「がんばろう!岩手」意見交換会(平成27年12月16日 二戸地区)

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ページ番号1000850  更新日 平成31年2月21日

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日時
平成27年12月16日(水曜日)10時30分から11時45分

場所
二戸市シビックセンター 2階 カルチャールーム

懇談テーマ
「若者が住みたい地域づくり」

出席者

  • 参加者(敬称略)
    永井 尚子(二戸市観光協会 コーディネーター)
    馬場 淳(園芸農家)
    福原 直樹(仮認定NPO法人カシオペア市民情報ネットワークパーソナリティ)
    工藤 昌也(曹洞宗實相寺住職)
    久保 裕美(株式会社エフエム岩手九戸支局パーソナリティ)
    中村 靖子(子育てサークル「いっち にの さん」代表)
  • 県側
    知事、県北広域振興局副局長、秘書広報室長

開会

木村室長
 おはようございます。それでは、ただいまから県政懇談会「がんばろう!岩手」意見交換会を開催いたします。
 御出席いただきました皆様には、お忙しいところ出席いただきまして本当にありがとうございます。本日は、「若者が住みたい地域づくり」をテーマに、二戸地域でお仕事や地域活動など様々な分野で地域の振興に取り組まれている方々にお集まりいただいております。
 私は、本日の進行役を務めさせていただきます県庁秘書広報室長の木村と申します。よろしくお願いいたします。

知事あいさつ

写真:懇談会の様子1


木村室長
 それでは、開会に当たりまして達増知事から御挨拶を申し上げます。

達増知事
 皆さん、おはようございます。県政懇談会は昔からあったのですが、東日本大震災から県政懇談会「がんばろう!岩手」意見交換会という名前になりました。震災対応や復興が主なテーマとなり、昨年度から始まった第2期復興期間を本格復興期間と呼んでいて、その中では若者、女性の参画というのが復興の大きなテーマでもあり、また、それは復興以外の県政全般に関しても若者、女性活躍支援をやっていこうと昨年度から県としても力を入れておりまして、そういうテーマも入ってきています。
 また、今年からは地方創生関係のふるさと振興、地域振興というのも復興の延長といいますか、被災地においては「復興=地方創生」というところがあるので、被災地以外の岩手県においてもふるさとを消滅させないための地域振興がテーマになっておりまして、今日は「若者が住みたい地域づくり」ということで、若者、女性活躍支援と地域振興の2つを合わせたテーマになっています。県政にとって非常に大事なテーマでありますので、今日伺った御意見を県政に反映させていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

木村室長
 本日の懇談会の進め方についてでございますが、この後、私から出席者の方々の御紹介をさせていただいて、御意見や御提言をいただくという形で進めさせていただきます。最後に、自由懇談ということで、今日のテーマに限らず御発言をいただく時間を設けたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、本日御出席の皆様を御紹介いたします。
 二戸市観光協会コーディネーターの永井尚子様です。

永井尚子
 よろしくお願いいたします。

木村室長
 園芸農家の馬場淳様です。

馬場淳
 よろしくお願いします。

木村室長
 仮認定NPO法人カシオペア市民情報ネットワークパーソナリティーの福原直樹様です。

福原直樹
 よろしくお願いします。

木村室長
 曹洞宗實相寺住職、工藤昌也様です。

工藤昌也
 よろしくお願いいたします。

木村室長
 株式会社エフエム岩手九戸支局パーソナリティー、久保裕美様です。

久保裕美
 よろしくお願いします。

木村室長
 子育てサークル「いっち にの さん」代表の中村靖子様です。

中村靖子
 よろしくお願いします。

木村室長
 県からは達増知事、それから県北広域振興局の玉懸副局長でございます。
 なお、本日は、議会から五日市王議員、工藤誠議員にもお越しいただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
 先ほど、皆様のお手元にお菓子が配られました。召し上がりながら御懇談いただければと思います。お菓子について少し説明をさせていただきます。

玉懸副局長
 これは、うるりん棒というリンゴのパイでございます。さきほど皆さんお話ししていたようですけれども、浄法寺塗で有名な漆の蜂蜜と当地名産のリンゴで構成しております。二戸地域の4市町で二戸地域雇用創造協議会という場を設けておりまして、こちらで地域産品を生かしたモデル商品の開発などをやっておりまして、このお菓子は平成26年度に作成したモデル品を二戸市内のお菓子屋さんの相馬屋さんで商品化したものでございます。新たな二戸の名物として、現在、二戸駅の「なにゃーと」で販売しておりまして、非常に好評と聞いておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

木村室長
 適宜、召し上がりながら御懇談いただければと思います。

懇談

写真:懇談会の様子2


木村室長
 それでは、懇談に入らせていただきます。
 まず、自己紹介をお願いしたいと思います。お一人様一、二分程度でお願いいたします。お話しする順番は、先ほど御紹介したとおり、永井さんからお願いします。

永井尚子
 二戸市観光協会に勤務しております永井と申します。私は、二戸市福岡に住んでいます。私は、2012年の11月に地域おこし協力隊として着任いたしまして、今年の3月までの任期の間は地域おこし協力隊として活動していたのですが、4月より二戸市観光協会で勤務しております。そのときからずっと継続して私が取り組んできましたことが、二戸市の歴史や民俗文化、食産業などを地域の資源として生かして、それを観光商品にしようということで、地元の第三セクターのIGRいわて銀河鉄道さんの観光部門と連携して、日帰りのツアーをつくったりしています。これを地域おこし協力隊のときから、企画や当日のコーディネート、それに付随する情報発信業務、そういうものを行っております。外部目線を生かして、地域のよいものを地域外の方々にきちんと正しくその魅力が伝わるようにということを心がけて仕事をしております。どうぞよろしくお願いします。

木村室長
 ありがとうございます。
 それでは、馬場さん、よろしくお願いします。

馬場淳
 二戸市浄法寺町で農業をしております馬場園芸の馬場と申します。うちでは、夏は花卉、スプレーマム、冬は野菜ということでホウレンソウとアスパラを栽培しております。現在、就農6年目です。今、家業から企業にということで、日々奮闘しております。趣味はアウトドアで、夏はフライフィッシングに、冬はスノーボードという感じで、地元岩手の自然を満喫しております。よろしくお願いします。

木村室長
 ありがとうございます。
 それでは、福原さん、よろしくお願いします。

福原直樹
 地元のコミュニティFM局のカシオペアFMに勤めております福原直樹と申します。パーソナリティの他にも営業や司会もしております。今回、県からカシオペア若者交流事業の事務局もさせていただきました。そのほかにもいろいろ県にはお世話になっております。今回カシオペア若者交流事業の中で「マーベキュー」というものを開催したのですが、その「マーベキュー」を簡単に御説明しますと、二戸市の馬淵川でバーベキューをする、それで「マーベキュー」という名前をつけさせていただきました。この「マーベキュー」は、若い人たちが気軽に交流できるようなイベントを考えようと今回交流事業のメンバーの皆さんで考えて企画、実施したものでした。他にも、先日、にのへえき感謝祭の中で、「にのへマルシェ」というものを開催しまして、また第3弾もこれから考えていこうとしております。他に、二戸市民文士劇の「天を衝く」にも出させていただきました。そして、カシオペア青年会議所にも所属しておりまして、地域を少しでもよくするために活動しております。よろしくお願いします。

木村室長
 ありがとうございます。
 工藤さん、よろしくお願いします。

工藤昌也
 私、軽米町に住んでおります工藤昌也と申します。軽米町小軽米の曹洞宗實相寺というお寺で住職を務めさせていただいております。仕事としては、葬儀、年回忌などを行っておりますが、他にお寺の護持、運営ということで、掃除、後は会計、接客などもろもろ行っております。また、お寺では盆踊りや落語会なども行っております。そして、修行中の恩師に、「お勤めだけではなく、座禅や日々の行いもしっかりと行いなさい。」と言われましたので、日々の行いはしっかりできているかどうかは何とも言えませんが、座禅は曹洞宗の根本でもあるので、皆さんに広めたい、知ってもらいたいということで行っていたのですが、今回、「山・川・ゆたかカシオペア体験交流くらぶ」の親子体験という話を聞いて、すばらしいきっかけだということで、私も二戸市のヨガのインストクターの柴田さんとともに、座禅・ヨガ体験を行わせていただいております。どうぞよろしくお願いいたします。

木村室長
 ありがとうございます。
 それでは、久保さん、お願いします。

久保裕美
 私は、株式会社エフエム岩手九戸支局の久保裕美と申します。私は、一戸町出身なのですが、現在、九戸村に勤務しております。番組としては、毎週水曜、お昼12時からの「ふるさと元気隊 政実くのへFM」というラジオ番組を放送しておりまして、実は、今日もこの後、放送がありますので、そちらにも出演いたします。
 このエフエム岩手九戸支局は、昨年7月に開局いたしまして、約1年半が経ちました。ふるさと元気隊としては11番目で一番最後に開局した支局になります。このふるさと元気隊というのは、雇用創出事業の基金を活用して、ふるさとの魅力、そして元気のよさをお伝えする情報番組として5年前から始まりました。そのふるさと元気隊のもつ使命や必要性にとても感銘を受けて、今の仕事をやってみたいと思いました。その末っ子でもある九戸支局で、私はラジオのパーソナリティを務めさせていただいておりますが、九戸村のことをもっと知りたいと思い、今は各イベント、今年ですと九戸まつりの流し踊りに参加したり、歳末チャリティー演芸会の演芸に参加したり、後はパラグライダーにも実際挑戦してみたりと、九戸村の宝を生かした様々なものに挑戦しております。やりがいのある楽しい仕事をしております。どうぞよろしくお願いします。

木村室長
 ありがとうございます。
 それでは、中村さん、お願いします。

中村靖子
 一戸から参りました中村靖子と申します。今日は、子育てサークル「いっち にの さん」の代表ということで声をかけてもらったのですが、このサークル自体は昨年の夏に立ち上げました。今まで子育てサークルは地域にあったのですが、子どもさんが大きくなるにつれて終わってしまうというので長続きせず、ちょうど私たちがいるところにはサークルがなかったので、立ち上げる形になりました。そのきっかけになったのが町にある子育て支援センターです。保育園の先生方がやってくださっている支援センターなのですが、一戸のママはもちろん、二戸や九戸からの利用者もいて、すごく充実した施設なのですが、開設日が月曜日、水曜日、金曜日というように週3日なので、「お休みの火曜日や木曜日、普段、おうちでどのようなことをしているの。」というママたちのお話から、「では料理が得意なママと料理教室をやろう。」とか、「ヨガをやってみたいな。」とか、「普段一人ではできないことをみんなで集まったら何かできるのではないか。」という声がちょうど出てきまして、そのときに役場のまちづくり課の方と情報交換する機会もありまして、一戸町社会福祉協議会で「ふれあい・いきいきサロン事業」というものがあるので、それを活用してサークルを立ち上げないかと後押ししてくださったので、それをきっかけに昨年の夏、サークルを立ち上げました。
 月2回ほどの集まりですが、町の文化センターを借りて活動しております。ただ集まっておしゃべりするだけでも、ママたちのリフレッシュになるのですが、お料理教室やヨガもやっていますし、今年は、子育てしていると手づくりをする時間ってなかなかとれないのですが、ママ同士で羊毛を使った手づくりやスクラップブッキングという写真をかわいらしくアレンジするクラフトアート、消防士さんにお願いして救急法を学んだりとか、ママたちのニーズを聞きながらやる内容を決めて活動しているところです。お仕事をしているお母さん方からは、遊んでいるように思われがちとも思うのですが、「子育てを楽しくやっているのだよ。」と、子どもといる時間を充実させたい思いで、サークル活動をしております。今日はこういう場をいただきましたので、ママたちの声をお伝えできたらと思っています。よろしくお願いします。

木村室長
 ありがとうございました。
 それでは、続きましてお一人様三、四分程度、本日のテーマであります「若者が住みたい地域づくり」につきまして、取り組んでいる状況や課題、これから期待すること、方向性みたいなことについていろいろお話を伺えればと思います。
 先ほどの順番でお二人ずつお話をいただいた後に、知事からお聞きしたいことなど、コメントをするというような形で進めさせていただきます。玉懸副局長や私から説明することもあろうかと思いますが、予め御了承いただきたいと思います。
 それでは、また永井さんからお願いいたします

永井尚子
 「若者が住みたい地域づくり」ということで、私はそんなに言うほど若者でもないので参考になるかということなのですが、若者が住んでいておもしろい地域が若者が住みたい地域ということなのだろうというようにざっくり思ったわけですが、では若者の好みに合わせて地域を変えていけばいいのかというと、そういうことでもないのかなというように私は思っています。
 私は、地域おこし協力隊というお仕事を通して、いろいろな地域で活躍している方々の事例やそういう方のソーシャルビジネスの事例、新しい発想を持ってやっている方のこともたくさん勉強する機会がありまして、そういう中で感じたのが、皆さんが好きなことを仕事にしたり、そこの地域で活躍されていて、地域を引っ張っていっている方というのは内発的にそういう気持ちが湧いて、主体的に動いているということだと思うのです。ここにいてすごくもやもやとすることがあるのは、誰かがやってくれるだろうとか、誰かにやってほしいと考えている方が結構多いように感じます。やっぱり活力が生まれてきている地域というのは、そういう自分が何かをしなくては、自分たちで地域をつくるのだというように意識が変わっていっている地域がほとんどですので、そういうものをこの地域で生んでいかなくてはならないなというように思うのですが、ただただ自然発生的に生まれるかというとそういうことではないと思っていまして、やはり人との交流の中で意識が変わっていったりということが生まれると思います。外にも中にもなのですけれども、まだまだ交流というものがすごく足りていないというように思っていまして、外からの刺激、あとはそれを中でもんで、それをみんなでお互いに刺激し合うという、何かそういうコミュニティをつくれたらというように思っています。
 私が移住者として、後は地域おこしに携わりながらいろんな情報を持ったりしていった中で、自分ができる役割というのは、そういう外とのつなぎ役ですとか、外の情報を中にどれだけそしゃくして皆さんにお伝えするとか、そういう工夫とか仕掛けづくりを日々の生活の中で、特別何か大きなイベントをばんと打ってどうこうするということではなく、日々の暮らしの中で身近な人たちに伝えていくとか、そういうことをやっていくことがベースなのかなというように私は思っています。
 ということで、ちょっともやっとした話ですけれども、やっぱり一人一人に役割があると思うので、全てこの人は何でもできるということではないと思うので、いろんな人が関わる中で生かし合いながら、そういうお互いを生かし合えるコミュニティをつくるというのが住みたい地域づくりの一番最初のステップかなというように思っております。
 以上です。

木村室長
 ありがとうございました。
 では、馬場さん、お願いします。

馬場淳
 私の意見としては、どの地域にも言えることだとは思うのですが、若者が自分のまちに定着せずに都市部へと流れていってしまう原因というのは、やっぱり雇用の場が少ないということだと思うのですが、ただ雇用する場というのではなくて、地域で家族が幸せに暮らしていけるということと、あとやりがいを持って、それを生きがいとして取り組める仕事というのが必要なのではないのかと私は思っております。
 今、自分がいる環境というのも見てみると、みんな本当にそういうように仕事にやりがいを持って働けているか、年の近い友達に聞いたりすると、そこまで追求できていないのかなと思いました。やっぱりそういう企業をつくるというのは、経営者の責任でもあると思うので、地域にある中小企業個々がそういうような意識を持って取り組んでいくことが積み重なれば、雇用の場の創出、地域に若者が定着してくるのではないかと私は思います。
 以上です。

木村室長
 ありがとうございました。
 では、知事、お願いいたします。

達増知事
 県でも地方創生に関してはいろいろ研究をしていて、少し前にも新潟県中越地震で山古志村というところが被害を受け、10年ぐらい経つのですが、ずっとそこにボランティアで入っている人を呼んでいろいろ話を聞いたのですが、山古志村の中には90世帯くらいあったのが、地震の後、10年で60世帯から30世帯ぐらいに減ってしまった集落があるのだけれども、地震の後のボランティアで入っていた人たちが今でもしょっちゅう来るし、また、いろんな新しい農産物をつくるといいとか、それを都会の方に売る手伝いをするとか、それで人のにぎわいからすると震災前とあまり変わらないような状態になっていると。住民票では地元を離れた人も、時々戻ってきたりはしているので、人のにぎわいとしては全然消滅に向かっている感じがしないと言うのです。小さい子どもも結構いたり、赤ちゃんも新しく生まれたりしているということで、全然消滅する感じがしないと。
 地方創生は、やはり市町村の中のさらに集落単位でかちっと集落を維持していくという感覚でやらないとだめなのかなと。西日本の方の例だと1%理論というのがあって、集落の人口の1%の移住、定住者がいれば、集落は維持されるという理論があって、七、八百人くらいの集落であれば、毎年7、8人の移住、家族で移住してくれば2、3世帯とか、そのくらいあれば人口が定常状態、つまり横ばいになって、その中で年齢バランスもとれてくるという。その七、八百人規模の集落が毎年7、8人移住、定住してもらうというのはそう簡単ではないのですが、Uターンでもいいから、残っている若い人が同級生に電話をして、「そろそろ戻ってこないか。」とか、そういう営業活動みたいなことをして人口を維持しようというような努力もしていて、誰かがやってくれるとかではなく、やっぱり自分がやるみたいなことが必要という話が、永井さんからあったのですが、市町村という行政単位は市町村という行政単位でいろいろやるし、また県は県でやるのですが、やっぱり集落も頑張らないとうまくいかないというところがあるので、そういう集落でその気になってもらい、また頑張る集落を応援するようなことを市町村、県が協力しながらやっていかなければならないのではないかと最近思っているのです。
 集落を維持していくに当たって、農業というのは非常に大事な要素で、二戸地区は果樹、園芸は非常にいいものができて、また定評、評判があるので、その辺はうまくやれば、フライフィッシュをやったり、スノボをやったり、そういう余暇活動も楽しみながら農業を営むことができるわけですね。

馬場淳
 はい。

達増知事
 そういうものを増やしていくような工夫をみんなでやっていくことが大事と思いました。

木村室長
 ありがとうございました。
 それでは、続きまして福原さんからお願いします。

福原直樹
 今回、「若者が住みたい地域づくり」ということで、僕の中で3つ考えたことがあったので、お話しさせていただきたいと思います。
 二戸の人口というのは、18歳から22歳までの若い人口が極端に減っているという背景がありまして、その理由として短大、大学、専門学校など学んだり活動する場がないのが一つの要因ではないかと考えています。地元の高校生や地元出身の大学生、短大生、専門学校生を集めて、若い人たちが主体となったイベントを考えてみるのが一つ、おもしろいのではないかと思っています。
 そういう若い人たちの心をつかむためにどういうイベントをしたらいいのかと考えたのですが、僕は二戸でロックフェスをしたいです。そのイベントをすることで、若い人たちが地域を愛して、自分の地元でこういう楽しいイベントがあるんだよとか、そういう少しでも若い人たちが戻ってくるような取組ができたらいいなと思っています。
 次に、カシオペア青年会議所でも活動させていただいているのですけれども、その活動している中で、先日、久慈で事業がありまして、その際に女性で構成されている「北三陸じぇし会」の方とお話しさせていただく機会がありまして、その際に非常にお話が盛り上がって、「久慈と二戸、隔たりを越えてそういう交流があればまたおもしろいですね。」という話がありまして、確かに無意識に地域を越えた活動というのはなかなかされていないのではないかと思っていまして、二戸、久慈だけではなくて、一戸、軽米、九戸、また県をまたいで八戸や田子など、そういうところと連携して地域を盛り上げていく事業をしてもおもしろいのではないかと思っています。
 最後に、私、形なりにもパーソナリティをしていまして、言葉というのは一文字違うだけで意味ががらっと変わってくることを学ばせていただきまして、例えば「楽しまれている」とか、「怒られている」、「笑われている」とか、「聞かれている」というのは、相手側の感情に優先されているという、つまり受動的な感情で、そうではなくて、「楽しませている」、「怒らせている」、「笑わせている」、あと「聞かせている」という、この言葉というのは自分から意図的に発信したことで相手を動かしている。これはつまり自分の前向きな行動で動かす取組が重要なのではないかと考えていまして、率先して相手を動かすような感情を二戸の人たちに持ってほしいと思っています。
 今回若者交流事業の事務局を務めさせていただきまして、そういうところをいろいろと勉強させていただきました。今回の交流事業の中で、一人ではなかなか難しいところも、たくさんのメンバーが集まれば達成できたことがありまして、一人だけではなくて仲間が加わって、そういう事業をすることでまたすばらしい事業だったり、イベントだったりできるのではないかと思っています。
 この3点です。以上です。

木村室長
 ありがとうございました。
 では、工藤さん、お願いします。

工藤昌也
 「若者が住みたい地域」ということで、住みたくても住めない方がいたりするということで、一番は仕事、雇用がないことなのかなと思います。やはり仕事、雇用の場が増えればと思いますし、今、福原さんが言いましたが、短大や大学などで一旦、別のところに仕事で行ったりする方に目を向けるのがいいのかなと思います。今、聞いていて、私もロック好きなので、ロックフェスもいいなと思ったりして。実際、都合がつけば八戸や盛岡に行ったりもするので、そういう何か集まるようなイベントをきっかけに帰ってきたいなと思ってもらえれば一番いいのかなと思います。
 私、結婚して子どもが2人いますが、結婚する前と結婚して子どもができてから、休みの日に行く場所とか内容が少し変わってきたと思うのですが、今は買い物をして、その後は外だったり中で子どもと遊んで、お弁当なりをどこかで食べて、その後眠くもなるし、疲れて、そろそろ帰るかなということで、午後には帰るというようなことで、買い物、そして遊ぶ、御飯を食べると。大きい店舗がありますが、大体今話した3つが一つの場所で済ませられるような場所があるとすごくいいなと思うわけで、個人的に産直などが好きなので、後は子どもは子どもで遊べて、親は親で休んだり、一緒に遊ぶのももちろんですが、そういうところもあればすごくいいと思いながら、実際、八戸だったり、あと九戸などでも産直に行って、公園に行ってお弁当を食べて帰ってくるとか、そういうことをやっているので、本当に二戸地域で回って遊んだり食べたりとかということもいいなと思いますし、やはり地域でそういうのがあればいいと思います。

木村室長
 ありがとうございました。
 では、知事からお願いいたします。

達増知事
 ロックフェスは、いいのではないですか。盛岡の「いしがきミュージックフェスティバル」はすごく評判になっているし、あとは種山高原でやっている「KESEN ROCK FESTIVAL」も盛岡ほど大勢が集まるわけではないけれども、知る人ぞ知るで、リピーターもいて、地元も熱くなるし、また遠く離れたところにリピーターの人ができたりして。
 復興の公式というものを復興の仕事をしていて気がついたというか、発見したのですが、「地元の底力+様々なつながりの力=復興の力」。これは地域振興の力もそうで、地域振興の公式と言ってもいいと思うのですが、いずれ「地元の底力+様々なつながりの力」ですよね。どっちかだけだとうまくいかない。あれだけの大震災からの復興みたいな巨大な取組は、地元の底力だけでは足りなくて、様々なつながりの力が要るのだけれども、様々なつながりの力、そういう県外、地域外の力だけではやっぱり進まないので、地元の底力がないとだめ。地元の底力は、今までやったことがないようなこともやるとか、今までできなかったことができるようになるというような意味で底力が引き出されて、新しい力が地元からも湧いてくる必要があるし、また、今まで来なかったような人が来るとか、今までやったことがないようなことを外の人たちと一緒にやるみたいな。
 私が知事になってすぐ、「元気なコミュニティ100選」という事業を県でスタートし、集落単位でうまくやっているところを選んで、県のホームページに載せたりしていた。今もやっているのですが、やっぱりうまくいっている集落は外とのつながりが太いということがあり、特に都会とのつながりですね。盛岡とのつながりでもいいし、あと東京など、もっと大きい都会とのつながりでもいいのだけれども、何かお祭りをやれば必ずそういうところからリピーターが来るとか、イベントの企画自体を盛岡や、あるいはふるさとを離れ東京に行っている人が戻ってきて、そのイベントの企画をやるとか。今、地方創生で日本全体で一番人気がある隠岐の島の海士町も、そういう海士町ファンの人たちが全国にいて、何かお祭りをやったりイベントをやったりすると、そういう人たちも集まってくるというところがポイントなので、ロックフェスはそういう突破口にいいのではないかと思います。
 そして、産直の話で思い出したのですけれども、今、国が補正予算でTPP対策の一環として産直で英語表示とか中国語表示、外国語表示をするのに補助金を出すという補正予算を今、考えているという話で、三沢のアメリカ人、あと函館まで新幹線がつながるのですけれども、それで2カ月ほど前に「北海道・北東北知事サミット」という、北海道と青森、秋田、岩手の知事が一堂に集まるサミットを毎年持ち回りでやっていて、今年、函館でやった際、函館の人に聞いたのですけれども、去年外国人観光客数が35万人で、今年は50万人いくだろうと。岩手は全体で7、8万人ぐらいしか外国人観光客はおらず、宮城県ですら10万人ぐらいしか外国人観光客はいないので、東北全体の外国人観光客数ぐらいを函館だけで稼いでいるわけです。今年は50万人いくだろうと。北海道全体として、日本に来る外国人観光客のうちのかなりを北海道が受けているという、北海道全体で、外国人観光客は多いのですが、函館に来る外国人観光客50万人の1%、5,000人でも岩手に来てもらえば、5,000人が増えるというのは結構な増大になるので、北海道新幹線に私が一番期待しているのは、函館に来る外国人観光客が「北海道だけではもったいない、本州の方にも行ってみよう、あと青函トンネルというのを通ってみよう。」と思って、それで新青森で降りるのか、八戸で降りるのか、二戸で降りるのかという、そういう勝負になってくるのですが、1%ぐらいでも二戸で降りてもらうと、かなり外国人観光客を増やすことになるので、いろんな仕事もそこでできるのではないかと思います。函館に攻めていくというのもありかもしれませんね。函館にそういう受入事務所を立ち上げて、函館に来る外国人のうちの1%でも二戸地域に連れて来させるみたいなビジネスというのは結構いけるかもしれません。
 昔、奥州平泉が滅びた後、奥州平泉関係者は北に逃れて、秋田、青森のあたりで安東氏という大名になりまして、安東氏と南部氏はすごいライバル関係で、馬の南部、船の安東で、南部氏は全国最高の馬の生産で、それを朝廷や幕府に献上し、安東氏は北海道や、さらに北の物産をばんばん入手して、それを朝廷や幕府に献上し、北の豊かさの競争をしていたというような記録が朝廷や幕府に残っていて、実は北東北はすごく豊かだったそうです。馬産地という、地域資源が豊富だったこともあるし、あと北海道に近いというのがすごい利点で、それで豊かな物産を輸入して、それを中央の方に売ったり献上したりしていたという歴史もあって、北海道新幹線をきっかけに、そういう歴史をまた思い出して、新しい突破口が開けるのではないかと考えています。

木村室長
 ありがとうございました。それでは、次に久保様。

久保裕美
 九戸村の現状なのですけれども、九戸村は県内はもちろん県外でもあまり知られていないというところが現状です。ドラマの「あまちゃん」効果もありまして、2年前からは久慈市へ向かう方が九戸インターチェンジを利用することもあり、少しずつは知られるようになったかなと思うのですが、九戸村に実際どんな人がいて、どんなもの、産業があるかまではあまり知られていません。
 私たちが取材をしていく上で、たくさんのことを知りました。九戸村の方はとても温かい方が多いです。そして、郷土芸能や伝統行事、郷土料理もたくさんありますし、実際、保育料の無料化、高校卒業までの医療費も無料化になっておりまして、子育て支援が結構、充実しているのではないかと思います。若者定住促進住宅など若者が住みやすい居住の提供もしておりますし、村と村民を結ぶ役割を果たす地域サポーターというものもあります。あとは、九戸村の自然や文化、歴史、人に触れる体験学習を通じて、郷土を理解するという学校で学ぶこと以外の課外授業的な活動もしております。そして、農業も盛んです。本当に挙げるときりがないくらい、九戸村には本当にいいところがたくさんあります。
 今年度、九戸村は合併60周年を迎えまして、その記念誌作成に私たちも実際、携わる機会がありました。九戸村にある農業研修施設があるのですが、そちらに関東からいらっしゃっている方がいるのですが、その方にお話を聞いたところ、九戸村はファストフード店とか大型スーパーマーケットも実際ないのですが、それでも何一つ不便ではないと感じると言っていました。唯一挙げるとしたら情報が少ないところ。外からの情報もなかなか入ってこないというところと、村のよさを伝えるすべも少ないというところでした。そして、この農業研修施設というのは関東にはあまりないので、こういう学べる研修施設も実際知人に聞かないと知らなかったので、もっと多くの人に知ってほしいというお話もされていました。知ってもらうためにも、情報を伝えるすべとして、現在のふるさと元気隊の役割は非常に大きいものだと感じています。
 エフエム岩手、このほど10月から「ラジコ」というスマートフォンやパソコンでラジオが聞けるサービスも始めました。それに伴って全国の方にも地域の魅力をお届けできるようになりました。実際、県外の方からもたくさんメッセージをいただいていまして、「岩手県にこういうところがあるのか。」、「九戸村というところがあるんだ。」、「九戸政実という武将もいたのか。」というお声があります。九戸村を実際訪れた県外の方も先日もいらっしゃいました。今までにも県内外のたくさんの方がいらっしゃっています。
 無料サイトのユーストリームというものがありまして、そちらでも動画配信も始めようと思っていまして、今後、九戸村の情報を映像でも伝えられるのではないかと思っております。私たちのふるさと元気隊というのは、コミュニティFMとは違った枠組みでも、地域密着型のラジオ番組で、地域の情報をより細やかにお伝えするという共通点があると思っております。「若者が住みたい地域づくり」に欠かせない情報の架け橋に、私たちはなりたいと思っております。
 それで、実際、九戸村に住んでいる先輩方には、村内だけがこの情報を知っていればいいという方が結構多いのですが、今、村に住んでいる若者は、もっと「九戸村のよさ」、「こういうことがあるのだ」、「もっとこれから発展していくのだ」というところをもっと村外に知ってもらいたいというので、どんどんラジオにも出たいというお話もいただいています。そういう若者のやる気や発想力を発信することで、村に興味を持っていただければ、住みたいと思うのではないかと感じております。
 以上です。

木村室長
 ありがとうございます。それでは、最後に中村さん、お願いします。

中村靖子
 今、皆さんのお話を聞きながら、「つながり」ってすごく大事だなと実感しているところです。私自身もサークルを立ち上げるきっかけになったというか、後押ししてくださったのが、私が前に勤めていた職場の知り合いで保育士さんがいたのですが、わらべうたがすごく得意な方で、子育て中のママたちが集まったところで一緒にわらべうたで楽しい時間を過ごしたいと言ってくださった方が、町外なのですけれどもいらして、「一緒にサークルをサポートするからやろう。」と言ってくださったのです。
 それ以外にも、スクラップブッキングとクラフトアートも、盛岡から先生が来てくださったのですが、それも自分自身の前の職場でのつながりを生かすことができていますし、葛巻から友人が来て羊毛を教えてくれるのですが、彼女も葛巻で自身が子育てサークルをやっている方で、そういう人のつながりが今の活動にすごく生かされているというように思っています。
 ヨガの先生も実は二戸の方で、去年二戸地域で女性限定の「ウィメンズ・カシオペア~明日をつくる女子会~」というのがあったのですが、そこに私は出なかったのですが、サークルのメンバーが2名ほど出まして、二戸地域で情報交換をしたそうです。そこでヨガの先生とつながることができまして、今、私たちのサークルに来てもらっています。
 福原さんが若者交流事業をやられているようですが、そういう若い人たちが情報交換する場というのは本当に貴重だなと。私自身、今ここにいるのもすごくありがたいと思っていまして、ここに来なかったら皆さんの活動や思いなどを聞くことができなかったので、こういう場は大事だと思っています。福原さんの若者交流事業にもぜひ参加したいと思いながら、今お話を聞いていました。
 ママたちと話す中でやはり出てくるのが、妊娠、出産のことで、「若者が住みたい地域=子育てしやすい地域」になると思うのですが、やっぱり妊娠、出産のお話は出てきまして、一戸には産婦人科がありません。二戸病院に通っているか、あとは一戸でも南の奥中山地区の方たちは盛岡の方の病院に行っています。1時間から1時間半かかるところです。二戸市もこの春から個人病院の産婦人科がお産を取りやめるというように聞いています。今でさえ妊婦健診は待ち時間が長いのが当たり前のようなのですが、これからますます妊婦さんの負担が増えるのかなとちょっと心配なところです。
 一戸病院にはもともと婦人科があったと聞いていますので、恐らく設備がそのまま残っているのかなと。お医者さんがいらっしゃらないとできないというのはわかるのですが、助産師外来という形で何とか活用できないのかなと思っています。遠野市で、遠野市助産院ねっと・ゆりかごというのをやられているようなので、それをヒントにして、一戸でもそういうような助産師外来ができると、ママたちがすごく安心して子育てできるのかなと。私には2人の子どもがいるのですが、私自身は青森出身で里帰り出産したのですが、本当に自宅から近いところの病院だったので、産後のケアもすごくしてもらってありがたかったです。お産するまでが産婦人科なのではなくて、出産を終えた後のケアが本当に大事だと感じているところで、一戸でお産したママたちは、そういう環境がないと言っていましたので、ぜひ何か産後のケアというのも大事にしてもらえるとこれからいいのかなと思っています。
 以上です。

木村室長
 ありがとうございました。それでは、知事からお願いします。

達増知事
 そうですね。妊娠、出産対応が子育て支援の原点でありますから、病院の関係は医師不足や、特に産婦人科は今、全国的にも不足気味になっているところがあるのですが、岩手は7年前から岩手医大の学生入学定数を増やし始め、当時に比べると50人増やしていますから、80人だったのが今130人になっていて、増やし始めた効果が来年度から出て、定員を増やすのと同時に県の奨学金をその分増やして、岩手に残るお医者さんを増やす手を7年前に打ったのが来年度から効果が出てきます。
 平成40年というと、はるか先のような感じですが、13年後ですよね。13年後には、厚生労働省の基準からいって岩手の病院に医師数不足なしという状態にまで増える見通しはあるので、その中で二戸エリアの特に周産期医療体制で、また助産師さんの助産師外来とか、そういう手もあるのでしょうから、そういう工夫をしていきたいと思います。
 九戸村は、九戸政実というスーパースターの出身地ですよね。そして、お墓というか、首塚とか、あと神社やお寺はもうあるので、すごくそこはいいのではないかと思います。
 久慈への入り口、「あまちゃん」ワールドへの入り口という役割が2年前から生まれていて、インターチェンジを出てすぐの道の駅もそういう案内ガイド機能があったりしていいのではないかなと思っていました。
 さっき福原さんからも二戸エリアと久慈エリアが一緒になるというのが大事という話があって、県も県北広域振興局という大きい行政単位で、アパレル振興をはじめ産業振興などに取り組んでいるのですが、いろんなモデルがあると思うのですけれども、オーストリア・ハンガリー帝国があって、第1次世界大戦までオーストリア帝国というのがヨーロッパにあるのですけれども、最後はオーストリア・ハンガリー帝国というハンガリーのマジャール貴族たちの勢力が台頭し、オーストリアのハップスブルグ家の貴族たちと同じくらいの力になって、それでそういう対等な2大勢力が組んで1つの帝国をつくるという、なかなか珍しいパターンなのだけれども、二戸と久慈の関係はそうなのだと思います。どっちかが完全に相手の上に立つという関係ではなくて、対等な2つの勢力が連携するような形で大きな1つのまとまりになる。なかなかそういう地域の形というのは例がないのですが、例がないだけにやるとうまくいくのではないかと思います。
 今ぱっと思い出したのは、「宇宙戦艦ヤマト」のガミラスとイスカンダルなのですけれども、連星、双子星みたいな、どっちがガミラスで、どっちがイスカンダルかというか、どっちもいいものでやってもらえばいいのだと思うのです。
 いずれにせよ、そういう不思議な御縁で2つの対等な勢力が岩手、青森の間というか、県境のところに存在しているというのは、これは貴重な存在で、北東北の歴史をつくってきたエリアでもありますから、八戸のあたりも絡んで、そういう大きい連携の枠組みでいろいろとやっていくと、これからいいのではないかというように思います。
 以上です。

木村室長
 ありがとうございました。それでは、皆様方から一通りお伺いをしたところでございますが、言い足りなかったこと、それから本日のテーマに限らず、せっかくの機会でありますので、県政全般、日頃思っていらっしゃること等何でも結構でございますので、御発言いただければと思います。

工藤昌也
 やはり岩手が元気になってくれれば、さらに狭いところで二戸地域が元気になれば、私は軽米町ということで、個々の市町村がやはり頑張らねばということで、お寺で考えてみると、親戚やお孫さんに住んでいるところを聞くと、東京、この前は鹿児島からという方もいたりして、全国からお勤めに来ているので、子どもにはあめや大したものつくれませんがバルーンアート、そういったことで思い出になればとお寺を案内したりしています。
 やはり今おっしゃいましたが、「絆」という字ももちろんいい言葉だとは思うのですが、「縁」という言葉を仏教では使うもので、「縁でお寺に来て、そういうことがあったな。楽しかったな。」と。それで住むということになるわけではないと思うのですが、思い出に残ってくれればということで、軽米町ではお寺として頑張っていくと。
 二戸地域としては、やはり、今おっしゃった北海道新幹線で海外の方とか、あとは八幡平のスキー客、私もスノーボード好きで、今年、出会った馬場さんと行こうと話をしています。スキー客の方々も結構、長い期間いらっしゃるので、スノーボードやスキー以外もやりたいという方がいらっしゃるということで、やはりカシオペアで、カシオペア地域はどの地域もすばらしいことがたくさんあると思いますし、海外の方は旅行先、1位は確か京都の稲荷さんだったかと思いますが、寺社仏閣も東京で座禅会をしていたときも、やはり海外の方が来ることが多かったり、あとは九戸政実、武将も外国の方は大好きでしょうし、この地域でツアーのようなものを組んでカシオペアを回ることができれば、もっと元気になるのではないかと思うので、何とか達増知事にも御協力いただきたいと思います。

木村室長
 その他何か。

馬場淳
 東京と二戸の違いって何だろうと考えたときに、やっぱり農業が一番大きいと思っていて、東京から二戸に来たい人は、農業に魅力を感じて来る人も中にはいるのではないかと思って、今、「テラスハウス」という番組がはやっているのですが、「農業テラスハウス」というのをして、住まわせる人は、男性は地元の人で、女性は東京とか、そういう遠くから来た人に住まわせることによって、うまくカップルができればそこに定住させられるみたいな、そういう取組もおもしろいのではないかなと。
 実際、そのシェアハウスというのはお金も抑えられて、農業で働きながら、稼いだ部分を家賃に回したりするので、ずっと住めるみたいな感じなので、婚活でもいいのではないかと思います。

木村室長
 ありがとうございます。他に何かございませんでしょうか。

中村靖子
 私自身サークルを始めてまだ1年ちょっとなのですが、子育てサークルはやっぱり子どもたちが大きくなるとなくなってしまうとおっしゃっていて、「できるだけ長く頑張ってくださいね。」と町からも言われているのですが、今は文化センターを借りて月2回だけの集まりなのですが、何か拠点を持てないかなと思っていまして、やっぱり、一戸町も商店街に空き店舗が多かったりするので、そこを活用して子どもたちやママが集える場ができないかなという夢を持っています。カフェをやりたいというお母さんもいますし、あと手作り品を販売したいというママたちもいますので、そういう声を集めて形にできないかなと思うのですが、なかなかノウハウもわからなかったりするので、盛岡だときっとそういうのが多いと思います。情報の格差や地域格差、情報格差、やっぱりここにいると、黙っていると情報が入ってこない、自分から飛び込んでいかないと情報を得られないと、今日も聞いて再認識したのですが、盛岡で起業した方などのノウハウを聞くセミナーなどが県北であったら、もっとみんながやってみようと思えて活性化につながらないかなと思ったりしました。
 多分やってみたい思いは皆さんどこかにあって、でもさっきおっしゃった誰かがやってくれないかなという思いもあって、駆け引きだと思うので、みんなが「よいしょ。」と動けるような後押しがあるといいと感じています。

達増知事
 そうですね。県でも何か起業家支援などをやっていますよね。

玉懸副局長
 はい。いろんな事業をやるためのノウハウとか制度がございます。皆さんの思いを形にするということで、お考えのところを交流の場ですくい上げて、一緒に行動するような場を担うというのを私どもが今、力を入れているところでございます。

達増知事
 起業するとき、法律や経理などが一つ敷居が高いのですが、どんどん法律も改正されて、最初の資金は少なくてよくなっていますし、そういう法律の最先端が今どうなっているかという情報や経理など、そういうのは県の事務所に詳しい人がいるので、どんどん活用してもらえればと思います。サークルに呼んでもらえばいいかも。

中村靖子
 そうですね。

玉懸副局長
 よろしくお願いします。

中村靖子
 よろしくお願いします。

木村室長
 その他何かございませんか。

久保裕美
 先ほどツアーの話もあったのですが、九戸政実という武将は天下にけんかを売った男として、「天を衝く」の上演のあたりは結構盛り上がるのですけれども、その後がどうしても続かないというところで、どうしても九戸政実という武将はあまり知ってもらえないなという部分が実際あります。
 先ほどツアーの話があったのですが、九戸村には首塚とかお墓とか、政実神社というところも実際ありますし、長興寺もありますし、先日その60周年の記念誌作成に当たって宮城県の栗原市の方に取材に行ったのですが、そちらではもう政実最期の地というところで、斬首された場所と首の清めの池とか、あちらの九ノ戸神社とかあるのですが、実際1年に1回、お互い岩手県と宮城県で、お参りに来るというのをやっているというお話など、そこの取材に行かないと知らなかったことがありまして、一回きりで終わらないように、もっと知っていただくためにももっと情報を発信したいのです。政実についてのゆかりの地をめぐるなど、宮城県の方に実際行ってめぐるツアーなどもやってもらいたいのですが、やっぱり誰かがやるのではないかという部分が大いにありまして、九戸村でもそういう政実ゆかりの地というパンフレットがあったらいいのではないかなというのも、それもまだない状態ですので、有効活用というか、もっと知ってもらうすべというのがあればいいなというように感じています。

達増知事
 手っ取り早いのは、シンポジウムのようなものを定期的にやるということで、それで地元の人に集まってもらいつつ、地元以外のところから有識者とか、あるいは九戸政実ゆかりの人に来てもらって基調講演をしてもらい、地元の人と一緒にパネルディスカッションをやって、終わった後は飲んだり軽く食べたりしながらおしゃべりできるような懇談会、懇親会をセットしたりするというのを定期的にやるというのがいいかもしれないですね。
 去年、私はそういうのを、私個人の事業として「いわて復興塾」を月1回ずっとやって、これはいいなと思ったので今年度からは県の事業として、「いわて復興未来塾」という正式な事業としてやっているのですが、地元の中で風化させず、また、外とのつながりも維持、また発展させていくには有効な手段だなと思っています。
 復興については、県内でそういうことをやるだけではなくて、今週は静岡県でも復興フォーラムをやるのですけれども、東京とか大阪、神戸とか、名古屋でもやりましたね。あちこちでそういうことをやると風化させず、また関心を高めてもらうというのにつながりますよね。
 あとは、いいことなのかどうか、ちょっと疑問もあるのですけれども、テレビに出るとやっぱり広く知られる、覚えられるということがあるので、何かテレビに出るような企画を、文士劇はもうテレビでも取り上げられ、岩手県内的にはかなり浸透したのではないかなとは思うので、そういうテレビで取り上げられるようなことをたまにやるということがいいのではないですかね。

木村室長
 その他。

福原直樹
 二戸の中でナンバーワンというのがないのかなと思っていて、例えばギネス1位とか、あと食べ物とかでも「二戸のおいしいものは何」と言われたときにぴんとこなかったり、例えばひっつみとか、そういう郷土料理はあるのですが、どこのお店を紹介したらいいかわからないとかというのもあって、結構ぶっ飛んだ発想をして、何かそれに挑戦していく人を手助けしてほしいと思っていて、例えば、ちょっと極端な話、金田一の旧4号、結構がらがらなので、そこを全面スケートリンクにするとか、例えばですけれども、あと折爪のところをがちがちに凍らせて滑り台にするとか、このシビックセンターの裏の芝生でバーベキューをしたりとか、そういうときに規制を緩くしたり、みんなが集まれるようなところの規制は大丈夫というゴーサインを出してほしいなと思って、例えば道路沿いに店を出してもいいような許可が下りるような、法律ではないですけれども、ちょっと規制を変えていくことで何か民間が動きやすくなるのではないかと思います。

達増知事
 そこは、では振興局のほうで。

福原直樹
 よろしくお願いします。

達増知事
 柔軟に対応しましょう。

木村室長
 その他ございませんでしょうか。

達増知事
 あとトップを狙う一番のものをつくるというのはやっぱり大事だと思います。地方創生で参考になる例としてイタリアという国がありまして、あそこは地方都市が天下のブランド品をつくっていて、それで国全体が盛り上がるという、もう地方分権の極みみたいな経済構造になっていて、目立つブランド品とかの他にも世界に通用するような食べ物や工芸品などを持っている地方小都市が何百もあるというのですよね。だから、日本もそういうようにしていけばいいと思うのですが、そういう意味では全国有数、世界にも通用するような何かをそのエリアで一つはあるみたいにしていくと、ずっと消滅せずに維持できると思うので、そういうものを岩手の中でエリアごとにつくっていかなければならないと思います。

木村室長
 ありがとうございました。その他何かよろしいですか。
 大体予定の時間になりつつあります。本日は、懇談テーマやそれ以外についても積極的にお話をいただきまして大変ありがとうございました。

知事所感

木村室長
 では、最後に知事からお願いいたします。

達増知事
 思い出すと、二戸市は漆を世界で通用するものにしようと思って、ニューヨークで漆の宣伝をしたり、それからフランス・コルマールで漆の宣伝をしたりしていますよね。浄法寺漆というのは、全国有数、もう世界最高水準の漆を生産していますので、日本の国宝級の日光東照宮の修復などに使うような漆だし、それを使った浄法寺塗とか、そういう工芸品というのは本当世界にそのまま出せるものなので、やっぱりそういうのを売りにしていくというのが基本でしょうね。
 漆に限らないので、他にもいろいろあり得ると思うのですけれども、漆が一つ大看板になって、それでやってくる人たちが、「ああ、これもすごい。あれもすごい。」となってくるとまた非常にいい地域となると思います。やっぱり全国有数、世界に通用するという形を地域としてつくっていくように頑張っていきましょう。
 終わります。

閉会

木村室長
 それでは、皆様、本日は貴重なお時間、それから貴重な御意見ありがとうございました。これをもちまして県政懇談会「がんばろう!岩手」意見交換会を終了いたします。

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