「がんばろう!岩手」意見交換会(平成27年4月28日 久慈地区)

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ページ番号1000855  更新日 平成31年2月21日

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日時
平成27年4月28日(火曜日)10時30分から11時45分

場所
普代村役場 2階 特別会議室

懇談テーマ
「ジオパークを活用した地域振興」

出席者(敬称略)

  • 参加者(敬称略)
    梶田 民夫(北三陸大地の恵み・ジオパーク推進連絡会 会長) 
    和村 淑子(萩牛生活研究グループ)
    北田 晴子(野田村観光協会)
    阿部 俊夫(ひろのまきば天文台 台長)
    佐々木 保美(岩泉町三陸ジオパーク推進協議会 会長)
    武井 俊樹(特定非営利活動法人 体験村・たのはたネットワークコーディネーター)
  • 県側
    知事、県北広域振興局長、秘書広報室長、政策地域部副部長兼地域振興室長

開会

木村室長
 皆様、おはようございます。ただいまから県政懇談会「がんばろう!岩手」意見交換会を開催いたします。
 本日ご出席いただいた皆様方には御多忙のところご参加いただきまして、誠にありがとうございます。
 私は、本日の進行役を務めます秘書広報室長の木村と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

知事あいさつ

写真:懇談会の様子1


木村室長
 それでは、開会に当たりまして知事から御挨拶を申し上げます。

達増知事
 皆さん、おはようございます。県政懇談会「がんばろう!岩手」意見交換会は、「がんばろう!岩手」ということでありまして、東日本大震災津波以降、復興に関連して岩手の各地域あるいは様々な分野で活躍する皆さんから意見を伺って、復興、そしてその先の岩手のあり方について県政の参考にするために意見交換会を行っているものでありますけれども、今日はここ普代村役場に会場をお借りしまして、普代村長さんをはじめ当局の皆さんにはどうもありがとうございます。
 そして、ジオパークがテーマであります。このジオパーク、もともと岩手の沿岸は国立公園にも指定され、その風光明媚であることは世に知られていたわけでありますけれども、ユネスコの関係の方々がよりそういった珍しい地形、いろんな人が興味、関心を持ち、またそこに行ってみたいと思うような地形について科学的な切り口も交え、そして地域振興的なものをつけ加えて、さらに振興していこうということを世界のあちこちで始めたわけでありますけれども、岩手県としましても豊かな岩手の自然という地域資源、そして豊かな自然とともに江戸時代や、さらにその前からずっと暮らしていた人々の営みのそういった蓄積というものを生かして復興の加速、またその先の岩手、このふるさとが消滅することがないような地域づくりに役立てていきたいと思いますので、今日はよろしくお願いいたします。
 今日は、城内県議にもいらしていただいてありがとうございます。どうぞよろしくお願いします。

木村室長
 本日の懇談会の進め方でございますが、この後、私のほうから出席者の方々の御所属とお名前をご紹介して、その後、御意見、御提言をいただきます。そして、最後に自由にご発言いただく時間を設けたいと思ってございますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日御出席の皆様をご紹介いたします。
 北三陸大地の恵み・ジオパーク推進連絡会会長、梶田民夫様でございます。

梶田民夫
 久慈から参りました梶田と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

木村室長
 萩牛生活研究グループの和村淑子様でございます。

和村淑子
 和村と申します。よろしくお願いいたします。

木村室長
 野田村観光協会の北田晴子様でございます。

北田晴子
 野田村から参りました北田と申します。よろしくお願いいたします。

木村室長
 ひろのまきば天文台台長の阿部俊夫様でございます。

阿部俊夫
 洋野町から参りました阿部と申します。よろしくお願いいたします。

木村室長
 岩泉町三陸ジオパーク推進協議会会長の佐々木保美様でございます。

佐々木保美
 岩泉の佐々木です。よろしくお願いします。

木村室長
 特定非営利活動法人体験村・たのはたネットワークコーディネーターの武井俊樹様でございます。

武井俊樹
 田野畑の武井と申します。よろしくお願いいたします。

木村室長
 県側は達増知事、それから高橋県北広域振興局長、宮野政策地域部副部長兼地域振興室長でございます。
 それから、本日は、城内愛彦県議会議員にもご出席いただいております。ご紹介申し上げます。よろしくお願いいたします。
 皆様のお手元に今お配りしておりますお菓子を準備しておりますので、お召し上がりになりながら懇談いただければと思います。

高橋局長
 ただいまお配りしておりますお菓子、地元普代村の下川原商店の「鼓舞焼き」でございます。これは普代村でとれました良質のコンブを粉末にしまして生地とあんに練り込んだどら焼きであります。地元の漁師さんたちがコンブを「コブ」と呼ぶことにかけまして、頑張る人へのエールという思いを込めて「鼓舞焼き」と名づけたそうでございます。普代村さんでは、平成21年から地域資源を生かした特産品の開発を事業化しておりまして、「普代のコンブで村おこし」といった言葉を合い言葉に商品開発やアンテナショップの運営などを行っております。本日の鼓舞焼きでありますが、私ども振興局も支援させていただいて、平成24年度に商品化された5品のうちの一つでございます。どうぞお召し上がりください。

懇談

写真:懇談会の様子2

木村室長
 それでは、懇談に入ります。まず最初に、自己紹介をお願いいたします。お話しいただく順番はこの席順で梶田様、和村様ということでお願いいたします。
 それでは、まず梶田様からよろしくお願いいたします。

梶田民夫
 座ったままでいいですか。

木村室長
 よろしいですよ、はい。

梶田民夫
 ご指名いただきました梶田です。ちょっと長い名前なのですけれども、北三陸大地の恵み・ジオパーク推進連絡会というのを立ち上げまして、立ち上げたのは2年前になります。もっと早くと思っていたのですが、その矢先に3.11がありまして、大分延びてしまいました。平成23年2月、宮古の推進協議会の総会に出席した帰り道でして、これはすぐ何か我々もアクションを起こそうではないかと仲間5人で久慈まで帰る途中でそういう打ち合わせをしてきたのですが、その翌月にあの震災が起きました。それで予定がすっかり狂ってしまって、スタートするのも相当遅れたのですけれども、三陸は御存じのとおり、今さら私が申し上げるまでもなく、地質構造でいけば5億年もの歴史もあり、どこに行ってもその時代の地層を見られる、岩種を見られる、風景はもちろん変化に富んでいますし、こういうところを我々は地元にいて官だけに頼っていていいのだろうかということで、民も民なりに声を上げる必要があるのではないかという地元の声や、仲間の声も聞いて、それでこういう形で発足したのが26年の2月なのでした。
 現在、この会は北三陸に絞っていますが、三陸ジオパークは中部、南部、北部と分かれていまして、我々その位置関係から北部の中で活動させていただいています。現在のところ、会員は75名いるのですが、普代さん、野田さん、それから久慈、洋野さんと4市町村から現在75名ですけれども、今年は100名を目指して頑張っております。あまり大したことはできないのですけれども、地元の振興局、そして久慈市、それからもちろん三陸ジオパーク推進協議会の御指導をいただきながら、推進協議会の方向に向かって連絡会議もそれに準じて活動して相乗効果を少しでも上げられればと、そういう考えで今努力させていただいております。
 今年の目標も、先日、ありがたいことに宮古から県の特命課長さんをはじめとする方々に来ていただきまして、久慈で連絡会を催しまして、今年の活動方針や今後について協議し、本会も推進協議会の活動方針に準じた活動をさせていただくということで頑張るつもりでおりますので、一つよろしくご指導お願いいたします。

木村室長
 ありがとうございます。
 次に、和村様お願いします。

和村淑子
 地元普代村で鉄山染をしております和村と申します。出身は岩手町沼宮内で、縁がありまして北緯40度線を東に移動して普代村に嫁いで参りました。趣味は読書で、昨年読んだ本の中で一番おもしろいと思った「鹿の王」が今年、本屋大賞の第1位になりまして大変喜んでおります。このような会議には初めて出席しましたので、緊張しておりますが、どうぞよろしくお願いいたします。

木村室長
 ありがとうございます。
 北田様お願いいたします。

北田晴子
 野田村から参りました野田村観光協会の北田と申します。野田村は、ジオについては取組が若干、遅れているなという感じを受けているのですけれども、これから皆さんの活動を参考にしながら進めて参りたいと感じておりますので、よろしくお願いします。
 私たちが行っているガイドは震災ガイドですので、ジオパークのガイドという形ではまだ行っておりません。震災ガイドというのも野田村にはもともとガイドの体制がない状態で、一からスタートした状態でしたので、規模も小さいもので、今年で活動が3年目を迎えます。1年目は被災の状況をお客様に見ていただくだけで十分だったわけなのですけれども、3年目を迎えまして壊滅的な被害を受けた中心部にも家が随分建ち始めて、復興とともに震災の記憶の風化が進んできていると感じています。やっぱり震災の風化を防ぐためにもジオツーリズムとともに震災のガイドを行っていくという必要性を感じているところでございます。今日はよろしくお願いいたします。

木村室長
 ありがとうございます。
 阿部様お願いいたします。

阿部俊夫
 ひろのまきば天文台の阿部俊夫といいます。よろしくお願いいたします。
 ひろのまきば天文台は、平成19年に環境省主催の冬の全国星空観察会で空が一番暗いということで、星がよく見える場所ということで日本一にランクされて、それ以来、その後に天文台ができたわけですが、大野海成段丘の一番高いところ、360度見晴らしの良いところで星空観察をしておりますし、冬もやっていて、冬やっている天文台というのは、県内にはひろのまきば天文台だけですので、きれいな冬空の楽しめる天文台におります。
 私が三陸ジオパークのガイドを引き受けて、見どころブックにもちょっと載っているのですが、役場職員に声をかけられまして、ガイドを引き受けたのですが、その理由が二つありまして、一つはひろのまきば天文台がジオサイト、大野海成段丘の一番高いところにあること。それまで、そこの場所は北上山地のすそ野の準平原だと思っていたのですが、このジオとの巡り会いで、それではなくて種市から続く海岸段丘の一番高いところにあるということがジオとの出会いでわかって、そういう場を皆さんにお知らせしていく機会になるということで、一つこのジオガイドを引き受けました。
 大野の道の駅の観光案内所にこのジオパークのパンフレットを置いておくと結構みるみる間になくなるのです。結構旅行して歩く人たちには関心の高い内容であるなと思っております。
 もう一つのきっかけは、中学校の理科教師をやっていまして、50年ぐらい前になりますが、隣の野田村の野田中学校に赴任したときに、あそこは久慈層群とか野田層群とか、非常に地質の環境に恵まれたところで、スライドをつくって授業で活用したり、その後、種市の中野中学校に移ったときも種市層という琥珀とか、サメの歯とかが採れる場所があり、あと海岸段丘が発達しています。ジオパークでは海成段丘と使うのですが、学校の教科書は海岸段丘なのです。海岸段丘の方が扱い慣れているのですが、そういったことを授業で取り扱ったりした関係があって、前に勉強したことが生かせてみんなの役に立てればいいなということでジオガイドをやっています。
 あと、ひろのまきば天文台では、本業は天体観察を基にした天文学習ですが、三陸ジオパークのジオポイントの海成段丘も取り上げたり、あと、天文台ですから宇宙の始まりを知るということで国際リニアコライダー、ILCについても取り上げて、広く岩手の課題に応えるような活動をやっております。
 以上です。よろしくお願いいたします。

木村室長
 ありがとうございます。
 では、佐々木様お願いいたします。

佐々木保美
 広大な岩泉町に住んでおる佐々木保美といいます。岩泉町の観光ガイド協会の会長、それから昨年発足いたしました岩泉町三陸ジオパーク推進協議会会長ということで、二足のわらじを履いております。以前は35年間消防職員として勤めておりましたので、地質とか観光というのは全く私の知識にはなかったわけですが、その反面、新鮮に私の目に映ったり、さらにいろいろな方に物を言えるのが、関わってないから言えるのかなと思っております。1947年の生まれでございますので、もう老人の一人でございます。
 お手元に二つのパンフレットを配付させていただいております。ジオパークの方は3月の末にやっと完成したガイドブックでございます。それから、達人のガイドブックがございます。後でジオパークのガイドブックをご覧になっていただきたいのですが、岩泉町で認定されております4か所のジオポイントとして龍泉洞、これは水がドラゴンブルーであるということ、これが有名でございます。それから安家洞ですが、2万3,700メートル、日本最大の洞窟でございまして、龍泉洞も安家洞も今まだ調査中で、これからどれぐらい延びるか、これは期待いたしたいところでございます。それから、2億5,000万年前に地球上の九割の生物が死滅したであろうという岩石がP―T境界層ということで学者が発見したというところがございます。世界中で7か所目なそうですが、鮮明に表れているのがこの岩泉町にあるP―T境界層なそうでございます。それから、昭和53年に日本には恐竜がいなかったであろうというところが、たまたま昭和53年に学者が小本で民宿に泊まっていて窓から眺めていて、偶然化石を発見された。茂師で発見されたモシリュウと命名されました。何か龍泉洞の龍と茂師の竜と結びつけるきっかけなので、こうなったのかなということで、私はガイドのときに龍泉洞のリュウは化石となってモシリュウとして発見されたのですよ、これはつくり話ですよというおまけつきのガイドをしております。
 この広域にわたってのジオサイト、これは一日で回ることはできません。このジオサイトに絡むジオポイント、これはまだまだ広いのですが、ジオサイトを語る前にジオポイントをわからないとジオサイトを語れないということだと思います。
 今、私は二足のわらじと言いましたが、ガイド協会というのを平成24年に立ち上げまして、五つの部会から成っております。まちなか部会、それから早坂山野草部会、そして海部会、山部会、龍泉洞部会とあるのですが、ガイド協会のガイドは51名ぐらい今登録されております。その中で、いかにして皆さんを、この広大な自然に招き入れるかということは、やはり自然があっても人間が、人間に伝えることだと思います。とかく最近、私は辛口でしゃべるのですが、いろいろな業界でおもてなしの心という言葉を使っているのですが、私から見れば表がなくて裏ばかり考えている業界もあるのです。ですから、このガイド協会は本当の真からの心を出そうと、これが私らの今からのガイド員の勉強する大きな問題でないかと。やはり、人は人を結び付け、それからジオポイントとして広大なジオサイトがあるのですが、そこに住んでいる人がジオだと思うのです。百姓一揆をやったのも、この県北の方々が藩に対して反旗をひるがえしたというのは相当のエネルギーがなければそういうことはできないと思います。やはりそういう地質を受け継いだ我々が本当に次の世代に語りつないでいくにはどのようにするか、私らだけの問題でなく、県の方からも御指導を受けたり、いろいろな部門から御指導を受けて語りつないでいくのが我々の、私の使命だと最近考えております。よろしくお願いします。

木村室長
 ありがとうございました。
 では、武井様お願いします。

武井俊樹
 ただいまご紹介いただきました田野畑村の武井と申します。私は体験村・たのはたネットワークの事務局のスタッフでありまして、ジオガイドを自分自身がガイドをやるときもありますが、どちらかというと立場としては事務局側の者になります。
 私は前職で学童、子供が小学校を終わってから親御さんが仕事を終えるまで預かるようなところの職員をやっていまして、その絡みで今は、主に教育旅行を担当しておりますが、学童とかでは親御さんが仕事が終わるまで預かるということで、体験させるというよりは安全に預かることが中心で、ちょっと自分として物足りなさを感じていまして、それで本格的な体験をやりたいなと思って、今の職に至っております。
 私としては、個人的にはジオも含めた自然のすごさ、面白さ、尊さを子供たちに固くならずに、いかに遊びを通してとか、体験を通して楽しく伝えられるかをテーマとして考えています。ですので、ジオガイドにしても難しい話を並べるのではなくて、いかに面白く体験するかとか、体験を通して伝えられればいいなと思っています。
 あと、最後に余談なのですが、最近気づいたのですが、この駅―1グルメの本、新しいのを見ていまして、37ページに三陸ジオパークのあれが載っていまして、そこに自分も含めた各地のガイドさんが載っていて、自分が載ったのは大して驚かなかったのですけれども、よく見たら表紙を開けてすぐ次のページに子供たちと三鉄に乗っている写真があって、これの真ん中あたりに僕の息子が写っていたので、ちょっとびっくりしました。すみません、全然関係ない余談でした。
 以上、よろしくお願いします。

木村室長
 ありがとうございます。
 続きまして、懇談に入りたいと思います。お一人、三、四分程度で本日のテーマでございますジオパークを活用した地域振興ということで、今もちょっと言っていただきましたが、現在の取組ですとか課題、それから今後の方向とか期待などについて御自身の抱負なども含めてお話をいただければというふうに思います。
 先ほどの順番でお二人ずつお話をいただいた後、知事からお聞きしたいこと、感じたこと等を申し上げる形で進めて参りますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、まず梶田様からお願いいたします。

梶田民夫
 連絡会を立ち上げたけれども、一体何をやったのだと言われそうな気がしますので、我々会としてもやりたいこと、それからやらなければならないこと、挙げれば切りがないほどあるのです、宿題ばかりなのですけれども。昨年は8月から10月にかけてジオめぐりを4回やりました。市役所からバスを借りまして、そして毎回いろんな道が、山道もあるものですから、超大型のバスはちょっと無理なものですから、25人定員のそれに補助椅子を入れて1回30人ぐらいなのですけれども、毎回断る状態でした。4回とも応募者がオーバー。そんなに宣伝しなかったのですけれども、新聞、チラシの広報に1回出て、あと会員からの口コミといいますか、集まってもらって、断らざるを得なかった人には大変申し訳なかったのですけれども。
 当初思った以上に反応がありまして、うれしい悲鳴でございました。そして、来た人たちも帰るときには必ずもう1回知り合いや、親戚に、今度は中高年や子供と一緒にぜひ、見に行きたいと、そんな反応があって、これはどんどんネットワークを広げていけるなと思っています。
 それから、私自身も4回とも参加、(田野畑から八戸の蕪島まで)大体エリアを四等分にして、ジオポイントにすると40カ所ぐらい、それからサイトにすると16カ所ぐらいなのですが、それでももちろん全部見切れたわけではないのです。主立ったところ、中でも発表されているうちの主立ったところを時間の許す範囲内で回ってきているわけですけれども、私は毎回帰りに思うのですけれども、これはエリア内に表記されている130ポイント、48サイトも、これはほんの一部にしかすぎないのではないかなというのが私の実感です。ただ、私は私の分野でものすごく価値あると評価したいところがいっぱいあって、毎回、もう2か所ぐらい追加してほしいなみたいなことで感想をバスの中でしゃべって別れてきた経緯なのですけれども、それぐらい三陸沿岸ジオパークがもうお宝物でいっぱいだということが言えるのではないかなと思っているのです。しかも、我々普段はパンフレット等で見ているのですけれども、実際に現場へ行って大地の上に立ったときに、感動がまた違うのですよね。また来たいというような気持ちでいつも帰ってきていました。今後とも現地を巡り未知のポイントを発掘し、広く発信していければと考えています。
 それで、いろいろ他にも講師の方を招いていろいろお話を伺って勇気づけられているのですけれども、少しでもこれから範囲を広げていって、トレイルももちろん並行してあるわけですから、どんどん相乗効果を期待できるのかなと思っています。トレイルもどんどん整備されていますし、それから今年は小袖に海女センターも出来上がりましたので、ぜひ、皆さん久慈地域へお越し願いたいと思います。少しでも交流人口の増加につながればと思っています。
 以上です。

木村室長
 ありがとうございます。
 和村様お願いします。

和村淑子
 普代村は、たまたま割沢鉄山跡がジオポイントに認定されまして、そこで鉄山染という活動をしているので、本日の発表者に選ばれました。
 鉄山染の取組と今後の抱負についてですが、初めに鉄山染の取組についてご紹介させていただきます。普代村の萩牛地区には、かつて盛岡藩直営の割沢鉄山がありました。鉄山で働く人夫たちは風呂に割沢の沢水を利用していましたが、その風呂で使った手ぬぐいは鉄さび色に染まり、それが虫よけにも効果があったと言われています。この鉄山染のパンフレットの後ろの方にそのことが書いてあります。
 そして、1980年代に地元萩牛生活研究グループの女性たちが割沢の沢水で染色した商品を開発いたしました。現在は、割沢の泥を活用した染色法で独特の深みのある渋い色合いのストールを製作しています。パンフレットを開いていただきますとそこに泥の写真が載っております。さらに開きますと、ストールの写真が載っていますが、現物をお持ちしました。鉄さび色を再現したいということで、このような色合いになっております。それで一枚一枚手作業で丁寧に染めており、男性、女性を問わずあらゆる年代の方々に愛用していただける商品となっております。知事さんにもよく似合うと思います。
 それで、これからの課題としては鉄山染に使用する泥の確保です。以前二本あった沢が一本枯れてしまいました。今残っている沢の水はこの写真にあるこの細い沢で、この沢から泥をバケツに取ってくるのですけれども、枯れてしまわないよう行政に割沢鉄山跡一帯の山の保全をお願いしたいと思います。
 今後の抱負としては、鉄山染が割沢鉄山跡の資源を生かした特産品として長く継承されていくよう努めて参りたいと思います。
 以上で発言を終わります。

木村室長
 ありがとうございました。
 では、知事から。

達増知事
 梶田さんはサイト、ポイントをもっと付け加えたいというお話でしたけれども、例えばどんなところを。

梶田民夫
 その前にちょっと。久慈には広く見ればジオに関連する団体がもう既にかなり前からできていまして、例えば琥珀の採掘跡のことを「くんのこほっぱ」と言いますよね。くんのこほっぱ愛好会とか、久慈たたら伝承会、鉄ですね、鉄の精錬ですね、それから九戸歴史民俗の会、山根六郷研究会、もちろん琥珀研究会もあって、これらの会員が私どもの連絡会のメンバーにもかなりの方がなっていまして、先ほど言い忘れましたけれども、阿部先生も会員で、ガイドのオーソリティーなものですから、その場所へ行くと懇切丁寧にガイドしていただきまして、本当に助かります。
 それで地域地域と言った方がいいのですかね、ものすごく詳しい人がいるのです、それぞれ。ガイド養成もさることながら、地元の人の先祖代々から受け継いできた話というのを聞かされるのも非常に楽しみなのです。時間がないのですけれどもね、そういうのが大変勉強になります。
 また、新たな注目ポイントとして期待されるものとしましては、当地域は特に地下資源鉱物としてマンガン、モリブデン、鉄、けい石、耐火粘土等が多く、更に温泉(冷泉)としてアルカリ泉やラドン泉が知られております。新たな発掘を目指します。

達増知事
 そうですね、地元の方々の持っているものを共有できるといいですね。

梶田民夫
 力を生かせるのではないのでしょうか。

達増知事
 和村さんのところの鉄山染は、素朴でありつつもメタリックな感じでモダンなところもあってすごくいいのではないかなと思いますね。

和村淑子
 ありがとうございます。値段が高いので、なかなか地元には売れないのですけれども、最初は一万円で値段を設定したらみんなブーイングで高いと言われて、9,000円にしましたけれども、デザイナーの方には安過ぎると言われて、もっと高くしなければだめだと言われて、苦しいところです。

達増知事
 高く売れるなら高くした方がいいのかなという感じはするのですよね。

和村淑子
 はい、そういうふうに言われています。ところが、なかなか地元の方たちはそんな高い値段では手が出ないと言われて苦しいところです。

達増知事
 沢の水も細い沢水一本で。

和村淑子
 そうなのです。道がなくて、泥を取るときは長靴履いて、ナタを持ってみたいな、枝を払いながらがけを降りるみたいな形になっていますが、もしこの沢が枯れたらもう泥が取れなくなりますので。

達増知事
 貴重なものですよね。

木村室長
 ありがとうございました。
 それでは、北田様お願いいたします。

北田晴子
 野田村の観光協会がメインでやっている震災ガイドの需要の方なのですけれども、やっぱり全体的にそうかもしれないですが、もうそろそろ減少してきているころだと思っています。今年はさらに減少するのではないかなと見越しておりますので、今後は震災ガイドだけではなくてジオパークの方のガイドも取り入れたいと考えています。というのも震災をきっかけに野田村はガイドさんというのが初めて発足しましたので、その火を絶やしてはならないなと感じていますので、それをまた違う形でジオパークだったりとか、潮風トレイルというのも始まっていますので、そういった形のガイドにも移行できればなと感じています。
 私が一番感じている課題なのですけれども、お恥ずかしいながら、受入側である私たちですね、観光団体が三陸ジオパークを活用できていないことですね。そのため、地元ではまだ「ジオ」という言葉が浮いていることだと思います。やっぱり身の周りの人にジオパークが何か聞いても、聞いたことはあるけれども、何か知らないし、あまり興味もないようだということで、もちろん観光客の方でご興味のある方はいらっしゃると思うのですけれども、今から国体も始まりますし、それこそおもてなしということを考えるのであれば地元のことを知って、野田には何があるのだと言われたときにジオのことも含めてお話しできればなというのが理想なのですけれども、まだそこまでは至っていないということなので。
 ジオパークのガイドをするのであれば、まず全体的な三陸ジオパークはどういったものか学んで、ジオサイトとジオポイントも理解して、野田村なりのガイドをしなくてはいけないと思うのですけれども、私が本だけの情報を見ても全く頭に入ってこないたちなのです。実はどちらかといいますと、私はジオパークに興味を持てない方の人種なのです。歴史も苦手でしたし、地理も苦手でしたので、歴史の年表みたいなのがガイドマップに出てくると拒否反応が出てくるたちなのです。地球について学べと言われると、面倒くさいなと感じるのですけれども、ただやっぱり前にもお話を梶田さんの方からとか聞いたこともあるのですけれども、お話を現地で聞くと大変ロマンを感じて、こんな私でもおもしろいと感じました。なので、ということは私のような人間でもガイドの皆さんから直接現地でお話を聞けばいくらでも魅力を感じられる。ということは、野田村にガイドがいないことが問題であって、ガイドを養成すればいくらかでもお客さんが野田村に魅力を感じて、その土地に愛着を持ってくれるのだなということを感じています。ジオを教えてくれる人というのを養成していくことが課題だと思いますし、あとは広域での連携がジオパークでは大切だと思っていますので、野田村だけ案内するわけにはいきませんので、広域での観光ジオツーリズムもぜひそのような活動があれば参加していきたいと思っています。
 以上です。

木村室長
 どうもありがとうございました。
 では、阿部様お願いいたします。

阿部俊夫
 では、地域振興について、私のジオガイドの活動を紹介しながら触れていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 洋野町にはジオサイトが2か所ありまして、一つは海側の種市海浜公園、もう一つは山側の大野海成段丘になります。種市海浜公園のジオサイトの中にあるジオポイントは三つありまして、ウニの増殖溝と海食洞の窓岩、カキ化石産地というのがありますが、中でもウニの増殖溝に力を入れながら説明しておりますが、こういうの(ウニのむき身の写真)をまず初めに使って、まず皆さんに生唾を飲んでいただいて、何でこんなおいしいウニが採れるのだろうかと。もう5月から私の近くの宿戸というところでウニの販売が5月3日、4日から始まるのですが、この秘密は種市層が波で削られてできた岩盤、海食棚というところに溝を掘って、細長い溝を掘って、ここにコンブをいっぱい入れて、そしてここにウニを放して、いっぱいえさを食べさせるということがおいしくて実入りの多いウニができる秘密になります。ここの海食棚、岩盤は干潮になるとすっかり陸地になるので、昔は生物がすめない場所だったのですが、それを先人の漁業者の知恵で岩場の穴に海水が残ると、そこにウニとかコンブが育つということからヒントを得て、こういうふうに溝を掘ることを始めたそうですが、それを洋野町角の浜から小子内まで海岸一帯の海食棚があるところには全てあります。これが、この溝に海水が自然に流れるように、波の力で流れるように、モーターとか何か使わないで。津波の原理の応用で、津波は川に沿って遡上しますよね。そのエネルギーをそのまま使うと自然の海水の流れができるという、そういったいろいろな知恵があってこういうおいしいウニができるということをジオとの関わりで解説しています。このようにまず食べ物から始まってジオに触れるということで、ジオの案内をしております。特に先人の知恵が生物不毛の地をウニの宝庫に変えたと、そういったところを強調しながらやっております。
 あとは大野海成段丘もなだらかな地形で、ひろのまきば天文台のパンフレットをお配りしていますが、牧場の一番高いところにあるのですが、ここは遠くから見るとずっと平らな地形がずっと長く続いているのです。この平らな地形が一体どうしてできたのだろうかということで70万年前は、平らな地形というのは海でできますので、それで一年で平均して0.3ミリずつ高くなり、70万年で200メートル級の高台になっているのだよということで牧場に来る人たち、パークゴルフに来る人たち、天文台に来る人たちに説明することによって、その地形の成り立ちに関心を持ってもらうというような活動をやっております。
 ガイドとしては、去年は4回ほどガイドの機会があって、洋野町内の小中学校の理科の先生の研修会、それからさっき梶田会長がお話しした北三陸大地恵み・ジオパーク推進連絡会のジオめぐりの3回目が洋野町だったので、そこで私とあとは歴史に詳しい人が地元にいますので、そういった人たちの力も借りながら解説をしたり、あとは日本ジオパーク全国研修会のジオツアーが八戸から宮古コースというのがありましたので、そのときに洋野町に寄っていただいて、そこで全国のジオガイドをやってくれている人たちを対象にやりましたし、あとみちのく潮風トレイル、これは県北広域振興局主催のモニターツアーにガイドをさせていただきまして、このときは海岸を歩いたので、津波の話とか、あと津波慰霊碑の紹介とか、東北エモーションに歓迎の旗振りをするとか、そういった活動をやっております。
 今までいろいろなパンフレットをたくさんつくっていただいたので、本年度の課題は解説板とか案内板をいっぱいつくる必要があるなと。役場の方から予算化されていた話も聞いておりますので、ぜひ解説板、案内板をつくって、特に大きな団体で来る人はガイドがつくのですが、みちのく潮風トレイルに来る小さいグループの人たちには案内というのはつかないのですが、結構たくさん来て海岸を歩いているので、その案内板を見て自分たちで歩けるという、そういう状態をつくれればいいかなと、それが今年の、あるいはこれからの課題かなと思っております。
 こういう形で何とか洋野町の良さを知っていただいて、多くの人が洋野町に来れるようにしたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。

木村室長
 ありがとうございました。
 知事からお願いいたします。

達増知事
 まず、野田村のジオについては、まずやりやすいところとか、人気のあるようなところからやっていくのがいいのではないかと思います。野田の塩は有名ですし、また野田塩ソフトも全国的にももう大分知れている、そういうものですし、道の駅イコール三鉄の駅でもある、そこの観光の拠点性というのにすごく恵まれていると思うので、そこから発信したり、また買っていってもらったりとか、そういう中でジオについても自然に、あるいは関心ある人にアピールできればいいのではないかなと思います。
 そして、阿部先生の話で、ウニ増殖溝というのはそういうふうにすごくよくできているというのは初めて知りまして、漁業技術的にすすっとつくっているのかなと思ったのですけれども、そもそも地形を生かしていて、かつそれは歴史的に昔から編み出されたやり方なのですね。ウニはやっぱり魅力が非常に高いし、「あまちゃん」で全国的にも有名になっているので、そこからどんどん広げていくというのは本当にいいのではないかなと思いました。

木村室長
 それでは、佐々木様お願いします

佐々木保美
 夢を語らせていただきたいのですが、現実からかけ離れた夢なのですが、とかく私は時間があれば野山を歩いているのですが、そこで林の中を歩いていたら木の間から25メートルある恐竜がのっそのっそと歩いている姿にいつか会ってみたいなと、そういう夢にもならない夢を見ながら野山を歩いております。
 それから、これは夢ではないのですが、今、龍泉洞から流れ出る水が1秒間に大体1,100リットルから1,500リットル流れ出る。岩泉町の大体3割の飲料水、それからいろいろの水として使っているのですが、岩泉町では水を相当前から販売、買っていただいています。単純計算です。誰も根拠ございませんが、500ミリリットル、これで130円で買っていただいています。調べてみたら一人当たりいくら1か月使うかと調べてみたら、平均で大体5,000リットルでないかと。ペットボトル計算にしますと1か月で130万円使っているのです、水だけで。それで……

達増知事
 お風呂に入るのもその龍泉洞の水でお風呂に入ったりしているですものね。

佐々木保美
 はい、洗車もしています。これを4人家族で水だけで520万円になるのです。これはすごいぜいたくな生活をやっているなというのが私の実感です。
 それとうちの娘が学生のころに関東に行っているころ、「お父さん、岩泉に帰るとシャンプーやっていて、リンス要らないよ」と言うのです。はあ、何十年も俺使っているんだけれども、私には効果ございませんでした。
 それで、現実として、今取り組んでいる中で、三つの私の問題というか、課題があるのですが、先ほど野田の北田さんからお話があったようにそれぞれの市町村だけでこのガイド、それからジオパークを進めようとしても、そのお客さんが尻切れトンボになると思うのです。ですから、できるだけ隣接の市町村さんと手を組んで、ここから来たらこっちに、そこまで送っていくよ、そうしたらそちらから迎えに来るよというような、このコース設定というか、そういうものもやっぱりこれから考えていかなければならないのかなと。沿岸が遠くから入って、特に岩泉は内陸に入ってきますので、その大きなコースとしてジオに関連する四つのコースがあると思うのです。岩手の表玄関の盛岡から入る早坂経由、それから宮古から45号線を来て小本から入るコース、それから久慈市さんから県道7号線を越えて安家に行くコース、今、拡幅工事を県の方からやってもらって、この間工事の中で洞窟が二つ出ました。ただ、短かったので、ここ水源だということで、すぐ埋めるようですが、そのコース、それから45号線から野田村さんの下安家地区、これから安家渓流を上るコース、これは道路が道幅狭いのですが、でもこれはすごい景観です。私は奥入瀬渓流よりすごいよとみんなに言っているのですが、この景観はすごいです。そういうようなことで、各市町村さんと連携をとって、やはりコースをつなげておく、これをやっておかなければ、それぞれの市町村だけでやっていては長く続かないのかなと。
 それからもう一つ、大きな問題として、滞在時間を延ばしてもらわないと経済効果がないということです。大体1時間とか何かでぱっと行ってしまうと何にも残りません。ですから、1時間を3時間に延ばすにはどのようにするか、これがガイドのこれからの課題だと思います。
 それから、先ほど話があったようにいかにして本当の真からの真心込めたガイド、裏のないおもてなしということが強く私はそこを強調したいのですが、そういうことが大事だと思います。
 それから、もう一つ、3点目ですが、今日は知事さんもお越しいただいて県の方々もいろいろ来ていただいているのですが、岩泉町から久慈にかけて石灰岩地帯がずっと続いているのです。ここで岩泉町の安家の江川というところに1,000メートルクラスのところに北上山系開発で牧場をつくったのです、放牧地を。ここから見る景色が西側に農道があるのですが、そこから見て東側を見ますと石灰岩特有のカルストがある。それの奥に太平洋がバックにあります。野田さんの久喜浜から南は宮古市の田老まで一望できます、すぱっと。これは素晴らしいポイントなのですが、最近、木が若干伸びてきて視野が狭くなってきた。こんなことを県の方に言っては失礼かもしれませんが、木の価値とすれば、私から見て大したいい木ではないのですよ。風が強いところだからこんな木なのです。そこのところ二、三十メートルすぱっと切ってもらえればまさに百景、そこで百景見られると思うのです。昼間だけでない、夜に行ってみても秋の漁火、あれが全面的に見えます。車は37人乗りのマイクロであれば楽に入っていけます。大型バスはちょっと無理なのですが、すごくいい絶景のポイントです。ここでしょっちゅう、私は行ってコーヒーを飲んでいます。ここで飲むコーヒーは、龍泉洞の水がさらに価値が高くなってきております。ぜひ時間があったら知事さんとそこでコーヒーを飲みたいなという希望がございます。
 以上でございます。何とかそこの部分を伐採していただければ素晴らしいポイントが出ると思います。

木村室長
 ありがとうございました。
 では、武井様お願いします。

武井俊樹
 素晴らしいスピーチの後なので大変恐縮ですが。私は、ジオパークとかやっていくに当たって、田野畑でのこれまでの実績は恥ずかしながら、ジオパークガイドというのをやってはおりますが、実際に来ていらっしゃるお客様は月に一組、二組、三組ぐらいのレベルでほんのちょっとしかまだ来ておりません。
 いずれ何をやるにしても結局地元の意識醸成が大事なのかなと思っています。というのは、実際に例えば田野畑村の人でもほとんど北山崎に行ったことがないという方も、小学生の体験で初めて行ったという方もいますし、村内に住んでいる大人の方でもすぐお隣の龍泉洞に行ったことがないという方は結構いらっしゃいます。
 村内の近隣のジオすら知らなくて、もちろんそれこそ久慈、宮古、もっと離れたところのは多分全然、ご存じない方が多いと思いますので、大人対象であれば例えば三陸縦断のジオ視察ツアーみたいなものとか、子供であればジオ体験キャンプみたいなもの、あるいは県の方でやっていただいているキッズジオマスターですか、クイズ大会みたいなものとか、あとは始まってはおりますけれども、授業の中でジオのガイドを取り入れてもらって、それをもっと増やしてもらって子供がガイドできるような仕組みとか、そんな地元の人が、人の意識を上げる取組が多くあればいいのかなと思いました。まず、それはガイド養成の部分なのですけれども、ガイドが仮にたくさんできたところで活動の場がないと知識も忘れてしまいますし、だんだんモチベーションも下がってしまうと思いますので、今度は売り方の方の問題になってくると思うのですけれども、その売り方が多分難しくて、ジオの先進地というところを何か所か見たりしたのですけれども、そんなにジオ自体が観光振興という意味で経済振興になっているかというと、そんなことないような気がするのです、正直なところ。例えば道路ができたりとか、箱物ができたりとか、そういう意味でも経済振興でありますけれども、地域振興は観光だけではないというのはわかるのですけれども、観光客誘致に関しては何らかの営業の方法が必要で、例えばディズニーランドだったり、あるいは商業施設、イオンとかだったら、それができるだけで人がまず来るのでしょうけれども、ジオパークに関して同じことが言えるかというと、ちょっと考えにくいので、人を呼び込む仕組みが必要かなと思います。それらの方法論とか、アイデアですとか、その辺も含めて地元の方の意識を高めていくことが初めなのかなと。そして、将来継続していくためにも必要かなと思っております。
 以上です。

木村室長
 ありがとうございました。
 では、知事からお願いいたします。

達増知事
 木が邪魔というのはあちこちにある話なのですけれども、調べてみてどこの木なのか、切れる木なのか、切れるものなら切って……

高橋局長
 どなたの所有でしょうか。

佐々木保美
 調べたら県有林ということで、それで今日発言させていただきました。

達増知事
 もうわかっているんだ。であれば、まずちょっと林業側の事情も聞きつつも、そんなにすごいのは大勢の人に見てほしいですからね。
 あと広域の連携ですね、市町村を越えた北部と中部を越えたそういう連携というのは、今どんなあんばいになっているのかちょっと紹介してもらいましょうか、市町村を越えてとか、北部、中部越えてとか。

宮野副部長
 去年、三陸ジオパーク推進協議会の取組ということで、ジオガイドの養成ですね、これにまず力を入れているということがあります。様々な研修の機会を設けたり、あるいは実際に実践の場ということで、例えば昨年度はモニターツアーを開催し、本日御出席の北田さんにもガイドとして参加していただいたといったようなことがあります。そういう中で、各市町村のガイドをできる人、あるいは広域的にガイドできる人、両方の視点から養成は進めておりますけれども、先ほどお話しいただいたとおり、ここまではやるから、ここからお願いねみたいな、そういった隣町、市町村との連携といいますか、そういった仕組みは非常に大事かと思いますので、そこを今後さらに力を入れて取り組んでいきたいというふうに思います。

達増知事
 そういえばジオパーク関係者に集まっていただいて、こういう県政懇談会をやったときも釜石、遠野の連携があるといいと、遠野から釜石に入ってくるようなときにうまく連携ができればというような話があって、やっぱりそこは大事なところだと思います。
 田野畑村は、この北山崎鵜ノ巣断崖というのは非常にいいものなので、多くの人に見ていただきたいところで、今は行くのに不便なところも魅力みたいな感じで売っているわけでありますけれども、遊びとか、体験とか、活動の中でそういうところを歩く面白さとか、いろいろ浜でやる活動と組み合わせたりとか、そういう工夫を田野畑においてはされているので、その方向性はすごくいいのではないかなと思いますので、ぜひその調子でやっていっていただくといいと思います。

木村室長
 ありがとうございました。
 皆様方から一通り御意見をお伺いしたところでございます。これまでの全体を通しての何か御感想ですとか、今回の今日のテーマに、ジオパークに関わらなくても結構でございますので、何かこの際というのもあれですけれども、何かお話ししたいことがあればお願いいたします。
 どうぞ。

佐々木保美
 今、岩泉町で南部牛追唄全国大会を始めて29年、昨年でなって、来年30回目なのですが、あの唄で、今、過疎、過疎という言葉がいろいろの部分、分野で話されて、まさしくあの時代に過疎をどうするかという文言が南部牛追唄に含まれていると思うのです。南部の国は西も東も金の山だという一番、それから今度来るときは深山のナギの葉を持ってきてくれというのです。ナギの葉というのは、あれは神木で縁結びの木だというのです。仲人さんが使う木だと思うのです。それを牛方に託しているのです。それ持ってきて、そこで縁結びだと思うのです。今はとかく本人次第ということでそういう出会いをつくる方がいない。先人というのはそういうふうにして縁結びして人を増やしていったというのがあの唄の一句でないかなと私は感じております。今は文化が進んで、非常に楽な時代になっていますが、昔は情報は何にも入らなかったと思うのです。南部の殿様のところに牛を追っていって、そこからいろいろの情報を得てきたり、そういう縁結びの木を持ってきてほしいというのがあの歌詞ではないかなと私は最近考えております。こういうのもここの住んでいる人の知識というか、いろいろな体験でこういう唄ができたと思います。そういうのを最近感じております。

木村室長
 ありがとうございました。
 他に何かありますしょうか。よろしいですか、何でも本当に、せっかく知事も来ていますし、局長とかにでもよろしいですけれども。
 どうぞ。

阿部俊夫
 先ほど市町村のつながりの話が出ましたが、洋野町はなかなかインパクトが薄いというか、久慈の琥珀とか、そういったぱっとメインになるものがないので、ウニはあるのですが、季節ものなのでね。それで、やはり洋野町はこの前全国研修会で来られたときには種差から久慈に行く間で洋野町に寄ってもらったのですが、そういった意味ではさっき出たように八戸、洋野、久慈とかというつながりの中でぜひ洋野町をまた引き継いで取り上げていただければ大変良いかなと思います。私どもの力でできるだけいろいろな見どころを開発しながらインパクトを高める努力はしていきますけれども、そういった市町村を移動する流れというものもまたつくっていただければ大変良いかなと思いましたので、よろしくお願いいたします。

木村室長
 ありがとうございます。
 その他何かございますか。
 はい。

梶田民夫
 付け足しみたいで恐縮なのですけれども、野田村の十府ヶ浦というのがあるのですけれども、そこの米田浜に津波の堆積物の地層が見られます。これは最近、北海道大学の平川先生により調査発見されたもので、学術的にも貴重な遺産でもあると思います。今から2000年前の津波堆積物の層序が歴然として確認できるものです。今後、県・国の天然記念物指定もあるのかと期待しています。そうなれば新たなジオポイントとしても認知されるのではないでしょうか。また保存管理につきましても関係機関と協議させていただきたいと思っています。

木村室長
 ありがとうございます。
 他に何かございますでしょうか。
 何かありますか、副部長。

宮野副部長
 先ほど阿部さんの方から、今後、いろんな案内板、解説板を整備していきたいというお話がございました。昨年度は県の方で8か所でしたかね、案内板、解説板を直接整備して、今年度からはそれを助成事業ということで整備を広く推進していこうということにしておりますので、活用いただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

知事所感

木村室長
 では、最後に知事の方から所感をお願いします。

達増知事
 今日はそれぞれの地域でジオパークに関連する取組をされている皆さんのお話を伺って、大変頼もしいなというふうに思いました。また、改めて岩手にはとってもいい地域資源が津々浦々にあるのだなと、山の奥にもあるのだなということを実感しましたので、県としてもそれを県民の皆さんに知っていただき、また県外にばんばん発信していきたいと思いますので、みんなで頑張りましょう。今日はどうもありがとうございました。

木村室長
 ありがとうございました。

閉会

木村室長
 それでは、本日は本当にさまざまなお話を伺うことができました。本当にありがとうございました。これをもちまして、県政懇談会「がんばろう!岩手」意見交換会を終了いたします。

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