「がんばろう!岩手」意見交換会(平成29年5月12日 沿岸地区)

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ページ番号1000832  更新日 平成31年2月21日

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日時
平成29年5月12日(金曜日)13時00分~14時20分

場所
大槌町中央公民館 3階第1会議室

出席者(敬称略)

  • 参加者(敬称略)
    東梅 和貴(一般社団法人 おらが大槌夢広場 プログラムオフィサー)
    廣田 一樹(一般社団法人 根浜MIND 事務局員/宝来館スタッフ) 
    柏崎 未来(一般社団法人 三陸ひとつなぎ自然学校 理事)
    大和田 恵美(一般社団法人 大船渡市観光物産協会 観光振興支援員)
    堀内 朋子(一般社団法人 遠野ふるさと公社 観光物産統括部長)
  • 県側
    知事、沿岸広域振興局長、秘書広報室長、観光課総括課長

開会

保室長
 それでは、予定は1時からということではございますけれども、皆さんおそろいですので、ただいまから県政懇談会「がんばろう!岩手」意見交換会を開催いたします。
 皆さんお忙しいところお集まりいただきまして、本当にありがとうございます。
 今日は、「地域連携型体験旅行・教育旅行による交流人口の拡大」ということをテーマといたしまして、この沿岸で様々普段から御活動されていらっしゃる皆様にお集まりをいただいております。
 今日、この会の進行を務めさせていただきます秘書広報室長の保でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

知事あいさつ

写真:懇談会の様子1


保室長
 それでは、開会に当たりまして知事から一言お願いします。

達増知事
 皆さん、こんにちは。県政懇談会というのは、岩手県各地でそれぞれの地域、また、それぞれの分野で活躍している皆さんの声を知事が直接伺うことで県政に役立てていこうということでやっているものでありますけれども、特に東日本大震災津波以降は、この「がんばろう!岩手」意見交換会という名前でやっております。
 今日は、「地域連携型体験旅行・教育旅行による交流人口の拡大」というテーマで、この地域で、この分野で活躍している皆さんにお集まりいただきました。東日本大震災津波からの復興の流れの中でも大変大事な分野でありますし、また、いわゆる地方創生、まち・ひと・しごと創生の流れの中でも非常に大事だと思っております。また、岩手県の沿岸地方、そもそも国立公園、風光明媚であることは昔から定評があり、世界三大漁場の一つの三陸の漁場も控えていて、地域資源には大変恵まれていて、最近ではジオパークという切り口からもアプローチが行われているところでありますので、そういう意味では地域に内在するポテンシャルという意味からも大変大事な分野だと思っていますので、よろしくお願いいたします。

保室長
 それでは、今日はこの後、私のほうから皆様方の所属とお名前を御紹介いたしたいと思います。
 その後、改めまして自己紹介をお願いしたいというように思います。また、自己紹介が終わりましたらお一方ずつお話を伺うという流れでございまして、最後には自由時間、自由懇談の時間も設けておりますので、よろしくお願いいたします。
 それでは、御出席の皆様の御紹介をしたいと思います。こちらのほうから、一般社団法人おらが大槌夢広場のプログラムオフィサーということでお仕事をされております東梅和貴さんでございます。

東梅和貴
 お願いします。

保室長
 宝来館にお勤めということなのですけれども、今日は一般社団法人根浜MINDということで御活動されております廣田一樹さんでございます。

廣田 一樹
 よろしくお願いいたします。

保室長
 一般社団法人三陸ひとつなぎ自然学校の理事でございます柏崎未来さんでございます。

柏崎 未来
 お願いします。

保室長
 一般社団法人大船渡市観光物産協会の観光振興支援員でございます大和田恵美様でございます。

大和田 恵美
 よろしくお願いします。

保室長
 一般社団法人遠野ふるさと公社の観光物産統括部長さんということで、堀内朋子さんでございます。

堀内 朋子
 よろしくお願いいたします。

保室長
 今日は住田町の観光協会にいらっしゃいます、いわて復興応援隊、美濃はるかさんも御出席予定ではあったのですが、ちょっと体調を崩されたという情報でございまして、残念ながら欠席ということです。この5名の皆様で進めたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 なお、県からは達増知事のほか、こちら沿岸広域振興局の小向局長。

小向局長
 よろしくお願いします。

保室長
 それから、商工労働観光部の観光課の平井総括課長が出席しております。

平井観光課総括課長
 よろしくお願いいたします。

保室長
 また、地元釜石選挙区の選出でございます岩崎友一議員にも御出席いただいております。

保室長
 それでは、今お皿とお菓子が回っているようでございますので、お召し上がりになりながらいきたいと思いますけれども、お菓子の紹介もあるようでございますので、少々お待ちください。どうぞ皆さん、上着を脱がれるなりして楽な格好でお願いいたします。
 それでは、地元の局長さんから御紹介いただければと思います。

小向局長
 それでは、今お配りいたしましたのは「希望まんじゅう」という、ご当地、地元大槌町はお菓子と言えば、「さけ最中」が有名なわけでございます。そこは、大坂屋さんという60年以上の老舗のお菓子屋さんでございます。先代が震災津波の犠牲になられたということですけれども、その息子さんが頑張って今お菓子を引き続いてつくられているという中で、震災後、復興を願ってこの「希望まんじゅう」、「夢まんじゅう」、福に幸と書く「福幸まんじゅう」という3種類のまんじゅうを考案して今売っているということで、今日は「希望まんじゅう」ということでございます。これは、栗あんのおまんじゅうということでございます。希望ということでございますので、ぜひ希望を込めたまんじゅうだということでお召し上がりいただければと思います。お話の中で、なかなか食べにくいかもしれませんけれども、みんなむしゃむしゃ食べながらやるというような感じでよろしくお願いしたいと思います。

達増知事
 結構洋菓子のような感じでもありますよね、まんじゅうと言いつつ。

保室長
 ユズか何か入っているのでしょうか。これは、一口で食べると希望がかなうとかなんかそういう……
では、食べながらということでお願いいたします。

懇談

写真:懇談会の様子2


保室長
 それでは最初に、皆様から2分くらいで自己紹介をお願いしたいと思います。
 それでは、一番知事に近いほうから、東梅さんからお願いします。

東梅 和貴
 御紹介にあずかりました、おらが大槌夢広場の東梅といいます。今日のような修学旅行の受け入れや企業研修の受け入れを通して、大槌町の中で人の流れをつくるという仕事をしています。

達増知事
 さっき見てきました。

東梅 和貴
 ありがとうございます。今日の視察の感想や、それから将来の活動に向けて、いろいろと意見交換や御指摘だったりをいただけたらなと思っています。本日はよろしくお願いします。

保室長
 それでは、廣田さんお願いします。

廣田 一樹
 一般社団法人根浜MINDの事務局と、あと宝来館という旅館に勤めております廣田と申します。
 私はもともとIターンと言われる、震災以降にこちらに来まして、ただもともと祖父方の実家が山田にあったということで、夏休みを利用して小さいころ、よくこちらに帰ってきて、根浜海岸でも遊んだ思い出がありまして、そういうきっかけで釜石に参りました。こっちに来た当初は、ラグビーカフェという鵜住居で民間のラグビーワールドカップの誘致活動に携わっていまして、それがきっかけでおかみさんと知り合うことになって宝来館に勤めることになりました。今我々のいる根浜地区が、先月高台移転が全て完了して住民がそろったということもあって、その前から根浜MINDという社団法人を立ち上げて、もともと海水浴場の盛んだった観光地としての根浜を復活させたいという思いで、今根浜MINDというものを立ち上げて取り組んでおります。

保室長
 ありがとうございます。
 それでは、柏崎さんお願いします。

柏崎 未来
 三陸ひとつなぎ自然学校の柏崎未来と申します。生まれも育ちも釜石市で、震災前は大学から北海道に行って、そこで野外教育という分野を大学で学び、北海道の自然学校で働いていました。震災後に地元が被災したというので、前の自然学校のNPOで釜石支援に入り、そのまま今は地元の人と一般社団法人三陸ひとつなぎ自然学校を立ち上げて今も活動しております。震災後に戻ってきて、震災前はそんなに釜石に魅力を感じていなかったのですけれども、震災を通して、支援を通していろんな方に出会って釜石が好きになって、盛り上げていこうというふうに思って頑張っている31歳です。よろしくお願いします。

保室長
 では、大和田さんお願いします。

大和田 恵美
 いつも大変お世話になっております。一般社団法人大船渡市観光物産協会の大和田と申します。私は、主に観光客の誘致のほうを担当していまして、体験観光の推進事業というものをやっております。
 その内容なのですけれども、地域産業をベースにした体験観光プログラムの構築と整備、あとは大船渡の魅力ある観光素材をPRするのが主なのですけれども、大船渡市に訪れたいと考えているお客さんと、その内容を企画する旅行会社と地域の方々とのつなぎ役を主にやっております。そのため、市内外の調整と、あと岩手県観光協会が主催する商談会などに積極的に参加しまして、楽しく市内外問わず飛び回って活動しております。よろしくお願いいたします。

保室長
 ありがとうございます。では、堀内さんお願いします。

堀内 朋子
 一般社団法人遠野ふるさと公社の堀内朋子と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
 私どもふるさと公社では、観光施設としまして市から指定管理を受けております遠野ふるさと村、伝承園、たかむろ水光園、あとは道の駅遠野風の丘の運営と、盛岡のイオン南店のほうに結いの市というテナントの出店を行っております。その中で、体験学習等にも関わることが多いのですけれども、私自体は20年前に遠野ふるさと村ができた時に、こういうところで働きたいなと思ったときにちょうど募集がかかりましたので、勤め始めたのがきっかけでございます。そして、実際に営業にかかわるようになりましたのは平成26年からになるのですけれども、今隣にいらっしゃる大和田さんにもすごくお世話になっておりますので、今日はどうぞよろしくお願いいたします。

保室長
 ありがとうございました。
 それでは、一通り御紹介いただいたところで、今日のテーマでございます体験旅行、あるいは教育旅行を通じた交流人口の拡大を進めようということでございます。このテーマで、また最初に戻り、お一人様4分ぐらいずつになるかと思いますけれども、お話をいただきたいと思います。
 では、東梅さんからお願いします。

東梅 和貴
 私は、震災当時、高校2年生だったのですけれども、そこから6年が経過して23歳になって、こういった仕事もしているのも何かの縁なのかなと、こう思いながら、いつも思うときがあるのですけれども、やっぱり高校生のときの大槌町は、自分の中では結構閉鎖的な町というか、何と言えばいいのでしょう、余り情報も入ることもないですし、これはこうだとか、あれはああだとか、大げさに言うとそうだったのではないかなと思っています。でも、震災を機に、こんな小さな町でも全国各地の方々に御支援いただいて私も立ち上がることができましたし、大槌町の復興も決して町民の力だけでやってきたわけではなくて、やっぱり全国各地の方々の支えがあって、町民がやっと頑張ろうと思えて、今ここまで来ることができました。
 その時に、例えば都市部の方と町民が、私もそうなのですけれども、出会ったときに、新しい考え方とか、生き方とか、そういったものに触れて自分で感じるほど成長したなと思う機会がありました、正直言うと。その成長を感じることがすごくいっぱいあって、それは私だけではなくて、この大槌町に住んでいる町民誰しもが多分感じたことだと思っています。この成長する機会というのは、決して震災があったから終わりではなくて、これからの大槌町には必ず必要なことであって、町をつくるのも人が成長しなければいけないし、これからの町を支えていくのも人が成長していかなければいけないところで、そこで、人の流れをつくれば町民が成長するのではないかということで、今教育旅行の受け入れだったり、基本研修の受け入れを通して、私たちが何を感じて、どう思って、どう成長したのかというのを話して伝えて、そしていろいろな手法で研修を組むことによって来ていただいた方にも成長していただきたいですし、それと一緒に私たちも成長する場というのをつくっていきたいと思っています。ですので、私たちは「共に育つ」と書いて、それを「共育」と言って、これからもこの町でできること、そして町のためというよりも、まずは自分たちのために頑張っていきたいなと思っています。
 将来に向けてなのですけれども、まずもっともっと人の流れをつくりたいというのと、私の中ではこの震災というのは人を成長させる一つの大きな機会だと思いました。なので、人材育成ができる地として、この三陸で、一般観光だけではなくて、人材育成という部分で他県と勝負していきたいなと思っています。これが今後の目標です。
 以上です。ありがとうございます。

保室長
 ありがとうございます。
 それでは、続きまして廣田さんからもお願いします。

廣田 一樹
 私たちの団体、昨年の7月に立ち上げまして、まだこちらにいる皆さんと同じような体験型の学習旅行の受け入れにはまだ至っていないのですけれども、私のほうからラグビーワールドカップに絡めた関係の取り組みを説明させていただきたいと思います。
 宝来館の裏山にユーチューブでよく有名になった避難映像があるのですけれども、あれはもともと震災前からあった避難道で、その脇に今度は震災後、車椅子でも避難できるように、新しく絆の道というのをつくりました。やっぱり今後、根浜地区、鵜住居地区でスポーツ大会、ワールドカップもそうなのですけれども、トライアスロンだったり、オープンウォーターがあるので、そういった方たちが安全に避難できるように、今つくった絆の道を、できればスタジアムからの避難道と宝来館側、根浜側からの避難道を合わせたものをつくりたいなと思って今取り組んでいます。これを今のところ全国のラグビーのそれこそ応援隊というか、ラグビーの人たちに呼びかけて、本当に手作業で避難道をつくっている最中です。
 あとは、こちらの紙を、カラーの用紙を見ていただきたいのですけれども、こちらは本当にこの三陸沿岸を含む沿岸部にみちのく潮風トレイルというのが認定されまして、当地域もその中の一つを担っていまして、実はこのマップ、スタジアムの建設地にあった釜石東中学校の生徒さんたちと一緒にこれをつくりました。生徒さんたちも実際に歩いてこのマップをつくったのですけれども、それに岩手大学の皆さんも御協力いただいて、こういうマップが完成しました。19年にワールドカップの試合が行われるときに、ここに来て、やっぱり何か楽しむものを提供したいなという思いでこれをつくったのですけれども、今度新たに今大槌町のほうに支援に入っている軽井沢のインターナショナルスクールという高校があるのですけれども、たまたまその方が宝来館に泊まっていただいた縁でこのマップのことを知って、インターナショナルスクールなので、何カ国の人もその学校に集まるわけで、私たちにこのマップの翻訳化をぜひ手伝わせてくれということで、今まさに取り組みが始まったところで、かつこの間、2日前に組み合わせも、ラグビーの大体グループもわかって、何語に翻訳すればいいのかなというぐらい、あらかたの予想がつくところになってきたので、これは19年までに完成させる予定でおります。
 私のほうからは、以上です。

保室長
 ありがとうございます。
 知事からお願いします。

達増知事
 東梅さんは、おらが大槌夢広場で活躍していて、「共に育つ」の「共育」ですね、大変いい方向性で活動していると思います。また、自分自身の実感として、都市部の人の考え方に触れて成長を感じるという、やはり違う地域の人とか、そういう自分と違う背景の人と交流することは、自分を成長させるものだと思います。これは、都会の人にとっても成長しているのだと思うので、そういう人がともに成長していくといういいことが大槌でどんどん起きているというのを大切にしていくことが大事だと改めて思いました。
 震災当時、大槌高校の2年生だったということで、私も発災直後の大槌高校へ行ったのを思い出しますけれども、高校が避難所であり、また病院機能もそこに間借りして、またいろんな役場機能も大槌高校で行われたりしていて、一つの町の機能を高校生たちに支えてもらっていたということ、本当にあれはすごかったなと思います。そのことだけでも孫子の代まで自慢できることなので、ぜひそれを誇りに思ってやってほしいと思いますけれども、そういうところから始まって大槌の交流によって人が育っていく、人が育つ、人材育成できる地というのは本当にいい方向性だと思うので、県もそういうところをどんどん対外的に発信していきたいと思います。
 廣田さんは、根浜MINDというのはネバーマインドとかけているわけ……

廣田一樹
 ちょっと。

達増知事
 心配するなみたいな、いいですよね。ラグビーは、私もおとといの(ラグビーワールドカップ2019)プール抽せん会に出てきて思いましたけれども、やっぱり英語が公用語、共通語だから、まずは英語なのだなと思いました。あとは、来る人たちに合わせて多言語化できればさらにいいのだと思います。おとといは、安倍首相もいらっしゃったのですけれども、挨拶の中で釜石にも触れられて、釜石、そして熊本という、そういう大きな災害の被災地でも開催されますということで、全国十幾つかの開催地の中で、釜石と熊本だけが言及してもらったところもありますので、全国的にも世界的にも注目されていますから、こういう地元からどんどん発信したり、また発信する準備をしていくということが非常にいいと思います。
 去年の国体でも改めてスポーツの力というのが復興の力になるし、地域振興の力にもなるということを確認できたと思うので、それがまず釜石においては、ラグビーワールドカップ2019というのは、ここはかなり力の入れがいのあるところなので、県もしっかり力を入れていきたいと思います。

保室長
 それでは、続きまして柏崎さんからお願いします。

柏崎 未来
 三陸ひとつなぎ自然学校は、大きく3つの事業をして、1つが子どもの、小学生とかの放課後の居場所づくりをしています。それは、仮設住宅とかが空き地とか公園に建ったことで遊び場が少なくなったという現状から、放課後子ども教室という事業が1つあります。
 2つ目が、震災後からたくさん来てくださっているボランティアさん、今も来てくださっていますので、その方々を受け入れてコーディネートをするというようなことをやっています。
 3つ目が、体験プログラムのコーディネートということでやっているのですけれども、企業さんとか大学生の受け入れをして研修とかボランティアツアーという形で受け入れをしています。今は、お配りした2つの青い、濃い青のと水色の冊子をお渡ししているのですけれども、Meetup Kamaishiということで、2015年からちょっと違う名前でやっていたものを、今はMeetup Kamaishiということでやらせていただいています。この体験プログラムコーディネートということで、開いていただくと体験プログラムがたくさん書いてあるかなと思います。
 でも、一番目的にしているところは、体験プログラムを増やすことではなくて、私たちの釜石は鉄のまちなので、達人とかではなく鉄人と呼んでいるのですけれども、鉄人を増やしていくこと。私も先ほど言いましたけれども、魅力がないと思っていたまちで魅力を見つけたのは、そういう人たちに出会ったことだったので、そういった魅力的な人、鉄人を増やしていくことがいいまちになっていくのだろうということでやっているのがこれに載っています。すごく魅力的で、すごくおもしろいなと改めて思っています。
 もちろんこの鉄人を増やしていくことということで、このプログラムを見て、もしかしたら自分にもこんなことができるかもと手を挙げる鉄人さんがいたり、あとはこれに参加することで、こんな生き方があるのだ、こんなことをやっている人が釜石にいるのだというふうに子どもたちとか高校生が思うことで、釜石を誇りに思うという形で釜石を好きになってもらって、いずれ釜石に戻ってきてもらう、戻らなくても釜石っていいまちだよというふうに言える子どもを増やすことを目的にやっています。背中を見せていくことというのがすごく大事かなと思っています。
 先ほど廣田さんもおっしゃっていましたけれども、絆の道というのも整備……、青いほうの18ページの20番目のプログラムで、避難道の絆の道を整備しようというようなこと……

達増知事
 写真入り。

柏崎 未来
 はい。この時は、宝来館のおかみさんが根浜MINDの代表ということで、鉄人ということで出ていたりします。

達増知事
 本当だ。

柏崎 未来
 あとは、新日鉄さんも2016年のときに、こういう取り組みがあるのだということを知った経緯で、自分たちもこういうことをやらせてほしいという声があって、2017年、この前の3月の3連休にやったのですけれども、手を挙げてくださって、すぐ満杯になったプログラムであって、何かすごく地域全体でおもしろいなというふうに思いますし、見ていただくとわかると思うのですけれども、鉄人のいい笑顔が見られるのではないかなというふうに思っています。
 課題としては、これを回していくプレーヤーが私も含め、すごく少なくて負担が大きくて、もっとプレーヤーを増やしていきたいなという、資金面はもちろんそうなのですけれども、そういったところにすごく課題感を持ちながらも、でも続けていくことが重要だし、やっていくということで見えてきた成果とか課題もありましたので、続けていくということがすごく必要なのかなというふうに思っています。
 プログラム、いろいろあるのですけれども、私はいろいろテーマをつくるのが好きなので、2017年のときは豆腐づくりとみそづくりとワカメの漁師体験をすることで、あわせて最後にみそ汁をつくるということで、究極のみそ汁をつくるというようなプログラムをやったのですけれども、すごくおもしろくておいしくて最高だなというふうに思ったので、何かバラバラに見えるのですけれども、そういうテーマにすることで地域をおもしろく見せていくという仕掛けができるのではないかなというふうにわくわくしているところです。
 いずれは、せっかくこのすてきなメンバーが三陸DMOセンターさんのおかげでつながれたので、Meetup KamaishiではなくてMeetup Sanrikuみたいな形で全体でできるといいなというふうに思っていて、三陸鉄道も19年にはつながって、復興道路もできてという中で、すごくやれる可能性がある地域だなというふうに思ってやっています。よろしくお願いします。ありがとうございます。

保室長
 ありがとうございました。
 では、大和田さん、お願いします。

大和田 恵美
 よろしくお願いいたします。大船渡市の教育旅行の現状なのですけれども、震災前はグリーンツーを中心とした農家民泊、あと漁業、農業の体験というのが中心で、1泊、2泊とゆったりとした行程の中で交流ができていたのですけれども、震災がありましてインストラクターの方々も多くが被災しまして、一旦受け入れを休止します。その時期から従来の旅行の形とは変わりまして、被災した方々を支援したいとか、ボランティア活動をしたいというような形に移ってまいりました。それから今の形である震災とか防災の学習のような命の学習に変化してきて、逆に大船渡市は震災前よりも今のほうが受け入れ人数は多くなっています。
 震災から6年が経って今感じることなのですけれども、修学旅行に求められているものというのがやっぱりこの6年間で変わってきているように、今もまた変わっているなというのを最近感じまして、津波を何回も受けている被災した地域からすると、震災防災学習というのは伝えなければいけない大事なことなのですけれども、今世の中の事情で修学旅行の泊数が減る中で、いろんな場所でいろんな体験をさせたいという気持ちと、時間の制限、旅行代金の上限とか、あとはバス問題とかいろんなことで、やっぱりこちらが与えてあげたいものと、あちらが求めていることの差が結構感じるなと思ってきています。
 このままですと、せっかく増えているお客様たちが減っていくのは目に見えているので、ちょっとプランを地域に特化したような内容で構築したいなというのを地域の方々とお話ししたいと思っているのですけれども、なかなかできていない状況で、それが今からの課題だと思っています。
 話が少し変わるのですけれども、昨年参加した旅行プランナーの養成塾でプロフィールを書かせられたのですが、その中に岩手県、地域でやりたいことという欄がありまして、そこで私は岩手沿岸エキスポをやりたいというのを書きまして、その理由なのですけれども、大船渡の知名度というのは全国的に低いので、アクセスが悪い条件の中でも、やっぱり来てくれたお客様は大変喜んで帰られるのです。来ていただいたからこそ感じる良さというのはやっぱりあると思いますので、沿岸地域でテーマ性を持ったイベントを開催して、各分野の関係者の方々が実際に見て触れて得られる情報というか、商談する機会とか、そういうのを三陸DMOさんでやった企画で、このメンバーが集まった中で、一体となってやれるようなものがあったらいいなと思っていました。

保室長
 ありがとうございます。
 それでは、知事からお願いします。

達増知事
 柏崎さんの三陸ひとつなぎ自然学校で体験プログラムコーディネートということで、鉄人というキーワードで地元の人を中心にプログラムを展開しているというのは、非常にグッドアイデアだと思います。鉄人のまち釜石ということで、釜石にも合っていますね。あといろんなフォーラムとかそういうイベントも、これ釜石PITを使ったのですね。

柏崎 未来
 はい、そうです。

達増知事
 やっぱりあれはつくってよかったですよね。

柏崎 未来
 そうですね。何かと使わせていただいていました。

達増知事
 便利な場所だと思います。
 そして、大和田さんは修学旅行の変化を実感していると。やっぱり学校の先生方も常に勉強しているので、前の年よりも何かここをよくするとか、何か変化をやっぱり意識するみたいですから、そういうのにあわせて地元側でいろいろ用意していくというのは、そう簡単ではないところもあるのだと思うのですけれども、ただやっぱり材料が豊富ですから、岩手の場合。いろいろそういう材料を組み合わせてやれればいいのだと思うのですけれども、2次交通の話とか、そういうところは行政のほうともやっぱり連携しながら工夫していかなければならないところだと思います。
 それで、沿岸エキスポという話が出て、これはやりますのでやりましょう。2019、三陸防災復興博覧会という、仮称、名前があるのですけれども、三陸DMOが司令塔になって準備していきますので、ですからこのエキスポのベースにあるのは体験旅行、教育旅行をPRしていくというのが根にあって、それでエキスポというようなイベントにはするわけですけれども、一時的なもので終わるのではなくて、まずはそれぞれの三鉄の駅ごとに、三鉄の駅や三鉄の車両をパビリオンに見立ててというのがあるのですけれども、プラス自治体や団体や企業などがどこに何をつくっても構わないし、また三鉄の駅舎以外でもいろんなイベントを企画していただきたいというのもありますので、そこはこれからの相談になるわけですけれども、それはその場、その場で瞬間的な何か楽しさを与えるというよりは、それぞれの駅、それぞれの地域、それぞれの市町村の良さ、全体として岩手沿岸、三陸の良さというのを、これは岩手内陸の人も含めて、また県外の人たちに、できれば外国の人にもアピールし、その後のリピーターというか、その後来てくれるお客さんにつなげていこうというのが趣旨なので、それを大々的にやりたいと思っていますので、ぜひその中で活躍をしていただきたいなと思います。

保室長
 ありがとうございます。
 お待たせしました。では、堀内さん。

堀内朋子
 よろしくお願いいたします。
 まず、私どもの施設の遠野ふるさと村が一番の体験のメインにはなっている施設になるのですけれども、20年前から私たちができる体験は何だろうということで、地元のおじいちゃんとかおばあちゃんに協力をしてもらって竹とんぼをつくったことがあるとか、お手玉をつくったことがあるとか、餅つきだったらできるかなというのが体験プログラムになっています。
 遠野といえば語り部さんの昔話なのですけれども、そういったものもプログラムに入れながら、近年では、ひっつみというのは、すいとんのことなんのですけれども、ちぎることをひっつむと遠野では方言で言っているのでひっつみという名前がついていて、そのひっつみを自分たちでつくって、昼食にそれも加えてという食体験が今は人気になっています。そのほかに三セクなので、いろんな方々と連携企画というのもありまして、地域経済の活性化という大きな基本理念があるので、遠野緑峰高校という高校がありまして、実はホップの和紙づくりで表彰されている学校でございます。伝承園の中の工房を使いまして、地元の方々と協力して、この間のゴールデンウイークもだったのですけれども、観光客の方にホップの和紙づくりの体験をしていただきました。これを常設でできないかということで、今検討を行っております。
 それから、たかむろ水光園というところではどぶろくをつくっているのですが、遠野はどぶろく特区1号ということを売りにしているのですけれども、どぶろくをつくっているたかむろ水光園の醸造技術を生かしまして、やっぱり緑峰高校の生徒さんなのですけれども、何か遠野オリジナルの商品ができないかということで、こうじを使った商品を今一緒に考えましょうという段階になっていました。
 課題のところなのですけれども、やはり一般の観光客の方も減っておりますし、修学旅行も減っております。子どもの人数が少なくなって学校がどんどん統合されて学校数ももちろん少ないのですけれども、その中でもどうやって魅力を高めていくかというところで、今回皆さんと一緒に勉強させていただいているのですけれども、遠野だけでは弱いのです。遠野は、昔、内陸と沿岸を結ぶ宿場町で栄えたという話もあるとおり、あと今オール遠野でという活動をしているのですけれども、オール岩手でというところで、こういう人と人とのつながりを財産にして今後は取り組んでいきたいと思っております。遠野インターが開通しまして、間もなく釜石まで全線開通になります。立丸峠も2年後には開通になりますけれども、道の駅風の丘の機能を充実させることによって、素通りされる道の駅ではなくて、まず沿岸に行くのであれば風の丘に寄って情報を集めてから沿岸に行きましょうとか、沿岸の方々が内陸に行く場合も風の丘で情報を集めていきましょうという、そういう拠点になれればと思っておりましたので、引き続きどうぞよろしく。
 もう一つ、加えさせていただくと、実は昨年は台湾の商談会にも参加させていただきまして、産業経済交流課の皆様、観光課の皆様には本当にお世話になっておりますので、どうぞ引き続きよろしくお願いいたします。

達増知事
 台湾は、私が初めて知事になって台湾に行ったときに、案内をしてくれた現地ガイドさんが、バスでガイドさんをやってくれたのですけれども、岩手県といえば後藤新平先生、新渡戸稲造先生、伊能嘉矩先生ですねと言っていて、だから伊能嘉矩先生というのはやっぱり知られていますよ、台湾の普通の人にも。最近行ったときには台湾歴史地図帳というのが台湾で発売されてベストセラーになっていたから買って見てみたら、古代の台湾というか、原住民の人たちしかいなかったころの台湾のそういう歴史とか地理は、ひとえに伊能嘉矩さんの研究に基づいているから、改めてそこで伊能嘉矩さんが説明されていて、それ以外は全部漢字なのですけれども、そこだけ片仮名表記になっているところがあったりして、伊能さんの台湾における存在感の大きさというのは何か改めて感じました。

堀内 朋子
 ありがとうございます。実は、今日の私ども、ふるさと公社の資料の中に伊能嘉矩さんの資料をちょっとだけ入れさせていただいているのですが、風の丘ではエントランスホールというのがございまして、市民ギャラリーという位置づけで、遠野市内の方の作品展を主にはしているのですが、時折遠野市の企画展なども行っておりまして、昨日からは伊能嘉矩展ということでパネルの資料なども出しておりました。
 あともう一つ、実はカレンダーが封筒の中に入れ、それは……

達増知事
 かわいらしいカレンダーが入っていますね。

堀内 朋子
 それこそ地域経済の活性化と交流人口の拡大も考えて、遠野萌えキャラプロジェクトというのを遠野市とふるさと公社と、あと岩手大学の生徒さんがキャラクターは考えてくださったのですけれども、連携して昨年から始めておりまして、その萌えキャラ、お名前がついているのです、4人には。それぞれが私ども遠野ふるさと公社の施設を紹介してくれていて、時折パネル展などの企画も行っておりましたので。

達増知事
 綾織楓花さんとかですよね。

堀内 朋子
 はい。それは、風の丘の職員さんということで、ぜひお使いいただければ幸いでございます。

達増知事
 風の丘は、今日もちょっと寄ってきたのですけれども……

堀内 朋子
 ありがとうございます。

達増知事
 今ちょうど花巻のほうから来て高速が終わったところから出てすぐなのですけれども、あのくらい行って戻るというのは、秋田道の錦秋湖サービスエリアですか、サービスエリアでもああいう川を渡って向こうまで行くみたいな、ちょっと離れたサービスエリアというのはありますから、岐阜県でもそういうところに行ったことありますけれども、だからあのくらいの感じだと十分サービスエリア感覚で寄ってもらえるなと今日改めて思いました。

堀内 朋子
 ありがとうございます。

達増知事
 そういうふうに県としても工夫していきたいと思います。

堀内 朋子
 どうぞよろしくお願いいたします。

保室長
 ありがとうございました。皆さんから一通り、これまでの取り組み、あるいはこれからの展望、課題、そういったことも含めてお話をいただいたところでございますけれども、ここまでのところで、もし皆様方から何かこれまでのお話を聞いて、もう少しこういうこともあるとか、何かございましたら、もうここからは自由な時間ということでもございますので、ぜひお願いしたいと思いますが、どうでしょうか。
 今遠野の堀内さんからは、遠野だけではなくて、もう少しオール岩手というお話もありましたし、これからは三陸全体でという話も何人かの方からお話しいただきましたけれども、そういう普段からのつながりみたいなお話は幾つか、先ほど体験メニューなんていうのもありましたけれども、あるのですか。普段からこういうメニューを、では釜石以外でもやってみようかとか、遠野からお客さん呼ぼうかとか、そんなことは皆様方の間では何か、特に今のところはどうですか。

東梅 和貴
 大槌町の場合は、基本的に今日来ている子どもたちの様に、内陸から長い時間をかけて大槌へ来るというパターンなので、ほかの地域と連携して来れないというか、そういう時間を持てないですね、所有時間がやっぱり決まっていて、移動時間ばかりになってしまうと、実際修学旅行何だったんだみたいな感じになってしまうので、単発になっているというのが正直な意見です。
 あと基本的に私たちは北海道だったりとか、あと都市部のほう、関東のほうに視点を向けて営業活動を行っているのですけれども、実際結構私立の学校さんは意欲もあって来たりとかするのですけれども、公立がちょっと多くて、PTAの親御さんたちが岩手の沿岸に泊まっていいのというか、震災があったから泊まるのちょっと怖いなということで、時間が限られてくる中で、どれで勝負していくとなったときに、私たちもほかの地域と連携できればいいのですけれども、できないような状況が続いているので、そこの部分を県の皆さんにちょっとバックアップしてもらって、そういった部分でも岩手に入って岩手で完結させるような修学旅行というのを一本つくっていけば、岩手としても、私たちの地域としてもすごく大きなことだと思っているので、共通認識としてバラバラで動くというよりも、これをつくるのだというので、皆さんと一緒につくっていけたらなというのがあります。

達増知事
 今日来ている学校は、仙台と組み合わせているのでしたっけ。

東梅 和貴
 千歳から仙台空港まで飛んで、仙台から上がってきました。なので、明日には函館にいるそうです。なので、もう通過型というか、なかなか移動時間もあるので、先生方もすごく見せたいという意識はあるのですけれども、時間がないというので、そこはやっぱりネックになってくるのかなと思うのですけれども、高速が通るので、そこでどう変わっていくのかというのがあるので、そこで勝負していきたいなというのはあります。

達増知事
 そうですね。

保室長
 ちょっと御紹介しますと、今日たまたま北海道の新十津川というところの中学校の生徒さんが修学旅行で大槌町にいらしていまして、今その御紹介で仙台から入って平泉中尊寺を見て、遠野にお泊まりになって、今日大槌に来ているというようなことで、今晩は盛岡のつなぎ温泉に泊まって、あと北海道へ帰るというようなコースをとっておられるということでございました。
 今のお話は、そういうことからしますと、ぜひ仙台に行ったりあちこちに行かないで、県内でじっくりやってもらいたいなというようなことではないかというふうに思いますけれども、そのようなところで何か皆様からありますか。課題とか、これからの工夫、そういったことは特にどうでしょう。
 では、ちょっと話を変えまして、知事のほうから話がありましたとおり、あと2年後、三陸防災復興博というのを計画しております。
 今まだ様々検討中ではございますけれども、三陸鉄道の全線一体運営みたいなものを契機として三陸を盛り上げようというようなことでございますけれども、そういったことは少し情報として入っていらっしゃる方もいらっしゃると思いますけれども、そういったようなことも含めて今後の活動に当たっての期待というか、そういった展望みたいなものがあったら、ぜひちょっとお話を御紹介いただきたいなと思いますけれども、どうでしょう。

堀内 朋子
 実は、ラグビーワールドカップが開催されるということで、間違いなく遠野にもお越しいただけるのではないかと思いまして、パンフレットの多言語化と道の駅遠野風の丘に関しましては独自のパンフレットと、それからこれからになるのですけれども、免税店の申請などを今進めている最中でございますので、その辺の案内などもできればと考えております。
 あとWi-Fiについては、各観光施設には設置しておりました。海外の方がいらっしゃると、やはりWi-Fiは大事だという話を伺ったことがありましたので、その辺の整備は進めておりました。

達増知事
 はい、そうですね。Wi-Fi、大事ですね。今日は、観光課の平井課長も来ていますので。今年度もWi-Fiなどの整備支援を行うのですね。

平井観光課総括課長
 Wi-Fiは、県のほうでも民間の事業者様がWi-Fiを設置する場合には2分の1の補助を差し上げていますし、あと多言語表示、それからパンフレット、それから今年は、例えば和室をインバウンド対応で洋室化する場合にも若干の補助をしていこうと考えています。ただし、対象はあくまでも民間事業者、いわゆる公的な施設は公金でそういうことはできますので、ぜひご利用いただきたいと思います。よろしくお願いします。

保室長
 修学旅行、今インバウンドの話もありましたけれども、修学旅行以外にも一般の方のグループですとか、あるいはボランティアとか何か様々つながりのある会社さんだとか、団体さんだとか、そういうところとのつながりで体験的なメニューに来ていただくとか、いろんな防災の関係のものを見ていただくとか、そういったような活動としてもあると思うのです。そういう面に関して、日ごろちょっと感じておられるような、これからこういうふうにしなければならないなというような課題ですとか、もっとこうなればいいなというようなことですとか、そういうことに関しての普段お感じになっていることがあれば、ちょっと御紹介いただけるとありがたいと思いますが、どうでしょう。
 宝来館さんなんかは、もう千客万来ですか、どうですか。

廣田一樹
 そうではないですけれども、うちで今震災学習という意味では2つお客さんに提供しているのがあって、まず1つはおかみの震災当時の話を泊まっていただいたお客さんに毎朝30分ぐらい話すのがあるのと、あともう一つは相撲甚句という地元の主婦2人が……

達増知事
 ああ、聞いたことあります。

廣田 一樹
 北村弘子さんと藤原マチ子さんがやっているのですけれども、マチ子さんのお兄さんがもともと大槌の相撲協会にいて、そのお兄さんが流されて、その思いを歌につくって今やっているのですけれども、今はその2つしか提供していないのですけれども、根浜はすごく特徴的な場所というか、震災前と同じ高さの防潮堤を選んだというか、根浜地区の住民は。そういった思いというか、なぜそういう選択をしたのかというのをいろんな方に伝えていきたいなというのは、今後やっていきたいなということはあります。

保室長
 わかりました。ひとつなぎさんは、体験する皆さんをどうやってお集めになっているか、その辺はどうですか。

柏崎 未来
 口コミが多いかなというふうには感じていて、このMeetup Kamaishiも。今年の3月の3連休にやったのは、比較的市民の参加者の方が多くて、去年は震災から5年ということで、今まで震災から5年ありがとうございましたというのと、これから釜石、こんなふうに頑張っていきますというお礼も込めてやったので、市外の方で参加する方が多かったのですけれども、今年は結構市民の方も来てくださって、見ていると知っている人が楽しいから来てというふうに言ったりとか、友達から聞いて来ましたとか、知っている人が宣伝するというのはすごく強いのかなというふうにも思っています。これもコーディネートする側からすると、すごくいい素材があるのですけれども、鉄人はその道のプロですけれども、伝えるプロではないというか、そういうところがすごく難しいなと思っていて、子どもとかに伝えるときのインタープリテーション(通訳)というか、そういった能力を私たち自身も勉強していく必要があるなという課題を感じながらやっています。ここのプログラムの質を上げるというところで、いかに満足してもらうかというところが今後必要かなと。鉄人とともに私たちも成長していきたいなというふうに思っています。

保室長
 満足度というのは大事なポイントかもしれませんが、何かそれを把握したりとか、生かしていこうというような、そういうことの取り組みがあれば少しどうでしょう、何かありますか。よくやるのは、参加者アンケートで問題点をチェックするとか、そんなこともありますけれども、お話あったみたいに満足度を上げていくために自分たちも頑張らなくてはいかんというようなこともありまして、そういうことに関して何か課題とか、大和田さん何かお話、目が合って、済みません。

大和田 恵美
 うちは直接の受け入れということはしていないのがほとんどなので、実際は修学旅行の行程を旅行会社さんから相談されたことに対して、市内、隣の市町村、三陸鉄道を使うというような形でつないでいって、当日受け入れもお手伝いをするというような体制をつくっているので、実質的なアンケートというのはとったことがないのです。ただ、旅行会社様と仲良しなので、結果というのは教えていただくのですけれども、それに対して来年度もお願いしますというときに、ここがよかった、あそこはもうちょっとやったほうがいいよね、変えたほうがいいねというのは見ている私たちから地元の方に調整をかけます。年々ちょっとずつでもグレードアップするようには努めています。

保室長
 お話の中でちょっと気になったのは継続性、皆様は一般社団法人という形が多いと思いますが、遠野市さんは割と施設の管理運営なんかもやっていらっしゃいますから、そういう面での強みというのはあるのかもしれませんけれども、継続的に仕事をするためにマンパワーであったり、あるいは金銭的な面での基盤というか、そういうことに対してもいろいろあるかと思いますけれども、そういった面でこうしたほうがいいかなとか、こうなったらいいなとか、あるいはちょっと困っているみたいな話がもしございましたらどうですか、そちらは大丈夫ですか。

大和田 恵美
 ほとんど市からの補助金で成り立っている団体なので、その不安はあるのですけれども、先ほどインバウンドの補助金の関係で、公的機関は補助を受けられないとありましたが、私が勤めているところの例えば碁石海岸にインフォメーションセンターがあります。そうした場合、去年実は申請を出して却下されたのですけれども、今度は大船渡市をインバウンドで売り込みたいと思ったときに、やっぱり各国のパンフレットをつくるといったら、今までの予算の中ではちょっとつくりづらい部分がありまして、そういう使えるものがあったら大変助かりますとは思います。

平井観光課総括課長
 わかりました。今政府のほうが東北観光復興に支援をしようということで交付金をつくっていまして、実はその交付金というのは県だけでなくて市町村さんも受けることができるのです、直接。ここにいらっしゃる方々の市町村の中でもその交付金を実際に受けていらっしゃいます。そういうものをうまく使っていただければより多くのこともできると思います。

保室長
 ほかにどうですか、皆さん今の観点から。この先もやっていけるかなみたいなところはどうでしょうかね。

柏崎 未来
 体験プログラムに限らずなのですけれども、先ほど言った子どもの居場所づくりという部分でも、今は放課後子ども教室自体は市からの委託でやらせていただいているのですけれども、例えばMeetupに子どもたちを参加させるとかというときに体験に対してお金を払ってというところで、震災後特によくあったと思うのですけれども、無料に慣れてしまって、ちょっとでも高いというふうな流れがある中で、プラス貧困の子どもたちとか家庭も現場で感じることがあって、そういう子たちにどのように地域の魅力を伝えていくかというのをすごく思っています。普段キャンプとかを子どもを対象にやったときに来る子どもたちというのは裕福ではないのですけれども、一般的な家庭で、私たちが来てほしい、家庭的に苦しい子たちが来れないというのがすごく腑に落ちないというか、そういう体験、私たちもお金をいただかないと継続できないというので、参加費は必ずいただくようにはしているのですけれども、一方でそういうところに参加できないという子たちがいたりとかがすごく今もやもやしているところで課題として感じていました。

達増知事
 なるほど、地元の子どもたちに地元に誇りを持ってもらうというのも目的でやっているのですものね。

柏崎 未来
 そうですね、はい。

達増知事
 だから、そういう外から来た人たちに体験プログラム、体験してもらうという事業と地元の子どもたちに地元に誇りを持ってもらうというのがそれぞれ違う論理で動いてしまうということなのでしょうね。片やビジネスベースで、でも地元の子どもたちというのはそうではないですからね、うまくそこがつながればいいのだと思いますが。
 おらが大槌夢広場も同じような問題意識でやっているわけですよね、外から来た人にいろいろやってもらうということと、あと地元の子どもたちも育てようという問題意識で。

東梅 和貴
 そうですね、はい。基本、私たちの研修はお客さんが求めていることに対してつくります。それプラス町が抱えている課題だったり、問題点とかぶつけて、ともに考えていくということで、結構営業に行く先々で「何できるんですか」というか、「岩手に行けば何ができるんですか」という質問がすごく多いのですよ。それを聞いたときに、観光にかかわる私初め、観光にかかわる皆さんは岩手のことを何て言っているのかなと思ったのです。ある程度岩手に行けばこれを学べますといううたい文句というか、そこはあくまでもそろえるべきなのかなというのはすごく感じました。岩手の大槌に行けばそれプラス、これも学べるのだよというある程度言葉を合わせていけば少なからず、岩手に行けばあんなとこに行けて、沿岸に行けばこういったことやれて、内陸に行けばこういったことがやれるという、いかに同じ方向性を向いて歩いていけるかというのがすごく……

達増知事
 そうですね、県も学びの場いわてなどというキャッチフレーズをつくって、岩手に来ればいろいろ学べますよとかという宣伝をしようとしていて、今三陸DMOがそれを一つ、いわば1冊の参考書というか、岩手で学べることブックみたいなものとして沿岸のそういう体験教育旅行ガイドみたいなものをまとめようとしているわけですよね。

平井観光課総括課長
 はい。

達増知事
 もちろん県としてもそういう学びの場いわてというアピールを強化していきます。

保室長
 ほかにどうですか。

堀内 朋子
 例えばなのですけれども、このごろ旅行社さんから言われるのはバス料金が倍近く上がって、岩手県はいいところなのだけれども、広過ぎるからちょっとというお話があったりするのです。

達増知事
 激しくうなずいています、激しく同意というやつ。

堀内 朋子
 助成のところで、岩手県にはわんこきょうだいがあって、5ブロックに分かれていますけれども、例えばこことこことここの3カ所を行ったら何か助成みたいな感じはできないかなと……

達増知事
 スタンプラリーのような……

堀内 朋子
 はい、ちらっと思っておりました。

平井観光課総括課長
 バス助成制度は今年もございます。昨年までは内陸から沿岸に行くバスツアーについてはバス助成をしますというスキームでございました。また同じく沿岸に教育旅行に行く場合には教育旅行のバス代金を助成しますというスキームもございました。今年は、それにプラス岩手県で宿泊する旅行の場合には助成するというスキームを検討しています。というのは、昨年国体があって、岩手県の宿泊旅行というのは非常に評価を得ている。そして、宿泊するということは結局沿岸まで足を伸ばす可能性が非常に高まるということで、今回はそれに加えて、岩手県に宿泊する場合の、何泊かはこれから検討させていただきますけれども、そのバス助成のスキームを今検討していますので、ぜひできましたら情報をお伝えしますので、御活用いただければと思います。

大和田 恵美
 その点であれなのですけれども、冬場だったじゃないですか、昨年度は。

平井観光課総括課長
 それはフルシーズンで検討しております。

大和田 恵美
 ありがとうございます。

保室長
 修学旅行なり、それから子どもあるいは青年というか、若いころに経験してその場所に行ったということは、結構一生の財産になるようなものだと思うのです。私自身もそういうことですし、そういう一回来ていただいた、修学旅行で来ていただいたお客様、生徒さんたちとか、そういう方たちを将来もう一回また岩手に来てもらおうと、そういうようなことで何か修学旅行なり何なり一回来てくれたお客さんにまた来てねというようなことでリピートをしてもらうというような、何かそういうことで工夫されているようなことありましたらちょっと御紹介していただくとうれしいなと思いますけれども、どうでしょうか。

東梅 和貴
 どうしても修学旅行となると一大イベントで各地域に行けば、私は一般的な東京に行って観光地をめぐったのですけれども、どこも印象が強過ぎて上書き保存というか、前に行ったところはすっかり忘れていて、ずっと上書き保存、結局どこに行ったっけというのがあったのですけれども、そういうことをなくすために学校に持ち帰った後の成果物というか、例えば大槌の町民と話してそれを取材して壁新聞つくってという例があったとして、その壁新聞を学校に掲示して、生徒もそうだけれども、親御さんも見れるような環境というか、ただ修学旅行終わりではなくて、学校に帰ってもこのことを思い出せるような形づくりというのをして、岩手であんなことを学んできた、こんなこと感じてきた、じゃ、今度家族で行ってみようかということで、ゴールデンウイークに家族を連れてきた方もいました、実際に。なので、いかに生徒たちが何を学んできたのかというのを思い出ではなくて形にする方法というのを考えたらいいのかなと思いながら、研修を組むようにしていきたいなと思っています。

保室長
 ほかにはいかがでしょうか。

堀内 朋子
 確かに修学旅行に生徒さんがいらっしゃって、関東の方だったのですけれども、子どもがいいところだと言うから来ましたと、わざわざふるさと村にお越しいただいたことはあるので、やっぱりその子の心に残る何かというのは大事なのだと思います。

柏崎 未来
 修学旅行とか教育旅行みたいにいっぱいのときというのはすごく難しいかなと思うのですけれども、私たちもボランティアさんが長期で滞在するときに地域の人のお手伝い、漁師さんとか農家さんのお手伝いを通して人と出会うみたいなことをしているのですけれども、そのときに仲よくなったおじいちゃん、おばあちゃんにまた会いに行きたいとか第二のふるさとと、東京の子たちというのはふるさとがないというふうに言ったりするじゃないですか。

達増知事
 田舎がないとか。

柏崎 未来
 そうそう、田舎がないと。それで、第二の田舎にするというような形でやって、この前の台風10号のときにその田舎のおばちゃんたち、お世話になったおばちゃんたちが被災してしまったときにすぐ駆け付けてくれてお手伝いをしてくれたという中で、何かこういう観光もそうなのですけれども、つながることでいざというとき助けてくれる存在になるというのをこの前の台風のときに実感をしてすごく被災した方々も元気をもらっていて、観光からそういうつながりが生まれるというのはすごくいいなというふうに思いました。

保室長
 あとしゃべり残したというようなことはございませんか。大丈夫ですか。

東梅 和貴
 今思ったのですけれども、皆さん共通して言っているのが岩手の人で勝負しているというのがすごく共通認識としてあったなというのがあって、岩手というのでくくるのではなくて、岩手に住むと決めた人たちの覚悟で僕はそこに価値があるのではないかなとすごく思っています。なので、岩手に生きると決めた人たちの価値をどれだけ最大限生かして、どういった研修だったり、旅行を組んでいくのかというのがもしかしたら現地にいる私たちの一番の目標というか、一番必要とされているところなのかなというのを再認識することができました。ありがとうございます。

知事所感

保室長
 では、知事最後に。

達増知事
 それぞれの皆さんがやっていること、またやろうとしている方向性、詳しく聞かせていただいて非常に参考になりました。県としてもそういう皆さんを応援したり、また皆さんとともに進んでいきたいなと思います。
 東梅さんが最後に岩手で生きると決めた人で勝負というのは、すごくいいポイントだと思いますよね。そういう人を見せていくには、やはりコーディネート部分というのがないとできないので、そこでコーディネート役というのが非常に大事になってくるのだなと改めて思いましたので、そういうコーディネート部分と、そしてあとはもうちょい旅行業界に近い部分と、あとは行政と力を合わせながらやっていくといいのではないかなと思いました。
 あとは宝来館のおかみさんは、まさにそういう岩手で生きると決めた人の代表みたいな感じで全国的にも有名ですけれども、震災前からグリーンツーリズムを盛んにやるのだということ、特に震災直前に頑張っていらしたのを思い出しますし、根浜の地域のお母さん方と郷土料理をつくって出すみたいなことに力を入れていたり、やっぱりそういう人のパワー、人間力というのを生かした体験旅行や教育旅行というのを県としても工夫していきたいと思います。ありがとうございました。
 あと今いろいろ話をする中、ほかの団体はこういうことをやっているのかとか、ほかの地域でこういう工夫があるのかとか、参考になったと思うので、全く同じこのメンバーでもう一回集まるというのは難しいかもしれませんが、でも随時いろいろ今後も連絡をとり合うなどして一緒にやっていくといいのではないかと思うので、我々も含めて一緒にやっていきましょう。

閉会

保室長
 ここまで皆様大変ありがとうございました。
 以上をもちまして、本日の「がんばろう!岩手」意見交換会を終了したいと思います。大変どうもありがとうございました。

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