「がんばろう!岩手」意見交換会(平成27年6月23日 大船渡地区)

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ページ番号1000853  更新日 平成31年2月21日

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日時
平成27年6月23日(火曜日)10時30分から11時45分

場所
陸前高田市コミュニティホール 2階 大会議室

懇談テーマ
「人口減少対策について」

出席者(敬称略)

  • 参加者(敬称略)
    伊藤 雅人(まるごとりくぜんたかた協議会)
    菅野 あゆみ(NPO法人 きらりんきっず)
    黒沢 惟人(NPO法人 wiz)
    今野 光子(公益社団法人 認知症の人と家族の会岩手支部)
    齊藤 健祐(いわて復興応援隊(一般社団法人 SAVE TAKATA))
    篠原 邦子(住田町下有住地区公民館)
  • 県側
    知事、沿岸広域振興局副局長、秘書広報室長

開会

木村室長
 おはようございます。それでは、ただいまから県政懇談会「がんばろう!岩手」意見交換会を開催いたします。
 本日は、人口減少対策をテーマに意見交換を行わせていただきたいと考えております。今日は大船渡地区を中心に、様々な分野で人口減少対策の取組に関わっている方々にお集まりをいただいております。皆様には御多忙の中、御参加いただきましてありがとうございます。
 私は、本日の進行役を務めさせていただきます秘書広報室長の木村と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

知事あいさつ

写真:懇談会の様子1


木村室長
 それでは、開会に当たりまして知事から御挨拶を申し上げます。

達増知事
 皆さん、おはようございます。お忙しい中、お集まりをいただきましてありがとうございます。この県政懇談会を「がんばろう!岩手」という名前でやるようになりましたのは、東日本大震災津波以降でありまして、以来それぞれの地域あるいは分野で災害対策から復旧・復興等で、頑張っていらっしゃる皆さん、活躍していらっしゃる皆さんの生の声を伺って県政に役立てていこうという趣旨で開催しております。そして、今年の3月で震災から4年が経過し、県では今年度を本格復興邁進年と名付けて進んでいるところですけれども、この復興の流れに人口減少対策の、いわゆる地方創生ということがかぶさってきまして、もともと復興というのもふるさとを消滅させない、傷ついたふるさともちゃんと直すところを直し、新しくするところは新しくして人が住めるようにする、働いて稼げるようにするというのが復興ですので、復興で培ってきたやり方をそのまま岩手全県に押し広げていくと岩手全体の地方創生になるのではないかというふうに考えておりまして、そういう意味でも復興の現場における人口減少対策ということは県政全体の要になるテーマということで、今日は充実した意見交換を期待しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

木村室長
 ありがとうございます。
 それでは、本日の懇談会の進め方について御説明いたします。この後、私の方から皆様方の所属とお名前を紹介いたしまして、その後御意見、御提言をいただき、最後に自由に御発言をいただける時間も設けたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、御出席の皆様を御紹介いたします。
 初めに、まるごとりくぜんたかた協議会の伊藤雅人様です。

伊藤雅人
 よろしくお願いいたします。

木村室長
 それから、NPO法人きらりんきっずの菅野あゆみ様です。

菅野あゆみ
 よろしくお願いいたします。

木村室長
 NPO法人wizの黒沢惟人様です。

黒沢惟人
 よろしくお願いします。

木村室長
 公益社団法人認知症の人と家族の会岩手支部の今野光子様です。

今野光子
 よろしくお願いいたします。

木村室長
 一般社団法人SAVE TAKATAの齊藤健祐様です。

齊藤健祐
 よろしくお願いします。

木村室長
 住田町下有住地区公民館の篠原邦子様です。

篠原邦子
 よろしくお願いします。

木村室長
 県側は達増知事、それから沿岸広域振興局の菊地副局長でございます。

菊地副局長
 よろしくお願いします。

木村室長
 それから、皆様のお手元に飲み物とお菓子を準備しておりますので、適宜召し上がりながら懇談いただければと思います。

菊地副局長
 では、私の方から本日のお菓子について御説明を申し上げます。
 本日は夢の樹バウムとどぶろく饅頭をお配りしております。陸前高田市で今年の12月に創業90年を迎える老舗菓子店、おかし工房木村屋が製造したものでございまして、東日本大震災津波で本店、支店ともに被災しまして、仮設店舗で営業を続けておりましたが、今年の3月14日に待望の恒久店舗で、このコミュニティホールのすぐ隣でございますけれども、オープンいたしました。夢の樹バウムでございますけれども、これはこのお店の目玉商品でございまして、震災後に奇跡の一本松をイメージして開発したものと伺っております。材料は、南部小麦や沿岸の有精卵など県産品にこだわりまして、外はサクサク、中はしっとりとした歯ごたえで人気を博しているところでございます。
 もう一つがどぶろく饅頭でございまして、陸前高田の酔仙酒造の酒粕を使用しているということでございます。しっとりとした歯ざわりが特徴のお菓子でございます。どうぞお召し上がりください。

懇談

写真:懇談会の様子2


木村室長
 それでは、懇談に入らせていただきます。まず最初に、1、2分程度で自己紹介をお願いいたします。お話しいただく順番は伊藤様から時計と逆方向に席順でよろしくお願いいたします。
 まず、伊藤様の方からお願いします。

伊藤雅人
 初めまして。まるごとりくぜんたかた協議会の伊藤雅人と申します。よろしくお願いいたします。
 出身地が陸前高田市の米崎町でございまして、震災の時もこちらにいまして、当時は知的障害者更生施設の生活支援相談員をしておりました。いろいろございまして、震災の年に職場が流されまして、その後、ボランティアセンターの運営であったりですとか、子どもの支援をするNPO法人を立ち上げ、そのボランティアに来られる企業さんだったり団体、あとは個人の方々が災害支援以外でも陸前高田市に来続けるサイクルを作らなければいけないという話を市役所としまして、昨年の4月から実働はしているのですが、正式には昨年の7月からそういった研修であったり修学旅行、あとは課外学習で人の受け入れを実施しております。
 お手元にオレンジ色の資料と、あとは青い「まるごとりくぜんたかた Days2015 Spring」と書かれたものが見えると思うのですけれども、昨年は69団体、3,000名の研修であったり、修学旅行の受け入れをしておりまして、今年に関しましてはもう既に昨年のその69団体を超えておりまして、大体3倍くらいの人数、そして団体の方々が今年は陸前高田市を訪れる予定になっております。いろいろ収益をいただきながら、対価をいただきながらやらせていただいているのですが、その対価を被災した漁師さんとか、あとは農家さんに御協力をいただいて、その方々にお支払いして、少しでも生活の糧にしていただこうということでやらせていただいております。よろしくお願いいたします。

木村室長
 ありがとうございます。
 では、菅野さんお願いいたします。

菅野あゆみ
 初めまして。親子の広場きらりんきっずのスタッフの菅野あゆみと申します。よろしくお願いいたします。
 お手元にパンフレットがあると思うのですが、中の方に「きらりんきっずの歩み」というものが載っております。きらりんきっずは、震災前に陸前高田市の駅前大通にありましたが、開所して8か月で震災に遭いました。スタッフ全員が被災し、大きな喪失感と不安を抱える中で、今こそ乳幼児の親子が寄り合える場所が必要なのではないかと思い、避難所の中学校の図書室の一角を借りて、また再開をしました。
 現在は市内の商店街の一角に広場型の子育て支援センターを支援施設として、子育て中の親子が集える情報交換ができる場を提供しております。年間を通して4,000名の方が利用されております。また、情報交換ができる場としても地域の方とのコミュニティを大切にしており、世代間交流がもてるように夕涼み会などのイベントを開催して、お年寄りの方から小さい乳幼児までの方が利用できる場となっております。よろしくお願いいたします。

木村室長
 ありがとうございます。
 黒沢さんお願いします。

黒沢惟人
 いつもお世話になっております。NPO法人wizの黒沢と申します。
 僕は奥州市の出身で、その後、岩手県立大学のソフトウェア情報学部に進学をしまして、東京のIT会社で一度働きました。そして、震災を迎えて、たまたま御縁をいただいて大船渡の仮設の緊急雇用の事業に携わらせていただいて、その後大船渡の市民活動センターの立ち上げとかをやって、去年の4月にNPO法人wizを岩手出身者3名と、気仙地区の出身者3名と、内陸出身者2人でNPO法人wizというのを立ち上げて、まず震災後に入ってきたU・Iターン者の流れを一時的な流行にさせたくないというところと、とはいっても僕はたまたま御縁をいただいて岩手に戻ってこれましたが、戻ってきたいけれども、戻ってこれない人間がまだまだいっぱいいるので、僕らはたまたま全員震災後Uターン者です。なので、ちょっとそういう意味だとIターン者の方の気持ちが余り分からないというのが正直なところではあるのですけれども、できればUターンに特化してもっと岩手を若い人たちの力で盛り上げたいということで、今、実践型のインターンシップの事業でしたり、あとクラウドファンディングですね、岩手特化型のクラウドファンディングの立ち上げ、あと今実際には地域おこし協力隊の採用支援だとかをさせていただいております。よろしくお願いします。

木村室長
 ありがとうございます。
 では、今野さんよろしくお願いします。

今野光子
 大船渡に住んでいます今野光子と申します。2日後には65歳で、高齢者になります。先日、介護保険証が送付されてきて、受け取った時には年齢を感じずにはいられませんでした。
 私の仕事は公益社団法人認知症の人と家族の会岩手県支部の電話相談員です。家族の会は全国に支部を持つ組織です。理念として、「共に励まし、助け合って、人として実りある人生を送るとともに、認知症になっても安心して暮らせる社会の実現」を願い、35年間活動し、歩んできた団体です。
 岩手県では、御存じのとおり3年前から認知症対策の一つとしていわてコールセンター事業を行い、岩手県の委託先のいきいき岩手支援財団に家族の会の電話相談が協力しています。岩手の認知症の人と家族の電話相談は大船渡に電話相談事務所を置き、私が継続して年々増加する県内の他一部県外からの電話相談を受けさせていただいております。電話相談につきましては、岩手県長寿社会課をはじめ、他機関の御指導、御支援をいただきながらお仕事をさせていただいております。この場をお借りして御礼申し上げます。ありがとうございます。
 また、大船渡の大船渡町に設置された電話相談事務所をお借りして、看取りを終えた介護家族の方々を中心に、これからも認知症の人が多くなることで将来を見据えた活動ができることを目指して認知症カフェハナミズキを平成26年7月に開設いたしました。介護家族の悩みを聞いたり、自由に語り合い、病気予防の研修会やリフレッシュイベントを行い1年になり、継続されています。参加者は認知症の御本人と家族、一人暮らしの高齢者、仮設住宅にお住まいの方など各地域から支援する人たちで楽しく集える場所づくりをしています。なお、平成26年の電話相談状況と認知症カフェハナミズキの活動状況は事務局の方にお渡しさせていただいておりますので、御覧になっていただければ幸いです。
 今日はよろしくお願いいたします。

木村室長
 ありがとうございました。
 では、齊藤さんお願いいたします。

齊藤健祐
 齊藤です。よろしくお願いします。
 私は、群馬の出身なのですけれども、大学は岩手大学の農学部の出身で、その後は神奈川のITの企業に勤めました。2012年10月、平成24年ですけれども、その時からいわて復興応援隊に採用されまして、実際には陸前高田の一般社団法人SAVE TAKATAで活動をしております。
 SAVE TAKATAは、農業とITと若者の3事業を展開しておりまして、私は前職がITの業界におりましたので、その中でITの担当をしております。地元のNPOであったりとか、仮設商店街のWEBの製作をさせていただいたり、それ以外に被災した店舗がどこにあるのかというのを示すために、「陸前高田復幸マップ」という事業所マップを作っております。それ以外ですと、今、県立高校の方でITの教育を行っておりまして、ITであったり、あとはキャリアに関することを今大船渡東高校を中心に行っております。そういったことが今回の人口減のことに関われるというか、関連があるのではないかというふうに思っております。よろしくお願いします。

木村室長
 では、篠原さんお願いします。

篠原邦子
 おはようございます。住田町から来ました篠原邦子です。
 私は、皆さんのように何かすごく大きな肩書きというか、代表とかをやっているわけではないのですが、8年前につくばから引っ越してきました。私の出身は、東京に4歳までいて、それから24年間横浜にいて、主人が結婚した後にもう1回大学生になるということでつくばに行って、6年間1人ずつ子どもが増えていって、3人の子育てをしながら6年間つくばにいました。
 主人は砂漠の研究をしていたのですが、おじちゃん、おばちゃんたちと汗水垂らして働く方がいいと急に変わって、後楽園ホールでやったUターンとかIターンの農業フェアみたいなところで、住田町にある、その当時農事組合法人だった清流ファームという養豚の会社に就職することになり、それをきっかけにこちらに来ました。来た年にもう一人子どもを産みまして、そして4人の子育てを住田町でさせていただいております。今、高校1年生のお姉さんと中1、あと小学校5年生のお姉さんと、あと小2の男女2人ずつなのですけれども、姉は大阪の方に進学して、今はいないので、家族5人で。
 本当に緑がいっぱいで、食べ物がおいしくて、そして地域のつながりもすごくあって、横浜のコンクリートジャングルみたいなところで育ったので、もう本当に心の風景が緑ではなくてグレーというか、あとピンクのネオンが自分の心の風景なので、やっぱり子育てするなら本当に心の風景が緑いっぱいで、海もあってこういう風景で子どもたちは育ってほしいなと思って、ここにいて四季が変わる感じとか、すごく幸せだなと思って、いろんな不便はありますけれども、感じながら、今日は皆さんのいろんな意見を聞けるので楽しみに来ました。よろしくお願いします。

木村室長
 ありがとうございました。
 それでは、本日のテーマでございます人口減少対策について、お一人3、4分程度で、現在の取組ですとか、課題ですとか、今後の方向なり期待も含めてお話をいただければと思います。
 先ほどの順番でお二人ずつお話をいただいた後に、知事からお聞きしたいこととコメントを申し上げるという形で進めていきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 それでは、まず初めに伊藤さんの方からお願いします。

伊藤雅人
 僕らはこれまで修学旅行の研修の受入れをしている中で、陸前高田市に住みたいですとか、そういった方々も中にはいらっしゃったのですが、来年、もう既に修学旅行の話が2件ほど決まっておりまして、全部300人規模なのです。宿泊所がその規模のものが全くなくて、今、民泊であったり、そういったところを何とか開拓して受入れをしようとはしているのですが、もちろん定住、移住に関連して、そういった方々も今住むところがない。僕らもそういった話を聞いても誘うことができないといったような状況なので、これからどんどん、仮設住宅から高台にどんどん皆さん移転して空いていくという中で、そういった仮設住宅の宿泊所であったりですとか、あとはIターン、Uターン者が住むような場所にしていただけないかなというふうに思っているのと、あとはそこが使えることによって、やっぱりいまだに例えば企業研修で防災、減災を学ばせたりですとか、学校教育でそういったものを学ばせたい、あとは炊き出しのやり方を学びたいとか、そういったお話をいただくので、そういった場をそういったところにちょっとさせていただけないかなと思いまして、今回僕の質問はそれだけなのですが、よろしいですか。あとはどうにかこうにか、交付金だったり、あとは自分たちで自走していく組織体制を目指しているので、やりやすい環境を作っていただければ、あとは僕らが何とか努力していきますよというお話をしたいと思いました。
 僕からは以上でございます。

木村室長
 では、菅野さん、お願いします。

菅野あゆみ
 私は、現在、仮設商店街での活動のため、あと2年活動できる予定になっておりますが、その後の活動場所の確保ができなくて、先が見えない状態で、不安をスタッフ全員が感じております。市内の支援センターは、保育園と併設となると思うのですが、広場型のきらりんきっずはNPO法人としては資金面の課題を抱えております。希望としては、市内の街中にお散歩しながら、買い物しながら、子育て中の親子が集える、ほっと一息できる安心できる場所を街に定着させたく、場所の確保をしたいと考えておりますが、現状としては収益事業ではないので、市の補助金を頼りに運営しており、人件費、運営費のみで、再建は厳しいと感じております。
 私も最初は利用者としてきらりんきっずを利用しておりました。現在3歳と5歳の子どもを育てております。震災の時には、息子は1歳半でした。その中で、また次の子を産みたいと思う環境になるのは、やっぱりこのような支援施設の温かみのある場所が街中にあることが大切なのではないかなと思っております。
 今、きらりんきっずのスタッフとして活動しているのですが、子供を産み育てたい環境になるように父親支援をしていたり、母親講座を開講したり、また子育てグッズのレンタルをしております。少しでも利用者の方が子どもをまた産みたいと思える環境になるように子育てグッズのレンタルをしているのですが、その場所、保管する場所も自分たちで運営しているため、とても資金面では苦しいところがあるのが現状です。
 以上です。

木村室長
 では、知事。

達増知事
 仮設住宅の活用は、簡単に言ってしまうと市町村において仮設住宅を買い上げれば、あとは自由に使えるみたいなところがあるのですけれども、ただ結構解体して移転したりすればお金がかかるし、買い上げた後の維持とかもお金がかかるので、市町村と県とでいろいろ相談をしながら、家を失った人が住む以外の用途も国の災害救助法に基づくその国の予算の中で認められないかということで、いろいろ復旧・復興関係で働く人が泊まれるとか、あと応援派遣で来ている他の自治体の人が泊まれるとかに少しずつ徐々に拡大してきているところなのです。ですから、まず用途拡大ということについては、様々使えるように求めていきたいと思いますし、ただ国の方で絶対認めそうもないような次元の違う使い方については、自治体側でえいっとやるほうが話が早いということもあり、企業の研修所に仮設住宅団地を使うというのはすごくいいアイデアだと思います。炊き出しとか、あと寝泊まりなんかもそこですれば非常にリアルな研修もできるので、何かそこは知恵をめぐらせて、国の防災政策上の予算とかでオーケーというふうになるかもしれないし、工夫をしてみましょう。
 それから、きらりんきっずの今仮設商店街の一角で、そこは2年後までということになっていると。これはもうあちこち共通の問題で、仮設の施設、定められた期限が近いけれども、さて、それを超えられるかというのは、まず一つは期限を超えてもそこにいられるというのはいろいろありますよね。商店自体が次の行き先が予定どおりできていなかったりした場合には、仮設の施設を引き続き使えるというふうに調整していますし、一方、次のところに早く行ければ早く行けた方がいいというところがあるから、商店街自体、次のところに移り、その後移った先に場所が確保できばいいけれども、そうなるとお金の問題とかも出てくるということですよね。そこも県も市と連携をとりながら、市の方で場所かお金か工面するということであればそうしてもらいますし、県で何かそういうところをやるという時には、広域だとか高度な専門性みたいな、県がやる大義名分があると県でやったりもするのですけれども、そこも市と調整をしながらやっていくことだと思います。
 いずれにせよ、子育て支援というのは、地方創生の中で、県はふるさと振興という言葉を使って今ビジョンとか戦略とかを作っているところなのですけれども、子育て支援はそういうふるさと振興の最重要ポイントですから、県と市とで連携しながらうまくいくようにしていきたいと思います。

木村室長
 ありがとうございます。
 次に、黒沢さん、お願いします。

黒沢惟人
 僕らはまだ法人を立ち上げて1年ちょっとですので、課題しかないというのが正直なところで、その中でいろいろできたところもあるので、まあまあちょっと少し前向きながらと。

達増知事
 有名になって、いろんな新聞には載るわ、いろんなメディアにも取り上げられていいのではないですか。

黒沢惟人
 ありがとうございます。

達増知事
 私もツイッターとかで目に付いたときはリツイートしたりするようにしているのですけれども。

黒沢惟人
 ありがとうございます。いつもお世話になっております。僕ら今実践型インターンシップという、地元の企業経営者さんと学生をつないで、1か月型の新規事業だとか、課題解決に取り組むというコーディネートをやらせていただいています。この夏も陸前高田、大船渡、釜石のNPOさんと一緒に夏休みにやらせていただくのですけれども、先ほど伊藤さんからもあったように、やっぱり1か月滞在する場所というのが、ソフト面で僕らがある程度機能でき始めたなと思う反面、であればあるほどハードの必要性というのを少し感じてきています。宿泊施設であったり、コワーキングスペースのようなものが1つあると大変ありがたいなと思っています。これはちょっと県というのか、市町村も含め言っていることではあるのですけれども、そういうのが1点。
 あと、気仙地域というところに限って言えば、民間だとか、行政だとか、学生とかを取り払うコーディネーターがもう少しいてもいいのかなと思っています。釜石で言えば釜援隊のようなコーディネーターが、やっぱり気仙地区は少し足りないなと思っていますし、僕らも今年度1名担当のコーディネーターを置きたいなということで、今動いていますけれども、そういった柔軟なコーディネーター、民間でもあり、行政でもあり、いろんな人をつなげるというのが必要かなと思っております。
 最後なのですけれども、僕ら自体もどんどんU・Iターンを増やしていきたいといった中で、やっぱり東京側の窓口は絶対必要であろうなと思っています。その中で、割かし近い範囲だと長野だとか山形は、そういったU・Iターンの取組が活発かなと思っているのですけれども、僕らが「いしわり」というのを始めたのも、出身者に対して岩手の動いている人を見せたいというところから始まっていて、正直お金集めというのも重要ではあるのですけれども、まず発信して接点を少しでも作りたい。その後、将来的に戻ってきてもらうとか、来てもらうには、やっぱりリアルな接点というのが絶対に必要だなと思っていて、そのリアルな接点というのは、やっぱりある種東京側でもつくる必要はとてもあると思っています。
 僕らも今回ちょっと国の事業をいただけたので、そういったU・Iターンに向けた交流会というまず泥臭いものから始めていきたいなと思っているのですけれども、これはもうちょっと、コミュニティの粒度というか、規模も含め、いろいろ多分、恐らく県全体として考えていくべきものなのかなというふうに思っています。
 以上の3点です。

木村室長
 ありがとうございます。
 では、今野さん、お願いします。

今野光子
 今回の懇談会のテーマは、人口減少対策ですが、私のお話しすることが直接人口減少の特効薬となるとは思われませんが、自己紹介でもお話ししましたが、間もなく私も高齢者となります。私たちは、団塊の世代と言われて、世の中のお荷物のような言われ方に感じることがあります。この世代の人たちは、仕事から退かれた方々が多くおります。まだまだお元気で生き生きと生活されている方々もたくさんいます。4月からの介護保険制度の改正に伴い、サービス利用や施設入所要件が変わりました。要支援の方は、平成29年度からは市町村が地域の実情に応じて取組ができる地域支援事業に移行し、NPO、ボランティア、地域住民など地域に密着した多様なやり方に移行し、高齢者を支援していく仕組みになると伺っております。このことを踏まえ、地域の住民が主体となった支援活動が必要と考えます。1つには、お仕事を辞められた高齢者の方々のシニアパワーの活用です。後期高齢者の方々も増加する一方ですが、その方々を支え、生涯暮らし続ける地域づくりのため、前期高齢者の方々のパワーと経験を積んでこられた知恵の活用でサポートする人になっていただき、報酬を保証することなど、経済的にも人のためにも役立てるといった生きがいを持つことで介護予防につながっていくのではないかと思われます。このことは、地域社会を豊かにすることにつながり、資金面では行政の支援が必要です。是非予算などの下支えを考えていただきたいと思います。
 二つ目は、電話相談から見えることですが、行政と医療、行政と各機関の連携がうまくできていないと感じている家族が多くなってきたことです。家族の立場になって考えて、一歩踏み込んで一緒に行動してくれる仕組みが欲しいと家族は願っています。私も新しい仕組みが必要と思います。その仕組みの中にも、経験豊かなシニアパワーが活用され、認知症の高齢者を支えている家族の負担を和らげて、若い人たちが安心して働けることにつながっていくことと思います。
 このようなことが私の感じていることとして述べさせていただきました。ありがとうございます。

木村室長
 ありがとうございます。
 では、知事。

達増知事
 1か月滞在する場所ということで、産業振興的な観点からはやっぱり県でもいろいろ事業にできるところがあるのではないかと思うので、そういうのを工夫していきましょう。
 あと、Iターンについて、東京側にも窓口というのは、なるほどそのとおりだと思います。人間に直接働きかけていかなければならないことで、人間は東京の方にいるわけですから、その人たちを、こっちに来てもらえればそれにこしたことはないけれども、やっぱりまず向こうに出て行っていろいろ働きかけるということが大事なので、そこは工夫していきたいと思います。県は東京事務所があったり、あとふるさと振興財団の窓口を強化したりとか、いろいろやっているのですけれども、そういうのは市町村の努力とうまく連携するようにしていくというのがまた大事だと思います。
 そして、介護や認知症対策は、生きやすい地域にしていくということで、年をとってからも楽しく暮らせるということが若い人たちがそこに住もうとか、そこで子どもを産んで家庭を築こうということにつながっていきますので、人口減少対策ということにも深くつながっていると思います。介護予防ということで、介護の対象になるような年代よりちょっと若い世代に活躍してもらうというやり方は大変有効だと思います。
 行政と医療等各機関の連携の問題は、まさにそこが肝でありまして、地域包括ケアシステムですよね。お年寄りの介護と高齢者医療というのをうまく結びつけながら、必要であれば施設とか病院とかお医者さんにかかるとかして、在宅でやったほうがいいことは在宅でやると。その間、いろんな保健師さんとか、行政側の専門家もそこに絡んで、大勢の機関や大勢の専門家が寄ってたかって一人の人を支えていくという仕組みが地域包括ケアで、これからの世の中は万事そういうふうにしていかなければならないのだと思います。復興の現場のいわゆる被災者イコール復興者の生活支援というのも、いろんな機関やいろんな専門家がみんなで被災者の一人一人を支援するというやり方ですし、そこでいろいろ培われたノウハウとか、制度とか、そういうものが地域包括ケアにも役に立つところですので、これも県と市町村が一緒になってやっていかなければならないところなので、やっていこうと思います。

木村室長
 ありがとうございます。
 それでは、齊藤さんお願いします。

齊藤健祐
 私からお伝えしたいのが2点ありまして、1点目がUターンに関することです。私たちは、今、高校生のキャリア教育をやっていますけれども、今までのUターンの取組というのは、大体は一回東京に出て行ってしまった人たちをいかに戻すかという取組が多かったと思うのですけれども、私たちがなぜ高校生のキャリア教育をやっているかというと、やっぱり高等教育機関がこの地域にないので、出ていってしまうことは仕方がない、働くにしろ、大学に進学するにしろ、出ていってしまうのは仕方がないことですし、逆に外で学んできてほしいなという考えがあります。ただ、地元の課題だったりとか、魅力だったりとかをちゃんと整理しないままに、とりあえず地方は住みづらいみたいな形で出ていってしまう高校生が多いように思っておりまして、それで今高校生を対象にした教育をやっています。小中高の学校のスケジュールを見ても、やっぱり学校で授業だったりとか、部活動とか、あとはスポ少だったりとか、いろんなものに忙しくて、なかなかそういった余裕もないと。児童たち、生徒たちも余裕をなくしてしまうようなことが多いなというふうに思っています。出ていってしまった人を取り戻すというのは、なかなか難しいのですけれども、やっぱり出ていく前の子たちに働きかけるようなことを今後やっていってほしいなというふうに思っていますし、そういったことを私たちも継続していきたいなというふうに思っています。
 あともう1点なのですけれども、若者に関すること、一応私もまだ若者だというふうには思ってはいますけれども、一応今まで去年とかも若者文化祭だったり、若者会議だったりとか、私たちもいろいろ協力させていただいたり、出展させていただいていますけれども、やっぱりそういった企画、すごく魅力的だなというふうに思いまして、参加する方も多いのですけれども、基本的にやっぱり盛岡で開催であったりとか、みんな盛岡に集まろうという考えがどうしてもあるのかなというふうに思っていまして、沿岸の若者に聞くと、やっぱりそういったものが沿岸であったりとか、県北地域でもあってほしいなというふうな意見が聞かれます。今例えば二戸とかであれば九戸政実だったりとか、県南でも女子旅だったり、いろんな取組があって、沿岸部に関しても例えばじぇし会さんであったりとか、宮古だと例えばシネマリーンさんがありますので、映画とかの取組もありますし、大船渡も、私も参加しているのですけれども、大船渡市の方で2030会議という総合計画に関連するような会議であったりとか、あとはリアスホールで自主事業実行委員会というのもありまして、そういったもので文化の振興を図っていこうといった取組もありますので、そういったいろんな取組も、やっぱり全て盛岡でというわけではなくて、テストというか、サテライトみたいな形で、沿岸とか県北地域だったりとか、盛岡以外の地域でも是非開催してほしいなというのが思っているところです。
 以上です。

木村室長
 ありがとうございます。
 最後に篠原さん、お願いします。

篠原邦子
 今の意見、すごく私もぐっときました。
 住田町は、私の住んでいるところがコンビニも車で10分以上行かないとなかったりとか、あと喫茶店もなくて、お母さんたち、本当にちょっとお茶を飲むという場所もないのです。なので、社会福祉協議会でお茶っこをするという、そういうのを、何とかカフェというのを今やっと立ち上げたばかりで、やっぱりそういう輪の中に入れない人たちもたくさんいて、選べないのですよね。ここしかないという。本当にお惣菜を買うのもちょっと大変なので、遠野とか大船渡とかに出てお買い物しているのですけれども。
 私がすごく思うのは、気仙管内、盛岡とかに出てこういう研修とか何か、住田町から出たときに、すごく格差があるなと思うのです、岩手県内の中でも。気仙管内は勉強しなくてもいいのだみたいな空気がどこかあるのではないかなと思って、第1次産業の人たちが多いので、外に一度も出た経験がない御両親とか、おじいちゃん、おばあちゃんの中で、「いいんだ、いいんだ、ここで。」というような空気がどこかあるなと思って、そういう中で、そういうふうにずっと言われている子どもたちというのは、「まあ、いいんだ、勉強できなくても、スポ少頑張れば。」とか。でも、スポ少でも頑張り切れなかったりとか、あと住田町、私が見ていて、結構離婚している方がすごくたくさんいて、やっぱり経済的な基盤が、お母さんもお父さんも働いて、でもしっかりとした収入が得られなかったりとか、そういう中で離婚されて、いろんな問題もあると思いますけれども、離婚されている方がたくさんいて、どこかで諦めているのではないかなと、お父さんもお母さんも何か諦めているような空気があるなと思っていました。だからこそ、もっともっと教育に力を入れて、何かすごく頑張ったら別のところも見られて、ここに戻ってきていろんなことができるという力が自分たちで付けられるというか、そういう可能性があるというのをまず信じられるような形にならないかなと思って。だから、私ができることは限られていますけれども、でもお母さん同士でいろんなことができるよねという可能性を、いつもいいところとか、どこにも出られないお母さんとかにも、住田町以外から嫁いできているお母さん方とも励まし合って、「何かいろんなことができるよね。」という話はしているのです。
 そういう住田町でありながら、スマホはみんな持っているのです。スマホで子どもたちがひっきりなしにゲームを触るのも自由だし、ちょっと私はいかがなものかなというふうに思っていて、使い方によってはすごく危ないなというか、やる気とか、あと頑張ろうとするエネルギーを奪ってしまうような気がして、そういうのを危険だとわからないお母さんたちが、みんなが持っているから持たせてあげなければいけないと思って、何となくそういう空気の中で、みんなと一緒でないと不安な人たちが多いのです、何となく。ですけれども、私はまだ小学校2年生の一番下の子が、まず中学校に上がるまでは、自分も、私もガラケーで、スマホを持っていたら、きっと触られてしまうだろうし、いたずらされてしまうだろうと思って、家族の方針として持っていないのですけれども。そういうところもすごく心配だなと。
 あと一つ、こんなことができたらいいなというふうに思っているのは、岩手の中の人たちで教育とか、教員の方も岩手の出身の方が多いので、どうしても何か価値観とか、そういったものも、ここに住んでいる人たちだけの価値観になりがちではないかなと思って、他県とか、外部とか、民間から教員ではない人たちが教育の現場に入って、いろんな考え方があって、いろんな価値観があるというのを、外に一度も出ない人たちもそういうふうな人と触れ合って、こんな考え方があって、こういうふうにやれるのだなというサンプルではないけれども、そういうものがたくさんあれば、外に行ったことの無い人もそこから学べたりするのではないかなと思って、まず教育、そういった方向から何かできればいいなというふうに思います。ありがとうございます。

木村室長
 ありがとうございます。
 では、知事、お願いします。

達増知事
 齊藤さんの指摘で、Uターンの関係で高校生、あるいはそれ以前、出る前の対策が大事というのはそのとおりだと思います。NHK―BSで「あまちゃん」の再放送を今やっていて、ここ3週間、アキちゃん、ユイちゃんが東京に出る出ないというのを延々とやっているのですけれども、結局地域でもいろいろ話し合って、地域総出で祝福して送り出すような格好になるところが面白いなと思っていて、ユイちゃんのせりふにあるのですけれども、テレビにも大分取り上げられ、インターネットでも取り上げられ、地元のアイドルもいいのだけれども、東京でアイドルをやって地元の宣伝をする方が地元の地域振興に役に立つのではないかみたいな、そういう東京に出ていく本人も送り出す人たちも、そういう作戦を共有して、ただ都会に奪われるのではなくて、ちゃんと地方の側が主体性をもって送り出すみたいなのがいいのだなと思いながら見ているのです。もちろんみんなをみんな送り出せばいいというものでもなく、そのまま残る人もいれば、そういうのはやっぱり、まず出ていく前に本人、家族、地域、できるだけ広い納得、支えの上で残る人は残り、東京に行く人は東京に行くみたいな、そういう地域としての戦略的な動きというのが必要なのだと思います。
 そして、若者のイベントを盛岡以外でもということは、やっぱりイベントというのは大事なので、若者文化祭とか若者会議も盛岡以外でもやるようにしていきたいと思います。気仙には、気仙ロックフェスがあって、来月(7月)に種山高原でやりますよね。非常に独特なフェスのようで、知る人ぞ知るみたいな感じではあるのですけれども、そういう動きもあるので、今回初めて県できちんと何か県のお墨つきというか、県もそれなりにコミットしていくようにしていたりもしまして、そういうパワーは地域にあるので、県も応援しながらうまくやっていければいいなと思います。
 篠原さんは、住田や気仙のことを大変よく見ていただいていて本当にありがたいので、是非その調子でいろいろ見たり聞いたり行動したりしてほしいなと思うのですけれども、住田町の中だけではなかなかできないこととかについては、気仙広域で大船渡市や陸前高田市まで含めてやってもいいと思いますし、あと遠野市の住田に近い方と一緒にやるとかというのもありだと思います。
 そして、諦める空気とかというのは、それはやっぱり放ってはおけないことだと思います。教育でも外部の人に教わる機会があった方がいいのではないかというのはそのとおりです。坂本龍一さんが住田の森林や林業をひいきにしていて、時々来てくれたりもしていて、そういう全国有数、世界に通用する人が住田を認めているのだというようなことを時々子どもたちも確認するような、そういう場を作っていくことが大事だなと思います。全国、さらには世界にも目を向けるように。
 スマホは、僕は子どもが高校を卒業して去年大学に入ったばかりなのですけれども、高校時代はスマホは持たせないようにしていて、欲しがってはいたのですけれども、やっぱり害の方が多いなと思っていました。なかなか行政や学校やら強制的にするのは難しいのですけれども、スマホ以外のコミュニケーションとか楽しみとか、そういうのを増やしながらスマホに向く時間を少なくしてやりたいなと思います。

木村室長
 ありがとうございました、皆様。
 それでは、本日のテーマにつきましては一通り御意見はお伺いしたところでございます。
 では、これから自由懇談ということで、これまで一通り皆さんのお話等を伺っての御感想ですとか、今日のテーマに関わらず、何かこの際知事にもっといろんなことを話したいというようなことがございましたら、自由に御発言いただければというふうに思います。どうぞ、本当に御自由に。何かありそうな感じですが。

伊藤雅人
 そうですね、1点だけあって、先ほどの篠原さんのお話にも関わってくるのですけれども、いろんな企業さんから高校だったり中学校の授業で、要は富士通というのはこういう会社ですよとか、クボタというのはこういう会社なのだよとか、何かそういう授業ができるという話をされているのですが、これ県に言うのもあれなのですけれども、学校と関わっているのかよくわからないという部分があって、そういう授業とかできたら、ちょっと僕らとしてもうれしいですし、子どもたちにとっても自分が将来何になりたいかとか決めるきっかけにもなるでしょうし、あとはちょっともう一つ、話に上がっているのが、大学自体を夏休みの間こっちに持ってこようという話を今ちょっと詰めていまして、この地域の人たちが知っていることをその大学の学生さんに教える先生になる。逆に、大学の人たちが地域の人たちに教えるみたいなことができたらいいですよね、ということで、ちょっと今、来年の夏にはできればいいですよね、ということでちょっと詰めていたりとかするのですけれども、そういうことがやっぱりできやすい環境が整ったらいいなというのと、あとちょっとお話を聞いていて認知症の人と家族の会さんで、今僕らのリピーター率が高いので、60歳から65歳くらいの方々が受け入れをされた方々なのです。その人たちが、受け入れた人たちが要はリピーターになって帰ってくるような感じで、月10万とか12万とか、そんな高額ではないので、孫とかにおもちゃを買ってあげられるような金額しかお渡しできないのですが、民間でも何かそういうふうに高齢者の方々に協力していただいて、そういった収入を増やしていけるような取組ができるのではないかなと今話を聞いていて思いまして、それこそ行政と医療とか、そういったところの連携ができてないそうですけれども、でき上がった団体だったり、もともと既存の団体自体もちょっと連携がうまくいっていないような気がするので、そういった部分で連携ができていくといいですね。特に何かそういう、それだけです。なので、ちょっと後でお話をさせていただければなと。

今野光子
 ありがとうございます。

黒沢惟人
 篠原さんのお話を聞いていて、うちの母親だなと思って。うちの母親は雫石の出身で、僕が育ったのは胆沢なので、「いいんだ」みたいな。「あんた、いいじゃん、このまま岩手にいれば。」と言って、僕は嫌になって1回、嫌になったわけではないですが、何か負かしてやろうと思って、だからそういうのがあって今こういうこともやっているのかもしれないですけれども。

篠原邦子
 そうやって思えればいいですよね。東京に出て行くことと戻ってくることの間が、何かそこがすごくアンバランスというか、その間に何かないのかなと思ったときに、すごく価値観というか、極端で、間で何かクッションがあったりとか、急に地元でしか頑張れない感じになってしまうのが残念だなと思って、何か「いいのだ、いいのだ。」と言っている人たちも何か別の道を提示できないというか、だからやっぱりいろんな価値観があって、いろいろあって、その中の一つを選べるような何か大人というか、大人がやっぱりすごく、私も岩手にいていつも地球の裏側の人たち、ブラジルとか、そういった人たちのことを何か、あとそれこそボコ・ハラムの女の子たちの誘拐、自分たちと同じぐらいの子が誘拐されてしまうのだよとかといって、いろんなことをいろいろおしゃべりして、裏側の人たちの痛みというか、どうなのかなと。だから、同じ住田町にいても中上団地という仮設住宅があっても、自分たちの生活だけ守られていればいいと思っている人は結構いると思うのです。だから、仮設住宅の人と交流できますよというイベントを開いても全く興味がないというか、知らないという人たちとか、あとそれはわからないですけれども、盛岡にいる人がこの地域をどうやって見ているのかなと私はたまに思うのです。何かすごくきれいな格好をして、すごく洗練されて、東京っぽい感じの人たちがいっぱいいるけれども、その人たちが今本当に「がんばろう!岩手」とみんなが思っているかなと思ったりするというか、だから同じ場所にいて、やっぱり人の痛みというか、分かち合えるような、感じられるような教育というか。そこというのは、でもお父さんとお母さんの問題でもあるなと思ったときに、何か自分たちが、やっぱり家族が社会の基本だと思うので、お父さんとお母さんがお互いが見ていて「御飯食べな。」と言って作ったはいいけれども、こうやって(スマホをいじる動作)やりながら御飯を食べさせる空気とか、そういうのだろうなと思っています。だから、自分たちはいっぱい何か好奇心をもって、そういう好奇心を子どもたちと分かち合っていろんなことを経験させてあげたいなというふうに思っています。いろんなことができると思います、ここは。何かいっぱいいろいろ宝はここにあると思います。

黒沢惟人
 そういう意味では、多分僕、個人的には岩手というのはめちゃくちゃ自己実現しやすいところだと思っています。僕は東京でそれなりに大きい会社にいましたけれども、何か歯車のように毎日回っていたので、もしかすると齊藤さんもそうかもしれないですけれども。ただ、さっき言った親とか、そういう何かちょっとネガティブというか、「いいのだ、いいのだ。」みたいな環境はあるのですけれども、一方、自己実現はかなりしやすいなと思っていて、僕が今動けているのも多分岩手だからだと思っていますし、そういった中で、だからそこを何か実はできるのだよというのはもっときちんと伝えていかなければいけないし、逆に親層なのか、おばあちゃん層なのかわからないですけれども、そこにもきちんと何か前向きにしてもらうということも必要だと思うし、多分ここに集まっている皆さん、みんなそうだと思うのですけれども、そういった人たちがきちんと発信していくということは大事なのかなと思っていて、今たまたま、先週、今ソフトバンクがTOMODACHIプログラムといって夏休み期間の1週間をアメリカに孫さんが連れていくみたいなプログラムで、県内25人、今参加する高校生がいるのですけれども、陸前高田もいますし、大船渡もいるのですけれども、何かそういうすごい前向きで、自分の意志でアメリカに行くような子たちを、何かいいのだ、いいのだみたいな雰囲気だけで、何かつまらないと思って出て行ってほしくないなみたいなのを思ったりしてですね。

伊藤雅人
 でも、ある程度の刺激は欲しいですよね、一回外に出てというのはあっても別にいいのかなと。

黒沢惟人
 そうですね。

伊藤雅人
 戻ってくるタイミング次第なのかな。ただ、同意見ですけれども、意欲というか、何かをやってやろうという気持ちは、気仙管内は余りないかもしれないですね。震災がなかったら僕、絶対やっていないですもの。一回死んだと思ってやってみるかというつもりだったので、余りそういう意欲的な意識はもしかすると低いのかもしれないです。

今野光子
 私たちの年齢で、これから地域で支え合っていく人たちがたくさんできるのだなと思ったときに、私、震災のときにドイツからボランティアの人たちを20人ばかり来ていただいたことがあって、ドイツのベルリン自由大学というところの先生とちょっと知り合いだったもので、被災のときに大船渡に是非行ってボランティアをしたいということで来られたのですが、その中にソーシャルワーカーの方もいらして、私は介護の方がすごく気になったものですから、ちょっと話をすることがあって、先進国での介護の仕方とか制度とかというのにすごく興味をもったのですが、なかなか言葉も通じないところもあって、きちっと聞くことができなかったということで、多分岩手県の大船渡という小さいところにいて、他から聞いて、行くだけではわからないものがたくさんあると。さっき篠原さんがおっしゃったように外に出て、若い人だけでなくても、この介護の部分でもいろんな、先進国ではどうやっているのだろうと見てきて、それを何人かの人たちがその地域で共有していくということがこれからは必要なのではないかなと感じたことがありました。

伊藤雅人
 とにかく人に会わないと、そういう発想とかも出てこないので、とにかく刺激を、人という刺激を。1回漁師さんで、南アフリカのコンゴの方が来られまして、その方々と一緒に作業をされたのですけれども、言葉が通じないのに会話していましたからね。あといまだにフランス人の方が、震災がきっかけで来られた方々、フランス人の方と毎年毎年何かクリスマスに男の子が来るみたいで、彼女はいないのかとすごく心配していましたけれども、本当に多くの方々が亡くなったりとかもしましたけれども、新しくそういうふうなものが生まれて、そういった土壌ができてきてはいる、多くの人と会っていいことがあるという土台ができているので、そういったものをやっぱり生かしていくまちづくりをしていかないといけないので、是非とも県にも御協力をいただきながらそういうのをやっていきたいですね。

篠原邦子
 何かそういう人と交わって、すごくうれしいとか、そういうのはすごく人間らしいじゃないですか。それがすごく楽しみと思える価値観というか。でも、私はこっちに来て娯楽がすごく少ないなと思ったのです。映画館も遠いし、シネマリーンさんとかもすごい頑張っていて応援しているのですけれども、若い世代の人たちが何するといったら、スポーツもやっているのですけれども、結構パチンコをやっているのです。パチンコなんだと思って、関係者がいたら申し訳ないのですけれども、それもやっぱりお金をもうけることがすごくイコールというか、何か楽しいというか、お金至上主義だとやっぱり東京とか都会に行ったほうがいいと思うのですけれども、ちょっと不便な方がすごく豊かで、不便な方が幸せと感じる価値観みたいな。何か1個ずつお漬物とか作るの大変だけれども、自分だけの味があっておいしかったりとか、買ったら簡単なのですけれども、でも一個一個やっていくとかいうのができる環境だと思うので、何か楽しみ方がパチンコでは残念だなと思います。

菅野あゆみ
 この震災もあって他県から嫁いで来られる方もたくさんおりまして、最初に知っている人が誰もいないという中で利用してくださる方もたくさんいます。知事からもお話があったのですけれども、私も「あまちゃん」の再放送を見ていますし、すごく温かいなと感じるのです。田舎ならではの温かさで、無理して何かスタバをつくろうとか、そんなのではなくていいと思うのです。

篠原邦子
 そうです、そうです。

菅野あゆみ
 カフェが欲しいといっても、スタバがあったら、「えっ。」となってしまいますし、無理しなくていいと思うのです。

達増知事
 あまカフェみたいなやつ。

菅野あゆみ
 あまカフェはすごく温かくていいなと思うのですけれども、やっぱり他県から来た方も嫁いだ方も、田舎ならではでいいのではないかという話もあります。けれども、子育てするには不便過ぎるなとすごく感じています。ただ、普通に今生活できているので、それだけでいいという意見もたくさんあります。
 ただ、他県から嫁いで来た方がびっくりしたのは喫煙率が高いというのが岩手県、マナーが悪過ぎるのではないかという声は上がっているのが現状ですし、妊産婦はすごく気にするところでもあります。
 あと陸前高田市は、虫歯とかもワースト1になっていますし、お菓子の関係とか、おじいちゃん、おばあちゃんの関係、家にいるかいないかというのとか、今仮設内で遊び場が少ないので、ちょっとテレビを見せたり、お菓子を食べさせる時間が多くなってしまって、親が関わりを持つ時間も少なくなっているのかなとも思います。
 今、子育て新制度、まだ陸前高田市は決まっていないのですが、会議はもってきますけれども、まだ決まっていなくて、住田町とか大船渡市は決まって、無料化とかが決まっていたり、ショッピングセンター内に子育て支援センターが入るとかという制度がもう決まっているのですけれども、陸前高田市は今月中に決まる予定なのですが、そういうところをしっかりと立てていただいて、もっと子どもを産みやすい環境にしっかりしていかなければなと思います。
 利用者の方で3人目を今出産しようとしている方がいるのですが、1人目と2人目を保育園に預けていて、仕事をしていないと保育園も出されてしまうというような現状で、3人目の子どもを産後2か月目から3人一緒に、同時に保育園を出されて、3人を見なければいけないという状況になっているので、子どもが小さいうちから仕事というのも大変なので、それは県なのか、市なのかわからないのですけれども、ちょっと子どもを増やしたいというこっちの願いとは別に、やっぱり保育園のそういう無料化もだし、2か月ですぐ就職とかではなく、もっと関わる時間が必要なのではないかなと思いました。

知事所感

木村室長
 すみません、せっかく何か盛り上がってきたところで大変恐縮でございますが、予定の時間も近づいて参ったということでございますので、それでは最後に知事の方から総括的なコメントをお願いします。

達増知事
 自由討論の中で、皆さんの話を聞いていて思ったのですけれども、気仙地区というのは実はオール岩手、さらには全国で活躍する企業が多いところで、かもめの玉子さんとかアマタケさんとか、あとマイヤさんもそうだし、八木澤しょうゆとか、建設関係の会社もオール岩手に事務所をもっているようなところが結構あったりするし、気仙地区というところは実は岩手全体をどうこうしてやろうとか、あるいは全国に対して何かやってやろうとか、そういう発想で団結すると力が発揮できるのかもしれないなとも思います。県の事業として、一つは陸前高田にあった県の運動施設を広田半島の方に移して再建するのでしたか。野外活動センターがまず県の事業としてあって、岩手全体のためのこれは合宿といえば陸前高田というような、そういうのを復活させようというものでありますし、あとこれは県だけではなく、国も市もやる追悼公園。これは、当初岩手がいち早く名乗りを上げたので、東日本大震災全体の国営追悼施設を岩手にみたいな話もあったのですけれども、その後、宮城にも福島にもとなって、当初の想定よりもかなり規模を縮小したようなものが岩手で陸前高田にと決まってしまったのですけれども、その後、道の駅と組み合わせるとか、県もそこに県の事業もかませて、当初の4分の1ぐらいに縮小したのが4倍ぐらいに戻って、これができれば奇跡の一本松もありますし、東日本大震災全体の象徴的な公園、施設で、全国から、あるいは外国からどこか1か所行くならそこというような施設になると思いますので、そういう舞台も活用しながら全国に、あるいは世界にも何か打って出るようなことをやる気仙地区というふうにやっていくと、地元の底力を引き出していけるのではないかなというふうにも思います。もちろん前提として、子育て支援とか高齢者のケアとか、そういう地道なことはきちっとやって、教育のような、住んでいる人たち一人一人がきちっと暮らして学んで働いていけるようなことをやりつつ、ビジョンとしては岩手全体を代表して全国や世界に打って出る気仙地区というようなふうにしていくといいと思うので、是非、気仙地区の皆さんと県も協力してそういうふうにしていきたいと思います。今日は本当にありがとうございました。

閉会

木村室長
 それでは、皆さん、本日は本当に貴重なお話をいただきましてありがとうございました。これをもちまして、県政懇談会「がんばろう!岩手」意見交換会を終了いたします。

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