「いわて幸せ作戦会議(WEB版)」(令和2年7月16日)

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ページ番号1032794  更新日 令和2年8月21日

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日時
令和2年7月16日(木曜日)10時から11時まで

場所
ウェブ会議(県庁及び久慈・宮古・釜石・大船渡地区の各合同庁舎)

出席者

  • 参加者(敬称略)
    河東 英宜(株式会社かまいしDMC 取締役事業部長)
    桒久保 博夫(一般社団法人陸前高田市観光物産協会 事務局長)
    大畑 義幸(一般社団法人久慈青年会議所 直前理事長)
    中村 一郎(三陸鉄道株式会社 代表取締役社長)
  • 県側
    知事、政策企画部長

開会

八重樫部長
 ただいまからウェブによる県政懇談会を開催いたします。
 皆様には御多忙のところ、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 本日は、新型コロナウイルス感染拡大による現在の危機を地域一丸となって乗り越えようという意味を込めて、「リスタート:地域の再出発に向けて」を懇談テーマとし、沿岸の各地区で地域振興、産業振興やまちづくりに携わっておられる方々にお集まりいただいております。
 私は、本日の進行役を務めさせていただきます県の政策企画部長の八重樫と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

知事あいさつ

写真:懇談会の様子1

八重樫部長
 それでは、開会に当たりまして達増知事から挨拶を申し上げます。

達増知事
 皆さんこんにちは。お忙しいところ、この県政(WEB)懇談会「いわて幸せ作戦会議」に御参加いただきまして、ありがとうございます。
 県政懇談会は、県内各地域、また各分野で活躍する皆さん、また様々な困難に直面する皆さんに直接知事がお話を伺って、県政の推進の参考にしていくという趣旨でやっておりますが、今年度はいわて県民計画の基本目標、「東日本大震災津波の経験に基づき、引き続き復興に取組みながら、お互いに幸福を守り育てる希望郷いわて」にちなんで、「いわて幸せ作戦会議」という題でやっております。
 今世界全体、そして日本全国、新型コロナウイルス感染症が広がり、岩手も様々この影響を受けているところです。生活、仕事、学びの現場、またそれぞれの地域、感染対策をきちんとやりながら様々な活動をやっていくということで、社会活動も経済活動もやれないことがあったり、また緊急事態宣言中には様々活動を停止したりもしていまして、影響が出ているわけでありますけれども、一方で新型コロナウイルス対策をきちっと進めていくことは、地域で、あるいはそれぞれの分野で、何を守らなければならないのか、また何をしたいのか、しなければならないのか、そういうことを見つめ直して、またそのための手段であります地域資源、どのような地域資源を我々は持っているのかということを改めて見つめ直して、それを安全、安心な形で組み合わせて、やりたいことはやる、やるべきことはやるというふうに持っていく、地域振興、復興、またいわゆる地方創生にもつながるチャンスを切り開く局面でもあると思いますので、ぜひ皆さんのお話を伺って、県政の参考にしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

八重樫部長
 本日の懇談会の進め方についてですが、まずお一人ずつ自己紹介をお願いいたします。その際、皆様のお手元に4つの地域のお菓子を用意しておりますが、事前に皆様からのお勧めのお菓子をお聞きしていたものです。自己紹介と併せてお菓子の紹介もお願いいたします。
 その後、本日のテーマに沿ってお話をいただきますが、お一人のお話があった後に知事がコメントするという形で区切りながら進めていきたいと思います。
 そして、最後に自由懇談の時間も設けたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日御出席の皆様を御紹介いたします。
 株式会社かまいしDMC取締役事業部長、河東英宜さんです。

河東 英宜
 よろしくお願いします。

八重樫部長
 一般社団法人陸前高田市観光物産協会事務局長、桒久保博夫さんです。

桒久保 博夫
 よろしくお願いいたします。

八重樫部長
 
一般社団法人久慈青年会議所直前理事長、大畑義幸さんです。

大畑 義幸
 よろしくお願いします。

八重樫部長
 三陸鉄道株式会社代表取締役社長、中村一郎さんです。
 
中村 一郎
 よろしくお願いします。

八重樫部長
 県からは達増拓也知事でございます。

達増知事
 よろしくお願いします。

懇談

写真:懇談会の様子2

<テーマ>
「リスタート:地域の再出発に向けて」

八重樫部長
 それでは、懇談に入らせていただきます。
 最初に、お一人2分程度で自己紹介をお願いいたします。
 それでは、河東さん、お願いいたします。

河東 英宜
 釜石の河東です。よろしくお願いします。
 お菓子ですけれども、「ラグビーパイ」、釜石は「鉄と魚とラグビーのまち」というキャッチフレーズでやっておりまして、去年のワールドカップ前に、何かラグビーを記念するようなお菓子ということで市の施策で行っておりまして、その際に作られたパイです。本当はもう少しラグビーボールっぽくできているといいのですけれども、端っこのほうがラグビーボール型になると焦げてうまくいかないそうで、大分丸い感じになっておりますけれども、ラグビーワールドカップ期間中、非常にこのお菓子は売れたということでした。いろんなところから引く手あまただったのですけれども、ラグビーワールドカップが終わってからあまりいろんなところに置いてもらえなくなって、また方向性、別なものを考えていかなければいけないような状況でもあります。
 かまいしDMCなのですけれども、DMC、デスティネーションとマネジメント、そしてカンパニーと。DMOというものは、いろんなところで、単独であったりとか、地域連携等でつくっていくというのが国の方針かと思いますが、その中でかまいしDMCは2年前に設立された会社でございます。観光まちづくり会社でして、プラス釜石は観光だけでやっていくにはホテルのベッド数であるとか、規模があまりにも小さ過ぎるということで、観光以外にも地域商社事業ということで、例えばふるさと納税の開発事業であるとか、またはそういったところに出していく品物自体を開発していくであるとか、そんなことを行っているような会社です。どうぞよろしくお願いします。

八重樫部長
 ありがとうございました。
 続いて、桒久保さん、お願いいたします。

桒久保 博夫
 おはようございます。陸前高田市観光物産協会の桒久保と申します。
 では、まず私のお菓子の紹介のほうからさせていただきます。お手元、「松サブレ」という陸前高田のお菓子です。モチーフになっているのは、奇跡の一本松で、中は松ぼっくりの形をしております。サブレという名称なので、鳩サブレみたいにちょっと硬いのかなという印象があるのですけれども、どちらかというともなかに近いような外装になっていて、中はウエハースみたいな食感になっております。クリームの中に練り込んであるのは、ピーカンナッツという陸前高田のほうで新たな名産品として生産を開始する、アリゾナの奇跡と言われている栄養価の高いナッツをこういうようなお菓子の形に加工したものになっております。1個100円を切るお求めやすい値段となっていますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 私の自己紹介をさせていただきます。私、桒久保と申しまして、年齢は42歳です。陸前高田市観光物産協会に昨年度から在任いたしまして、現在事務局長職を務めさせていただいております。
 観光物産協会なのですけれども、従来の窓口でのお客様への観光案内であったりとか、観光誘客、PRという活動はもちろんなのですけれども、私が入ってからというところでいきますと、情報発信の部分、ウェブサイト、ポータルサイトやSNSを活用した観光PR、情報発信に加えまして、今年度から新たにユーチューブのチャンネルを開設いたしまして、陸前高田の魅力の発信に努めております。
 そして、陸前高田市観光物産協会は、今年度より新たに、これまでの任意団体から一般社団法人という法人の形態に組織を改編いたしました。今後地域の持続性を高める上で、これまで任意団体だとなかなかできてこなかったような活動、事業にも改めて新たに取り組んでいきたいなと考えております。
 では、簡単ではありますけれども、私の自己紹介とさせていただきます。ありがとうございます。

八重樫部長
 ありがとうございました。
 それでは、大畑さん、お願いします。

大畑 義幸
 皆さん、こんにちは。一般社団法人久慈青年会議所直前理事長の大畑義幸と申します。本来であれば、障子上文義理事長が出席のところでございましたが、本職の公務のため出席が適わず、私が代理とさせていただきますので、どうか御了承いただければと思います。
 さて、久慈青年会議所は創立から53年目を迎えます。本年は「「つつみ込むように」誰もが夢を描ける地域を創造しよう」をスローガンに掲げまして、新型コロナウイルスの影響を多大に受けながらも、地域を牽引する能動的人材の育成を使命として、地域をよりよくできるよう、日々活動を続けております。
 私、入会して10年目となるのですけれども、昨年理事長をさせていただきました。青年会議所での長いキャリアの中で、多くの方々との出会いがありましたけれども、その中でも昨年、親会の日本青年会議所岩手ブロック協議会と岩手県とのSDGsに関する協定書の調印式におきまして、達増知事にお目にかかることができましたことが私にとって本当に記憶に新しいものでございます。達増知事、今日はどうぞよろしくお願いいたします。あの時は緊張していろいろ話せなかったのですけれども、今日は短い時間ですが、ぜひ何か言えればなと思いますので、よろしくお願いいたします。
 そこで、お菓子の紹介でございますけれども、全国でも屈指の生産量を誇ります野田村の名産の山ブドウを使用しました「山ぶどうかりんとう」でございます。北三陸特有のやませなどによる寒冷な気候が、高い糖度の甘みをもった山ぶどうを育てまして、それを使った他にはないかりんとうです。ぜひ御賞味いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
 私からは以上です。

八重樫部長
 ありがとうございました。
 それでは、中村さん、お願いいたします。

中村 一郎
 おはようございます。三陸鉄道の中村でございます。三陸鉄道は、昭和59年からスタートいたしまして、今年で37年目を迎えますけれども、昨年の3月、宮古―釜石間、JRのほうから移管を受けて、新たにリアス線としてスタートさせていただきました。秋までは非常に多くの皆さんに御利用いただいていたところ、昨年10月の台風19号で大きな被害を受けてしまいましたけれども、本当に全国の皆さんの御支援をいただいて、今年の3月、全線で運行再開を果たすことができました。本当にありがとうございました。
 ただ、それ以降コロナの関係もあって、非常に今苦戦をしているというところですけれども、何とかこれもまた多くの皆さんの御協力をいただきながら、しっかりとやっていければというふうに考えております。
 お菓子のほうですが、本日は「クロジカせんべい」というものを御用意させていただきました。こちらの商品は、以前三陸鉄道で「赤字せんべい」というものも扱っておりましたけれども、少しネーミングも前向きな商品が必要ではないかということで、会社の黒字化というものと黒い鹿をかけて、この「クロジカせんべい」というものを作って、今販売をさせていただいております。今回お持ちしたのは塩味ですけれども、これは地元宮古の塩を使っておりますし、あとは三陸産のイサダとかワカメも入ってございます。非常に多くの皆さんに御利用いただいておりますし、別途、醤油味もありますので、そちらもまた機会があれば御賞味いただければというふうに思います。
 以上です。

八重樫部長
 皆さんありがとうございました。
 ここからは、本日のテーマ「リスタート:地域の再出発に向けて」に沿って、新型コロナウイルス感染拡大による現在の活動状況、気づきや課題、今後の抱負、県への期待なども含めてお話をいただきます。
 それでは初めに河東さんから、お一人5分程度でお願いしたいと思います。お一人ずつお話をいただいた後、知事からコメントしていただくという形で進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。
 初めに、河東さん、よろしくお願いします。

河東 英宜
 よろしくお願いします。
 釜石ではというか、私どもでは、今日のテーマ、リスタートということなのですけれども、「レジリエンス&トライ」ということをキャッチフレーズに、レジリエンス、再生力ですね、再生力ということをキャッチフレーズに私ども今活動をしております。
 どういったところかといいますと、去年は3,600人ほど私ども企業研修であるとか、修学旅行等を受け入れて、御案内をしたのですけれども、これが今年やはり3月末、4月以降全てキャンセルというような状況になってきて、では今後どうしていこうかという中で、1回立ち止まれるチャンスというのが今回、先ほど知事、チャンスというふうにおっしゃっていましたけれども、まさにそういうふうに思っておりまして、普通にやっていくとやっぱり受入れで日々忙しくて、あまり立ち止まって次のことを考えられていなかったという部分を反省しつつ、ちょっと時間ができたものですから、もう一回本当に何をすべきかというのを考え直したという時期でもありました。
 その中で、やはり釜石は、観光用のホテルというのがそんなになくて、シングルユースの企業の出張用のホテルというのがやっぱり多いわけなのです。そこを、その資源をどう生かしていくかというときに、やっぱり企業研修というのも1つそうなのかなというふうに思っておりまして、この企業研修を、再生力と釜石のこれまでの歴史を振り返りつつ、また復興の過程の中で活躍してきた人たちの話を聞いたりであるとか、それによって企業の人たち、これからのマネジメントをする人たちが自分たちにない行動パターンであるとか、そういったものを獲得できる、こういったのが去年やっていく中で非常に好評だったものですから、そこをより伸ばしていくということで、そういった企業研修に今、力を入れてつくっているところです。夏以降、東京の大手企業等、とりあえずパイロットプラン等に来てもらえればなというような感じで進めている次第です。
 また、シングルユースの部分で言えば、こういう企業研修以外にもリモートワークに使えたりであるとか、あるいは最近言われているワーケーションというものですね、旅行的なものとか、旅するように働くというのでしょうか、もうちょっとゆとりを持って仕事をしようとかという流れの中で、これもまた使いやすいかなというふうにも思っていまして、そういったところに今後力を入れていくのがいいのかなというような、試行錯誤段階ですけれども、そこを今行っているというような状況です。
 また、再生という部分では、釜石ですと根浜海岸の再生というところ、県のほうに大いにそこのところでお力をいただいている次第なのですけれども、海開きに先立ちまして、例えば来年海開きになれればいいなと思っているのですが、今年は例えばシーカヤック等で釣りをしてみるであるとか、ただのシーカヤックではなくて、そこに穏やかなリアス海岸の湾、開かれた海というところで、シーカヤックをやってもそんなに危なくない感じですので、そこで釣りをしてみるであるとか、サップで、サップというのはサーフィンボードのようなものに立って、こいでいくものなのですけれども、それで地元の漁師さんの定置網漁、小さい定置網漁ですね、そこに行って魚をもらってきて、根浜海岸のキャンプ場でバーベキューをするであるとか、そんなプランなんかを今つくって、この23日から実施をしていこうというような段階になっております。今まで海は使われていなかったのですけれども、キャンプ場を利用して、またそこも再生していこうかなと、リスタートしていこうかなというような状況になっております。
 また、最後の1つなのですが、これまで釜石、ばらばらにコースというのですか、体験プログラムがあったのですが、これら26コースを1つにまとめまして、シーズン的なものもありますので、ウニむき体験なんかはその時期しかできませんけれども、その26コースが通年でできるような形で今商品化いたしましたので、そういったものを今後通年販売していくと一層旅行会社に下ろしやすくなりますので、そういったことも実施していくと、こういうような状況でございます。
 ちょうど5分になりましたので、こちらで終了いたします。ありがとうございます。

八重樫部長
 ありがとうございました。それでは、知事からコメントをお願いいたします。

達増知事
 個室を確保しやすいホテルがあるということで、リモートとか、ディスタンスとかには向いているというのは有利な点なのだと思います。
 また、企業研修というのはやはり大事な分野で、去年三陸防災復興プロジェクトというのをやり、東日本大震災からの復興のさらにその先の地域のビジョンとして、やはり防災、復興ということをずっと対外的にもアピールしていくことが大事だということを共有できたと思いますので、そういう意味でも震災や復興を学べる企業研修というのは非常にいい分野だと思います。
 海のほうも、感染対策しやすいような海の活動、もともと外で風通しがいいところというのは感染リスクが低いですから、うまくやればそこも有利性になるのだと思います。26コースをまとめたということも、利用する側は利用しやすいですので、ぜひその調子でやっていただきたいと思いますし、県もそういうのを応援していきたいと思います。ありがとうございます。

河東 英宜
 どうもありがとうございます。

八重樫部長
 次に、桒久保さん、お願いいたします。

桒久保 博夫
 桒久保です。よろしくお願いいたします。先ほどの自己紹介の際に言いそびれてしまったのですけれども、私は生まれも育ちも東京都小金井市という全然別の場所で、33歳まで東京に住んでおりました。東京からこちらに来たきっかけというのは、震災の際の災害ボランティアになりまして、お手元の資料に載っている写真の33歳の頃まで東京に住んでおりました。
 そこからの約8年間、最初はボランティアからだったのですけれども、本当に様々携わらせていただいて、地域に受け入れていただけたというのがまず一つ大きかったのですけれども、そこからフェーズ、フェーズでいろんな仕事をさせていただいて、今現在観光物産協会という市の外郭団体に身を置かせていただいているといったところでした。
 現状でお話をいたしますと、陸前高田という土地は、皆さん御存知のように津波の被害が甚大で、またその被害面積というのも非常に大きく、復興という部分ですごく時間がかかっていた地域だったと思います。私もこの8年間地域に寄り添っていてなのですけれども、新しい施設、昨年オープンいたしました新しい道の駅高田松原であったりとかTSUNAMIメモリアルを含みます津波復興祈念公園であったりとか。今年、本来であればちょっと大々的にオープンをする予定であった市民文化会館だったりとか。高田松原運動公園であったりとか、あと今年度には津波復興祈念公園の全面的なオープンであったり、今年度以降、広田の野外活動センターであったりとか、高田松原海水浴場、その後にはモビリアのキャンプ場であったり、非常に大きな観光施設がオープンをしていく予定だったのですけれども、まずそこの部分で非常に多くの方に携わっていただき、地元の方の努力もあって、再開にこぎ着けている施設とかもあったのですけれども、復興の文脈だけではなくて、新たに新型コロナウイルスといった脅威で、感染症対策という当初の想定にはない、計画にはないような部分への対応を、オープン間際や、オープン直後というところで急遽対応しているというところがあって、非常に事業者の方、皆さん苦慮されているなという印象を受けております。
 まず、緊急事態宣言以降、様々な制限が解除されて、営業を再開しているというところではあるのですけれども、十分な感染症対策を取った上で、売上げを上げるというところまでは皆さんこぎ着けているのですけれども、その前の状態、さっき河東さんもおっしゃっていたとおりで、売上げを上げて、利益を上げて企業を復興させていくというところになると、やっぱりまだまだ難しい部分というのが多々あるのではないかなといったような状況です。
 その中でなのですけれども、感染症対策といった部分でいくと、一つチャンスもあるのかなとという部分も私は感じております。感染症対策の難しさは非常に大きいと思うのですけれども、私は観光物産協会で、いろんな旅行会社さんからの電話対応とかをしているのですけれども、学校の修学旅行であったり、教育旅行といったものが、全国的に延期であったり、場所を変えて実施せざるを得ないという動きの中で、旅行会社からお話を聞くのが、今岩手の感染者がゼロというところで、そういった部分で学校側から岩手でお願いしたいという希望がすごく多いというような話を聞くようになりました。今の岩手の感染者ゼロという状況というのは、ひょっとしたらコロナ禍を抜けた暁には、震災を乗り越えての防災の部分にも通じる、コロナという新たな脅威に対しても他より長くゼロという期間を守り続けているということは、非常に大きなブランディング要素になる可能性を持っている状況なのではないかなと感じております。
 さっき河東さんもおっしゃっていたのですけれども、リモートワークであったりとか、ワーケーションであったりという新しい生活様式というものが今後定着していくようであれば、今までの東京一極集中というようなリスクを回避するために、新たな場所として地方に分散をしていく流れがひょっとしたらできるかもしれない。その中で、さっき言っていたとおりで、岩手がそういう部分ではすごく強みを発揮できるような可能性があるのではないかなと感じております。
 まだまだコロナ禍真っただ中というところでありますので、まずは我々観光物産協会として、陸前高田市を中心として三陸沿岸、安全対策を取りながら、引き続きお客様に来ていただくための取組というのが真っ先にはなるのですけれども、その先にはいろんな可能性を考えていければなと思っております。
 私、冒頭にお話ししたとおり、自身が東京からの移住者なのです。私が移住するきっかけになったのが震災なのですけれども、震災前はリーマンショックという大きな経済危機がありまして、そのときに私がちょうど転職活動をしていたりとかというのもあって、今の内定取消しという話を聞くと、すごく自分にとって身近な話題に聞こえるような、当時と状況としては似ているのかなと思っているのです。その状況の中で、私が東京から岩手に移住したというのが、まさに東京で一極集中、過当競争みたいな生活というところにすごく自分が生きていく上で疑問を感じていて。ボランティアに携わったというところもあるのですけれども、何かのきっかけで地方に行って、地方のほうが生きやすさを感じるみたいなところがあると実感しているのです。自分の体験でもそう言える部分がありまして、コロナ禍を抜けた後の岩手への移住というのがどんどん増えて、岩手県自体がそういう意味でも活性化していくということになればいいなと思っております。
 決して外から多くの人が来て、かえって岩手の感染が爆発してしまうとか、そういう意図ではなくて、安全対策を取った上で、そういう未来が描けると私はすごく、自分も住む身として、岩手が幸せになれるのではないかなというふうに思っております。
 ちょうど時間となりますので、以上でございます。

八重樫部長
 ありがとうございました。
 それでは、知事からコメントをお願いいたします。

達増知事
 旅行会社さんが修学旅行で岩手へ希望が増えているという話は、非常にありがたいなと思います。新型コロナの感染者が岩手で未確認状態が続いているというのは、自然や風土、県民性、また経済、社会構造、総合的に合わさってこういう結果になっていると思っているのですけれども、それがある種、岩手スタイルのような、これからの日本の生きる道というか、世界全体で見ても人と社会のあるべき姿が岩手にあるのではないかということで、どんどんそれを学びに来る、そしてそこに参加して、一緒にそういう岩手スタイルを守り、発展させていこうということで、丁寧に人に来てもらえればいいのだと思います。
 東京一極集中からの地方分散という流れの中でも、しっかり岩手は進んでいけるのだと思いますし、そういう話を桒久保さんの経験にも基づいて、非常に説得力ある今のお話だったので、大変参考になりました。
 今再開しているけれども、売上げや利益がまだコロナ前に戻らないというのは、岩手全体がそういう状況だと思います。様々な支援事業がありますので、国、県、市町村の支援事業を活用しながら損失を補っていただきつつ、まず市町村、そして県、さらに県境を越えた消費拡大の動きを盛んにして、特に地元でのお互いに消費を活発にさせていくというところを市町村から県のところで盛んにやっていく、そこに県外からも参加してもらうというようなやり方が手腕だと思っているので、県としてそこに力を入れていきます。ありがとうございました。

桒久保 博夫
 ありがとうございました。

八重樫部長
 次に、大畑さん、お願いします。

大畑 義幸
 
私から、まず青年会議所についてでございますけれども、青年会議所は1年毎に理事長が替わりまして、そのたびにスローガンであったり、基本理念であったり、基本方針というのが変わるのでございますけれども、今年はもちろん年当初に掲げたスローガン、先ほども紹介させていただきましたけれども、それに基づいた活動というのが計画されていたのですが、新型コロナウイルスの影響がありまして、これまでほとんどが中止となりまして、活動の計画自体が変更になりました。
 そんな中で、4月にうちのメンバーのほうで考案した、コロナフードアクションのプロジェクトの一環として、まず第1弾として「久慈テイクアウト」というアプリをつくりました。それによってまず客足の大幅な減少で疲弊する久慈地域の飲食店さんを支援するために、アプリを活用してお客さんを呼び込み地域経済をまずは飲食店から盛り上げていこうと、テイクアウトを促進させる事業というのを立ち上げまして、現在も続けております。おかげさまをもちまして、登録数も7月15日現在で7,700名を超えまして、お店のほうにも、本当に市民の皆さんにも活用していただきまして、それなりの効果というものはあったのではないかなと思います。こちらのほうは、岩手県、振興局と業務委託契約を結びまして、これからも、8月いっぱいまでの契約ですけれども、それに向けて活動を続けてまいりたいなと思っております。
 そしてあと、久慈コロナフードアクションの第2弾といたしまして、地元のタクシー会社さんと連携いたしまして、なかなかお店のほうまで来られないという方、例えば年配の方であったり、会社勤めの方であったり、そういった方々向けに、お店の注文をした際に「デリバリータクシーを活用します」とおっしゃれば、地元タクシー会社さんのほうで宅配先までお届けできると、そういった仕組みをつくりました。タクシー会社、今観光客が減少しておりますので、お客さんも減っている中でこういった仕組みがあることで、テイクアウトを通じて市民の方々にデリバリータクシーを活用していただいているというふうに聞いております。
 まちを活性化させるために、微力ではあるかもしれませんがこういった地域の観光と経済活動の促進に力添えができていければいいのではないかと思います。
 自己紹介の際にも触れましたが、もともとは人材育成というのが目的で青年会議所というのは活動をしているわけでございますけれども、今後コロナウイルスに対する影響というのはどういうふうに収束するか、もしくはこれからもこのまま続くか、ちょっと先が不透明でありますけれども、そんな中でも人材育成を通して、地域を牽引する、躍動する青年をどんどん、どんどん増やして、地域を活性化させていけるように団体を持続していきながら、盛り上げていければなと思います。
 以上でございます。

八重樫部長
 ありがとうございました。
 それでは、知事からコメントをお願いいたします。

達増知事
 青年会議所活動は、委員会とか、例会とか、人が集まるということを中心に1年間展開しますから、新型コロナウイルス感染下でやっていくというのは大変なのだと思いますけれども、コロナフードアクションということで、テイクアウトとか、タクシーデリバリーとか、情報通信技術を活用して、そういう活動を展開しているというのは大変いいなと思います。青年会議所は、そういう情報通信技術の活用については一歩進んでいる存在だと思うので、それが遺憾なく発揮されていていいです。
 また、コロナで社会活動、経済活動が落ち込むのを回復させていくには、やはり市町村単位で消費を活性化させていくのが手堅く、またそこからの発展も期待できるところで、市町村というのは商工会議所、商工会のエリアとも重なるのですが、青年会議所のエリアとも重なったりしまして、そういう地域団体あるいは経済産業団体が住民の皆さんと、また行政とも力を合わせて、消費の拡大を図っていくということが軌道に乗ってきますと、オール岩手でもそれが展開し、県境を越えて、オールジャパンでもということになりますので、ぜひその調子でやっていただきたいと思いますし、そこに県も協力していきます。

八重樫部長
 ありがとうございました。
 それでは、最後に中村さん、お願いいたします。

中村 一郎
 それでは、三陸鉄道の状況等、お話をさせていただきたいと思います。
 先ほどもちょっとお話しいたしましたが、昨年度の年度前半、9月までは非常に好調で、多くの皆さんおいでいただきましたけれども、年度後半は台風の影響もあって、かなりお客さんが減ってしまったと。今年度は、またコロナの関係もあって、今のところ非常に厳しい状況が続いております。4月ですと、運輸収入ベースでは前年対比で約6割減、お客様の人数ベースでは約半減になっていますし、5月では運輸収入で約8割減というような状況になっています。今月に入って少しずつではありますけれども、改善の兆しが出ております。これは、1つは市町村で宿泊の割引の取組もしていただいていますし、県のほうでもそういった取組がまたスタートしております。また、国のほうも来週からGoToキャンペーンといったようなことも予定をされておりますので、我々としてはそういった取組とタイアップしながら、しっかりと今後取組を進めていきたいというふうに考えております。
 三陸鉄道としても、コロナ対策の部分は、お客様に消毒とかマスクの励行等呼びかけをさせていただいておりますし、会社としても乗務員の毎日検温をしたりとか、マスク着用等々の徹底をしておりますので、そういった意味で感染拡大防止といったことはしっかりと取組みながら、できるだけ多くの皆さんに御利用いただけるような取組をやっていく必要があるかなというふうに考えております。
 それで、幾つかその取組を御紹介させていただきたいと思いますが、資料で少しお手元にもお配りしているかと思いますが、1つは半額2枚きっぷということで、これは例えば御夫婦で三鉄に乗っていただく、ないしはお友達と2人で乗っていただくときに、料金を半額にして、できるだけ乗りやすいような、お一人の場合は例えばどこかの目的地を往復するときに、1人で往復にも使っていただけるといったような、実質これまでよりも半額で三鉄を楽しんでいただくといったような切符を先月から発売させていただいておりますが、これはおかげさまでかなり多くの皆さんに御利用いただいております。
 それから、もう一つ、沿岸の場合には鉄道を駅で降りて、その後の二次交通がやはりなかなか十分ではないというお声を多くの皆さんからいただいておりますので、タクシー会社さんと連携をして、三鉄で降りたら、次、タクシーで自分が行きたい目的地、観光地に周っていただくような、これも少し料金的にも格安になるようなタクシーセットプランといったものも御用意をして、御利用をいただいております。
 それから、もう一つ、鉄印帳の資料もあるのですが、これは先週の10日から、全国の第三セクター鉄道40社ありますが、40社が共同して、いわゆる寺社仏閣を回る御朱印帳の鉄道版ということで、鉄印帳という冊子を購入いただいて、40社を順次周っていただいて、鉄印を記帳していただくということで、これが、ちょっとはっきり見えるかどうかあれですが、三陸鉄道の鉄印がこの画面で、御利用いただければ、こういった鉄印が記帳してもらえると。これはいわゆる毛筆で、直筆を一枚一枚させていただいておりますので、これが40社各社それぞれ工夫を凝らした鉄印を今発行しております。おかげさまで、かなり御購入も好評でございますので、こういったことも一つのきっかけにしながら、我々としてはより多くの皆さんに御利用いただけるように頑張っていきたいなと思っています。
 三陸鉄道としては、当面は県内の皆様を主なターゲットにして取組を進めていければと思っています。先ほどの2枚の割引の切符とかタクシーセットプランも、当面は県内の皆さんを対象にということで販売をさせていただいております。近場の皆さんにやっぱりしっかりと御利用いただくような取組を我々としては1つやっていきたいという部分と、もう一つは、せっかく昨年、大船渡の盛から北は久慈駅まで、163キロが三陸鉄道で一本につながりましたので、1つは沿岸の各地域を三陸鉄道がしっかりつなげる役割を果たしていくような取組も強化をしていければなというふうに思っております。これまでも沿岸のいろんなお祭りでありますとか、イベントに合わせて臨時列車等を出して、沿岸の皆さんが三鉄を使って他点に移動していただくといったような取組をより強化してやってまいりましたけれども、今後もそういった取組を引き続きやっていきたいなと思っています。
 もう一つ、私が考えているのは、学びという部分を三鉄に乗ってやっていただくということで、これまでも震災学習列車という学びの列車を走らせておりましたけれども、今実は大槌に東京大学の海洋研究センターという研究機関がありますけれども、そちらのほうで「海と希望の学校」という取組をやっているのですが、それを三陸鉄道の中でやっていただくということで、進めることにしております。三陸鉄道に乗っていただいて、三陸の海であるとか、三陸の魚とかといったことを子供たちにも分かりやすく学んでいただけるような列車を走らせたいなということで、そういった形で、単に三鉄に乗って楽しむということだけではなくて、そういった学びという要素も取り込んでいけば、さらに、先ほどちょっとお話がありました修学旅行とか、そういった学校行事の中で、もっともっと三陸鉄道を御利用いただける可能性は広がってくるのではないかなというふうにも考えております。
 そういった意味では、引き続き沿線市町村とか県の御協力もいただきながら、我々としてはこの三陸地域が元気が出るように頑張っていきたいというふうに考えております。
 以上でございます。

八重樫部長
 ありがとうございました。
 それでは、知事からコメントをお願いいたします。

達増知事
 ありがとうございました。公共交通というのは、新型コロナの影響を、直撃を受ける分野でありますので大変なのですけれども、まずは台風からの復旧をきちっと完了させて、インフラ設備としては100%な状態で今迎えていることと、あと去年三陸防災復興プロジェクトで、三鉄を使ってあれもできる、これもできるというようなのを一通り示すことができていたということはよかったと思います。
 そして、学び列車ですね。三鉄の中で様々地元の自然とか、いろんなことを学んでもらうというのは大変いいアイデアで、ちょっと前にもNHKテレビの「ブラタモリ」で三陸鉄道と岩手沿岸の地形との関係というのをやって、もう十分テレビの教養番組というか、エンターテインメントとしても成立するというのが証明されていると思うので、ジオパークでもありますし、そういうところ、大変いい方向性だと思います。
 そして、まずは県内の皆さんに利用していただくというのはやはりいいと思います。感染対策は、やはりまずなじんだ相手と一緒にやるのがよくて、事業者だけではなく利用者側の努力も求められ、事業者と利用者が協力し合って感染対策というのができますので、まずは地元のなじみの人たちとの間で感染対策というのをきちっと確立させ、そこに県外の人たちにも参加してもらうというような段階を踏んでいくと、感染対策がうまくいくのだと思います。
 三鉄は、県にとっても沿岸の看板であり、また岩手全体のシンボルでもありますので、よろしくお願いします。

八重樫部長
 ありがとうございました。
 皆様から一通りテーマに沿ったお話をお伺いしたところです。さらに追加で述べたいことや、懇談を通じての御感想、懇談テーマに関わらない御意見等でも、何でも結構でございますので、御発言のある方は手を挙げていただきたいと思います。いかがでしょうか。
 河東さん、お願いします。

河東 英宜
 冒頭でこのラグビーパイを紹介したのですけれども、こちら、やっぱりラグビーも少し売上げが落ちているという中で、決してそのままではなくて、今日のテーマに沿うように、リスタートということで、今、DCのほうに力を入れ始めていまして、新しい工場を産業育成センターの中に作るであるとか、あるいは自分のところで持っているカフェを三陸のパン工場に代えてであるとか、やっぱり状況が変わっていく中で、それに応じた対応をしているというところが同じ事業者として見ていてすばらしいなと思って、今日紹介した次第です。
 私どもも魚河岸テラスという観光施設で、ここもこれから遠くから人が来ることもちょっと少なくなるのかなという部分もあったりして、やっぱり地域の人たちに愛される施設という部分もあって、地域食材を生かしたジェラート作りというものを始めまして、例えば浜千鳥さんの大吟醸酒の酒かすを使ったものであるとか、変わりものとしては中村家さんのいくら醤油を使ったジェラートであるとか。今では地域の人たちが、うちのごまだれを使ってくれとか、農家の人がこの桑の実を使ってくれだとか、そういうのを定期的に持ってきてくれるようになったので、月に1回、開発の日を決めていて、そこに地域の人が持ち寄ったもので次のフレーバーを作っていくというような感じになって、非常に狭い範囲なのですけれども、うまく経済が回せるような感じの仕組みみたいなこともちょっと今実験でやっているような状況でございます。

八重樫部長
 ありがとうございました。
 ほかにいかがでしょうか。中村さん、お願いします。

中村 一郎
 今の河東さんのお話に関連して、ラグビーパイは三鉄のほうでも扱っておりまして、結構多くの皆さんに御購入もいただいておりますので、引き続きしっかり三陸の物産の面でも三陸鉄道として頑張っていきたいと思いますし、そういった意味では1つ、皆さんのお手元に資料はないですが、毎年夏と冬に「駅―1グルメ」という、これは沿線の食べ物をテーマにして紹介する冊子を作らせていただいています。今回もこの夏号が、最近できましたけれども、今回のテーマは女子力ランチということで、女性の目線でおいしそうなお料理というのでしょうか、そういったものを各駅毎に紹介をさせていただいたりしております。我々としては、やっぱり三陸を観光していただく場合に、食というものがすごく大きな魅力の要素の一つでもありますので、こういった地元のお店の美味しいお料理というものを各振興局の職員の皆さんにも協力をいただいて、取材して、毎回編集もしておりますけれども、こういった部分を観光客の皆さんにも、この冊子を抱えながら、じゃ次はあの駅で降りたら、あのお店でこの料理を食べてみようかなみたいなことで、できるだけ、そうすることによって地域のほうにも少しでも経済効果が及べば、我々としても本当にありがたいなというふうに考えて取組を進めているものでございます。
 以上です。

八重樫部長
 ありがとうございました。
 先ほど桒久保さんから、岩手のほうで今感染者ゼロで、地方のほうが生きやすさを感じるというお話があって、岩手への移住というお話も触れていただきましたけれども、その岩手に移住してもらうための作戦というか、プランみたいなものがあれば、桒久保さんから少しお話ししていただいてよろしいでしょうか。

桒久保 博夫
 具体的な移住プランというのはなかなか難しいのですけれども、我々観光物産協会のほうで、まず今年度、地域おこし協力隊の募集をかけさせていただくことにしました。
 私は、震災があっての災害ボランティアという、ちょっと特殊な環境下というところもあったので、すんなり地域に入っていくということができたのですけれども、全く知らない土地で、知人もいなければ、仕事もない、住むところもないという状況から、全てを自力で、全部賄っての移住というのは、自分の状況と置き換えると相当ハードルが高いのだろうなといったところでありますので、まずはスタートアップのところで、仕事であったり、サポートする体制であったりとか、その一環として移動手段である車、交通であったり、何より住む場所とかというところが確保、ある程度目星が立つという状況であれば、その移住に対しての最初の一歩というのが踏みやすいのかなといったところは感じます。
 ただ、全てをお膳立てして、どうぞ来てくださいというのともまたちょっと違うかなと思うので、その辺のバランスが難しいなと思っております。私もそうでしたけれども、全く知人もいない場所でゼロからというところでしたけれども、その中で地域に溶け込むための努力というのが今の自分にもいい効果としてつながっているのかなというところもありますので、そういうところでうまく関係性を築くようなきっかけの提供というところが移住という部分においては効果的なのではないかなと感じております。
 そんなところです。

八重樫部長
 ありがとうございました。
 あと大畑さん、やはり人材、人というのが正に地域の資源だと思いますし、先ほどおっしゃっていただいた誰もが夢を持ち続けることができる地域づくりということで、そこで正に人材を生かして、住民の皆さんと一緒にやっていくというようなお話でした。その辺について、もう少し大畑さんのほうからお話をいただけますでしょうか。

大畑 義幸
 人材の育成について、久慈青年会議所は設立当初から「まちづくりのためのひとづくり」の精神で活動を続けてきました。地域が元気になってから人が元気になり夢を持ち続けるというよりも、夢を持って能動的に行動する人を多く作ることで、地域づくりを活性化させていくことを使命として取り組んでおります。
 ちょっと話がそれるのですが、例年台風であったり、そういった大規模災害というものが増えてきまして、被災後の対応、早期復旧に向けた人的、物的支援を取りまとめるために、社会福祉協議会が中心となって、災害ボランティアセンターというのを開設して対応に当たっているのですけれども、そちらのほうを持続的に運営するための常勤スタッフというのが非常に不足しておりまして、市町村と連携を取って種々の調整を図ってはいるのですけれども、あとは各団体との連携というものが増えたり、ボランティアや物的支援が増えるほど、どんどん、どんどん、さらにスタッフが必要になってきます。そしてさらに、今、熊本、九州のほうでもありますけれども、感染対策というものがさらに必要になりますと、ますますそういった調整を図るスタッフの方というのが重要となってきています。
 久慈青年会議所も、ボランティアセンターを運営する構成団体として所属しているのでございますけれども、ボランティアセンターの運営に携わる団体というのは幾つかあるのですが、やっぱり災害発生時は被災地の当事者の皆さんでございますので、皆さんそれぞれの対応というのをまず先に優先してやっていかなければならないものですから、ボランティアセンター自体の運営というのはなかなか人材が確保できないというのが本当に実情でございます。これから災害対応というのはどんどん、どんどん膨れ上がってくる可能性というのは十分にありますので、市町村、地元の団体だけでなくて、もっともっと広い広域で対応を、今できるうちに話し合って、相談しながら、よりよいやり方というものを、持続可能なやり方というものを話し合っていければいいなと思っております。


八重樫部長
 皆様、ありがとうございました。

知事所感

八重樫部長
 それでは、最後に知事からコメントをお願いいたします。

達増知事
 新型コロナウイルス対策というのは、未知のウイルス、初めての経験であるがゆえに、慎重さがまず大事なのですけれども、同時にチャレンジ精神も大事なのだと思うのです。今までやったことないようなことをやるというようなその決断、またそれをいろいろ考えて、知恵を絞ってやるという、そういう慎重さとチャレンジ精神の両方を今日の皆さんのお話から感じることができて、大変頼もしかったです。
 今日の県政懇談会のウェブバージョンも、ウェブ会議であるがゆえに、ふだんであれば釜石エリア、大船渡・陸前高田エリア、久慈エリア、宮古エリアと、それぞれ個別に県政懇談会をやるのですけれども、それが一堂にスクリーン上に会するというのは初めてのことでありまして、これもこういうやり方でなければできない新しいことを今日やることができて、よかったなと思っております。
 ぜひそれぞれのコロナ対策と地域振興、県もしっかり力を入れていきたいと思いますので、一緒に頑張ってまいりましょう。ありがとうございました。

閉会

八重樫部長
 皆様、本日は貴重なお話をいただきまして、誠にありがとうございました。
 これをもちまして県政懇談会を終了いたします。

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