「いわて幸せ作戦会議(in盛岡)」(令和3年1月12日)

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ページ番号1037088  更新日 令和3年2月8日

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日時
令和3年1月12日(火曜日)10時30分から11時50分まで

場所
盛岡地区合同庁舎 8階 大会議室

出席者

・参加者(敬称略)
 
南舘 則江(株式会社やどり木 代表取締役)
 南條 亜依(紫波町地域おこし協力隊)
 作山 春香(野村胡堂・あらえびす記念館学芸員)
 吉田 力(八幡平市地域おこし協力隊)
 遠藤 忠寿(株式会社遠忠 営業部長)

・県側
 知事、盛岡広域振興局長、政策企画部長

開会

八重樫部長

 ただいまから県政懇談会「いわて幸せ作戦会議in盛岡」を開催いたします。
 皆様には御多忙のところ御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
 本日は、「みんなで楽しくまちづくり」を懇談テーマとし、盛岡地域の活性化や魅力の向上につながる取組に参画されている方々にお集まりいただいております。
 私は、本日の進行役を務めさせていただきます県の政策企画部長の八重樫と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 

 

知事あいさつ

写真:懇談会の様子1

八重樫部長
 それでは、開会に当たりまして、達増知事から御挨拶を申し上げます。

達増知事
 皆さん、おはようございます。県政懇談会は、これは昔から知事が各地域、各分野で活躍する県民の方の話を直接伺って県政の参考にしていくということでやっていたのですけれども、「いわて幸せ作戦会議」というタイトルがついたのは、令和元年からスタートしているいわて県民計画の基本目標、東日本大震災津波の経験に基づき引き続き復興に取り組みながら、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわてということにちなんで、「いわて幸せ作戦会議」というタイトルにしているところであります。
 盛岡地域におきましては、非常に先進的なまちづくりの試みが盛んに行われていまして、大変頼もしく感じております。今日、直接お話を伺うことで新型コロナウイルスに負けない地域、また、新型コロナウイルス流行の中で地方のよさの関心が高まっている中で、本来やるべき地域振興のあり方というのを改めて明確にして、力強く進めていく時期でもあると思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 

八重樫部長
 本日の県政懇談会の進め方についてですが、まず私から一通り御出席の皆様方を御紹介いたします。次に、お一人ずつ自己紹介をお願いいたします。その後、本日のテーマに沿ってお話をいただきますが、お二人のお話があった後に知事がコメントをするというような形で区切りながら進めていきたいと思います。そして、最後に自由懇談の時間も設けたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日御出席の皆様を御紹介いたします。株式会社やどり木代表取締役、南舘則江さんです。

南舘則江
 よろしくお願いします。

八重樫部長
 紫波町地域おこし協力隊、南條亜依さんです。

南條亜依
 よろしくお願いします。

八重樫部長
 野村胡堂あらえびす記念館学芸員、作山春香さんです。

作山春香
 よろしくお願いします。

八重樫部長
 八幡平市地域おこし協力隊、吉田力さんです。

吉田力
 よろしくお願いいたします。

八重樫部長
 株式会社遠忠営業部長、遠藤忠寿さんです。

遠藤忠寿
 よろしくお願いします。

八重樫部長
 県からは達増知事、盛岡広域振興局の泉局長でございます。
 なお、本日は県議会議員の皆様にお越しいただいておりますので、御紹介いたします。
 八幡平選挙区選出の工藤勝博議員です。

工藤勝博県議
 おはようございます。よろしくお願いいたします。

八重樫部長
 紫波選挙区選出の臼澤勉議員です。

臼澤勉県議
 おはようございます。よろしくお願いします。

八重樫部長
 紫波選挙区選出の田村勝則議員です。

臼澤勝則県議
 よろしくお願いします。

八重樫部長
 ただいま皆様のお手元にお菓子と飲み物を準備しておりますので、召し上がりながら御歓談いただければと思います。
 それでは、本日のお菓子の紹介を泉局長からお願いいたします。

泉局長
 本日お配りしておりますお菓子は就労継続支援事業所、わ~くす城南さんの喫茶夢つむぎ城南でつくられています。これは、志家駐車場の近くにございます神明町が住所になっておりますが、そこにあります夢つむぎ城南さんでつくられたケーキとなります。盛岡市産のベリー系の果実、アロニアをふんだんに使ったバターケーキでございまして、菓子名はアロニアtumugyでございます。このケーキは、令和元年度県内の障がい者就労継続支援事業所が県産の農林水産物を使った食品の味を競った大会、農福連携グランプリ大会の菓子部門におきまして見事最優秀賞に選ばれたものでございます。豊富なポリフェノール成分を含むアロニアの生育には盛岡の冷涼な気候が最適でありまして、当該商品は盛岡の美味いもんアンバサダーにも認定されております。ぜひ御賞味いただきたい。食べてみてください。
 以上でございます。

八重樫部長
 ありがとうございました。カーリングのもぐもぐタイムみたいなことで、どうぞ、皆さん食べながらお願いしたいと思います。

懇談

写真:懇談会の様子2

<テーマ>
みんなで楽しくまちづくり

八重樫部長
 それでは、懇談に入らせていただきます。
 最初に、お一人2分程度で自己紹介をお願いいたします。お話ししていただく順番は、南舘さんからお願いいたします。
 それでは、南舘さんお願いいたします。

南舘則江
 初めまして。私は一番北側の葛巻町から参りました南舘則江と申します。株式会社やどり木というまちづくり会社を2019年3月に設立しまして、取締役1人と、代表取締役の私と2人で経営しております。自己紹介ということでしたので、出身は隣の岩手町沼宮内になります。一関での生活を6年経て葛巻町に移住をしました。現在子供4人の母親で子育て真っ最中です。
 2017年から葛巻のまちなかで葛巻発のクラフトイベントくずまき市というイベントを開催いたしました。こちらはとても大盛況で、県内、県外からたくさんのお客様に来ていただいておりまして、6回を記録しております。こういうまちのにぎわいづくりのイベントを経由しての会社の設立となりました。私たちは民間のまちづくり会社で、欲しい暮らしは自分でつくるという理念をモットーに毎日葛巻を中心としたイベント企画などをしております。今日は皆さんとお話しできるのを楽しみにして来ました。よろしくお願いいたします。

八重樫部長
 ありがとうございました。
 続いて、南條亜依さんお願いいたします。

南條亜依
 初めまして。紫波町から来ました南條亜依と申します。出身は福島県の石川町という南部のほうなのですけれども、紫波町との関わりは2018年に紫波町が募集していたインターンシップというもので大学3年生のときに参加させていただきまして、その後、紫波町の地域おこし協力隊に昨年なりまして、昨年の3月に大学を卒業したまま紫波町に移住して、今は地域おこし協力隊として企画をさせていただいております。
 活動内容としては、紫波町日詰地区のイノベーションまちづくりを一緒に関わらせていただきながらまちづくり会社を設立しまして、そちらのほうの会社で今1つ拠点、今日着てきたのですけれども、ヨコサワキャンパスというものをリノベーションしながら若者たちの活動拠点をつくらせていただいております。
 今日はどうぞよろしくお願いいたします。

八重樫部長
 続いて、作山春香さんお願いいたします。

作山春香
 紫波町から参りました野村胡堂・あらえびす記念館学芸員の作山春香と申します。当館は、紫波町出身の作家で音楽評論家である野村胡堂を顕彰する紫波町の施設でありまして、平成7年に開館して今年で26年になります。
 野村胡堂というのは、代表作に銭形平次捕物控という時代小説があります。こちらはテレビだとか映画化されるほど人気を集めた作品です。
 さらに、あらえびすというほうの名前では、胡堂がSPレコードによる音楽評論をする際に使用したペンネームになります。新聞記事だとか、雑誌だとか、音楽評論書などを多数執筆して、日本にクラシック音楽を普及させた人物になります。最近ですと、令和元年に野村胡堂がアニメのキャラクターになったりして話題にもなりました。私は、主に野村胡堂・あらえびすの顕彰活動ということで企画展だとか講座、レコードコンサートなどを行っております。
 本日は当館で開催しているレコードコンサートについてお話ししたいと思っております。今日はどうぞよろしくお願いいたします。

八重樫部長
 ありがとうございます。
 続きまして、吉田力さんお願いします。

吉田力
 吉田力と申します。八幡平市から参りました。私は、現在は八幡平市の地域おこし協力隊として市役所で勤務しておりますが、八幡平に来る前はハワイの日本語補習校、駐在さんですとかその家庭の御子息に日本と同じ教育をする週1日の学校で教師をしまして、ハワイにいるときにプログラミングを勉強したので、プログラミングを1か月間、講座も宿泊も全部無料でやるという合宿を八幡平市というところでやっているという情報を見て応募して、それに参加したのがきっかけで八幡平に移住しました。
 現在は、協力隊として、八幡平市はアフリカのルワンダという国のホストタウンになっておりまして、そちらの選手の受け入れや翻訳、通訳などをしつつ、そのかたわらプログラミング教室のアクセルキャンプという名前で子供たちにプログラミングを教えております。今日はどうぞよろしくお願いいたします。

八重樫部長
 続いて、遠藤忠寿さんお願いします。

遠藤忠寿
 八幡平市から参りました株式会社遠忠の遠藤と申します。私は、会社としての業務というよりかは、八幡平市の商工会青年部活動を皆さんにお伝えできたらいいのかなと思って、今日は参りました。
 8年前に商工会青年部に入会したきっかけが母を亡くしたことにありました。地域との接点であった母が亡くなったことによって、会社と地域とのつながりが全くなくなってしまうというか、弱くなってしまうというのを危惧しまして、親父と兄がいたのですが、こういった性格でないだろうなと思って、母に一番似ている性格であったであろう私が地域の接点になろうということで、商工会青年部に入会してからのお話を今日はさせていただければいいのかなと思っています。よろしくお願いいたします。

八重樫部長
 ありがとうございました。
 それでは、一通り自己紹介をいただいたところで、ここからは本日のテーマであります「みんなで楽しくまちづくり」に沿って、皆さんが現在行われている取組や課題、今後の方向、御自身の抱負、県への期待なども含めてお話をいただければと思います。先ほどの順番で南舘さんからお一人5分程度でお願いしたいと思います。お二人ずつお話をいただいた後、知事からコメントをしていただくという形で進めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、初めに南舘さんお願いいたします。座ったままで結構です。よろしくお願いします。

 

南舘則江
 よろしくお願いします。先ほど申し上げましたとおり、私は葛巻町にあるまちづくり会社として設立した株式会社やどり木を経営しております。
 私たちの理念は、葛巻のまちなかの商店街のシャッターをもう一度開けること、そこに新たな価値観でもってのにぎわいの創出を図ることというところがありまして、欲しい暮らしは自分でつくるという理念の下にくずまきまちなかエリアリノベーションを展開するプレーヤーの一人であります。
 葛巻の商店街のシャッターはどんどん閉まっていって、281号線という国道があるにもかかわらず、ただただ通過されてしまう場所であるのですけれども、その中で店を開けるということは相当な勇気が要ることでして、どうしたらあの葛巻のまちなかに人がもう一度止まってくれるのか、車が止まってくれるのか、人が止まってくれるのかというところを自分たちなりに欲しい暮らしをつくるという観点で事業とかイベントとかを展開しているというところです。
 ないものを数え出すと切りがない場所で、イオンがないといえば、それはそうですよと。工場がない、それはそうですよというふうな感じで、なかなか職も十分でないところではあるのですけれども、そういうところに目を向け出すと切りがなくて、当社のような町というのは北側にはいっぱいあるものですから、自分たちが欲しいものは自分たちの今手元にあるもので、そこをちょっとクリエイトしてやっていこうということで、一番最初にやったのが2017年のくずまきクラフト市というイベントでした。私たち町の女性6人の有志でクラフトというツールと、それからまちなかにありました旧遠藤邸という町屋を活用して、そこを掛け合わせた大変趣のある北岩手らしいイベントを開催したところがスタートです。その後にそれで実際にお金を回していきましょうというところの話で会社を立ち上げております。実際全然簡単な話ではなくて、経営も一生懸命、一生懸命という感じではあるのですけれども、この1年間、2年間会社を回してみて思ったことが、気づきが2点ありましたので、お話をしたいと思いました。
 1つは、やはりこういうことは、まちづくりというのは民間レベルでやっていかなければ実際にお金は動かないなというところです。当社は公民連携でやっていますので、どんな事業も公民連携でやれば、いろいろと協力をしながらやってはいるのですけれども、だからといって補助金に依存するようであれば、そこに本当のお金はなかなか回らないなというところがありましたので、小さくても民間が確実にお金を回すというところの経済循環が大変大事なところなのだなと思いました。
 それからもう一つは、その民間レベルでの近隣市町村との連携が必要だなと思いました。私たちは、幸い隣の久慈、一戸、二戸、軽米、九戸とか、自立した民間プレーヤーさんとの御縁がありまして、ただそういうものがありながら、皆さん点でいるとすごく弱いのです。今ここは盛岡の行政区としてのあれなのですけれども、私たちの立地的にどうしても北岩手、県北なのです。文化も県北だし、となるとその隣の小さい町の実際の民間のお金を回しているプレーヤーさんとの連携が非常に大事で、これからの事業は、今後はかなり強く北岩手を意識してやっていって、手をつないで、点と点をつないで線にして、最後は面にして協力して盛り上げて、北岩手らしくやっていければいいなと思っております。
 県に期待することというのがもしあるとしたら、行政界を越えた連携をぜひ後押ししてほしいなと思うことと、私たちは小さい、小さいなりわいのお金の循環というものの次なるプレーヤーの創出、仲間づくりをしていって、かなり強固な経済圏としてやっていければいいなと、女性の意見も取り入れながらやっていければいいなと思っているところでした。
 以上になります。ありがとうございました。

八重樫部長
 ありがとうございました。
 続きまして、南條さんお願いいたします。

 

南條亜依
 よろしくお願いします。先ほど少しお話しさせていただいたとおり、私は今紫波町日詰地区のリノベーションまちづくりをさせていただいております。今はヨコサワキャンパスプロジェクトというプロジェクトをメンバー5人、県外の友達5人で結成しまして、プロジェクトさせていただいていたのですけれども、ヨコサワキャンパスのヨコサワは、大家さんの横沢さんの名前を借りて、今私たちは家守り事業をさせていただいているのですけれども、ここから横沢さんの名前をいただいていまして、キャンパスという点に関しては、紫波町は大学がないにもかかわらず、オガールをはじめ学生さんがすごくたくさん来るエリアだなというのはすごく思っておりまして、私も大学生のときのインターンシップもしっかり私以外にもたくさん県外から学生さんが学びに訪れていたので、学びの得られる部分がすごくあるなと思っていたのと、行政の方や民間の方、地域の方をはじめすごく若い人たちがやりたいというものをサポートしてくれる体制がすごくすばらしいなと思っておりまして、そういったところと学生たちが何かやりたいというところを結びつけることができたら、もう少し学生たちが紫波町で何か新しいことができるのではないかなと思い、その拠点を今整備しております。なので、このプロジェクトとしましては今後来る学生さんたちと一緒に新しいプロジェクトを次の空き家で始められたらいいなと思って、今はやっております。
 なので、その次のプロジェクトとしてはゲストハウスをつくろうと思っております。紫波町は、たくさん人が来るにもかかわらず、宿泊場所が少ないというのをすごく実感しておりまして、学生が泊まれる場所、安くて素泊まりできる場所がなかったので、学生の力でつくっていこうというのを今みんなでやっています。
 そういう中で、学生さんたちが紫波に関わった後も継続的に紫波町を訪れて日詰商店街で新たなプロジェクトをたくさんつくってくれたらいいなと思ってやっております。今ヨコサワキャンパスとしては、コワーキングスペースを備えているので、コンセントをたくさんつけたりとか、Wi―Fiをたくさん設置させていただいて、リモートワークができるような場所になったらいいなと、今リノベーション真っ最中で整備しております。
 県への期待としましては、今振興局さんのほうでたくさん学生さんをコアキャンパスに呼んでいただいているので、すごくありがたいなと思っております。ありがとうございます。私は、今のところ岩手大学さん、県立大学さんとのコネクションがなかったので、県外の学生さんとのつながりはあったのですけれども、県内の学生さんとつながりがなかったので、すごく今はつないでいただいてすごくありがたいなと思っております。
 なので、今後も継続して県内の学生さんともつながりながら何か新しいプロジェクトができたらいいなと思っております。
 以上です。ありがとうございます。

八重樫部長
 ありがとうございました。
 それでは、ここで達増知事からコメントをお願いいたします。

達増知事
 南舘さんは、葛巻町にまちづくり会社を立ち上げて、大変すばらしい活動をされていると思います。エリアリノベーションということで、リノベーションというのは現代のまちづくりの最先端のやり方だと思います。いろんなアイデアや力を集めるのに非常にいいやり方なのだと思います。また、クラフト市を中心にして、そこからスタートしていったというのもよかったのだと思います。お金の動きをつくっていくに当たって、商品というものがものを言うのだと思います。サービスへの対価とかもあるのですけれども、やっぱり商品というのがお金を動かすのには非常にわかりやすいと思いますので、また商品というのも、もともと経済の歴史をさかのぼるとコミュニケーションの手段としてあって、海の人と山の人が交流するに当たって、海のものと山のものを交換するというところから商品とか商業が始まったらしいので、そういう人間本来のコミュニケーションをしたいという思いと現代の経済をつなぐものとして手づくりの商品というのが非常にいいのだと思います。ぜひこの調子で進んでほしいと思います。
 そして、北岩手、馬淵川の源流がある葛巻町ですから、やっぱり川が北に向かって流れる世界とつながっている、北のほうの市町村とのつながりがやっぱり大きいと思いますので、広域振興局的にもそういう県北振興局との連携をしながら進めていきたいと思います。
 そして、南條さんでありますけれども、よく紫波町に来てくださいました。私からも御礼を申し上げたいと思います。ヨコサワキャンパスプロジェクトというのも非常に先進的なそういうプロジェクトがちょうど立ち上がったところで、大変よかったと思います。家守り事業ということで、やっぱりリノベーションの一種ですよね。非常にいい企画だと思っておりました。そして、大学生を県内外から集めることができる、盛岡の中心はやっぱり人が多かったり、地価が高かったり、なかなか学生とか若者が土地、建物や、いろんな事業を自由自在にやるというのは、やってできないことはないのでしょうが、紫波町がほどよい地理的位置と、一方で歴史は盛岡より古いですから、はるか中世から東北の中心だった紫波町でありますので、そういう歴史を踏まえながら先進的な取組を若い皆さんでやっていただいているというのは大変ありがたいですので、広域振興局もぜひその調子で人をどんどんとつなげていってほしいと思います。ありがとうございます。

八重樫部長
 ありがとうございました。
 それでは、次に作山春香さんお願いいたします。

作山春香
 よろしくお願いいたします。私のほうからは、野村胡堂・あらえびす記念館で現在実施している事業の中で、レコードコンサートについてお話ししたいと思っております。
 当館では、3種類のレコードコンサートを開催しています。1つが、あらえびすレコード定期コンサートという毎月開催するものです。そのほかに特別レコードコンサート、出張レコードコンサートという不定期で単独で開催するものとありまして、全部で3種類のレコードコンサートを開催しています。
 一つ一つ御説明させていただきますと、あらえびすレコード定期コンサートというのを毎月1回開催しているもので、こちらが記念館を開館して以来続いているものになります。記念館が平成7年に開館してからですので、もう今年で26年になります。約25年間ずっと続いているものであります。もともとは同じ地域にある彦部公民館というところでコンサートが行われていました。その記念館の開館を機にこのコンサートを引き継いだ形になっておりまして、彦部公民館時代はLPレコードやレーザーディスクなどでの鑑賞だったのですけれども、記念館で開催するようになってからは、やはり野村胡堂の顕彰ということが一番の目的になりますので、野村胡堂が実際に所蔵していたSPレコードを蓄音機で聴くというコンサートを開催しています。SPレコードというのは、明治末期から昭和の戦前にかけて普及されたものになります。現在の音質と比べるとクリアな音ではないですけれども、SPレコードのよさというのは音のクリアさではなくて、レコードがこすれる音だったり、録音技術も全く違いますので、現代と違っていますので、録音現場の雰囲気そのままレコードに収められたような音の深みを味わうようなものになります。針を落とすごとに摩耗してしまって、いずれ音が消えてなくなってしまうものでもありますので、現在はSPレコードのデジタル音源化のほうも力を入れております。
 デジタルの技術の進歩によって、音の手軽さ、私たちの生活を潤ってはいるのですけれども、やはりここではアナログの面倒さといいますか、そういうところにも魅力とか価値を見出していきたいなと思っています。
そのほか特別レコードコンサートというものを行っていますが、こちらは名曲喫茶あらえびすというふうに題しまして、定期コンサートとは違った視点で開催しております。定期コンサートのほうは講師がいるのですけれども、こちらの特別コンサート、名曲喫茶あらえびすというものと、もう一つあります出張レコードコンサートというのも学芸員が企画をしまして、開催しております。
 昨年は胡堂の音楽のエッセーがございまして、「音楽は愉し」という書籍を紹介しながらベートーベンの生誕250年に合わせたプログラムを企画しました。胡堂のエッセーは、紫波町出身で舞台役者としても活躍している方に朗読をお願いいたしまして、大変好評でありました。地域の人材をこのように起用させていただいたのですが、地域住民の方でもこの方を知らないという方もおりましたので、自分たちが住んでいる地域にこのような人材がいるということに気づいていただいたこととか、あとは記念館と地域の結びつきを強めることへもつながったのかなと思っております。
 最後に、出張レコードコンサートというものがありまして、こちらは当館所蔵の蓄音機とSPレコードを活用したものになります。紫波町内、紫波町外での施設ですね、自治公民館などから依頼を受けまして、年間で数回開催しております。外に出向いていくものですので、クラシック音楽にあまり親しみがないという方も来場者の方にはいるのですけれども、そういった方へのプログラムの構成だとか、進行の方は難しいですが、やはりデジタル音源にはないSPレコードと蓄音機で聴く楽しみ方も今後示していきたいなと思って、続けております。
このあらえびすレコード定期コンサートは開館してからずっと続いているものなのですけれども、過去に2度だけ中止をしています。1番目が平成23年の東日本大震災のときです。幸い収蔵資料に破損などはありませんでしたが、3月の開催は中止しております。翌月から再開しています。2度目なのですが、2度目が昨今の新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、令和2年の3月から5月までの開催を中止いたしました。こちらも翌月の6月から感染対策をしっかりととりながら再開しております。
 この2つの中止を受けて、翌月からコンサート再開した際に、やはり来場者がぐっと増えました。さらに、定着するようになりました。やはりこの1年間の活動の中では感染症拡大がありまして、音楽活動が制限され、各種いろいろな団体、演奏家自身も活動の自粛をしている状態にあります。演奏会などもほとんどなくなっていると思います。東日本大震災、今回の感染症の拡大を受けて中止した後に再開した際、やはり常連者のほかに県内の新規の来場者が増えて定着しており、毎月の増減などはありますけれども、来場者が絶えないというのは音楽が好きな方だとか、音楽を共感する場だとか、そういった場を求めている表れではないかなと考えました。
 あらえびすレコード定期コンサートというのは、記念館としては顕彰活動ではあるのですけれども、やはり来場者にとっては音楽を通した、あるいは音楽をきっかけにして、そういった共有する場だとか、交流する場というのだとか、あとは地域住民の心のよりどころになっているのかなと感じました。また、そういった面もありますので、この活動はずっと続けていきたいなと思っております。
 やはり音楽活動にかかわらず、文化活動というのは不要不急といいますか、不急であるというふうに言われてしまうこともあると思うのですけれども、不要ではないなと感じています。特に共有すること、あとは現場で共感することというのがとても大事ではないかと思います。通信技術の進歩によって、活動のオンライン化だとか、そういったものが増えて活動の多様性、新たな表現方法という面ではとてもよい動きだと思っています。
 しかし、音楽に関して申し上げると、やはり耳だけではなく、ホールの空気感だとか、湿度だとかを肌で感じて、音の響きだとか、そういったものをおなかの底で感じるということもあると思います。そういったものはオンラインではなかなか難しいものと思います。全身で音を浴びる感覚だとか、対面でしか感じられない、そういった演奏者との空間を大切にして、そういった文化活動のほうは止めてはならないなと思っております。
 再度申し上げますが、レコードコンサートというものは来場者を集めて演奏会を開くことになるのですけれども、こちらに関しては感染症の対策のほうは十分以上に考えながら開催はしておりますので、御理解、御承知のほうをお願いしたいと思います。
以上になります。

八重樫部長
 ありがとうございました。
 続きまして、吉田力さん、リッキーさんよろしくお願いします。

吉田力
 八幡平市から来ました吉田力と申します。なかなかこういう場所で話をするのはなれていないのですけれども、せっかく機会をいただいたので、2年間私は八幡平で協力隊として勤めておりまして、その経験から問題提起を少しさせていただけたらと思います。
 先ほど八幡平に来るまでハワイにいたと申し上げましたが、アメリカのネブラスカという、八幡平よりもうちょっと田舎なところですね、八幡平よりもうちょっと雪が降るかなというところで大学を終わりまして、その後就職をハワイでしまして、大学の在学中とハワイでライターのようなことをしていたのですけれども、そのときも日本語補習校という現地の駐在さんのお子さんに日本の国語、算数、理科、社会の4教科を土曜日だけの週1日で教会とかを使って教えてあげようと、そういった学校の先生をしていました。
 スパルタキャンプというのを先ほど出したのですけれども、八幡平市でプログラミングを1か月間、宿泊も講座も無料で教えてしまおうという企画があるのですけれども、もともと何でプログラミング、そんなのやったことなかったのですけれども、勉強しようとなったかといいますと、会社からエンジニアと話ができるようになってくれという指示があったのがもともとの理由ではあるのですけれども、ハワイ、ネブラスカですね、日本語補習校に通っている小学校、中学校がいるのですけれども、子供たちを見て、日本の中学の部活のようなものも小学校でも、アメリカでは割と盛んに行われていて、その中でロボテックスだったりとか、プログラミングの部活もあったりして、学校のふだんの教育の中でも取り入れられていて、簡単なゲームであったり、アプリだったり、小学5年生ぐらいでつくれるという子たちが結構いて、日本ではなかなかそういうのは珍しいかなと思いまして、もしプログラミングを覚えて、ちょうど八幡平市で地域おこし協力隊という制度があるということを知ったので、そこで八幡平の子供たち、岩手の子供たちに僕がプログラミングを教えることができるのではないかという発想があって、協力隊として着任しました。
 なので、主にITを中心とした教育面と、多少の国際経験がありますので、最適な経験といいますか、ちょっと偉そうになってしまうのですけれども、問題提起をさせていただきたいのですが、八幡平の小学校ですね、学校の先生向けに、これからIT教育、GIGAスクール構想だとかありますけれども、何をやったらいいか分からないとよく言われまして、先生方に向けてこんなことをやったらいいのではないですかという提案とか講習会などをさせていただいているのですけれども、私が八幡平の小学校でまず最初に驚いたのは、パソコン室があって、なかなか設備的に思っていた以上に素晴らしいなと思ったのですが、パソコンの中を見てみて最初に驚いたのが、皆さんがふだん使われているワード、エクセルが入っていなく、代わりに一太郎と花子という、これ僕が小学校のとき以来見ていないなと、年賀状でもつくるのだろうかと、そういう感想を持ちました。それはどういうことかといいますと、今子供たちに使わせているツールの使い方を覚えさせて、将来子供たちにどういういい影響を与えるのかという議論があまりなされていないのかなという、そういう感触を持ちまして、八幡平においてはプログラミングですとかITに関することを教えられる人材が少ないというのと、あと僕は会社から指示を受けてエンジニアと話ができるようになってくれと言われたのもあるのですけれども、エンジニアとかIT系の人たちというのは本当に言語能力が分かりやすく人に話すというのが苦手な人種が結構多くて、逆に言うと私なんかはプログラミングを始めて二、三年ですけれども、子供に何か教えるという意味では、国語、算数、理科、社会と教えてきましたので、そういう面では活躍できるのではないかと思っております。
 問題提起としましては、来年からタブレットを1人1台学校で配る予定で、八幡平で実施すると聞いているのですけれども、これが学校に保管しておくと聞いております。八幡平なんかですと、家に帰ってもネットは使えないという家庭があったりですとか、パソコン1台お父さんが使う用を置いてあると、子供が全くさわる機会がないという家庭も結構多くて、それが私がやっているプログラミング教室でも、プログラミングをさせたことで何ができるようになるかとか見えていない親御さんたちが本当に多くて、学校以外でもふだんの日常生活の中でIT機器とかプログラミングに日常的に触れられるという環境を、こと八幡平においてはご用意していただけないかなと思っております。
 また、国際的な経験というとちょっとあれなのですけれども、八幡平の安比地区にインターナショナルスクールが建設されています。スキーリゾートがありますので、外国からのお客さんもかなり使っていただいているのですけれども、私から見て外国人の方々、例えば中国人、東南アジアの方も、労働者の方々も私が住んでいる地域には多数いらっしゃるのですけれども、完全に住み分けがされてしまっていて、あの人は中国語をしゃべっているよ、私たちはかかわらないみたいな感覚の八幡平市民もいて、このまま設備的にインターナショナルスクールができても八幡平市にいい影響をもたらすかというとなかなか難しいところがありまして、その点私はアメリカの日本語補習校で働いていたときに日本からずっと補習校に通っている生徒もいれば、つい1か月前に日本から引っ越してきて、こっちに来た子供というのは一緒に教えるわけなのですけれども、本当にその子たちは週5日、月曜から金曜まで現地の各校に通って、週1日、日本語補習校に通うのですけれども、言語の違い、日本語しか話せない、みんな授業は英語だし、子供たちも誰もいないという状況で5日間過ごすのは本当につらくて、いじめではないのですけれども、日本語補習校があってもそこに来るために1週間生きてきたみたいな、そういうことを言う子もいるのです。その子供たちというのも本当に大人が勉強するのの10倍くらいのスピードで英語が話せるようになるのですけれども、英語を話せるようになったからといって溶け込めるわけではない、先生どうしようと相談しても出口がない。安比にインターナショナルスクールができて、例えば周りの小学校も英語教育とかすごく力は入れているのですけれども、英語ができるだけではそういう外国の方々とうまくやっていくというのは本当に難しいことですので、一回留学してみるとか、小学校で外国人のお客さんとかと交流する機会を持つという企画をこれから八幡平市内でもしていこうかなと思っているところなので、そういったことを考えてふだん業務に当たっております。
 任期はあと1年あるのですけれども、プログラミング教室のアクセルキャンプというのを去年の9月に正式に事業継承しまして、IT系の事業継承というのはなかなか珍しいかなと思っているのですけれども、ITを軸に卒業後も八幡平でやっていこうかなと思っておりますので、ぜひともよろしくお願いいたします。

八重樫部長
 ありがとうございました。
 それでは、知事からコメントをお願いいたします。

達増知事
 作山さんはあらえびす記念館のレコードコンサートのお話でSPレコード、大体クラシック音楽なわけですよね。戦前日本のクラシック音楽の受容というのは大事なことだと思います。ベートーベンはフランス革命とかナポレオンの時代ですから、近代化、民主主義の世の中ができようとしているけれども、まだできていなかったりとか、そういう時代につくられた音楽というのは、日本も江戸時代の封建社会ならではの人と人との情愛とか、そういうのが銭形平次の中でも描かれているわけですけれども、ちょうどそういう封建的な秩序も残っているところに自由だ、革命だとかという話も出てきたときにクラシック音楽というのは発展していて、またドイツ、フランス、オーストリアばかりではなくポーランドとか、ハンガリーとか、チェコ、スロバキアとか、少数民族的な人たちの音楽をどんどん取り入れようということになって、岩手においてそういうクラシック音楽が実際できて成長する、それを戦前の日本が受け入れたという、そういう歴史も含めて聴くことができるというのは非常に意義があることだと思います。
 音楽は、もともとは演奏するのをじかで見るのがいいというところがあるのだけれども、その次はレコードとか音源を直接聴くのがいいとか、人が集まって聴くのが原点なので、新型コロナウイルス流行下では大変だと思いますけれども、感染対策などしっかりやってぜひうまく成功させてほしいと思います。場所の制限とかはあるのですが、時間を越えるところが音楽のすごいところだと思うので、ぜひ紫波町からはるか時間を越えて音楽のつながりを広げてほしいなと思います。
 そして、吉田さんはリッキーと呼ばれているのですか。リッキーさんは八幡平市に来てくれてありがとうございます。私からも御礼申し上げたいと思います。ハッカソンとかやっている実績のある八幡平市ですから、ITへのこだわりがありますし、またハロウスクールがもうすぐできるということで、国際的な広がりもできますし、コンピューターというのはもともと英語を話すというか、プログラミングというのはもともと英語の文法からできていて、コンピューター用語は英語が多かったりもしますし、ITリテラシー向上に取り組むというのは、外国の人たちとつき合っていくのに役立つ発想とか、論理的な考え方とか行動様式とかにもつながることではないかなと期待します。
 先生たちも戸惑っているという話がありましたけれども、昔からあったという教育科目ではないですから、明治時代にはなかったような科目でありますから大変なのだと思うのですけれども、ただいろんなところでいろんな人がやっていることですから、アメリカの小学生がゲームをつくるという話がありましたけれども、世界中で子供たちもプログラミングでいろんなことをしているので、そういうのを参考にしていけば何をやっていいか分からないというか、逆に時間が幾らあっても足りないみたいなところが本当はあるのだと思います。ぜひうまくやってほしいと思います。

八重樫部長
 ありがとうございました。
 それでは、続きまして遠藤さんよろしくお願いいたします。

遠藤忠寿
 私は八幡平市の商工会青年部で活動させていただきまして、今まで約8年目になります。活動してきた中で、他の地域の方々と友達と言えるような関係性を構築できたのではないかなと思っています、紫波、矢巾、葛巻、滝沢、岩手町、県央地区のどこでもみんな友達と言える仲間ができたのがよかったなと思っています。
 そういった中で、八幡平市の大更駅前の再開発事業がちょうどスタートしたところになりまして、再開発事業に伴って駅前の空洞化対策と、あと大更駅前の持つポテンシャルを市外で商売されている若手事業者さんにPRすることを目的に「フーガの休日」大更まちなかマルシェというものを開催させていただきました。今日お越しの南舘さんも実は参加していただいたのですが、現在、大更駅前に新たな出店者はまだないのですが、会社で取得していた大更駅前の土地がありまして、そこにコワーキングスペースとなるような、シェアオフィスになるような施設を現在建設中です。そこは、今後多分リッキーが入って商売してくれるのではないのかなと、教室にしてくれるのではないかなと思って今事業を進めておりますが、今日のテーマだった「みんなで楽しくまちづくり」であったと思うのですけれども、結局人づくりにつながってくるのだなというのが正直まちなかマルシェを開催して思ったというか、気づかされたことです。商工会青年部の仲間でやったのですが、みんな各々の自分の商売であったり、あと家族だったり、家庭があったもので、時間が取りづらくてなかなかまとめることが大変だったなというのがあったので、今日参加されている南條さんとか、こういった若手の方をいかにまとめるのかが今後の自分たちの課題なのではないかなと思って、現在活動しています。
 そういう中で、地元の平舘高校さんとは就職相談会とか、そういった形で青年部と連携させてもらったり、商工会青年部で開催する予定だったのですが、コロナ禍で中止になったのですが、担い手育成事業という、小学校とか中学生をターゲットとした市内の事業者さんのお仕事体験に平舘高校の生徒さんもお手伝いいただきたかったのですが、かなわなかったので、コロナが落ち着いたら、また平舘高校の生徒さんとは交流させていただきたいなと思っていました。
 もうちょっと言うと、ちょっと今日の話と違うかもしれませんが、平舘高校さんに地元に就職する方を増やしていただきたいなというのが正直なところで、地元に必要な人材を地元の高校で対応してもらうということですね、さっきリッキーからあった英語が必要な人は増えてくるであろうというならば平舘高校で英語に特化したクラスがあってもいいのかなと。それに伴って、八幡平市は観光を主とするまちになるので、英語ができるガイドさん、山岳ガイドがいたらいいなとか、そういった形でなってくれないかなというのが要望というか、お願いになります。
まとまった話にはなりませんでしたが、以上です。ありがとうございました。

八重樫部長
 ありがとうございました。
 それでは、知事からコメントをお願いいたします。

達増知事
 商工会青年部の活動、これはここ10年で非常に活発になってきているし、いろんな新機軸を頑張っている商工会青年部がやってくれていて、非常にいいなと思います。
 そして、今日ずっとお話しを伺って、最後に遠藤さんのお話も聞いて、盛岡広域において盛岡市以外の市町におけるまちづくりが非常に進んできて成果を上げてきていて、また面白いなと思います。結構全国的に人を引きつけられるような企画が行われていたりとか、あと今までその地域で行われていなかったようなことが行われているとか、全国的に人に来てもらうというのもいいのですけれども、南舘さんが大更のほうにも行っているということで、エリア内で市町の境界を越えて日常的に行き来するという、それができるという、ちゃんと生かすというのも大事だなと改めて思いました。
 大更というのは、昔から交通の要衝で、四通八達、四方八方いろんなところにつながる場所なので、ぜひそれを生かしたまちづくりを大いに期待したいと思います。

八重樫部長
 ありがとうございました。
 皆様から一通り今日のテーマである「みんなで楽しくまちづくり」に沿った話をお伺いしたところです。先ほどそれぞれ言い足りなかったところ、あるいは懇談全体を通してほかの方の発言を聞いての感想、あるいは懇談テーマにかかわらない御意見でも何でも結構ですので、ここからは自由に御発言をいただきたいと思いますが、皆様いかがでしょうか。
 リッキーさんお願いします。

吉田力
 今、忠寿さんから話があった八幡平同士の内輪の話なんですけれども、平舘高校で地元に就職してほしいというのがあったと思うのですけれども、平舘高校さんともいろいろ企画させていただいているところなのですけれども、岩手全体としてまとめていいのかちょっと難しいのですけれども、今後の高校生が盛岡とか、東京とかに行ってしまう、若者が人口流出してしまうということの原因を考えたときに、高校生視点で見てみると、ちょっと語弊があるのですけれども、八幡平市内で自分が思う格好いい仕事というか、今の若者だとユーチューバーになりたいとかという子もいると思うのですけれども、八幡平市内で自分が格好いい、若者視点から見て格好いい仕事をしているという人たちは探せばいるのですけれども、そういう人たちを見て、ああいう感じの仕事もあるのだよということを紹介してあげるという体制があまりないかなと思っていまして、学校の先生からこういうユーチューバーで、いたとしてですけれども、こういう動画撮影をやっている人がいますよ、ITのプログラマー、エンジニアをやっている人がいますよと、そういう人材の紹介をするというか、そういう生き方もあるのだよというのを伝えてあげる機会が少ないのではないかと思っておりまして、私の活動の一環として、デザイナーさんを実際にお呼びして、実際に高校3年間でデザインするだけではなくて、地元の企業の案件を取って、実際にこなすみたいなことをするという企画を今考えているところであるのですけれども、今までとは違う働き方、これからの時代に合った働き方を紹介できるという体制の場というのがこれから重要になってくるかなと思っております。
 以上です。

八重樫部長
 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。それでは、南舘さんにお伺いをしたいのですけれども、まちづくりを進めていく上で、ほかの例えば女性の方々にどのように働きかけてまちづくりの活動に巻き込んでいくかといったようなところをちょっと教えていただければというふうに思います。

南舘則江
 現状を申しますと、実際の、エリアイノベーションのプレーヤーと呼ばれる人間は、私たちの後には出てきていないのが現状でして、そこがちょっとつらいなというふうに2人でつぶやいてはいるのですけれども、今度、「わたしたちの月3万円ビジネス」という講座を来年度から当社で請け負うことになりまして、近隣市町村に声をかけて、小さな月3万円だけを稼ぐというなりわいづくりの講座なのです。何かをやりたいという女性は必ずいて、もちろん男性でもそうなのですけれども、女性目線でいくと家があってとか、自分の身の丈に合ったとかという物すごく仕事という大きく見えてしまうようなビジョンではなくて、もっと自分の内側から出てきたやりたいことを形にして、それを小さなビジネスにするという部分の働きかけをしていく事業になります。私たちがもともとそうだったのですけれども、私はもともとは専業主婦をしていて、そのうちに手仕事でワークショップでイベントに出品をして、小さくお金をいただく経験をしていき、そこから子育てサークルを立ち上げ、少し大きくしていき、さらにクラフト市を立ち上げて、もっと大きくしていきという段階を踏んでいっているのです。そのときにやりたいことが必ずお腹の中にあって、それを少しずつ形にしていった経験から、今の会社の設立につながっていって、初めから会社を立ち上げるぞと言って借金をして投資をしたわけではないのです。女性を巻き込むときには必ずやりたいことを否定しないで、それを形にするためにはどうすればいいのかをみんなでアイデアを出し合って、みんなで応援し合って、仲間をつくってやっていくというのはすごく女性に合っていて、取りあえず今私たちがやっていることは、まちなかにコミュニティーカフェを設けてやっているのですけれども、そこに見に来る女性が私も何かやりたいわとつぶやいて、それに対して何をしていきたいのと少しずつ、少しずつ心を解いてもらいながらお話を聞いていくうちに、それならこうやればいいんじゃない、ああやればいいんじゃないというみんなでアイデアを出し合える場をつくっているのは当社の良さ、長所であるかなと思っています。そういう意味では、今3人、4人くらい次に進みたいという仲間が少しずつ出てきているので、それを来年度以降頑張って形にしてサポートしていければいいなと、そこでまたお金が生まれてくるといいなと、すみません、お金、お金と言っていますけれども、資源を回していければいいなと思っております。
以上です。

八重樫部長
 ありがとうございました。地域の資源を回していって、お金を回すという、まさに里山資本主義という言葉があるのですけれども、金融資本主義ではない里山資本主義ということで、葛巻は日本のオーストリアというふうに言われているぐらいエネルギーをはじめ様々な資源がいっぱいありますから、ぜひ今お話ししていただいたような形で仲間を増やしていっていただければいいのかなというふうに思います。
 今ビジネスの話というのが出たので、ぜひ遠藤さんいかがですか、今の南舘さんのお話。

遠藤忠寿
 私の会社は、なりわいは建設業になりまして、こういったまちづくりに最初に来るのかなと思ったんですけど、波及効果が実は最後に来るもので、なかなかそれにたどり着くまではすごく時間がかかるなと思いながら、さっきの南舘さんのお話をそうだなと思いながら、女性の方は否定してはいけないだなと思いながら、今日帰ったら妻の要望は聞いてあげないとと思いました。
 ちょっと話がずれるかもしれないですけれども、今八幡平市の青年部で取り組んでいるところがもう一つありまして、市内で住み、暮らすことの素晴らしさを学生に伝えようというような活動をしております。通勤時間をわざわざ1時間かけて盛岡に通って、また1時間かけて、また帰ってくる。この2時間もったいないのかなと。八幡平市というのは、実は結構稼げる会社は実はあるのだよというのを気づかせてあげたいなということです。あとはどうしても県外に出ていく若い子たちいるかと思うのですけれども、そういった子たちは絶対帰ってきたいと思うようなまちづくりもできたらいいのかなと思っていました。まちを一回出ていくことはしようがないとして、いずれ帰ってくるような、最近よく言うシビックプライドとか、郷土愛とか、ちょっと私は分からないのですけれども、そういったことの醸成というか、思いを小さい子たちとか若い人たちにもっと伝えていけたらいいのかなと思っています。どうしても人口が減っていく中で、その中でまた人が流出していくとなるとどうしても絶対数の人が減ってしまうので、外から人を呼ぶこともいいのですが、今いる人たちを外に出さないような政策とか、そういった気づきというか、何かできないかなと今考えて活動しています。

八重樫部長
 ありがとうございました。
 南條さんは移住をしていただいて、今紫波町にいるのですけれども、移住してみて紫波町なり魅力なり、改めて気づいたことだったり、そういったところをちょっとお話ししていただけると。

南條亜依
 紫波町に住んでみて感じたことは、すごく都会だなと感じまして、地元が本当に田舎で、小学校も同級生14人しかいないところで育ったし、もう廃校していて、あまり故郷の意味ないなと思っていたので、紫波に来て、みんなで町を変えていこうという仲間たちの熱意に圧倒されたので、すごく充実した日々を送っているのと、ウインタースポーツをするので、紫波町は下の夏油にも行きやすいですし、上の八幡平、雫石もすごく行きやすいので、すごく住みやすいなというふうに思っております。

八重樫部長
 ありがとうございました。
 作山さんは、紫波町出身でありますけれども、今のお話なんかも踏まえて紫波町のまちづくりであったり、地域づくり、文化を地域づくりに生かしていただいているのですけれども、その辺お話しいただけるとありがたいです。

作山春香
 私の学生時代ですと紫波町を出ておりまして、その後また紫波に戻ってきて、今の職についています。それまでは外に出てしまうと紫波町というのは田舎だななんて思うこともあったのですけれども、一度戻ってこの職についてから、紫波町のよさを振り返ることも個人としてはできたなと思っています。
 当館の野村胡堂・あらえびす記念館ですけれども、ちょっと山際のほうに位置しています。来館してくださる方には道が分からないとか、ちょっと行きにくい場所にあるだとか、もう少し紫波町の中央のほうにあればよかったのになんていうことも言われることもあるのですけれども、紫波町の彦部という地域にこの博物館が建つということがとても意味のあることでありまして、記念館に来場してくださった方が展示物を見てよかったというふうにおっしゃってくださる方もおりまして、そういう方の幸福度といいますか、そういったのを数字として見ることがなかなか難しいなと思っています。
 当館に限らず盛岡地域の人物記念館さんとの関わりがとても多いのですけれども、盛岡市先人記念館だとか、あとは石川啄木記念館さん、原敬記念館さん、そういった方との関わりもあるのですけれども、各記念館はやはりその土地にあることに意味があると思いますし、各館の学芸員が知恵を絞って、アイデアを絞って流れていく時代の中でどういった視点で先人たちを顕彰していくかというのをすごく考えて展示など事業を進めております。
 どうしても地域の方にこういった一生懸命頑張ってはいるものの成果といいますか、なかなか目に見えてこない文化活動になっていますので、そういうところをどのように示していったらいいか考えているところであります。
 博物館に限らず文化活動の目に見えないものへの価値というものを考えていただけるように頑張りたいと思っておりますし、そういったところに目を向けていただければいいなと思っております。

八重樫部長
 ありがとうございました。
 最初の盛岡広域振興局管内のそれぞれの市町村の連携だったり、そういった話も出ているのですが、泉局長から何かございますでしょうか。

泉局長
 皆さん、いろいろ貴重な御意見ありがとうございました。お会いした方もいらっしゃいますし、それからオフィスといいますか、お仕事場の前を通過させていただいたところもございますし、いろいろ皆さんの活動は私もよく存じておりますが、改めまして若い人たちのやる気といいますか、向かう先というのが盛岡管内の他の市町村を引っ張っていただけるような感じがいたしますので、今後も、先ほど遠藤さんがおっしゃったように連携を深めていただいて、我々もお手伝いできることはお手伝いさせていただきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

八重樫部長
ありがとうございました。

知事所感

八重樫部長
 それでは、最後に知事から御感想などをお願いしたいと思います。

達増知事
 吉田さんから八幡平市内で格好いい仕事という、平舘高校の高校生に結構あるのを示していきたいということで、今日お集まりの皆さんがやっているのはそれぞれ格好いい仕事と言えると思いますし、今日本全体、むしろ地方のほうがそういう格好いい仕事ができる時代になっているのだと思います。1980年代とか90年代とかのバブル前後の東京で高いマンションに住んで、とにかく値段の高いものを消費する生活がいいのだ、格好いいという時代がひところあったのですけれども、今はそういうのはむしろ格好悪いというふうになっていて、自然とか、歴史とか、そういうものの中に住んで、先端的なことをやるとか、また自然に帰るとか歴史を大事にするみたいなことこそ先端的だみたいな、そういうことがだんだん広まってきていると思います。
 ただ、地域振興評論家、藻谷浩介さん、政策投資銀行の社員だった藻谷浩介さんが指摘しているのですけれども、格好いい仕事は実は地方に幾らでもあるけれども、それだけで食べていくのが難しいというところが問題の本質だと指摘していて、私もそうだと思います。東京だと大きい会社がやっているそういう格好いい仕事の一部を担うということは、大きい会社に入りさえすればまず食べていくことができながら、格好いい仕事の一部に関わっていくことができるわけですけれども、地方だと格好いい仕事もかなり主体的に少人数ですから、ばりばりやれるけれども、ただそれだけで食べていくのが難しいということがありますので、ただ地方だといろんなほかの仕事、会社、役所、団体に勤めながら別の仕事をやるとか副業的なやり方、それは農林水産業と一緒にやるのでもいいのですけれども、副業的なやり方で格好いい仕事をやっていくということが地方だってできると思いますし、あとはそういう格好いい仕事でちゃんと食べていけるような仕組みをつくっていく、そういう経済が回るようなエコシステムをつくるということ、行政としてはその辺を実現していくように狙っていきたいと思います。志ある若い人たち、そしてこれからそういうところに参入しようとする今の高校生たちが、あと大学生もですけれども、できるだけ岩手県内で暮らして働いていけるように県としても頑張っていきたいと思います。
 今日はどうもありがとうございました。

八重樫部長
 皆様、本日は貴重なお話をいただき、ありがとうございました。

閉会

八重樫部長
 以上をもちまして、県政懇談会「いわて幸せ作戦会議in盛岡」を終了させていただきます。ありがとうございました。

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