「いわて幸せ作戦会議(in盛岡・岩手保健医療大学)」(令和3年10月28日)

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ページ番号1048454  更新日 令和3年12月9日

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日時
令和3年10月28日(木曜日)10時00分から11時20分まで

場所
岩手保健医療大学 1階 大会議室

出席者

・参加者(敬称略)
 
小熊 千歩(岩手保健医療大学 看護学部 看護学科 4年)
 佐々木 廣太(同上)
 菅原 樺乃(同上)
 高橋 幸希(同上)
 古舘 芽衣(同上)
 両川 茉佑(同上)

・県側
 知事、盛岡広域振興局長、政策企画部長、保健福祉部医療政策室長

・オブザーバー(敬称略)
 濱中 喜代 (岩手保健医療大学 学長)

開会

石川部長
 ただいまから、県政懇談会「いわて幸せ作戦会議in盛岡」を開催いたします。
 皆様には貴重なお時間いただきまして、誠にありがとうございます。
 本日は、「地域医療に貢献するために」をテーマに、看護学を学ばれている皆様と意見交換を行いたいと思います。
 私は本日の進行役を務めさせていただきます、県の政策企画部長 石川と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

知事あいさつ

写真:懇談会の様子1

石川部長
 それでは、開会にあたりまして、知事から御挨拶を申し上げます。

達増知事
 
皆さん、おはようございます。
 せっかく、パーテーションもあるので、この中から座ってしゃべりますけれども、皆さん忙しいところ、今日はこの県政懇談会、御参加をいただきまして誠にありがとうございます。岩手保健医療大学 濱中学長先生はじめ、大学関係者の皆様におかれましては、お忙しいところ開催に御協力いただきまして、誠にありがとうございます。
 県政懇談会「いわて幸せ作戦会議」といいますのは、いわて県民計画、県の総合計画ですけれど、その基本目標が、「東日本大震災津波の経験に基づき、引き続き復興に取り組みながら、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわて」というのを基本目標に掲げておりまして、そこから取って「いわて幸せ作戦会議」という名前にしています。県内各地域や各分野で活躍している人たち、また活躍しようとしている人たちに直接話を伺って、県政、県の政策、施策の参考にしていこうという企画です。
 去年から新型コロナウイルス感染症の流行がありまして、岩手県でも、生活や経済が影響を受けておりますけれども、岩手県の「岩手緊急事態宣言」を発動しまして、解除された後には、毎日の陽性者数0が続いているような状態でありまして、県民の皆さんのこの感染対策への御協力、また、主体的に様々工夫されていること、努力されていることに、改めて御礼を申し上げたいと思います。
 新型コロナウイルスの流行によって、改めて、この医療、保健、衛生、こうした分野の大切さということが、世の中の人たちには身にしみて感じられていると思います。その大変さも改めて見えてきているところ、また、実感されるところではありますけれども、普段から岩手県が県民意識調査で、何が大事、どの政策分野が大事だと思いますか、という意識調査をすると、常に一番になるのが、医療でありまして、県民の皆さんの医療への関心というのは普段から高いんですけれども、今、それがさらに高くなっているところだと思います。コロナウイルスの流行がなくても、岩手県にとって非常に重要な分野である、この医療、保健、衛生、そして、新型コロナウイルスでますます重要になっているところであります。
 今日のテーマは「地域医療に貢献するために」でありまして、御出席の皆さんから、学生生活を通じての気づき、抱負、決意、あるいは疑問、不安などなど、様々な御意見をいただければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございます。

 

学長あいさつ

石川部長
 本日は、岩手保健医療大学の濱中学長様にも御出席いただいております。ありがとうございます。それでは濱中様、御挨拶をいただいてよろしいでしょうか。

濱中学長
 
おはようございます。達増知事をはじめ、岩手県幹部の方々、本学にお越しいただき誠にありがとうございます。また、県政懇談会という、このような貴重な機会を賜りましたこと、心から感謝申し上げます。岩手保健医療大学学長、学部長を務めております、濱中喜代と申します。
 本学はまだ開設されたばかりでございますので、大学の御紹介も含めて、御挨拶させていただきます。本学は2017年、岩手県立大学の開設以来、19年ぶりに岩手県に新設された看護学部単科の大学でございます。昨年、完成年度を迎え、今年度からは大学院看護学専攻の開設が叶いました。
 建学の精神は、「人々の生活と健康を高め 地域社会に貢献する ケア・スピリットを備えた保健医療人」でございます。「ケア・スピリット」という言葉は、本学独自の言葉で、「自ら進んでケアに向かう姿勢」と定義しております。看護の対象者の最善の利益を考えて、専門的な知識技術に裏付けられた看護を提供できるように、育んでいきたいという願いが込められております。
 80名定員で、看護師は全員、保健師は40名の限度で選抜し、国家試験の受験資格が取得できる大学でございます。学生の8割弱が岩手県出身者です。他は青森、秋田等、東北6県の出身者が、ほぼほぼでしょうか。3月に1回生が卒業して、半数以上が岩手県に就職いたしました。
 教授陣は、他大学で長く活躍した看護学の専門性の高い方々で、手前味噌かもしれませんが、手厚い教育が好評でございます。大学の目指すことの主軸に、地域貢献できる看護実践者の育成を掲げておりまして、地域社会のために自ら専門性を生かして活動する心構えを培うことを大切にしております。看護学のカリキュラムの中で、実習は大きな位置を占めております。県立病院はじめ、地域の多くの病院や施設、それから保健師課程においては、市町村の御協力、連携を賜り、充実した教育を進めているところでございます。
 私事で恐縮ですが、私は高校まで花巻市で育ちました。その後、長らく関東地方で看護学に、看護学教育に携わりながら、岩手県の医療や看護の発展について、何かできないかということを感じておりまして、地元愛が強くて、岩手のためにできることがあればと、私としては大きな決意を持って、本学の設置準備室から関わっている経緯があります。
 COVID-19の感染拡大で、人々の健康が脅かされ、生活様式の変更が迫られている時代に、医療の担い手になることは、相当の覚悟が必要であり、強靱な精神力が求められるのではないでしょうか。岩手県では、新渡戸稲造氏や原敬氏、後藤新平氏など、著名人が多く輩出されています。また、全国に先駆けた、沢内村の保健活動とか、宮沢賢治の世界観など素晴らしいものが多々ございます。
 本日は、学生諸君には、先人の教えを想起しつつ、「地域医療に貢献するために」というテーマで、地域医療に貢献することに関連した、願いや思いや考えについて、率直に意見を出し合って欲しいと思っております。そして、達増知事との会談のもと、さらに地域で活躍する人材としての認識を高めていただければありがたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

出席者紹介

写真:懇談会の様子2

石川部長
 ありがとうございました。
 それでは、この後の進め方についてお話を申し上げます。まず私からお一人ずつ、御出席の皆様を御紹介しますので、皆様から1分程度で簡単な自己紹介をお願いいたします。その後、本日のテーマに沿ってお話をいただきますが、お一人ずつお話しが終わった都度、知事がコメントする形で進めてまいりたいと考えてございます。そして最後に、自由懇談の時間を設けたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは座席表に従いまして、時計回りで本日御出席の岩手保健医療大学4年生の皆様を御紹介いたします。初めに、小熊千歩さんです。

小熊 千歩
 おはようございます。私は小熊千歩と申します。出身は岩手県盛岡市で、盛岡三大麺のひとつである冷麺はとても大好きです。
 私の活動の紹介として、一つに「孫世代による高齢者へのICT支援(i-MgNT・・・あいのまごのて)事業」というものに参加させていただいています。この事業は、高齢者の社会参加や健康情報の提供など、健康推進について、孫世代がICTによって遠隔支援を行うボランティア活動です。私も、石巻に住んでいる大叔母と月に1、2回の支援を行っています。様々な分野の視点から対象者を見ているので、色んな話や意見を聞き、色んな価値観がすごく養われる活動であると私は思います。このような活動が地域により良く生活していくために、看護師として、医療だけでなく、ICTに強い人々などと様々な垣根を越えて関わっていくことが、生活をするための近道ではないかと、すごく感じさせられる活動に参加させていただいています。
 今日は短い時間ではありますが、よろしくお願いします。

石川部長
 よろしくお願いいたします。それでは続きまして、佐々木 廣太さんです。

佐々木 廣太
 皆さんおはようございます。岩手保健医療大学4年生の佐々木廣太です。出身は一関市千厩町で、将来は高齢者、特に認知症の方を支える、その家族を支える保健師になりたいと考えております。
 私事ではございますが、動物が本当に大好きで、中学校の時に保健師になろうと思ったのですけども、その前は動物園の飼育員になりたいと考えておりました。新型コロナウイルスや東日本大震災などで高齢者の生活が厳しくなっております。そのような方々に、行政や市町村、病院などが連携して、支援できるような保健師として活動していきたいと感じております。
 本日は、このような貴重な場に参加できたことを非常にうれしく感じております。本日はよろしくお願いいたします。

石川部長
 よろしくお願いいたします。それでは続きまして、菅原樺乃さんです。お願いします。

菅原 樺乃
 おはようございます。菅原樺乃と申します。よろしくお願いします。
 私が看護職を目指したきっかけは、中学生の頃に家族の入院が重なり、その時に自分に医療や看護の知識が身に付いていれば、日頃お世話になっている身近な人々を手助けすることができると考え始めたことがきっかけとなりました。
 本学は、1年次の前期に早期体験実習という実習があります。入学後の早い段階で、病院での実習を経験することは、看護師の役割や患者様と接する姿勢を間近で学ぶことができて、その後の大学の座学に対する意識も向上すると考え、本学の入学を決めました。
 また、私は地元が奥州市出身なんですけれど、卓球協会に所属しております。日々の練習や大会、大会運営のボランティアに取り組んでおります。練習や大会では、年齢層のバラバラな、多種多様な個性をお持ちの方々と交流できる楽しさを肌で感じながら取り組んでおります。
 今後は、生まれ育った地元で、看護師という職を通して、地元の人々の健康と安寧にお力添えができるように、日々精進していきたいと考えております。
 本日はよろしくお願いします。

石川部長
 よろしくお願いします。続きまして、高橋幸希さん、お願いします。

高橋 幸希
 高橋幸希と申します。出身は矢巾町です。よろしくお願いいたします。
 私は、家族の入院をきっかけに、中学生の頃から看護師になりたいと思っており、生まれ育った岩手県で、看護師になりたいと考えておりました。本学は看護学部単科であるため、先生方との距離が近く、手厚い指導が受けられるということから、よりよい学習環境での大学生活が送ることができると考え、入学いたしました。
 保健師課程での実習では、市町村の保健推進委員の方を対象に、腸活をテーマとして、健康教育を実施いたしました。その経験から、相手へ伝わりやすい説明や表現方法について、難しさを実感しました。それと同時に、住民の方から、「学生さんの伝えようとするまっすぐな想いが嬉しかった」とお言葉をいただき、達成感を感じました。
 卒業後は、県外に就職予定ですが、将来は、就職先で身に付けた知識や技術を地元に持ち帰り、市町村の保健師として、岩手の医療や保健の向上に貢献したいと考えております。
 本日はよろしくお願いいたします。

石川部長
 よろしくお願いいたします。続きまして、古舘芽衣さん、お願いいたします。

古舘 芽衣
 古舘芽衣と申します。本日はよろしくお願いします。出身は、岩手県の一戸町です。
 私は、入学直後に早期体験実習を行うことができる点に魅力を感じたため、この大学に入学いたしました。早い段階から、実習を行うことで、自分自身の看護観を見つけることが可能になると感じました。また、早期に医療現場に赴くことで、1年次から「看護師になる」という強い意志を持ち、学習していくことが可能になると感じました。
 私は、将来、看護師として、自分が生まれ育った地域の医療に貢献したいと考えています。また、私の地元は県立病院であったとしても、医師数の減少が課題となっているため、看護師として、専門看護師や認定看護師といった資格を取得し、医師数が少なくても質の高い医療を提供したいと考えています。魅力いっぱいの一戸町が私は大好きなので、この一戸町に貢献すべく、看護師として地域医療に携わっていきたいと考えています。
 本日はよろしくお願いします。

石川部長
 よろしくお願いします。それでは続きまして、両川茉佑さんお願いいたします。

両川 茉佑
 おはようございます。同じく岩手保健医療大学の両川茉佑と申します。
 看護職を、まず目指した理由は、直接的なケアや言葉がけにより、人々の健康状態や人生の質を高めることができ、魅力的な職種と思ったためです。
 本学への入学は、通いやすいところとか、新しい大学で自分たちが校風を作り上げることができるのではないかという期待から決めました。本学の授業では、グループワークを行う機会が多く設けられているため、集団の中で発言することへの苦手意識を払拭することができました。加えて、1人でできることの限界を知り、周囲に頼ることの大切さにも気づくことができました。この2点が、在学中の大きな収穫だったと思います。
 北海道函館市で生まれて、そのあとは幼い頃、他県を転々としていたのですが、岩手県民の温かさや自然の豊かさに魅力を感じております。将来は岩手県で働く看護職として、県民の健康を支えていきたいと考えております。
 本日はどうぞよろしくお願いします。

石川部長
 それから本日ですけれども、盛岡選挙区選出の県議会議員の皆様にお越しいただいております。
 軽石義則議員でございます。

軽石 義則 議員
 はい、よろしくお願いします。

石川部長
 よろしくお願いいたします。髙橋但馬議員でございます。

髙橋 但馬 議員
 はい、よろしくお願いいたします。

石川部長
 よろしくお願いいたします。千葉絢子議員でございます。

千葉 絢子 議員
 はい、よろしくお願いいたします。

石川部長
 よろしくお願いします。吉田敬子議員でございます。

吉田 敬子 議員
 はい、どうぞよろしくお願いいたします。

石川部長
 よろしくお願いいたします。ありがとうございます。
 県からは、達増知事、盛岡広域振興局長の高橋、それから、保健福祉部医療政策室長の佐々木が出席させていただいています。どうぞよろしくお願いいたします。

懇談

<テーマ>
地域医療に貢献するために

石川部長
 皆様のお手元にお菓子とお飲み物を準備しております。高橋局長から、本日のお菓子を御紹介させていただきます。どうぞ、召し上がりながらお聞きください。高橋局長、よろしくお願いいたします。

高橋局長
 盛岡広域振興局長の高橋でございます。
 本日お配りしておりますお菓子は、滝沢市の福祉施設、みのりホームさんで作られております、滝沢産りんごをふんだんに使った「りんごケーキ」でございます。みのりホームさんでは、利用者が就労して安心して生活を送れるよう、ケーキの製造など、様々な支援を行っているところです。
 このケーキは、生地にりんごをゴロゴロと入れ、表面にりんごのピューレを塗って焼き上げた、滝沢産りんご尽くしの一品となっております。旬なりんごを満喫できる、10月から3月までの季節限定の商品となっております。みのりホームの就業者の皆さんが、食べていただいたお客様に「おいしい」と言っていただけるよう、心を込めて作っているケーキでございます。ぜひ御賞味いただければと思います。また、みのりホームさんの概要をつけました資料をお手元に配布しておりますので、時間がある際お手に取っていただければと思います。紹介は以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

石川部長
 ありがとうございます。どうぞ皆さん、お召し上がりいただければと思います。それでは、召し上がりながらということでよろしいかと思いますが、懇談に入らせていただきたいと思います。
 ここからは、本日のテーマ「地域医療に貢献するために」に沿いまして、皆様の活動、あるいは、学生生活を通じて得ることができた気づきですとか、あるいは今後の抱負、地域振興に懸ける思い、県への期待なども含めまして、お話を伺いたいと思います。先ほどの順番で、小熊さんから、お一人4分程度でお願いできればと思います。お一人ずつお話をいただいた後、知事からコメントをしていただくという形で進めてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、トップバッターを小熊さん、どうぞよろしくお願いいたします。

小熊 千歩
 私は物心がついた時から看護師になりたいと考えていました。大学で様々な講義や実習に参加させてもらい、幼い夢が今、手の届きそうなところまで来ています。幼いながらに思い描いていた看護師像と、今、全ての実習を終えて思い描く看護師像の根本はあまり変わらないと思っています。その看護師像というのは、患者さんが笑顔で安心して生活をしていけるような看護師になることです。
 低学年時に行われる基礎看護学領域の実習で、脳梗塞により失語のある患者さんを受け持たせていただきました。2週間ほとんど話すことなく、ひたすら病室に行き、ずっと隣に座って私と患者さん2人で景色を眺めるような日々の連続でした。ひたすら「看護とは何だろう」とちょっと考えていましたが、実習最終日に患者さんから、「ありがとう、頑張ってね」と、今まで話さなかった患者さんが頑張って私に話し掛けてくれたのです。その時、私は、隣に寄り添っているだけでも、患者さんは安心してくれたんだと感じることができました。
 病気になり、自分のボディイメージの変化があったり、今までできたことができなくなったりと、180度違う生活を強いられ、精神的に受け止めることができなくなったり、ひたすらつらいと思うことが患者さんには多々あると思います。こんな患者さんに寄り添えるような看護師になりたいと考えています。そして、地域に、自分の自宅に帰ったときに、なるだけ不自由のない生活をできるように、サポートしていけたらと思います。
 また実習の話で恐縮ですが、実習中、「退院が決まりました」と、喜んで報告している患者さんがいらっしゃいました。しかし、患者さんの二言目には、でも、実は退院に少し不安があって、「自分の病気がいつ再発するか怖くて」と、言いました。患者さんは、退院できることに対して、喜びだけでなく、不安を抱いていました。その不安を少しでも取り除けるのは、私たち看護師の役目であると思っています。いちばん患者に近い医療従事者である看護師として、患者が地域に自宅に戻っても、不安を緩和できるような看護師になりたいです。
 私たちの住む岩手県は、看護師をはじめとする医療従事者が不足しています。その一方で、高齢化が進んだり、高度医療を必要とする患者、定期で疾患を抱えながら生活する人々は増加しています。そんな中、悩みや不安は尽きないと思います。そんな悩みや不安を話してもらい、病院でも地域でも最後には笑顔でその人らしく暮らしてもらえたら、そんなサポートができたらと私は思います。
 先ほど出身は岩手県盛岡市と言いました。私は、生まれてから22年間、岩手県で過ごしてきました。そして、就職先も岩手県で、これからも岩手県で過ごしていく予定です。岩手県は、自然が豊かで、人が温かい所だと思います。そんなことに気づけたのは、大学生になり、アルバイトなど、社会を知ることができたからだと思います。
 大好きな岩手県で、自分が幼い頃から描いていた夢を実現できることをとてもうれしく思います。岩手県には、医療従事者が不足しているという問題以外に、自殺率が高いことや、脳血管疾患の罹患率が高いなど、様々な医療問題もあります。日々の悩みや不安、患者として思うことをいちばん患者に近い医療従事者である看護師として、患者さんの声に耳を傾け、患者さんに寄り添い、患者さんが笑顔で安心して岩手県で過ごしてもらえるような看護をしていきたいと思います。
 以上になります。ありがとうございます。

石川部長
 ありがとうございました。それでは知事、お願いいたします。

達増知事
 小熊さんには岩手県のことをいろいろ考えてもらっていて、どうもありがとうございます。そして、失語状態になった方に寄り添って、最後の最後に言葉をかけていただいたということで、大変いい経験をされたんじゃないかなと思います。
 高齢化に伴って、いわゆる持病、特定の病気に長くかかったりかかりやすくなったり、だいたいこう皆するものなわけですけれども、本当に人は人それぞれでありますので、そういう一人一人に、そのように寄り添って、コミュニケーション、いろんなコミュニケーションの取り方があると思うんですけれども、そういうことをうまくやられるというのは本当にいいことでありますので、どんどん精進していただければと思います。
 小熊さんが、最初、自己紹介のところで、このi-MgNT(あいのまごのて)事業ですか、この情報通信技術を使った、取組をしているということで、医療のデジタル化といいますか、これからどんどん進むと思います。スマホを最初に作ったアップル社、コンピューターの会社だったわけですけど、最近は、我々はヘルスケアの会社であるとも言うようになっていて、腕時計型の端末で、日々の健康データをスマホで見て、適切な健康管理や医療が受けることが必要なら医療を受けるみたいな、これはアップルだけじゃなくて、いろんな会社が先端技術を使いながら、先端技術を使って何をしようという時に、宇宙ロケットを上げる人もいるんですけれども、やっぱり人の健康にどんどん関わっていこう、人をもっとこう健康にしていこうという、そういう企業もすごい増えていますので、非常に大事なポイントだと思います。

石川部長
 
ありがとうございます。それでは続きまして、佐々木さん、お願いできますでしょうか。

佐々木 廣太
 私が保健師を目指そうと思ったきっかけというか、理由としては、高齢者を支える仕事が何かないかと考えており、うちは親が、介護支援専門員をやっているので、その影響もあって、あとは実際に認知症で徘徊してる方にお会いしたこともあるので、そのようなことをきっかけに、保健師なりたいなと考えておりました。
 大学に行かせていただいて、その中で岩手県の現状について、実習等を通して自分なりに調べたんですけど、特にこの後、お話する二つのことがすごく自分の中で印象に残っております。
 一つ目が、岩手県の医療の保健指導に関することです。岩手県の特定健康診査の実施率40%台に対して、保健指導は20%台です。国としての目標は45%ですが、非常に低いことがわかりました。市町村の中では、10%台のところもあります。原因としては、前向きな原因としては、特定保健指導の効果の出現、あるいは生活習慣の改善に努める人が増えたという可能性も十分あると思いますが、一方では、服薬や社会保険の変更などによって、特定保健指導の制度上、対象から除外された可能性も十分考えられます。保健指導という、国保の保健指導に関しては、市町村の責務ではあるんですけども、私としては、制度に縛られず、一人一人の家庭訪問などを通して、住民一人一人の健康、特に住民の声を聞いていきたいと考えております。また、私の願いとしては、県としても、生活習慣改善に関する啓発や支援をより強化していくことで、住民の健康に繋がるんじゃないかなと考えております。何より、保健指導の実施というものは介護予防に繋がりますので、特に私は保健師をやっていく上で、考えていきたいなと思っております。
 二つ目は認知症のことに関してです。私は先ほど認知症の支援を行いたいと話しましたが、特に認知症に関しては非常に深刻化しております。岩手県の65歳以上の人口は40万人以上ございます。高齢化率は33.7%です。そのうち、高齢者の約10%が認知症を抱えております。4万8,710人が認知症を抱えています。国でも、団塊の世代が75歳以上となる2025年問題、介護力が低下することが考えられておりますが、国としても地域包括ケアシステムを推進していくとしております。それはつまり、専門職と地域住民とで、地域で高齢者を支えていくということです。もちろん、私は認知症高齢者の専門職ではなく、地域住民とともに助けていくということが必要と考えておりますが、しかし一方では、未だに、認知症に対する偏見や不安というものが潜在しております。私は保健師として、高齢者、その家族だけじゃなくて、学生、子供、親、高齢者、様々な世代に向けて、認知症に関する教育を行うことで、まずは認知症に関する理解を深めていくことが大切と考えております。実際に先日、市町村での実習を保健師と一緒に行わせていただきました。その際に、地域住民の方に認知症に関する健康教育を行ったところ、非常に好評いただき、もっと話を聞きたいなという声もいただくことができました。
 この二つのことに関しては、もちろん岩手県だけではなく、もはや、日本、国レベルでの問題となっております。しかし、岩手県民は実際にこのようなことに対して、無関心というわけではなく、先ほどお話させていただきました健康教育も御好評いただいたとおり、健康意識は非常に高いと私は考えております。国の問題ではあるんですけども、市町村、あるいは岩手県が改善していくことで、大きな話になりますが、いずれは国の基本モデルになるんじゃないかと考えております。私はその力の一つに、小さくてもいいので、力になれたらいいなと考えております。
 私からは以上です。ありがとうございました。

石川部長
 ありがとうございました。それでは、知事からお願いいたします。

達増知事
 佐々木さんは、保健師を目指しているということで、保健師も非常に大事であります。
 介護予防、そして、認知症ですね。その二つは、岩手県としても非常に重要なテーマでありまして、介護の、この度合いが高くならないようにしていくということと、あとは、認知症もならないこと、進まないことに越したことはないんですけれども、どうしてもこう、なる人が進んでいく人はいますので、そういう方々の、このケアをするというのは、非常に大事でありますので、そういう分野を志しているというのは、大変頼もしいです。
 認知症は、さっき話した佐々木さんの話の中にもありましたけど、相手にする人たちが、認知症というものを理解するというのは非常に大事で、そういう意味では県民運動的にオール岩手で取り組んでいかなきゃならないと思っています。でもやっぱり、素人がうまくできないところとか、あとは認知症の度合いが進んでくると、どうしてもこう、プロの力に頼らなければならないところが絶対出てきますので、そういうところはどんどん勉強を進めていただいて、経験を積んでもらうと非常に助かりますので、どうぞよろしくお願いします。

石川部長
 
ありがとうございます。それでは、続きまして、菅原さんからお願いいたします。

菅原 樺乃
 私は、これまでの4年間の臨地実習を経て、患者様が住み慣れた地域で生活を営んでいくためには、急性期から回復期、そして在宅医療までの切れ目のない医療が提供できる体制が目指されており、継続的、包括的な視点での支援が今後もさらに必要となってくるということを肌で感じました。それに伴い、今後、地域包括ケアシステムにおいて、病棟看護師による退院支援への実践能力の向上も地域医療に欠かすことができない重要な役割を担っていると考えております。
 看護師は医療職の中で最も患者様と接する身近な存在である分、患者様の身体的な面だけでなく、精神的な面や御家族の思いを含めて、変化に早く気づき、患者様の療養を支えるチーム全ての職種の方々へ情報を共有していく必要があります。看護師が知り得た情報を共有することで、医療チームを構成する他の職種の方々が専門性を発揮することができ、患者様にとって最善な医療を提供することに繋がり、さらにこの事は病院にとどまらないと考えます。
 これは私が看護学実習で、産科の病棟で実習させていただいたときのことなのですが、無事に分娩を終えた褥婦さんと一緒に退院指導に同席させていただきました。その際に退院指導をする看護師は、褥婦さんたちに産後ケア事業のパンフレットを配布していました。産後ケア事業では、退院してから、御自宅で育児生活をしていく中で生じてくる不安、例えば、授乳に関する不安や、お子さんの成長発達に関する相談、お母さんの精神面での相談など、様々な相談に専門職である助産師や看護師が相談に乗っていました。また、お母さんが少しの間、お子さんと離れて、しっかり休養をとれるような時間を作ったりと、母子とそれを支える家族が健やかな育児ができるような支援を行っていました。
 現在、岩手県内で分娩を取り扱っている医療機関が減少しており、なかなか妊娠・分娩・育児に関わる相談が行いにくい環境となっていると考えています。その中で、専門職に直接相談できる場所があるということは、日々不安が尽きないお母さんたちにとって本当に心強いものとなります。また、入院が必要な患者様においても同様に、退院後に御自宅で生活するためにサポートしていくという場面で、看護師が積極的に退院後の支援、生活に向けて、患者様が社会資源を適切に活用できるように、知識の提供を行ったり、情報共有を通して、他の職種の方々とつなぎ合わせていき、継続的で包括的な支援を行っていかなければならないと考えています。そのために、看護師の役割として、退院に向けて必要な情報を患者様から伺う必要があると考えます。患者様の一人一人の病態や治療方法はもちろんのこと、患者様の人的、社会的背景や入院までの暮らし振り、退院後に受けられるサポート状況など、様々な側面から、皆様の情報を収集していくためには、細やかな情報、状態観察能力と信頼関係の構築が必要となってきます。
 ここからは抱負となってしまうのですけども、私は県内の病院で内定をいただいております。そこで、患者様が地域での生活を営んでいけるような、継続的、包括的な支援のために、患者様が安心感を得られるような思いやりのある誠実な姿勢を身に着けて、信頼関係を構築していき、退院に向けた必要な情報を伺っていきたいと考えております。これが、今後、私が看護師として一つ地域医療に貢献できることなのではないかと考えています。
 以上です。ありがとうございます。

石川部長
 ありがとうございました。それでは知事からお願いいたします。

達増知事
 菅原さんには、地域医療のことを真剣に考えていただいてありがとうございます。そして、患者さんにいろんな形で寄り添い、また徹底的に寄り添う姿勢というのは、「ケア・スピリット」を感じさせるものでありまして、ぜひそういう感じでやってもらいたいなと思います。
 地域包括ケアシステムの話がありましたけれども、ますますチームプレーにとなっていきますので、いろんな職種の人は一人の人を運んで、医療が必要なら医療、介護が必要なら介護、その後や前の段階についても、放っておかないで、包括的にケアするっていうことのためには、それぞれが、患者さんに直接当たる、プラス専門家同士のチームワークが大切ですので、こういうのを大事にしてほしいと思います。
 あとは、産後ケアの話がありましたけれども、ますます大事になってくる分野でありまして、そうですね、やっぱりそこが不安で、出産全体に不安が生じるとか、1人目の出産でもう大変な目に遭って、2人目以降こりごりみたいになってしまう人が出たりとか言われていますけれども、社会全体で進め、それから自治体も積極的に産後ケアに当たっていかなきゃならない、そういう時代なんだと思いますが、やはり直接、接する看護師さんから、不安を解消したり、疑問に答えてもらったりというのが、いちばん効き目があると思いますので、ぜひぜひそういうところもやっていただきたいなと思います。ありがとうございます。

石川部長
 
ありがとうございます。それでは続きまして、高橋さん、よろしくお願いします。

高橋 幸希
 私は、将来は市町村の保健師として、地域の健康の維持増進に貢献していきたいと考えております。講義や実習で慢性期疾患を抱える患者さんを受け持たせていただいたという経験から、特に慢性期緩和に興味を持っております。
 成人看護学の実習では、慢性期疾患を抱えた患者さんを受け持たせていただきました。その患者さんは、病状は落ち着いていたのですが、病気や現在の身体状態に対する不安が、呼吸困難特有の一つの要因となり、よく「苦しくて死にそうだ」と訴えていました。また、その呼吸困難により、ADL(Activities of Daily Living、日常生活動作)の拡大が難しい状況でした。関わりの中で、病気や身体状態だけでなく、支援してくれる家族がいないこともその不安の一つであると気づきました。このことから、慢性期疾患を抱える患者さんは、不安などの精神的苦痛を感じていることを改めて実感し、疾患の管理に対する支援だけでなく、看護職として、精神的苦痛にどのように関わっていくべきなのかが、自分自身の課題であると考えています。慢性疾患とともに生きるということは、時間と、ともに生きることに対しての不安を抱きながらも、今後の生き方の希望や周囲のサポートをしながら、ライフスタイルを構築していくことだと、実習を通して考えています。
 また、その方が住み慣れた地域で思い描いている、ライフプランに沿った生活を送るためには、身体状態の変化に気づくことや、疾患の管理が必要であるため、病院だけでなく、地域からの支援が重要であると感じています。教育的な視点では、様々な理由により、自己管理が難しい方もいらっしゃるため、慢性期疾患を抱える方だけでなく、その家族の一つのまとまりとして、総合的にとらえることが、個別性のある、看護を提供する上で大切であると考えています。
 卒業後は県外に就職予定です。将来は、就職先で慢性期看護の自己管理の仕方について学びを深めていきたいと思っています。就職先で身に着けた知識や技術を地元に持ち帰り、岩手の医療や保健の向上に貢献したいと考えております。
 ありがとうございます。

石川部長
 ありがとうございました。それでは知事からお願いします。

達増知事
 慢性期介護、慢性期看護、慢性期疾患、関心を持って、また様々勉強しているということで、お年寄りに多いと思うんですけれども、年をとること自体不安が多いのに加えて、慢性疾患を持っていると、さらに不安は重なり、また、自宅での療養というものを、そう簡単じゃないという指摘もあり、家族という単位でも見ていかなければならないという、そういうところまでを勉強しているというのは非常に頼もしいところであります。高齢者が増えるほど、そういう慢性期疾患、増えていくわけですし、若い人でもこう、慢性期疾患を抱える方も出てきている世の中でありますので、その分野っていうのは非常にこれからもますます大事になると思います。
 県外に就職予定ということですけど、就職先で見つけた知識や技術を地元に持ち帰り、岩手の医療や保健の向上に貢献したいという言葉、非常に頼もしく、ぜひぜひよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございます。

石川部長
 
ありがとうございます。それでは続きまして、古舘さん、お願いいたします。

古舘 芽衣
 私は大学に入学した当初から、出身地である一戸町の地域医療に貢献したいと考えていました。
 私は大学3年生から盛岡で一人暮らしを始めたのですが、その際に一戸町を客観視することができ、一戸町の人の温かさや地域住民の絆の強さに気づくことができました。このことがきっかけで、看護師として、一戸町の医療を支えたいと強く思うようになりました。
 私は、岩手県医療局に就職が決まっております。そのため、地元である一戸町にある岩手県立一戸病院を第1希望としています。現在、一戸病院は医師不足により、都市部と比較して医療格差が生じてきています。また、地元に隣接している、九戸村の診療センターには、常勤の医師がいなく、また、他の医療機関もない状態となっております。
 このように、医師不足が深刻化している県北地域で、今後、看護師として働いていく中で、特定看護師という立場から、地域医療を担っていきたいと考えております。特定看護師になることで、患者さんが求めているケアをすぐに行うことが可能となり、医師が不足していても、質の高い医療を提供することができるのではないかと考えております。特定看護師の養成は医師不足の解決策の一つでありますが、特定看護師になるためには、指定の研修機関で研修しなければなりません。しかし、この指定の研修機関は数が少なく、限られています。そういった機関が増えることで、特定看護師になりたいと思い、行動に移す方も多くなるのではないかと思いました。今まで私は、医師不足に対して、医師を増やそうとする取組が多い一方で、看護師に対する支援が少ないと感じていました。先ほど述べたように、特定看護師の研修機関を増やすことや、医師不足の地域に看護師として貢献している方に対して何らかの支援をすること、などといった新たな取組を行っていくことが地域医療を守るために重要なことであるのかなと考えました。
 今後、看護師として地域医療に貢献し、地域住民が安心して地域で生活ができるようにしていきたいと思っております。以上です。

石川部長
 ありがとうございました。それでは知事からお願いいたします。

達増知事
 岩手県医療局就職予定ということで、よろしくお願いします。
 一戸病院は、今、すごくはつらつとした院長先生がいて、新型コロナウイルス対策の方をてきぱきとやりながら、地域医療の体制充実のため様々な改革を進めていてですね、いい雰囲気になっているんじゃないかと思います。
 一戸町っていうところは、魅力的な町で、鉄道の駅を中心に古くから産業も栄えて、農業も充実し、御所野縄文公園が今年は世界遺産に登録されるなど、観光もこれからますます盛んになると思いますね。一戸高校のなぎなたが強いというところも、岩手県としては非常に助かっております。医師数が少ないこの岩手の中で、看護師さんが、専門看護師、認定看護師・・・看護師としての能力を高めていくこと、非常にそれはもうありがたいことで、助かることでありまして、お医者さんも大事なのはもちろんなんですが、新型コロナウイルスのワクチン接種など、今、実際に注射を打ってくれる看護師さんが足りないと、ワクチン接種もままならないっていう、看護者の大切さは、かなり世の中の人たちも痛感しているところではないかと思います。
 岩手県の中でも特にこの、一戸町っていうところでの地域医療や、またその地域振興っていうことを考えながら働くっていうのは非常に意義あることだと思いますので、大いに期待いたします。

石川部長
 
ありがとうございました。それでは続きまして、両川さんお願いいたします。

両川 茉佑
 私がこのテーマである地域医療の貢献について考えたときに、まず岩手県の地域医療の課題って何だろうと思って、調べました。その時、真っ先に出てきたのが、医師不足でした。日本そのものが、先進国と比較して医師が足りていないことは聞いたことがあるのですが、岩手県で、この医師不足が顕著であることを知って、驚きました。まして、全国に比べて土地が広い上に、高齢者の割合が高いために、県民が医療を受けにくかったり、医師の手が回らず、充分に介入できなかったりすることも考えられるのではないかと思いました。
 また、岩手県民が必要な医療を受けて、あるいは受けなくても健康的な生活をできるだけ長く続けられるように、そして県民がウェルビーイング(well-being:身体的・精神的・社会的に良好な状態にあることを意味する概念)で人生の質とか、生活の質を高めることができるために、学生として、看護職になった時にどのようなことに取り組むべきかを看護師と保健師という二つの視点から考えました。例えば、看護師としてできることは、知識や技術を身につけて、医師とともに、看護だけでなく、医療により深く関われるよう、特定行為研修の場や機会を設けたり、あとは、専門看護師や認定看護師になる機会や、健診しやすい環境づくりをしたりすることが、医師の業務軽減にもなるために必要ではないかなと思いました。保健師としては、岩手県では高齢者が多いですが、彼らの健康を支援することで、医療的介入があまりなくても、地域で生活できるように、公衆衛生看護活動の評価が必要だと思いました。
 先日、市町村の保健センターで実習に行った時に、私は以前、減塩に対して、体にいいとか、良いイメージを持っていたり、あとは、健康で長く生きたいという考えを持っている方が多いのかなと思っていたのですが、この市町村の健康推進課の方がおっしゃっていたのが、高齢者の中では減塩は美味しくないっていうようなマイナスなイメージとか、あとは、誰にも迷惑をかけたくないから、もうあまり病院にもいかない、自分のことを、あまり大切にできないとか、そういう、医療従事者とは違った考えを持っていることに気づかされました。その考え方を知るために、市町村の保健師であれば、住民との家庭訪問を行ったりお話したりすることで、生活や考え方を知ることと、それが健康を妨げる原因が何かっていうことを知ることが大切だと思うし、あとは県の保健師としては、市町村のそういう保健に関するところと連携して、この健康に対する知識とか考え方、健康づくりに適用した方向に導いていくために、テレビで情報を流すとか、そういう考えの方向転換を試みることが大切なのではないかなと思いました。
 私は、来年度から県内の病院で看護師として働きます。本当は保健師になることも視野に入れて学生生活を送ってきたために、このまま看護師として、生涯仕事を続けていくか、将来的に保健師として仕事をしていくかは、正直考えている最中です。しかし、どちらの職業を選んだにせよ、忙しくても対象者との信頼関係を構築し、医師が不足していて医療が受けにくい状態であっても、確かな知識と技術でもって、対象者がウェルビーイングで人生の質や生活の質を高められるように支援できる看護職者になりたいと考えています。そのためには、本学の「ケア・スピリット」でもある、常に相手にとって最善となるには、自分が何をすべきか、ということを考えるようにしていますが、それを継続していくことと、加えて、今以上に看護や医療、社会の情報を得ることによって、多角的な視点を持っていきたいと思っております。

石川部長
 ありがとうございました。それでは、知事からお願いいたします。

達増知事
 岩手の医療体制を調べて、医師不足という問題があるというのを発見されたこと、本当にそのとおりでありまして、正解に達したなと思います。増やす努力と工夫をしてはいるんですけれども、全国でやっぱり少しずつ増えているようなところもあり、なかなかこの全国の中で、一番少ない方という状況は、こう変わらないでいるんですけれども、この医師数の少なさを補うような、医療機関どうしの連携でありますとか、また医療、医師、医師以外の職種の活躍など、この医師不足を補うような、伝統ややり方が岩手にあり、また発展しているというところ、よろしくお願いしたいと思います。
 減塩の問題、そうですね、やはり、しょっぱいほどおいしい、塩辛いほどおいしいみたいな感覚を持っている人がいたり、砂糖も甘ければ甘いほどいいもので、しかも甘味は砂糖ほどいいみたいな感覚っていうのも、特に古い世代にはあったりするわけですけれども、これやっぱり健康には悪いんでですね、減塩であれば、出汁ですよね、出汁の美味しさ、出汁で、旨みで、味わって、塩分が少なくてもおいしいっていうことはあるという、そういうのをどんどん覚えていただくようにしなければなりませんし、甘みに関しても、糖分以外の甘みとか、また甘味以外の美味しさっていう方にやっぱり誘導しなきゃなんないと思っております。医療や科学、いろんなことが進歩する中で、生活習慣っていうものをやっぱり、少しずつ進歩させていけるものと考えますので、県もますますそこは力を入れていきたいと思っています。ありがとうございます。

石川部長
 ありがとうございました。
 それでは、今、皆様からひととおり、テーマに沿ったお話をいただいたところでございます。ここからは先ほど申し上げましたとおり、自由に御発言いただきたいと考えています。先ほど、皆様からお話いただきましたけれども、ここが言い足りなかったとか、あるいは、ほかの学生の皆さんの話を聞いて考えられたこと、あるいは懇談全体を通しての御感想、懇談にテーマに関わらない御意見でも結構です。いかがでしょうか。

佐々木 廣太
 すいません、私が先に発言してもいいですか。よろしくお願いします。
 先ほど、保健師として働きたいとか、地域包括支援としての地域包括ケアシステムが推進されていると話させていただいたんですけども、先ほど話題に出たとおり、医師不足、或いは介護力低下というのが徐々に見えてきておりますが、今後、その地域住民との協力、ともに支え、広く住民どうしで支えていく、住民と専門職が連携していくということは非常に大事になってきますが、これは、医師不足だからとか、介護力低下だからとかじゃなくて、むしろ住民と協力することで、より健康増進に繋がるんじゃないかなと私は考えています。
 しかし、一方でそのためにも、人、社会資源、というものが正直少ないのではないかなと感じております。私事ながら、沿岸部の方の保健師として就職が決まっているんですが、やはり東日本大震災もあり、人口流出があったり、沿岸部や被災地に限らず、人口減少はどんどん進んでおります。そのために、ここは保健師を目指す者としてじゃなく、一住民として何が大切かなと考えたときに、やはり岩手県っていうのは自然が非常に豊かで、私は特に海鮮が好きなんですけども、また、海の方が非常に充実してるなと感じております。また、それをアピールすることで、新型コロナウイルスなので、行きづらい環境になっておりますが、いずれは住みたいし、他の地域から見て、岩手県に住みたいと思えるような、県の魅力をどんどん出して、発信していければなと感じております。
 もう一つが、話は変わるんですけども、これは学生視点として、県の方々にお願いというか、いずれ行ってほしいなという願い、希望なんですけども、私は今、大学に通わせていただいていますが、経済面においては奨学金をお借りしております。国からの奨学金、そして岩手県から奨学金をいただいて、今、充実した勉学に勤しんでおります。しかし、一方でありますが、今後返済というものに関しては、正直ちょっと厳しくなってるかなと個人的には感じております。岩手県の奨学金に関しましては、看護師さんの方では、県指定の病院であれば、無償化というものがあるんですけども、保健師はいまだに返済義務があります。
 東日本大震災や新型コロナウイルス等で、保健師の知名度はグンと上がりました。それに伴って、需要もすごく高まるのではないかと考えております。未来の子供たちというか、若い人たちが、保健師になりやすい、あるいは看護師になりやすいという環境を築いていただければなと、私事の希望ではございますが、よろしくお願いいたします。以上です。

石川部長
 ありがとうございました。知事からコメントございますでしょうか。

達増知事
 住民の皆さん中心にケアの体制を作っていくということで、岩手県では、県の医療計画の冒頭のところ、命と健康は、基本的にはこの住民が自分自身で自分の命と健康を守るということを基本にしつつ、しかし、病気やけがなど、自分だけで直せないようなときには、この専門家の皆さんと協力して直していくと、いうふうにしていて、これは、元々、やっぱり医師不足対策で、住民の皆さんが医療の分野に過剰なサービスを期待して、緊急じゃない時に救急に駆け込んじゃうとか、典型的には、会社で忙しく働いてる人が平日休みをとれないから、週末に、ちょっと風邪気味なんでって救急のところに入ってくるとかそういうことはやめましょうという話の流れの中で、住民、自分自身がまず自分の健康を守るように、熱があったら、平日でもちゃんと会社を休んで、かかりつけ医にかかりましょう、みたいなことを呼びかける中で、そういう話もしているところです。人口減少問題、コロナのリスクが低いというようなことも含めて、岩手の良さ、また、今どんどんアピールするチャンスだと思ってますので、アピールしていきたいと思います。
 あと、奨学金返済支援については、県もいろいろ、今、対象としているところ以外での拡充についても様々検討しているところで、今、この場でやると言えないんですけれども、保健師という分野についてもですね、やっぱりここは、検討してですね、志ある人がしっかりと教育を受けて、自分の道を目指す道を進んでいけるようにということをどんどん進めていきたいと思います。

石川部長
 ありがとうございます。他に皆様からいかがでしょうか。小熊さん、いかがですか。何かございますか。

小熊 千歩
 いま考えたこととして、私以外の5人の方々の話を聞いて、この医師不足も岩手県のみならず、全国でも、問題視されている中で、医師も大切だけど、看護師も、もうそれ以上、今、大切だってことを身に染みて感じることはできたし、知事さんがおっしゃった中で、直接、接することができる看護師の存在が患者にとっていちばんの安心材料であるということから、本当に看護師というのは、すごい近い存在で医療の中で一番近い存在であるということを、また、実習を通してでも感じてはきてたんですけど、またここの場として感じることができたというのもあるし、医療にこう携わっていない方が、医療とはまた別な分野に関わっている方でもそう思われるということなのでやはり本当に大切な分野であるんだなっていうことを感じました。さまざまな医療問題がある中でも、今は地域に戻していくことが大切になっていくということなので、本当に、看護師、保健師ともに協力して、地域でよりよい生活をしていくために、私たちが、医療従事者のプロとして携わっていけたらというのを感じました。以上です。

石川部長
 ありがとうございます。それでは、続きまして、古舘さんいかがですか。

古舘 芽衣
 私以外の、5名の方の発表を聞いていての感想なんですが、専門職だけでなくて、地域住民も一緒に、健康問題であったり、取組に一緒に関わっていくという点が、すごい大切になってくるんだなと改めて実感しました。看護師として就職するんですけど、その地域に住んでる地域住民という点でも、視点を膨らまして考えていかなければいけないなと感じました。

石川部長
 ありがとうございます。今日は、県の保健福祉部の医療政策室から佐々木室長が来ておりますが、皆さんに何か聞いてみたいことがございますか。

佐々木室長
 県の医療政策室の佐々木と申します。今日聞いていて、本当に私がしっかり考えなきゃないことを皆さんしっかり考えていただきながら現場に入っていこうということで、本当に心強く感じています。
 それで、皆さん、もう就職を決められてるとお伺いしましたけども、やっぱり県で看護師確保というところでですね、職場の魅力がなければということがありますので、それぞれ皆さんがですね、就職しようと決めた職場のいちばんの決め手、ポイントというところがあったら、ぜひ教えていただきたいなと思っています。

石川部長
 それではまた順番に、小熊さんから順番にお話いただいていいでしょうか。

小熊 千歩
 私事ですが、私も医療局に就職、内定をいただきまして、そのきっかけとなったのが、実習地であるのが一番だったんですが、特に遠野病院さんで御指導いただいた看護師さんの患者に対する接し方が、すごくこう馴染み深いというか、こう、私は、言葉の壁っていうのは結構大きいと思っていて、方言とか通じないっていうことが、結構あるなって感じるんですけど、そういうときに、やっぱ遠野って結構訛りがすごいなっていうのがちょっと感じていて、実習の中で、その時に遠野で出会った看護師さんがすごく、使い慣れた方言とか言葉遣いを使ったのを見て、こうしていけば患者さんと深く関わっていけるんだなっていうふうに、すごいいい見本を見せてもらったんでその看護師さんがきっかけとなって、医療局を選ばせていただきました。あとは本当に、新人教育とかがいいってところもあったんですけど、本当に岩手の基盤となる病院が医療局だっていうのも感じていたので、そこで、岩手県も好きだし、基盤となるところで働けるならすごいいいなって、またその看護師さんと出会ってまた自分も吸収して、看護師としてまた、ゆくゆくは自分が教える立場だったときに、こうなりたいっていうのがあったので、選ばせていただきました。

石川部長
 ありがとうございます。それでは、佐々木さん、お願いします。

佐々木 廣太
 先ほどの被災地の方の保健師として、就職決まったと話したんですけども、もう少し詳しく話すと、大槌町の方に、保健師として就職が決まっております。
 大槌町を希望した理由が、もちろん被災地の復興っていうのを考えたんですけども、シンプルに大槌町は本当にいい町でございまして、震災から10年経って、まだまだ復興の課題は多く残っているんですが、見たときに、復興をもちろんしなきゃないですけども、印象としては、新しいスタートを切ってるというイメージが非常に強くて、もちろん他の市町村もそうなんですけども、新しい施設や住民が交流しやすい施設などがあったりして、その前向きな姿が非常に見られて、本当にすごいいい町だなと感じました。そんなところで、被災地の復興の課題や保健師としての目線でもって従事できるということを考えたときに、自分として誇りのある仕事ができるなと、感じることができました。
 一度はちょっと関東の方にも行こうかなと考えていたことがあるんですけども、親から、地元に貢献しなさい、というふうに言われまして、確かにそうだな、と考えましたので、これから、あとは国家試験、合格して頑張りたいと思います。ありがとうございました。

石川部長
 ありがとうございました。続きまして、菅原さん、お願いできますか。

菅原 樺乃
 私も先ほど県内の病院に内定いただいたと話したんですけども、医療局の方に内定をいただきました。医療局を、希望したきっかけとしましては、実習地で、私たちの大学では、一つの病院だけじゃなくて、いろんな病院で実習させていただいてるんですけども、県立病院の中でも、遠野病院さんだったり、中部病院さんとか、中央病院さんで、県立病院の中でもいろいろ病院を回ることができました。その中で、就職して1年目の看護師さんに付いて実習することがあったんですけども、そのときに、患者さんと接する姿勢であったり、態度や言葉遣いが本当に1年目とは思えないなっていうぐらい、すごいなと感じたので、新人教育の体制が整っているというところに魅力を感じました。あと、インターンシップなどで、入らせていただいたときに、一緒にお昼ご飯とか、看護師さんたちと一緒に食べたんですけども、その時にも温かく迎えてくれたので、長く働くということはなんかやっぱり人間関係とか、職場の環境も大事だなと思ったので、そこも、目を向けていました。
 

石川部長
 ありがとうございます。続きまして高橋さん、お願いできますか。

高橋 幸希
 県外に就職予定なんですけども、それを決めたきっかけっていうのは、インターンシップに参加した際に、看護師さんとお話しする機会がありまして、その時の看護師さんの温かい雰囲気ですとか、またその病院が、笑顔で心のこもった看護っていうのを掲げて、まして、私もその看護する面で、笑顔っていうものをとても大切にしているので、そういう、そのような場所で私もを学びたいと思い、こちら選ばせていただきました。また、先輩がそちらに就職されていることと、先生方の中に、こちらの病院出身の方がいらっしゃって、お話を聞いていく中で新人教育が充実しているということでとても魅力を感じ、こちらを選ばさせていただきました。

石川部長
 ありがとうございました。それでは、古舘さん、お願いできますか。

古舘 芽衣
 私は先ほども述べましたが、岩手県医療局に就職が決まっております。医療局を志望した理由が、研修や教育体制が充実している点です。新人看護師として働いていく中で、患者さんを目の前にして、看護ケア、提供するっていうのがとても不安に感じていたので、そういう新人教育が整っているという点で安心して患者さんにケアを提供することができるって感じたので医療局を志望いたしました。

石川部長
 ありがとうございます。それでは、両川さんお願いできますか。

両川 茉佑
 私は三つあって、一つ目が「看護の日」の看護体験等、インターンシップに参加させていただいたときに、その看護師さんが、すごく丁寧な対応を取ってくださって、学生にも、こんな丁寧な対応をとってくれるのならば、患者さんにも丁寧だったり、丁寧に接しているのかなと考えたためです。二つ目が、看護の教育がしっかりしているところと、三つ目が県内の病院なんですけど、全国にその系列病院があるところなので、必要に応じて、異動とか、あとはその病院自体が様々な科があるので、今後の可能性が、選択肢が多くてスキルアップが希望できるところが魅力的に感じたので、選ばせて、志望させていただきました。

石川部長
 ありがとうございました。

佐々木室長
 ありがとうございます。参考にさせていただきます。

石川部長
 それではそろそろ予定の時間になってまいりましたけれども、濱中学長様から一言何か御感想いただいてよろしいでしょうか。

濱中学長
 お疲れさまでございました。本当に手前味噌ばかりで申し訳ないんですが、4年生6人のそれぞれの思いを聞かせていただき、それに対する達増知事の本当に心温まる激励をいただき、こういう機会で話し合いができ、交流できたことがとてもありがたいなって感じました。本当に誇りに思っていい学生たちで、このような機会をいただいたことを本当にありがたく思いました。
 医療局に進む学生も多いですし、保健師として働く学生もいるなど、県内に就職する学生が、このメンバーでは多かったんですけれども、せっかくこちらの大学は、盛岡にこうやって出来ましたので、今後、本当に地域貢献できる大学の一つとして、尽力していかなくてはいけないなという思いも新たにしました。これからもどうぞよろしくお願い申し上げます。ありがとうございます。

石川部長
 ありがとうございました。

知事所感

石川部長
 
それでは最後に知事からお願いいたします。

達増知事
 
皆さんそれぞれがこう進んでいく、専門家の道に関わる大事なことを様々勉強して身につけてきていること大変心強く思いますし、広く、この地域振興のことであるとか、住民の健康生活全般のことであるとか、そういうところまでも視野に入れていてもらっているっていうのは非常に自治体の長としてはありがたいところであります。濱中先生も非常に心強く思っているんじゃないかと思いますけれども、ぜひ、ここで学んだことを、経験したことをですね、卒業し、実際働き始めて、こういうことだったんだとかですね、ああいうことを教わっておいてよかったとか、皆さんの体の中に、種として、そこから根づいて、未来に働く中でどんどんそれがまた育って、花を咲かせたりとかいうところもあると思いますので、自分の中でですね、そういう習ったことがどんどんこう仕事の中でさらにこう成長していくことを楽しみにしながら進んでいって欲しいと思います。今日はどうもありがとうございました。

閉会

石川部長
 皆様、本日は貴重なお話をいただきまして本当にありがとうございました。以上をもちまして、県政懇談会の終了とさせていただきたいと思います。

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