からの復興の中で、まさに山田町、そういう広場回遊型の中心市街地を作れるようになってきているので、この地域のにぎわいの理想的な絵を描きながらつくっていくことができるという時期でもありますので、ぜひぜひそれを成功するよう、県も支援していきたいと思います。

松本 龍太
 ありがとうございます。戻って、皆さんに知事から激励を受けたと伝えます。ありがとうございます。

石川部長
 はい。ありがとうございます。それでは続きまして周さん、お願いいたします。

周 由希
 岩手県に来て、4年目に入りました。コロナの前に、三陸の観光、いろんなところに行きました。どこの市町村に行っても、地域の人の優しさを感じられました。どの地域に行っても、きれいな景色が見られて、忘れられない体験ができました。実は今、私の視線から窓を見ると、すごくきれいな景色が見えますよ。青い空と森。このような景色は、すごいと思っています。地元の人たちは、すごく幸せだと思っています。だから、私にとって三陸の資源は、ここの自然と地域の皆さんだと思っています。
 あと、三陸ジオパークがありますが、ずっと思っているのは、規模が大きな自然テーマパークができれば、集客力がすごいと思っています。ツリークライミング、釣り、岩登り、サバイバルゲーム、ペイントボール、ゴーカート、スケートボード、すごくいっぱいアウトドアのアクティビティができるところです。私自身もアウトドアがすごく気になっております。岩泉町では、釣り、岩登り、ツリークライミング、砂遊び、いろんなアウトドアのアクティビティをやってきました。このような自然の中に、その自然のテーマパークがあれば、特に若者のアウトドア系の人たちにすごくアピールできると思っています。でも、自分が体験して、もっと広く宣伝したいと思っていますが、高齢化、過疎化が原因で、いろんな困難があります。安全管理や施設管理など、いろいろ難しいところがあります。でも、人材がいます。皆さん全員集まって、一つのテーマパークができれば、インバウンドの視点から見ると、集客力と発信力、インパクトは強いと思っています。三陸のイメージも全く変わると思っています。
 また、市町村の体験ゾーンを設定し、ここしかない郷土芸能、郷土料理を楽しく体験をしながら、地域の人と交流することができれば、それぞれの市町村の魅力をアピールすることもできます。また、自分の体験を通して、地域や人と直接コミュニケーションをとることは、その地域の全く違う体験ができます。観光と言えば、景色を見るだけではなくて、やっぱり地域の人と触れ合っていただきたいし、地域のグルメを理解し、安心していただきたいと思っています。
 現在、インバウンド観光は一旦ストップしていますが、交通の案内標識、ホテル予約サイトの外国語対応、また食事のアレルギー表示も強化しなければいけないと思っています。
 2008年に北京オリンピックが行われました。そのときに、タクシードライバーや隣のおじいちゃん、おばあちゃんも英語を勉強していました。皆さん、「ハロー、グッドモーニング。」と、朝集まって、運動をしながら、英会話を練習していました。外国人の観光客もいっぱいいましたので、皆さんは現地で実践しながら、北京オリンピック向けのおもてなしの雰囲気を出しました。実は、現在岩泉町役場では、2か月に1回、職員向けの英会話教室も行っています。コロナ後にちゃんと簡単なコミュニケーションがとれるように、自信を持てるように、準備しております。もちろん、これからコロナが落ち着いたら、町民向けの英会話教室もやりたいと思っています。以上です。

石川部長
 ありがとうございます。それでは、知事からお願いいたします。

達増知事
 周由希さんのような素晴らしい方に岩泉町に入ってもらって、私からも御礼を申し上げます。大変助かります。
 中国やアメリカにも素晴らしい、大きな迫力のある自然や公園があり、テーマパークもありますけれども、それらと比べ、岩手の自然の良さ、岩泉町のこの自然の良さというのを、さすがよく捉えていらっしゃっていて、この透明な水が川を流れて、川の底の石も見えるし、泳いでいる魚も見えるなんていうところは、本当に世界にはあまりない美しい自然ですし、水が豊かで、山にはどんどん木も生えて、秋には葉っぱの色が真っ赤になったり、黄色になったりというのも、世界中でそういうところはあんまりないですからね。その素晴らしさを、やっぱり改めて生かしていく必要があると思います。そういう自然といろんなアクティビティ、そして郷土芸能や郷土料理をうまくつなげて、三陸ジオパークとして全体を分かりやすく整理してPRすれば、非常に多くの人に来てもらえる、多くの人に楽しんでもらえるところになるんだと思います。
 あとは、由希さんは英語を教えることもできるから、岩泉町の人たちはすごく助かると思います。北京オリンピックの頃は、「北京欢迎你」(中国語の歌。日本語訳=北京はあなたを歓迎する)という歌がありましたよね。あれは「北京は、皆さんを歓迎します」という意味の歌で、北京オリンピックのテーマは、中国の映画スターやジャッキー・チェンさんなどが「We Are the World」の歌みたいにかわりばんこに歌うやつなんですけれども、同じような感じで「岩手欢迎你」(中国語の歌。日本語訳=岩手はあなたを歓迎する)とか「岩泉欢迎你」(中国語の歌。日本語訳=岩泉はあなたを歓迎する)とか、「岩手は皆さんを歓迎する」「岩泉は皆さんを歓迎する」というふうにできればいいと思います。

周 由希
 ありがとうございます。中国語の発音バッチリですね。

達増知事
 谢谢。非常感谢。(中国語。日本語訳:どうもありがとうございます。)

周 由希
 非常感谢。(中国語。日本語訳:どうもありがとうございます。)

石川部長
 ありがとうございました。それでは続きまして、石井さんお願いいたします。

石井 扶佐子
 道の駅たのはたの石井と申します。よろしくお願いいたします。
 先ほどもお話したとおり、4月22日にグランドオープンを迎えたばかりで、今は、日々の業務に追われております。ゴールデンウィークを過ごさせていただいて、予測以上のお客様がいらっしゃいました。とても感謝すべきことであって、本当にうれしく思っております。この勢いを続けていきたいとは思っているんですけれども、今、三陸道路の話が頻繁に出ていますが、南から来ると田野畑村は終点のところになっておりまして、今は、北の方面、八戸までの方面の工事を進めています。終点ということもありまして、休憩というところで非常に多くの方にいらっしゃっていただいたというところがあって、これを8月なり9月なりに開通したときに、どこまでお客様を維持できるか、そのような施設になるべく、今、年間の活動などを考えているんですけども、村の地域振興というところで、やっぱり役割が非常にあると思っていまして、今までバラバラにやっていた産業、例えば水産業であったり、漁業、酪農、今日はヨーグルトを試食させていただいていますけれども、そういったものをまとめて販売できる場所もあんまりなかったような村ですので、そこで、それを販売しつつ、かつ、作れる場所、田野畑村加工場みたいなところもあまりなくて、なかなかそういったところもなかったんですけれども、そういったところをやっていきたいと、今、考えています。
 観光というところでは、盛岡からも非常に近くなっていて、2時間ぐらいで田野畑村まで来れるというところとかをもっとPRしていかなければならないですし、あとは、どうしても国道45号から海のアクティビティに行くのに県道44号とかを通っていかなくてはいけなくて、村のゲートウェイ的な役割も担うので、そこを観光、村のゲートウェイというところで案内、誘導できるような施設になっていかなければならないというところが今の課題です。
 村には小学校が1校と中学校が1校しかなくて、高校はございません。なので、どうしても高校は、宮古市とか久慈市、盛岡市に行ってしまうんですけれども、個人的には、私も神奈川県で育っていまして、関東なり大阪なりに行くのは社会勉強としては非常にいいかなと思っているんですけれども、ゆくゆくは田野畑村に戻ってきてくれるような雇用の場所になっていきたいと思っています。そのために、今30代40代50代ぐらいの大人たちが一生懸命働いている姿を、ちょっと疲労はしていますけど、そういったところを見せずに頑張っている姿を見せたいという思いだけで今やっているところがあって、その夢を実現すべく、今、日々これから、1個1個やっていきたいと思っております。こんな感じでいいでしょうか。

石川部長
 ありがとうございます。それでは、知事からお願いします。

達増知事
 石井扶佐子さんも田野畑に移り住んでいただき、また、道の駅たのはたの駅長も務めていただき、私からも御礼を申し上げます。ありがとうございます。
 大分、繁盛しているようで、良かったと思います。話にもありましたけど、道の駅の効果というのがやっぱりあって、平泉のような昔から観光名所で、年間200万人ぐらい観光客がきて、春の藤原まつりはすごい大イベントというところでも、やっぱり道の駅ができて初めて、今その町でどういう名物・物産があるのかというのを1か所でちゃんと見ることができるとか、あと観光案内もそこにあって、観光物産についてコンパクトに、かつ、包括的にそこで知ることもできるし、また消費もできるという、そういう道の駅の拠点性というのは、やはり大変高いということがありますので、田野畑村も大分この思惟の風、道の駅たのはたで発展していくんじゃないかと期待しています。そこに多くの人が行くように、県の方でもやっていきたいと思います。
 漁業があって、酪農があって、そして、そこにサッパ船体験とか体験型観光を作っていこうというのが始まった後に東日本大震災があって、やっぱり復興の中でも「あの体験型旅行をまたやれるようにしよう」というのが一つの復興の目標にもなっていて、良かったんじゃないかと思います。
 あと、羅賀荘の存在もやっぱり沿岸北部においては大きい存在で、三陸鉄道南北リアス線の完全復旧がなったときのイベントでは、羅賀荘で夜のパーティーをやったりとか、クウェート大使夫妻が昼食を羅賀荘でとるとか、そういう迎賓館機能も立派に果たせますので、そういったものをフルに活用して、一旦、田野畑村から外に出た若い人達がまた戻ってきて、働いて生活できるようにということ、県もそういうふうにしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

石川部長
 ありがとうございます。それでは、ここまでのところで、皆様から一通りテーマに沿いましたお話をお伺いさせていただきました。ここからは、自由に御発言をいただきたいと思います。先ほど言い足りなかったこと、あるいは懇談会全体を通しての御感想、あるいは懇談テーマに関わらない御発言でも結構です。また、他の発言された方への御質問ですとか御意見とか、そういったことも含めまして、お願いしたいと思います。自由ですので、手を挙げていただければマイクを持ってまいりますので、よろしくお願いいたします。いかがでございましょうか。

小野寺 美賀子
 すいません。私、青年会議所で来てたのをすっかり忘れておりまして、少しだけPRさせていただきたいなと思うんですが、今日皆さんのお話を伺って思ったのが、佐々木さんのように志がある仲間、皆さんと出会って何かひとつをやり遂げるというのはすごいなと思いましたし、周さんみたいにバイタリティ溢れる一人の人としての発信力ってものすごいなというふうに思って聞いておりまして、非常にこういう懇談会ってありがたいなというふうに思いました。
 青年会議所もいろんなメンバーが集まって地域のために、というふうに発信しています。なかなか一人ではできないことが、仲間がいれば、組織となればできるということもあります。それで、もし可能であればなんですけど、もっと行政の皆さんとともに、近づいて何かをやっていけるような仕組みというものを展開していただきたいなと思います。私は、宮古市役所は町一番の大きな組織だと思っています。県は、さらに大きな、もっと国とも近い組織であるというふうに思いますので、ぜひ、もう少し何かですね、互いにできることを考えて協力していけるようになれば、もっとさらにこの地域が、県内にある地域それぞれが良くなって、それがまた県としての大きな一つの組織として、より良くなっていくんじゃないのかなというふうに、達増知事も名誉会員の先輩でいらっしゃるんですけど、そんなふうに思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。

石川部長
 はい。どうぞ。

佐々木 博基
 佐幸商店の佐々木です。先ほどお話させてもらったのに、補足を一つさせてください。設備等々が過剰というところで1回話が止まってしまったんですが、私たち次の取組として、その設備も仲間内でできるだけシェアしながら、足りないときにはお互いにやったり取ったりできるようなことも、去年ぐらいから取組として進めていて、余計な設備を自分たちで持たないようにしながら、お互いがいいような形をできるだけ取れるように模索しながらやっています。ありがとうございます。

石川部長
 知事から何かコメントございますでしょうか。

達増知事
 青年会議所との連携については、岩手県としては、年に1回、岩手ブロックと対話の場を設けて、意見交換、情報交換などをずっとしてきて、最近SDGsについて、踏み込んだ連携をしようというような感じでやっているところです。県にも、若者女性活躍支援という政策の柱があって、それに対応する部局もありますので、岩手の各青年会議所や岩手ブロックと連携しながら、さらにやっていきたいと思います。
 あと、設備については、沿岸北部、北の方の水産加工事業者さんで、地場の漁獲量が激減した分の材料魚種を今までやったことないようなやつをよその県から買ってきてやるとかいうことも、まずその工場を復旧させていたからそれができるというような話も聞いたことがありまして、やはり東日本大震災からの復興として、工場設備を作ることができたということは、ひとつ武器になることでありますから、うまくそこを活用していければいいと思っていたんですが、共同で使うみたいなのは非常にグッドアイディアなので、そういうふうに生かしてもらえれば非常にいいなと思いました。

石川部長
 ありがとうございます。他に御発言のある方、お願いいたします。

松本 龍太
 すいません、2点ほど言い忘れていたのがありまして、山田町商工会青年部でYouTubeのチャンネルを持っていまして、2件しか上げていないんですが、町内の飲食店を紹介するという大食い対決をやっていますので、ぜひ御覧になってください。
 それとですね、ちょっと石井さんに御質問というか、山田町も令和5年度に新しい道の駅が開業予定なんですけれども、課題として、町内でどう観光客を回していくかというのがあって、道の駅が新しくなって、観光客が村内を回遊している状況があれば、できてまだ1か月だと思いますけども、何かアドバイスというか、いいことがあれば、お話を聞きたいなと。

石川部長
 石井さんいかがでしょうか。

石井 扶佐子
 道の駅が国道45号沿いのちょっと上ぐらいにあって、海とかが見えないので、「観光船とかサッパ船には乗れないんだね」とか「乗り場のところに行けない」ということになるんですけど、それを何とかしたいと思って、今、ちっちゃいことなんですけど、「観光船、今日は運行してます」とか「サッパ船、今日は運行してます」みたいな案内を出して、問い合わせがあった場合は電話して聞くということは、随時行っています。
 私が、元々体験村・たのはたネットワークに地域おこし協力隊でいたということもあって、そこはすごく有利な点かなと思っています。
 あとは、今後、その体験村・たのはたネットワークと羅賀荘とで、観光推進委員会みたいなものを立ち上げていきたいなというふうに3団体で話しています。

石川部長
 松本さん、よろしいですか。

松本 龍太
 はい。

石川部長
 他に御発言のある方、お願いいたします。

周 由希
 すいません。お願いいたします。先ほど、インバウンド観光のことをちょっと話しましたが、やっぱりコロナ収束後は、国内の観光だけではなくて、海外から日本に来るお客さんが多く見込まれると思っています。先ほどの外国語表記の話ですが、日本に初めて来る外国人観光客は、まだ何百万人、何億人もいます。外国語で表記する交通標識の整備が大事だと考えています。私は、最初岩手県に来たとき、バスに乗る方法が全く分からなかったです。バス停の表記は日本語しかなかったので、公共交通機関を使うときに不安でした。バス停の多言語対応については、町の仕事でもできますが、県から指示して、全体的に市町村の交通標識を統一する必要性があります。例えば、駅の名前と普通名詞の表記方法の統一などです。
 また、アレルギーの表示も先ほどちょっとお話しました。アレルギーを持っている方がどんどん増えてきまして、ピーナッツとか海産物のアレルギーがある人もいます。お菓子とかもすごくおいしいですけど、もし日本語が分からなかったら、その中に何が入っているか全く分からないです。そんなときに、もし自分がアレルギーを持っていたら、やっぱり買いたくないと思います。実は、岩泉町もそれぞれのお菓子の店がありますが、今は外国人の観光客は少ないです。けれど、アレルギー表示を整備すれば、今後のインバウンド観光宣伝のために、すごく助かるという話も最近しています。でも、その意識が薄いと感じています。
 そして、これはPRですけど、岩泉町の公式チャンネルもあります。空撮の動画などをアップロードしています。ぜひ御覧ください。

石川部長
 ありがとうございます。知事からコメントございますでしょうか。

達増知事
 道路の標識は、国とか県とか道路を担当しているところが作りますし、あとはバスや鉄道の標識については、県がバス会社や鉄道会社と普段からやりとりしていますので、分かりやすい外国語表記を促していきたいと思います。
 食べ物の表記も、そもそも日本はレストランのメニューとか、売っている食べ物の中身とかの表記が、他の国に比べてあまりたくさんのことが書かれていないという問題がそもそもあって、でも、人と人の交流が盛んになるほど、中に何が入っている、どういう材料を使っているというのは、そもそも日本語でももっと丁寧に書いていった方がいいし、また、外国語でも書くようにしていったほうがいいので、促していきたいと思います。

周 由希
 ありがとうございました。

石川部長
 ありがとうございます。まもなく予定の時間に近づいてまいりましたけれども、これだけは言っておきたいというのがございましたらば、挙手をお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。よろしいでしょうか。

知事所感

石川部長
 それでは、本日の意見交換会、最後取りまとめということで、知事からお願いします。

達増知事
 今日は、大変元気な、また、将来に希望が持てる意見をたくさん聞くことができて良かったです。復興の成果を生かしながら、新型コロナウイルス感染症の流行も乗り越えるようないろんなアイデアや行動があって、大変いいなと思いました。今日集まった同じ人達が、また次集まるという予定は今のところないんですけれども、それぞれ、またいろんなところで会うことがあるんじゃないかと思います。一緒に仕事をしたりということも、私も含めてあるんじゃないかと思いますので、ぜひ今日これで終わりということではなくて、何かあれば県の方にも言ってきて欲しいと思いますし、力を合わせて進んでいきましょう。ありがとうございました。

閉会

石川部長
 皆様、本日は貴重な御意見をいただきまして、本当にありがとうございました。以上を持ちまして、本日の県政懇談会終了させていただきたいと思います。

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